ブラームス:交響曲全集(ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)(XRCD)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
May 1975, München, Bürger Bräukeller
JM-XR24212 (P)1975 ARTS Productions (C)2009 Victor Creative Media (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
12-13, 15 December 1975, München, Bürger Bräukeller
JM-XR24213 (P)1976 ARTS Productions (C)2009 Victor Creative Media (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
13, 15 November 1975, München, Bürger Bräukeller
JM-XR24214 (P)1976 ARTS Productions (C)2009 Victor Creative Media (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
14-16 November 1974, München, Bürger Bräukeller
JM-XR24215 (P)1975 ARTS Productions (C)2009 Victor Creative Media (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
ルドルフ・ケンペ指揮 Rudolf Kempe
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 Münchner Philharmoniker

質実剛健のブラームス。オーソドックスで緻密に,そして無駄なく引き締まった音楽に仕上げています。これぞドイツの正統的演奏ですね。

そして,この録音がまた素晴らしい。同じ演奏ではないかと思われる輸入盤(ARTSレーベルのもの※1)も持っているのですが,明らかにこちらの方が鮮度が高いです。『このXRCDはLPレコード用に当時BASFから日本に送られた音源をリマスタリングしたものです。』と解説書にあり,このマスターテープの保存状態が良かったのか,XRCDの効果なのかはわかりませんが,この鮮度の高さは目を見張るものがあります。音質バランスの良さ,質感も文句ありません。望みうる最高の状態で復刻されたと思います。オリジナルの録音自体の音の捉え方が良いので,このXRCDによる復刻も活きているのだと思います。

第1番から第3番は第1楽章の提示部のリピートが省略されています。これは残念でなりませんが,仕方ないですね。

値段が高いのと,輸入盤※1の音質が今ひとつ冴えなかったので長い間買うのを躊躇していました。これは買って正解でした。

第1番 13:33/8:52/4:50/16:15 計43:33 提示部リピートなし
第2番 16:04/9:33/5:11/9:02 計39:54 提示部リピートなし
第3番 9:35/8:06/6:03/8:54 計32:38 提示部リピートなし
第4番 12:24/11:09/6:38/9:42 計39:57

※1 ARTSレーベルの輸入盤→Amazon.co.jp(No.1 & No.3No.2 & No.4

トリコロール(tricolor)という日本のアイリッシュバンド

トリコロール(tricolor)という3人組の日本のアイリッシュバンド。3人で8つの楽器を操るという(フィドル,ギター,アコーディオン,コンサーティーナ,ブズーキ,まではわかった。あとなんだろう? ティン・ホイッスルとか使うんだろうか?)。昨日その存在を知ったばかりで詳しいことはわかりませんが,その素朴でほのぼのとした優しい音楽は私の好きなアイルランドのグループ,パトリック・ストリートに通じるところがあります(アコーディオンとフィドルのユニゾンサウンドも似てる)。また曲によってはナタリー・マクマスターのようなケープ・ブレトン風のトラッドであったりもします。アルバムを聴いてみたくなりました。まず一枚買って聴いてみようと思います。

トリコロール公式Webサイト

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シューマン:交響曲全集(ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン)

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シューマン:交響曲第1番,第4番
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
シュターツカペレ・ドレスデン

1-12 September, 1972 Lukaskirche Dresden
CE28-5298 東芝EMI株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
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シューマン:交響曲第2番,第3番
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
シュターツカペレ・ドレスデン

1-12 September, 1972 Lukaskirche Dresden
CE28-5299 東芝EMI株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考:(第1番,第4番)HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
参考:(第2番,第3番)HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records

シューマンの交響曲というと,最近はすっかり軽く爽やかで見通しの良い演奏を求め,この曲はそういうものだと勝手に思ってしまっていたのですが,これはその対極をいく演奏。フルオーケストラの豊潤な響きを最大限に生かした壮麗で格調高い演奏だと思います。かつてはこういう演奏が主流だったんだと逆に新鮮な思いで聴きました。

録音ですが,この残響はちょっとすごいです。多いを通り越してもう過剰としか言いようがありません。どこの洞窟で録音したんだろうと思ってしまいます(^^;。しかし,弦楽器の音の芯が輪郭を伴って,しかも音色のバランスがそれほど崩れずに聴こえるので,これだけの残響感があるにも関わらずそれほど印象が悪くないのです。もちろん私の好きな録音からは大きく外れますが,残響を取り入れ方の一つの参考になる録音ではないかと思います。こういう録音を薦めたいわけではないですが。

この演奏の評価が高いのは,オーケストラの濃厚な響きの魅力を助長し支えるこの録音も貢献しているに違いありません。

私の好みから言いますと,同じ顔合わせで録音されたシューベルトの交響曲全集の録音の方がずっと好きなのですが...

