バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ブルーノ・ジュランナ編 弦楽三重奏版)(トリオ・ブロズ)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ジュランナ編 弦楽三重奏版)
トリオ・ブロズ Trio Broz
Recorded live in the Orsanmichele Church in Florence on 10th March 2008
Velut Luna cvld 170 (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpAmazon.co.uk
弦楽三重奏版への編曲ですが,シトコヴェツキー編曲ではなく,ブルーノ・ジュランナ(Bruno Giuranna)という人の編曲です。解説では世界初録音と書いてあります。しかし,私にはどこがシトコヴェツキー編曲版と違うのか明確にはわかりませんでした。もちろん細かいところでは違うのでしょうけど。ただ,解説書でもシトコヴェツキー編曲版のことには全く触れられていないようで,ここまで酷似していながら何も触れられていないことにちょっと違和感を感じたので...

ということはさておき,演奏は至って真面目,そつなくアンサンブルをこなしていてなかなか良いのですが,やや表情が堅く変化に乏しいので面白味という点では今一歩という気がします。リピートは気がついた範囲ではすべて行われているようでしたので,この点は好感を持ちました。

トリオ・ブロズはブロズ兄妹とのことです。

録音ですが,比較的近接で捉えられていて明瞭感はあるのですが,楽器音を濁す初期反射音が強めなのがマイナスです。基本的には悪くないので惜しいと思います。

試聴: iTunes Store(iTunesが必要です)

ベートーヴェン:交響曲全集(クリスティアン・ティーレマン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
クリスティアン・ティーレマン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2008年12月~2010年4月 ウィーン,ムジークフェラインザール
88697927172 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
これは旧世代の延長線上にある演奏ですね。多くの方がレビューで書かれている通りです。モダンオーケストラを重厚に鳴らして壮麗なベートーヴェンを築いています。巨匠的節回しとでも言いましょうか,テンポの変化が随所に出てくるのでこのあたりはあまり好きになれないのですが,オーケストラの鳴らし方は聴いていて懐かしくなるとともに安心感があります。ピリオド的なスタイルを取り入れて軽妙で躍動感のある演奏が席巻する昨今において,そんな流れに動じず旧来の重厚なドイツ的スタイルを貫く姿勢は立派です。

録音ですが,ライヴ録音としてはかなりバランス良く整っていると思います。弦楽器の質感も悪くありません。大オーケストラの鳴りっぷりをよく捉えていると思います。私としてはもう少し各楽器に寄ってそれぞれの質感を強めに出していればなお良かったと思うのですが。ほんのわずかですがヌケの悪さも感じられます。どことなく平板で立体感にも欠けます。惜しい録音です。なお,ライヴ録音で曲間などで観衆のざわめきなども聞こえますが,拍手はカットされています。

あと,この布張りのケース,非常に立派なのですが,裏の印刷も細かい文字がつぶれて全く読めませんし,盤も取り出しにくく,これはいただけません。大きさも若干大きめで収まりが悪いです。普通の薄いボックスにして欲しかったです。

タグ: [交響曲] 

ギタリスト トミー・エマニュエルの新しいYouTube動画

オーストラリアのギタリスト,トミー・エマニュエル(Tommy Emmanuel)の新しい(といってもそんなにあたらしくもないのですが(^^;)YouTube動画がありました。本人のアカウントからアップされたと思われます。品質の高い動画は本当にうれしいですね。

大好きな曲の一つ,“Harfway Home”。


その他にもこのシリーズで計5本の動画がアップされていました。

Tommy Emmanuel - Halfway Home →これは上記の動画
Tommy Emmanuel - Close To You →カーペンターズの名曲ですね
Tommy Emmanuel - Classical Gas
Tommy Emmanuel - Lewis & Clark
Tommy Emmanuel - Train to Dusseldorf

タグ: [ギター]  [YouTube] 

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番,第5番「皇帝」(総勢21名,初演時の編成による)(アルテュール・スホーンデルヴィルト/クリストフォーリ)

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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番,第5番「皇帝」
(総勢21名,初演時の編成による)

