バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのためのソナタ(今井信子/小林道夫)

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バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのためのソナタ BWV1027-29
今井信子(Viola)/小林道夫(Harpsichord)
録音:1971年8月
EASTWORLD SAN-61 企画:(株)新星堂,制作:東芝EMI(株)
好録音度:★★★
ディスクの整理をしていて発掘されました(^^;。このディスクをもっていることもすっかり忘れていました。もう40年以上前,今井信子さんが20歳代後半に録音されたものです。モダン楽器での素直な演奏なので聴きやすいです。しかし...

録音ですが,残響があまり感じられない録音なのですが,音に精彩と伸びが全くなく,締め付けられるような息苦しさがあります。EMI原盤なのかどうかはよくわからないのですが,さすがEMIと言いたくなるような録音です。また,マスターテープが良くないのか,音が不安定に感じられることがあったり,歪みっぽく聴こえることがあったりと,全く良いところがありません。せっかくの今井信子さんの貴重な記録なのにこれでは音楽を気持ちよく楽しむことが出来ません。これは本当に残念です。

トゥルー・ラヴ(イダ・サンド)

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トゥルー・ラヴ True Love
イダ・サンド Ida Sand
Recorded and mixed at Atlantis Studios, Stockholm, Sweden
ACT 9481-2 (P)(C)2009 ACT Music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
イダ・サンドはスウェーデンのジャズ・シンガー(たぶん...)。おなじスウェーデンのクリスティーナ・グスタフソンのマイ・ムーヴと同時期に手に入れていたのですが,レビューし損ねて今に至っています... ジャズが苦手の私ですが,購入理由はクリスティーナ・グスタフソンのディスクと同じで,あるオーディオ雑誌に載っていたジャケットを見て,何となくいい音楽がいい音で聴けそうかな,とジャケ買いしたものです(^^;。

曲の好みは別として,ジャズの録音は概して私の好みに合うものが多いのですが,これもさすがにオーディオ誌に載るだけのことはあってなかなか良いです。でもちょっと演出がかっているところもあって,生の良さが失われているようなところは少し私の好みから外れるかなという気もします。このあたりは難しいですね。

タグ: [★★★★☆] 

ベートーヴェン:交響曲第3番,第6番,他(トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第1番,第2番,第3番
Recorded at Orebro Concert Hall 21-24 May 2001
SIMAX Classics PSC 1184 (P)(C)2004 BIEM (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconTower Records
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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン:12のコントルダンスWoO14
ベートーヴェン:劇付随音楽「レオノーレ・プロハスカ」WoO96
ベートーヴェン:ロマンス第1番,第2番
Recorded at Orebro Concert Hall in May and October 2002
SIMAX Classics PSC 1281 (P)(C)2006 BIEM (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団

2012年9月1日に交響曲第3番のディスクを取り上げましたが,それがなかなか良かったので第6番のディスクも手に入れて聴きましたので本記事に追加します。

スウェーデン室内管弦楽団は,解説書の写真の人数を数えると34名でした。管楽器とティンパニで14名とすると,弦楽器は20名です(6-5-4-4-1くらいでしょうか?)。交響曲の演奏が出来るギリギリの編成というところでしょうか。このくらいの編成になると,管楽器と弦楽器のバランスが悪くなってきて,実際この演奏を聴いても管楽器が優勢で弦楽器の音が圧倒されてしまっているところもあるように思います。小編成の見通しの良い演奏は好きなのですが,さすがにこのバランスになってくると弦楽器の好きな私としてはやや不満に思うものの,全体のまとまりとしてはそのハンデを感じさせない良い仕上がりになっていると思います。

ピリオド奏法を取り入れたモダン楽器による演奏である意味現代的。ノンヴィブラートっぽい弦楽器の響きが鼻につくものの,キレの良い,そして躍動感溢れるダイナミックな演奏が素晴らしいです。ピリオド奏法でなかったらもっと良かったのにとは思いますが。

第3番の録音は,それなりに響きがありますが,響きは中高域寄りで低域の響きは控えめです。そのためか,明瞭感や透明感はそれほど損なわれず,中低域も締まりのあるサウンドです。この演奏にふさわしい録り方と言えるでしょう。弦楽器の編成が小さいので,もう少し弦楽器にフォーカスして響きの比率を下げ,楽器の質感を高めにして欲しかったところではありますが,これでもまずまず良好と言えるでしょう。

一方第6番の方は,同傾向の録音ながら,第3番の録音のような鮮明さ,ヌケの良さが不足してます。これはちょっと残念に思います。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集(アリーナ・イブラギモヴァ/セドリック・ティベルギアン)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番,第4番,第7番,第8番
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 27 October 2009
WHLive0036 (P)(C)2010 Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第2番,第5番「春」,第10番
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 23 February 2010
WHLive0041 (P)(C)2010 Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第3番,第6番,第9番「クロイツェル」
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 25 May 2010
WHLive0045 (P)(C)2010 Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
アリーナ・イブラギモヴァ Alina Ibragimova (Violin)
セドリック・ティベルギアン Cedric Tiberghien (Piano)

