ベートーヴェン:交響曲全集(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)※DVD

cover picture (a) cover picture (b) cover picture (c)

ベートーヴェン:交響曲第1番-第4番
(a) 88697787559 (P)(C)2010 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

ベートーヴェン:交響曲第5番-第8番
(b) 88697787569 (P)(C)2010 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpTower Records

ベートーヴェン:交響曲第9番
(c) 88697787579 (P)(C)2010 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:未聴(→※後日追記予定)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

パーヴォ・ヤルヴィ指揮 Paavo Järvi
ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
録音:September 9-12, 2009, at Beethovenhalle, Bonn, Germany

パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンのベートーヴェン交響曲全集といえば,2004年から2008年にセッション録音されたものがあり,以前その中から2枚を取り上げました(2010年8月7日のエントリー)。こちらは2009年にドイツのボンで開催されたベートーヴェン音楽祭でのライヴを収めたものです。

演奏はセッション録音のものと同じく小編成オーケストラの機動性を活かした小気味よさが特長です。ダイナミックでスピード感があり,起伏に富み推進力があります。テンポは全体にかなり速めです。そして,これだけの指揮者の要求に見事に合わせてくるオーケストラも立派です。ピリオド的な要素があるのは確かですが,私にはモダン楽器による新しい可能性を開く演奏に聴こえます。

ライヴ映像の撮り方も奏者や楽器のアップも織り交ぜながら単調になることなく,またそれほど嫌みもなく楽しめるものでした。ライティングは曲によってはちょっと演出が過ぎるようにも思いましたが,音楽祭なので仕方ないかもしれません。それにしても映像が加わると面白さが倍増しますね。

さて録音ですが,セッション録音のような音の綺麗さ,透明さはなく,オーディオ品質的には少し劣るものの,セッション録音の時に感じた現実感の希薄さはこの録音では感じられず,より現実感のある音として捉えられていて好ましく思いました(ライヴなので当たり前なのですが)。また,残響も控えめで基本的な音の捉え方も良好です。ただ,低域の量感に対して高域が弱いため,低域が中高域に被ってヌケが悪くややモゴモゴして聴こえます。これは本当に惜しいです。低域の出ないオープンタイプのイヤフォンなどの方が聴きやすいです。あと,もう少し弦楽器にフォーカスして質感を強めに出して欲しかったと思います。

これらの分売DVDはもう生産されていないのか,第5番-第8番のディスクはもう廃盤のようです。第1番-第4番と第9番はまだ在庫があるようです。全集盤のディスクはまだ手に入りやすいようですがちょっと高価ですね...(→HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records)。

私としては,セッション録音盤よりこちらのライヴ録音盤の方が演奏も録音も好きです。この音源でCD化をして欲しいところです(そしてできれば上記の不満点を改善して出して欲しい...)。

タグ: [交響曲] 

ヘンデル:チェンバロのための作品集(クリスティアーノ・オウツ)

cover picture
ヘンデル:チェンバロのための作品集
クリスティアーノ・オウツ Cristiano Holts
June 2009, Palace Chapel of Winsen, Germany
Ramee RAM1004 (P)(C)2011 Outhere (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
レコード芸術誌2011年度第49回レコード・アカデミー賞の「特別部門 録音」の受賞ディスク。ヘンデルのチェンバロ曲は私の守備範囲外なので買う予定はなかったのですが,つい出来心で買ってしまいました...(^^;。

この録音は本当に良いですね。チャペルでの録音と書いてあるのですが,残響感はほとんどなく楽器音が極めて明瞭に録られています。距離感も適切で自然で音の捉え方が濃すぎませんし(若干きつい感じはあります),いろんな要素のバランスも良いです。オーディオ品質も良好です。優秀録音かつ好録音と言えます。私が持っているいくつかのチェンバロの録音の中でも群を抜いています。オーディオ機器試聴時のリファレンス音源候補となりました。

こういう雑誌で優秀録音の賞を取ったディスクを聴いても,「確かに優秀録音かもしれないが好録音ではない」ということが多かったのですが,驚くべきことに今回は極めてまともな選択がなされました(^^;。素直に喜びたいと思います。ピアノやチェンバロ,ギターなどは楽器自体の響きが十分に残るので,このような残響を抑えた録音でも一般的に受け入れられやすいからだとは思いますが,録音にとってホールなどの残響がそんなに重要な要素ではないということがここでも明らかになったと思います。この受賞を契機にこういった好録音が増えてくれることを期待します(でも無理かもしれませんね...)。

次はオーケストラや弦楽器の録音からもこのような「優秀録音かつ好録音」のディスクを選んで欲しいものです。

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(古典四重奏団)

cover picture
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調作品127
Akigawa KIRARA Hall, June 29 & 30, 1999
ewcc-0012 (P)(C)2000 ewe records (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
cover picture
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番変ロ長調作品130
ベートーヴェン」大フーガ作品133
Akigawa KIRARA Hall, January 19 & 20, 1999
ewcc-0013 (P)(C)2000 ewe records (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp
cover picture
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番ヘ長調作品135
Akigawa KIRARA Hall, February 23, 24, 2000
ewcc-0014 (P)(C)2000 ewe records (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
cover picture
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番イ短調作品132
Akigawa KIRARA Hall, June 30 & July 1, 1999
ewcc-0015 (P)(C)1999 ewe records (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
古典四重奏団 Quartetto Classico

