バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(スティーヴン・ハンコフ)(アコースティック・ギター編曲版)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(アコースティック・ギター編曲版)
スティーヴン・ハンコフ Steven Hancoff (Acoustic Guitar)
録音不明
品番不明 (P)(C)2015 (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

アコースティック・ギター編曲による演奏。 ナイロン弦のクラシック・ギターによる演奏はよくありますが, スチール弦のアコースティック・ギターによる演奏は滅多に見かけません。 しかも全集ということで,アコースティック・ギターが好きな私にとっては大変うれしいディスクです。この曲集とアコースティック・ギターって,実は結構相性がいいじゃないか!と思ってしまいます。

ギター版ということもあって結構ベース音や和音の追加があります。 ごくまれにあれっ?というような和音がありますが,ほぼ違和感なく聴くことができます。技術的に特に優れているということはありませんが,全く問題はありません。

さて録音ですが,スタジオの残響のない環境で極めてクリアーに明瞭に録っています。 アコースティック・ギターの録音としてはごく普通だと思います。 スチール弦のきれいで伸びのある響きを堪能できます。

詳しくはわからないのですが,ハンコフ氏はジャズ・ギタリストのようです。 編曲および演奏自体はジャズ的なところは全くありません。

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(ヤーノシュ・シュタルケル 1992年 4回目の全集)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ヤーノシュ・シュタルケル Janos Starker (Cello)
1992年6月19,20,22-24日 New York,アメリカ芸術文化アカデミー
BVCC-37662-63 (P)1995 Sony BMG (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

4回の全集録音のうちの最後,4回目の録音です。 1992年なので,前回からおよそ8年後,68歳くらいでの録音になると思います。 前回の内向きな演奏に比べると,今回の演奏は,何か吹っ切れたような, 外向きの明るい,そして随分と意欲的な演奏にまた変わっています。 ただ,1960年代以前のような強烈なオーラを放つような演奏ではないので, もの足らなく思う方もおられるかもしれませんが,音楽的にはずっと深まっていると思います。 技術的な衰えもほとんど感じられません。

さて録音ですが,マイクポイントが近めで楽器音を暑苦しいくらいに濃厚に捉えており, 録音レベルも高く,この点では好ましく思います。 音色は少し中域に癖があって,もう少し適切な距離感ですっきりとしていれば良かったと思います。 惜しい録音です。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全集(ヤーノシュ・シュタルケル 1984年頃 3回目の全集)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番,第2番,第3番
ヤーノシュ・シュタルケル Janos Starker (Cello)
録音不明(1984年頃?)
SE-CD 300A (P)1984 Sefel Records (輸入盤)
好録音度:★★★★

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バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番,第5番,第6番
ヤーノシュ・シュタルケル Janos Starker (Cello)
録音不明(1984年頃?)
SE-CD 300B (P)1984 Sefel Records (輸入盤)
好録音度:★★★★

CD試聴記」からの転載記事です。

4回の全集録音のうちの3回目の録音です。 1984年頃の録音で,同氏の60歳の節目で録音されたものと思われます。 カナダのSefel Recordsというマイナーレーベル?への録音です。

2回目の全集の録音からおよそ20年後の録音ということになりますが,前回の録音に比べると全く印象が異なります。 前の演奏は「剛」という印象でしたが,これは正反対の「柔」です。 20年の月日が経っているとはいえ,同じ人の演奏とは思えない変わり様です。 人に聴かせる演奏というよりは,自分との対話という趣で,至極内省的な印象を受けます。 インパクトは全くなく,個性的な表現もありませんが,バッハと正面から向き合った味わい深い演奏だと思います。

録音ですが,残響は控え目に抑えられ,極めて自然な雰囲気と音色で捉えられていて好感が持てます。 どちらかといえば地味で冴えない印象であり,もう少し抜けよく伸びのある音で録って欲しかったとは思いますが, 演奏の内容にはとてもマッチしている録音だとは思います。

マイナーレーベルのためあまり流通していないようで,入手性が良くないのが残念です。 同氏に期待する演奏とは方向性が少し違うのでは?と思うものの,演奏の出来自体はすごく良いと思うので, 何らかの形で復刻されたら良いのに,と思います。 こういうのこそタワーレコードさんの出番だと思うんですけどね(^^;。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(ヤーノシュ・シュタルケル 1963,65年 2回目の全集)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ヤーノシュ・シュタルケル Janos Starker (Cello)
1963年4月,1965年9月
PHCP-20390/1(432 756-2) (P)(C)1991 Philips Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

4回の全集録音のうちの2回目の録音で,同氏を代表する録音の一つではないかと思います。 ギンギンに楽器を鳴らしてなんの迷いも感じさせない直線的・鋭角的な演奏。 懐の深さや味わいのある演奏ではありませんが,ここまで攻めた演奏をされるとこれはこれで説得力があります。 今となってはこれだけの技術をもってこのような演奏をされる方はほぼおられないのではないかと思うと, これは貴重な歴史の遺産に違いないと思います。

録音ですが,優秀録音で有名なMercuryの録音で,この録音もその生々しい音の捉え方でその一つに数えられると思うのですが, こうして聴いてみると録音場所の響きがやや多めに被っており,マイク位置も離れているようで, 音色はくすみ,ニュアンスも失われているように思いました。 悪くはないとは思うのですが,Mercuryとしてはあまり良くないという印象です。