アルテュール・スホーンデルヴィルト (Pianoforte)
アンサンブル・クリストフォーリ
2004年9月 フレンデンブルフ音楽センター,ユトレヒト
ALPHA 079 (P)2004 (C)2005 Alpha (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

最初,室内楽編曲版かと思ったら,管楽器はフル編成にもかかわらず弦楽器は(1-1-2-2-1)というなんともいびつな編成。なんでこんな変な編成でやるのかと思って聴いていたのですが,Tower Recordsに載っている解説によると,これが初演時の編成だという(詳しくはそちらをご参照下さい)。

今まで聴いたことのない演奏であることは間違いありませんが,どうしても全体の音響が管楽器中心になり,弦楽器は貧弱,これがたとえ初演時の編成であり,当時は別に何ら不足と見なされなかったとしても,私にはどうしても馴染むことが出来ませんでした。どちらかといえば第4番はまだ聴けます。第5番はティンパニーなども活躍しますがこれがやかましくて聴いていられません。HMV OnlineAmazon.co.jpTower Recordsのユーザーレビューでは大好評で否定的意見は見られませんが...

そして録音ですが,カフェ・ツィマーマンのバッハ協奏曲集の録音が素晴らしかったAlphaレーベルなので期待していたのですが,残響が多めであり,しかも第5番は飽和気味でとても良いと思えませんでした。やかましく感じられたのはこのせいかもしれません。

私にとってはいろんな意味で残念なディスクでした...

タグ: [協奏曲]  [ピアノ] 

ベートーヴェン:交響曲全集(ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド指揮/ネザーランド交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド指揮/ネザーランド交響楽団
録音:2008年6月~2011年7月
CC72550 (P)(C)2012 Challenge Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineTower Records
非常に歯切れの良い演奏。それでいて実は至極オーソドックスに思います。私がこの演奏で一番気に入っているのはそのリズム感。いわゆる「ため」がほとんどなく,クラシック音楽らしからぬビートが感じられるように思うのです。ノリから程遠い演奏が大半を占めるクラシック音楽においてこの演奏は貴重。しかしキレはあるけどコクがないと思われる方もおられるかもしれません。でも私はこういうのを待っていました。うれしいですねぇ。オーケストラもよく鍛え上げられていますし。

録音ですが,やや残響が多めで明らかに明瞭感に影響が出ていますので私の好みではありませんが,音色は悪くなく,総合的にみてもそれほど悪くなくまあ許容範囲に入ります。しかし,この演奏ならもっと見通しの良い明瞭ですっきりとした録音にすべきだと思います。残念です。

タグ: [交響曲] 

トリーナ(トリーナ・ニ・ゴーナル)

cover picture (a) cover picture (b)

トリーナ Tríona
トリーナ・ニ・ゴーナル Tríona ní Dhomhnaill
(a) GLCD-3034 (P)(C)1984 Green Linnet Records (輸入盤)
(b) CEFCD034 (P)1975 (C)2009 Gael Linn (輸入盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

のちにボシーバンドやナイトノイズのメンバーとして活躍するトリーナ・ニ・ゴーナルが1975年に発表したアルバム。このアルバムの素晴らしさについてもCD試聴記ナイトノイズのページで述べていますので,ご参照いただければうれしく思います。

2009年にデジタル・リマスター盤(b)が発売されていることに気がつき手に入れました。音の鮮度が向上し,より自然な音色になっていました。少し帯域バランスが高域寄りになり軽い感じになっているのは微妙なところです。

それにしてもこのトリーナの若々しく張りのある歌声はいいですなぁ...最後の曲でのミホールのギターのアルペジオも泣かせるし...