なんだかとっても優しいベートーヴェンですねぇ。メリハリがあって推進力もある演奏なのですが,それでもなぜか全体に優しい雰囲気を醸し出しているのです。特にヴァイオリンの甘くて美しい音色が独特でこの四重奏団の魅力を決定づけていますし,他のどの四重奏団とも違うスタイルを確立して独自のベートーヴェン像を創り上げていると思います。

録音が良いことも特筆できます。残響はそれなりに取り込まれていますが,オンマイク(といっても距離感は適切)でそれぞれの楽器音を明瞭に捉えています。残響の音色への影響も最小限で質感も良いです。これなら私も納得できます。

次に文句を...(^^;。まず,なんで後期で4枚なの?! しかもフルプライス(これは仕方ないですが)。カップリングを工夫して3枚に収めて欲しかったです。次にケースの表示。文字が小さくどのディスクに何が入っているのかパッと見てわかりません。よく見ているつもりでもなぜか見つからないので焦ってしまって余計に見つからなくなる...最悪の表示です。モーツァルトのハイドンセットでも解説書が読みづらいと不満を述べましたが,本当にもうちょっとユーザー視点でちゃんと考えて作って欲しいものです。なんでこんなことで苦痛を強いられなければならないのかといつも腹立たしく思いながら手に取っています。

リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラかく語りき,他(ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)※新旧録音比較

cover picture (a) cover picture (b)

リヒャルト・シュトラウス:
交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」作品30
交響詩「ドン・ファン」作品20
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
楽劇「サロメ」より「7つのヴェールの踊り」
Berlin, Jesus-Christus-Kirche, 1 & 3/1973
(a) 447 441-2 (P)1973/1974 Polydor International GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

リヒャルト・シュトラウス:
交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」作品30
交響詩「ドン・ファン」作品20
1983年9月,2月,ベルリン
(b) 410 959-2 (P)1984 Polydor International GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ブロムシュテット/サンフランシスコ交響楽団のディスクを聴いていて,このディスクも聴きたくなってしまいました。演奏に関してはもう私がここで触れるまでもないと思いますが,カラヤン/ベルリン・フィルはこういう曲を演奏するとスケールの大きな演奏を展開して本当に素晴らしいですね。

旧録音(a)と新録音(b)を聴き比べてみると,録音に関しては,旧録音は少し残響が多めで雑味が感じられ,さらにフォルテシモが音量以上にやたらやかましく感じられます。一方新録音は旧録音に比べると残響が控えめで各楽器の音がくっきりとしていますし,低域までしっかりと伸びています。締まった低音なので中高域に被ることもありません。フォルテシモでもうるさくなく音楽としてちゃんと楽しめます。

録音だけ比べると新録音の方がずっと良いです。演奏面では旧録音も捨てがたいところがありますが,聴こうと手が伸びるのはやっぱり新録音の方です。

チャイコフスキー:交響曲第5番,他(トゥガン・ソヒエフ指揮/トゥールーズ・キャピトール管弦楽団)

cover picture
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
ショスタコーヴィチ:祝典序曲作品96
トゥガン・ソヒエフ指揮/トゥールーズ・キャピトール管弦楽団
2010年7月 トゥールーズ,ラ・アル・オ・グレン(フランス)
V5252 (P)(C)2011 Naïve (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
かなり強引にオーケストラをドライブしているように聴こえますが,荒削りのようであって実はかなり緻密に音楽を組み立て,細部までしっかりとコントロールして引き締まった音楽を創り上げています。これだけダイナミックに変化をもたせながら勢いに任せず統率する手腕はたいしたものです。これは本当に良かったです。久しぶりに心躍るチャイ5に出会いました。

録音ですが,残響を控えめにしてオーケストラの分厚い響きをしっかりと捉えています。鳴りっぷりの良い(そして締まった)弦楽器を質感よく収めているのが○です。全体にややドライですが,音色のバランスも良く,低域がブーミーに被ったりもせず,欠点の少ない良い録音です。私としては,もう少し音色に艶と輝きとヌケの良さがあるとうれしかったのですが,それでもこの録音はかなり好ましい部類に入ります。

ベートーヴェン:交響曲第7番(弦楽五重奏版)&序曲集(弦楽四重奏版)(プロ・アルテ・アンティクア・プラハ)

cover picture
ベートーヴェン:交響曲第7番(弦楽五重奏版)&序曲集(弦楽四重奏版)
プロ・アルテ・アンティクア・プラハ Pro arte antiqua Praha
1996年3月24-27日 プラハ「芸術家の家」ドヴォルザーク・ホール
PCCL-00338 (P)(C)1996 Pony Canyon Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jp
ベートーヴェンの交響曲と序曲の室内楽版で,交響曲第7番は弦楽五重奏(ビオラが2本),序曲が弦楽四重奏です。カール・フリードリヒ・エバース(Carl Friedrich Eberse/1770-1836)の編曲です。

