ブラームス:交響曲全集,セレナーデ第1番,第2番(マリオ・ヴェンツァーゴ指揮/タピオラ・シンフォニエッタ)

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ブラームス:交響曲全集
ブラームス:セレナーデ第1番,第2番
マリオ・ヴェンツァーゴ指揮/タピオラ・シンフォニエッタ
9-15 January 2016 (Symphony No.1, Sereades), 17-19 February 2017 (Symphony No.2), 19/20 September 2015 (Symphony No.3), 30 January - 5 February 2015, at Espoon kulttuurikeskus, Tapiola, Finland
19075853112 (P)(C)2018 Sony Music Entertainment Switzerland (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

タピオラ・シンフォニエッタは小編成のオーケストラで,ブラームスの交響曲第4番を初演したマイニンゲン宮廷管弦楽団とほぼ同じ規模であり,ピリオド奏法を取り入れて演奏されています。小編成での演奏やピリオド奏法を取り入れた演奏は今やそれほど珍しいものではなくなってきていますが,ここで聴けるサウンドは単にピリオド奏法を取り入れたというような枠にとどまらない,今までのブラームスの印象とはずいぶん違う新しい表現を切り拓くことに成功しているように思いました。

演奏にキレとスピード感があるにも関わらず,とにかく良い意味でユルく力が抜けていて軽く,そして響きが透明で美しいのです。青春の息吹を感じますね。勿体ぶらない指揮も良いと思います。こういう演奏なので第2番やセレナーデが良いのはもちろんですが,渋いイメージのある第4番なども今まで持っていたイメージとは全く異なる世界を作ることに成功しているように思います。これは小編成にしかできない,小編成を真に活かした好演奏と言えるでしょう。私はピリオド奏法は苦手な方ですがこれは全く気になりませんでした。好き嫌いははっきり分かれるかもしれませんが,私は大変気に入りました。

さて録音ですが,小編成の場合,どうしても弦が弱くなりがちなのですが,この録音ではその弱点が出ないよう,そしてバランスが崩れないギリギリのところまで弦楽器を大きめに捉え,弦楽器がサウンドの中心に据えられているという点でまず好感を持ちました。残響はそれなりにあるのでやや不明瞭で楽器の輪郭がぼやけるきらいはありますが,それでも個々の楽器は分離よくしっかりと捉えられているので悪い印象ではありません。正直なところもう少しすっきりと透明感と質感を大事に小編成をもっと活かす録り方をして欲しかったとは思いますが,まあこれでもまずまずの好録音かなとは思います。すこしオマケですが四つ星半です。

バッハ:6つのパルティータ(エヴァ・ポブウォツカ)

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バッハ:6つのパルティータ
エヴァ・ポブウォツカ Ewa Poblocka (Piano)
Warsaw Philharmonic Hall, March - May 2000
VICC-60217-8 (P)2000 Victor Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp

録音でそう聴こえるという面も多々あると思いますが,大変情感豊かでロマンティックな演奏ですね。タッチが柔らかく上品に響かせているのが印象的です。ピアノという楽器の表現力を活かしていて良いと思います。

録音ですが,残響をかなり多めに取り込んでいるので私の好みからは少し外れるのですが,音色の曇りはあまり感じられず,響きの美しさを強調するような録り方なので,残響が好きではない私でもなんとか許容できますし,残響を許せる方なら全く問題ない録音だと思います。ちょっと演出感は強すぎるかなと思いますが。

メンデルスゾーン:交響曲全集(クラウディオ・アバド指揮/ロンドン交響楽団)

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メンデルスゾーン:交響曲全集
クラウディオ・アバド指揮/ロンドン交響楽団
1984年2月18日-20日(第2番,第3番),10月5日-10日(第1番,第4番,第5番) ロンドン
UCCG-4326/8 (P)1985 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

持っているはずなんだけどどこにしまい込んでしまったんだろうと長い間行方不明で探し続けていたディスク。先日車のトランクの中から発掘されました(^^;。

本全集は同曲のスタンダートとしての地位を確立した名盤ですね。端正で品格のある安定した曲運びに安心して音楽に没入できます。こういう巧さはさすがですね。

録音ですが,この頃のドイツ・グラモフォンの録音らしくすっきりと整っていますし,残響感も適度であり,音色も綺麗です。あえて言うならやや楽器の質感に乏しく,生楽器の現実感が希薄で人工的に作り込まれたような不自然さを感じるところでしょうか。まずまずの好録音だとは思いますが,もう少し生々しさを残して欲しかったところです。

