メンデルスゾーン:交響曲全集(ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団)

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メンデルスゾーン:交響曲全集
ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
Paris, Philharmonie, Grande salle Pierre Boulez, 20, 21 & 22 February 2016
00280 479 7337 (P)(C)2017 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

前エントリのシューマンの交響曲全集に続いてネゼ=セガンとヨーロッパ室内管弦楽団という同じ顔合わせのメンデルスゾーンの交響曲全集です。こちらも同様に小気味の良い,精度の高いアンサンブルで,胸のすく音楽が展開されていきます。メンデルスゾーンの交響曲はごちゃごちゃとせわしない印象を持っているのですが,その音楽を極めて明快に整理した形で聴かせてくれるこの演奏は秀逸で,この団体ならではの特徴を存分に活かしていると思います。

録音ですが,残響は少し多めですが,あまり楽器音に被っているという感じはなく,音色と音のキレを損なわない程度に抑えられているので悪い印象ではありません。もう少し各楽器の質感が強めで分離感がある方が好きなのですが,それでもまずまずの好録音だと思います。

この顔合わせでもっといろいろな交響曲のリリースをしてくれることを期待します。

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集(ミヒャエル・ホーフシュテッター指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団)

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メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集
ミヒャエル・ホーフシュテッター指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団
2007年9月,11月, 2008年3月,9月,11月 シュトゥットガルト・ボートナング・リーダークランツハレ
C 763 093 D (P)(C)2009 ORFEO International Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

この弦楽のための交響曲は,メンデルスゾーンが12歳から14歳にかけて作曲した作品で,第1番から第6番は演奏時間がだいたい10分程度の小曲ですが,第7番以降は20分を越え,第11番に至っては40分近くという大作です。中学生くらいの少年が書いた作品ですが,充実した立派な曲集ですね。

少し前にアヒム・フィードラー指揮/ルツェルン祝祭弦楽合奏団の全集を取り上げましたが,これも同時期にメンデルスゾーン生誕200年記念としてリリースされたもののようです。室内管弦楽団の比較的小編成の演奏ながら,小編成とは思えないシンフォニックでスケールの大きな響きを出しています。そして音楽が生き生きと躍動感にあふれているのが素晴らしいです。オーケストラも上手く完成度が高い全集だと思います。

録音ですが,かなり残響が多いのですが,直接音成分の比率がそこそこあるために音の曇りは少なく,弦楽器の魅力を十分に伝えてくれる録音だと思います。もしかしたらイコライジングで少し高域を持ち上げて音色のくすみを緩和しているかもしれません。そんなように聴こえます。私にとってはやはり残響が多すぎます。ただ多くの方には受け入れられる録音かもしれません。

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集(アヒム・フィードラー指揮/ルツェルン祝祭弦楽合奏団)

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メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集
アヒム・フィードラー指揮/ルツェルン祝祭弦楽合奏団
January 26-29 & March 20, 2009, Stalden, CH
OC 740 (P)(C)2009 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

オルフェウス室内管弦楽団のメンデルスゾーンを聴いてもっとこの曲を聴きたくなり,だいぶ前に買って棚の奥底に眠っていたのを引っ張り出してきました。

ルツェルン祝祭弦楽合奏団は1956年にヴォルフガング・シュナイダーハンとルドルフ・バウムガルトナーによって創設されたスイスの団体とのことで,1998年までバウムガルトナーが音楽監督を務め,その後,本盤の指揮をしているアヒム・フィードラーが後を継いだということです。この弦楽のための交響曲は,メンデルスゾーンが12歳から14歳にかけて作曲した作品で,中学生くらいの年齢でこれだけの作品を残したということが本当にすごいと思います。第1番から第12番まで少しずつ作曲が進化してきているのも感じられて興味深い作品です。

モダン楽器による小編成の弦楽合奏による演奏で,キレの良い整った見通しの良いアンサンブルが素晴らしいと思います。速めのテンポで溌剌としていて実に気持ちの良い演奏です。モダン楽器ですが,ヴィブラートは控えめで透明感のある響きを作り出していて,ピリオド的な奏法も取り入れているようです。

録音ですが,録音会場の響きの影響が強く出て音色はかなり癖があります。ただ音色の曇りは少なく,また,弦楽器の質感はよく感じられるため,癖が強い割には弦楽器の魅力を上手く捉えられていると思います。中低域の締まりがある,キレの良いサウンドもこの録音を救っています。ただやっぱりもっとすっきりと綺麗な音色で録って欲しかったなと思いますね。惜しい録音です。

なお本ディスクはやや入手しづらい状況のようですが,Apple Musicで聴くことができます。有り難いことです。

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第8番,第9番,第10番(オルフェウス室内管弦楽団)

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メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第8番,第9番,第10番
オルフェウス室内管弦楽団
Performing Arts Center, State University of New York at Purchase, 12/1991
437 528-2 (P)1993 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
オルフェウス室内管弦楽団のディスクをもう一つ。メンデルスゾーン12歳から14歳の間に作曲されたという作品。全部で13曲あり,その中の3曲を収録しています。中学生くらいの年齢でこれだけ優れた作品を作曲したというのが信じられないですね。

これらの曲をオルフェウス室内管弦楽団はキレよく,小気味よく演奏しています。この曲はオルフェウス室内管弦楽団くらいの編成のシャキッとした,そしてノリの良いアンサンブルで聴くのが最高ですね。全曲録音されなかったのが本当に残念です。

録音ですが,シャハムやガロワのヴィヴァルディ協奏曲集と同様,弦楽器の魅力ある美しい音色を綺麗に質感良く捉えています。高域の伸びもあり,中低域も引き締まっています。各楽器の分離も良く見通しも良好です。実に気持ちの良いサウンド! 同楽団の良好な録音の一つと言えると思います。

しかしこの素晴らしい曲集は復刻もされず,Apple Musicにもアップロードされず,入手しづらい状態になっているのは残念です。(タワーレコードさん,出番ですよ(^^;)

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第8番,第9番,第10番(オルフェウス室内管弦楽団)

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メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第8番,第9番,第10番
オルフェウス室内管弦楽団
Performing Arts Center, State University of New York at Purchase, 12/1991
437 528-2 (P)1993 Deutsche Grammophon (輸入盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpTower Records
オルフェウス室内管弦楽団を続けます。これもまた精緻かつ躍動感に満ちた素晴らしいアンサンブルが聴きものです。第10番ほど取り上げられることのない第8番や第9番もこんなに楽しい曲だったんだと思いました。全集でないのが残念です。

録音もレスピーギの作品集と同様,残響を抑えた明瞭感の高い,そしてすっきりと見通しのよい録音です。優秀なアンサンブルをさらに際立たせていると思います。これも同楽団の録音の中ではかなり良い方に入ると思います。

オルフェウス室内管弦楽団のドイツ・グラモフォンへの録音は演奏も録音も優れたものが多いのですが,その多くがすでに廃盤になってしまっているのは本当に残念です。