ベートーヴェン:9つのオーケストラによる交響曲全集(ラファエル・クーベリック指揮)

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ベートーヴェン:交響曲全集(9つのオーケストラによる)
ラファエル・クーベリック指揮
録音 1971年~1975年
PROC-1146 (国内盤)
※TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION Vol.13
※1970年録音のバイエルン放送交響楽団との第7番を特別収録
好録音度:★★★★
参考: Tower Records Online
11月19日のエントリーで紹介したタワーレコード企画盤,クーベリックが9つのオーケストラを振り分けて完成させた有名なベートーヴェン交響曲全集です。

第1番 ロンドン交響楽団
第2番 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
第3番 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
第4番 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
第5番 ボストン交響楽団
第6番 パリ管弦楽団
第7番 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
第8番 クリーヴランド管弦楽団
第9番 バイエルン放送交響楽団

解説書によると,当初,手兵のバイエルン放送交響楽団(BRSO)とベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(BPO)を起用する計画で,第7番をBRSOで,第3番をBPOで録音したが,DGでは当時ベーム/ウィーン・フィルによる全集が進行中で,カラヤン/ベルリン・フィルによる再録音の計画が持ち上がったため,経営戦略上の理由から企画が変更されたということです。第9番がBRSOとの録音の予定となったため,第7番はウィーン・フィルを起用して再録音し,1970年に録音したBRSOとの第7番がお蔵入りしてしまったという経緯のようです(本全集に特別収録されている第7番がこれです)。

それにしても,9つのオーケストラを振り分けていながら非常に統一感があり,しかも品格のあるスタンダードな仕上がりで見事です。唯一の不満は慣習的なリピート省略が行われていることくらいです。

録音ですが,典型的な1970年代のDGのオーケストラ録音という印象です。少し残響があり私の望む音とは少し異なりますが,弦楽器の音色を質感よく捉えているので良好な部類に入ると思います。この頃のDGの録音が私としては最もしっくりくる気がします。(もちろんもう少し残響を抑えてすっきりと見通しよく録ってある方が好ましいのは言うまでもないですが)

ということで,また一つ愛聴盤候補が見つかりました。

ステレオ 2012年 1月号 ラックスマンとの共同企画オリジナル・デジタル・アンプ(LXA-OT1)付録

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いつもお世話になっている友人から,音楽之友社のStereo誌2012年1月号にラックスマン(LUXMAN)との共同企画のデジタル・アンプ(LXA-OT1)が付録として付いていると情報をいただきました。そういえば付録が付いていたと思い出したのですが,ラックスマンとの共同企画とあらばちょっと手に入れてみなければ,と思ったのですが,友人によるとAmazon.co.jpでもすでにプレミア価格が付いているとのこと...

私は田舎に住んでいるので書店にまだあるのでは?と思い,いくつか回ってみたところ,近所のスーパー内の書店で見つけ,無事に入手できました。あとでHMV Onlineを見ていると,まだ在庫があるようでした。このあたりは穴場ですね。

池田工業という会社から,専用のベースセット(ケース)も出ているようです。こちらは雑誌より高いですねぇ...

さて,音の方はどうでしょうか。

参考: HMV OnlineAmazon.co.jp


2012/12/30 13:26追記: 投稿し終わった直後にAmazon.co.jpを見てみると,新品7点在庫ありになっていました。

2012/12/30 13:30追記: Amazon.co.jpですが,4分後には5点に減っていました(^^;。

2012/12/30 13:43追記: 13:43現在,在庫1点にまで減っていました。オーディオ誌としては異例の売れ行きではないでしょうか(^^;。

2012/12/30 13:45追記: 13:45現在,在庫なし! 20分足らずで7点が売れてしまいました...

2012/12/30 14:39追記: 14:39現在,HMV Onlineも完売となっていました!