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ハイドン・トータル(ハイドン:弦楽四重奏曲全集)(東京藝術大学音楽学部室内楽科&ウィーン音楽演劇大学ヨゼフ・ハイドン室内楽研究所)

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ハイドン・トータル haydn total ハイドン:弦楽四重奏曲全集
東京藝術大学音楽学部室内楽科とウィーン音楽演劇大学ヨゼフ・ハイドン室内楽研究所との共同プロジェクト
2008年~2012年
東京藝術大学出版会 (P)(C)haydn total project (国内盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jp
2008年の初めから2012年にかけて,ハイドンの弦楽四重奏曲68曲を,東京藝術大学音楽学部室内楽科とウィーン音楽演劇大学ヨゼフ・ハイドン室内楽研究所の両大学で分担し録音されたもの。演奏は両大学の現役学生と卒業生で,名前のついている弦楽四重奏団が27団体,このプロジェクトのために編成された“4 for Haydn”が10団体参加しています。すでに国際的に活躍している団体もあるようですが,大多数がこのプロジェクトのために編成されたとのことです。

また,録音指導と録音技師の養成もこのプロジェクトの重要な要素であったとのことで,多くの録音プロデューサとバランスエンジニアが名を連ねています。

収録曲は,最新の研究の成果を反映して,Opp.1 & 2, Op.9, Op.17, Op.20, Op.33, Op.42, Op50, Opp.54 & 55, Op.64, Opp.71 & 74, Op.76, Op.77, Op.103の計68曲で,十字架上の七言は編曲ものということで省かれています。

というような企画なので,いったいどんな演奏が聴けるのだろうかと半ば不安に思いながら聴き始めましたが,多くの団体が分担しているにも関わらず,全体としての統一感があり,水準も高いことに驚かされました。指導が行き届いているのでしょう。演奏者の“個性”は抑えられている感がありますが,逆にそれが功を奏し,ハイドンの音楽の素朴さ,楽しさが浮き彫りになっているように思いますし,またこの統一感が全集としての価値を上げているとも思います。

さて,期待の録音ですが...う~ん,私としてはちょっと期待はずれでした。残響はそれほど多くないのですが,初期反射音と残響との間くらいの反響音が多く,これが楽器音の明瞭感を奪い,音色を大きく曇らせる原因になっています。この反響音は残念ながら音楽的には何の役にも立っていません。楽器の質感を,鮮度を,精彩を奪っているだけです。演出臭はあまりなく生録的な素朴な録音で場の雰囲気はある程度伝わってくるのですが。

多少のばらつきはありますが,録音も概ね全体的には揃っています。この録音で揃ってしまっているというのは本当に残念なのですが...

余談ですが,この箱のでかさには閉口します。存在感ありすぎです。80枚組くらいかと思ってしまいました(22枚組です)。保管場所の確保が大変ですし,持ちにくいですし,箱も開けにくいですし,ディスクも取り出しにくいですし...力を入れたい気持ちはわかるんですけどね。

ハイドン:交響曲全集(アンタル・ドラティ指揮/フィルハーモニア・フンガリカ)

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ハイドン:交響曲全集
アンタル・ドラティ指揮/フィルハーモニア・フンガリカ
1969-72年録音
448 531-2 (P)1970-74 (C)1996 The Decca Record (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
33枚組の全集。全てを聴いたわけではありませんが,少しだけ感想を。全集はこれの他に,アダム・フィッシャー指揮/オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団デニス・ラッセル・デイヴィス指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団を聴きましたが,このドラティ指揮/フィルハーモニア・フンガリカの全集が,演奏面でも録音面でも一番聴きやすいと思いました。

演奏に大きな特色があるわけではありませんし,昨今のピリオドアプローチなどと比べると若干の古めかしさはあるものの,モダン楽器による奇を衒わないオーソドックスな表現で安心して聴くことが出来ます。フィルハーモニア・フンガリカは技術面で少し不安がありましたが,実際に聴いてみて全く問題ないことがわかりました。3年という短期間に良くこれだけの水準の全集を完成させられたものだと本当に感心します。

録音ですが,会場の響きが少し被って音色が曇りがちなのが本当に惜しいのですが,残響というほど尾を引かず音色を曇らせる以上の悪影響がほとんどないので,思ったよりも聴きやすいです。弦楽器の質感もまずまずです。演出色が抑えられ実在感のある雰囲気で録られているのも好印象です。もちろん私としてはもっとスカッと抜けよく録音して欲しかったと思いますが。

