ブラームス:交響曲全集(レヴァイン/ウィーン・フィル)

cover picture

ブラームス:交響曲全集
第一番ハ短調 作品68 (8/1993)
第二番ニ長調 作品73 (10/1995)
第三番ヘ長調 作品90 (11/1992)
第四番ホ短調 作品98 (11/1994)
悲劇的序曲 作品81 (11/1992)
アルト・ラプソディ 作品53 (11/1992)
ジェームズ・レヴァイン指揮(James Levine)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)
Wien, Musikverein, Grosser Saal
449 829-2 (P)1995 (C)1996 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (輸入盤) (*ArkivCD)
好録音度:★★★★
参考url: ArkivMusic

雄壮ですが,どこか淡々と進んでいくブラームスで,ウィーンフィルからこんな演奏を引き出す指揮者もいるんだ,と感心しました。音を聴いていると,ちょっとオーケストラ(弦楽器)が無理させられているのかな,と思うような乱れが時折聴かれるのですが,それもまた音楽的?(^^;で,もしかしたらオーケストラが意図的にやっているのかもしれません。第三番までは気に入りました。第四番まで同じ調子なので,うーん,というところです。好みの問題だと思いますが。いかにもこの指揮者らしいというのが私の感想です。

録音ですが,数年に渡って録音されていますが,ほぼ統一感があります。全体に響きを抑えめにしてあるので,濁りや曇りが少なく聴きやすいです。この中では第二番が一番良く,弦楽器の質感なども良く出ています。その他の曲は若干鮮明さに劣る気がします。

この全集は現在廃盤のようで,ArkivMusicがオリジナルのレーベルの正式ライセンスのもと,CD-Rで復刻して販売するArkivCDというもので入手しました。注文を受けてからCD-Rを焼くのだと思います。CDのレーベル面もオリジナルそっくりに印刷されています。解説書やカバーピクチャーはカラーコピーされたものですが,印刷品質はともかくきちんと製本されています。CD-Rというのが残念ですが,こういう形で廃盤になったものが手にはいるのはうれしいことです。

蛇足になってしまいますが,このArkivMusicの検索データベースがまた秀逸で,取り扱っているCDについて,目的のものがあるかどうかを確実に辿れるようになっており,困ったときにここを探すと見つかることがよくあります。

なお,現在国内盤としては単売として第一番icon第四番iconが出ているようです。

第一番 12:57/9:24/4:37/17:29 計44:27 提示部リピート省略
第二番 20:07/8:58/5:32/9:18 計43:46 提示部リピートあり
第三番 13:32/9:40/7:06/8:48 計39:06 提示部リピートあり
第四番 11:30/10:22/6:14/9:22 計37:28

[ブラームス][交響曲]

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集(漆原朝子/ベリー・スナイダー)

cover picture

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
漆原朝子(Asako Urusihara)(Violin)
ベリー・スナイダー(Barry Snyder)(Piano)
2004年6月3日 神戸新聞松方ホール ライヴ録音
FOCD 9235 (P)(C)2005 FONTEC Inc. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

よく歌う美しい演奏ですが,上品で慎み深いところが美点かなと思います。個性を強く主張してこないので少し印象の弱い面はありますが,ブラームスのこのソナタ自体の美しさを地味ながらも優れた技術でよく表現していると思います。伸びやかで美しい音色はさすがです。

録音ですが,残響を多めに取り入れていて音色に影響しているものの,楽器音自体をそこそこきちんと捉えているので,それほど悪い印象ではありません。室内楽の録音としては標準的のように思いますし,ライヴ録音としてもまずまずかとは思いますが,やっぱり私の好みからは少し外れます。もう少し残響のかぶりを抑えて美しい音色を濁すことなく収めて欲しかったと思います。

[ブラームス][室内楽曲][ヴァイオリン]

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲,チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(チョン・キョンファ/プレヴィン/ロンドン交響楽団)

cover picture

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47
チョン・キョンファ(Kyung Wha Chung)(Violin)
アンドレ・プレヴィン(Andre Previn)(Conductor)
ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra)
Kingsway Hall, London, June 1970
425 080-2 (P)1970 (C)1998 The Decca Record Company Limited, London (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

デビューアルバムとのことです。荒っぽくなることを厭わない,挑戦者の演奏ですね。その情熱と積極果敢さがいいです。型にはまっていないし,はまろうとしていない。今時の整った優等生的な演奏ではありませんが,協奏曲の面白さを堪能させてくれるので,結構気に入っています。昨今こういう音楽をする人が少なくなったんじゃないかなと思います。

録音は可もなし不可もなし。悪くはありませんが,少しソロの捉え方が弱いかなと思いますし,全体にちょっとオフ気味であまり冴えない印象なのが残念なところです。

[チャイコフスキー][シベリウス][協奏曲][ヴァイオリン]

ショパン:練習曲集作品10,作品25(ルイ・ロルティ)

cover picture

ショパン:練習曲集 作品10, 作品25
ルイ・ロルティ(Louis Lortie)(Piano)
Recorded at The Maltings, Snape, Suffolk in April 1986.
CHAN 8482 (P)1986 Chandos Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

