ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(ラサール四重奏団)

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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
ラサール四重奏団 LaSalle Quartet
1972年12月-1977年3月 ハノーファー,ベートーヴェン・ザール
PROC-1370/2 (P)1973/76/77 Deutsche Grammophon (国内盤)
※Tower Records VINTAGE COLLECTION +plus Vol. 17
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp

タワーレコードの企画盤で言わずと知れた名盤中の名盤。私なんぞがコメントするのもおこがましいのですが,一言だけ。今となっては技術力だけで言えば高い楽団は他にもたくさんありますが,この不器用なまでの愚直さで演奏される分析的で芯の強い,心を揺さぶる音楽が支持され続ける要因なのであろう,と勝手に思いながら聴き入っています。

録音ですが,各楽器を比較的近いイメージで明瞭に,濃厚に捉えていて,すこし暑苦しさというか息苦しさを感じるのですが,悪くありません。ドイツ・グラモフォンの室内楽録音の標準的な範囲と思います。クオリティは時代相応というところでしょうか。録音年が少し開きがありますが,気になるほどのばらつきはありませんでした。もうわずかにすっきりと,ヌケが良ければ好録音と言えるのですが,わずかに足りない気がします。でも悪くないですよ。

このディスク,現在現役盤はないのでしょうか? 一時期ブリリアントから復刻されていたようですが。大分前に輸入盤を買っていたのですが,どこかにしまい込んでしまって見当たらず,タワーレコードの店頭で見つけて思わず買ってしまいました。「オリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用」と記載されていましたので,多少の音質改善があるものと思いますが...

ラズモフスキー第3番終楽章 快速ランキング!

※2017/10/18 アリス四重奏団の情報を追加

久しぶりの更新です。アリス四重奏団の演奏,結構快速だと思ったのですが,6:04で,こうして並べてみると意外に遅い方でした...



ブランデンブルク協奏曲第3番第3楽章 快速ランキング!」に続き,おバカ企画第二弾! ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番作品59-3「ラズモフスキー第3番」終楽章 快速ランキング! です(^^;。


■ラズモフスキー第3番終楽章 快速ランキング!

5:16 ニュー・ミュージック四重奏団(1950年代前半)
5:20 エマーソン四重奏団(1994-95)
5:28 ウィーン・ムジークフェライン四重奏団(1990-92)
5:28 上海クァルテット(2008)

5:30 ジュリアード四重奏団(1964-70)
5:32 ライプツィヒ弦楽四重奏団(1995-2006)
5:34 カルミナ四重奏団(1998)
5:35 メロス四重奏団(1983-1986)
5:37 ミロ・クァルテット(2012)
5:37 ベルチャ四重奏団(2012ライヴ)
5:39 ジュリアード四重奏団(1982)
5:39 オライオン四重奏団(2006-08)
5:39 タカーチ四重奏団(2001)
5:40 ヴォーチェス四重奏団(1998)
5:41 ベルチャ四重奏団(2011,12)
5:43 東京クヮルテット(2005新録音)
5:46 ウィハン四重奏団(1996-2005)
5:48 ファイン・アーツ四重奏団(1969?)
5:48 ゴールドナー四重奏団(2004)
5:48 東京クヮルテット(1990-92旧録音)
5:48 プラジャーク四重奏団
5:49 アルテミス四重奏団(1998)
5:52 サイプレス弦楽四重奏団(2012-2014)
5:53 クリーヴランド四重奏団(1991-1995)
5:54 アルバン・ベルク四重奏団(1978-83旧録音)
5:54 ウィハン四重奏団(2007-2008)
5:55 エンデリオン弦楽四重奏団(2005-2008)
5:56 ヴラフ四重奏団
5:58 ゲヴァントハウス四重奏団(2002)
5:59 ロータス・カルテット
6:00 アマデウス四重奏団(1959-63)
6:00 アウリン四重奏団(2002-04)
6:02 シネ・ノミネ四重奏団
6:03 コロラド四重奏団(2001)
6:04 アリス四重奏団(2017)
6:04 バルトーク四重奏団(1969-72)
6:05 フィルハーモニア・クァルテット・ベルリン
6:05 ターリヒ四重奏団(1977-81)
6:06 アルバン・ベルク四重奏団(1989新録音)
6:07 フェルメール四重奏団(1983-91)
6:10 ヴァンブルー四重奏団(1996)
6:10 アルカン四重奏団(2008^2011)
6:11 ケッケルト四重奏団(1953-56)
6:36 クァルテット・エクセルシオ(2014)
6:38 ズスケ四重奏団(1967-80)
6:39 レナー四重奏団(1926)
6:40 メディチ弦楽四重奏団(1988-90)


HMV Onlineによると,ニュー・ミュージック四重奏団がものすごく速いということで,YouTubeにアップされている音源を実測してみました。5:17で今のところやはり最速でした。(YouTube情報有り難うございました)→CDを入手し実測し直しました。5:16でした。

今後も聴いて実測できたものがあれば随時追加していきます。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」,第14番(アリス四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」,第14番
アリス四重奏団 Aris Quartet
2017年4月5, 6, 11, 12日 フランクフルト・アム・マイン
GEN17478 (P)(C)2017 GENUIN Classics (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

アリス四重奏団は,2009年にフランクフルト音楽舞台芸術大学の室内楽教授フーベルト・ブフベルガー(ブフベルガー四重奏団の第1ヴァイオリン奏者)の主導で結成された若い弦楽四重奏団で,2016年のミュンヘン国際音楽コンクールの弦楽四重奏団部門で第2位と聴衆賞を獲得したとのことです。

