ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集(ショルツ/ファウトゥ)

cover picture

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
カトリーン・ショルツ(Katrin Scholz)(Violin)
ゲラルド・ファウトゥ(Gerald Fauth)(Piano)
Recorded on June 28 & 29, 1994 at Studio Domovina, Prague.
VICC-166 (P)1995 ビクター・エンターテインメント株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★☆

ハイドンのヴァイオリン協奏曲モーツァルトのヴァイオリン協奏曲が最高に良かったショルツ氏。CDの棚を眺めていて,ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集を発見してあっと叫んでしまいました。その昔,いつの間にか手に入れていたようです。すっかり忘れていました。といいますか,意識にありませんでした。たぶん買ったときはショルツ氏に注目していなかったのでしょう...じゃあなんで買ったんだ?...(^^; 。

解説書を見ると,1989年の第4回日本国際音楽コンクールで第一位だったとか(このときの第二位が諏訪内晶子さん!)。こんなことさえ知りませんでした。

それで演奏の方ですが,もちろん悪いはずがないのですが,ハイドンやモーツァルトでの輝くような音楽にはまだまだ至っていないという印象です。未だ原石の状態とでも言いましょうか,まだまだ固く伸びやかさ,しなやかさが足りない感じです。今の彼女のブラームスを聴いてみたい! ぜひ再録音を! と切に願います。

録音ですが,ヴァイオリン・ソナタの録音としては平均的なレベルではないかと思います。残響はそれほどありませんが,少し響きが被って高域の伸び,すっきり感が足りません。また,今ひとつボディ感がないというか実体感がないのも気になります。それほど悪くはないのですが,好録音の観点では不満が残る録音です。

(Side Bからの移行記事) [ブラームス][室内楽曲][ヴァイオリン]

チャイコフスキー:交響曲全集,他(ドラティ/ロンドン交響楽団)

cover picture

チャイコフスキー:交響曲全集,他
第一番,第二番,第三番 (Watford Town Hall, 26-30 July 1965)
第四番 (Wembley Town Hall, London, 12 June 1960)
第五番 (Walthamstow Town Hall, London, 6 June 1959)
第六番 (Wembley Town Hall, London, 17-18 June 1960)
ロメオとジュリエット (Watford Town Hall, 20 June 1959)
フランチェスカ・ダ・リミニ,スラブ行進曲,エウゲニ・オネーギンよりワルツとポロネーズ(*) (Northrop Auditorium, Minneapolis, 22 December 1958)
アレンスキー:チャイコフスキーのテーマによる変奏曲(**) (Grosser Saal, Konzerthaus, Viena, 8 June 1958)
ボロディン:イーゴリ公序曲 (Walthamstow Town Hall, London, 6 June 1959)
アンタル・ドラティ(Antal Dorati)(Conductor)
ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra)
(*)ミネアポリス交響楽団(Minneapolis Symphony Orchestra)
(**)フィルハーモニア・フンガリカ(Philharmonia Hungarica)
Mercury Living Presence 475 6261 (P)(C)2004 Decca Music Group Limited (輸入盤)
好録音度:★★★★☆~★★★★★
参考url: HMV Onlineicon

ブラームスの交響曲全集の録音が良かったので,チャイコフスキーも聴いてみました。1958-65年という古い録音なのに,これは本当にすばらしい! 音を濁す残響はほとんどなく,明瞭感,音の自然さは抜群,楽器の質感がよくわかり,奏者の存在が見えてくるようです。

古い録音なのでやや音が粗かったりサーッというノイズが背景にあったりとクオリティ面でのハンデがあるのは仕方ありませんが(そういう前提で読んでください),それでも帯域も十分にありますし,音の自然さは全く問題ありません。何より音の捉え方は文句なし! 特に弦楽器の質感は最高です。

この中では,ミネアポリス交響楽団と録音した1958年のスラブ行進曲やエウゲニ・オネーギンなどが最も良く,次いで1965年の交響曲第一番~第三番,やや劣るのが第四番~第六番というところです。よく聴く第五番,第六番がちょっと落ちるのが残念ですが,それでも納得できる録音です。

なんでこういう素晴らしい録音の考え方が廃れてしまったのか,残念でなりません。

演奏ですが,良い意味で職人的に曲を仕上げていく上手さがあると思います。質実剛健といいましょうか,骨太といいましょうか,変に芸術的に傾くことなくストレートに曲のエッセンスを聴かせてくれます。

[チャイコフスキー][交響曲]

チャイコフスキー:交響曲第五番(ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団)

cover picture

チャイコフスキー:交響曲第五番 ホ短調 作品64
マリス・ヤンソンス(Mariss Jansons)(Conductor)
バイエルン放送交響楽団(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks)
2009年10月9日 ミュンヘン,ガスタイク,フィルハーモニー
BR Klassik 900104 (P)(C)2009 BRW-Service GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

バイエルン放送自主制作レーベルからの発売。ライヴレコーディング。10月9日の録音ということですから,本当に出来たてのホヤホヤですね。

演奏は,テンポがゆっくり目で,丁寧に,緻密に組み立てられているという印象です。オーケストラのそれぞれの演奏者も,一音たりともおろそかにしないといった感じで,どの音も消える瞬間まできっちりとしていて,ぞんざいに終わることがありません。オーケストラのダイナミックレンジを使い切った迫力ある演奏でありながら,指揮者の意志が隅々まで徹底されて,あくまで紳士的であることを忘れない,立派な演奏であると思います。ライヴらしい高揚感を期待して聴くとちょっと肩すかしを食らうかなと思います(→自分だ(^^;)。

さて肝心の録音ですが,基本的な音の捉え方は悪くないと思うのですが,なぜか高域が落ちているようで,かなり音が曇っています。残響が被って悪化しているような感じではないので,マスタリングの過程で落ちてしまったのではないかと推測しますが,よくわかりません。この音質には落胆しました。もったいないです。残念です。(→ちょっと誇張して書いています。多くの方にとっては許容範囲かもしれません...)