付属の日本語解説書では次のような記載があります。 「歴史的な録音をCD化するに当たって,制作および技術部門が目標としたのは, オリジナル・テープとフィルム・マスターの音を出来る限り正確に,そして完璧に捉えることだった。 (中略) CD化に当たっては,オリジナルのマスター・テープだけが使用され,実際の録音の時と同じくイコライザーやフィルターを使うことはなく, コンプレッサー,リミターなども一切使われなかった。(後略)」 可能な限りマスターに忠実なデジタル化,CD化が行われたようです。

ちなみに拙ブログの姉妹サイト「CD試聴記」で,1951年の4曲の録音と,1957-59年の1回目の全集録音のレビュー記事を掲載しています。よろしければご参考に。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ヤーノシュ・シュタルケル Janos Starker (Cello)
1963年4月15日(第2番),1963年4月15,17日(第5番),1965年9月7日(第1番),1965年9月7,8日(第6番),1965年12月21,22日(第3番,第4番) ニューヨーク,ファイン・レコーディング・スタジオ
SSHRS-011/014 (P)1964/1966 Universal International Music B.V. / Stereo Sound REFERENCE RECORD (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Stereo Sound

ステレオサウンド誌の独自企画盤で,音匠仕様レーベルコートのシングルレイヤーのSACD 2枚とCD 2枚の4枚組です。 オリジナルマスターの音を再現することを目指しており,マスターテープから無加工,無修正でデジタル化したもので, そのため,聴きやすくするためのイコライジングやマスターテープに起因するノイズカット,ドロップアウトの修正などもされていないということです。

先に挙げた従来盤と聴き比べてみると,音の鮮度という点では確かに改善が見られました。 また,従来盤にあった左右レベルの微妙なバランス崩れや位相ずれのような違和感も緩和されているように思いました。 一方で,ドロップアウトまでいかないまでもテープの劣化による音の荒れのようなものは逆に目立って聴こえるので一長一短があるようにも思いました。

全体的には改善の方が大きいためこの復刻の価値は十分にあると思いますが, 従来盤もマスターに忠実なデジタル化を目指したものであったため, 改善が明らかとはいえびっくりするほどの差はなく, 従来盤のおよそ4倍程度の値段が妥当かどうかはそれぞれの人の価値観によると思います。 やはりこれはオーディオマニア向けの商品ですね。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(中木健二)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
中木健二 Kenji Nakagi (Cello)
2016年7月24-26日 キング関口台スタジオ 第1スタジオ
KICC 1345/6 (P)(C)2016 King Record Co. Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン・チェロによる演奏。 明るく軽やかであり,どこまでも爽やかな印象を残す好演奏。 技術的にも万全であり,この余裕がこの楽しい演奏を生み出しているのでしょう。 モダン楽器を活かした新しい時代を拓く演奏だと思います。

録音ですが,スタジオで録音したとは思えない残響感が中途半端です。 残響がまとわりついて明らかに明瞭感と質感を阻害しモゴモゴしています。 音楽を豊かに演出する効果はゼロ,音色を濁し不明瞭にする悪影響しか感じません。 明らかにこの素晴らしい演奏に水を差しています。 いったい何のためにスタジオで録音したのか理解に苦しみます。 もし人工的に残響を付加していたとしたら,本当に余計なことをしてくれたもんだと苦情を言いたいです。 演奏が良いだけに辛めの評価とさせていただきました。 本当にこの録音は残念です。

解説書によると,中木氏は,東京藝術大学を経て,2003年からパリ国立高等音楽院で錬磨を重ね, スイス・ベルン芸術大学でさらに研鑽を積み,2010年にはフランス国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団の首席奏者となられ, 2014年に帰国,東京藝術大学音楽学部准教授に着任された,とのことです。

また〈モダン楽器でバッハを弾くこと〉について,「バロック・チェロは弾きません」 「ちゃんと演ろうとしたらモダン楽器を一時辞めないといけませんし,中途半端なバロックは嫌い。 ロマンティックな解釈で演奏はしませんが,ガット弦でピッチを変えて弾く演奏とは一線を引いておきたい。」 と語られたそうです。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(フィリップ・ハイアム)

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バッハ:無伴奏チェロ全曲
フィリップ・ハイアム Philip Higham (Cello)
2014年8月2-4日,11月19-21日,2015年2月2日 セント・ジョージ・ザ・エヴァンゲリスト教会(アッパー・ノーウッド,ロンドン)
DCD 34150 (P)(C)2015 Delphian Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン・チェロによる正統派の演奏。 技術的にも大変上手く,丁寧かつニュアンスが豊かです。 しかし,あまりに真っ当で整いすぎた感があり,かえって印象が薄くなってしまうという, ちょっと損をしているかもしれないと思ってしまう演奏です。 ただ,そんな中で第3番だけがどうしたことかとても意欲的な生命感溢れる演奏で素晴らしく, 全集の中で浮いた存在となっています。 全曲がこのアプローチだったら文句なしだったのですが...惜しいです。

録音ですが,少し残響感があり,また残響が楽器音に被って音色を少しくすませていて正直ちょっと冴えないです。 そんなに悪くはないのですが,もっとクリアーに抜けよく,質感高く録って欲しいところです。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(ニコラウス・アーノンクール)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番,第2番,第3番
ニコラウス・アーノンクール Nikolaus Harnoncourt (Cello)
録音不明 (1965年頃?)
8573-81228-2 (P)1965 Musical Heritage Soc. (C)2000 Teldec Classics International GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番,第5番,第6番
ニコラウス・アーノンクール Nikolaus Harnoncourt (Cello)
録音不明 (1965年頃?)
8573-8122ヤ-2 (P)1965 Musical Heritage Soc. (C)2000 Teldec Classics International GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・チェロによる演奏。 第6番はもちろん5弦のチェロ・ピッコロ。 (P)から1965年頃の録音かと思います。 原点に立ち戻るかのような,何ともシンプルな演奏。 素っ気ないほどに無骨だけど力強い。 現代のバロック・チェロによる演奏とはだいぶ違いますが, バロックの先駆者の演奏として大変興味深いです。