ニュアンス豊かで流麗な音の流れに心躍り,ひんやりと冷たく透き通った美しい音色に思わず聴き入ってしまう,これは本当に素晴らしかった! こんなに息吹を感じるフレッシュな演奏に触れるのは本当に久しぶりという気がします。作為のない素直でストレートなところもいいですね。モダン楽器として至極真っ当に進化を遂げた現代的な演奏ではないかと思います。

で,一方の録音ですが,残響は多くないものの,今ひとつすっきりせず冴えません。オフマイク気味で高域が減衰してしまっているような感じで,質感も感じ取りにくいです。低域の下支えも感じられず,実在感が希薄です。もっと楽器に寄ってクリアに録って欲しいものです。ピアノはまだマシですが,逆にその分ヴァイオリンが奥まってしまっています。まあそんなにすごく悪いわけではないのですが,演奏が良いだけにちょっと残念に思います。

Rosie Anderson/The Shearing's Not for You/Bogies's Bonny Belle (Martin Simpson)

ジューン・テイバーのYouTube動画でアコースティック・ギターを弾いていたマーティン・シンプソン(Marthin Simpson)のYouTube動画。タイトルが“Rosie Anderson/The Shearing's Not for You/Bogies's Bonny Belle”というメドレー曲です。この曲だけ特別に気に入っています。



いやぁ,いいですなぁ... 2:05あたりからのメロディーが泣かせますねぇ...

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ベートーヴェン:交響曲全集(エーリッヒ・ラインスドルフ指揮/ボストン交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
エーリッヒ・ラインスドルフ指揮/ボストン交響楽団
録音:1962-1969年
88691916822 (P)(C)2012 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jp, Tower Records
旧世代の巨匠的演奏の典型とでも言いましょうか,重厚だが緩みなく強固な音楽を構築していく,立派な演奏と言えると思います。特徴らしい特徴はありませんが,その実直さが感動につながっていきます。古さは感じますが色褪せてはいません。良い演奏だと思います。(第3番だけ少し緩い感じがしますが)

録音ですが,曲により多少のばらつきがありますが,どれも弦楽器を中心に据えてバランス良く仕上げています。第4番,第7番は弦楽器の質感の良さ,音色の自然さ,ヌケの良さ,どこをとっても合格点,次いで第5番,第9番。それ以外の曲は少し高域のヌケが悪く曇った感じがあります。第4番,第7番のような録音で統一されていたら最高だったのですが。少し残念に思います。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(イザベル・ファウスト)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番
2011年9月 ベルリン,テルデックス・スタジオ
(1) HMC 902124 (C)2012 harmonia mundi (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番
2009年9月1-4日 ベルリン,テルデックス・スタジオ
(2) HMC 902059 (C)2010 harmonia mundi (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
イザベル・ファウスト Isabelle Faust (Violin)

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器のピリオド奏法による演奏。 第1弾として(2)BWV1004-1006が2009年に録音され,その2年後の2011年に残りの(1)BWV1001-1003が録音されました。 これで全集として完結したことになります。 (2)は2010年4月に一度レビューしています。 その時の感想は「突出した特徴はないが,音色の美しさ,キレの良さ,推進感,どれもが高いレベルで均整の取れた素晴らしい演奏」であり, 「音楽そのものの魅力で聴き手を惹きつける本物」と評しました(→好録音探求2010年4月29日のエントリーに記事が残っています)。 今改めて聴いてみて,その感想は変わりません。

2年後の(1)ですが,より積極的にピリオド奏法が取り入れられているように思います。 音価を短く切り上げ起伏を伴いながらも前に前にひたすら疾走する,実に胸のすく演奏として素晴らしい仕上がりを見せています。 そして,ピリオド奏法と言いつつも,ピリオド奏法の呪縛を完全に打ち破り,モダン楽器による新しい一つのアプローチを確立しつつあると感じます。 これを聴いてから(2)を聴くと,まだまだ吹っ切れていないように思います。 この2年間の進歩は非常に大きいと思います。 (1)を聴くにつけ,今のタイミングで全曲を一気に録音して欲しかったという思いが強くこみ上げてきます。 それほどまでに(1)は素晴らしい演奏だと思います。

録音ですが,先に録音された(2)はやや残響が多めで,私の好みとは少し異なりますが,楽器音をしっかり捉え,ニュアンスも十分に伝わってくるため印象は悪くありません。 あとに録音された(1)の方が残響が控えめでよりクリアに聴こえ,さらに録音状態が良いと言えます。 ただ,少しこぢんまりとまとまりすぎているようにも思います。 もう一歩寄って質感を強めに出してくれれば申し分ないのですが。

アル・スチュアートの“Flying Sorcery”

アル・スチュアートはスコットランド,グラスゴー出身のシンガーソングライター。もう30年以上前からのファンで,CD試聴記にファンページを作成しています(全然更新できていないのですが(^^;)。こうやって動画が楽しめる時代になったことに感謝です。

“Flying Sorcery”は,1976年頃に発表された彼の代表作“Year of the Cat”のB面1曲目に収められていた名曲で,大好きな曲の一つです。このギターデュオバージョン,最高ですねぇ。もう少し品質が良ければうれしいのですが。



