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ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番,サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番(大谷康子 Vn/広上淳一指揮/大友直人指揮/東京交響楽団)

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ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26
サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調作品61
大谷康子 Yasuko Ohtani (Violin)
広上淳一指揮/大友直人指揮/東京交響楽団
2010年9月19日 ミューザ川崎,2009年10月25日 サントリーホール
KICC-997 キングレコード (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

拍手の入るライヴ録音。ヴァイオリンの音色が素晴らしいです。ヴァイオリンという楽器の魅力,協奏曲の魅力が詰まっている好演奏。ライヴながら傷もほとんどなく技術的にも満足できる出来でした。とても良かったです。

一方録音ですが,残響はそれほど多くないものの楽器音に少し被って音色がややくすみがちです。音に伸びがありません。中低域の充実感はあるのですが,高域のヌケの悪さですごくもどかしいです。もう少し寄ってシャキッと捉えて欲しかったです。そんなに悪くはないのですがすごく惜しい録音です。

ベートーヴェン:交響曲全集,序曲全集,協奏曲集(クルト・マズア指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集,序曲全集,協奏曲集(8 CDs)
クルト・マズア指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
482 6042 (P)(C)2016 Universal Music Italia (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

フィリップス時代に録音されていたものをボックス化してまとめられたもの。収録曲と録音時期は下記の通りです。

・交響曲全集(1987-92年)
・序曲全集(1972-74年)
・合唱幻想曲ハ短調作品80(1993年2月)
・ピアノ,ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲ハ長調作品56(1992年7月) ※ボザール・トリオ
・ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61(1978年) ※サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)

今回は録音についてのみのコメントです。

交響曲全集は,やや残響が多めで全体に少し音色がくすんだ感じでフィリップス録音にしては冴えない感じでした。そして序曲全集とヴァイオリン協奏曲ですが,オーケストラの方に残響を盛りすぎていて音色がくすんだところを無理矢理イコライザで補正したような違和感があることに加えて,フォルテで飽和して音が潰れています。これはちょっといただけません。

フィリップス録音だからといって良いとは限らないという例で,録音の悪さが気になって音楽自体をあまり楽しむことができませんでした。残念です。

■購入ディスクメモ(2020年3月) その2

最近購入したディスクのメモです。



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ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26
サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調作品61
大谷康子 Yasuko Ohtani (Violin)/広上淳一指揮/大友直人指揮/東京交響楽団
2010年9月19日 ミューザ川崎,2009年10月25日 サントリーホール
KICC-997 キングレコード (国内盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ふとこの2曲を聴いてみたくなって探し見つけた盤。どのような演奏を聴かせていただけるのか楽しみです。



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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集
コンスタンチン・リフシッツ Konstantin Lifschitz (Piano)
2017年11月,2019年4月,7月 香港大学MUSE大ホール
ALPHA 584 (C)2020 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

比較的好きな録音の多いαレーベルということで聴いてみることにしました。



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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番
エルデーディ弦楽四重奏団 Erdödy Quartet
2019年8月6-8日 三芳町文化会館(コピスみよし)
ALCD-1189 (P)(C)2020 ALM RECORDS (国内盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

後期弦楽四重奏曲集の第三弾。第一弾の第13番と大フーガは以前にレビューしていました。第二弾は第14番,第16番で発売済み,後期の残りは第15番となりました。第12番は後期の中では最も人気のない曲ですが,私は大好きな曲なので楽しみです。しかし,第12番のみでリリースとは...



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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
サシャ・ヴェチュトモフ Saša Večtomov (Cello)
1984年8月27日-9月4日 チェコ,プラハ,ルドルフィヌム
SU 4275-2 (P)1986,2020 Supraphon (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

蒐集盤。以前,いつもお世話になっている友人にLPを聴かせていただいて感想をアップしていました(→こちら)。ようやくCD化されたので入手しました。



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バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番,第5番,第6番,他
ターニャ・テツラフ Tanja Tetzlaff (Cello)
VIII 2018, Sendesaal Bremen / Germany
LC 15080 (P)(C)2019 Avi-service for music (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music,HDtracks

蒐集盤。実は以前HDtracksでハイレゾ音源を購入していたのですが,蒐集盤なのでディスクがあるなら買っておかないとなんか落ち着かなくて...(^^;



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ベートーヴェン:交響曲全集,合唱曲集
マイケル・ティルソン・トーマス指揮/イギリス室内管弦楽団/セント・ルークス管弦楽団/ロンドン交響楽団/アンブロジアン・シンガーズ
録音 1978-1986年
19439703962 (P)(C)2020 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