技術的には非の打ち所がないほどの完成度で,定石通りに表現されたスタンダード路線の演奏ながら,ダイナミックでスケールが大きく,かなりの高水準で実現されているため,たいへんワクワクする演奏に仕上がっています。最近の若い弦楽四重奏団は本当に上手いですね。今後の活躍にも期待したいと思います。

録音ですが,残響が多めでしかも楽器音に被っているため,全体に音色がくすんで冴えません。残響の効果よりも悪影響が勝ってしまっていますね。せっかくの素晴らしい演奏なのに録音で損をしていると思います。これは本当に惜しいと思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第12番(ウェールズ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第12番
ウェールズ弦楽四重奏団 Verus String Quartet
January 20 & 21, March 31, 2017, Kanagawa Prefectural Lake Sagami-ko Exchange Center
FOCD9752 (P)(C)2017 FONTEC Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ウェールズ弦楽四重奏団は2006年に桐朋学園の学生により結成され,2016年で結成10周年,現在メンバーは30歳代というまだまだ若い四重奏団です。技術力が高く,アンサンブルが整っており,和音の響きもとても美しいです。演奏にキレがあり,さらに情感豊かで,そういう点で今回のディスクの中では第12番の第2楽章が特に印象に残りました。とはいえ真面目一本槍で音楽がまだまだちょっと堅苦しいようにも思います。

録音ですが,残響は少しあるものの控え目であり,直接音主体に明瞭に録っています。特に優れているとは思いませんが,欠点もなく弦楽四重奏曲の録音としてまずまず良好と言えると思います。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集に向けての第1弾とのことで,今後の録音も楽しみに待ちたいと思います。

価値ある復刻! ファイン・アーツ四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲集

ファイン・アーツ四重奏団は1946年の創立で,現在でも活動を続けられています。メンバーは交代していますが,第1ヴァイオリンの交代は1回,第2ヴァイオリンは3回,ヴィオラは9回,チェロは2回ということで,ヴィオラ以外は結構長く続けられています。

このベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集は1960年代に完成されたもので,Everest Recordsからリリースされていました。以前一度取り上げています(→こちら)。今回はこの全集から12曲が復刻されています。このうち作品18の2曲を除く中期,後期の曲を購入して聴きました。全集として復刻されなかった理由は不明ですが,マスターテープに問題があったのかもしれません。

それにしても,CDで発売されていたものよりもものすごく改善されています。聴き比べてみると明らかなのですが,鮮明さが格段に上がっており,これは本当に1960年代の録音なのか?と思うほどの鮮度です。これはサンプルの試聴でもはっきりわかりました(なので購入しました)。

どうもCDでは余計な残響を意図的に付け足していたのではないかと思います。その残響は音楽的にまったく効果がなく,音色を曇らせるだけのマイナス効果しかありませんでしたので,前回のレビューでも結局あまり高い評価になりませんでした。演奏に被るその残響が取り払われ,極めて明瞭に,ダイレクトに音楽が伝わってくるすばらしい録音に生まれ変わりました。

特に後期が良いですね。楽器の分離も良好で,それぞれの楽器の動きがこれほどはっきりとわかる録音もそうありません。まあこれに関しては賛否あると思いますが,こういう録音ならではのいろいろな発見があって面白いと思います。

今までにもリマスタリングされたものをいくつも聴いてきましたが,ここまで改善幅が大きいのは初めてです。しかも改善後はこれ以上望めないくらい良好です。音楽をストレートに伝えてくれるという点で,現代の多くの録音をもはるかに凌駕するリアルさと迫力があります。これは本当に価値ある復刻です。録音の質がいかに大切かを実感しました。(ちょっと興奮してしまいました)

こういう録音こそ<好録音>と呼ぶにふさわしいです。まあちょっと褒めすぎでオマケの感はありますが,五つ星評価としました。なお,1960年代の録音なので多少マスターテープの品質に起因する粗さはあります(オーディオクオリティは時代なりです)。また,今回はハイレゾでの復刻(192kHz/24bit, 96kHz/24bit)ですが,私の評価はハイレゾとは関係なく,CDクオリティであっても全く変わりません。

まだ斜め聴きなので,これからじっくりと聴きたいと思います。

しかし,これはちょっと財布には優しくないですね... なお私はe-onkyoで購入しましたが,moraでも取り扱いがありますね。

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番作品18-3
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番作品18-4
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1959年
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」作品59-1
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1965年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番「ラズモフスキー第2番」作品59-2
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」作品59-3
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1965年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番「ハープ」作品74
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」作品95
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1965年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番作品127
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番作品130
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番作品131
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番作品132
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番作品135
ベートーヴェン:大フーガ作品133
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番作品95,第14番作品131(ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番作品95,第14番作品131(弦楽合奏版)
ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
Little Tribeca in Vichy, September 2016
AP152 (P)2016 (C)2017 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの先行試聴です。チャイコフスキーの弦楽セレナーデが演奏も録音も大変良かったので,これも聴いてみました。なお,HMVとTower Recordsは8/10の発売,Amazonでは7/14の発売となっており,Amazonの方が若干早く発売されます。

演奏は期待通り,精緻で緊密なアンサンブルでこの弦楽四重奏曲の名曲を弦楽合奏で綴っていきます。弦楽合奏であることを活かし弦楽四重奏より幅の広い音楽を実現していて聴き応えがあります。曲としては作品131の方が弦楽合奏に向いている気がしますし,実際こちらの方が出来がよいと思います。

録音ですが,残響控え目で各パートを明瞭に質感豊かに捉えている点は良いのですが,前作のチャイコフスキーに比べると音色がやや金属的で自然さに欠けます。平均水準以上ではあると思うので四つ星半評価ですが,音色の面でちょっと納得できないところが残ります。前の録音に戻して欲しいところです。