別バージョン(→YouTubeのサイトへ)の方が基本的な画質・音質はマシですが,少し音が揺れるのと演奏途中にミスがあるのが残念です。

それにしてもお歳を召されましたが,声は全然変わりません。

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(セシリア・アルゼウスキ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
セシリア・アルゼウスキ Cecylia Arzewski
Recorded March 10 & 11, May 27 & 28, 2011 at the American Academy of Arts and Letters, New York City
BRIDGE 9358A/B (P)(C)2012 Bridge Records, Inc. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏としてはピリオド奏法によらないオーソドックスな部類に入ります。ヴィブラートをしっかりとかけ,緩急強弱を大きめにとって躍動感と情緒感をうまく出しています。技術的にもキレが良く安定感もあります。個性的な演奏ではありませんが,旧来のスタイルに慣れ親しんできた耳にはすんなりと受け入れられる好演奏と言えると思います。

録音ですが,背景にふわっと広がる残響のまとわりつきが少し気になるものの,直接音が主体であり,印象は悪くありません。音色は残響の影響を受けてしまっているのが残念ですが,明瞭感や解像感はまずまず良好です。低域にやや大きめの環境ノイズが入っているので,低域の伸びている再生装置で聴くとやや気になります。

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲,ベルク:ヴァイオリン協奏曲(ルノー・カプソン(Vn)/ダニエル・ハーディング指揮/ウィーン・フィル)

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ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
ルノー・カプソン Renaud Capuçon (Violin)
ダニエル・ハーディング指揮/ウィーン・フィル
ORF RadioKulturhaus, Vienna, Austria, 19, 21, 22.XII.2011
50999 973396 2 5 (P)(C)2012 EMI/Virgin Classics (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
Wikipediaによるとカプソンではなくカピュソンと表記するのが正しいということですが,ここではカプソンとしておきます。私はカプソンの演奏をこのディスクで初めて聴きますが,良く歌う天才肌のヴァイオリニストだなぁという印象です。きっちりと弾くというよりも感性の赴くままというように聴こえます。もちろん悪い意味ではありません。カデンツァはクライスラー版が使われています。聴き応えがありますね。

さて録音ですが...さすがEMIというか...何とも冴えない録音ですねぇ。鮮明さが全くなくピンぼけ録音という感じです。締まりのない低域が中高域に大きく被っているためかと思うのですが,それだけではないかもしれません。高域の伸びもなく詰まった感じもあります。これはすごく残念な録音です。聴いていてこんなにイライラする録音は久しぶりです(^^;。こんな風に聴こえるのは私だけでしょうか?

浜辺へ Ashore(ジューン・テイバー June Tabor)

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浜辺へ Ashore
ジューン・テイバー June Tabor
Recorded April 2010 at Red Kite Studio
TSCD577 (P)(C)2011 TOPIC RECORDS LTD. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
私はよく知らなかったのですが,ジューン・テイバーは英国のトラッド・フォーク・シンガーとして実力があり有名ということです。アルバム毎にテーマを決めて,それに沿った選曲をしているそうで,このアルバムでは「海」をテーマとしています。バックはピアノ,アコーディオン,ヴァイオリン(ヴィオラ),ベースで,ピアノ伴奏とアコーディオン伴奏を使い分けています。それにしても渋い。落ち着きのある大人の音楽ですねぇ。この中ではアコーディオン伴奏の曲の方が雰囲気があって良かったです。

昨日取り上げたシモーネ・ヤングのブラームス交響曲第2番のジャケット写真見ていて,このディスクを持っていることを思い出しました(^^;。全然似てないんですけどね...

このディスクに入っている曲ではありませんが,ギター伴奏で歌うYouTube動画がありましたので載せておきます。マーティン・シンプソン(Martin Simpson)のギターも味わい深いですね。

タグ: [YouTube] 

ブラームス:交響曲第1番,第2番(シモーネ・ヤング指揮/ハンブルグ・フィルハーモニー)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
シモーネ・ヤング指揮/ハンブルグ・フィルハーモニー
March 11 & 12, 2007, Laeiszhalle Hamburg
OC 675 (P)2007 (C)2010 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73,悲劇的序曲
シモーネ・ヤング指揮/ハンブルグ・フィルハーモニー
March 2008(Symphony No.2) and January 2010(Tragic Ouverture), Laeiszhalle Hamburg
OC 676 (P)2008/2010 (C)2011 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineTower Records
第1番は概してテンポが遅めでアタックが強く重厚でスケールが大きい。私にはドイツ的正統派ブラームスに聴こえます。一方第2番は曲の性格もあってか,同様の路線ながら第1番に比べると大らかで歌心に溢れてくる。いずれにしても大オーケストラを活かした堂々たるブラームスらしいブラームスで,理屈抜きに感動できます。

録音ですが,残響はそれなりにあるものの,各楽器の質感は失われず,音色への影響も少なく,このオーケストラの壮大な響きを密度高く,濃厚に捉えています。中低域も伸びがあり,またよく締まっているのが寄与していると思います。録音レベルが高めなのも好印象です。必ずしも好きなタイプの録音ではありませんが,これであれば私でもまずまず納得できます。