テクニックが優れているのは確かですが,それを前面に押し出してガンガンいくのではなく,その余裕度を表現に振り向けているといった感じで,この難曲から様々な表情を引き出しているのが印象に残ります。全体的な印象として,すごくなめらかに音が流れていくのですが,ピアノの音自体は粒立ちがはっきりとしていて鮮やかさがあります。

それにしても残念なのはこの録音! 明らかに残響過多で不鮮明です。せっかくの美しい音楽なのに...惜しいです。

[ショパン][器楽曲][ピアノ]

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲,モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第三番(ラクリン/ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団)

cover picture

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第三番 ト長調 K216
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ジュリアン・ラクリン(Julian Rachlin)(Violin)
マリス・ヤンソンス(Mariss Jansons)(Conductor)
バイエルン放送交響楽団(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks)
Recorded at Stadthalle Germering, Germany, 12-14 February 2004
2564 61561-2 (P)2004 Kunstagentur Warner (C)2004 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

ブラームスの協奏曲は,濃いというか,野性味溢れるというか,リズムのギクシャク感も独特,ちょっと癖の強い演奏で,私の聴きたいブラームスとはちょっと違うかな...でもよく聴くと彫りが深くて音がなかなか美しいんですけどね。この人のキャラクターが良く出ているといえば出ているのかもしれません。

一方モーツァルトは,これが同じ人の演奏? と思ってしまうほどすっきりと柔らかくニュアンス豊かです。実は結局のところブラームスと同じような弾き方だったりするのですが,曲によってこれだけ印象を変えられるというのはある意味なかなかやるじゃないか,と思います。

録音はソロもオーケストラも響きを抑えて明瞭に捉えているので,良い印象です。ソロとオーケストラのバランスも,若干ソロをフォーカスしていてちょうど良い感じです。協奏曲の録音としてこのレベルであれば,ほぼ不満なく聴くことが出来ます。

(Side Bからの移行記事) [ブラームス][協奏曲][ヴァイオリン]

インナーホン AKG K315 のレビュー

AKG K315

CD試聴記」のWebサイトのオーディオ製品試用記インナーホン AKG K315 のレビュー を載せましたので,もしご興味がございましたらご覧下さい。

参考: Amazon.co.jp (K315 PEBBLE BLACKK315 GARNET RED

★特性を測定してみました→「オープンタイプのインナーイヤー型イヤホンの特性測定を試みる(その4) AKG K315(2012/03/11)

ブラームス:チェロ・ソナタ全集(長谷川陽子/パーヴェル・ギリロフ)

cover picture

ブラームス:チェロ・ソナタ全集
第一番,第二番,F.A.E.ソナタよりスケルツォ
シューマン:アダージョとアレグロ
長谷川陽子(Yoko Hasegawa)(Cello)
パーヴェル・ギリロフ(Pavel Gililov)(Piano)
Recorded on November 13-17, 1995 at Funkhaus, Saal 2 WDR Koln
VICC-195 (P)(C)1997 VICTOR ENTERTAINMENT, INC (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

まず録音から触れます。このCDでは,長谷川陽子さんの深々としてかつキレのあるチェロの響きをHi-Fi調で魅力たっぷりに捉えています。この録音の音の捉え方自体が理想的かどうかは判断が難しいのですが,どうであれこのチェロの音は間違いなく魅力的で大好きです。ヘッドホンやイヤホンの音質を確認する際,チェロの音を聴きたいときはまずこのCDを使います。すなわち,私のリファレンス音源の一つになっています。

演奏も若々しく健康的な情熱に満ち,力強さと繊細さを併せ持ち,歌心に溢れていて,音楽面でも気に入っています。

書籍:「果樹園のセレナーデ」 モンゴメリ著

cover picture

果樹園のセレナーデ (Kilmeny of the Orchard)
ルーシー・モード・モンゴメリ著 (Lucy Maud Montgomery)
村岡花子訳
新潮社
参考url: 新潮オンデマンドブックス

あの「赤毛のアン」の作者モンゴメリの実質的な処女作ということです。発表されたのが1910年ということですので,ほぼ100年の作品になります。口がきけず世間から隔絶されて育てられたキルメニイという少女に,病気の友人の代役でプリンス・エドワード島の中学の臨時教師として赴任してきた青年が恋をする話です。

なぜこのような少女趣味の恋愛小説をここで持ち出したのかといいますと,ポリーニのショパン練習曲集と同様,高校三年の時にクラシックの世界に足を踏み入れるきっかけとなったものの一つで,この際触れておこうと思ったからです。しかも,この小説は私がヴァイオリンを始めるきっかけとなったものです。

この小説では,主人公の一人であるキルメニイという少女がヴァイオリンを弾くという設定になっています。その描写に「ヴァイオリンっていいなぁ」と単純な私はすっかりヴァイオリンが好きになってしまったのでした。で,大学の学校案内をみるとオーケストラがあって,しかも初心者歓迎と書いてある。きっとヴァイオリンも初心者を受け入れてくれるはずだ!と思い,無事大学に合格し,入学してすぐにオーケストラに入れてもらってヴァイオリンを始めたのでした。