2012/12/30 19:52追記: 19:52現在,Amazon.co.jpに在庫2点入っていました(^^)。結構こまめに入荷が続いているようですね。

2012/12/30 19:54追記: 19:54現在,Amazon.co.jp2分後にはもう売れて在庫なしになっていました... ということで,ウォッチは終了します。

ベートーヴェン:交響曲全集(アンドレ・クリュイタンス指揮/ベルリン・フィル)

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ベートーヴェン:交響曲全集
アンドレ・クリュイタンス指揮/ベルリン・フィル
1957-60年 ベルリン,グリューネヴァルト教会
HR 703732 (P)(C)2001 Disky Communications Europe (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: HMV Online(EMI)Amazon.co.jpTower Records(EMI)
EMI原盤のライセンス盤。力強く推進力のあるベートーヴェンで巨匠時代の立派で風格のある演奏ですね。いいですねぇこれも。弦楽器の鳴りの良さと艶やかさが大変魅力的です。やっぱりこういう演奏が一番肌に合います。

録音はやや残響が多めで少しくすんでいますが(このあたりはやっぱりEMIか),弦楽器の主体に質感よく捉えているためにかなり救われている感じがします。残響が許せればまずまずだと思います。全集の中では第4番の録音が頭一つ抜け出して良好です。

タグ: [交響曲] 

ウィ・ウィル・ロック・ユー~クイーン・クラシックス(1966カルテット)

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ウィ・ウィル・ロック・ユー~クイーン・クラシックス
1966カルテット(1966quartet)
Recorded on 11-14 July 2011 at Wonder Station Studio
COCQ-84924 (P)2011 NIPPON COLUMBIA CO., LTD. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ザ・ビートルズ・クラシックスでもうわかっているはずなのに...さんざん悩んだあげく,また買ってしまいました(^^;。そしてやっぱり...感想はザ・ビートルズ・クラシックスと全く同じでした。私が聴きたいカルテットによる本物のポピュラー音楽はここにはありませんでした。当たり前と言えば当たり前です。そんなことを期待した私が馬鹿でした(アルバムの紹介でもちゃんと「クラシカル」と書いてありました...読んでませんでした)。

改めて聴いてみて,これはポピュラー音楽をクラシックの土俵に持ってきているのは明白,従って私の期待は元から外れていたと言えます。では,これをクラシック音楽の延長線上で見たらどうか,結局ザ・ビートルズ・クラシックスで書いたことの繰り返しになりますが,原曲を忘れてこれをクラシック音楽の室内楽作品として見ると,やはり独立した作品としての魅力と充実感に乏しく,クラシック演奏家の余興の域を出ていないと思うのです。まあ,ジャケット写真を見ていると,元々そういう狙いだったのかもしれないと思ってきました...ポピュラーでもクラシックでもどちらでもいい,「本物」を聴きたい...(先日載せたCrooked Stillは,技術レベルから言えば1966カルテットのメンバーの足下にも及ばないが,彼らの音楽は「本物」だ。だから面白い。)

録音も前回と同じスタジオです。やはり人工的な臭いのするリバーブ的な残響が気になりますが,直接音主体の太く力強いサウンドに仕立てられています。クラシックの音作りではありませんが,私は嫌いではありません。残響にまみれたモヤモヤ感いっぱいの音よりずっと良いです。録音レベルが高めなのも良いです(コンプレッサーがかけられているのか?)。

今回もまた辛口になってしまいました。すみません。

Friends of Fall (Crooked Still)

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フレンズ・オブ・フォール Friends of Fall
クルックド・スティル Crooked Still
BSMF-2254 BSMF Records (国内盤)
(SIG 2043 (C)2011 Signature Sounds Recordings)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records公式WebサイトBSMF Records
10月28日に紹介した“Crooked Still Live”が大変良く,毎日のように聴いています。そのクルックド・スティルの最新アルバムを入手してびっくり,こんな超マイナーグループ(失礼!)の国内盤があろうとは...結成10周年記念ミニアルバムとのことです(バンド名が「クルキッド・スティル」となっていてちょっと違和感が...)。ビートルズの“We Can Work It Out”を含む7曲が収められています。

解説書で「ボストン発のネオ・ブルーグラス&プログレッシヴ・フォーク・バンド」と紹介されています(少々大げさか)。ボーカルのイーファ・オドノヴァンは,アリソン・クラウスのアルバム“Paper Airplane”にも楽曲を提供しているといことです。妙なところでつながっています。

2012年は1年間ツアー活動を休止するとも書いてありました。残念なことですが新しい音楽をひっさげて戻ってきてくれることを願っています。

最後にこのアルバムに収録されているビートルズの“We Can Work It Out”のライヴ映像です。


気に入っている曲の一つ“Orphan Girl”の別映像があったのでこれも。もうちょっとクオリティが高いと良いのですが...

