ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集Vol.1(ベルチャ四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集 Vol.1
ベルチャ四重奏団 Belcea Quartet
Recorded in concert on 3/4 December 2011, 23/25 March & 18/19 May 2012 at the Britten Studio, Snape
Zig-Zag Territoires ZZT315 (P)(C)2011 (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
収録曲は,Op.18-1, 2, 4, 6, Op.59-3, Op.95, Op.127, Op.131,の8曲で,半数を収録しています。ベルチャ四重奏団は1994年にロンドン王立音楽院在学中の学生によって結成されEMIに多くの録音を残しています。1999年の大阪国際室内楽コンクール,ボルドー国際弦楽四重奏コンクールなどの受賞歴があるとのことです。恥ずかしながら私は名前すら知りませんでした。

最近の若い四重奏団の例に漏れず大変上手いです。キレのよいスマートで現代的な演奏で,アンサンブルの良さも抜群で素晴らしいですね。しかも鋭角的すぎたり変に個性的に走りすぎたりすることもないので,すんなりと受け入れられます。Vol.2で全集が完成すると思いますが,楽しみです。

スタジオでの録音のようですが残響は少し多めに入っています。しかし,あくまで直接音が主体なので明瞭感や音色への影響は少なく,また距離感も適正で,各楽器のニュアンスも聴き取れます。全体として十分に良好で,これなら私もまずまず納得できます。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ヤッシャ・ハイフェッツ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ヤッシャ・ハイフェッツ Jascha Heifetz (Violin)
1952年10月
GD 87708(2) (C)1988 BMG Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。2回目のレビューです。

うまく言葉で表現できないのですが,才能頼みというか,感性の赴くままに即興的に弾いているような演奏で,少なくとも突き詰めた,練り上げた感じは全くありません。どれだけ練習を積み重ねたんだろうか? 譜読みしてそのままレコーディングに臨んだんじゃないだろうかと思ってしまいます。細部にこだわらず,思いついたようにポルタメントやフラジオレットを入れてきます。

しかし,これがまた味があるのです。勢い任せに弾き飛ばす,強いアクセントで極めてキレよくダイナミックに,そして全く淀みなく音楽が突き進んでいきます。これこそ彼の個性そのもの。この時代の巨匠を象徴するような演奏と言えるのではないでしょうか。

録音ですが,1952年のモノラル録音でいかにも古い音質です。しかし,残響のほとんどない環境で,適切な距離感でヴァイオリンの音を捉えており,ストレートに演奏を伝えてくれるという点では好きな録音と言えます。1950年代前半という古い録音としては良好な部類に入るのではないでしょうか。

これはその昔(シェリングとクレーメルのLPしか持っていなかった頃),とあるCDショップのおやじさんに薦められて買ったCDです。当時,ちょっと聴いて「なんだこのひどい演奏は! だまされた!」と長い間放置していました。今改めて聴いてみて,おやじさんがなぜこれを薦めてくれたのか,わかる気がしてきました。私もこういう演奏が素直に楽しめるようになってきたんだなぁと。歳のせいでしょうかね(^^;

それにしても,この巨匠のディスクが軒並み廃盤で現役盤が見つからないとは!

ベートーヴェン:交響曲第7番,他(ズビン・メータ指揮/ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団,他)

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ベートーヴェン:エグモント序曲作品84
ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番作品72b(*)
ズビン・メータ指揮/ロサンゼルス・フィル/イスラエル・フィル(*)
1974年4月 ロサンゼルス,1980年7月 イスラエル(*)
480 1136 (P)(C)1974,1982 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
この演奏,覇気にあふれ躍動感に満ちています。まさに音楽の喜びを体現しているように思います。これは本当に良いですねぇ。この頃のメータは良い仕事をしていると思います。なんで他の曲も録音してくれなかったのかと残念に思いますね。

録音ですが,残響を控えめにして明瞭に質感良く捉えた好録音です。音を詰め込みすぎかなという気がするのと,もう少し音に輝きがあれば言うことなしだったのですが,まあ贅沢な要望ということで。十分に良い録音だと思います。

ハイドン:交響曲全集(デニス・ラッセル・デイヴィス指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団)

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ハイドン:交響曲全集
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮
シュトゥットガルト室内管弦楽団
録音データなし
88697443312 (P)(C)2009 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
録音データの記載が全くないのですが,ラッセル・デイヴィスが1995年にシュトゥットガルト室内管弦楽団の音楽監督に就任した直後から計画し,約10年かけて録音したということです。ライヴ録音で演奏後の拍手まで収録されています。