YouTubeに2曲目に収められている独唱曲“Na Gamhna Geala”がアップされていました(→YouTube)。

試聴: iTunes Store(iTunesが必要です)

バイノーラル・マイクロフォンでヘッドホンの測定を試みる(その2)

その1に引き続き,同じく愛用のゼンハイザーHD580の特性を測定してみました。測定方法はその1と同じです。青線がLch,赤線がRchです。

sennheiser_hd580_01.png

4kHzを越えるあたりまで素直な良い特性をしています。それ以上の帯域では急にピークディップが激しくなります。大人しい印象を受けるのは4kHz以下のフラットな特性とそれ以上の帯域のレベルの低下にあると思われます。聴いた印象と特性がそれなりに合っているように思います。

測定に使用した信号は,20Hz~22.05kHzのリニアスイープ信号で,スイープ時間は1分です。分析側は,FFTのサンプル数2048(Hanning窓)です。この方法で測定する場合は,スイープは対数ではなくリニアでなければならないところに注意が必要です(あらかじめ入力信号自体の特性を同じ方法で測定してフラットな特性が得られることを確認しておいた方が良いです)。

タグ: [ヘッドホン] 

バイノーラル・マイクロフォンでヘッドホンの測定を試みる(その1)

私はヘッドホンやイヤホンが好きなので以前よりいろいろと試してきました。そして常々何とかして特性が測定出来ないものかと思っていたのですが,ダミーヘッド以外の方法がなかなか思いつかず諦めていたのですが,あるサイトでバイノーラル録音用のマイクを使う方法が紹介されていたので,これは試してみる価値があると思い,トライしてみました。そのサイトではアドフォクス社のBME-200というモデルを使っていたのですが,高価なのと入手しにくかったのでどうしようかと迷っていたところ,ローランドからCS-10EMというもう少し安く入手しやすいものが出ていることがわかったので,これを使ってみました。

測定は次の構成で行っています。

音源
 (0)WaveGene(フリーソフト 20Hz~22.05kHzのスイープ信号を生成)

再生系
 (1)PC(スイープ信号を再生)
  ↓
 (2)USBヘッドホンアンプ
  ↓
 (3)被測定ヘッドホン

収録系
 (4)バイノーラル・マイクロフォン ローランドCS-10EM
  ↓
 (5)PCMレコーダ

分析
 (6)WaveSpectra(フリーソフト)

簡単に言うと,バイノーラル・マイクロフォンを耳に装着した上から被測定ヘッドホンを装着し,スイープ信号を被測定ヘッドホンで再生してバイノーラル・マイクロフォンで集音し,PCMレコーダで録音し,この録音データをPCで分析する,という方法です。

愛用のゼンハイザーHD25-1を試しに測定してみた結果を示します(赤線Rch,青線Lch)

Sennheiser_hd25-1_01.png

左右のレベルがだいぶ違いますが,本当にこれだけ差があるのか,マイクロフォン側の問題なのか,装着具合が影響しているのかはまだはっきりとわかっていませんが,少なくとも装着具合をちょっと変えると結果もかなり変わってくることがわかっています。

マイクの位置が実際の耳(鼓膜)の位置と異なることや,マイクを装着することによりヘッドホンの前室空間の容積が変わったりと,実際に聴いている音とは特性が異なるであろうと思われますが,一つの参考データにはなるのではないかと思っています。まだ始めたばかりですので,もう少しノウハウを積み上げて安定したデータが取れるようにしたいと思います。

次回(いつになることやら...),測定方法をもう少し詳しく解説したいと思います。

参考: ローランド CS-10EMAmazon.co.jp

ヘッドホンの測定方法として,実際に耳で聞きながら特性を取るという画期的な方法を提案し,実践されている方がおられました(→「さかな君もびっくり、「ギョギョ」っと驚くヘッドホンの聴感・周波数特性」)。おぉ,これならイヤホンもヘッドホンも同じ基準で測定できるぞ!と思って試してみたのですが,周波数が異なる音のレベルを合わせるのが思ったよりも難しく,私の耳では試行毎にものすごい誤差が出ることがわかったので,残念ながらこの方法は断念しました。イヤホンを測定する方法も今後考えてみたいと思います。

タグ: [ヘッドホン] 

Have You Ever Been...? (Turtle Island Quartet)

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Have You Ever Been...?
Turtle Island Quartet
TEL-32094-02 (P)(C)2010 Telarc International (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Record
タートル・アイランド・カルテットが2010年に発表したアルバム。ロック・ギタリストのジミ・ヘンドリックスの曲をフィーチャーしています。ダロル・アンガーが参加しなくなってからジャズに傾きすぎてあまり聴かなくなったのですが,それでもいくつか聴きたくなる曲があります(例えば最後に収録されている“All Along the Watchtower”→マイク・マーシャルがマンドセロ(でかいマンドリン)で参加)。