これも先ほど取り上げたクロノス・クァルテットのイン・フォーメーションと同じくCDを保管している箱を漁っていたら出てきたものです。ピリオド楽器特有の鮮烈で鋭角的な演奏です。アグレッシブで勢いがあります。久しぶりに聴きましたが,これはほんと楽しいですね。交響曲第7番が「舞踏の聖化」と言われているのを改めて思い出させてくれました。

録音がこれまた鮮烈です。残響がかなり多く取り込まれていますが,楽器音はオンマイクで極めて鮮明に録られています。刺激的過ぎるかもしれません。こういう録音が好きな私でもちょっと濃すぎるかなと思うほどです。オーディオ的にはかなり面白いのではないでしょうか。

このシリーズでは交響曲第5番&第8番(多分これ?→Amazon.co.jp)もあり,持っていたはずなのですが,見つからない...誤って処分しちゃったかな...(^^;

イン・フォーメーション(クロノス・クァルテット)

cover picture
イン・フォーメーション In Formation
クロノス・クァルテット Kronos Quartet
1979年1,3月 サンフランシスコ 聖メアリー大聖堂
RR-9CD (P)(C)1990 REFERENCE RECORDINGS (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
Wikipediaによるとクロノス・クァルテットは1978年の結成とのことですので,これは結成当初の録音ということになります。ブルース,ロック,ジャズなどの要素を取り入れた短い弦楽四重奏曲を集めてあります。すべてクロノス・クァルテットのために書かれた作品とのことです。

CDを保管している箱を漁っていたら出てきました。昔よく聴いていました。懐かしいです。1曲目の「ファンキー・チキン」なんかなかなか良いですね。

しかし,今改めて聴いてみて,ブルースやロックの要素を取り入れたといっても,やっぱり彼らのベースは現代音楽なんだなぁと再認識させられました。いろいろなジャンルに挑戦しているとはいえ,結局はそれらを自分の土俵(現代音楽)に持ってきて演奏する。当たり前の話なのですが。

シベリウス,ディーリアス:弦楽四重奏曲(フィッツウィリアム弦楽四重奏団)

cover picture
シベリウス:弦楽四重奏曲ニ短調作品56「親愛なる声」
ディーリアス:弦楽四重奏曲
フィッツウィリアム弦楽四重奏団 Fitzwilliam String Quartet
December 1978
POCL-3442(425 717-2) (P)1980 Decca (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
シベリウスの弦楽四重奏曲の方はアナログ盤時代からの愛聴盤。シベリウスの北欧的モノトーンの世界を見事に表現しています。ハーモニーの響きが美しく,音の出だしや音の移り変わりのニュアンスも絶妙で素晴らしいです。第3楽章が最高です。これ以上完璧な演奏があるのだろうかと思ってしまいます。

録音ですが,やや残響が多いのですが残響の質は悪くなく,またそれぞれの楽器は明瞭に捉えられているので印象は悪くないです。むしろシベリウス独特の世界の演出に貢献しているとも言えます(好録音探求の立場から言えば非常に不本意ですが!)。もっとも最初に聴き込んだのがこの演奏なので,耳が慣れてしまっているいるんでしょうね。残響を気にしない人であれば優秀録音と言えるかもしれません。

CDの時代になってもいっこうにCD復刻される気配がなかったので仕方なく他の四重奏団のディスクをいくつか聴いてみたのですが,この演奏を超えるものが見つからず,復刻を心待ちにしていました。やっとCD復刻されたのが1994年頃でした。そのあとまたすぐに廃盤となり入手しづらい状態が続いていたようですが,数年前にEloquence Australiaの廉価盤で復活しました。

なおディーリアスの弦楽四重奏曲は全く好きになれずほとんど聴いていません。

リヒャルト・シュトラウス:管弦楽曲集(サー・ゲオルグ・ショルティ指揮/ウィーン・フィル,シカゴ交響楽団,バイエルン放送交響楽団)

cover picture
リヒャルト・シュトラウス:管弦楽曲集
交響詩「英雄の生涯」作品40(+)
交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」作品30(*)
交響詩「ドン・ファン」作品20(**)
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28(*)
アルプス交響曲(#)
サー・ゲオルグ・ショルティ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(+)
シカゴ交響楽団(*)(**)
バイエルン放送交響楽団(#)
March 1977 & March 1978(+), May 1975(*), May 1973(**), September 1979(#)
POCL-3606(440 618-2) (P)1976-80 The Decca Record Company Limited (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

ショルティのディスクは録音が良いものが多いので好んで聴くことが多いのですが,このディスクは特に好きで以前からよく聴いています。私の好きなオーケストラ録音の代表格です。