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(マヤ・ホムバーガー)

cover picture (a) cover picture (b) cover picture (c)

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マヤ・ホムバーガー Maya Homburger (Violin)
録音 (a)2002年,(b)2007年,(c)2010年
(a) MCD0301 (P)(C)2003 Maya Recordings (輸入盤)
(b) MCD0802 (P)(C)2008 Maya Recordings (輸入盤)
(c) MCD1101 (P)(C)2011 Maya Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Maya Recordings,(b)HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records,(c)HMV OnlineAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・ヴァイオリンによる演奏。(a)ソナタ第1番・パルティータ第1番,(b)ソナタ第2番・パルティータ第2番,(c)ソナタ第3番・パルティータ第3番,の順に収録されています。

丁寧で柔らかな表情が印象に残る演奏です。第1番はあまり感情の起伏がなくモノトーンの世界が広がります。第2番はそれに比べやや感情が見え隠れして赤みが差し,音楽に奥行きが加わった印象です。そして第3番はさらに明るさが加わってきます。

8年という年月をかけて全集として完結しましたが,全体の統一感を保ちつつ,少しずつ音楽に深みを増していっていると思います。どちらかといえば地味ですが,聴くほどに味わいが増してきます。

録音ですが,残響時間が長く,楽器音に大きく被っているため音色が大きく影響を受けていて私の好みではありませんが,近めでしっかりと捉えているためぎりぎり許容範囲です。収録時期が離れていますが,録音の質はほぼ揃っていて全集として違和感はありません。

ベートーヴェン:交響曲全集(ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1971~1973年
DB 707082 (P)(C)2000 Disky Communications Europe (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp
奇を衒わない質実剛健な実に気持ちのよい正統派のベートーヴェン。慣習的なリピート省略がされているのが残念ですが,そんなことをまったく忘れさせてくれます。

EMIのライセンス盤ですが,EMIにしては良好で,響きは必要最低限,弦楽器中心に質感を大切に録音されています。曲ごとに少しばらつきがあり,また,全体に少しくすみ気味ですが,十分許容範囲です。

Diskyの全集はすでに廃盤でAmazon.co.jpのマーケットプレイスではプレミア価格が付いています。国内盤としてEMIのリマスタリング盤が現役であるようです。リマスタリング盤の音作りがどうなっているか気になるところです。

タグ: [交響曲] 

パーヴォ・ベルグルンド/ヨーロッパ室内管弦楽団のシベリウス交響曲全集が復活!

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シベリウス:交響曲全集
パーヴォ・ベルグルンド指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
WQCC-270/273 1995-1997年録音
参考: Tower Records
またまたタワーレコードがやってくれます。『タワレコ・オリジナル企画盤~ワーナー「デトゥール・コレクション」第6弾』で復刻されます。この好録音探求でも一度取り上げましたが(→こちら),これは本当に素晴らしい全集です。うれしいですねぇ!

同時にこのシリーズでバッハ無伴奏ヴァイオリンのセルジウ・ルカ盤も復刻されます(→Tower Records)。

タグ: [交響曲] 

エドワーズ,シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(アデレ・アンソニー(Vn)/アルヴォ・ヴォルマー指揮/アデレード交響楽団)

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エドワーズ:ヴァイオリン協奏曲「マニニャス」
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
アデレ・アンソニー Adele Anthony (Violin)
アルヴォ・ヴォルマー指揮/アデレード交響楽団
録音 2009年6月10-12日 オーストラリア,アデレード・タウン・ホール
CC09 (P)(C)2011 Canary Classics (輸入盤) ABC Classics原盤
好録音度:★★★★(エドワーズ),★★★☆(シベリウス)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ロス・エドワーズ(Ross Edwards [1943-])はオーストラリアの作曲家。初めて聴きます。曲はいわゆるミニマル・ミュージックのような感じですが,調性感に違和感はなく聴きやすい音楽です。現代音楽は苦手ですが,こういう音楽なら聴けます。といいますか,これはなかなか良かったです。現代音楽というと,おどろおどろしい,気色悪い作品のイメージがあって敬遠してしまうのですが,こういう健全で健康的(?)(^^;な作品は歓迎です。