YouTubeに動画がアップされていたので載せておきます(マイク・マーシャルは参加していません)。



中央の二人が設立時のオリジナル・メンバーです。左がデヴィッド・バラクリシュナン(ヴァイオリン),右がマーク・サマー(チェロ)。マーク・サマーの上手さが際立っています。



これはマーク・サマーのソロ。



試聴: iTunes Storeicon(iTunesが必要です)

弦楽四重奏によるジミ・ヘンドリックスといえば,クロノス・クァルテットが演奏した「紫の煙」が有名ですが,比べてみると,スタンスが全然違いますねぇ(→YouTube)。

あと,こんな動画もあったので載せておきます。

タグ: [YouTube] 

スカラ・ブレイ Skara Brae

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スカラ・ブレイ Skara Brae
ミホール・オ・ドーナル Mícheál Ó Domhnaill
トリーナ・ニ・ゴーナル Tríona ní Dhomhnaill
モレート・ニ・ゴーナル Maighread Ní Dhomhnaill
ダヒー・スプロール Dáithí Sproule
TRCD0031 (CEFCD 031) (P)1971 (C)1998 Gael-Linn (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
のちにボシーバンドやナイトノイズのメンバーとして活躍するミホール・オ・ドーナル,トリーナ・ニ・ゴーナル兄妹が1970年に製作したアルバム(モレートも兄妹)。このアルバムの素晴らしさはCD試聴記ナイトノイズのページで述べたとおりです。このCDはだいぶ前に廃盤になったようなのですが,この2月に再発売されるという(しかも国内盤)。こんなマイナーな音楽が国内盤で発売されるとは驚きです(いったい何枚売れるんだろうか?って私が心配することじゃないですが(^^;)。

音楽も良いのですが,録音も良いのです。といっても単にスタジオで普通に録音しているだけなんですが。こんな普通に録っただけの録音をあえて「良い」と言わなければならないとは...

久しぶりに聴いてみて改めてこのアルバムの良さをかみしめました。解説書によると,彼らが大学生?のときに半日で録音されたという。それでこの完成度の高さ。驚きです。

試聴: iTunes Storeicon(iTunesが必要です)

リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラかく語りき,他(ピエール・ブーレーズ指揮/シカゴ交響楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」作品30
マーラー:祭礼(交響曲第2番第1楽章の初期稿)
ピエール・ブーレーズ指揮/シカゴ交響楽団
1996年12月 シカゴ
UCCG-2040(457 6492) (P)1998 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
確かにすっきりと淡々としすぎているかもしれません。こういうところは私は結構好きなのですが,弱奏部での音楽の緩み方が好きになれませんでした。録音も強奏部と弱奏部のコントラストが高すぎて平均音圧レベルが下がって聴き取りにくくなり,欲求不満になります。残響を抑えた明瞭感と透明感のある録音なのですが,この点で少し損をしていると思います。HMV Onlineのユーザーのコメントでもあまり良い評価ではありませんが,この録音も関係しているかもしれません。惜しいです。

タグ: [管弦楽曲] 

ライアーハープ?!

お気に入りのゴシック・ハーピスト,テレーズ・シュローダー・シェーカー(Therese Schroeder-Sheker)の動画を探していたのですが,肝心の彼女の演奏している動画は見つからなかったのですが,こんな動画を見つけました。



こんな楽器があるのですね。素朴で純粋で愛らしい素敵な音色に感激しました。なかなか微笑ましくてちょっと気に入ったので載せておきます。彼女にはテレーズ・シュローダー・シェーカーの"Credo of Ballymacoda"をこの楽器でぜひ弾いて欲しい,とリクエストしておきます(^^;。(こんな曲→YouTube

タグ: [YouTube] 

クルト・ザンデルリンクのベートーヴェン交響曲全集(タワーレコード企画盤)

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ベートーヴェン:交響曲全集
クリト・ザンデルリンク指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1981年録音
QIAG-5007 タワーレコード企画盤“Excellent Collection”
参考: Tower Records
タワーレコード頑張ってますねぇ。クルト・ザンデルリンクはシベリウス交響曲全集でも良い録音を残してくれました。3月16日発売とのこと,ぜひ聴いてみたいと思います。楽しみです。しかし,EMIレーベルというのが気になります...