楽譜がろくに読めないところからのスタートで本当に苦労しましたが,三回生の時には第二ヴァイオリンの首席も経験させてもらえましたし,四回生,大学院では第一ヴァイオリンも弾かせてもらえました。弦楽四重奏やアンサンブルもいろいろと経験させてもらえました。学生の時に本当に貴重な音楽体験をさせてもらえたと思っています。

それにしても,なんで受験勉強中にこんな本を手に取ったのか,もう全く記憶にはありませんが,こんな一冊の本で人生って狂ってしまうんですね(^^;。なんともお恥ずかしい私の若い頃のお話でした。

なおこの本ですが,とっくの昔に絶版になっているようですが,新潮オンデマンドブックスというシステムで紙の本として読めるようです。こんなシステムがあるとは知りませんでした。

私にとってのオーディオ,音へのこだわり

先日の12/22の記事で,自分の耳はエージングで起こるような音の変化には極めて鈍感だと書きました。製品を長い間使っていて音が良くなっていくという経験をしたことは少なくとも記憶にありません。また鈍感なのはエージングだけではありません。ケーブルや電源などを替えて注意深く聴いてもその差を感じることは稀です。つまり,こういう微妙な音の差を聴き分ける耳は私にはありません。以前はマニアのような鋭い耳を持ちたいといろいろと試したりしたのですが,結局そういう耳を持つことは出来ませんでした。

でも私は私なりに音にこだわりを持っています。なので自分に合うヘッドホンなどを探し続けたりしているわけですが(すでに気に入っているのがあるんですけどね(^^;),自分の音に対するこだわりは一体どこにあるのか,というのを改めて考えてみました。レビューを読んでいただく際の参考になると思いますので,よろしければお付き合い下さい。

録音,そしてメディアやオーディオ機器というのは,音楽を楽しむための道具です。音楽をできるだけそのままの形で伝えて欲しい,と思っています(今回は「そのまま」という言葉でお茶を濁させてください)。何も足さない,何も引かない,メディアやオーディオは黒衣に徹し,その存在を意識させないものであって欲しいと。なので,オーディオ機器には透明性を求めています。必ずしも忠実である必要はありません。癖のない素直さがあればそれで基本的には満足します。

ヘッドホンをいろいろ聴いてみて,自分にとって癖のない素直なものがほとんどないということに気がつきました。評判の良いヘッドホンでさえ私は癖が気になって使う気がしませんでした。なぜなんだろう,私の耳の感覚はそんなにずれているんだろうかと長い間悩みました。で,たどり着いた結論,私の耳は「癖」に対する許容範囲が極端に狭い,そしてそれが私の音へのこだわりになっている,ということです。

思うに,オーディオマニアと呼ばれる方々は,僅かな差を鋭敏に感じ取る能力がある一方,「癖」に対して非常に寛容であり,むしろ「癖」を愛し,楽しんでいる。だからオーディオを趣味として楽しめる。一方私は「癖」をどうしても許せない。微妙な差に鈍感であることに加え,「癖」を楽しめない私はマニア失格ですね。

CDプレーヤやアンプは,一定のクオリティが確保されていれば私にとっては十分に「透明」です。と思っているので,微妙な音の違いに鈍感なのかもしれません。そこそこの機器で十分満足しています。鈍感といっても一応それなりに音質に配慮したものを選ぼうとしています。もちろん少しでもいい音で聴きたいという気持ちからですが,安心して聴くことができるという心理的な作用も期待してのことです。一方スピーカやヘッドホンはいわば「癖の塊」ですから,定評があるものでも気に入るかどうかは聴いてみなければわからない世界になってきます。これが底なし沼に落ち込む原因になっているのは明らかですね。

ゼンハイザーのHD580HD25-1 IIMX500にもやはりそれぞれ癖はあるのですが,その癖は私の求める透明性をほとんど阻害していないので,リファレンス機として愛用出来ているのだと思います。

ノイズキャンセリングヘッドホン Sony MDR-NC500D のレビュー

Sony MDR-NC500D

CD試聴記」のWebサイトのオーディオ製品試用記ノイズキャンセリングヘッドホン Sony MDR-NC500D のレビュー を載せましたので,もしご興味がありましたらご覧下さい。

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲(シュトゥットガルト室内管弦楽団)

cover picture

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
シュトゥットガルト室内管弦楽団(Stuttgarter Kammerorchester)
2000年録音
TACET S 101 (P)2004 (C)2000 TACET (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

モダン楽器の室内管弦楽団による全曲演奏です。第一番,第二番はやや大きな編成のようですが,第三番以降は編成が小さくなり室内楽的になります。指揮者は置いていないようです(明記されていない)。第二番と第四番はリコーダーではなくフルートで演奏されています。

演奏は中庸で,爽やかに,上品にまとめています。奇異な表現や過度に個性を強調するようなところが全くないので聴きやすく好印象です。リコーダーではなくフルートが使われているのが私としては残念なところです。

録音ですが,第一番,第二番はやや遠めで弦楽器の捉え方が弱く,管楽器は癖のある響きが被って明瞭感があまり良くありません。第三番以降はソロ楽器にもう少しフォーカスされているので幾分改善されますが,残響が多めで付帯音が鬱陶しく,また演出がかっていて私の好みではありませんでした。演奏同様にすっきりと爽やかに録音して欲しかったものです。やっぱりTACETは私とは相性が悪いのかな...