バッハ:6つのパルティータ,2声のインヴェンション(ヴラディミール・フェルツマン)

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バッハ:6つのパルティータ,2声のインヴェンション
ヴラディミール・フェルツマン Vladimir Feltsman (Piano)
1999年9月8-11日 モスクワ音楽院ボリショイ・ホール
CMCD-15042-3 (C)2005 CAMERATA TOKYO (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

すごく明晰なバッハですね。一つ一つの音の歯切れ良さ,粒ぞろいも良いですし,タイミングが正確で声部の描き出しも的確に思います。それでいて音楽が活き活きと躍動しているところが素晴らしく思います。他の録音も聴いてみたくなりました。

録音ですが,ややホールトーンを伴っているものの,直接音主体で明瞭感はそれなりにあり,音色も自然な範囲なので好印象です。

フェルツマンの録音は,Nimbus AllianceのCD-R盤でも発売されており,パルティータ(例えばこちら→Tower Records)は録音日が同じことからこのカメラータのディスクと同じ録音のようです。

プレインズ(ジョージ・ウィンストン)

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プレインズ PLAINS
ジョージ・ウィンストン George Winston (Piano)
MUSIC CAMP MCV 3003 (P)(C)2010 Dancing Cat Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

2010年頃に制作されたと思われるアルバム。ノーマークでした。たまたま立ち寄ったタワーレコードのクラシックフロアのピアノ曲の試聴コーナーにあり,試聴して気に入ったのでそのまま手に取って購入しました。彼らしいおおらかで温かなピアノ作品集。

そして特筆したいのはこの録音。以前,“Winter Into Spring”を好録音として紹介しましたが,それよりも若干劣るかもしれませんが,これもなかなか良い録音だと思いました。若干の音の加工とポピュラー音楽的演出は感じられるものの,音色を濁す残響や人工的なリバーブもあまり感じられず,ピアノという楽器の音の美しさをけっこう素直に伝えてくれていると思うのです。

クラシックのピアノではまずこのような録音はしないと思いますが,もしやったらどんな風に聴こえるのか,一度聴いてみたいものです。個人的にはけっこう気に入るのではないかと思っているのですが...こればかりは実際に聴いてみないとわからないですね。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(桜井大士)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
桜井大士 Taishi Sakurai (Violin)
2018年1月30日,31日,2月1日 岩舟文化会館コスモスホール
LPDCD101-102 (C)2018 Laplace Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

「CD試聴記」からの転載記事です。

一つ一つの音に思いを込めて丁寧に紡いでいく, 起伏を付けず一定の緊張感で弾き進めていく, 日本語が聴こえてくる気がします(多分に先入観が入っていますが(^^;)。 技術的にもキレがあります。 バッハの音楽に対する真摯で謙虚な姿勢が伝わってきます。 今どきの演奏ではない古めかしさも感じますが,これはなかなか聴かせますね。

録音ですが,残響はやや多めで,音色の曇り,明瞭度への影響は少ないものの, 透明感,美しさは失われています。 残響の音楽性への寄与もあまり感じられません。 まあこの録音なら問題ないと思う方も多いとは思いますが, やはり得るものよりも失うものの方が大きいと思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番作品130,大フーガ作品133(エルデーディ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番作品130,大フーガ作品133
エルデーディ弦楽四重奏団 Erdödy Quartet
Coppice Miyoshi, 12-16 February 2017
ALCD-1171 (P)(C)2018 ALM RECORDS (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

後期弦楽四重奏曲集に向けての第1弾。差し替えられた終楽章での演奏のあとに大フーガが収められています。終楽章を大フーガで演奏されるケースもありますが,私はこちらのパターンの方が好きですね。そして演奏ですが,気負いのない明るく自由な雰囲気が好印象です。近寄りがたさを感じることもある後期の作品を少し緩めに親しみやすく聴かせてくれていると思います。