邪魔な残響はほとんど気にならず,各楽器の音が明瞭かつ分離良く聴こえますし,質感も良好,弦楽器と管楽器のバランスも絶妙に取れています。フォルテシモでも弦楽器がかき消されてしまうようなこともありません。近年の全体の響きの自然さを優先する優秀録音に比べると,より各楽器にフォーカスしやや誇張された感じがしますが,録音で聴く場合はこれくらいがちょうど良くとても気分良く聴くことが出来ます。低域のレンジ感はやや控えめに感じますが,中高域に被って聴きづらくなるようなことがなくかえって好ましく思います。

オーディオ品質では近年のきめ細かな録音には及ばないかもしれませんが,年代相応であり決して悪くなくまったく問題ありません。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(久保田巧)

cover picture
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集
久保田巧 Takumi Kubota (Violin)
2002年3月19-21日 山形・余目町文化創造館 響ホール
OVCL-00119 (P)(C)2003 Octavia Records Inc. (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
cover picture
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ集
バッハ:無伴奏フルート・パルティータBWV1013(ヴァイオリン編)
久保田巧 Takumi Kubota (Violin)
2004年3月23-25日 山形・余目町文化創造館 響ホール
OVCL-00181 (P)(C)2004 Octavia Records Inc. (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
バッハ無伴奏ヴァイオリンの全集をいろいろと聴いてきましたが,現時点で演奏・録音のトータルで最も気に入っているのがこの久保田巧さんの全集です。すでに「CD試聴記」にてレビューをしていますので参考にしていただければと思います(CD試聴記全体の中では高い評価に見えませんが...(^^;)。

改めて聴いてみて,慎ましく控えめながら静かに気持ちが込められていて,じわっと感動がこみ上げてくる好演奏だと再認識しました。技術も確かです。音色も大変美しいです。

録音は,響きを伴っていながらも久保田さんのニュアンス豊かな音色を克明に伝えてくれる好録音であり,オーディオ品質も高い優秀録音です。発売以来,オーディオ機器の音を確認するためのリファレンス音源としても聴き続けています。パルティータ集の方が響きが多めでわずかに劣ります。

好演奏かつ好録音かつ優秀録音の素晴らしい全集だと思うのですが,Web上ではほとんどレビュー記事を見かけないですね。本当に不思議ですが,あまり自己主張しないどちらかといえば地味な演奏なので受けが良くないのかもしれません(それとも値段が高いから?...)。もっと評価されて良いと思うのですが。

モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」(ハーゲン四重奏団)※DVD

cover picture
モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドンセット」
ハーゲン四重奏団 Hagen Quartet
26 January 1998, Mozarteum (Grosser Saal), Vienna
medici arts 2072328 (C)1998 Unitel (C)2008 EuroArts (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ハーゲン四重奏団のモーツァルト:ハイドンセットのCDは以前このブログで取り上げていました(→2009年11月12日の記事)。収録年からしてちょうどその当時のライヴ映像です。演奏の傾向は当然変わらずキレの良い現代的で流麗な演奏が素晴らしいのですが,何よりその演奏が映像として鑑賞できるのがうれしいですね。ライヴなのでセッション録音のCDに比べると少し音質の透明感やなめらかさといったオーディオ的な品質は劣りますが,それでも悪くありません。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(和波孝禧)※新録音

cover picture
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
和波孝禧 Takayoshi Wanami
2001年4月13-14日,6月15-16日 三重県総合文化センター大ホール
LiveNotes WWCC-7689~90 (P)2011 Nami Records (国内盤)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
和波孝禧さんの2回目の録音。HMV Onlineのページで旧録音の再発売のような扱い(「その他のバージョン」に旧録音へのリンクがある)だったのでてっきり再発売かと勘違いしていました。でも間違いなく新録音です。後日レビューしたいと思います。

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」,第100番「軍隊」,第101番「時計」(ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

cover picture
ハイドン:交響曲第94番[驚愕],第100番[軍隊],第101番[時計]
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1981年9月,1982年1月,2月 ベルリン
UCCG-5087 (P)1982 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
今更なぜカラヤンのハイドンを聴いてみようと思ったのか思い出せないのですが,昨年の秋くらいに手に入れていました。その後聴けていなかったのですが,今聴いてみて,なかなか良いではないですか! と思ってこのレビューを書いています。

気に入ったのはその「サウンド」と言っていいです。録音が私好みというのが主な理由になると思います。弦楽器の分厚い響きを質感よく捉えていて非常に気持ちが良いのです。残響もそれなりに入っていて好録音と胸を張って言えるかどうかは微妙なのですが,なんせ好きなのですよ,この頃のカラヤンの録音が...