今後,全集化に向けて第3番,第4番が順次録音されていくと思いますが,これは楽しみになってきました。

第1番 17:19/9:38/4:59/17:27 提示部リピートあり
第2番 19:57/9:58/5:00/8:47 提示部リピートあり

ドビュッシー,ラヴェル:弦楽四重奏曲(カルミナ四重奏団)

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ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調作品10
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
カルミナ四重奏団 Carmina Quartet
1992年2月 ドイツ,ヴァン・ゲースト・スタジオ
COCO-70518 (P)2003 COLUMBIA MUSIC (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
およそ20年前,カルミナ四重奏団がまだまだ気鋭の若手四重奏団であったころの録音。極めてテンションが高くダイナミックな圧巻の演奏。高い技術力・表現力を駆使して現代的に洗練された音楽を創り上げています。これは素晴らしいですね。

録音ですが,スタジオ録音と書かれていますが,そうとは思えないほどの残響が感じられます。楽器音は比較的近接でしっかりと捉えられているのでそれなりに聴こえるのですが,全体にちょっと音をギュッっと詰め込みすぎていて整理されておらずごちゃごちゃ感が否めません。元々ドビュッシーの弦楽四重奏曲自体が分厚い響きを持っているので,録音はもっとすっきりさせて曲の構造を見通しよくはっきりと聴かせるように録って欲しいところです。演奏が良いだけにこの録音は少し残念なところです。

Works for Violin Solo(ペク・ジュヤン)

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Works for Violin Solo
ペク・ジュヤン Ju-Young Beak
2010年3月15-18日 富山・北アルプス文化センター
EXTON OVCL-00429 (P)(C)2012 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
収録曲は次の通りです。
  • ユン・イサン:庭園のリーナ
  • シュニトケ:ア・パガニーニ
  • バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
  • バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番

バッハ無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番のみのコメントです。「CD試聴記」から転載します。

謙虚で控えめであり,欠点のほとんどない教科書的に整った演奏です。 面白味に欠けると思う方も思うかもしれませんが,私はこれはこれで良い演奏だと思います。 確かに今後の成長に期待!というところはありますが。

録音ですが,残響が少しありますが,楽器音とは比較的分離して聴こえるため,影響は少なめです。 このため明瞭感も高く,音色も自然でまずまず良好というところです。 私としてはもう一歩寄ってさらに質感を高めに捉えて欲しかったという気はしますが。

SOLO(渡辺玲子)

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SOLO
渡辺玲子 Reiko Watanabe
13-15 Sep. 2010, 3 & 4 Feb. 2011, Karuizawa Ohga Hall
FOCD9552 (P)(C)2012 FONTEC Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番に関しては,「CD試聴記」からの転載です。

バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ですが,きびきびした小気味良い演奏で,機知に富む表現が随所で見られます。 これぞベテランの味というか,揺るぎのない自信と個性に溢れながらも,それが押しつけがましくなることなく, 曲の良さ,楽しさをより高める方向に働く,素晴らしい演奏だと思います。 技術的にもキレがあり,和音の響きの美しさなどは特筆に値すると思います。

渡辺玲子さんは,2001年頃にもバッハ無伴奏ヴァイオリンのディスクをリリースされています(→CD試聴記)が, そろそろ新たに全曲録音されても良いのではと思います。 この演奏を聴くと,渡辺さんの今のバッハ無伴奏ヴァイオリンをぜひ残して欲しいという気持ちが強くなります。

バッハのほかには,イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番,ヒンデミット:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,佐藤眞:無伴奏ヴァイオリンのための幻想曲,エルンスト:シューベルトの「魔王」による大奇想曲,エルンスト:多声的練習曲第6番「夏の名残りのバラ」が収録されています。

私の注目はエルンストの「夏の名残りのバラ」。この曲は,五嶋みどりさんのカーネギーホール・リサイタルの一点の曇りもない完璧な演奏が私のリファレンスになってしまっています。これを超える演奏なのかどうか... 表現の深さは超えたかも... でも技術的には... やっぱりこの曲って難しいんですね...

録音ですが,若干残響が多めですが,あくまで楽器音主体で捉えられているため,明瞭感,解像感もまずまずあり印象は悪くありません。 高域の伸びもあります。 しかし,やはり残響のまとわりつきによる音色への影響は避けられず, もう一段直接音比率を高くしてピュアに捉えて欲しかったところです。

iPod touchとAndroid音楽アプリのギャップレス再生を検証してみた

音楽プレーヤがギャップレス再生に対応しているかどうか,これはクラシック中心に聴く私にとっては切実な問題です。Mini Discからメモリープレーヤーの時代に変わってからこのギャップレス再生に対応したプレーヤはiPod以外にないという状態が長らく続いていました。私はiPodを使わないので,これに対処するために,曲間が空くと困る音楽のリッピング時はiTunesを使ってトラックを結合していました。これで一応解決はするのですが,トラック選択が出来なくなるのと,なにより面倒で忘れてしまいがちで,不便な思いをずっとしていました。