録音ですが,残響感はあるものの控えめで直接音主体なので,明瞭で音に伸びがあり楽器の質感もよく感じられます。少し演出感はあるものの,一方で椅子のきしみや演奏者が動くとき音なども入っていて妙に実在感もあったりします。ちょっと音の捉え方が濃い感じはしますが,まずまずの好録音と言えると思います。

これからのリリースも楽しみです。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品18(クァルテット・エクセルシオ)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品18
クァルテット・エクセルシオ Quartet Excelsior
2016年5月24,25日 富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ(No.1-3),2017年4月18,19日 相模湖交流センター(No.4-6)
Live Notes WWCC-7867-9(LN 3900-2) (P)(C)2018 NAMI RECORDS (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Recoreds,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

同弦楽四重奏団の第12番,第16番,ラズモフスキー四重奏曲に続く,ベートーヴェン・シリーズ第3弾。やはりこれも前2作同様の正統的なスタイルを踏襲した充実した演奏で,シリーズとして一貫している点はもちろん良く私も望ましいと思う一方で,この作品18に関していうと少し真正面からぶつかりすぎている気がしてしまいました。曲運びが少し重いのです(そのためかディスク3枚組になっています)。もう少しスピーディーで軽やかな演奏で聴きたかったかなというのが正直なところですが,これはまあ演奏者の目指すところがそちらの方なのでしょうから仕方ありませんね。技術力があり,アンサンブルも優れている点はさすがです。

そして録音ですが,今回は3曲ずつ異なる会場で録音されているので,それぞれで少し傾向が異なるのですが,少しオフ気味でホールのキャラクターを強めに出している点では同様です。そのため,やはり音の濁り,くすみは避けられず,ニュアンスや美しい音色が損なわれているというのは否めません。まあこの程度であれば全く問題ないと思われる方も多いとは思いますが。第3弾まで同じ傾向の録音できているので全集がこれで統一されてしまうのかと思うと私としては少々残念に思います。

ショパン:24の練習曲作品10,作品25,24の前奏曲作品28(フィリップ・ジュジアーノ)

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ショパン:24の練習曲作品10,作品25
ショパン:24の前奏曲作品28
フィリップ・ジュジアーノ Philippe Giusiano (Piano)
録音 2006年5月
MIR 018 (P)(C)2006 MIRARE (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

技術的にも優れ,端正で綺麗に整っているとともに,時折ふっと現れる柔らかくしなやかなタッチが洒落ています。技術偏重になりがちな作品10ですが,かすかに漂う叙情的表現に惹かれます。教科書的という評価もあるようですが,確かにそういう面はあると思いますが,私はそれをポジティブに感じました。

録音ですが,少し響きはあるものの,直接音主体に明瞭に録られていてまずまず良好です。少し演出感はあるもののそれほど気になりません。もう少し生々しく,音色の癖が抑えられていたら文句ないのですが,これでも十分好録音であり,ストレスなく気持ち良く聴くことが出来ました。

私としては,演奏も録音もそこそこ当たりかなと思います。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(髙橋望)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
髙橋望 Nozomu Takahashi (Piano)
January 31, 2015 Yotsuya Kumin Hall
PPCA-620 (P)(C)2015 Pau Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ライヴ録音。「バッハの傑作ゴルトベルク変奏曲を永遠のテーマとし,毎年同曲のリサイタルを行う髙橋望」という触れ込みに惹かれて聴いてみました。2015年のコンサートのライブ録音です。

強めの打鍵で歯切れ良く自信に満ちた弾きっぷりが気持ち良いですし,恣意的なところが少なく何より自然な呼吸感が私には心地よく感じられます。確かによく弾き込んでいるなぁと思いました。

そして録音なのですが,残響感はあまりなく,ホールのキャラクターが若干ピアノの音色に被っているものの,明瞭感はまずまず良好です。演出感の少ない生録的な良さもあります。オーディオ的なクオリティは並かなと思いますが,悪くはありません。もう少しスカッとしたところがあれば良いのですが許容範囲です。少しオマケではありますが四つ星半としました。

多くの方にお勧めできるかどうか微妙なところはあるものの,私自身は演奏,録音ともこれは良かったなと思いました。ちょっとした掘り出し物でした。

※リピート表は後日追記予定です。