とはいえ,トータルの出来はなかなか良いと思います。今後,弦楽合奏の名曲を一通り録音してくれることを期待します。(録音はチャイコフスキー同等に戻してぜひ欲しいですね)

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番,大フーガ(エディング四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番,大フーガ
エディング四重奏団 Edding Quartet
LPH 023 (P)(C)2016 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

エディング四重奏団は,古楽オーケストラのシャンゼリゼ管弦楽団のトップ奏者で構成され,ピリオド楽器を使って演奏されているとのことです。終楽章は大フーガに置き換えられています。とても軽やかでスピード感がありキレの良い演奏を聴かせてくれます。アンサンブルも優秀です。特に混沌としがちな大フーガをサラッと弾いていてこんなに聴きやすい演奏はそんなにないと思います。ピリオド楽器であることがあまり意識されないのも良い点です。この演奏で他の曲も聴いてみたいです。

さて肝心の録音ですが,やや残響が多めで楽器音へのまとわりつきが気になりますが,楽器音自体は比較的近い距離で録られているのか,ニュアンスが十分に伝わってきて,これならまだ許せると思いました。もっと残響を抑えてクリアに録って欲しいのは言うまでもありませんが。

なお,カップリングとしてNorthernlightの演奏によるピアノと管楽器のための五重奏曲変ホ長調作品16が収録されています。

ベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集(シネ・ノミネ四重奏団)

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ベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集(作品59, 74, 95)
シネ・ノミネ四重奏団 Quatuor Sine Nomine
Salle de Chatonneyre in Corseaux/Vevey (Switzerland), 19-22 December 2004, 27-30 June 2005
CD 50-2509/10 (P)(C)2005 Claves Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

シネ・ノミネ四重奏団は1975年の結成ということです。少なくとも2013年の録音がありますので,40年近く活動されているベテランの四重奏団です。これは2005年頃の録音ですので結成30年くらいでしょうか。キャリアの割に録音が少ないのが残念ですが,シューベルトの弦楽四重奏曲全集などの名盤を残していますね。

さてこのベートーヴェンですが,全体に速めで淀みのないテンポ設定で颯爽としており,かつ,エモーショナルな演奏です。完成度を求めるよりもノリを重視しているようにも思います。ベートーヴェンの録音というと構えた演奏が多いように思いますが,これは随分と自由闊達な印象を受けます。長いキャリアが生んだスタイルなのかもしれません。

録音ですが,少し残響感はありますが,それでも比較的明瞭に録られていて聴きやすい録音です。楽器の質感は少し弱めでちょっと中途半端な印象があり,もう少しクリアに録って欲しかったところですが,まあこれでも問題ありません。

この中期の弦楽四重奏曲集,セリオーソまでの5曲が2枚に収まっています。考えてみるとほかにはあまりないように思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番作品131(ジャスパー弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131
ジャスパー弦楽四重奏団 Jasper String Quartet
録音不明 2014年リリース
(P)2014 Sono Luminus
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp(MP3)公式Webサイト

ジャスパー弦楽四重奏団は2006年に米国オハイオ州のオバーリン音楽院で結成された四重奏団で,2008年頃には東京クヮルテットの指導も受けたことがあるようです。Sae Chonabayashiさんという日本人の方が第2ヴァイオリンで参加されています。この録音の前に2枚のディスクをリリースされています。この録音はディスクで発売されているのかどうかはわかりませんでした。Apple Musicでの試聴です。

基本的には奇を衒わないオーソドックスな演奏ですが,気負いのない軽めの表現が明るく爽やかです。アンサンブルも良く技術的にも安定感があります。もう少し個々の奏者の音色に魅力があればとも思いますが,神経の行き届いた細やかさと控え目ながらも情緒的なニュアンスがそれを補ってくれています。

録音ですが,残響は控え目に抑えられているものの,少し距離感があってそれぞれの楽器に薄いベールがかかったような感じに聴こえます。楽器の質感やニュアンスは辛うじて感じられ,音色の曇りも最小限なので十分許容範囲なのですが,もう少しすっきり,くっきり録ってくれていたらなぁと思います。惜しいです。

後期の四重奏曲のこういう演奏はあまりないように思いますので,今後の録音にも注目していきたいですね。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集作品59「ラズモフスキー」全3曲(クァルテット・エクセルシオ)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集作品59「ラズモフスキー」全3曲
クァルテット・エクセルシオ Quartet Excelsior
2014年12月25-26日 神奈川・相模湖交流センター
Live Notes WWCC-7807-8 (P)2016 Nami Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2014年にリリースされた第12番,第16番に続く第2弾となります。録音自体は前作から約半年後の2014年12月。基本的には前作と同じで正統的なスタイルが踏襲されており,優れたアンサンブルと細やかに表現が行き届き,完成度高く仕上げています。やはり個性的な表現は追い求めず,あくまでオーソドックスな範囲でニュアンスの豊かさで勝負しているように聴こえます。これはこれで私は良いと思いますし,この路線で全曲録音を続けて欲しいというのも変わりません。

ただ,前作でも残念だった録音は今回も同じであり,残響が音色を濁しており,また,ニュアンスや質感を聴き取りにくくしているのは少々残念です。この残響の取り入れ方は音楽的にもほとんど貢献していませんので,もっとクリアにヌケ良く録ることを優先して欲しいところです。目くじらを立てるほど悪くはないのですが,せっかくの好演奏をもっと良い状態で楽しみたいということで,あえて言わせていただいております。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(サイプレス弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:初期弦楽四重奏曲集
サイプレス弦楽四重奏団 Cypress String Quartet
録音:2015年8月19日~9月6日
AVIE AV2348 (P)(C)2016 Cypress String Quartet (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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ベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集
サイプレス弦楽四重奏団 Cypress String Quartet
録音 2012-2014年
AVIE AV2418 (P)(C)2014 Cypress String Quartet (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
サイプレス弦楽四重奏団 Cypress String Quartet
録音時期不明
CSQBC012 (C)2012 Cypress Performing Arts Association (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