録音ですが,残響感はないものの,生録的で,録音している部屋の響きが結構入っていて, 録音場所の雰囲気はおおいにあるものの,音色は損なわれていてあまり良いとは言えません。 演出感が全くないという点では良いのですが...もう少し何とかならなかったのかなとは思います。

今年3月5日に亡くなられたアーノンクール氏がまだウィーン交響楽団のチェロ奏者を務めておられた頃の録音だと思います。古楽アンサンブル「ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」を結成されたのが1953年とのことですので,この演奏はその古楽研究の初期の一つの成果として録音されたのではないでしょうか。

ディスクは現在はすでに廃盤で入手しづらいのが残念です。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(ヨアヒム・エイランダー)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番,第3番,第4番
ヨアヒム・エイランダー Joachim Eijlander (Cello)
7-9 October 2014, Doopsgezinde Kerk, Haarlem
NC15003 (C)2015 Navis Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
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バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番,第5番,第6番
ヨアヒム・エイランダー Joachim Eijlander (Cello)
31 August - 3 September 2015, Doopsgezinde Kerk, Haarlem
NC15007 (C)2015 Navis Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

丁寧で軽く柔らかいタッチが特徴,落ち着いた演奏です。 力強さはあまりないので印象はやや薄いのですが, 無理せず自己の技量の範囲で,優しく品のある音楽を作り上げていると思います。

録音ですが,残響が多めで楽器音に被り気味,音色がややくすんでいます。 指板をたたく音まで入っているような録音でありながら,下支えが希薄で少し捉え方が弱いようにも感じます。 もう少し直接音主体にしっかりと録って欲しいところです。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(アンリース・シュミット)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
アンリース・シュミット Annlies Schmidt De Neveu (Cello)
Recorded in 1957-1958
CDSMAC024 (P)(C)2015 Spectrum Sound (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

LPからの復刻盤(原盤 German TELEFUNKEN LT 6626-8 ED 1 LP)です。

超インテンポの快感とでもいいましょうか,全く揺らぎのない超快速演奏が素晴らしい効果を発揮しています。 世の中の数多の演奏がいかに表現に苦心しテンポの揺らぎでそれを豊かに表現しようとしているのか,逆にそれがよくわかります。 このような演奏をする人が他に全く現れないのが不思議といえば不思議なのですが, バッハ演奏の可能性として,こんな単純明快な解があることに驚きを禁じ得ません。 こんなに古い演奏から無限の可能性があることを教えてもらうとは!

モノラルLP盤からの板起こしディスク。 古い盤の板起こし特有のノイズがあり,絶対的なクオリティはそれなりではあるものの,かなり良い状態で復刻されています。 多少のばらつきはあるものの,元々の録音が残響を控えた明瞭なものなので, 鑑賞には十分堪えうるというのが本当に有り難いことです。

本ディスクと同じ演奏のディスク(forgotten recordsレーベル)を2010年にレビューしていました。前回とだいぶ印象が異なりましたので,CD試聴記にその記事も残しています。よろしければご参照ください。

なおforgotten recordsの復刻よりも,こちらの復刻の方がより鮮明で聴きやすいです。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(マット・ハイモヴィッツ)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
マット・ハイモヴィッツ Matt Haimovitz (Cello)
2015年4月 芸術文化アカデミー(ニューヨーク)
PTC 5186555 (P)2015 Pentatone Music (C)2015 Oxingale Production (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・チェロでの演奏。 タイトルが“THE CELLO SUITES According to Anna Magdalena ”とありますので, アンナ・マグダレーナの写筆譜に従った演奏のようです。 ただし,第1番Gigueの写筆譜には存在する32小節目の半拍しかない小節はやっぱり省略されていますね...

持ち前の技術力の高さを活かした大胆で闊達な演奏。 吸い付くような弓遣いによる起伏が大きいフレージングが印象的です。 粘りのあるニュアンスに富んだ音色も素晴らしいです。 バロック楽器とのことですが,ざらつきのあるガサガサした音色は確かにバロック楽器のそれなのですが, 音楽自体はむしろモダンな印象を残します。

録音ですが,残響は多めで楽器に被り気味,ややモゴモゴとして伸びのない,濁った精彩に欠ける音になってしまっています。 演出感もかなり感じられます。 許容範囲だとは思うのですが,もっとすっきりと,そして生々しく録って欲しかったと思います。

本ディスクはハイモヴィッツ氏2回目の録音。 楽器は,ゴフリラー(1710)とチェロ・ピッコロコルマー(18世紀)を使用。 調律はA=415Hz。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲(安田謙一郎)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
安田謙一郎 Ken-ichiro Yasuda (Cello)
Yokosuka Bayside Pocket, Yokohama, 16th-18th April 2015
MM-3053-54 (P)(C)2015 MEISTER MUSIC (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
CD試聴記」からの転載記事です。

朴訥とした語り口の温かく優しい音楽が印象に残ります。 歳を重ねた結果辿り着いた境地とでも言いましょうか。 音楽として決して緩むことなく前向きでありながらこの味わい深さをを出せるのはさすがです。 技術的にももちろんしっかりとしているのですが,キレは少し甘くなっているかもしれません。 ただそれは意図的かもしれません。