[チャイコフスキー][交響曲]

モーツァルト:弦楽四重奏曲集(初期・ハイドンセット)(ハーゲン四重奏団)

cover picture (a) cover picture (b)

(a) モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」
1998年4月(K.458 & 465)アーバーゼー,1999年4月(K.387)モンドゼー,1999年5月(K.428) & 2000年8月(K.464)ヴィースロホ,1995年4月(K.421)ラパスヴィール
DG UCCG-1072-4(471 024-2) (P)2001/1996 Deutsche Grammophon GmbH (国内盤)
好録音度:★★★★☆
(b) モーツァルト:初期弦楽四重奏曲集
1988年6月(K.160,168,169), 1989年1月(K.155-157), 1989年11月(K.170-173), 1990年3月(K.80,159,136-138),ミュニッヒ,ヴィッセンシャフテン・プレナルザール(ドイツ)
DG POCG-1096/8(431 645-2) (P)1991 Polydor K.K. (国内盤)
好録音度:★★★☆
ハーゲン四重奏団(Hagen Quartet)
参考url: HMV Online ハイドン・セットicon全集icon

まずハイドン・セットの方ですが,ほとんどアマデウス四重奏団しか聴いていなかった頃に買い,こんな演奏もあるんだ!とショックを受けた演奏です。現代的かつ流麗で洗練されています。素直じゃない間合いの取り方に少々抵抗を感じつつも,やっぱりこれは上手いと感嘆します。

録音も残響を控えめにして彼らの美音をすっきりと捉えていて好印象です。少しマイク位置が遠めで私としてはもう少し生々しさというかリアルさが欲しかったところですが。

次に初期の方ですが,ハイドン・セット同様,流麗で洗練された演奏ではあるのですが,そんなに心躍らないのはなぜだろうと思います。初期の四重奏曲は楽しさが命だと思うのですが,その楽しさがあまり感じられないからかもしれません。なお,初期の中にはディベルティメントK.136-138が含まれています。同傾向の演奏ですが,これはなかなか楽しめました。

録音も残響が多めですっきりしませんし,距離感もあって細かなニュアンスが聴き取りづらく,もどかしさを感じてしまいます。実はそんなに悪くはないのですが,私の好みからするとちょっと残念な録音と言えます。

初期のセットはすでに廃盤のようですが,全集として手に入るようです(→HMV Onlineicon)。

[モーツァルト][室内楽曲][弦楽四重奏][愛聴盤]

『季刊・オーディオアクセサリー』プレゼンツ 旬の音本舗 福田屋セレクション on avex-CLASSICS

cover picture

『季刊・オーディオアクセサリー』プレゼンツ
旬の音本舗 福田屋セレクション on avex-CLASSICS
avex-CLASSICS AVCL-25400 (国内盤)
参考url: avex-CLASSICSのカタログHMV Onlineicon

オーディオ評論家・福田雅光氏のavex-CLASSICSからのセレクションです。収録曲は参考url:avex-CLASSICSのカタログをご参照ください。この類のCDは大抵買ってから「しまった」と後悔することが多いので出来るだけ買わないように心掛けているのですが,ついつい出来心で買ってしまいました(^^;。

収録曲の中では,特に,曽根麻矢子さんのバッハ:平均律クラヴィーア曲集第一巻の録音に興味を覚えました。すごくゴージャスなというか重厚な音のするチェンバロの音を,直接音主体に極めて解像度高く克明に捉えています。帯域感も十分にあります。楽器本来の響きを本当に美しく捉えています(という風に私には聴こえます)。ちょっときつい感じがあり,また,多少圧迫感がありますが,チェンバロでこんな濃厚で迫力のある音はなかなかないのではないでしょうか。オーディオマニアに受けそうな録音ではないかと思います。私としてはもう少し適度な距離感が欲しい気はするのですが,それでもこれならまずまず納得のいく録音かなと思います。

他の収録曲についてはまた機会があれば触れたいと思います。

(Side Bからの移行記事) [サンプラー]

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲(アバド/ミラノ・スカラ座管弦楽団員)

cover picture  cover picture (←オリジナルのカバーピクチャー?)