演奏はというと,昨今のピリオドアプローチを聴き慣れた耳で聴くとやっぱりちょっと旧世代的と思うのですが,大オーケストラを推進力をもってドライブしているのが痛快なのです。今時もうこういう演奏をする人はいないのではないかと思いますし,現代の演奏から見て単純に古いアプローチだと切り捨ててしまいそうになります。しかし冷静に考えて,一流の指揮者と一流のオーケストラが当時最良と思われるアプローチで臨んだ一流の演奏であることは間違いと思いますし,今の演奏と比べると相対的なに価値は下がっているかもしれませんが,絶対的な音楽的価値は不変で質の高い音楽であることには変わりないと思います。先入観にとらわれることなくこういう演奏も素直になって聴き直していきたいと思った次第です。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(ゴールドナー弦楽四重奏団)

cover picture
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
ゴールドナー弦楽四重奏団 Goldner String Quartet
2004年8月9日~9月5日 シドニー・コンセルバトワール内 ヴァーブルゲン・ホール
476 3541 (P)(C)2009 ABC Classics (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp
ゴールドナー弦楽四重奏団はオーストラリアの団体。名前も聞いたことのない四重奏団でしたが怖いもの見たさで聴いてみました(^^;。で,演奏はというと,まだあまり聴き込んではいないのですが,拍子抜けするくらい普通に良いのです。というかむしろすごく上手くて驚きました(失礼...(^^;)。技術的にも安定感が高くアンサンブルも隙がありません。音楽的にもよく練られ充実していて立派に思いました。

録音ですが,ライヴ録音ながらセッション録音のような音作りです。残響が多めでホールの雰囲気が感じられるのは良いのですが,響きが楽器音にまとわりついてやや鬱陶しく感じられ,明瞭感や音色も損なわれているので私としてはあまり好ましいとは思いません。もう少し明瞭にすっきりと録ってほしいところです。

なお,各曲の最後に拍手が入っています。

ハイドン:弦楽四重奏曲集作品76「エルデーディ四重奏曲」より「五度」「皇帝」「日の出」(ライプツィヒ弦楽四重奏団)

cover picture
ハイドン:弦楽四重奏曲集作品76「エルデーディ四重奏曲」より「五度」「皇帝」「日の出」
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
2009年11月4~6日 マリエンミュンスター修道院
MDG 307 1683-2 (P)(C)2011 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ライプツィヒ四重奏団は,ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者による四重奏団で,現在ハイドン弦楽四重奏曲全集が進行中,これが第3弾ということです。

演奏は流麗で香り高く上品。アクセントを抑制したなめらかな旋律が心地よく響きます。しかもそれでいて小気味よさを失っていません。強い個性があるわけではありませんが,これはなかなかいいですね。全集に向けた今後の録音が楽しみです。

録音ですが,残響の楽器音への被りがやや多く明瞭感と音色が少し損なわれています。残響の質もあまり良いとは思いません。それでも何とか高域の伸びが確保されて曇った感じは少ないので何とか許容範囲というところです。音自体はきめが細かくなめらかでオーディオ品質は良好です。残響が気にならない人には良い録音かもしれません。まあそんなに悪くはないのですが,私としてはもう少し残響を抑えてすっきりと明瞭に録って欲しかったと少し残念に思います。演奏が上質なだけに...う~ん,もったいない...

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ジョセフ・リン)

cover picture
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番,第6番
2005年1月25-28日 魚沼市小出郷文化会館(新潟県)
(a) NF63001 (P)(C)2005 N&F Co., Ltd. Tokyo (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazaon.co.jpTower Records
cover picture
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番,第4番
2008年2月8-10日 すみだトリフォニーホール(東京)
(b) NF53002 (P)(C)2007 N&F Co., Ltd. Tokyo (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
cover picture
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,第5番
2009年6月1-3日 所沢市民文化センター ミューズアークホール(埼玉)
(c) NF23003 (P)(C)2011 N&F Co., Ltd. Tokyo (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineTower Records
ジョセフ・リン(Joseph Lin 林 以信)(Violin)

CD試聴記」からの転載記事です。“Bach & Ysaÿe”という企画でイザイの無伴奏ヴァイオリンソナタとともに録音が進められ,バッハ無伴奏ヴァイオリン全曲が揃い完結しましたので,全集扱いに格上げしました。(b)は一度2009年9月12日のエントリーで取り上げていました。こちらも録音に関してコメントしていますのでご参照いただければと思います。

ジョセフ・リン氏は台湾系アメリカ人。2011年からはジュリアード音楽院で後進の指導にあたるとともに,なんと2011年よりジュリアード弦楽四重奏団の第一ヴァイオリン奏者としても活躍しているとのことです(知りませんでした)。

深い色合い持たせながら決して嫌みにならないヴィブラートや,連綿と美しい音を紡ぎ出していく吸い付くようなボウイングなど,その技術力の高さには感嘆します。情に訴えるようにひたすら熱く高揚しながらも,一方で,流されることなく着実に音楽を組み上げていくしたたかさも感じます。表現自体はどちらかといえばモダン楽器によるオーソドックスな路線上にありますが,数多の演奏に埋もれない,光るものがあります。モダン楽器の表現力の素晴らしさを改めて実感させてくれる秀演です。