まだ買って間もないので一部を聴いたに過ぎませんが,鮮烈なピリオド系の演奏が多い中,これは地に足の付いた演奏という感じです。曲によってはゆったりとしていておっとりとした印象を受けるものもありますが,もしかしたらこの時代の宮廷での演奏はこんな感じだったのかも,などと思ったりもして悪くないです。快活で推進力のある演奏が好きな私としては期待する演奏とは少し方向性が違ったのですが,これはこれで楽しめそうです。オーケストラの演奏もとても上手くまとまっています。このあたりはさすがです。

録音ですが,演出色の薄い生録的な素朴さのある録音であり,残響がそれなりに多めに入っていますが,残響による音色への影響は少なめでホールのキャラクターも強く出ることがなく悪くありません。ただ,少しオフマイク気味で楽器の質感のとらえ方は弱めであり,細部まで良く見えそうで見えないもどかしさも少しあります。また,オフマイクのためか高域のヌケが悪いというところまではいかないまでも今ひとつすっきりしないところもあります。もう一歩寄って質感を強めに捉え,残響を抑え気味にして欲しかったと思います。とはいえ,総合的にはまずまず良いと思います。

また,本当のライヴ録音(!?)のためか曲間のざわざわ感が少し大きめに入っていますが,まあ気になるものではありません。低域のバックグラウンドノイズはやや大きめです。セッションできっちりと録って欲しかったという気はしますが。

ということで,いろいろと書きましたがまだあまり聴けていないので,これから少しずつじっくりと聴いていきたいと思います。今も聴いているのですが,なかなか良いじゃないですか,と楽しみながらこれを書いています。モダン楽器が好きな私としては,この美しく整った演奏にホッとしますね。なかなかうれしい全集です。

最後に少し苦情を。まず解説書やディスクのスリーブに当然曲目は書いてあるのですが,楽章にトラック番号が書かれていないので不便です。録音年や録音場所の記載もありません。このあたりはちょっと手を抜きすぎているのではないでしょうか。また曲順がばらばらで聴きたい曲を探すのが大変です。意図があってのこととは思いますが,やっぱり曲順に並べて欲しかったです。

※注 カバーピクチャは解説書から作成しましたのでボックスの絵柄とは少し異なります

タグ: [交響曲] 

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,ブリテン:シンプル・シンフォニー,レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲(宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
ブリテン:シンプル・シンフォニー 作品4
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲
宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S
2012年4月1-2日 東京津田ホール(セッション)
KICC 1045 (P)2012 King Record Co., Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
元オーボエ奏者の宮本文昭氏とオーケストラMAP'S(コンサートマスターは矢部達哉氏)による第2弾(第1弾はモーツァルト)。編成は6-5-4-3-2。アプローチは極めてオーソドックス,精巧かつ力強い演奏ですが,個性を主張するようなところは全くなく,曲そのものの魅力を最大限,素直に引き出そうというところに好感を持ちます。オーケストラも本当に上手いです。小編成とは思えない分厚い響きを出しながら,全く乱れずビシッと決めてきます。チャイコフスキーが最も良く,ブリテンはちょっと真面目すぎ(もっと前に前に転がっていくような感じを出して欲しい),レスピーギはもう少し軽く洒落た感じだと良かったのですが。

録音ですが,弦楽器の分厚い響きをしっかりと捉えていますが,やや混沌として質感が損なわれています。もう少し残響を抑え,見通し良く分離良く捉えて欲しいところです。惜しいと思います。

とまあ少し文句は書きましたが,全体的にはすごく良く仕上がっていると思います。今後のレコーディングにも期待したいですね。

ハイドン:交響曲全集(アダム・フィッシャー指揮/オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団)

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ハイドン:交響曲全集
アダム・フィッシャー指揮/オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団
1987-2001 Haydnsaal, Esterhazy Palace, Eisentadt, Austria
Brilliant Classics BRL99925 (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
Nimbusレーベルから分売で発売されていたものをBrilliant Classicsが全集としてまとめたライセンス盤。もう有名な全集なので私が取り上げるまでもないのですが,一言だけ。演奏は小編成のモダン・オーケストラらしいキビキビした機動性の良さが特徴で,私の好きなタイプの演奏です。個々に優れた演奏は他にもたくさんあるでしょうが,このクオリティで全集が揃っているというところが大きな価値になっていると思います。

録音ですが,残響がやや多めであり,音色がホールのキャラクターで色づけされすぎているので,私としてはあまり好きな録音ではありませんが,楽器の質感などはそこそこ感じられるのでぎりぎり我慢の範囲です。いくつかの録音は,ヘッドホンで聴くと頭がねじれそうになりそうな位相の操作があり,これは良くありません。一部とはいえ,これは全集の価値を落としていると思います。残念です。