先日,私のツィッターアカウントでAndroidの音楽アプリでギャップレス再生に対応したソフトを見つけて聴いてみて,とりあえず良い結果が得られた旨のツィートをしました(まとめはこちら)。ただし,注意深く聴くとわずかにノイズが聴こえるような気もしましたので,もう少しきちんと評価してみようということで,このエントリーを起こしました(「検証」は少々大げさですが)。

検証対象は次の通りです。

 ・iPod touch (第4世代)
 ・Poweramp (Androidアプリ)トライアル版
 ・Winamp Pro (Androidアプリ)有料版

検証観点は次の通りです。

 (1)トラック接合の接合点の正しさ(サンプル欠けやわずかな隙間が空いていないか)
 (2)接合点での異音有無

音楽データはiTunesでAAC 256kbps/MP2 256kbpsでエンコードしたものを使用しました。



(1)トラック接合の接合点の正しさ

これを行うために,次の図のようなデータを用意しました。

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図1 検証に使用したデータのトラック間接合部
※赤線がトラック分割点


データは連続した正弦波で,これをトラック分割しています。分割点は,再生時にその位置が特定できるように,始端部はLch(図の上側)に0.5msおきにプラスマイナス交互のパルスを,終端部はRch(図の下側)に0.5msおきに同様のパルスを重畳しています。この分割したデータをiTunesを用いてAACやMP3にエンコードし,エンコードしたデータを検証対象のプレーヤで再生します。そしてこれをデジタル録音し,分割点が正しく接合されているかを波形表示ソフトで表示して確認します。

実際に測定したデータを次に示します。

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図2 iPod touch (iTunes AAC 256kbps)


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図3 iPod touch (iTunes MP3 256kbps)


iPod touchはAAC, MP3ともに正しいサンプル位置で接合できていることが確認できました。

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図4 Poweramp (iTunes AAC 256kbps)


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図5 Poweramp (iTunes MP3 256kbps)


Powerampですが,AACはサンプル位置は正しいものの1.2ms程度のギャップが空きます。これではギャップレスとは言えません。MP3は見かけ上正弦波が正しくつながっているように見えますが,前側のトラックの終端部が少なくとも5ms以上欠けています。「ギャップレス」ではあるものの,これでは正しいギャップレスとは言い難いです。

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図6 Winamp Pro (iTunes AAC 256kbps)


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図7 Winamp Pro (iTunes MP3 256kbps)


Winamp Proですが,AACはギャップはないものの,後側の先端のサンプルが少なくとも5ms以上欠けています。これも正しいギャップレスとは言い難いです。これだけ欠けると,明らかに音楽の流れを乱します。MP3の方は正しいサンプル位置で接合されていることが確認できました。

(2)接合点での異音有無

次に接合点での異音有無を確認しました。確認対象は,(1)で正しいサンプル位置で接合できていた次の3パターンです。中央の点線部分が接合点(と思われる箇所)です。

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図8 iPod touch (iTunes AAC 256kbps)


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図9 iPod touch (iTunes MP3 256kbps)


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図10 Winamp Pro (iTunes MP3 256kbps)


いずれも波形表示を見る限りは波形に乱れがなくきちんとつながっています。ただし,聴感上はわずかに「フッ」というような異音が入ります。エンコード/デコードに伴う圧縮歪みが影響しているのではないかと思います。正弦波だとこのような音が感じられますが,実際の音楽などではまずわからないレベルでしょう。



以上をまとめると,検証した中では実用上問題がないのはiPod touch,AndroidアプリのWinamp Pro+iTunes MP3の組み合わせでした。Winamp ProでAACが駄目なのはすごく残念です。トラックの先端部分の処理のバグだと思うので,早く対応して欲しいものです。なお,Winampは無料の無印版がありますが,こちらは対応していませんでした。

あと,Webを検索すると,いくつかギャップレス再生に対応していた,というソフトがあるようでしたが,その中のいくつかを試しましたが,私が試す限りはきちんとつながりませんでしたので,今回の検証対象から外しました。



以下,テスト条件を残しておきます。

iTunes バージョン 10.6.3.25
iPod touch(第4世代) ファームウェアバージョン 5.1.1

Android端末 Sony Xperia mini (ST15i)
Androidファームウェアバージョン 4.0.4 ビルド 4.1.B.0.431

Poweramp ソフトバージョン 2.0.6-build-508
Winamp ソフトバージョン 1.3.8 / Pro ソフトバージョン 1.00.30
(※Winamp Proは無料版のWinampに対して有料版化するProをあてて使う)

モシュコフスキー:20の小練習曲作品91(藤原亜美)

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モシュコフスキー:20の小練習曲 作品91
藤原 亜美 (Piano)
14-15 Dec. 2011, Fujimi Culture Hall KIRARI☆FUJIMI
fontec EFCD4187 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
全音楽譜出版社刊の楽譜に準拠したピアノ教則CDシリーズ。音楽の鑑賞用ではなく音楽教育用として制作されたものです。数ヶ月前のレコード芸術誌の録音評で,デッドな録音という評価があったので,これは聴いてみなければと思い入手しました(^^;。

ほんの短い曲が20曲,合計で26分しかありません。教則本1冊につきCD1枚(1組)という企画なのでしょう。ちょっと割高な感じがしますが仕方ないですね。練習曲とはいえ愛らしい小曲が並んでいます。しかし,やっぱり練習曲,ショパンの練習曲のような感覚では聴けませんでした...まあ当たり前といえば当たり前,それを期待する方が間違っていますね...