輸入元情報に「室内オーケストラによる史上初のベートーヴェン交響曲全集」とあり,えっほんと?と思ってしまったのですが,今では珍しくなくなった規模の小さい編成の演奏って意外に歴史が浅いんだなとちょっと驚きました。どんな演奏が聴けるのか楽しみです。

収録曲は下記の通り。

交響曲全集
アリア「ああ,不実な者よ」作品65
12のコントルダンス WoO.14
劇音楽「エグモント」作品84より序曲
奉献歌作品121b
劇音楽「シュテファン王」作品117
悲歌作品118
盟友歌作品122
カンタータ「静かな海と楽しい航海」作品112

もしかしてこれ持ってたかも...と思いながらも購入...



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シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/フィンランド放送交響楽団
録音 1987-1989年
19439704812 (P)(C)2020 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

サラステ/フィンランド放送交響楽団の1回目の全集。2回目はこのほぼ4年後のサンクト・ペテルスブルクでのライヴ録音で,以前取り上げていました(→)。

収録曲は下記の通り。

交響曲全集
「カレリア」序曲作品10
組曲「カレリア」作品11
交響詩「フィンランディア」作品26
劇音楽「クオレマ」作品44より鶴のいる情景/悲しきワルツ
交響詩「夜の騎行と日の出」作品55
組曲「ベルシャザール王の饗宴」作品51
組曲「クリスティアン2世」作品27
交響詩「ポヒョラの娘」作品49
交響詩「吟遊詩人」作品64
交響詩「大洋の女神」作品73
交響詩「伝説」作品9
交響詩「タピオラ」作品112
組曲「歴史的情景」第1番作品25,第2番作品66
4つの伝説曲作品22
ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47(*)
2つのユモレスク作品87,4つのユモレスク作品89(*)
2つのセレナード作品69(*)

*ジョセフ・スウェンセン (Violin)



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チャイコフスキー:交響曲全集
レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック
録音 1957-1975年
19439709652 (P)(C)2020 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

バーンスタイン/ニューヨーク・フィルの黄金時代?の演奏(交響曲は1960-1975年)。唯一の全集録音とのことです。

収録曲は下記の通り。

交響曲全集
幻想序曲「ロメオとジュリエット」
幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
スラヴ行進曲
序曲「1812年」
幻想序曲「ハムレット」



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チャイコフスキー:後期交響曲集,管弦楽曲集
レナード・バーンスタイン指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1984-1989年
00289 477 6704 (P)2007 Deutsche Grammophon (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

バーンスタイン晩年にニューヨーク・フィルと行われたチャイコフスキー・サイクルのライヴ録音。感情移入の激しい演奏として有名だと思います。極端にテンポが遅かったりするという評判だったので避けてきたのですが,やっぱり一度聴いてみたいと思いまして。

収録曲は下記の通り。

交響曲第4番,第5番,第6番「悲愴」
幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
幻想序曲「ロメオとジュリエット」
幻想序曲「ハムレット」(*)
スラヴ行進曲(*)
イタリア奇想曲(*)
序曲「1812年」(*)

*イスラエル・フィル



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ヘンデル:トリオ・ソナタ集作品2
アル・アイレ・エスパニョール Al Ayre Español
2018年11月6-9日 マドリード,聖セバスチャン教会
CC72797 (P)(C)2019 Challenge Classics (輸入盤)
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

作品1に比べると聴く機会がグッと減る作品2のトリオ・ソナタ集。これもApple Musicで試聴し,演奏も録音も良さそうでしたので入手しました。



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バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988
ニコラ・アンゲリッシュ Nicholas Angelich (Piano)
2011年2月23-26日 ダブリン,カーティス・オーディトリアム
50999 0706642 9 (P)(C)2011 EMI Records/Virgin Classics (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

アンゲリッシュはアメリカのピアニスト。いままで聴いたことがなかったピアニストなのでちょっと楽しみです。Apple Musicで試聴した感じではテクニックが冴える硬派のピアニストという印象を受けましたが実際のところどうなのでしょうか。



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バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988
ハビエル・トーレス Xavier Torres (Piano)
2015年10月17-18日 Palau de la Musica (Valencia), Spain
IBS-32016 (C)2016 IBS Artist (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

ハビエル・トーレスはスペインのピアニスト。Apple Musicで見つけ,良かったのでディスクを入手しました。



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バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988
マリア・ペロッタ Maria Perrotta (Piano)
Live at Teatro Valle Occupato Rome, October 17, 2011
CNK 028 (P)(C)2012 Cinik Records (輸入盤)
参考: Amazon.co.jp