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
クラウディオ・アバド(Claudio Abbado)(Conductor)
ミラノ・スカラ座管弦楽団員(Solisti del Teatro alla Scala)
1975年11月,1976年5月 ミラノ
TWCL-3020-3021 (P)2006 BMG (国内盤)
TOWER RECORDS RCA Precious Selection 1000 No.19
企画・販売:TOWER RECORDS,制作:株式会社BMG JAPAN
好録音度:★★★★
参考url: タワーレコード

タワーレコードの企画盤。モーツァルト管弦楽団との全曲盤が良かったので,その昔にミラノ・スカラ座管弦楽団員と録音したという全曲盤を聴いてみたいと思い探していたのですが,全然見つからずあきらめていました。つい先日,タワー・レコード店頭で物色中に偶然発見,意外に身近なところで復刻されていてびっくりしました。タワー・レコードに感謝です。

演奏は何と言いましょうか,近年多くなったピリオド指向の鮮烈な演奏と比べると,旧世代のほのぼのした(おっとりした)生真面目だけど明るく楽しい演奏だなぁ...と思います。リズムの感じ方が近年の演奏とは全く異なるように思います。特に弦楽器。裏拍までテヌートで均等にきっちりと弾くような弾き方なので,リズミックでなく,推進力もない代わりに,独特のおっとりしたほのぼの感が出ているのだと思います。もちろんこれはこれで良いと思います。

解説書には「アバドならではのスタイリッシュなバッハ演奏」なんていうコメントがあるのですが,私にはとても「スタイリッシュ」には感じられませんでした。私の感じ方はちょっと他の方と異なるのかもしれません。

なお,第二番,第四番はフルートで演奏されています。また,第五番のチェンバロは,ピアニストのブルーノ・カニーノ氏が担当してるということです(この人の名前を見ると,ついつい間寛平の「かいーの」を思い出してしまう...失礼!(^^;)。

録音は,背景にうっすらと残響感があるものの直接音が主体であり,各楽器の音が明瞭に捉えられていて, 若干の不自然さはあるものの,まずまず良いと思います。ただ,第五番のヴァイオリンが少し引っ込みがちであったり,他の曲でもソロが引っ込んで残響が被りがちであるところがあるなど,全てが良いというわけでもないのが少々残念なところです。オーディオ的には録音レベルも高くこの点は良いのですが,音自体は少し粗さが感じられ,このあたりは近年のデジタル録音のきめ細かさには及ばないという印象です。

(Side Bからの移行記事) [バッハ][協奏曲]

ヘッドホン Sennheiser HD238 Precision のレビュー

sennheiser_hd238.jpg

CD試聴記」のWebサイトで「オーディオ製品試用記」という項を作っています。そこに ヘッドホン Sennheiser HD238 Precision のレビュー記事 を載せましたので,もしご興味がありましたらご覧下さい。

私が現在愛用しているヘッドホンは,ゼンハイザーのHD580HD25-1 IIMX500です。ゼンハイザーが特に好きということはないのですが,好きなものを探して結局行き着くのがやっぱりゼンハイザーになって今に至っています。

HD580,MX500は現行機種ではなくなり,もう手に入りにくいようなので,大切に使っていかなければなりません。インナーホンは特に消耗品なので不安です(といっても確か白のMX500を,4個くらい,黒のMX400を2個ぐらいストックしていたはず(^^;)。新しいお気に入り機種を見つけなければ,と思っています。ヘッドホン遍歴はまだまだ続きそうです(^^;。

参考: Amazon.co.jp: Sennheiser オープン型ヘッドフォン HD 238

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲(ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ)

cover picture

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ジョン・エリオット・ガーディナー(John Eliot Gardiner)(Conductor)
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(English Baroque Soloists)
Recorded during and after a live performance at the Cite de la Musique, Paris, 10-12 January 2009(Concertos 1-4, 6), and at Cadogan Hall, London, 13 April 2009 (Concerto 5)
SDG 707 (P)(C)2009 Monteverdi Productions Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

ピリオド楽器によるブランデンブルク協奏曲全曲。リズミックかつ流動感・スピード感のある演奏で,過度に鮮烈さを強調することもなく,軽やかで爽やかに,そして現代的なスマートさが感じられる演奏に仕上がっています。でも,第一番のホルンはちょっとブイブイとちょっと下品ですねぇ(実はそれが良かったりして...)。

録音も残響を抑えて個々の楽器の音をすっきりと見通し良く捉えていて好印象です。わずかに距離感があり,低域が薄めで,また,どことなく演出されたような不自然さはありますが,それでもまあ十分良好と言えるでしょう。

演奏も録音も良く,気持ちよく音楽が楽しめました。これは良かったです。

[バッハ][協奏曲]

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲,ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第一番(ショルツ/ザンデルリンク/ベルリン室内管弦楽団)

cover picture

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第一番 ト短調 作品26
カトリーン・ショルツ(Katrin Scholz)(Violin)
ミヒャエル・ザンデルリンク(Michael Sanderling)(Conductor)
ベルリン室内管弦楽団(Kammerorchester Berlin)
23-25.05.04, Jesus-Christus-Kirche, Berlin-Dahlem
Berlin Classics 0017712BC (P)(C)2005 edel CLASSICS GmbH Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

最近贔屓のヴァイオリニストとなったショルツ氏。このベートーヴェン,ブルッフも期待通りの好演奏でした。歌心溢れるヴァイオリンの音色は凛としてどこまでも透明で美しく艶があります。この音色が聴けるだけで私としては大満足です(もちろん演奏自体も堅実で良いですよ)。

オーケストラはハイドンモーツァルトに比べると少し編成を大きくしているようですが,ショルツ氏の美しい音に合うのはやっぱり小編成のすっきりしたオーケストラの音かなと思います。ハイドンやモーツァルト並みの編成なら,他にないもっと独自性のある演奏になったんじゃないかと思うのですが,ベートーヴェンやブルッフでは変ですかね...