[バッハ][協奏曲]

ヘッドホン Sennheiser HD238 Precision のレビュー(途中経過)

ちょうど1ヶ月前の12/21にゼンハイザーのHD238 Precisionというヘッドホンのレビュー記事へのリンクを載せました。1ヶ月使用しての途中経過を追記しましたので,よろしければご覧下さい(→こちら)。

今までいろいろと試してきて,あまり音源によって向き不向きがあるというものに出会ったことがないのですが,そういうものがあるというのがわかってきました。やっぱりこういうヘッドホンはちょっと癖があるのかなと思っています。もう少し使ってみて,再度レポートしたいと思いますが,正直言ってもうほとんど期待していません。100時間くらい使用していると中高域のこもり感が改善するという記事を見かけたので,この記事を見た以上,最低限ここまでは使ってから最終判定しないといけないな,という思いで続けています。

オーディオの世界では,慣らし運転という意味でのエージングによって音は変わるというのが常識のようですが,私は懐疑的です。といいますか,もう少し正しく言い直すと,音は変わるのかもしれませんが,私はこういう音の変化に極めて鈍感です。このあたりの話に関しては,また機会を改めて書きたいと思います。

参考: Amazon.co.jp: Sennheiser オープン型ヘッドフォン HD 238

ブラームス,シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(ショルツ/M. ザンデルリンク/ベルリン室内管弦楽団,ベルリン放送交響楽団)

cover picture

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
カトリーン・ショルツ(Katrin Scholz)(Violin)
ミヒャエル・ザンデルリンク(Michael Sanderling)(Conductor)
ベルリン室内管弦楽団(Kammerorchester Berlin) (*Brahms)
ベルリン放送交響楽団(Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin) (*Sibelius)
27-29.06.06(Sibelius), 02-03.07.06(Brahms), Jesus-Christus-Kirche, Berlin-Dahlem
BERLIN Classics 0016102BC (P)(C)2007 Deutschlandradio/edel CLASSICS GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

ヴァイオリニストはおおざっぱに二つのタイプに分けられると思っています。一つ目は自分の個性を強く打ち出す天才肌の芸術家タイプ,二つ目はその音楽の持つ普遍的な魅力を最大限に引き出し最高の状態で私たちに提供してくれる職人タイプ。ショルツ氏はどちらかといえば後者のタイプかなと思います。

最初聴いたときは少しこぢんまりとまとまりすぎているじゃないのかと思いましたが,何度も聴いていると,だんだんと味わいが深まっていく,すごく充実した内容を持っているというのが感じられるようになってきました。演奏に目立つ特徴や個性的な表現があるわけではありませんが,音色の美しさ,力強さ,躍動感,どれもが絶妙のバランスで素晴らしい音楽を形作っていきます。こういう演奏は評価されにくいかもしれませんが,私は好きです。

録音ですが,全体にレベルが低めに感じられ,また,ソロの捉え方もやや弱く,音色も少しくすんでいて今ひとつさえません。もう一歩踏み込んでソロのヴァイオリンにフォーカスし,クリアに捉えて欲しかったところです。協奏曲の録音としては標準レベルかと思いますが,私としては物足りなさを感じます。

[ブラームス][シベリウス][協奏曲][ヴァイオリン]

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集,モーツァルト:協奏交響曲(ポッジャー/エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団)

cover picture

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Hob VIIa:1, ト長調 Hob VIIa:4
モーツァルト:協奏交響曲 変ホ長調 K.364
レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger)(Violin)
パヴロ・ベズノシウク(Pavlo Beznosiuk)(Viola)
エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団(Orchestra of the Age of Enlightenment)
2009年3月(ハイドン),2009年7月(モーツァルト),オール・セインツ教会(イギリス)
CCS SA 29309 (P)(C)2009 Channel Classics Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

モーツァルトの協奏交響曲では,ヴァイオリン,ヴィオラともロンドンの王立音楽院から貸与されたピリオド仕様のストラディヴァリウスが使われているということです(ハイドンは違うようです)。

で,この演奏,いいですねぇ,感激しました! 彼女のヴァイオリンからは純真な美しさ,天真爛漫な子供のような無邪気さ,明るさが溢れ出ています。透き通るようであってかつ輝きのある音色が何とも言えません。特にハイドンが良かったです。Hob VIIa:3が収録されていないのが惜しまれます。一方モーツァルトは,ヴィオラとのユニゾンの完璧に溶け合った響きにおぉっと思うのですが,ヴィオラのソロになった途端にリズムが重くなって引っ張られる感じになってしまっています。