録音ですが,残響自体は少ないのですが,比較的遅延の少ない反射音が多め,直接音よりもその反射音の比率が高く,音を濁す要因となっています。 またそれによって高域の伸びが阻害され,詰まったモゴモゴとした冴えない音質になってしまっています。 比較的マイク位置は近いと思うのですが,それにしては明瞭感も悪く楽器の質感も損なわれ過ぎです。 もっとクリアで透明感のある音,楽器の質感をストレートに伝えてくれる録音をして欲しいものです。

これは安田謙一郎さん2回目の録音。 1回目は1975年ですので,ほぼ40年ぶりの録音ということになります。 録音の音質については1回目の方がはるかに良好で,好録音でした。 今回,このような音質で録音をされたことがとても残念でなりません。この40年で録音機材は進化しましたが,録音技術は進化するどころかむしろ退化していると思わざるをえません。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(マイケ・ラーデマーカース)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
マイケ・ラーデマーカース Mayke Rademakers (Cello)
September 2013 & July 2014, Podiumkerkje, Grevenbichr [NL]
Q14004 Quintone (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

音楽の流れはなかなか良く,意欲的で躍動感があるところは良いと思います。 技術的にはわずかにキレが悪いのが残念なところです。 第5番までは健闘していますが,第6番はちょっと苦しいです。 また,どのような版の楽譜を用いられているのかわかりませんが, あれっ?と思う聴き慣れない音が何カ所か混じっているのが気になります。 楽譜を読み間違えているということはないと思うのですが...

録音ですが,残響過多というわけではありませんが,響きで楽器音が濁っていて全く冴えない音になってしまっています。 残響が全く音楽的に寄与していません。 私には,残響があった方が良いから入れた,くらいの安易な考え方で録音しているようにしか聴こえません。 好録音とは程遠い残念な録音です。

最後にヤマハのエレクトリック・チェロ(サイレント・チェロ SV-110)を用いた即興的な楽曲が収録されていて, こちらの方が楽しめました。

タグ: [器楽曲]  [チェロ] 

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(藤原真理)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
藤原真理 Mari Fujiwara (Cello)
2011年12月19-20日,2012年1月23-24日,2月12日,2013年4月4-5日,11月8日 武蔵野市民文化会館 小ホール
NYCC-27275-6 (P)(C)2014 Naxos Japan (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

藤原真理氏ほぼ30年ぶりの2回目の録音(1回目は1982-84年の録音)。

温かく滋味豊か,それでいてなおかつ音楽がとても弾んでいます。 肩肘張らず力を抜いて思うままに自由に楽しんで弾いておられるように感じます。 技術的にはぎりぎりまで,隅々まで追い込んではいませんので,私としては少しその点が不満として残るのですが, だからこそこのような楽しげな音楽に仕上がっているのかな,とも思います。

録音ですが,指板をたたく音までしっかりと入るような録音で,ボディ感がたっぷりあるところは良いのですが, 飽和感・圧迫感があって音に伸びがなくモゴモゴしていますし,また歪みっぽい音割れのような雑味があるのはいただけません。 機材に問題があったんじゃないかと思ってしまいます。 う~ん...

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(ロッコ・フィリッピーニ)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ロッコ・フィリッピーニ Rocco Filippini (Cello)
Volterra, Italy, Persio Flacco Theatre, August 2012
Fonè 125 2SACD (c)(p)2013 Audiophile Productions (iTunes Music Store)
好録音度:★★★★
参考: iTunes Music StoreAmazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

オーソドックスで無理のない落ち着いた味わいのある演奏です。 技術的な衰えがあるのか,弓遣いのキレが少々良くなくモゴモゴしたり粒が不揃いになったりと, この面では不満が多いですが,音程と基本的な音楽の骨格がしっかりとしているため,結構聴けます。

録音ですが,残響を控えめにして楽器音を中心にしっかりと捉えているので私の好みの録音のはずなのですが, なぜかニュアンスや楽器の質感が感じ取りにくく,もどかしさが残ります。 なぜなのか理由がよくわかりませんが,もしかしたら少しオフマイクなのかもしれません。

フィリッピーニ氏2回目の録音(1回目は1988,89年の録音)。 SACDで販売されていたようなのですが,気がついたときにはすでに完売になったのか, どこも在庫がない状態で再入荷の見込みがなさそうでしたのでiTunes Music Storeでダウンロード購入しました。 AAC 256kbpsでした。

タグ: [器楽曲]  [チェロ] 

ミクローシュ・ペレーニのバッハ無伴奏チェロ組曲全曲(1981年録音)がダウンロード販売されていました!!

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ブログ読者様からの情報で,Hungarotonのサイトでダウンロード販売されていることがわかりました。 これは本当に嬉しい発売情報です。 有り難うございました。ディスクでの再発売ではありませんが,廃盤になってしまった録音がこのようにデータとして手にはいるようになるのは本当に有り難いことです。

販売はMP3とFLACとがあり,FLACは44.1kHz/24bitのデータでした。 価格はFLACで8297フォリントで,2014年10月時点の換算で,およそ3,700円くらいになります。

Hungarotonダウンロード販売ページ

ハンガリー語のページですが,ページの右下隅に英語への切り替えボタンがあります。

2007年に別の読者様からLPをお借りして聴かせていただいたときのレビュー記事をCD試聴記に掲載しておりましたので,ここにこれを転載します。


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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ミクローシュ・ペレーニ Miklós Perényi (Cello)
録音 1981年
SLPX1270-72 (P)1982 Hungaroton (輸入盤) (*LP)
好録音度:★★★★☆
適度に肩の力を抜き,まるでこれを弾くのが日課であるかのように淡々と,あくまで自然に演奏されています。 しかし,その音楽は前向きで意欲的であり,また同時に,味わい深さを持っています。 これは完璧志向の演奏ではありません(細部へのこだわりがあまり感じられません)。 私には八割程度の力で弾いているように感じられます。 だからこそこれだけ余裕のある,懐の深い演奏になっているのではないかと思います。