ちなみにベートーヴェンのカデンツァは,第一楽章がヨアヒム,第三楽章がクライスラーです。

録音は,ヴァイオリンのソロは若干響きを伴っているものの,鮮明かつ透明感ある音で捉えられていてかなり良いと思います。オーケストラの方は残響の影響を受けて少し明瞭感が失われていますが,それほど悪くないです。

(Side Bからの移行記事) [ベートーヴェン][ブルッフ][室内楽曲][ヴァイオリン]

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,グリーグ:ホルベルク組曲,他(オルフェウス室内管弦楽団)

cover picture

グリーグ:ホルベルク組曲 作品40
グリーグ:二つの悲しい旋律 作品34
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
オルフェウス室内管弦楽団(Orpheus Chamber Orchestra)
Performing Arts Center, State University of New York at Purchase, 12/1986
Deutsche Grammophon 423 060-2 (P)1987 Polydor International GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: オルフェウス室内管弦楽団 公式Webサイト

長い間愛聴盤として聴き続けてきた演奏です。これを凌ぐ演奏が出てくるなんて到底考えられない,なんて本気で思っていました(今はそこまでは思っていませんが)。この演奏の良いところは強烈なアクセントを伴いながら抜群のアンサンブル力で疾走するその推進力にあると思います。

録音は,響きが楽器音に被って鮮明さが失われて少し冴えません。素晴らしい演奏だけに少々残念に思います。

このCDは廃盤のようですが,デュトワのチャイ5のカップリングとして弦楽セレナーデが収録されているものがあります(→HMV Onlineicon)。amazon.comのマーケットプレイスではいくつか出ています。

(Side Bからの移行記事) [チャイコフスキー][管弦楽曲][弦楽合奏][愛聴盤]




ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集(グリエルモ/ラルテ・デラルコ)

cover picture

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, イ長調 Hob VIIa:3,ト長調 Hob VIIa:4
フェデリコ・グリエルモ(Federico Guglielmo)(Violin)
ラルテ・デラルコ(L'Arte dell'Arco)
Recording: 4, 7 & 8 August 2008, Studio Magister (Preganziol-Treviso, Italy)
Brilliant Classics 94003 (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

グリエルモ氏はイタリアのヴァイオリニスト。この人のヴァイオリンは初めて聴くように思うのですが,解説書によるとすでに130ものCDがあるということで,もしかしたら耳にしたことがあるかもしれません。カデンツァは自作のようです。ピリオド楽器による演奏ですが,ストレートで歯切れのよい表現はモダン楽器的で,癖が少なく聴きやすくなじみやすい演奏です。

録音ですが,うーん,単に楽団の前にポンとマイクを置いて録音したような素人っぽい音づくりですねぇ。妙にリアルです。こういう録音はあまりお目にかかりません。でも私はこういう録音はどちらかといえば好きです。スタジオでの録音であまり響きがないのも好印象です。ただ,マイク位置が少し遠めなのか,いまいち鮮明さ,透明さに欠けるのが非常に残念です。惜しい録音です。

[ハイドン][協奏曲][ヴァイオリン]

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(ムター/カラヤン/ベルリン・フィル)

cover picture

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
アンネ・ゾフィー・ムター(Anne-Sophie Mutter)(Violin)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)(Conductor)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)
1981年9月22日,ベルリン,フィルハーモニー
F35G 50051(400 064-2) (P)1982 ポリドール (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

ムターがまだ十代の時の録音です。これも購入当時評判が良かったということで購入した記憶があります。長い間愛聴盤でしたし,今でも好きな演奏の一つに挙げられます。それにしても濃いですねぇ。深いヴィブラートをかけてこんな濃い音を出す人,最近あんまりいないような気がします。表現は至ってストレートなのですが,この音色のためにずいぶんとこってりとした印象を受けます。まだまだ隅々まで気配りが行き届いていない感はありますが,速いパッセージの鮮やかさ,トリルの粒立ちの綺麗さ(とにかく細かくて揃っている)など,技術面でも際立っており,聴き応えが十分にあります。

録音も,響きを過剰に取り入れることなく比較的バランスの良い音の捉え方のように思います。すごく良い訳ではありませんが,印象は悪くありません。

(Side Bからの移行記事) [ブラームス][協奏曲][ヴァイオリン][愛聴盤]

Michiko Kobayashi Solo Recital (小林倫子)

cover picture

Michiko Kobayashi Solo Recital
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第三番よりプレリュード
ミルシテイン:パガニーニアーナ変奏曲
エルンスト:夏の名残のバラ
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第三番「バラード」
竹内邦光:無伴奏ヴァイオリンのための「落梅集」
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第二番よりアンダンテ
小林倫子(Michiko Kobayashi)(Violin)
2006年9月30日 港区立高輪区民ホール
品番なし MPS企画 (国内盤)
好録音度:★★
参考url: 公式Webサイト

演奏については「CD試聴記」にてコメントしていますので,そちらをご参照ください。

録音ですが,客席に設置されたマイクで録音したのではないか,と思えるような全く明瞭感のない冴えない音です。客がリニアPCMレコーダでこっそりと録音したレベルとそう変わりないという印象です。そういう意味で非常に生々しいのですが,これはあまりにも淋しいと言わざるをえません。演奏が良いだけに残念です。

[バッハ][器楽曲][ヴァイオリン]