タグ: [交響曲] 

エンジェルス四重奏団のハイドン:弦楽四重奏曲全集の再発売!

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ハイドン:弦楽四重奏曲全集
エンジェルス四重奏団 Angeles String Quartet
参考: HMV OnlineTower Records

エンジェルス四重奏団のハイドン弦楽四重奏曲全集は以前に取り上げました(2010年11月6日のエントリー)。録音はあまり感心しなかったものの,全集がこの価格(6~7,000円)で買えるのであればかなりお買い得ですね。

ドヴォルザーク:交響曲第8番(ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団)

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ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第10番,第3番
ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団
録音:1970年4月
TOCE-14012 (P)2007 EMIミュージック・ジャパン (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
言わずと知れた名盤中の名盤。と言いつつ,私は初めて聴くのでした。LPレコードの時代から聴いていたのはCBSソニー盤の方で,こちらの評判を聞きつつ,EMIの録音はなぁ...と手が出せずにいましたが,やっと手にしました。

で,その録音ですが,やっぱりEMIらしい音作りは気に入らないのですが,しかし,生録っぽい雰囲気が結構良かったりします。そして弦楽器主体にその鳴りっぷりを結構質感よく捉えているので,むしろ印象は良い方に傾きます。音楽が目一杯詰まっているような密度感もあります。EMIとしてはかなり良好と言えます。

私としては不満もありつつもこれなら十分我慢できる範囲です。こんなことならもっと早く手に入れるんだった...

タグ: [交響曲] 

パッセージ(ウィリアム・アッカーマン)

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パッセージ Passage
ウィリアム・アッカーマン William Ackerman
D22Y5213(WH-1014) (P)(C)1981 Windham Hill Records (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★
参考: 公式WebサイトAmazon.co.jp
ウィンダム・ヒル・レーベルの創始者,ウィリアム・アッカーマンの4枚目のアルバム。このアルバムには,最もシンプルで最も美しい彼の最高傑作「ブリックレイヤー家の美しい娘(The Bricklayer's Beautiful Daughter)」を始め,「無垢の心と誘惑の影(The Impending Death of the Virgin Spirit)」,「アンの詩(Anne's Song)」といった詩情豊かな彼の代表作が収められています。これらの曲は他のアルバムにも収録されていますが,このアルバムのテイクが最も純粋で完成度が高いように思います。彼のアルバムの中で最も気に入っている愛聴盤です。

私がアコースティック・ギターを聴くようになったきっかけを作ってくれた彼の2作目“It Takes A Year”にも「ブリックレイヤー家の美しい娘」や「無垢の心と誘惑の影」が収められていました。私にとってとても大切な曲です。

で,こともあろうかこの超名盤は国内では廃盤なのですね...

例によってYouTube映像をいくつか。音質も画質も良くありませんが,アッカーマンのギタープレイを見られるのはうれしいですね。

ブリックレイヤー家の美しい娘


無垢の心と誘惑の影(2:20くらいから始まります)


アンの詩

タグ: [愛聴盤]  [YouTube] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(和波孝禧)※新録音

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
和波孝禧 Takayoshi Wanami
2011年4月13-14日,6月15-16日 三重県総合文化センター大ホール
LiveNotes WWCC-7689~90 (P)2011 Nami Records (国内盤)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp, Tower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

演奏は厳しいのですが音楽は温かさに満ちています。あまり技術的にキレが良くないところがときどき気にはなりますが,この人柄がにじみ出たようなヒューマンな音楽に思わず聴き入ってしまいます。

和波さんは2000年から2006年頃までバロックヴァイオリンとバロック弓でバッハに取り組んでおられたということですが,再びモダン楽器に戻り,バロックヴァイオリンでの経験を活かしてこのバッハ演奏を組み立てられたとのことです。私にはどのようにそれがこの演奏に反映されているのかはよくわかりませんでしたが,何度も聴いているとそういったことを超えた音楽の力を感じるようになってきました。