それで肝心の録音なのですが...確かにデッドな録音ですが,わずかにホールの響きが付帯音としてまとわりつき音を濁しています。なんとも中途半端な感じです。でも基本的には良い...はずなのですが,なぜかいまひとつ冴えない音なのです。音に伸びと輝きが感じられず,詰まったような音になってしまって美しくないのです。なんでこんな音なんだろうと不思議に思います。楽器が良くないのか,マイクセッティングが良くないのか,どちらかだとは思うのですが。これはちょっと期待はずれでした。

あえてこういうデッドな録音を選んだのだろうと思います。それはそれで正解だと思います。しかし,この音はいただけません。教育用だからいいじゃないかと思われるかもしれませんが,教育用だからこそ音の美しさは大事だと思うのです。もちろんホールで綺麗な響きの中で録音して欲しいと言っているわけではありません。音楽の理解を手助けするという意味だけでなく,ピアノという楽器はこんな美しい音が出るんだという見本にもなるべきだと思うのです。感受性豊かな子供が聴くわけですから。そしてそれを聴いた子供のピアノタッチが変わると思いませんか?

私の理想に一番近いのは,イルマ・イッサカーゼのバッハ:ゴルトベルク変奏曲のディスクです。「教育用にはふさわしいが鑑賞には向かない」なんていうことはないと私は思っています。こういう録り方は,教育用としても観賞用としてもふさわしいと思います。

タグ: [器楽曲]  [ピアノ] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,パルティータ第3番,他(ヨハンナ・マルツィ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番
ヨハンナ・マルツィ Johanna Martzy
May 4th 1962(ソナタ第1番),June 20th 1955(パルティータ第3番)
Coup d'Archet COUP CD007 (輸入盤)
好録音度:★★★☆(ソナタ第1番),★★(パルティータ第3番)
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ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ
ヨハンナ・マルツィJohanna Martzy (Violin)
イシュトヴァン・ハイデュ Istvan Hajdu (Piano)
Recorded November 25 1972
Coup d'Archet COUP CD007 (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: ヨハンナ・マルツィ ラジオ・レコーディングス HMV OnlineTower Records

ヨハンナ・マルツィ音源復刻専門レーベル(!)「Coup d' archet(クー・ダルシェ)」からかつてリリースされていた放送音源のディスクが8枚まとめて復刻されたようです(上記「参考」参照)。このうち2枚を持っています。いずれもモノラル録音です。バッハの方のレビューはCD試聴記で行っています。以下,引用します(一部編集あり)。

(記2002/11/05)
ソナタ第一番は,無伴奏ヴァイオリン演奏の王道を極めた名演と言えるのではないでしょうか。 表現そのものはオーソドックスですが,極めて高い集中力によって凝縮された力強さを感じます。 シェリングやミルシテインとは次元の異なる品格を備え,なおかつ人間的な暖かさを失っていないところが素晴らしいです。 (残念ながらこの演奏に対して私の表現力がついていけません...)

パルティータ第三番もソナタ第一番と同様力強さと品格を感じさせながら躍動感も失っていない好演奏ではありますが... 残念ながら後述の通り録音が悪く,細かいニュアンスが聞き取りづらいため,演奏の特徴を感じ取りにくいです。

録音はモノラル。 ソナタ第一番とパルティータ第三番では録音(音の捉え方)にかなりの差があります。 掲載しているのはソナタ第一番のポイントであり,パルティータ第三番は残念ながら全く良くありません。

ソナタ第一番は1962年の録音で,スタジオで収録したものと思われます。 残響感はあまりなく,演奏を生々しく捉えた好録音ですが,古さを感じさせる音質であり,高域の伸び感も少々足りません。 ただ,機材によってかなり印象が異なることがわかってきました。 例えば帯域バランスが良く自然な音がするヘッドホンよりも,インナーホンのようにバランスが良くないものの方が良く聴こえる場合があります。

パルティータ第三番は1955年の録音ですが,百貨店の階段の踊り場で一階上で演奏されているのを聴いているような感じです。 とにかく響きが多く,音色がまともではありません。 細かいニュアンスなども聞き取りがたいほどです。 残念ながら私の好み尺度では最悪の部類に入る悪録音です。

(追記2002/11/25)
ソナタ第一番の録音の過大評価を是正しました。 演奏があまりに素晴らしく,感情移入してしまい,評価を誤ってしまったようです(その時は十分聴き込んで評価したつもりだったのですが)。 しかし,基本的な音の捉え方は好ましく,録音の大切さを認識させてくれたことには変わりありません。 前回の評価時に記載した録音に関する主張は,別途考えをまとめ,いずれ再掲載したいと思っています。