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,グリーグ:ホルベルク組曲,他(バシュメット/モスクワ・ソロイスツ)

cover picture

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
グリーグ:ホルベルク組曲 作品40
グリーグ:2つのノルウェーの踊り 作品63
ユーリ・バシュメット(Yuri Bashmet)(Conductor)
モスクワ・ソロイスツ(Moscow Soloists)
Recorded in Berwald Halle, Stockholm, Sweden, March 20-22, 1989
RCA Victor RED SEAL 60368-2-RC (P)(C)1990 BMG Music (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

チャイコフスキーの弦楽セレナーデの感想です。それにしても巧い! ものすごく巧い! バシュメットは団員を完全に統率し,団員はその細かな要求に完璧に応えています。アンサンブルの精度の高さは超一級,一体感は気味悪いほどです。「どうだ!巧いだろう!」とでも言っているかのような巧さを鼻にかけた演奏がすごく嫌みですなぁ(^^;。

弱音を巧みに活かし,フォルテやアクセントはここぞというところだけで使われているため,全体を通してどことなく静かに進行していく印象を受けます(静寂感というか...この雰囲気を上手く言い表せないのですが...)。曲を大きなフレーズでとらえ,すごく息の長い起伏を持たせています。グッときて欲しいところでスーッと入ってきたりして何度も肩すかしを食らいますが,慣れるとこれが快感に変わってきます。他の多くの演奏とは全く違う,かけ離れたところに位置する演奏に思います。この曲をこの演奏から入った人は他の演奏を受け付けられなくなるかも... それは幸運なのか不運なのか... なんて思ってしまいます。

録音はちょっと距離感があって鮮明さが足りないかなと思います。取り立てて悪いというということはありませんが,良い印象でもありません。

(Side Bからの移行記事) [チャイコフスキー][管弦楽曲][弦楽合奏]

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,「くるみ割り人形」組曲(マリナー/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)

cover picture

チャイコフスキー:「くるみ割り人形」組曲 作品71a
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
サー・ネヴィル・マリナー(Sir Neville Marriner)(Conductor)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(Academy of St Martin in the Fields)
London, 2/1982
Philips 411 471-2 (P)1982 Phonogram International B.V. (輸入盤)
好録音度:★★★☆

弦楽セレナーデの感想です。1968年の録音と比べると,基本路線は同じものの,意欲あふれる若者から少し落ち着きのある大人になったというような感じで,少し角が取れてソフトな印象になっています。

録音は,残響の取り込みがやや多くて音色が少々くすんでおり,許容範囲ではあるものの,若干印象は良くありません。

1968年の録音とどちらが好きか微妙なところですが,録音の良さも含め,1968年の方がどちらかといえば私の好みに合います。

このCDは,国内は廃盤のようですが,amazon.comではマーケットプレイス含めてたくさん出ています。

(Side Bからの移行記事) [チャイコフスキー][管弦楽曲][弦楽合奏]

チャイコフスキー,ドヴォルザーク:弦楽セレナーデ(マリナー/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)

cover picture

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
ドヴォルザーク:弦楽セレナーデ ホ長調 作品22
シベリウス:悲しきワルツ 作品44の1
サー・ネヴィル・マリナー(Sir Neville Marriner)(Conductor)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(Academy of St Martin in the Fields)
1968年(Tchaikovsky),1970年(Dvorak),1978年(Sibelius)
UCCD-7041(468 741-2) (P)1969,1970,1980 Decca Music Group Limited (国内盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

チャイコフスキーの弦楽セレナーデの感想です。もう文句の付けようのないくらい完成されているという印象です。小細工なしのストレートな表現で,スタンダード中のスタンダードと言ってよいのではないでしょうか。まさに百戦錬磨,覇気があり,自信に満ち,最高の音楽をやろうという気概が感じられます。中編成の小気味よさ,見通しの良さ,音の締まりと,大編成のような響きの厚みを兼ね備えているところも良い点です。強いて言うなら第二楽章が少しやかましく,もう少しエレガントさが欲しいなというところはありますが,元々そういう指向の演奏ではないのでしょう。

録音も,古い録音のためか高域の抜けが若干悪いのが残念ではあるのですが,音の捉え方が良いのでそれでも十分に鑑賞に堪えます。

同曲における一つの理想の姿がここにあると思います。ファーストチョイスにも十分お薦めできる内容です。

(Side Bからの移行記事) [チャイコフスキー][管弦楽曲][弦楽合奏][愛聴盤]

ブラームス,ヨアヒム:ヴァイオリン協奏曲(テツラフ/ダウスゴー/デンマーク国立交響楽団)

cover picture

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ヨアヒム:ヴァイオリン協奏曲第二番 作品11
クリスティアン・テツラフ(Christian Tetzlaff)(Violin)
トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard)(Conductor)
デンマーク国立交響楽団(Danish National Symphony Orchestra)
Danish Radio Concert Hall, Copenhagen, Denmark
30.XI & 1.XII.2006(Brahms) & 23-24.III.2007(Joachim)
Virgin Classics 50999 502109 2 3 (P)(C)2008 EMI Records Ltd./Virgin Classics (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

テツラフ氏の演奏は何となく苦手です。意図が読めないというか何というか... このブラームスの協奏曲ですが,最初はいいのですが,表情が唐突に変わったりして何となくついて行けない感じです。第二楽章など美しさと歌心に溢れていて惹かれるところもあるのですが,全体としての印象はやっぱり少し違和感が残るかなと。

録音も残響が多めでヴァイオリンの音が冴えず,不可とまでは言いませんが,あまり良い印象ではありません。残念です。

(Side Bからの移行記事) [ブラームス][協奏曲][ヴァイオリン]