録音ですが,極めて明瞭度の高い録音です。 音の捉え方としてはかなり理想に近いと思います。 若干の響きが感じられ,わずかながら音色に色がついてしまっていますが, ほとんど無視できるレベルにとどまっています。 弓が限から離れる瞬間の微妙な音のかすれまできっちりと聴こえてきます。 演奏者の味わい深い音色が残響に邪魔されることなく堪能できる好録音です。 このような素晴らしい演奏が,これまた素晴らしい状態で残されたことに感謝します。

今回も,T.Y.さんのご厚意により貴重な演奏を聴かせていただくことができました。 期待に違わぬ素晴らしい演奏でした。 有り難うございました。 演奏者本人がCDによる再発売を許可しないといった話をどこかで見ましたが, 本当にもったいない話だと思います。 CD化を強く強く希望します。

(記2007/12/03)

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(ディッタ・ローマン)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番,第3番,第5番
ディッタ・ローマン Ditta Rohmann (Cello)
Recorded in July, 2013 at Hungaroton Studio
Hungaroton HCD 32731 (P)(C)2013 Fotexnet Kft. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番,第4番,第6番
ディッタ・ローマン Ditta Rohmann (Cello)
Recorded on January 25-28, 2014 at Hungaroton Studio
Hungaroton HCD 32732 (P)(C)2014 Fotexnet Kft. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン仕様で金属弦ながらA=415Hzでバロック弓(第6番も5弦チェロに金属弦)という少し変則的な楽器選択ですが, 演奏自体はオーソドックスで,穏やかで上品,流麗で爽やかささえ感じる好演奏です。 技術的にも大変上手いのですが,誇示するようなところが全くないのも好感が持てます。

ローマン氏は,あのミクローシュ・ペレーニ氏の秘蔵っ子として知られており,2012年のバッハ国際コンクールでチェロ部門第2位受賞とのことです。納得。

録音ですが,残響が少し多めで付帯音が気になりますが,直接音は十分にあって明瞭に適切な距離感で捉えたまずまずの好録音です。 楽器の胴体の深々とした響きを上手く録っていると思いますし,弓遣いのニュアンスも感じられます。 こういうチェロの録音は好きです。 しかし,やっぱり残響を少し取り入れすぎかな...惜しいです。

3月に1枚目を入手して一度レビューしていました(→こちら)。残りの曲が発売され全集化されることを心待ちにしていたのですが,意外に早く発売されました(^^)。期待通りの素晴らしい出来でした。私はamazon.co.ukのマーケットプレイスから購入しましたが,日本での発売は9月になってからのようです。

なお,前回のレビューでは好録音度を四つ星半の評価としていましたが,今回改めて冷静に聴いていみて,やはり少し残響が多く付帯音が気になるということで,四つ星に落としました。(申し訳ございません...)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(ニーナ・コトワ)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ニーナ・コトワ Nina Kotova (Cello)
Purchase College Performing Arts Recital Hall (録音時期記載なし)
0825646394111 (P)2014 Nina Kotova (C)2014 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

ジャケット写真の容姿からは想像できない力強さで大胆に表情を刻み込んでいく演奏です。 ガリガリと弾くタイプなので音色は荒れ気味で美しくありませんが,この無骨で太く力強い弾きっぷりは独特の魅力を放っています。 技術的には粗削りで隅々までコントロールが行き届いているとはとても言えませんが, これだけ積極果敢に攻める演奏でほとんど破綻をきたしていないのは立派です。

録音ですが,この太い音色はこの録音によるところも大きいと思います。 残響はやや多めですが,比較的オンマイクでボディ感たっぷりに録音しているため悪い印象ではありません。 ただ,やや飽和気味で歪みっぽいのが残念なところです。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(パブロ・カザルス)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
パブロ・カザルス Pablo Casals (Cello)
録音 1936-1939年
OPK 2041/2 (P)2010 オーパス蔵 (国内盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

カザルスの無伴奏チェロ組曲を聴くときに,この組曲をこの世の中に復活させた功績を抜きにして聴くことが難しいのですが, 技術的なレベルがずっと向上し,奏法の研究も進んだ現代の優れた演奏と比較して,時代を感じさせるものであることは否めません。 しかし,決して色あせることなく私たちの心に響いてくるのは,彼のこの曲に対する熱意が音として表れ, それが音楽の本質を突いているからに他ならないと改めて感じる次第です。

録音ですが,SPの時代の録音がどのように行われたのかは知らないのですが,出来るだけ鮮明な音で楽器の音を残そうと努力されたはずです。 録音からもうすぐ80年になろうという現代においてもこれだけのクオリティで鑑賞できるのは,その努力のおかげと言えるでしょう。 もし現代の多くの録音のように残響まみれで録音がされていたなら,こんなに良い音で楽しめなかったことでしょう。

カザルスのバッハ無伴奏チェロ組曲のディスクはものすごく多くのリリースがあって,いったい何種類の復刻があるのかがわからないのですが, 私が聴いた,オーパス蔵盤(2010年リマスター),Warner ClassicsのSACDハイブリッド盤(2011年リマスター),古くからある旧EMI盤,Membran盤,Naxos盤の中では, このオーパス蔵盤が最も良好な音質と思いました。 SP盤のトレース音がそのまま入っているために多少耳障りではありますが,鮮明さも失われず,最も音に伸びがあり,自然に聴こえました。 ノイズとしての低域成分もカットされずに入っているのは善し悪しだとは思いますが。

