シューベルト:交響曲全集(クラウディオ・アバド指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団)

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シューベルト:交響曲全集
クラウディオ・アバド指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
1986-87年 ウォトフォード・タウンホール,ウィーン・コンツェルトハウス
00289 477 8687 (P)1988 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
前回のブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデンに引き続き,今回はアバド/ヨーロッパ室内管弦楽団の全集です。HMV Onlineの解説によると,ベーレンライター版の録音ということです。ブロムシュテットの演奏よりもシャープでより現代的に洗練された演奏に聴こえました。ヨーロッパ室内管弦楽団らしい演奏と言えると思います。

録音ですが,残響が多めなのですが,音質のバランスとしては均整が取れていて,音色がくすんだり曇ったりせず,自然さが保たれ,比較的すっきりしています。私としてはやはりもう少し残響を抑えて見通しよくして欲しいと思うのですが,密度の高いサウンドは充実感があってまあ悪くはないかなと思いました。個々の楽器の質感もまずまず良好です。録音としてはブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデンよりもこちらの方が私の好みには合います。

同じ顔合わせによるハイドンの交響曲集も素晴らしかったのですが,この全集も気に入りました。シューベルトの交響曲は,ブロムシュテット盤とこの全集があれば満足できそうです。

シューベルト:交響曲全集(ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/シュターツカペレ・ドレスデン)

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シューベルト:交響曲全集
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/シュターツカペレ・ドレスデン
録音 1978-1981年 ドレスデン,ルカ教会
Berlin Classics 0300037BC (P)1982-1984 VEB Deutsche Schallplatten (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ブロムシュテットのリヒャルト・シュトラウスのエントリーで読者の方からご紹介いただいたシュターツカペレ・ドレスデンとのシューベルトの交響曲全集を聴いてみました。シューベルトの交響曲は今まであまり聴いてこなかったのですが(辛うじて未完成とグレイトは聴いていましたが),そんな私でもこの全集は素晴らしいと思いました。渋くて豊潤な弦楽器の響きが良いですね。それでいて音楽が毅然としていて揺るぎがありません。良い全集をご紹介いただきました。有り難うございました。

録音ですが,残響が多めで,そのためにややくすんだ印象を受けるのですが,それぞれの楽器の質感がよく感じられて悪くはないです。オーケストラの魅力を十分に伝えてくれる録音ではあると思います。こういう録音が好きな方もきっと多いことでしょう。もちろん私の好みからは外れますがその点は認めたいと思います。

ベラ・ベッツというブルーグラスのマンドリン奏者

ベラ・ベッツ(Bella Betts)というマンドリン奏者です。おそらく11歳。シエラ・ハルが弱冠10歳でブルーグラス界に知れ渡ったのと同じように,この娘も知れ渡っているのだろうか? シエラ・ハルがアリソン・クラウスに認められたように,このベラ・ベッツもシエラ・ハルやクリス・シーリーといった大物に認められ共演もしているようです。これからが楽しみです。ぜひ大きく育って欲しい。

この映像,たった30秒しかないのがとても残念です。もっと聴きたいです。



元?ニッケル・クリークのクリス・シーリー(Chris Thile)と共演したビデオもありました。なかなかやります。

シエラ・ハルの“Old Dangerfield”

シエラ・ハルの演奏する“Old Dangerfield”。最高ですね! ぜひ次のアルバムに入れて欲しい。

デイブレイク(シエラ・ハル)

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デイブレイク Daybreak
シエラ・ハル Sierra Hull
Rounder 1166100658-2 (P)(C)2011 Rounder Records (輸入盤)
 愛聴盤 
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ブルーグラスのマンドリン奏者,シエラ・ハルのセカンド・アルバム。ファースト・アルバムに比べ歌唱力もアップし,コテコテのブルーグラスから少し垢抜けた感じもしますが,基本はやっぱり正統派のブルーグラス。特に気に入っているのがアルバム9曲目の“Tell Me Tomorrow”。



インストゥルメンタルの曲もいいですねぇ。



次はいい曲なのになぜかアルバムに採用されなかった?