サイプレス弦楽四重奏団は1996年に米サンフランシスコで結成されたとのこと。アンサンブルもしっかりした堅実な演奏を聴かせてくれます。オーソドックスですが,ここぞというところでしっかりと盛り上げる,ツボもきちんと押さえています。実力のある団体だと思いました。

今まで中期,後期が先行して発売されていましたが,この2016年5月に前期が発売になり,全集として完成したことになります。また,後期はほとんどプライベート盤的なリリースであったものが,Avieレーベルから発売となり,めでたく同一レーベルで揃ったことになります。

録音ですが,前期,中期,後期で少し差があるものの,統一感のある録音です。残響は少なめですが,残響までにならない,部屋の反響音が若干多めで音色はくすみ気味です。生録的な自然な雰囲気の録音で基本的にはこのような録音は好きなのですが,もう少し反響音を抑えて透明感のある音で録って欲しかったですね。少し残念です。

なお,以前にも報告しましたが(→こちらをご参照ください),最初に入手したものは中期のDISC 3,Track 6の4:22あたりでノイズが入り,返品交換してもらったものも同様にノイズが入るということで諦めかけたのですが,公式Webサイトから四重奏団に直接問い合わせたところ,作り直した正常なディスクを送ってもらうことができ,一件落着したということがありました。もし入手されたディスクに同様な欠陥があった場合は,直接問い合わせてみるという手段もありますので,ここに紹介しておきます。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(アルカン四重奏団)

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ベートーヴェン:初期弦楽四重奏曲集
アルカン四重奏団 Quatuor Alcan
録音 2007-2010年 カナダ,ケベック
ACD2 2491 (P)2007-2010 (C)2014 Disques ATMA inc. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集
アルカン四重奏団 Quatuor Alcan
録音 2008-2011年 カナダ,ケベック
ACD2 2492 (P)2008-2011 (C)2015 Disques ATMA inc. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
アルカン四重奏団 Quatuor Alcan
録音 2007-2012年 カナダ,ケベック
ACD2 2493 (P)2015 Disques ATMA inc. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
アルカン四重奏団はカナダの団体,1989年の結成で,2014年に結成25周年,これに合わせて全集を録音されました。初期・中期と順次発売され,この度後期が発売されて全集として揃いました。以前に一度初期・中期を取り上げていましたが,改めて取り上げます。

とても良くバランスの取れた演奏をする団体です。表現は至ってオーソドックス。技術力もありますしアンサンブルもとても良く安定感があります。あまりに素直で強い主張がないために少し印象が薄いのですが,曲に対する誠実さを感じる良い演奏であることは間違いありません。特に後期は策を弄せずよりシンプルですっきりと表現されていてかえってこれが良い効果を生んでいます。地味ですが良い全集が出来上がったなと思います。

録音ですが,数年にわたって少しずつ録音されていてばらつきがあります。一部の録音は残響が適度に抑えられてすっきりと聴きやすいのですが,残響が多めで癖のある響きが被って明瞭感と音色に影響し高域のヌケが今ひとつでスカッと気持ちよく聴くことが出来ないものもあります。それほど悪い録音ではないのですが,良い方の録音に統一されていれば良かったのにと少し惜しく思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番(アルティ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番
アルティ弦楽四重奏団
2015年3月25-27日 水戸芸術館 コンサートホールATM
EXTON OVCL-00575 (P)(C)2015 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
京都府立府民ホール“アルティ”の開館10周年を記念して1998年に結成された,豊嶋泰嗣,矢部達哉,川本嘉子,上村昇,という錚々たるメンバーの弦楽四重奏団。すでに第1弾としてベートーヴェンの第14番,第16番のディスクをリリースしており,これが第2弾となります。

基本的に第1弾から変わらず,オーソドックスで堂々とした演奏ながら,奥ゆかしさというか,慎ましさというか,日本人の美徳が感じられ,それがこの曲によくマッチしています。技術的にも安定していますし,アンサンブルも申し分ありません。強い主張がないところが好き嫌いの分かれるところだと思いますが,私は好きです。昨今こういう演奏はあまり多くないと思いますし。この調子で残りの曲も録音して欲しいですね。

さて録音ですが,前回と同じくホールの響きのキャラクターに支配され,演出色が強いです。やはり残響の取り入れ方が半端で,心地よい響きに至らず,音色を濁し明瞭感,質感を損なってしまっています。やはり今回もせっかくの素晴らしい演奏をまったく活かさない録音でとても残念です。

ところで,やはり今回もアルティでの録音ではないですね...(^^;。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(フィルハーモニア・クァルテット・ベルリン)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
フィルハーモニア・クァルテット・ベルリン
録音データなし
CTH2614 Thorofon (2015年発売)(輸入盤)
好録音度:★★★★,★★★☆(Op.95, Op.127, Op.130, Op.133)
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
フィルハーモニア・クァルテット・ベルリンは,ベルリンフィルの首席奏者によって1984年に結成された団体とのことで,メンバーチェンジを繰り返しながら今に至り,日本にも10回以上来日しているとのことです。