録音は,残響を多めに取り込んでいるものの,癖のある響きにはならず,また直接音比率を高めにとっているため,残響が多い割にはなかなか良い感じです。オーケストラの音も同傾向です。私の好きな音の捉え方ではありませんが,これなら十分我慢できますし,一般的には優秀録音として通用するかもしれません。

[ハイドン][協奏曲][ヴァイオリン]

ショパン:練習曲集作品10,作品25(マウリツィオ・ポリーニ)

cover picture

ショパン:練習曲集 作品10, 作品25
マウリツィオ・ポリーニ(Maurizio Pollini)(Piano)
1972年1月,5月 ミュンヘン
DG F00G 27035 (P)1972 Polydor International GmbH, Hamburg (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

言わずと知れた名盤中の名盤ですね。私が取り上げるまでもないのですが...それにしても,これを凌ぐ演奏が今後現れることはあるのだろうか,ポリーニ本人でも無理なんじゃないだろうか,と思ってしまいます。

この演奏,実は私にとって大変思い出深いものなんです。高校生の頃までは「クラシックなんて格好悪くて聴いてられるか!」と,洋楽ばかり聴いていました。大学受験を控えた三年生の夏頃,たまたまこの演奏を耳にして,「おぉっ! クラシックってすごい! 格好いい!」と大変なショックを受けたことをよく覚えています。私がクラシックの世界に足を踏み入れるきっかけの一つがこの演奏なんです。

録音は残響が控えめで悪くないのですが,少し音色がくすんでいて良いとも言えないのが残念なところです。とはいえポリーニの強靱なピアノを楽しむための最低限のクオリティは一応クリアしているので良しとします。



リマスター盤の情報を掲載しました。こちらも併せてご参照いただければと思います。
(記2016/09/10)

[ショパン][器楽曲][ピアノ][愛聴盤]

ブラームス:交響曲全集(ハイティンク/ボストン交響楽団)

cover picture (a) cover picture (b) 
cover picture (c) cover picture (d)

ブラームス:交響曲全集
(a) 交響曲第一番,悲歌 (1994年4月) (UCCD-4315)
(b) 交響曲第二番,悲劇的序曲 (1990年3-4月) (UCCD-4316)
(c) 交響曲第三番,アルト・ラプソディ (1993年3月) (UCCD-4317)
(d) 交響曲第四番,ハイドンの主題による変奏曲 (1992年4-5月) (UCCD-4318)
ベルナルト・ハイティンク(Bernard Haitink)(Conductor)
ボストン交響楽団(Boston Symphony Orchestra)
録音場所:ボストン,シンフォニーホール
(P)1994,1996 Decca Music Group Limited, Universal Music LLC (国内盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Online(第一番icon第二番icon第三番icon第四番icon

ゆるぎなさと風格を感じさせるスタンダード路線の見事な演奏です。テンポは比較的ゆっくりで落ち着いています。綿密に設計され,精緻に構築された建造物を思わせます。冒険するようなところはなく,決して足を踏み外すことなくきっちりと仕上げることに主眼が置かれているように思います。提示部のリピートは,第一番は省略,第二番,第三番は行っています。

録音は数年にわたっていますが,音質は統一感があります。残響がそれなりに取り込まれていますが,嫌な響きではなく音色の変化も少ないため,それほど悪い印象はありません。ただ,少し距離感があるり,やや質感に欠け,こぢんまりとまとまりすぎて実在感が薄いようにも思います。

これはハイティンク氏が今までに3回録音した全集のうちの2回目です(1回目はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と(1970年代前半),3回目はロンドン交響楽団と(2003,04年))。機会があればこれらにも触れたいと思います。

[ブラームス][交響曲]

リピートの省略について思うこと

私はリピートを律儀に行っている演奏が好きです。同じ部分を二度聴きたいということではありません。リピート記号をはさんで頭に戻ってまた始まる,この音符の時間的な流れはリピートをするからこそ始めて生まれます。この音符の流れを聴くのが好きなんです。この一瞬のためにリピートをして欲しいと言っても過言ではありません。私は私なりにリピートの音楽的価値を感じています。リピートが省略されていると,単に二回あるべきところが一回になったという以上に,何かを失っているように感じるのです。本来あるべき音楽のつながりが失われているからではないかと思っています。

ですので,リピートが省略されていると,かなりがっかりします。グールドのゴルトベルク変奏曲でさえ,素晴らしい音楽に心躍りながらも,一方でリピートが省略されていることに腹立たしさを覚えながら聴いています。これに限らず様々な演奏でリピートの省略が見られます。そんな演奏に出会う度に「あぁ,またか...」と思ってしまうのです。

私がリピートを行って欲しい理由は上述の通りですが,そもそも,なぜリピートを持つ形式が生まれてきたのか,そしてなぜ作曲家はその形式を採用したのか,ということを考えると,それはその形式の音楽的価値を認めたからに他ならないと思うのです。そしてそれを演奏者への指示としてその手でリピート記号を楽譜に書き込んでいるのです。