この演奏を聴いていると,「音楽とどう向き合っているか?」と問われている気分になります。レコード芸術誌2012年2月号のこのディスクの記事でシゲティの演奏との共通点について触れられていましたが,私は上記のような意味でシゲティの演奏を思い浮かべていました。この演奏をどう思うかは聴き手の姿勢次第という気がします。

録音ですが,ホールの響きが少し多めに取り入れられていますが,楽器音が分離良く明瞭に録られていて細かいニュアンスまで聴き取ることが出来ます。音色も自然です。残響が取り入れられていてもこれならまあ納得できます。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集(アーロン・ローザンド/エイリーン・フリスラー)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
アーロン・ローザンド Aaron Rosand (Violin)
エイリーン・フリスラー Eileen Flissler (Piano)
録音:1961年
CDX3 3503 (P)(C)1995 THE VOX MUSIC GROUP (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpTower Records
この人の演奏を聴いていると「ヴィルトゥオーソ」という言葉が浮かんできます。私のこの感覚とこの言葉の定義が合っているかは自信がありませんが,とにかくそんな感じなのです(^^;。技術のキレの良さが前面に出る個性的な演奏ですが,嫌みがなくひたすら明るいのがいいですね。そういうところが好きです。

録音ですが,1961年の録音なのでクオリティは高くありませんし,音色も古臭いのですが,残響を控えめにして楽器の音をストレートに明瞭に捉えています。古臭いといっても高域は必要十分に出ていてヌケも悪くなく,何ら不満を感じません。

もう廃盤になってからかなり経つのか,あまり入手性が良くないのは残念なことです(入手困難ではないですが)。

試聴: iTunes Store (※注 iTunesのインストールが必要かもしれません)

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番,第2番(ミケランジェロ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番,第2番
ミケランジェロ弦楽四重奏団 Michelangelo string quartet
2007年4月 スイス,ラ・ショー・ド・フォン,リュール・ブリュ音楽堂
PC 10198 (P)(C)2008 PANCLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ミケランジェロ弦楽四重奏団はヴィオラの今井信子さんが参加する弦楽四重奏団で2002年結成,ヴァイオリンはミハエラ・マルティン,ステファン・ピカール,チェロはフランス・ヘルマーソンです。このディスクはベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集に向けての第一弾です。2012年2月現在,第二弾の第3番~第6番までが発売されています(→HMV Online)。

これはレコード芸術誌2008年度第46回レコード・アカデミー賞の「特別部門 録音」の受賞ディスクです。2011年度の受賞ディスクが最高に良かったので,過去の受賞ディスクも聴いてみたくなり,目にとまったのがこのディスクです。

それでその録音なのですが...う~ん,なんでこのディスクが選ばれたんだろう...と正直疑問に思ってしまいました。明らかに残響が優勢で本来の楽器の音色や質感を損なっているのですが... まあ確かにオーディオ品質面では優秀なのかもしれませんが,私が残響を嫌っていることを差し引いてもこれはちょっと納得いきませんねぇ。悪いということはないのですが,こういう録音が年間通しての最優秀として選ばれること自体が非常に残念に思います。

演奏自体はもちろん申し分ありません。それだけにこの録音は残念に思いました。中期・後期がこういう録音でないことを祈ります。

インナーイヤホン Sennheiser MX581 のレビュー

sennheiser_mx581.jpg
CD試聴記」のWebサイトのオーディオ製品試用記インナーイヤホン Sennheiser MX581 のレビューを載せました。

参考: Amazon.co.jp

★特性を測定してみました→「オープンタイプのインナーイヤー型イヤホンの特性測定を試みる(その3) Sennheiser MX581, MX371, MX271(2012/03/11)

以下,転載します。参考になれば幸いです。


ケーブル1.2m Y字,プラグL字型 金メッキ 16Ω,VOL付

2010年5月24日発売。 クラシックラインのMXシリーズの製品で,ゼンハイザーのラインアップの中では中級品でしょうか(2012年2月現在Amazon.co.jpで3,518円という価格)。 カナル型全盛の昨今では珍しくなったオープンタイプです。