演奏はエドワーズ,シベリウスとも力強くスケール感があり,意欲に溢れていて聴き応えがあります。技術的にも相当上手いです。

アデレ・アンソニーというヴァイオリニストは知らなかったのですが,オーストラリア系アメリカ人で,13歳の時にABC Instrumental and Vocal Competitionでシベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏して最年少優勝,1996年のCarl Nielsen International violin competitionで優勝という経歴の持ち主,夫はギル・シャハムだそうです。

録音ですが,エドワーズとシベリウスでかなり印象が違います。ソロもオーケストラもエドワーズの方が明瞭でシャキッとしています。残響感も控えめで協奏曲の録音としてあまり不満を感じません。一方シベリウスの方は特にソロが残響(というより濁りを助長する反射音か?)が被りくぐもりがちで精彩がなく良くありません。エドワーズの録音で揃えて欲しかったと思います。

このディスクはシベリウスの協奏曲を聴きたくて買ったのですが,エドワーズが掘り出し物でした。

ブロムシュテット/SKDのベートーヴェン交響曲第9番~ハイパー・リマスタリング・シャルプラッテン・ベスト盤

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ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/シュターツカペレ・ドレスデン
1979年4月9-11日,1980年3月31日 ドレスデン・ルカ教会
KICC 9487 (P)2007 King Record Co., Ltd. (国内盤)
参考: Amazon.co.jpTower Records
※ハイパー・リマスタリング・シャルプラッテン・ベストVol.5
11/22のエントリではBerlin Classics盤とBrilliant Classic盤の比較を,11/28のエントリでは徳間盤(1988年頃発売)とBerlinClassics盤の音質比較を行ってきました。ここまできたら,2007年頃発売のハイパー・リマスタリング盤との比較をやるしかないと思い,でも全部はつらいので(^^; 第9番のみ比較してみました。

例によって,第9番第1楽章の冒頭から約1分間のスペクトルのピークホールドの図を示します。赤線がハイパー・リマスタリング盤,青線が徳間盤です。

blomstedt_beethoven_9_tokuma_hr_spectrum.png

周波数特性上はほぼ等価です。ハイパー・リマスタリング盤の方がわずかにレベルが高いです。ハイパー・リマスタリング盤は20kHz以上に少し成分がありますが,これはノイズ成分で楽音ではありません(無音部でこのレベルのノイズがありました)。図からも想像できる通り,聴感的にも全体の音色のバランスはほとんど変わりません。

じっくりと聴くと,ハイパー・リマスタリング盤の方がわずかに歪みが少なく,音のざらつき感が改善されています。こういう差に鈍感な私でもわかるレベルの改善です。でもどのあたりが「ハイパー」なのかは私にはわかりませんでした(^^;。

このハイパー・リマスタリング盤,全集分が分売で発売されていたようですが,すでに一部の曲については販売終了で入手困難のようです(第7番が手に入らないのは残念!)。私としてはBerlin Classics盤の方が好みなので,ハイパー・リマスタリング盤はこれで終わりにします...

タグ: [交響曲] 

モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番,第19番,ディベルティメントK.138(エベーヌ四重奏団)

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モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421
モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」
モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調K.138
エベーヌ四重奏団 Quatuor Ebène
Ferme de Villefavard en Limousin, France, 5-10.II.2011
50999 070922 2 0 (P)(C)2011 Virgin Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
以前「最近の若い弦楽四重奏団は本当に上手い」と書きましたが,このエベーヌ四重奏団もそういった四重奏団の一つに挙げられると思います。モダンで洗練されていて美しい。モダン楽器が好きな私としては,この傾向は非常にうれしいですねぇ。クラシックの分野でこういう方向に進化していっている唯一のジャンルという気がします。

どの曲も素晴らしいのですが,特にディベルティメントの第2楽章の美しい叙情的な表現が良かったです。今後の録音が本当に楽しみです。

録音ですが,少しオフ気味で録音会場の雰囲気が感じられるくらいの響きが入っています。やはり明瞭感や音色への影響があるります。まあ許容範囲で悪くありませんが,せっかくの透明感ある音色がわずかとはいえくすんでしまっているのは残念です。