(追記2012/09/11)
マルツィのCoup d' archet(クー・ダルシェ)から発売されていた音源がまとめて復刻されるようです。 これはうれしい復刻です。ということで,久しぶりに聴いてみました。 上記はほぼ10年前のレビューですが,演奏に関しては全く印象は変わりません。 このソナタ第1番は本当に素晴らしい。 録音に関して言うと,以前聴いたときはかなり良かったという印象だったのですが,改めて今聴いてみると, 高域の伸びが足りず,ヌケが悪くてもう少し印象が落ちます。 少し付帯音があるものの,基本的な音の捉え方はそれほど悪くないと思うのですが, 単純に録音機材が良くなく,帯域が足りない,というふうに感じます。 これでパルティータ第3番のように音の捉え方が悪いと聴くに堪えなかったと思います。 音の捉え方が良かったのがせめてもの救いです。


ブラームスとラヴェルのソナタは1972年の録音ですが,これもモノラル録音で,残念ながら帯域が狭くヌケの悪い音です。音の捉え方は悪くありません。やはり単純に高域が不足しているように思います。バッハよりも少しは良いと思いますが,それでも満足できる音質ではありませんでした。

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲,ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(石川静(Vn)/イエジ・ビエロフラーヴェク指揮/ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団)

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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26
石川静 (Violin)
イエジ・ビエロフラーヴェク指揮
ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団
録音:1978年 プラハ
2 SUP 0002 (P)1979 Supraphon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records (※ブルッフのみ)

石川静さんは,Wikipediaによると,1972年の第6回ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで第2位,1976年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで第5位などの受賞歴を持つ実力者。現在はプラハに在住とのこと。この録音はコンクールのすぐあとの20台半ばでの録音です。

石川さんのヴァイオリンの音色は本当に美しく素晴らしい。ヴァイオリンという楽器の魅力を余すところなく引き出す能力に秀でていると感じます。個性を強く押し出す演奏ではなく,その曲の持つ美しさ,ヴァイオリンという楽器の素晴らしさ,これを純粋な形で私たちに届けてくれる,そんな風に思います。そういう意味で,私の贔屓のヴァイオリニスト,カトリーン・ショルツに近いという印象です。

録音ですが,四つ星半の高評価を付けました。オーディオ的に優れているというわけではありません。バックのオーケストラも捉え方はまずまず良好ですが素晴らしいというところまではいきません。しかし,ややフォーカス気味に捉えられたヴァイオリンの音色が素晴らしいのです。石川さんの美しい音色を香り高く伝えてくれているのです。協奏曲のソロの録り方としてかなり良いと思います。(トータルとしてお薦め出来るかはちょっと微妙な感じですが...)。

このディスクは廉価版か,○○全集といったようなセットものの中の1枚のように見えます(ジャケットの表に演奏者が書いていない)。ある中古ショップで購入した記憶があります。ブルッフの方は,パガニーニの協奏曲とカップリングされたディスクが現役盤としてあるようです。シベリウスの方は現役盤が見あたりませんでした。

ブラームス,シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(カリーン・アダム(Vn)/アントニー・ヴィット指揮/ポーランド国立放送交響楽団)

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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77
カリーン・アダム Karin Adam (Violin)
アントニー・ヴィット指揮
ポーランド国立放送交響楽団
1991年5月 カトヴィッツ
32CM-219 (P)1992 カメラータ・トウキョウ (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineカメラータ・トウキョウ

昨日のブラームス:ヴァイオリンソナタ全集と一緒に発掘したディスクです。

表現のスケールの大きい意欲的な表現はさすがと言えますが,一方で,これをものすごく丁寧に弾こうとしているため,少しちぐはぐした印象があります。攻めというより守りの演奏。若者の謙虚さが現れていると言えないこともないのですが,少し物足りなさも感じます。

録音も少しソロが引っ込んでいて明瞭感に欠け,鮮度が落ちているという印象です。協奏曲なのでもう少しソロにフォーカスして欲しかったところです。

このディスク,カメラータ・トウキョウのカタログには載っているものの,すでに在庫がないようですね...古いディスクなので仕方ありません。ハイレゾリューション音源の配信はあるようです。

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集(カリーン・アダム(Vn)/ドリス・アダム(P))

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ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
カリーン・アダム Karin Adam (Violin)
ドリス・アダム Doris Adam (Piano)
Studio Baumgartner, Wein 1986年12月29日,1987年1月2-3日
32CM-20 (P)1987 カメラータ・トウキョウ (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineカメラータ・トウキョウ
整理していて発掘したディスクです(^^;。だいぶ前に手に入れていたのに聴けていませんでした。

ウィーン出身のヴァイオリニスト,カリーン・アダムのデビューCD。カメラータ・トウキョウのバイオグラフィを見ると,カメラータ・トウキョウに16枚ものディスクを録音しています。このディスクのたすきには「クライスラー以来,ウィーンの生んだ天才ヴァイオリニスト」と書かれています。当時の期待の大きさがうかがわれます。プロデューサーは井阪紘さんで,解説も書かれています。

その期待を裏付けるようなスケールの大きな演奏で,情緒的表現力があります。ムターを思い出させるようなねちっこい音色も特徴的です(^^;。荒削りなところはありますが,意欲的でしっかりと自分を主張してくるところが良いと思います。

録音ですが,スタジオでの録音で楽器音自体はしっかりと捉えられていますが,残響が付帯音として少しまとわりつき,演出色が付いてしまっているのは残念です。楽器の質感はまずまず,鮮度はやや落ちるというところでしょうか。スタジオ録音なのですから,もっと鮮明に録って欲しかったところではありますが。