私はこのディスクをamazon.co.ukのマーケットプレースで購入しました。だいぶ以前のことなので記憶が曖昧なのですが,確か日本円で3,000円を切るくらいの価格だったので,中古で多少ボロでもこれは買うしかないと購入しました。届いたものを見ると確かにちょっとボロで解説書もなかったのですが,これはまあ想定内。しかし,ディスク22がない...これは想定外でした。セラーにディスク22が足りないので送ってくれ,とクレームを付けると,それは出来ないので返金する,ということになり,結局1枚不足のままでしたが,ただで手に入りました(^^v。

さて,その不足の1枚をどうしようか,悩んでいます。このディスクが含まれるNimbus盤をAmazon.co.jpで購入すると約3,000円,そのディスク分だけをAmazon.co.jpのMP3で購入すると1,800円,いやいや,Nimbusから出ているMP3版の全集ならAmazon.co.jpで約2,500円で買えるぞ,とか...まあそこまでがんばって全集をそろえなくても良いんですけどね(^^;。

それにしても,ハイドンの交響曲全集が1万円を切る値段で買えるのですね。良い時代になったものです。なかなか全部は聴ききれませんが。

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(ヴォーチェス四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
ヴォーチェス四重奏団 Voces Quartet
1998年3月21-28日 ドイツ,ヴュルツブルク,トスカーナザール
EDC 1024-1032 ELECTRECORD
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineiconTower Records
ヴォーチェス四重奏団はルーマニアの弦楽四重奏団で,1973年の結成。この弦楽四重奏曲全集は,彼らの結成25周年を記念して行われた全集の連続演奏会のライヴ録音とのことです(拍手入り)。キレの良い演奏というわけではありませんし,ライヴということで無傷ではないのですが,彼らの長い経験の積み重ねを感じさせる味わい深さがあってなかなか良いです。アンコールで大フーガが演奏されたらしく,同曲が2つ収録されています。

録音ですが,残響が多いというわけではないのですが,ホールの響きの癖が強く出ていて音色を損なっています。明瞭感も今ひとつ良くありません。聴き慣れてくるとだんだん気にはならなくなってくるのですが,好録音とは言えません。残念です。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(加藤知子)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
加藤知子 Tomoko Kato (Violin)
1999年5月12-15日,2000年1月13-16日 牧丘町民文化ホール
COCQ-83389/90 (P)2000 Nippon Columbia Co., Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。2回目のレビューです。

ゆっくりしたテンポで楽譜を丹念に追っていくという感じです。日本人の生真面目さ,謙虚さ,真摯さが見事に結実した極めて日本人的な演奏だと思います。外国人の演奏ではきっとこんな演奏聴けません。そしてジャパン・クオリティとも言えるこの完成度の高さ! 日本が世界に誇る高品質演奏と言えるのではないでしょうか。これをどう聴くかは人によると思いますが,私は素晴らしいと思います。

録音ですが,残響が多めで楽器音へのまとわりつきがかなり鬱陶しいのですが,楽器音自体は比較的近いマイクポイントで捉えているのか,明瞭感と音の伸びはそれなりに確保されていますので,残響量の割には十分に我慢できる音質です。 残響が許せる方なら問題ないでしょう。 もちろん残響をもっと抑えて音色への影響を避け,すっきりと明瞭感・解像感・透明感を前面に出して欲しかったとは思いますが。

シューベルト:交響曲第9番ハ長調「ザ・グレイト」(ブルーノ・ワルター指揮/コロムビア交響楽団)

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シューベルト:交響曲第9番ハ長調「ザ・グレイト」
ブルーノ・ワルター指揮/コロムビア交響楽団
Recorded at American Legion Hall, Hollywood, California, 1959
MBK 44828 (C)1988 CBS Records Inc. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
雄大でおおらか,細部にこだわらないのびのびした音楽が良いですね。最近の演奏ではなかなか聴くことの出来ない良さがあります。

ワルター/コロムビア交響楽団の演奏は,今までにベートーヴェン交響曲全集やブラームス交響曲全集を取り上げてきましたが,いずれも好録音でした。この録音も同様に個々の楽器の質感を分離良くうまく捉えた好録音なのですが,いかんせんこの録音に関してはやや古さが先に立って少し印象が落ちます。1959年の録音なので仕方ありませんが,ベートーヴェンやブラームスが同年代であることを思うと,少し残念に思います。