録音データが全く記載されていないのですが,公式Webサイトのディスコグラフィを見ると,1994年にOp.95/Op.127,2000年にOp.130/Op.133,2004年にOp.131/Op.135,だいぶ飛んで,2013年にOp.18,2014年にOp.59/Op.74をそれぞれリリースしており(Op.132は不明),この全集はそれら20年にわたる録音の集大成ではないかと思われます。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲というと,昨今は切れ味の鋭くソリッドに演奏がされる傾向が強いと感じているのですが,ここでは卓越した技術に支えられているのはもちろんですが,活気がありながらもその技術的余裕を活かしてむしろユルくネアカのベートーヴェンに仕立てているように思います(「ユルく」というのは誤解を生みそうですが(^^;)。あとの録音になるほどその傾向が強くなっているのは団体としての成熟度を反映しているのかもしれません。これはなかなかに素晴らしい全集だと思います。

録音ですが,2000年頃までにリリースされているOp.95, Op.127, Op.130, Op.133と,それ以降の録音で差があり,前者は残響過多で音色がくすみ,明瞭感も良くなく,精彩のない音質です。一方後者は残響は多いものの,直接音成分が比較的多いため,残響の影響を受けながらも楽器の質感も感じ取りやすく,音の伸びもあってまずまずです。中ではラズモフスキー第1番が最も良好です。せめてこれくらいの録音で統一されていたら良かったのですが。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第4番,第11番「セリオーソ」(ミネッティ・クァルテット)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第4番,第11番「セリオーソ」
ミネッティ・クァルテット Minetti Quartett
29-30 April 2013, 1-2 May 2013, Hofmusikkapelle, Wien
CD 98.029 (P)(C)2014 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
ミネッティ・クァルテットは2003年に結成された若手の四重奏団。2006年のグラーツのフランツ・シューベルト国際弦楽四重奏コンクール最高位などの受賞歴があるとのことです。

これは現代的でスマートで洗練された演奏ですね。勢いのある演奏なのに全く乱れたり荒れたりせずキレの良い完璧なアンサンブルで音楽が見通しよく整理されています。個々の奏者の音色が美しく魅力的で(特に1stヴァイオリンが際立っています),優れたアンサンブルと相まって雑味のない透明な響きを生み出しています。これは出色の出来です。素晴らしいです。

録音ですが,残響(響き)を少し取り入れていてまとわりつきと音色への影響が気になるものの,個々の奏者のニュアンスや楽器の質感を伝えてくれるもので,見通し,分離感もまずまずです。もう少し響きを抑えて欲しかったとは思いますが,これでも十分良好な録音と言えます。

演奏も録音も良い素晴らしいディスクでした。今後の録音にも大いに期待します。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番,第10番,第13番(大フーガ付き)(エリアス弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番,第10番,第13番(大フーガ付き)
エリアス弦楽四重奏団 Elias String Quartet
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 20 February 2014
WHLive0073/2 (P)(C)2015 The Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
ふふふ...今時こんなコテコテの演奏をする弦楽四重奏団があったとは。嬉しくなりますねぇ。1stヴァイオリンが全体を引っ張るスタイルで,とにかくこの1stヴァイオリンが臭ってきそうなくらい強烈な個性を発しているのです。技術的にも上手いですしアンサンブルも良いです。いやー,とにかく面白い。好きかどうかは別にしてこんなベートーヴェンは滅多に聴けないので本当に楽しめます。大フーガが終わった後の観衆の熱狂的な拍手,かけ声も納得です。私もずっとニヤニヤしながら聴きました(^^;。全集の第1弾ということですので,今後の続編が楽しみです。

録音ですが,ライヴ録音で残響感とホールの雰囲気を感じさせる反響があるために音色は少し影響を受けているのですが,本来の伸びはないものの刺激的なくらいに高域はあるので質感はかなり保たれています。くすんだ感じもありません。もう少しすっきりと透明感のある音で質感豊に録って欲しいところですが,許容範囲内に入ります。

なお,第13番は終楽章が大フーガのバージョンで弾いています。

ベートーヴェン:中期・後期弦楽四重奏曲集(サイプレス弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集
サイプレス弦楽四重奏団 Cypress String Quartet
録音 2012-2014年
AVIE AV2418 (P)(C)2014 Cypress String Quartet (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
サイプレス弦楽四重奏団 Cypress String Quartet
録音時期不明
CSQBC012 (C)2012 Cypress Performing Arts Association (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
サイプレス弦楽四重奏団は1996年に米サンフランシスコで結成されたとのこと。アンサンブルもしっかりした堅実な演奏を聴かせてくれます。オーソドックスですが,ここぞというところでしっかりと盛り上げる,ツボもきちんと押さえています。初めて名前を知った弦楽四重奏団ですが,実力のある団体だと思いました。前期の録音がまだですが,全集としての完成が楽しみです。

録音ですが,中期と後期で少し差があるものの,統一感のある似た録音です。残響は少なめですが,残響までにならない,部屋の反響音が若干多めで音色はくすみ気味です。生録的な雰囲気のある録音で嫌いではないのですが,もう少し反響音を抑えて透明感のある音で録って欲しかったですね。少し残念です。

恐らく2009~2012年頃に録音されたと思われる後期は自主製作的に作られたように見えます。最近録音された中期はAVIEレーベルからのリリースです。後期はデジパック,中期はプラケースですが,それを除く体裁は揃えられているのは好ましいです。

なお,以前にも報告しましたが(→こちらをご参照ください),最初に入手したものは中期のDISC 3,Track 6の4:22あたりでノイズが入り,返品交換してもらったものも同様にノイズが入るということで諦めかけたのですが,公式Webサイトから四重奏団に直接問い合わせたところ,作り直した正常なディスクを送ってもらうことができ,一件落着したということがありました。もし入手されたディスクに同様な欠陥があった場合は,直接問い合わせてみるという手段もありますので,ここに紹介しておきます。