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲,二重協奏曲(フィッシャー/ミュラー=ショット/クライツベルク/オランダ・フィル)

cover picture

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102
ユリア・フィッシャー(Julia Fischer)(Violin)
ダニエル・ミュラー・ショット(Daniel Müller-Schott)(Cello)
ヤコフ・クライツベルク(Yakov Kreizberg)(Conductor)
オランダ・フィルハーモニー管弦楽団(Netherlands Pilharmonic Orchestra Amsterdam)
Yakult Hall, Beurs van Berlage, Amsterdam (December 2006, Violin Concerto; December 2005, Double Concerto)
Penta Tone Classics PTC 5186 066 (P)(C)2007 Penta Tone Music (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

ヴァイオリン協奏曲の感想です。拍の頭で一切溜めることなく切り込んでいくので,前に前に転ぶように曲が進んでいきます。勿体ぶったところが全くない,推進力ある強気の曲運びが潔いです。若さの特権を使い切ったような(?)勢いのある演奏です。かわいい顔してやってくれますねぇ。

録音も悪い印象はありませんが,若干ソロが小さめで,もう少しヴァイオリンにフォーカスしていてもいいんじゃないかという気がします。

(Side Bからの移行記事) [ブラームス][協奏曲][ヴァイオリン]

ブラームス,コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲(スナイダー/ゲルギエフ/ウィーン・フィル)

cover picture

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
ニコライ・スナイダー(Nikolaj Znaider)(Violin)
ワレリー・ゲルギエフ(Valéry Gergiev)(Conductor)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)
Recorded December 12-19, 2006, Musikvereinssaal, Vienna, Austria
RCA RED SEAL 88697103362 (P)2009 (C)2008 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

スナイダー氏は1997年のエリーザベト王妃国際コンクール優勝者で,メニューインが「イザイの後継者」と絶賛したとのことです。恥ずかしながらこのCDを見つけるまで名前すら知りませんでした。

ブラームスの協奏曲ですが,紳士的というか随分と謙虚な印象を受けます。音色はさすがに美しく叙情的で,技術的にも完璧,優等生の演奏と言えると思いますが,推進力には乏しくあまり躍動的ではありません。第一楽章の23:57というのはやや遅めですが,聴いた感じはそれ以上に後ろに引っ張られる感じがしてもどかしいところがあります。出来は相当良いと思うものの,私としてはこの点だけが不満として残ります。

録音はまずまずで,長めの残響はあるものの,くぐもった感じはそれほどありませんので印象は悪くありません。ただ,音像がやや遠めで,残響の影響もあって楽器の肌触りが感じられにくいのはやっぱり私の好みではないです。

(Side Bからの移行記事) [ブラームス][協奏曲][ヴァイオリン]

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集(オイストラフ/オボーリン)

cover picture

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
ダヴィド・オイストラフ(David Oistrakh)(Violin)
レフ・オボーリン(Lev Oborin)(Piano)
Recorded: Le Chant du Monde, Paris, 1962.
468 406-2 (P)1964 Philips Classics (P)(C)2001 Philips Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

LP時代からの愛聴盤です。言わずと知れた名盤中の名盤ですね。当時,評判が最も良かったのでこれを選んだ記憶があります。

この全集が愛聴盤である理由が大きく二つあります。一つはこの演奏が持つ室内楽的な雰囲気で,もう一つは録音の良さです。

私の「室内楽」のイメージは,自分たちが自分たちの楽しみのために演奏する,あるいは仲間内で演奏者を囲んで一緒に楽しむ,といったものです。こういう場合,自ずとコンサートで演奏するのとは弾き方が変わってきます。そして,この演奏からは,そういった雰囲気を,そしてそこからくる楽しさ,優しさ,暖かさを感じるのです。私が他の演奏から受けるオイストラフという「巨匠」のイメージとは少々違うように思います。コンサートで聴く室内楽ももちろんいいのですが,やっぱり室内楽はこういう風に楽しみたい。

そして,この録音がまた秀逸! 古い録音なので高域の抜けが悪くすっきりしないところはありますが,邪魔な響きは全くなく,絶妙の距離感で楽器音を捉えています。演奏とその音の捉え方が素晴らしくマッチして最高の音楽を届けてくれます。

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは,私としてはこの全集1セットあればそれでもういい,そう思ってしまいます。

(Side Bからの移行記事) [ベートーヴェン][室内楽曲][ヴァイオリン]

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲(ゲーベル/ムジカ・アンティクヮ・ケルン)

cover picture

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲 BWV1046-1051
バッハ:三重協奏曲イ短調 BWV1044
ラインハルト・ゲーベル(Reinhard Goebel)(Conductor)
ムジカ・アンティクヮ・ケルン(Musica Antiqua Köln)
1986年6月(BWV1046-1048), 1987年2月(BWV1049-1051), 1987年6月(BWV1044) ケルン
ARCHIV POCA-3068/9(469 082-2) (P)1987 Polydor International GmbH (国内盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

古楽器の演奏の中でもとりわけその過激さで有名ですね。確かにテンポが速く鮮烈です。第三番の終楽章,第六番の第一楽章などはべらぼうに速すぎて別の曲かと思ってしまうほど。低弦の刻むリズムが極端に攻撃的でマシンガンを撃ちまくっているような感じさえ受けます(^^;。これはちょっと...と思うところも多くあります。すさまじいテンポに良くこれだけ一糸乱れずアンサンブルが出来るものだと感心しますが(でも肝心のソロがついていけていないところもある),速すぎて何を弾いているのかようわからんのはやっぱりやり過ぎじゃないのかな...でも何度も聴いているとだんだん毒されてきて快感に変わってくるのが恐ろしいです。しかしよく聴くと決して過激さばかりではないというのはわかる気がします。