なお,オーパス蔵盤は,2003年に発売されたものが最初で,2010年に現行のリマスター盤に変わりました。

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2003年に最初に発売された盤

カバーピクチャーには金色が使われていました。2010年リマスター盤は金色の部分が銀色に変更されています。当初のリマスター盤は,ディスクデザインまで一緒でディスクが混じってしまうと区別がつきませんでしたが,最近のものはディスクのレーベル面にリマスター盤であることが明記され,間違えないようになっています。(誤って2010年リマスター盤を,発売当時と最近と2回買ってしまいました...品番が全部同じなので紛らわしいです。)

2010年のリマスターでは,線香花火のようなパチパチ音を一つ一つ丁寧に取り除いていったということです。確かにそのノイズが減っていました。まあ元々のノイズが大きいので正直なところ,あえて買い直すほどのことはないかなと思いました。

以下,他のディスクのコメントです。

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Warner Classics 2011年リマスター盤
WPGS-50110/1 (P)2011 Warner Classics (国内盤)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo
2011年にリマスターされたSACDハイブリッド盤。 SP盤再生時特有のノイズは多少緩和されていますが,無理に消すようなことはしていないようです。 昔からあるEMI盤に比べると,格段に音色が自然です。 ただ,やはりノイズ低減処理の影響か,オーパス蔵盤に比べるとわずかに音の伸び,鮮明さが失われているように感じられます。 真っ当な音質ですが,少し地味な印象です。

オーパス蔵盤の次に良いと思ったのがこのWarner Classicsの2011年のリマスター盤で,今選ぶならオーパス蔵盤か,このWarnerのリマスター盤のどちらかでしょう。e-onkyoではハイレゾ音源もリリースされています。

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旧EMI盤
TOCE-11567/8 (P)2000 東芝EMI株式会社 (国内盤)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
昔からある旧EMI盤ですが,SP盤のノイズ低減処理の影響もあるのでしょうが,ずいぶんとクセのある音色です。 中域から高域にかけて盛り上がっているような感じで,ややキンキンしていますし,伸び,自然さに欠けます。 また,復刻の質のばらつきも多いです。 さらに,特に第1番は最近の復刻と比べるとピッチが低めに感じられました。 今,このディスクを選択する理由はあまりないと言えるでしょう。

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Membran盤
232675 Membran (輸入盤)
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
SP特有のノイズは私の聴いた中では最も低減されています。 驚くほど少ないです。 しかし,まるで低ビットレートのMP3でエンコードしたときのようなシュルシュルという独特のブリージングがあります。 ノイズ低減処理の影響だと思いますが,残念ながら人工的な処理のにおいが強く,これはあまり良くありません。

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Naxos盤
8.110915-16 (P)2000 HNH International Ltd (輸入盤)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
復刻の質としては中庸です。 ノイズを取るわけでもなく,さりとてオーパス蔵のような音を目指すわけでもなく, よく言えば素直な復刻ですが,悪く言うとただ単にSPを再生して録っただけ,という感じがしないでもありません。 録音レベルも若干低く,また,録音に積極的な意志が感じられず,残念ながらあまり良い印象ではありませんでした。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(レイチェル・マーサー)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
レイチェル・マーサー Rachel Mercer (Cello)
Walter Hall, Tronto, September 22 & 23, 2011
PIPISTRELLE MUSIC PIP1403 (C)2013 Rachel Mercer (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

技術的にそれほど上手いというわけではないのですが, 破綻することなく音楽的に大変よくまとまとめていると思います。 楽器を良く響かせ朗々としていますし,温かく柔らかで大らかな表情が魅力的です。

録音ですが,やや間接音が主体の録り方となっていて音色がくすみがちですが, 演奏者の呼吸が感じられるような間合いで楽器音を太く捉えているので, それほど悪い印象ではありません。 ただやはり私の好きなタイプの録音とは違います。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番,第3番,第5番(ディッタ・ローマン)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番,第3番,第5番
ディッタ・ローマン Ditta Rohmann (Cello)
Recorded in July, 2013 at Hungaroton Studio
Hungaroton HCD 32731 (P)(C)2013 Fotexnet Kft. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.uk
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン仕様で金属弦ながらA=415Hzでバロック弓という少し変則的な楽器選択ですが, 演奏自体はオーソドックスで,穏やかで上品,流麗で爽やかささえ感じる好演奏です。 技術的にも大変上手いのですが,誇示するようなところが全くないのも好感が持てます。 残りの3曲も録音して全曲を完成させて欲しいです。

録音ですが,多少の残響感はあり付帯音が気になりますが,直接音を主体に明瞭に適切な距離感で捉えたまずまずの好録音です。 楽器の胴体の深々とした響きを上手く録っていると思いますし,弓遣いのニュアンスも感じられます。 こういうチェロの録音は好きです。

2014年3月2日時点では,まだ日本の通販サイトには上がっていないようです。

★Vol.2が発売され全集となりました→こちらをご参照ください。(2014/08/13)

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(クリスティアン・ピエール・ラ・マルカ)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
クリスティアン・ピエール・ラ・マルカ Christian-Pierre La Marca (Cello)
Paris, Eglise de Bon Secours, du 3 au 12 et le 22 Octobre 2012
88765439332 (P)(C)2013 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