DECCAから2012年に録音された同曲のディスクを先日入手したのですが(→こちら),その1年前にライヴ録音されたディスクがありましたので入手しました。DECCA盤も日本での取り扱いがないようなのですが,こちらのディスクもあまり日本に入ってきていないようです。

ズービン・メータ:交響曲&交響詩集(ズービン・メータ指揮/ロサンジェルス・フィル/イスラエル・フィル/ウィーン・フィル/ニューヨーク・フィル)

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ズービン・メータ:交響曲&交響詩集(23 CDs)
0289 482 1836 3 (P)(C)2015 Universal Music Italia (輸入盤)
録音 1968-1980年
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

メータが30歳代前半から40歳代前半にかけてDECCAに録音されたものから集められています。活力のあるダイナミックな演奏が楽しめました。

DECCAのアナログ後期の録音が主で,多少のばらつきはあるものの,一定以上の水準の好録音揃いというのもうれしいところです。特に1970年代中盤から後半にかけてのマーラーやR.シュトラウスの録音が明瞭感や分離感も良好で良かったです。

まだすべてを聴ききれていませんが,じっくりと楽しみたいと思います。

収録曲は下記の通りです。

マーラー:交響曲第1番(*),第2番(**),第3番,第4番(*),第5番
チャイコフスキー:交響曲全集
チャイコフスキー:「1812年」,「ロメオとジュリエット」,スラヴ行進曲
チャイコフスキー:「白鳥の湖」ハイライト,組曲「胡桃割り人形」,イタリア奇想曲(*)
シューベルト:交響曲全集(*)
ドヴォルザーク:交響曲第7番(*),第8番,第9番
R. シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき,英雄の生涯,アルプス交響曲,家庭交響曲
ベルリオーズ:幻想交響曲(***),イタリアのハロルド(*)
ベートーヴェン:交響曲第7番
ブルックナー:交響曲第9番(**)
リスト:前奏曲(**)

ロサンジェルス・フィル
*イスラエル・フィル
**ウィーン・フィル
***ニューヨーク・フィル

TVアニメ「この音とまれ!」~僕たちの音~

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TVアニメ「この音とまれ!」~僕たちの音~
KICA2572 P)2020 King Record Co., Ltd (国内盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
演奏: 木村摩耶,熊代七恵,柴田眞弓,中島裕康,橋本みぎわ,平田紀子,光原大樹,渡邉香澄

弊ブログで何度か取り上げた高校の箏曲部のTVアニメ「この音とまれ!」の劇中曲ディスクがこの2月26日に発売されました。収録曲は下記の通りです。

<収録内容>
1. 龍星群 ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
2. 六段の調(初段のみ) ★(演奏:倉田武蔵)
3. セピアの風に(演奏:鳳月さとわ)
4. 二つの個性(演奏:姫坂女学院箏曲部)
5. さらし風手事(演奏:永大附属高等学校箏曲部)
6. 百花譜(演奏:明陵高等学校箏曲部)
7. 久遠 ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
8. Tone ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
9. 水の変態 ★(演奏:堂島 晶)
10. 無題 ~天泣原曲~ ★(演奏:鳳月さとわ)
11. 三つのパラフレーズ ★(演奏:姫坂女学院箏曲部)
12. 堅香子(演奏:珀音高等学校箏曲部)
13. 天泣 ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
★...アニメ放送、本CDのための新レコーディング音源

「この音とまれ!」は元々コミックが原作で,アニメ化される2年前にもディスクが発売されており,以前取り上げていました(→こちら)。★が付いていない収録曲はその音源と同一です。上記に記載の演奏者は劇中の設定であり,実際の演奏者は異なります。

前のディスクの愛聴曲の「龍星群」「久遠」「天泣」の新録音が聴けるのもうれしいのですが,何といっても天泣の原曲となった「無題 ~天泣原曲~」がフルコーラスで聴けるというのが私としてはとてもうれしく,これを聴きたいがために買ったといってもいいくらいです。

この「無題 ~天泣原曲~」について少し触れておきます。これはヒロインの鳳月さとわが中学三年生のときに出場した全国コンクールでエントリー曲の「八重衣」の代わりに演奏し失格になり,後に家元の母から破門されることにつながる因縁の曲。夫を病気で亡くし箏の家元の鳳月会を背負う重圧で周囲が見えなくなり自分の声も届かなくなってしまった母に,自分の方を向いて欲しいという思いを込めて演奏したが,その母に「あなたの箏はまるで凶器だわ」と言われてしまう。後にこの演奏を自分で聴いて「こんな自分の痛みや苦しみをぶつけただけの音があのときの私の音。一番伝えたかった気持ちがこの音には何も乗っていない。」と理解する。