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」,ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(エマニュエル・クリヴィヌ指揮/フィルハーモニア管弦楽団)

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」
エマニュエル・クリヴィヌ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1989年4月24-26日,ロンドン,トゥーティング,オール・セインツ教会
DENON COCO-7068 (P)1991 NIPPON COLUMBIA (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ヴァイオリン・ソロはジャン=ジャック・カントロフが受け持っています。こういう曲を弾かせるとさすがに上手いですねぇ。一方オーケストラの方は,こってりと濃くなりがちなこの曲を,そうならずにとても美しく仕上げていて好印象です。この曲らしくないかもしれませんが,私にはこの方が合っています。

録音ですが,残響を伴いながらも弦楽器の質感が良く出ているのと,管楽器が咆哮するところでもかき消されることなく輪郭がはっきりと聴こえてくるところが良いです。オーディオ的にみてもなかなか良いのではないでしょうか。演奏が美しく聴こえるのはこの録音に負うところも大きいのではないかと思います。

演奏も録音も良く,同曲の愛聴盤候補となりました。

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(クリストファー・コスタンツァ)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
クリストファー・コスタンツァ Christopher Costanza
The Banff Centre, Banff, Alberta: November 17-18, 2008(Suites 1-3) and November 21-23, 2010(Suites 4-6)
(C)2012 Christopher Costanza (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏で力強く意欲で満ち溌剌としています。正攻法の演奏で明るく開放感のある伸びやかな表現がなかなか良いです。演奏者自身が楽しんで弾いているのが伝わってきます。技術的にも安定感があります。

録音ですが,比較的マイクポイントが近く,指板を叩く音が入るほどしっかりと楽器音を捉えています。残響感はあまりないのですが,部屋の響きの影響か,音色はややくすんでいてすっきりしません。楽器の捉え方は基本的には良いのですが,収録場所が良くないようにも思います。惜しいです。

タグ: [器楽曲]  [チェロ] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(奥村智洋)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
奥村智洋 Tomohiro Okumura
2011年9月27-29日 秩父ミューズパーク
AUCD-40003-4 (P)(C)2012 有限会社アウローラ・クラシカル (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

昨今のピリオド・アプローチとは無縁,伝統的スタイルによる正統派(?)の剛健なバッハ演奏。小細工なしで真正面からぶつかっています。ひたむきさが心に響きます。旧世代的ながら,それが成功していると思います。

録音は,楽器音をしっかりと捉えているので印象はそれほど悪くありませんが, 残響が多めでそれほど質も良くなく音楽的にほとんど貢献していないと思います。 音色が劣化するという悪影響の方が多いです。 もっとすっきりとヌケ良く,鮮度高く録ってほしいものです。 惜しいと思います。

シューマン:交響曲第1番「春」,他(トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団)

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シューマン:交響曲第1番「春」,他
トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
Recorded in August 2007 at the Orebro Concert Hall, Sweden
BIS-SACD-1569 (P)(C)2007 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
小編成の室内楽団によるシューマンの交響曲第1番「春」。他に,歌劇「ゲノヴェーヴァ」Op.81,序曲「メッシーナの花嫁」Op.100,序曲ツヴィッカウ交響曲(第1楽章),序曲・スケルツォとフィナーレといった曲が収められています。聴いたことのない曲ばかりです。

先日紹介した同楽団のベートーヴェン交響曲第3番「英雄」同様のキレの良い演奏。大胆な表情付けで小編成でありながらダイナミックな演奏を展開しています。管楽器,打楽器が優位なためか,フォルテでは勇壮さが強く出ていて,今まで聴いてきたシューマンとはまたひと味違う感じがします。印象としては,ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルの演奏に近いように思います。聴いていてワクワクする演奏です。いいですねぇ,これは。

録音ですが,残響をそれなりに取り入れつつも,音色が曇っていないので印象としてはなかなか良いです。しかし,やはり弦楽器の質感の捉え方が弱く,私としては不満の残る部分もあります。全体のサウンドとしては締まりもあって印象が良く,オーディオ的にもとてもなめらかで高品位に思うのですが,少しオフマイク気味でスカッとしきらないところがあり,好録音というには何か物足りなさも感じます。惜しいです。音は綺麗なんですけどね。

同顔合わせによるシューマンの交響曲は全集が完成しています。第4番は原典版と改訂版の両方が収録されています。そのため全部で3枚になっていますね(第2番・第4番(原典版)→HMV Online,第3番&第4番(改訂版)→HMV Online)。

タグ: [交響曲] 

日本のプロフェッショナル・オーケストラ年鑑2011

Twitterで流れていた情報です(→Twitter)。情報有り難うございます。

公益社団法人日本オーケストラ連盟が「日本のプロフェッショナル・オーケストラ年鑑2011」という冊子を出しています。電子ブックまたはPDFで無料でダウンロードできます。

まだじっくり読めてはいませんが,148ページの及ぶ冊子で,各オーケストラの運営体制やメンバーのリスト,活動内容などが報告されています。

こういう冊子があることを全然知りませんでした。