タグ: [交響曲] 

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」(マリス・ヤンソンス指揮/ロンドン交響楽団)

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マーラー:交響曲第6番「悲劇的」
マリス・ヤンソンス指揮/ロンドン交響楽団
2002年11月 ロンドン,バービカン・センター
LSO0038 (P)(C)2003 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
マーラーはまだまだよくわからないので録音のみコメントします(^^;。

ロンドン交響楽団の自主制作 LSO Liveのシリーズは,指揮者によらず,デッドでドライな録音が多いという印象で(たとえばハイティンクのベートーヴェン交響曲全集),このディスクも例外ではありません。各楽器の分離が良く曲の内部構造をえぐるように明瞭に聴こえてくるのが良い点ですが,潤いに欠け,高域が詰まったように聴こえるというこのシリーズの欠点も持ち合わせています。低域の伸びと締まり具合は良好,あとは高域をヌケ良くスカッとする音で録ってくれていれば文句なしなのですが。とはいえ,基本的には私の好みの録音なので四つ星半とします。本当に惜しいですねぇ,これは。

シューベルト:交響曲全集(ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン)

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シューベルト:交響曲第1番,第2番,第3番,第4番
録音年不明(1970年前後?) ドレスデン
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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シューベルト:交響曲第5番,第6番,第8番,第9番
録音年不明(1970年前後?) ドレスデン
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン

シューベルトの交響曲はあまり聴かないので,ブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデンアバド/ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏も録音も良い2つの全集で満足しているのですが,親しい友人からこの全集をお借りして聴く機会を得ました(ありがとうございます)。

演奏についてはきちっと真面目に仕上げていて,同じシュターツカペレ・ドレスデンでもブロムシュテットとは随分と趣が異なるように思いました。これはこれで好きですね。

そして録音ですが,おそらく1970年前後の録音なので,オーディオ品質的には現在の録音に比べれば劣るものの,アナログテープのヒスノイズが若干大きい程度であり,問題はありません。残響は控えめですっきりと見通しが良く,各々の楽器の分離感もあって,とても聴きやすいです。帯域バランス的に低域が弱いのも欠点になっていません。フォルテでも弦楽器が管楽器にかき消されることもなくしっかりと質感をもって聴くことができます。好録音と言えるでしょう。

ベートーヴェン:交響曲全集(マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団
録音:※本文参照
BR Klassik 900118 (P)(C)2012 BRmedia Service (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
拍手まで収録されたライヴ録音。演奏日時と場所は下記の通り(HMV Onlineから引用)。

  第1番ハ長調 Op.21 2012年2月9-10日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
  第2番ニ長調 Op.36 2007年3月1-2日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
  第3番変ホ長調 Op.55『英雄』2012年10月18-19日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
  第4番変ロ長調 Op.60 2012年5月17-18日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
  第5番ハ短調 Op.67『運命』 2012年5月17-18日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
  第6番ヘ長調 Op.68『田園』 2012年11月8-9日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
  第7番イ長調 Op.92 2008年9月25-26日 ミュンヘン,ガスタイク,フィルハーモニー
  第8番ヘ長調 Op.93 2008年9月25-26日 ミュンヘン,ガスタイク,フィルハーモニー
  第9番ニ短調 Op.125『合唱』 2007年10月26-27日 ローマ,バチカン,アウラ・パオロVI世

2007年の演奏もありますが,この全集の発売が発表された時にはまだ第3番と第6番は録音されていなかったということです(大胆!)。第3番は以前に録音されていたが,不満を抱いていたヤンソンスが録り直しを決めたとのことです。第9番は既発売のものです。

大オーケストラのスケール感を活かした雄大な演奏で聴き応え十分ですね。立派で良い演奏だと思います。

さて録音ですが,時期と録音場所が分かれていますが,録音のポリシーは統一され,録音状態も多少のばらつきはありますが概ね揃っています。以前取り上げたブラームス交響曲全集やチャイコフスキー交響曲第5番とほぼ傾向が同じです。

少しオフマイク気味で残響がかなり多く,そして低域の量感がものすごくあります。残響を含めとにかくぎゅうぎゅうに詰め込んだ感じでボリューム感と密度感がものすごく,見通しもあまり良くありません。相対的に高域が弱いように思いますが,ヌケは悪くありません。楽器の質感もそれなりに感じられます。

こういう録音のためか,聴く環境や装置によって印象がコロコロ変わります。低域がブーミーに中高域に被って聴き苦しく感じることもあれば,ヘッドホンやイヤホンなどでは,意外に良く聴こえたりもします。低域が出ない,あるいは帯域バランスが良く低域の締まった装置ならまあまあの状態で聴けそうです。