シークレッツ(シエラ・ハル)

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シークレッツ Secrets
シエラ・ハル Sierra Hull
Rounder 11661-0601-2 (P)(C)2008 Rounder Records (輸入盤)
 愛聴盤 
参考: 公式WebサイトHMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ブルーグラスのマンドリン奏者,シエラ・ハルのファーストアルバム。今度もいわゆるジャケ買いというやつです(^^;。

あくまでも私見ですが,これは,うーん,オーソドックスなブルーグラスの見本みたいなアルバムですねぇ。普通のブルーグラスとして安心して聴けます。そしてシエラ・ハルのマンドリンも上手いし,歌も爽やかです。どの曲を聴いてもすんなりと耳に入ってきますし,そのままこの音楽に浸っていたい...と思ってしまいます。ブルーグラスの楽しさを堪能できる良いアルバムです。これは当たりでした!

(記2011/10/21)


昨年このアルバムを見つけ記事を書いて以来,結構気に入っていてずっと聴き続けています。あまり意識していなかったのですが,このアルバムを製作したのが16歳のとき,アリソン・クラウスが絶賛し,アリソン・クラウス&ユニオン・ステーションやブルーグラス界の大物がバックを固めていたとのことです。



10歳の時にはすでにそのマンドリンの実力がブルーグラス界に知れ渡っていたというから恐れ入ります。これは恐らくその頃のビデオではないかと思います。



(記2012/05/20)

ベートーヴェン:交響曲全集(マルケヴィチ版による)(飯守泰次郎指揮/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集(イゴール・マルケヴィチ版による)
飯守泰次郎指揮/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
2010年3月31日(No.4,7), 7月15日(No.6,8), 11月11日(No.1,3), 12月28日(No.9), 2011年7月13日(No.2,5) 東京オペラシティコンサートホール,東京メトロポリタンシアターメインホール(No.9)
FOCD6014/8 fontec (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
マルケヴィチ版とはどういうものかについて,飯守氏自身が解説書で次のように述べています。

ベートーヴェンの交響曲の演奏スタイルは,現在大きく2つの流れに分かれていて,その違いが非常に大きくなってきています。作曲当時の状況に忠実であろうとする古楽器的アプローチに対し,200年の歴史を通して発展してきた伝統的な演奏スタイルは,当時の楽器の性能等による制約に着目し,改革者としてのベートーヴェンの本質に立脚して,彼が本当に表現したかったことを汲んで実現しようとするものであり,マルケヴィチ版は後者にあたります。

聴いてみるとまさにその通りで,ベーレンライター校訂版を用いた10年前の全集が古楽器的アプローチであったのに対し,今回の全集は1960~70年代の巨匠の演奏を彷彿とさせるような路線であり,同じ指揮者,同じオーケストラによる演奏とは思えない全く違うアプローチのものでした。10年前に古楽器的アプローチといいつつもモダン・オーケストラでの新しい表現に挑戦した指揮者がなぜ今この路線なのか少し疑問に思いましたが,これは伝統的アプローチを極めたマルケヴィチ版を検証する実験プロジェクトであり,将来に出るであろう「飯守版」に向けての一つの通過点に過ぎないのではないかと勝手に思っている次第です。10年後を楽しみにしたいと思います(^^;。

さて肝心の録音ですが,拍手まで入ったライヴ録音で,飯守氏のうなり声までしっかりと入っています。残響を抑えて自然な感じで録られていてそんなに悪くはないのですが,全体にくすんでいてなんだかパッとしません。というより漫然とただ収めただけという感じで,録音エンジニアの思いが全く伝わってこない,面白味のない録音です。この点でも10年前の全集の方が私にとっては魅力があります。なお,9曲の中では,第9番が比較的良好でした。

あと解説書が最悪...保険の約款なみに文字が小さすぎて全く読む気になりません。せっかく良いことが書いてあるのに。読んで欲しい,伝えたい,という意志が全く感じられません。楽曲の解説を省略してでも飯守氏のコメントや本盤についての解説の文字を大きくして読みやすくすべきです。10年前の全集から全く改善されていません(改善する気もないのでしょう)。