録音は響きを多く取り入れているので私の好みではありません。 オーディオ的には悪くないとは思いますが。

(Side Bからの移行記事) [バッハ][協奏曲]

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集(チャケリアン/パドヴァ・ヴェネト管弦楽団)

cover picture

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, イ長調 Hob VIIa:3,ト長調 Hob VIIa:4
ソニグ・チャケリアン(Sonig Tchakerian)(Violin)
パドヴァ・ヴェネト管弦楽団(Orchestra di Padova e del Veneto)
Auditorium Pollint, Padova - (Italy) - 2 - 2001
ARTS 47611-2 (P)(C)2002 ARTS MUSIC (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

1980年の第27回パガニーニ国際コンクール第三位,1988年のミュンヘン国際音楽コンクール第三位という実績をお持ちのようです。確かに上手いのですが,私の聴きたいハイドンとはちょっと違うように思いました。変に力強いというか,力が入りすぎているというか... 緩徐楽章はのびのびと歌っていて良いと思うのですが。バックまでつられてその弾き方に合わせてしまっているように思います。

(Side Bからの移行記事) [ハイドン][協奏曲][ヴァイオリン]

シベリウス,チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(シャハム/シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団)

cover picture

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
ギル・シャハム(Gil Shaham)(Violin)
ジュゼッペ・シノーポリ(Giuseppe Sinopoli)(Conductor)
フィルハーモニア管弦楽団(Philharmonia Orchestra)
1991年12月 ロンドン All Saints Church, Tooting.
POCG-1683(437-540-2) (P)1993 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (国内盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

技巧は完璧。 細かいパッセージまで音の一粒一粒まで明瞭に聴こえてくるのには驚きました。ただ,大見得を切りながら力でねじ伏せるように曲を運んでいくので,ちょっと私の聴きたいシベリウスとはイメージが違うと思いました。もう少し繊細さと情緒感が欲しい。それでもやっぱり超一級の演奏であることは認めざるを得ないかなと。逆にチャイコフスキーの方が丁寧に進めていっているようで,こちらこそシベリウスのような演奏の方が似合ってるんじゃないかと思うのですが。

録音は,オーケストラに対して不自然なくらいにヴァイオリンにフォーカスしており,コンサート会場ではこんな風にはきっと聴こえないだろうな,と思いつつも,録音の場合はこれくらいはっきりとソロを捉えてくれていた方が好ましいと思います。ヴァイオリン協奏曲の録音としてはかなり好きな方です。

(Side Bからの移行記事) [シベリウス][チャイコフスキー][協奏曲][ヴァイオリン]

ワーグナー:管弦楽曲集(レヴァイン/メトロポリタン・オーケストラ)

cover picture

ワーグナー:管弦楽曲集
歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
楽劇「タンホイザー」序曲とヴェーヌスブルクの音楽
歌劇「ローエングリン」第三幕への前奏曲
楽劇「ヴァルキューレ」ヴァルキューレの騎行
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第一幕への前奏曲
楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死
ジェイムズ・レヴァイン(James Levine)(Conductor)
メトロポリタン・オーケストラ(The Metropolitan Orchestra)
1991年5月,6月,1995年5月 ニューヨーク
UCCG-5046(442 8562) (P)1993/1997 Deutsche Grammophon GmbH (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

レヴァインのDG録音は,響きを抑え直接音主体に各楽器がすっきりと明瞭に聴こえてくるものが多いので結構好きです。このワーグナーの録音もなかなかいいと思います。演奏は派手でダイナミックながら癖がなく聴きやすいところがいいのですが,ちょっと陰影に欠けるというか,何か物足りなさを感じることもあります。でもこのワーグナーはレヴァインに合っていると思います。

(Side Bからの移行記事) [ワーグナー][管弦楽曲]

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(スタンデイジ/ピノック/イングリッシュ・コンサート)

cover picture

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV1042
二つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
サイモン・スタンデイジ(Simon Standage)(Violin)
トレヴァー・ピノック指揮(Trevor Pinnock)(Conductor)
イングリッシュ・コンサート(The English Concert)
1983年3月 ロンドン
ARCHIV POCA-2535(410 646-2) (P)1983 Polydor International GmbH (国内盤)
好録音度:★★★★

爽やかで気持ちの良い演奏です。やはりソロの線が細く弱いのですが,これが逆に軽やかさにつながっているのかなと。

録音もまずまず良いのですが,若干距離感があって鮮明さ,透明感はわずかに落ちているように思います。それでも,この頃のピノックの録音は好感が持てるのが多いと思える出来です。

このCDも残念ながら現在廃盤のようです。amazon.comのマーケットプレイスにはいくつか出ているようです。

(Side Bからの移行記事) [バッハ][協奏曲][ヴァイオリン]

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集(スタンデイジ/ピノック/イングリッシュ・コンサート)

cover picture

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, ト長調 Hob VIIa:4, イ長調 Hob VIIa:3
サイモン・スタンデイジ(Simon Standage)(Violin)
トレヴァー・ピノック指揮(Trevor Pinnock)(Conductor)
イングリッシュ・コンサート(The English Concert)
Recording: London, Henry Wood Hall, 11/1987
ARCHIV 472 316-2 (P)1989 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★★