そしてここに収録された演奏は,そのシーンを再現するかのごとく感情を激しくぶつけた,キツい,痛い演奏でした。明らかに感情が先走って前のめりになっています。

しかし,私はこれにはちょっと苦情を言いたいです。まず,アニメの中での演奏はもう少し抑制された真っ当な演奏でした。これに対してこのディスクに収録されている演奏は明らかにやり過ぎで,この曲の本来の良さが壊されていると思います。物語の中のこの曲の位置づけを過剰に表現しすぎています。私としては純粋にこの曲を楽しみたかった,物語の背景から離れてこの曲の本来の良さを最高に引き出す演奏で聴きたかった,と残念に思いました。せめてアニメ中で演奏されたものにして欲しかったと思います。

そしてもう一つ楽しみだった「天泣」の再録音,これにも落胆しました。演奏自体は旧ディスクを上回るものの,ホール音響のエフェクトをかけ過ぎていて,本来の箏の美しい音色が大きく損なわれているのです。アニメ中の演奏もエフェクトがかけられていましたので同じといえば同じなのですが,アニメではさほど気にならなかったエフェクトも,ディスクとして鑑賞すると邪魔でしかありません。録音だけでいうと旧ディスクの方がはるかに良いです。期待していただけに本当にがっかりです。

他の再録音の曲もここまでひどくはないですが,全般的にややクオリティが良くなく,音が硬く歪みっぽいです。私としては,サントラということではなく,それぞれの曲が最高の形で収録されていて音楽作品として純粋に楽しめるものであって欲しかった,というのが正直なところです。

「天泣原曲」はこの曲を最高の形で聴かせてもらえる演奏を,そして「天泣」は箏の音を大事にしたリミックス番を,ダウンロード音源でも良いのでリリースしてもらえたらなぁと思っています。全く期待できないことを承知でリクエストさせていただきます。

あとこのディスクには,この箏曲部の指導にあたるコトになった堂島晶先生が全国コンクールで演奏し一位を取った「水の変態」も収録されています。この曲は唄が入るのですが,堂島晶役の声優の東山奈央さんが実際に唄っておられるようで,ちょっと驚きました。

最後に「無題 ~天泣原曲~」のアニメのシーンがYouTubeに公開されていましたので掲載します。ディスクに収録されているのはこの演奏とは異なりもっと激しいものでした。アニメでは舞台袖に戻ったさとわに母が「あなたの箏はまるで凶器だわ」と突き放す。このアニメのシーンの演奏はそうは聞こえませんが,ディスクの演奏は確かにそう言われるかもしれない演奏だと思います。


そして「天泣」のアニメでの演奏シーンもYouTubeで公開されています。以前のエントリで取り上げていましたが,再掲します。


そして最後に,部の存続をかけて初心者が一ヶ月練習して全校生徒の前で演奏した「龍星群」。一ヶ月でこれがこのクオリティで弾けるようになるとは到底思えませんが,そこはまあ置いておいて,低音の十七弦がソロの曲。カッコいいです。

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,エグモント序曲(レミ・バロー指揮/クラングコレクティフ・ウィーン)

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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,エグモント序曲
レミ・バロー指揮/クラングコレクティフ・ウィーン
2019年3月23日 ウィーン,Lorely-Saal
GRAM99210 (P)(C)2020 Gramola (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。輸入元情報によると,レミ・バローはウィーン・フィルのヴァイオリン奏者で,「ウィーン最前線のオーケストラで活躍する名手たちによって結成」したのがクラングコレクティフ・ウィーンとのことです。そして「ウィーン古典派の音楽と正面から向き合い、現代楽器でその様式美の魅力を伝えようという同団の演奏理念」に基づき制作されたのがこのディスクで,第一弾のシューベルトの交響曲第8番「未完成」,第1番に続く第二弾です。第1ヴァイオリンが6名という規模の編成で演奏されているようです。

演奏はとても丁寧で,キチッとしたアンサンブルで整理された響きが美しいと思いました。全体に速めのテンポではありますが,表現も奇を衒うことなくシンプルにまとめているのも好印象です。

そして録音ですが,残響はあるものの楽器音へのまとわりつきは少なく,すっきりと見通しよく捉えているのが良いと思います。ライヴ録音で演出感もほとんどなく自然な雰囲気を残しているところも良いです。