なお,時折装飾音符が入ったり,曲の終わりを軽く編曲したり(ソナタ第二番アレグロ)していますが,私には単に曲の流れを乱しているようにしか聴こえず,この点に関しては残念ながら消化し切れていない印象を受けます。こういうところに走らずとも,自分の音楽を聴かせる十分な力量があると思うのですが。

録音ですが,(a)(b)(c)でそれぞれ収録会場が異なるために残響の質が少しずつ異なりますが,概ね違和感のない範囲で統一されています。それぞれ残響を多めに取り入れた録音で,響きの減衰がスムーズで美しく心地よいものであり,残響の質はかなり良いと思います。楽器音も伸びがあり,解像感が高く,オーディオ的にも優れていますが,少し距離感があり,残響の被りがやや多めでその音色への影響を免れていません。残響の許容できる方には優秀録音と言えるかもしれませんが,私としては,解像感があるとはいえ,音色への影響,楽器音へのまとわりつきが許容し難いです(なのでちょっと厳しいと思いましたが好録音度は三つ星半です)。もう少し直接音比率を高くして欲しかったと思います。また,わずかながら空調ノイズのような「ゴーッ」というような低域のノイズが入っており,密閉型のヘッドホンでは少し鬱陶しく感じられます。

(a)の解説書では,録音に関して次のようなコメントが記載されています。

「ホールの自然なアンビエンスの中に定位する,演奏者の大きさと位置は,左右のスピーカーに対してまことに適切で,録音側の意図的なアレンジやオーディオファイル受けしそうな,これ見よがしなHiFiテイストは一切感じられない。これはfine NFの録音に一貫した特色だが,このディスクにはたぐい稀な透明感,ストレスのない音の伸びに加え,普通演奏者にしか聴くことのできないと思える,奏法,運指が見えるかのような臨場感に圧倒される。」
- 解説書の澤田龍一氏(マランツ音質担当マネージャ)のコメントより

一部あてつけのような記述がありますが(^^;,「奏法,運指が見える」かどうかはともかく,この録音の特徴を的確に言い表していると思います。

ディスクは,(a)と(b)はSACDハイブリッドのみ(たっ,高い!!),(c)は通常CDのほかにシングルレイヤーSACD(→Tower Records),さらになんとガラスCD(→Tower Records)まであるようです。

チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71全曲,他(アンタル・ドラティ指揮/ロンドン交響楽団)

cover picture
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71全曲
チャイコフスキー:弦楽セレナーデハ長調作品48(*)
アンタル・ドラティ指揮
ロンドン交響楽団/フィルハーモニア・フンガリカ(*)
Recorded: 7/1962, Great Britain; 6/1958, Austria(*)
432 750-2 (P)1991 Mercury (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
先日プレトニョフ盤を取り上げましたが,このドラティ盤を持っていることをすっかり忘れていました(^^;。

ケース裏の紙に“An Original Stereophonic 35mm Magnetic Film Recording”と記載されています。これがどういうものかよく知らないのですが,映画のフィルムと同期して再生するための35mmの磁気テープに録音されたものではないかと思われます(自信なし...)。1962年の録音ということもあってか,音は少し歪みっぽいというか粗いというか,少しザラザラした感じがします。残念ながらオーディオ品質的にはあまり良くありません。ただし,音質のバランスはまずまず良好で音色の色づきも少なく自然で好感が持てます。

そして何といっても音の捉え方がいいのです。残響を抑え,各楽器を極めて明瞭に分離良くすっきりと録っています。全体としての不自然さはあるかもしれませんが,それぞれの楽器が見通しよく聴こえてくる快感がこの録音にはあります。こういう録音は今ではすっかり廃れてしまいました。でも私はやっぱり,もやもやした自然な録音よりくっきりすっきりした不自然な録音を採りたいです。音楽は何よりまず音そのものが命だと思うからです。

さて演奏ですが,男性的というか威勢の良さが前面に出ていて,可愛らしさや情緒的なところがあまり感じられません。ツボにはまる曲もあるのですが,もうちょっと表情豊かにやって欲しいと思うところが多いです。まるでやっつけ仕事をこなしているようにも聴こえてしまいます(決してそんなことはないと思うのですが)。オーケストラも何とか指揮者の棒についていっているという感じで余裕がなく,せかせかとした音楽になってしまっています。

好録音なのですが,オーディオ品質的の粗さと演奏の違和感があって忘れ去ってしまっていたのではないかと思います。なお,ドラティは後にコンセルトヘボウ管弦楽団と全曲の再録音をしています。こちらは未聴です。

弦楽セレナーデは,フィルハーモニア・フンガリカのアンサンブルの粗さが気になってあまり楽しめませんでした。好きな曲なのですが...

バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番,パルティータ第1番,第2番,第3番(マリー・カンタグリル)

cover picture
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
Recorded at the Saint-Serge Church, Angers, France
(a) Art & Musique Ref. AB1/1 (P)(C)2009 ABP Musique Classique Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★
cover picture
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番
Recorded at the Saint-Serge Church, Angers, France
(b) Art & Musique Ref. AB1/2 (P)(C)2011 ABP Musique Classique Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★
マリー・カンタグリル(Marie Cantagrill)(Violin)
参考: 公式Webサイト,Amazon.co.jp(a),Amazon.fr(a) (b)

CD試聴記」からの転載記事です。すでに(a)を2010年2月18日のエントリーで取り上げていましたが,(b)が発売されましたので追記し再掲します。

遅めのテンポでじっくりと演奏されています。特にパルティータ第二番。シャコンヌだけでほぼ18分,パルティータ第二番全体で約37分あります。リピートは省略されていません。特に大きな特徴を持っているわけではありませんが,真摯で丁寧な演奏が心を打ちます。技術的にも全く不安のない演奏です。

録音ですが,教会での録音なので,残響はかなり取り込まれていますが,直接音も大切にされているため,これだけの残響の量の割にはまずまずかなと思います。もちろん私の好きな録音の仕方ではありませんが。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番,モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番,他(ハーゲン四重奏団)

cover picture
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番作品59-2
モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番K.428
ヴェーベルン:弦楽四重奏のための5つの楽章作品5
ヴェーベルン:弦楽四重奏のための6つのバガテル作品9
ハーゲン四重奏団
Recording: V. & XII. 2010, Siemens-Villa Berlin
MYR006 (P)2010 (C)2011 myrios classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

ハーゲン四重奏団結成30周年記念アルバム。これまでずっとドイツ・グラモフォンに録音を残してきましたが,この節目でミリオスというマイナーレーベルを選択したということです。ジャケット写真を見る限りまだまだ若々しい彼らですが,もうすでに30年ものキャリアを積んだベテランということに改めて驚きを感じています。

さてこのディスクですが,ベートーヴェンは彼ららしい切れ味の鋭いダイナミックな表現が素晴らしい演奏と思いましたが,モーツァルトは残念ながら最後まで聴き通すことが出来ませんでした。とにかく「ため」が多いのです。そのため,聴いていても心の中で刻むリズムが乱され息苦しくなってくるのです。これは以前,西山まりえさんのゴルトベルク変奏曲で「まさかゴルトベルク変奏曲を聴いて苦痛を強いられるとは思いもしませんでした。」と書いたのと全く同じです(→その記事はこちら「CD試聴記 編集日録2008年3月16日」)。HMV OnlineAmazon.co.jpでのユーザーの批評を見ても賛否両論ですが,このモーツァルトに関しては残念ながら「否」でした。(ヴェーベルンは守備範囲外なのでコメントを避けておきます(^^;)

ベートーヴェンを聴く限りは彼らの新境地に期待を持てるのですが,モーツァルトを聴くと,いったい彼らはどんな方向に向いて行ってしまうのか心配になってしまいます。新しいチャレンジはどんどんして欲しいのですが,くれぐれも変な方向には行かないでくれと願わずにいられません。

さて録音ですが,少し残響感があり楽器音へのまとわりつきが気になるものの,彼らのキレの良い演奏をシャープに明瞭に録っていて好感が持てます。高域の伸びもありヌケも良く音色も自然,優秀録音と言えるかもしれません(優秀録音として雑誌にも取り上げられていました)。私としては不満がないわけではありませんが,これなら十分に納得できます。

ヘッドホン Sennheiser PX200-II のレビュー

picture
CD試聴記」のWebサイトのオーディオ製品試用記ヘッドホン Sennheiser PX200-II のレビューを載せました。

参考: Amazon.co.jp (Blackモデル) (Whiteモデル)

以下,転載します。参考になれば幸いです。


ケーブル1.2m 片出し,プラグ ストレート,32Ω,ボリュームコントロール付き

密閉型で耳載せタイプのコンパクトなヘッドホン。 発売は2010年3月。 2012年1月現在の実売価格約8,000円。 ゼンハイザーとしては初級クラスの製品だと思います。

金属製のヘッドバンドで折りたたみ構造を採用していてコンパクトに収納できるのが特徴です。 相変わらずゼンハイザーらしくやや安っぽい感じですが,価格相応とも言えます。 イヤーパッドは厚めで薄い人工皮革で覆われています。 耳に載せる部分が小さいですが,載せた感じは悪くなく良くフィットして密閉が保たれます。 ケーブルは細めですがポータブルとしてはこれくらいがちょうど良い感じです。 音量調整用のボリュームコントロールが付いています。 操作部がやや大きくて邪魔ですが,操作性は悪くありません。

装着感はまずまず良好です。 側圧も適正で長時間使用しても疲れにくいです。

肝心の音ですが... 全体としてはフラットに近い癖のない音質ですが,低域寄りのチューニングのため相対的に中高域が弱く感じられます。 そのため素直ながらやや音に艶がなくまたスカッとしたヌケの良さが感じられません。 一方で解像感はかなりあり細かい音まで明瞭に聴こえます。 低域もこのサイズにしては伸びている方だと思います。