若者らしい躍動感のある清々しい演奏です。 軽めのタッチで跳ねるような弾き方がスピード感を生み出しています。 技術にも長けていて安定感があり隅々にまで丁寧に神経が行き届いています。 これはなかなか素晴らしい出来だと思います。

録音ですが,息づかいまで聴こえるような録音で,残響は少しあるもののしっかりと楽器音を捉えた良好な録音です。 楽器の質感もしっかりと聴き取ることが出来ます。 欲を言うともう少しすっきりと高域の伸び感があればなお良かったと思うのですが。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(ヤン・フォーグラー)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ヤン・フォーグラー Jan Vogler (Cello)
December 10-12 & 17-19, 2012, Suny Purchase, New York
88697892572 (P)(C)2013 Sony Music Entertainment Germany (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

正統的ながら快活で開放的で楽しい演奏。 技術力の高さをフルに活かして自在で幅広い表現を見せています。 モダン楽器の良さがいかんなく発揮されていて素晴らしいと思います。

録音ですが,残響が多く混濁がひどいです。 歪んだというか飽和したというか,音がつぶれてすごく汚い音になってしまっています。 元々の音は綺麗だったであろうと想像に難くない演奏だけに,このひどい録音は残念でなりません。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(コーリン・カー)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
コーリン・カー Colin Carr (Cello)
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 5 May 2012
WHLive0060/2 (P)(C)2013 The Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

至ってオーソドックス。 力を抜いて軽く流すような自然体の演奏であり,微妙な陰影によってニュアンス豊かに仕上げています。 緩急強弱も自然な呼吸感に沿って付けられているため,違和感がありません。 やや地味な印象を受けるのですが,聴くほどに味わい深さが増してくる好演奏です。

録音はライヴで,楽器音が主体ですが,少し距離があるのか,鮮度や質感はやや失われ気味で,高域のヌケも今ひとつ, すっきりしない録音です。 惜しいです。

カー氏2回目の全集録音と思われます(→1回目)。 1回目もライヴでした。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(アントニオ・メネセス)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
アントニオ・メネセス Antonio Meneses (Cello)
Recorded 2-5 June 2004 at St Martin's Church, East Woodhay, Barkshire, England
AV0052 (P)(C)2004 Antonio Meneses (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

ブラジル出身のチェリスト,メネセス氏2回目の全集録音です(→1回目)。

モダン楽器として至極オーソドックスですが,ダイナミックかつ繊細に仕上げられた充実感のある演奏です。個性を前面に出さず派手さもありませんが,モダン楽器の表現力を活かし奥行き,深みのある音楽となっています。技術面も申し分ありません。

少し響きはありますが,直接音主体に楽器音をしっかりと捉えているので(鼻息までしっかりと捉えています),明瞭で聴きやすい録音です。音色は響きの影響を少し受けていますが許容範囲ですし,ヌケも悪くありません。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(ピーター・マーテンス)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ピーター・マーテンス Pieter Martens (Cello)
Recorded at Endler Hall, Stellenbosch University, South Africa, Sep 7-13, 2009.
TP1039275 (P)(C)2012 TWOPIANISTS RECORDS (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

第1番のプレリュードが1:47という快速演奏にのっけから圧倒されるのですが,全体に速いテンポで駆け抜けていきます。とても意欲的で躍動感にあふれ,ニュアンスに富み細部にまで神経の通った気持ちの良い演奏です。楽器の響かせ方も良く雑味の少ない綺麗なトーンがこれまた素晴らしいです。技術的にも音楽的にも優れる好演奏です。

録音ですが,やや残響を伴っていますが,楽器音を主体にしっかりと捉えているためまずまず良好です。しかしやはり残響のまとわりつきの影響が気になります。音を曇らせるほどではないのが救いです。中低域は充実しており,特に低域がブーミーになることなく良く伸びているのが良いと思います。

マーテンス氏は1971年生まれ,南アフリカ出身のチェリスト。公式Webサイトがあります。最近聴いたモダン楽器に寄る演奏の中ではかなり良く,これは思わぬ掘り出し物でした。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(ピーター・ウィスペルウェイ 3回目)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ピーター・ウィスペルウェイ Pieter Wispelwey (Cello)
Recorded at the Serendipitous Studio in Mechelen (Belgium), June 2012
EPRC 0012 (P)2012 Evil Penguin Classic (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

ウィスペルウェイ氏3回目の全曲録音。

バロック・チェロでの演奏。 A=392Hzという低いピッチで,絶対音感の全くない私でも,おやっと思ってしまうくらい低いです(もちろんすぐに慣れますが)。 「語るバッハ」とは良く言ったもので,この演奏も緩急強弱,抑揚という言葉を超えたフレージングの妙がこの演奏にはあります。 それが自然で嫌みのない形で実現されていることに感心します。

そして,さらに各組曲が一つの物語であり,それぞれの曲や楽節で次々とシーン展開していくかのごとく表情が変わっていく, これが面白いと思いました。 この点では特に第4番が今まで聴いたことのないような感じで良かったです。

ただ,なぜこれをバロック・チェロで演奏されたのかがよくわかりませんでした。 バロック・チェロらしい弾き方をされている感じがあまりなく, これならモダン・チェロの方がもっと多彩な表情を楽器から引き出せるのではないかと。

録音ですが,指板を叩く音がはっきりと聞こえるくらい近いマイクポジションで,濃厚に質感高く捉えています。 残響もそれなりに多めに取り込まれていますが,上記の理由で大きな影響は受けていません。 ただ,この音の捉え方にしては若干ヌケが悪くすっきりしないところがあり,この点は惜しく思います。 録音レベルが高いのは好感が持てます。