Webを見ていると,なぜリピートが省略されるのかについての記述がいろいろと見つかります。しかし,どの理由を見ても,それは作曲者の意志というよりは,演奏者側の論理,自己都合にしか私には見えませんでした。明らかに冗長で省略する方が音楽的価値が上がるケースもあるかもしれませんが,どちらかといえば省略することによって音楽的に何かを失うケースの方が多いのではないでしょうか。

私にとってリピートが省略された演奏は,極論すれば,音楽を心底楽しむための最低限のスペック(仕様)を満たしていません。私たち音楽愛好者は演奏という「商品」をお金を出して買うわけですから,スペックを確認した上で購入したいわけです。しかし,このリピートを行っているか省略しているかという重要なスペックが示されているものは皆無です。これはちょっと納得がいきません。

さらに,リピートをどう扱うかはその演奏家がその作品に対してどう向き合っているのかという姿勢そのものですから,省略するならどういう考えでそうしているのかも併せて示してもらえると,私たち一般の音楽愛好者にとっても音楽を理解する手助けになると思うのです(といいますか,パッケージにスペックを明記しないのであれば,その説明責任があるのでは?...っていうのはちょっと言いすぎでしょうか)。今後はレビューの中でリピートの省略について気がついた範囲で出来るだけ触れていきたいと思っています。

リコーダー奏者の本村睦幸さんは自身のブログ上で「アリアリ主義宣言」をされています(「アリアリ」については本村氏のブログをご参照下さい)。アリアリ主義,大賛成です。是非広まって欲しいものです。たかがリピート,されどリピート。

戯言にお付き合いいただき有り難うございました。

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,モーツァルト:ディベルティメントK.136-138(長岡京室内アンサンブル)

cover picture

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
モーツァルト:ディベルティメント K.136-138
長岡京室内アンサンブル(Nagaokakyo Chamber Ensemble in Kyoto)
森悠子(音楽監督)(Yuko Mori)(Music Director)
2000年5月29日(K.136) & 2001年1月9日(Tchaikovsky) 神戸朝日ホール
2001年7月17日(K.137,138) 三鷹市芸術文化センター
fineNF NF60102 (P)(C)2002 N&F Co., Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

どういう編成で演奏されているのか明記されていませんが,カバーピクチャーの人数からすると,4-3-2-2-1の12名ではないかと思います。チャイコフスキーの弦楽セレナーデとしてはかなり小編成です。指揮者は置いていないようです。

演奏はアクセントが抑えられ,柔らかで流麗。音程が良く,ノンビブラートのような透明感ある独特の響きを出しています。よく統率されていてアンサンブルも良好です(ただ,第一楽章でやや詰めの甘さが見られるのが残念ですが)。小編成の良さが活かされた美しい演奏です。

モーツァルトはスピード感があり,大変スマートに上品に仕上げられています。

さてこの録音ですが,音楽之友社のステレオ誌で優秀録音10.0の最高点をマークしたとあります。密度感があるとともにとてもなめらかで,オーディオクオリティはさすがに優秀です。残響を多く取り入れていますが,残響の質がまずまずであること,直接音とのバランスをうまく取っていることから,これだけの残響を含みつつもトータルとしての美しさを確保しています。

しかし,やっぱり私としては好きなタイプの録音ではありません。残響のまとわりつきが鬱陶しく,細かい音型がマスクされがちで明瞭に聴こえてきません。せっかくの小編成なのですから,もっとすっきりと見通しよく録音して欲しかったと思います。曇った感じがないので印象はそれほど悪くはないのですが,やっぱりfineNFの録音は私には今ひとつ合いません。

それにしてもこのディスク,4,500円とはべらぼうに高いです! 勘弁して欲しい...

[チャイコフスキー][管弦楽曲][弦楽合奏]

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集(キュッヒル/フィッシャー/オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団)

cover picture

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, ト長調 Hob VIIa:4,協奏交響曲(Vn,Vc,Ob,Fg)
ライナー・キュッヒル(Rainer Küchl)(Violin)
アダム・フィッシャー(Adam Fischer)(Conductor)
オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団(Austro-Hungarian Haydn Orchestra)
10-12 September 1990, 25-27 September 1988, Haydnsaal, Esterhazy Palace, Eisenstadt, Austria
NI 5518 (P)(C)1998 Nimbus Communications International Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

溌剌とした活気のある威勢の良い演奏,ビブラートをたっぷりかけたコクのある音色て歌う,バリバリのモダン楽器流儀です。技巧を凝らした華麗なカデンツァにも圧倒されます。今まで聴いたハイドンの協奏曲の中でもかなり異質です。もちろん上手いんだけど...ちょっと馴染めないかなというのが正直なところです。

録音ですが,残響がやや多めで,楽器音をしっかりと捉えているものの,音色のくすみが感じられてあまり良い感じがしません。どちらかというと協奏交響曲の方がクリアで,せめてヴァイオリン協奏曲もこれくらいの録音をしていてくれたらもう少し印象も違ったろうにと少々残念に思います。

Hob VIIa:3が収録されていないのも残念です。

[ハイドン][協奏曲][ヴァイオリン]