と言うほど悪くはないかもしれませんが,私の好きな録音とはだいぶ異なりますし,少なくとも再生装置や環境を選ぶという点で好録音とは少し違うと思います。

タグ: [交響曲] 

インナーイヤホン beyerdynamic DTX 11 iE のレビュー

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インナーイヤホン beyerdynamic DTX 11 iE

ケーブル1.2m Y字,プラグL字型 金メッキ? 16Ω
参考: TASCAMAmazon.co.jp

ベイヤーダイナミックのオープンタイプのインナーイヤホン。先日紹介したDTX 21 iEよりも下のランクの製品で,ヨドバシカメラでは1,000円を切る値段でした。DTX 21 iEが安物にしては良かったので,こちらも試してみました。

音ですが,DTX 21 iEのおとなしい音とは全くキャラクターが異なります。帯域バランスは中高域に偏り,中域より少し高い帯域に少し癖があります。決してバランスが良いとは言えませんが,明るく極めてヌケの良い音です。お薦めできる音ではありませんが,曇りがある音色よりはずっと良く,私はそんなに嫌いではありません。DTX 21 iEとの中間くらいの音色が一番良い気がしますね。

装着感も悪くありませんが,私の耳にはDTX 21 iEの方がぴったりします。ハウジングは小さめです。

モノとしての品質,質感はやはり良くありません。ケーブルがよれよれで癖がとれず滑りが悪いのはDTX 21 iEと同様です。値段が値段なので仕方ありませんが,あまりにチープです。「ボタンは服にとめることが可能で,・・・」と書いてあったのでクリップになっているのかと思いきや,本当に単なるボタンで,服のボタンホールに入れればとめられる,というだけでした。こんな大きなボタンホールを持った服は限られるので,ほとんど役に立ちません。

ということで,これは少し残念でした。安いイヤホンなのでまあ仕方ありません。DTX 21 iEの記事でも書きましたが,素性は悪くないと思うので,もう少し質感の良い高級な製品をぜひ出して欲しいですね。

タグ: [ヘッドホン] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(カール・ズスケ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
カール・ズスケ Karl Suske (Violin)
BWV1001,1002(1983年), BWV1003,1004(1985年), BWV1005(1988年), BWV1006(1987年),ドレスデン・ルカ協会
TKCC-15191 (P)2000 徳間ジャパン (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。2回目のレビューです。

自己主張を抑えて曲の本質的な素晴らしさだけをすくい取ろうとしているかのような謙虚な姿勢が,かえってこの演奏を大きく特徴づけているように思います。音色の美しさ,温かさ,そしてこの滋味深さ,本当に素晴らしいです。こんな幸福感に満ちた演奏は他にないと思います。

技術的な弱さを指摘する声もありますが,まあわからないでもないですが,そういう指向の演奏ではありませんし,安定感は抜群であり,全く問題ありません。

数年にわたり録音されていますが,多少のばらつきはあるものの,全体的な統一感はあり気になりません。ドレスデン・ルカ教会の残響が豊かに取り入れられていますが,マイク位置は演奏者の近くなのか,主体はあくまで楽器音なので,残響が多い割には音色への影響は少なく質感もそれほど失われていません。音の曇りも少なく,印象は悪くありません。こういう残響の取り入れ方ならまだ許せます。もちろん,もう少し残響を控えめにしてまとわりつきをを抑えて欲しかったとは思いますが。

ベートーヴェン:交響曲全集(サイモン・ラトル指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
サイモン・ラトル指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2002年4月29日-5月17日 ウィーン,ムジークフェラインザール
50999 9 15624 2 5 (P)2003 (C)2012 EMI Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
ラトルはあまり今まで聴いてこなかった指揮者で,しかも録音がEMIとなると...とさんざん迷ったあげく,結局値段の安さにつられて買った全集ですが...これはなかなかの当たりでした。これが本当にウィーン・フィルなのか?と思うところがあったり,ちょっとわざとらしいところも確かにありますが,そんな堅いこと言わずに素直になって楽しんだら良いじゃないか,と思えてくるくらい,音楽が生き生きしていて楽しいですね。

そして,EMIにしては上出来のこの録音,残響の多さはもう少し何とかして欲しかったところですが,それぞれの楽器の質感は保たれており,音の曇りも少なく聴きやすいです。これならまずまず納得できる範囲であり,鑑賞を阻害しません。最低限これくらいのレベルの録音に仕上げて欲しいものです>EMIの録音担当様。

タグ: [交響曲]