演奏も録音も良い,私としてはちょっとした掘り出し物でした。

蛇足ですが...カバー写真が1970年代のプログレッシブロックのアルバムを想起させますね。

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(ブロドスキー四重奏団)

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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
ブロドスキー四重奏団 Brodsky Quartet
2017-2019年 イギリス,サフォーク,ポットン・ホール
CHAN 20114(3) (P)(C)2020 Chandos Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

エルガーの弦楽四重奏曲でも紹介したとおりブロドスキー四重奏団は1972年結成のベテランの四重奏団。ベートーヴェン生誕250周年記念録音とのこと。後期ですが第11番「セリオーソ」も収録されています。

力強く熱のこもった演奏なのに滋味深くどこか優しく聴こえるのはベテランの味,一昔前のスタイルによるものでしょうか。こういう演奏にホッとするのは歳のせいかもしれません。

録音もエルガーの弦楽四重奏曲とほぼ同じで,少し距離感を感じるものの,残響は抑えられており,スッキリした聴きやすい録音です。明瞭感もまずまずなのですが,距離感があるので楽器の質感は少し弱めです。まあもう少し寄って各楽器の質感を強めに分離良く録ってくれればとは思います。だいぶオマケでの四つ星半です。

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48(アンサンブル・アレグリア)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
アンサンブル・アレグリア Ensemble Allegria
2017年8月14-17日 バールム,ヤール教会
LWC1191 (P)(C)2019 LAWO CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

アンサンブル・アレグリアは2007年にノルウェー国立音楽アカデミーの学生たちによって創設されたオスロの室内オーケストラとのことです。編成は中規模と思われますが,キレと精度のあるアンサンブルと豊潤な響きが特徴です。表現そのものはノーマルですが,小気味よくスピード感もあり大変良いと思いました。出色の出来と思います。

録音ですが,少し多めの残響を伴っていますが,直接音成分がそこそこあって弦楽器の音色・質感への影響は少なく,私の好みとは少し異なりますが,これなら許せます。中低域の量感もありつつ締まっているので悪くないです。弦楽オーケストラの魅力を堪能出来る録音としてまずまず良いと思いました。

エルガー:弦楽四重奏曲,ピアノ五重奏曲(ブロドスキー四重奏団)

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エルガー:弦楽四重奏曲ホ短調作品83,ピアノ五重奏曲イ短調作品84
ブロドスキー四重奏団 Brodsky Quartet
マーティン・ロスコー Martin Roscoe (Piano)
2018年11月25-27日 イギリス,サフォーク,ポットン・ホール
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ブロドスキー四重奏団は結成が1972年というベテランの四重奏団。最近の若い四重奏団のクールでスマートな演奏と比べると古いスタイルを守っているなという印象です。情感豊かに良く歌う演奏が印象的で素晴らしく思います。弦楽四重奏曲の第2楽章のしっとりとした表現が特に良いと思いました。

録音は,少し距離感を感じるものの,残響は抑えられており,スッキリした聴きやすい録音です。明瞭感もまずまずなのですが,距離感があるので楽器の質感は少し弱めです。少しオマケですが四つ星半の好録音です。

ブルックナー:交響曲第8番,シューマン:交響曲第4番(ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
シューマン:交響曲第4番ニ短調作品120
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1988年11月,1987年5月 ウィーン,ムジークフェライン
UCCG-4737/8 (P)1989/1990 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ブルックナーの交響曲はどちらかというと苦手な方なので普段あまり聴かないのですが,時々あの響きに包まれたくなることがあります。カラヤンはベルリン・フィルとの全集が有名だと思いますが,今回は第8番をカラヤン晩年のウィーン・フィルとの演奏で聴いてみました。

カラヤンの演奏および録音は,わずかにデフォルメさせることで曲の特徴をクッキリと浮かび上がらせるところではないかと思っています。それが明快でわかりやすいと同時にあざとい感じにも聴こえるので,好き嫌いがはっきりと分かれてしまうのかなと。私自身はこういうのは嫌いではありません。このブルックナーでもそういう特徴が出ているように思いました。

録音については,クオリティ的には少し緻密さ,繊細さが足らず粗削りな感じがしますが,カラヤンの演奏の特徴をよく捉えていると思うのでその点では良好だと思います。全体のまとまりもありますが,私としてはもう少し個々の楽器の分離感があっても良いかなとは思いますが,ブルックナーとしてはこれで良いのかもしれません。だいぶオマケですが四つ星半とします。
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