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ラグナ・シルマー)

cover picture

バッハ:ゴルトベルク変奏曲
ラグナ・シルマー(Ragna Schirmer)(Piano)
Johanniterkirche Groß Eichsen, Jini 1999
Berlin Classics 00171628C (P)(C)2000 edel classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

いつも参考にさせていただいている“節操のないクラシック音楽嗜好”で紹介されていたディスク。「このひとは、特に何もしていない。淡々とゴルトベルクを弾いている。それでいて、退屈させない。その理由は録音がいいからかも知れん。」というところに惹かれ聴いてみました。決してカバーピクチャーの悩殺ポーズに惑わされたわけではありません(←ウソ(^^; )。

で,実際に聴いてみて,なるほどその通り! 優しいけど歯切れの良いタッチで小気味よく,でもひたすら平穏に音楽が流れていく心地よさ! このバランスが良いのです。つまらないと思う方もおられるでしょうけど,こんな何気ない演奏,私は気に入りました。リピートをおそらく全て行っているのも私にとってはうれしいところです。そのおかげで演奏時間が87分ほどありますが,全く苦になりません。

そして録音ですが,音の傾向としてはイルマ・イサカーゼの録音に似ていますが,そのイサカーゼのピアノに毛布を掛けて録音したようなソフトさが加わっています。私としてはイサカーゼの録音のようにもっとクリアかつストレートであることを求めたいのですが,それでもまずまず納得は出来るかなと思っています。

愛聴盤候補となりました。

[バッハ][器楽曲][ピアノ]

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ヴァレリー・オイストラフ)

cover picture

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ヴァレリー・オイストラフ(Valery Oistrakh)(Violin)
II Bagno, Steinfurt (Germany) (※録音年月日記載なし)
CD 020717 (P)MUSICOM (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: 公式WebサイトMUSICOMamazon.de

演奏については「CD試聴記」にてコメントしていますので,そちらをご参照ください。

録音ですが,残響が少し多めに取り込まれており,音色に影響しているものの,それでも直接音がそれなりの比率で入っているためにそこそこの明瞭感が確保されており,何とかぎりぎりプラスの印象になっています。

ヴァレリー・オイストラフ氏は,イーゴリ・オイストラフ氏の息子,すなわちあのダヴィド・オイストラフ氏の孫ということです。 現在,ベルギーのブリュッセル王立音楽院(?)の教授。

このCD,現在日本に輸入されているかどうかはわかりませんが,私はamazon.deより手に入れました。

[バッハ][器楽曲][ヴァイオリン]

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(ジョセフ・エルウォーシー)

cover picture

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ジョセフ・エルウォーシー(Joseph Elworthy)(Cello)
自主制作 (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: 公式Webサイト

演奏については「CD試聴記」にてコメントしていますので,そちらをご参照ください。

録音ですが,やや癖のある響きを伴って音色への影響が感じられるものの,直接音主体に捉えているため,明瞭感はそこそこあって印象は悪くありません。もう少し高域の抜け,透明感があれば良かったのですが。

エルウォーシー氏はカナダ,バンクーバー出身で,バンクーバー交響楽団のチェリストとのことです。

[バッハ][器楽曲][チェロ]

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集(カントロフ/ベンダ/シュトゥットガルト室内管弦楽団)

cover picture

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, イ長調 Hob VIIa:3,ト長調 Hob VIIa:4
ジャン・ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow)(Violin)
クリスチャン・ベンダ(Christian Benda)(Conductor)
シュトゥットガルト室内管弦楽団(Stuttgarter Kammerorchester)
Ludwigsburg, 01.95
CASCAVELLE VEL 1953 (P)(C)1995 Cascavelle SA (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: amazon.com

これはカントロフ氏の個性を楽しむディスクですね。自由闊達で(というか,かなり好き勝手に)のびのびと自分の流儀を通してたようなところが良いです。ハイドンらしいかは別として,活気があって生き生きとしているのは間違いありません。

録音ですが,残響過多で中域に癖が感じられ,高域の伸びがなくなって鮮明さ,透明感が少しが失われています。ソロだけでももう少し残響を抑えてすっきりとした録音にして欲しかったところです。

[ハイドン][協奏曲][ヴァイオリン]

シベリウス,シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲(ハーン/サロネン/スウェーデン放送交響楽団)

cover picture

シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲 作品36
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)(Violin)
エサ・ペッカ・サロネン(Esa-Pekka Salonen)(Conductor)
スウェーデン放送交響楽団(Swedish Radio Symphony Orchestra)
Stockholm, Berwaldhallen, 3/2007(Sibelius), 9/2007(Schoenberg)
DG 00289 477 7346 (P)(C)2008 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

このシベリウスの協奏曲を初めて聴いたとき,あまりの完璧さ,正確さに唖然とし,もうこの一枚があれば他の演奏はいらない,とまで思ってしまいました。しかし... なに余裕かまして涼しい顔して弾いてんだよ! と言いたくなってきました(^^;。技術的余力を活かして八割のがんばり度でたっぷりと弾く,技術力自体が彼女の個性の源泉なんだろうなと思いつつ,もっと若さ溢れるピチピチした挑戦的な演奏であって欲しい,もっと必死に100%の力を出せばもっとすごい演奏になるんじゃないのか,なんて思ってしまいます。といってもやっぱり好きなんですよね,この演奏。