タグ: [交響曲] 

モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク,ディベルティメントK.136-138(宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S)

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モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
モーツァルト:ディベルティメントK.136-138
宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S
録音:2012年1月19-20日 トッパンホール
KICC 995 (P)2012 King Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
元オーボエ奏者の宮本文昭氏が組織した弦楽アンサンブル(コンサートマスターは矢部達哉氏)を指揮しての演奏。ピリオド・アプローチが普通になった今日においては逆に珍しくなってしまったモダン楽器によるモダン流儀の演奏で,驚くほどオーソドックスと言えるのではないでしょうか。刺激的ではありませんが,隅々にまで神経が行き届き,細やかに表情付けされていて素晴らしい音楽に仕上がっていると思います。

さて録音なのですが,第一印象は良くありませんでした。残響が多く明らかにホールのキャラクターが前に出すぎていたからです。リアルといえばリアルなのかもしれませんが,ホールトーンが優勢すぎて弦楽器の本来の美しさ,質感がかなり損なわれていると思います。しかし,何度も聴いているうちに,こんな録音もアリかなと思うようになってきました。弦楽アンサンブルの響きの魅力は意外にもそれほど失われていないのです。ウェットで豊潤な残響を好む方には優秀録音と言えるかもしれません。もちろん私としてはこういう録音を積極的に肯定するつもりはありませんし,もっと弦楽器の生々しい質感を大切にして欲しいと思っています。

また,いわゆるピラミッド型と言えそうな中低域の充実した録音で,また録音レベルも高く,オーディオ的な面でもなかなか興味深い楽しめる録音です。

「CD試聴記」Webサイト開設10周年!

姉妹サイトの「CD試聴記」が開設10周年を迎えました。バッハ無伴奏ヴァイオリンのページを最初に立ち上げてからもうそんなになるのかと思うと感慨深いものがあります。皆さんのアクセスに支えられてここまで続けることが出来たと本当に感謝しております。これからも細々になるとは思いますが皆さんのアクセスを励みに続けていきたいと思いますので,今後ともよろしくお願い致します。

スタンリー:協奏曲集作品2(ロイ・グッドマン指揮/パーリー・オブ・インストゥルメンツ)

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スタンリー:協奏曲集作品2
ロイ・グッドマン指揮/パーリー・オブ・インストゥルメンツ
Recorded on 25, 26 November 1988
CDA66338 (P)(C)1989 Hyperion Records Ltd. (輸入盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ジョン・スタンリー(John Stanley 1712-1786)は英国の作曲家,オルガン奏者。この作品の原題は“Six Concertos in Seven Parts”であり,ソロ楽器が2つのヴァイオリン,チェロ,ハープシコードの曲(4曲)と,ソロ楽器がオルガンの曲(2曲)があります。曲調は合奏協奏曲のような感じです。

この作曲家の曲はこれしか聴いたことがありませんが,実に爽やかで心地よく響く良い音楽です。その昔,ハイペリオンのサンプラーに第1番の終楽章が収録されていて,その素晴らしい音楽に感動してこのディスクを買ったことを今でも良く覚えています。どの曲も良いのですが,やっぱりヴァイオリン,チェロがソロで活躍する曲が良いですね。演奏も明るく快活で気持ちがよいです。

録音ですが,残響過多で私としてはあまり好きな録音ではありません。ただ,伸びやかな弦楽器の音色は辛うじて確保されているのでギリギリ許容範囲というところです。ある意味,バロックの雰囲気が良く出ていると言えるかもしれないので,残響が許せる方であれば問題ない録音だとは思います。もちろん私としてはもっとすっきりと見通しよく明瞭に録って欲しいのですが。

このディスク,私はハイペリオンのものを持っていますが,今はヘリオスレーベルから発売されているようです。

タグ: [協奏曲]  [愛聴盤]