さて音質ですが...これは驚きました! 全くと言っていいほど癖のないスーパーフラットな印象です。 それにしても高域の伸び感,透明感,解像度の高さは格別です。 こんなに音が輝くイヤホンは初めてかもしれません。 バランス的には中高域寄りで低域は弱めです。 弱いといってもオープンタイプとしては標準的で私としては必要十分ですが, かなり軽い音質なので低域不足で物足らなく思う人は多いかもしれません。

ハウジングがやや大きめで装着感はあまり良くありません。 ポロポロと耳から落ちてしまうのですが,イヤースリーブというゴムのリングが付属していて,これを付けると何とか落ち着くという感じです(このゴムリングに付いたほこりが落ちにくいのもちょっとマイナス)。ボリュームが付いていて,操作性は良好ですが,もう少し小さくして欲しかったところです。

ケーブルは柔らかく滑りも良いので絡みにくく取り扱いやすいです。 質感,手触りも良い感じです。 L字型のプラグのケーブルの根本のブッシュ形状のところが少しやわな感じがしますが,実際には問題なさそうです。

ということで,今のところ音質は大満足,取り扱いやすさも満足,装着感はちょっと不満,という評価です。 同じゼンハイザーのMX500が入手困難になってから代わりに常用できるイヤホンを探し続け, いくつか良さそうなものを見つけましたが,結局今はMX500に戻ってしまっていました。 このMX581は,久々にMX500の代替になるかも,という予感のする素性の良いモデルです。 もう少し使い続けて見たいと思います。 それにしても発売から1年以上経っているのに,このモデルについての評判はほとんどと言っていいほど見かけないですね。 こういうオープンタイプはもう顧みられないのでしょうかね...


上記の試聴はイヤースリーブというゴムリングを取り付けて行いました。このイヤホンには付属品としてウレタンスポンジのイヤーパッドも付属していますので,それでも試聴してみました。その結果,不足していた低域が持ち上がり,低域から高域まで極めてバランスの良い音になりました。これであれば弱いという感じはありません。このイヤホンはイヤーパッドを付けてちょうど良い感じになりそうです。

イヤーパッドを取り付けると低域が改善されるのは,耳とイヤホンとの隙間がイヤーパッドで塞がり,気密度が多少なりとも向上するからでしょう。

私はこのイヤーパッドがあまり好きではないので,付属していても使うことはありませんでした。汚れが気になることと,外れやすくすぐになくしてしまうからです。イヤーパッドがないとバランスが崩れてしまうというのは困ったことですが,ゴムリングでも音質には満足していますので,当面ゴムリングで聴こうと思っています。

なお,兄弟機種にMX471というモデルがあります。MX581からボリュームを外しただけ見えますが,ゼンハイザージャパンでスペックを見ると若干違うようです。音質がどう違うか,機会があれば聴いてみたいと思います(参考:Amazon.co.jp)。

(追記2012/02/05)

タグ: [ヘッドホン] 

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集(ジュリアーノ・カルミニョーラ/シャンゼリゼ管弦楽団)

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ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, イ長調 Hob VIIa:3,ト長調 Hob VIIa:4
ジュリアーノ・カルミニョーラ/シャンゼリゼ管弦楽団
2011年2月3日 グスタフ・マーラー・ザール
Archiv 477 8774 (P)(C)2012 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ピリオド楽器による演奏。ピッチはA=430Hz。切れ込みの鋭さと伸びやかな美音が素晴らしい躍動感あふれる秀演。ピリオド楽器ながらそれをことさら強調することのない自然な表現も好印象です。同曲の演奏の中でもトップクラスの出来と言えるのではないでしょうか。もう何も言うことはありません。

録音ですが,残響時間は長くありませんがまとわりつきが気になります。ただ,比較的オンマイクで楽器音が支配的,ボディ感たっぷりに太い音で録られているため印象は悪くありません。やや濃い録音ですが,この<力>のみなぎるサウンドは大変魅力的です。私の考える好録音とは少し方向性が異なりますが,これは良いと思います。オーディオクオリティも良好で優秀録音と言えるかもしれません。