[一件落着]サイプレス弦楽四重奏団のベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集のノイズの件

ノイズが入ると報告したサイプレス弦楽四重奏団のベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集ですが,Cypress String Quartetの公式Webサイトのコンタクトのアドレスにノイズの件を連絡し,代替品を送ってくれると連絡をいただいていましたが,先日無事届き,問題の箇所でノイズがないことを確認しました。

私の場合,直接掛け合って無事修正品を入手できましたが,Amazon.co.jp経由で修正品が入手できるのかどうかは,そこまで追求しなかったので結局わからずじまいでした。もし購入された方でそれが欠陥品だった方で,Amazon.co.jpに交換を申し出て再入手したものも欠陥品だった場合は,最終手段としてCypress String QuartetのWebサイトのコンタクトから連絡するという手段があることをお知らせしておきたいと思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(ベルチャ四重奏団) 2012年ウィーンライヴ

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
ベルチャ四重奏団 Belcea Quartet
2012年 ウィーン・コンツェルトハウス
EuroArts 2072664 (輸入盤) ※Blu-ray Disc 4枚組
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
ベルチャ四重奏団は2011年から2012年にかけてセッションで全集を録音していますが,これはそれを受けて行われた全曲演奏会のライヴ収録ビデオです。第13番は大フーガを終楽章とする演奏と,新たに作曲され差し替えられた終楽章の演奏と,2種類の演奏が収録されています。

セッションと同時期の演奏なので,ほぼ同じ印象を受けるます。ライヴでもこの完成度を保っているのはさすがです。甘さを徹底して排除した極めてキレの良いダイナミックな現代的演奏ですね。

録音はやや多めに残響が取り入れられていますが,ウェットになることなく楽器音をしっかりと捉えています。しかしやや音が硬く伸びがありません。悪くはないのですが,すっきりしない録音です。

映像の方はカメラワークは悪くないと思いますが,ステージが暗く映像も全体に暗く地味です。これは全く好みの問題なのですが,私としてはもう少し明るい映像で録ってくれた方が楽しめたかなと思います。演奏には集中できるかもしれませんが。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番,第16番(クァルテット・エクセルシオ)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番,第16番
クァルテット・エクセルシオ Quartet Excelsior
2014年5月14-15日 サン・エール相模原
LIVE NOTES WWCC-7771 (P)2014 NAMI RECORDS (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
これもまた日本人の超真面目さ,美徳がそのまま音楽になったような演奏ですね。まるでお手本。突出した特徴はありません。ですが,とても調和の取れた,バランス感覚に優れた,控えめながらもニュアンス豊か,弦楽四重奏としてとても完成度の高い出来だと思います。アンサンブルも優秀です。弦楽四重奏団としての個性は私にはほとんど感じられませんでしたが,それ自体がこの四重奏団の美点であると思います。

録音ですが,残響感がほとんどないにもかかわらず,音色はややくすみ気味でややすっきり感がなく冴えません。少しオフマイクなのかもしれません。悪くはありませんが,中途半端な感じが否めません。もう一歩楽器に寄ってクリアにヌケ良く録音して欲しいものです。

ベートーヴェンはこの調子で録音を続けて欲しいです。期待しています。でも録音は改善を強く望みます。

[続報]残念ながら欠陥商品でした(涙)...サイプレス弦楽四重奏団のベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集

ノイズが入ると報告したサイプレス弦楽四重奏団のベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集ですが,Cypress String Quartetの公式Webサイトのコンタクトのアドレスにノイズの件を連絡したところ,欠陥については認識をしていて,代替品を出荷する過程にある,との返信をいただきました。また,代替品を私に送ってくれるということでした。

もう諦めていたのですが,掛け合ってみて正解でした。代替品が届くのを楽しみに待ちたいと思います。

さらに続報あり

残念ながら欠陥商品でした(涙)...サイプレス弦楽四重奏団のベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集

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ベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集
サイプレス弦楽四重奏団 Cypress String Quartet
2012-2014年録音
AVIE AV2318 (P)(C)2014 Cypress String Quartet (輸入盤)
11月29日のエントリーでDisc 3のTrack 6 4:22あたりでノイズが出ると報告したこのディスクですが,その後Amazon.co.jpに返品交換をお願いしました。そしてその交換品が入ってきたのですが,まったく残念なことに,同じ場所で同じノイズが発生します。つまり,異常なノイズが正常な音として記録されている,ということです。

静かなフレーズのところでいきなりものすごいノイズが発生しますので,冗談ではなく本当に心臓に良くありません。しゃっくりは間違いなく止まるでしょう。カーオーディオで運転しながら聴いていたら危険です。残念ながら欠陥商品です。この一瞬のために全てが台無しです。本当にもったいないことです。

続報あり

サイプレス弦楽四重奏団のベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集のノイズ

サイプレス弦楽四重奏団(シプレス? Cypress)のベートーヴェン中期弦楽四重奏曲集を入手したのですが,Disc 3のTrack 6 4:22あたりで「ジャ!」という一瞬ですが盛大なノイズが入ります。再生機を変えてもリッピングしても全く同じノイズが発生します。経験上,製盤不良や傷のノイズとは全く違う種類のノイズで,このノイズがマスタリング段階で混入して正常に?!ディスクに記録されているとしか思えないようなノイズなのです。

このディスクを入手された方,この場所でノイズはないですか?

こんなノイズを見逃して商品化するなどあり得ないとは思うのですが...返品交換してもらうか思案中...