録音は,ソロにフォーカスしてヴァイオリンの音を明瞭に捉え,バランスとして若干オーケストラよりも大きめに取ってソロがキッチリ聴こえるようにしています。違和感を感じる方もおられるかもしれませんが,私は好きです。ドイツ・グラモフォンのヴァイオリン協奏曲の録音は比較的私の好みに合うように思っています。

シェーンベルクのヴァイオリン協奏曲は未聴です(←聴かず嫌い(^^;)。

[シベリウス][協奏曲][ヴァイオリン][愛聴盤]

Richard Strauss in High Fidelity (ライナー/シカゴ交響楽団)

cover picture

R. シュトラウス:ツァラトゥストラはこう語った 作品30
R. シュトラウス:英雄の生涯 作品40
フリッツ・ライナー(Fritz Reiner)(Conductor)
シカゴ交響楽団(Chicago Symphony Orchestra)
Recorded March 8, 1954(ツァラトゥストラ),March 6, 1954(英雄の生涯)
RCA/BMG 8287661389 2 (P)(C)2004 BMG Music (輸入盤)
RCA LIVING STEREO ハイブリッドSACDシリーズ (SACD Surround/SACD Stereo/CD Stereo)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

編集日録 2007年12月6日の記事を転載します。転載にあたり聴き直してみましたが,その録音の素晴らしさに改めて驚嘆しました。これが本当に1954年の録音なのか! オーディオ的なクオリティもさることながら,音の捉え方は録音の基本を見る思いがします。


これには本当に仰天しました!HMVのユーザレビューで録音が驚異的とあったので,値段も安いので手に入れて聴いてみました。ユーザレビューの賛辞は本当でした。何という鮮明な録音!個々の楽器の音がそれぞれしっかりと艶やかに聴こえてきます。私が持っていた1950年代前半の録音のイメージを根底から覆されてしまいました。

最近の下手な録音よりも格段に良いと思いますし,私が持っているオーケストラ録音の中でもトップにランクできるほどの出来です。もちろん最新のデジタル録音に比べればテープのノイズもありますし,緻密さでも劣るのですが,帯域感も十分にありますし,歪み感も十分許容範囲で,1950年代にここまでのクオリティの録音が可能であったということが本当に驚きです。

また,それ以上に音の捉え方が素晴らしいです。HMVの解説によると,2本のマイクロホンによる2トラック録音だとか...最近の録音は,ホールの響き,雰囲気を大切にする録音が多いように思います。その結果,確かに雰囲気や自然さはあるかもしれませんが,不鮮明で抜けの悪い音になってしまっているものが多いと思います。一方この録音は,個々の楽器をいかに鮮明に捉えるかに主眼が置かれており,非常に鮮明で個々の楽器が分離良く聴こえてきます。 逆に,ホールで聴いたときのような雰囲気,自然さは薄いと言えます。

どちらが良いか。もちろん好みによりますが,私は断然後者が好きです。聴いていてすがすがしいですし,何者にも邪魔されることなく音楽にのめり込めます。最近,こういう音作りの録音はほとんど見かけません。演奏は良いのに録音がそれを台無しにしているように思えてなりません。とても音楽の神髄を伝えてくれるように思えないのです。いくら演奏が良くても,こういうCDにはどうしても手が伸びません。非常に残念なことです。

演奏自身には,今回は触れません(^^;;

(編集日録 2007年12月6日より転載) [R. シュトラウス][管弦楽曲]

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ集(ギドン・クレーメル)

cover picture

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ集
ギドン・クレーメル(Gidon Kremer)(Violin)
Recorded at the Pfarrkirche St. Nikolaus, Lockenhaus, September 2001
Euro Arts 2055638 (C)2007 (輸入盤) (*DVD)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

明記されていませんが,2001年9月に録音された2回目の全集のパルティータと同演奏と思われます。私が聴く限り違いがわかりませんでした。

DVDということで,映像は聖ニコラウス教会の祭壇?の前で弾く氏の姿ですが... バッハを弾く姿を見られること自体はうれしいのですが,あまり見ていて楽しくないというのが正直なところです。弾いている姿はあまり格好良くないし(ごめんなさい),ライティングもなんとなく不自然, 総金箔張り?の祭壇の背景は映像として煩く,また趣味が良くないです。映像作品としてこれはちょっとどうかなと思います。CDを聴きながらいろいろと想像を巡らせる方が良いかと。

しかし...久しぶりに聴いて,その表現力のすごさに改めて感嘆するものの,氏の強烈な個性にはやっぱりついて行けないなと少し淋しい気分になりました。

録音についても2回目の全集の感想をご参照下さい。

なお,このDVDには「バック・トゥ・バッハ」と題された58分に及ぶドキュメンタリーも収録されているようです(未鑑賞)。

[バッハ][器楽曲][ヴァイオリン]