スタンデイジ氏のヴァイオリンはちょっと線が細くソロとしての主張が弱いのですが,音は大変美しく,また,バロック楽器らしすぎず,どちらかというとモダン楽器の方が肌に合う私でも楽しんで聴けます。録音も嫌な響きはほとんどなくすっきりしていて好印象です。

このCDは残念ながら現在廃盤のようです。amazon.co.ukのマーケットプレイスにはいくつか出ているようです。

(Side Bからの移行記事) [ハイドン][協奏曲][ヴァイオリン]

バッハ:ブランデンブルク協奏曲第二番~第五番(ショルツ/ベルリン室内管弦楽団)

cover picture

バッハ:ブランデンブルク協奏曲第二番~第五番
カトリーン・ショルツ(Katrin Scholz)(Violin & Director)
ベルリン室内管弦楽団(Berlin Chamber Orchestra)
Recorded at Jesus-Christ-Church, Berlin on December 3,4 & 5, 2007
Victor VICC-60672 (P)2008 edel records GmbH/Victor Entertainment, Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: Victor EntertainmentHMV Onlineicon

ハイドンのヴァイオリン協奏曲で突如として私の贔屓のヴァイオリニストとなったショルツのブランデンブルク協奏曲とあらば,もう聴くしかありません。

モダン楽器による颯爽としたブランデンブルク協奏曲です(第二番と第四番はリコーダーが使われています)。淀みも曇りもなく,ひたすらキレよく爽やかに弾ききっています。そうかと思えば,子供がおもちゃ箱の中を「何かいいものが出てこないかな」とがちゃがちゃとかき回しているような,そんな茶目っ気,微笑ましさ,ワクワク感があります(なに言ってんだかよくわかりませんが...(^^; お恥ずかしい...)。

録音も,多少作為的なものを感じるものの,ソロ,バックとも様々が楽器が明瞭に捉えられていて好印象です。リコーダーの音がやや大きめにはっきり聴こえるようフォーカスされている感じで,こういうマルチマイクの合成のような音作りが不自然さの要因になっているかもしれませんが,残響に濁らされた不明瞭な音を聴かされるよりずっと良いと思います。

(Side Bからの移行記事) [バッハ][協奏曲][愛聴盤]

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲(ヨーロッパ室内管弦楽団)

cover picture

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
バッハ:オーボエ協奏曲 BWV1053, BWV1055, BWV1059
ヨーロッパ室内管弦楽団(The Chamber Orchestra of Europe)
Berlin, Philharmonie, Kammermusiksaal, 3/1989(Oboe Concertos); Snape, Nr. Aldeburgh, The Maltings, 1/1990(Brandenburg Concertos Nos. 2,4,5); Ferrara, Teatro Comunale, 4/1990(Brandenburg Concertos Nos. 1,3,6)
Deutsche Grammophon 445 578-2 (P)1989/1990 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

モダン楽器による今風の洗練された演奏ですね。第二番と第四番のリコーダーはフルートで代用されています(ちょっと残念)。極端に走らずあくまでスタンダードにきれいにまとめていますが,一方で真っ当すぎてちょっと印象が薄いかな,とも思います。でも安心感のある綺麗な演奏なので,時々取り出して聴きたくなります。

録音も悪くはないのですが,少し遠めで,なおかつソロ,バックともヴァイオリンの捉え方が弱く,引っ込みがちなのが残念です。

(Side Bからの移行記事) [バッハ][協奏曲]

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集(カルミニョーラ/アバド指揮/モーツァルト管弦楽団)

cover picture

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
ヴァイオリン協奏曲第一番~第五番,協奏交響曲K.364
ジュリアーノ・カルミニョーラ(Giuliano Carmignola)(Violin)
クラウディオ・アバド指揮(Claudio Abbado)(Conductor)
モーツァルト管弦楽団(Orchestra Mozart)
Recording: Bologna, Salone Bolognini, 11/2007
ARCHIV 00289 477 7371 (P)(C)2008 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

評判のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全集,アバドとカルミニョーラの参加しているブランデンブルク協奏曲を聴いて,遅ればせながら聴いてみることにしました。ピリオド楽器による演奏でピッチもA=430Hzとのことです。

それにしても自由奔放に跳ねまくる。これぞピリオド・アプローチ!なのかどうかは見識のない私にはわかりませんが,私はこの演奏を聴いてフィドラーの大道芸を見ているかのような錯覚を覚えました(^^;。バロック音楽とのつながりを改めて認識したとのレビューをWeb上でいくつか見かけましたが,私はこれを聴いて,バロック音楽とフィドルの伝統音楽との接点を感じました。こんな風に感じるのは私だけでしょうか?

いずれにせよ,このようなある意味型破りな演奏が出てくること,世の中で受け入れられていることは, 喜ばしい傾向かなと思います。

(Side Bからの移行記事)[モーツァルト][協奏曲][ヴァイオリン]

Side Bからの記事の移行

一番最初の記事でも書きましたが,本ブログは“Side B … 日々の鑑賞メモ 走り書き”というWebページの代わりとして始めました。記事の移行が滞っていましたが,これから少しずつやっていきます。すでにご覧になった方には既読記事ばかりになって申し訳ありません。