続報あり

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(イェール弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番,第13番,大フーガ
Vanguard's 23nd Street Studio, New York City, 1968, 1971
Vanguard Classics ATM-CD-1205 (P)(C)2004 Artemis Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★(No.12),★★★★☆(No.13)
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番,第15番,第16番
Vanguard's 23nd Street Studio, New York City, 1967,70,71
Vanguard Classics ATM-CD-1206 (P)(C)2004 Artemis Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★(No.14,15),★★★★☆(No.16)
イェール弦楽四重奏団 The Yale String Quartet
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第一印象は真面目であまり寄り道しないストイックな演奏なのですが,キレが良くきびきびしていて控えめながらも跳ねるような躍動感もあります。特徴のある演奏ではないかもしれませんが,曲をいじりすぎないストレートなところが功を奏した良い演奏だと思います。アンサンブルも優秀です。

録音ですが,スタジオ録音ということもあって残響感は少なめです。そのため明瞭感はあるのですが,1968年から1970年にかけて録音された第12番,第14番,第15番は音色がやや古く,高域の伸び感も今一歩,音が団子になって分離感もやや物足りません。演奏が地味に聴こえてしまうのはこの録音のせいもあると思います。古いというほどの録音年代ではないので,これは少し残念に思います。1971年に録音された第13番,第16番は高域の伸びと分離感,質感が改善されていて良好です。

この録音では,安芸晶子さんと松田洋子さんが第2ヴァイオリンとして参加されています。第1ヴァイオリンは創生期の日本フィルのコンサートマスターを務めたブローダス・アール,ヴィオラはワルター・トンプラーとのことです。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番,大フーガ(ヴィルトゥオーゾ・カルテット)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番,大フーガ
ヴィルトゥオーゾ・カルテット Virtuoso Quartetto
Live Recording at Hakuju Hall, Tokyo, 7th November 2013
MM-2178 (P)(C)2014 Meister Music (国内盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
ヴィルトゥオーゾ・カルテットは,齋藤真知亜(1stVn),大宮臨太郎(2ndVn),店村眞積(Vla),藤森亮一(Vc)といったNHK交響楽団他の精鋭4名から成る弦楽四重奏団。元々はN響カルテットという名称だったようですが,店村氏の東京都交響楽団特任首席ヴィオラ奏者就任にあたり改名されたとのことです。

私の勝手なイメージかもしれませんが,一流の弦楽四重奏団として名を馳せる団体の演奏と,すでに一流となった演奏家で結成される団体の演奏では,音楽の質が根本から異なるような気がします。この四重奏団は後者に当たると思いますが,全体としての表現はオーソドックスなのですが,個々のプレーヤーの高い技量と強い個性のぶつかり合いによって非常に魅力ある音楽に仕上がっています。これも室内楽の醍醐味ですね。

しかし,この録音は...この素晴らしい演奏の魅力を半分も伝えてくれていないと思います。マイク位置が遠いのか,ホールの響きが被りすぎて明瞭度が落ち,音色が曇り,楽器の質感が失われ,ニュアンスが消えてしまっています。残響が音楽の邪魔をするばかりで,ホールで録音したという雰囲気を感じさせること以外,音楽性にほとんど何も寄与していません。素晴らしい演奏が台無しです。本当にこれは残念でなりません。

マイスター・ミュージックの録音は私には全く合わないようです...

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番,第16番(アルティ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番,第16番
アルティ弦楽四重奏団
2013年9月2-4日 東京・稲城iプラザ
EXTON OVCL-00533 (P)(C)2014 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
豊嶋泰嗣,矢部達哉,川本嘉子,上村昇,という錚々たるメンバーの弦楽四重奏団。京都府立府民ホール“アルティ”の開館10周年を記念して1998年に結成されたということですので,もう16年になるとのことですが,これが初めてのディスクということで,まさに満を持してのリリースということになりますでしょうか。しかも初めてのディスクでこの選曲とは,自信満々ですね。

演奏はオーソドックスで堂々としています。小細工なし。無理に個性を出そうとしないしする必要も全くない。充実した見事な演奏に拍手です。ぜひ全集化を! 期待しています。

録音ですが,残響はそれほど多くないのですが,ホールの響きのキャラクターがやや強く乗りすぎているように感じられます。残響音と反射音の取り入れ方がやや中途半端に思われます。その結果,楽器の音色の透明感,質感やニュアンスがやや失われてしまっています。また,楽器間バランスとして第1ヴァイオリンが少し控えめで奥まったように録られていて,少し欲求不満が残ります。中低域は締まっていて良好です。

演奏が素晴らしいだけに,この録音は本当に惜しいと言わざるを得ません。今後の録音ではぜひ改善をお願いしたい。楽器の音色は命なのですから。

しかし,それにしても...なぜアルティで録音しないの???(^^;。

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(弦楽合奏版)(テリエ・トンネセン指揮/カメラータ・ノルディカ)

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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(弦楽合奏版)
テリエ・トンネセン指揮/カメラータ・ノルディカ
2001年~2005年 スウェーデン,ヴィシェルム教会,アルグツルム教会(Op.127)
ALT1024(3) (P)(C)2006 Altara Music (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon (※リマスター再発盤)
指揮者自身の編曲によるコンチェルト・グロッソ・タイプの編曲ということで,弦楽合奏とソロが混じった編曲になっています。第13番の終楽章は大フーガで,Op.130の終楽章は省略されています。