ということで,私としては相対的に高域が弱いことによるヌケの悪さが不満で,残念ながら常用にまでは至りませんでした。 装着感と使い勝手が良かっただけに残念です。

タグ: [ヘッドホン] 

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(安田謙一郎)CD復刻盤

cover picture
バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
安田謙一郎 (Ken Yasuda)(Cello)
1975年2月4-6日(Nos.1, 2),1975年4月8-10日(Nos.3, 4),1975年4月17-18(No.5),1975年7月23-24日(No.6) 埼玉県川口市民会館ホール
DENON COCO-73263-4 (P)2011 NIPPON COLUMBIA CO., LTD.
好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
2009年8月6日のエントリーで友人のご厚意で聴かせていただいたアナログ盤の紹介をしました。「復刻を期待!」と書きましたが,昨年末にDENONのクレスト1000シリーズで待望の復刻となりました! DENONさん,有り難うございます。(って,別に私がリクエストしたからではないと思いますが(^^;)

アナログ盤の紹介時に録音評価を五つ星の最高点としていました。CD復刻されたものを改めて聴いてみて,五つ星はちょっと大げさに付けすぎたかなと思いましたが,ある意味やはり好録音を代表するような録音と言えますので,あえてそのまま五つ星にしておきます。優秀録音として付けているのではないという点をご理解いただきたくお願い致します。

1975年の録音ですが,PCM DIGITALの記載があります。デジタル録音の最初期のものではないかと思います。オーディオ品質的には1975年の録音としては少しきめが粗い感じがします。また,ホールで録音したにしては若干環境ノイズが多めに感じられます。しかし,ほんのわずかに残響を伴っているものの,適度な距離感で明瞭に,細かいニュアンスまでも克明に記録されており,やはり音の捉え方としては申し分ないと思います。

演奏については「CD試聴記」にてコメントしていますので,そちらをご参照ください。

とにかくこの素晴らしいバッハ演奏がCDで復刻されたことを喜びたいと思います。

チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71全曲(ミハイル・プレトニョフ指揮/ロシア・ナショナル管弦楽団)

cover picture
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71全曲
ミハイル・プレトニョフ指揮/ロシア・ナショナル管弦楽団
Moscow, Mosfilm Recording Studios, Studio 1, 3/2011
ODE 1180-2D (P)(C)2011 Ondine Oy, Helsinki (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
チャイコフスキーのくるみ割り人形は好きな曲で,作品71aの組曲版はショルティ/シカゴ交響楽団メータ指揮/イスラエル・フィルの演奏が気に入っていてよく聴きます。全曲版はプレヴィン指揮/ロイヤル・フィルのものを持っているのですが,今ひとつ好きになれずお蔵入りしていました(同じプレヴィン指揮でロンドン・フィル交響楽団のものもあるのに今気がつきました(^^;)。

録音が良さそうなものをずっと探していたのですが,なかなか買えずにいたところ,何かで録音がよいとの記事を読み(何か忘れてしまいました...)手に入れて聴いてみたところ,これがなかなか良かったのでここに取り上げることにしました。

残響が少しあるのですが,すっきりと見通しよく録られており,それぞれの楽器の質感も良好なところが気に入りました。まだ十分に聴けていないので一旦四つ星にしていますが,もう少し良い評価を付けても良いかも,と思っています。

演奏も楽しくかつダイナミックで躍動的で気に入りました。もう少しじっくりと聴き込んでいきたいと思っています。

タグ: [管弦楽曲] 

ドヴォルザーク:交響曲第8番,第9番「新世界より」(ラファエル・クーベリック指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

cover picture
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88
ドヴォルザーク:交響曲第9番ハ短調作品95「新世界より」
ラファエル・クーベリック指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1966年6月(第8番),1972年6月(第9番) イエス・キリスト教会
447 412-2 (P)1966,1973 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
9つのオーケストラを指揮したベートーヴェン交響曲全集がすごく良かったので,このドヴォルザークもぜひ聴いてみたいと思い手に入れて聴いてみました。最初はベルリン・フィルというじゃじゃ馬を自由に暴れ回らせているという印象だったのですが,実際にはしっかりと手綱を引き締めてコントロールしてダイナミックながらきっちりと締まった音楽を作り上げていることがわかりました。ドヴォルザークらしくないかもしれませんが,これは気に入りました。

録音ですが,残響が多めなので私の好みとは方向がちょっと違うのですが,この頃のDGらしく弦楽器を質感よく捉えているため印象がかなり良いです。1966年録音の第8番はやや音質が粗いのが残念ですが,十分に我慢の範囲です。ベートーヴェン交響曲全集よりも総合的にわずかに良いと思いました。

好きなドヴォルザークの交響曲第8番に,またお気に入りのCDが一つ加わりそうです。

タグ: [交響曲] 

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

ブログを開設してから約2年半になりますが,非常に多くの方々にアクセスをいただくようになり,大変感謝しております。皆様のアクセスを励みにこれからも続けていきたいと思います。姉妹サイトの「CD試聴記」ともどもどうぞよろしくお願い申し上げます。