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(リチャード・タニクリフ)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
リチャード・タニクリフ Richard Tunnicliffe (Cello)
2010年10月12-14日,2011年2月14-16日,2011年11月21日 St. George's Church, Chesterton, Cambridge, UK
CKD 396 (P)(C)2012 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・チェロでの演奏です。ピッチはA=415Hz。第6番では5弦のチェロ・ピッコロを使用しています。バロック・チェロでの演奏ですが,ことさら楽器を意識させるようなところのない,ごく自然で軽やかな弾きっぷりが心地よい印象を残します。 技術的にもすごぶる上手く,安定感も申し分ありません。 この演奏で一番良いと思ったのがガット弦特有の引っかかりの強い,雑味の多い音色です。 美しくないと思われる方も多いかと思いますが,私がこの演奏で唯一バロック・チェロで良かったと思える点がこの音色です。 誤解を承知で書きますが,ロック・ギターのディストーションにも通じるところがあると思います。

録音ですが,良く響く教会での録音で,明らかに残響過多。 残響時間が長い上に楽器音に大きく被って音色を大きく損なっています。 楽器音を比較的近くで捉えているために,これだけ被ってもそれなりに質感は感じられるのと, オーディオ品質的にはきめの細かい高品質録音と言えると思いますので, 残響を許せる方なら問題なく楽しめるかもしれませんが, 私としては全く良いと思えない録音です。好録音とは言えません。残念です。

リチャード・タニクリフ氏は,HMV Onlineによるとイギリスの古楽オケ「エイジ・オブ・エンライトメント管」の首席奏者のほか, イングリッシュ・バロック・ソロイスツやロンドン・クラシカル・プレイヤーズ,アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック, イングリッシュ・コンサート,フレットワークなど名だたる古楽器オケやアンサンブルで大活躍してきたチェリスト,とのことです。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(クリストファー・コスタンツァ)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
クリストファー・コスタンツァ Christopher Costanza
The Banff Centre, Banff, Alberta: November 17-18, 2008(Suites 1-3) and November 21-23, 2010(Suites 4-6)
(C)2012 Christopher Costanza (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏で力強く意欲で満ち溌剌としています。正攻法の演奏で明るく開放感のある伸びやかな表現がなかなか良いです。演奏者自身が楽しんで弾いているのが伝わってきます。技術的にも安定感があります。

録音ですが,比較的マイクポイントが近く,指板を叩く音が入るほどしっかりと楽器音を捉えています。残響感はあまりないのですが,部屋の響きの影響か,音色はややくすんでいてすっきりしません。楽器の捉え方は基本的には良いのですが,収録場所が良くないようにも思います。惜しいです。

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(キリーヌ・フィールセン)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
キリーヌ・フィールセン(Quirine Viersen)
Waalse Kerk, Amsterdam, 19-21 October 2010, 1-3 March 2011
GLOBE GLO 5244 (P)(C)2011 Klaas Posthuma Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

フィールセン氏は1972年生まれ。 ロストロポーヴィチ国際コンクール,ヘルシンキ国際チェロ・コンクール,チャイコフスキー国際コンクールなどで入賞歴を持つということです。名前について,「クヴェリーヌ・フィエルセン」と記載してあるサイトもありました。

モダン楽器による演奏で,オーソドックスで落ち着きと品格があります。自己主張が強くはありませんが,きめ細かく丁寧に自然な呼吸感で表情付けされて陰影に富む音楽が印象深いです。

録音ですが,まとわりつく残響が少しあって音色を損なっていますが,明瞭感と質感はそこそこ感じられる良好な録音です。 もう少しヌケ良く録っていれば文句なしなのですが,惜しいです。 残響が許せる方ならかなり良い録音と言えるかもしれません。

蛇足ですが...ジャケット写真をみるとちょっとおばさん(失礼!)ですが,HMV Onlineの写真を見てみると,なかなか綺麗な人じゃないですか!

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(安田謙一郎)CD復刻盤

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
安田謙一郎 (Ken Yasuda)(Cello)
1975年2月4-6日(Nos.1, 2),1975年4月8-10日(Nos.3, 4),1975年4月17-18(No.5),1975年7月23-24日(No.6) 埼玉県川口市民会館ホール
DENON COCO-73263-4 (P)2011 NIPPON COLUMBIA CO., LTD.
好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
2009年8月6日のエントリーで友人のご厚意で聴かせていただいたアナログ盤の紹介をしました。「復刻を期待!」と書きましたが,昨年末にDENONのクレスト1000シリーズで待望の復刻となりました! DENONさん,有り難うございます。(って,別に私がリクエストしたからではないと思いますが(^^;)

アナログ盤の紹介時に録音評価を五つ星の最高点としていました。CD復刻されたものを改めて聴いてみて,五つ星はちょっと大げさに付けすぎたかなと思いましたが,ある意味やはり好録音を代表するような録音と言えますので,あえてそのまま五つ星にしておきます。優秀録音として付けているのではないという点をご理解いただきたくお願い致します。

1975年の録音ですが,PCM DIGITALの記載があります。デジタル録音の最初期のものではないかと思います。オーディオ品質的には1975年の録音としては少しきめが粗い感じがします。また,ホールで録音したにしては若干環境ノイズが多めに感じられます。しかし,ほんのわずかに残響を伴っているものの,適度な距離感で明瞭に,細かいニュアンスまでも克明に記録されており,やはり音の捉え方としては申し分ないと思います。

演奏については「CD試聴記」にてコメントしていますので,そちらをご参照ください。

とにかくこの素晴らしいバッハ演奏がCDで復刻されたことを喜びたいと思います。