後期の全曲を弦楽合奏で聴けるのがうれしいのですが,一方で,これらの曲を弦楽合奏で本当に出来るの?と,その仕上がりがイメージ出来なかったのですが,聴いてみて,想像をはるかに超える出来映え,アグレッシヴな快演に驚きました。攻める演奏なのにアンサンブルもほとんど乱れませんし,ソロの入れ方も絶妙で聴き応えがありました。これもややキワモノ的で好みがあるでしょうからなかなか人に薦めづらいところですが,ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲が好きなら一度は聴いてみても良いのではないかと思いました。

録音ですが,やや残響過多で弦楽器の音色に精彩がないのが気に入りませんが,とはいえ,それなりに音の厚みと弦楽合奏としての質感は良く,何とかぎりぎり鑑賞には堪えるかなと思います。出来は少しばらつきがあり,Op.130, 133が比較的音に透明感があって良く,Op.135は残響が多すぎてあまり良くありません。

しばらく廃盤のようでしたが,もうすぐBISからリマスター盤として再発売されるようです。リマスター盤,聴いてみたいけど買い直すほどでもないかな...でも気になるなぁ...でも残響が多くて好録音の少ないBISだしなぁ...

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品18-3, 74, 135(イザイ四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品18-3, 74, 135
イザイ四重奏団 Quatuor Ysaÿe
2008年3月-4月 パリ,オルセー美術館オーディトリウム
YR510 (P)2008 (C)2012 YSAŸE RECORDS (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
ライヴ録音で演奏後の拍手も収録されています。ライヴならではの気迫のこもった,そして,勢いのあるキレの良い演奏が素晴らしいです。今のところベートーヴェンはこのディスクしかないようなのですが,他の曲も聴いてみたくなります。

録音なのですが,残響はほとんどなく,それぞれの楽器を適度な距離感で明瞭に捉えていて,この点ではすごく良いと思うのですが,なぜか弱音も含めて歪みっぽく締め付けられるような感じがします。リニアリティが悪いのでしょうか,何となく濁っていて音に伸びもなく,この点で印象が悪くなっています。生々しくリアリティのある良い音の捉え方をしているだけに,このオーディオ品質の悪さは残念です。

このシリーズが続くならぜひ録音機材を見直して欲しいと思います。このクオリティではせっかくの素晴らしい演奏がもったいないことになってしまいます。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(上海クァルテット)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品18-1,18-2,18-3
2005年11月8日~10日 岩舟町コスモス・ホール(栃木)
CMCD-28111 (P)2005 (C)2006 CAMERATA TOKYO (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品18-4,18-5,18-6
2006年11月11日~13日 草津音楽の森国際コンサートホール(群馬)
CMCD-28138 (P)2006 (C)2007 CAMERATA TOKYO (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品59-1「ラズモフスキー第1番」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品59-3「ラズモフスキー第3番」
2008年10月8日~10日 草津音楽の森国際コンサートホール(群馬)
CMCD-28169 (P)2008 (C)2009 CAMERATA TOKYO (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品59-2「ラズモフスキー第2番」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品74「ハープ」
2007年12月4日~6日 花かげホール(山梨)
CMCD-28159 (P)2007 (C)2008 CAMERATA TOKYO (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品127,131
2007年2月24日~28日 スタジオ・バウムガルテン(ウィーン)
CMCD-28159 (P)2007 (C)2007 CAMERATA TOKYO (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品95「セリオーソ」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品130,133, 132,135
2009年11月25日~28日 草津音楽の森国際コンサートホール(群馬)
2008年6月9日~13日 スタジオ・バウムガルテン(ウィーン)
CMCD-20105-6 (P)2008,09 (C)2010 CAMERATA TOKYO (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
上海クァルテット Shanghai Quartet

どちらかといえば旧来からのオーソドックスなスタイルで,刺激的な特徴のある演奏ではありませんが,引き締まった充実感のある演奏であると言えます。技術的にも上手いですし,アンサンブルも良いと思います。

録音ですが,数年にわたっていろんな会場で録音されていますが,驚くほど統一感があります。残響も取り入れられていますが,楽器音を直接音主体に濃いめに捉えているため,残響はあまり気になりません。残響は音場感にはあまり寄与せずどちらかといえば演出色を強める方に出てしまっているようで,私としてはあまり好ましいとは思わないのですが,なんとか許容範囲です。濃いめに捉えている効果で,ポータブルプレーヤで移動中に聴くようなあまり聴取状態が良くない場合でも十分楽しめました。この点では良い録音と言えると思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番,第5番,第16番(ハーゲン四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番,第5番,第16番
ハーゲン四重奏団 Hagen Quartet
Siemens-Villa Berlin(Op.18/3), X.2012 & Deutschlandfunk Kammermusiksaal(Op.18/5 & 135), XI.2012
MYR009 (P)2012 (C)2013 myrios classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
2011年に,彼らの結成30周年記念としてミリオス・レーベルに録音された第8番に続くベートーヴェンの第2弾になります。現代楽器による現代的な演奏としての新境地を示してくれていると思います。彼らのベートーヴェンは期待を裏切りませんねぇ。かなり大胆に表現をしているのですが,感情に走るわけでもなく,情緒に流されるわけでもなく,とても洗練された形で変化に富んだ音楽を創り上げています。従来のベートーヴェンの演奏とは方向性が全く異なります(うまく言い表せなくてすみません...)。

録音ですが,やや残響が多めで,楽器音へのまとわりつきが気になります。演出色もあって私としてはあまり好ましいとは思いませんが,彼らのシャープな演奏はそれなりに捉えていますし,音色の曇りもあまりありませんので,まずまずの録音と言って良いと思います。残響が許容できる方なら問題ないでしょう。

全集化されるのかどうかわかりませんが,今後も進化を遂げつつ録音が続けられることを大いに期待したいと思います。(DGでの録音のように中途半端な感じで終わらないで欲しい...)