ということで,まだまだ聴いていない曲も多いので,これからもぼちぼち取り出して聴いていこうと思います。この全集は33枚組にしてはパッケージがコンパクトなのも助かります。値段は他の全集と比べるとちょっと高いですね。私はたまたまタイミング良く特売で15,000円程度で購入しましたが...過去,7,000円前後で買えた時期もあったようですね(異なるパッケージだったようですが)。

タグ: [交響曲] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(キム・ヒョンギ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
キム・ヒョンギ Hyungi Kim 김현지 金贤智 (Violin)
Korea 2012
DU42045 (P)(C)2012 innoCSR/Universal Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.es公式Webサイト
CD試聴記」からの転載記事です。

ゆっくりと丁寧に曲を仕上げています。音色に透明感がありとても美しく,一つ一つの音をくっきりとさせつつ綺麗にニュアンス豊かにフレーズを構成していきます。柔らかく優しい雰囲気が魅力的だと思います。唯一の欠点は,二部形式の楽章で後半のリピートを省略していることで,これは本当に残念でなりません。

録音ですが,残響が多く(残響時間も長い)取り込まれていますが,直接音が主体であるためにそれほど悪影響を受けず,楽器の質感も感じ取れますし,音が消えていくときの微妙な弓の動きも感じられます。私としては残響のまとわりつきがやや鬱陶しく感じられますが,残響を取り入れるならこんな風にしてくれればまだ許容できると思います。一般的には良好な録音として広く受け入れられるのではないかと思います。

このディスクはAmazon.es(なぜかスペイン)から購入しました(ただし韓国から送ってきました)。日本の通販サイトではまだ見かけません。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ソニグ・チャケリアン

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ソニグ・チャケリアン Sonig Tchakerian (Violin)
Santa Croce degli Armeni, Venezia, July 2012
481 0087 (P)(C)2013 Universal Music Italia srl (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Amazon.fr公式Webサイト
CD試聴記」からの転載記事です。

男性的といいますか,硬派なイメージの演奏で,強靱で力強く音楽を推進する攻め姿勢(ちょっと強引か)が印象に残ります。全体に速く曲運びに淀みがないのも良いです。音色はザラザラしていて美しくないのが少し残念です(録音のせいかもしれませんが)。技術力はあり,和音の響きの溶け合い方も絶妙(ただし音色で損してると思います)。

録音ですが,残響が多く直接音よりも間接音が主体で楽器音に大きく被り,明瞭感が悪く,音色も曇って全く良くありません。こういう演奏だからこそ直接音主体にビシッと録ってほしいものです。全くDECCAらしくありません。残念です。

このディスク,まだ日本に入ってきていないのか,日本の通販サイトでは見つけることが出来ませんでした。

なお,チャケリアン氏にはハイドンのヴァイオリン協奏曲の録音もあり,過去取り上げています(→こちら)。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ゴットフリート・シュナイダー)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ゴットフリート・シュナイダー Gottfried Schneider (Violin)
2011年8月 ミュンヘン 音楽演劇学校大ホール
OC 868 (P)2011 (C)2012 Oehms Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

ベテランらしい味わい深さがあります。技術面ではややキレが良くなく(衰えてきている?),音符の不均一さなど気になるところはありますが,長年弾き込んで会得されたのでしょう,温かさというか,真摯でありながら人間味に溢れる魅力があります。

録音ですが,残響が多く中音域が盛り上がったような癖のある音色になってしまっているものの,マイク位置が比較的近いのか,ニュアンスや質感はそれなりに感じられて,この点では悪くありません。もう少しすっきりと録って欲しかったところです。

「CD試聴記」Webサイト開設11周年!

姉妹サイトの「CD試聴記」が開設11周年を迎えました。相変わらず更新は滞りがちで,実質的に一部のページしか更新出来ていない状態が続いていますが,ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のページを新設するなど新しい取り組みを始めたりと,細々ながらも何とか続けられています。これも皆様のアクセスに支えられてのことと本当に感謝しています。今後ともよろしくお願い致します。

メンデルスゾーン,ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(クララ・ジュミ・カン(Vn)/パスカル・ヴェロ指揮/仙台フィルハーモニー管弦楽団)

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メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
クララ・ジュミ・カン Clara Jumi Kang (Violin)
パスカル・ヴェロ指揮/仙台フィルハーモニー管弦楽団
2010年5月, 6月 第4回仙台国際音楽コンクールにおけるライヴ録音
Fontec FOCD9490 (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
クララ・ジュミ・カンは韓国系ドイツ人。第4回仙台国際音楽コンクール第1位。この録音はこのコンクールのライヴ録音で,メンデルスゾーンはセミファイナル,ベートーヴェンは入賞者記念ガラコンサートです。

コンクールで優勝するだけあって大変上手いです(ライヴなので多少の傷はありますが)。音色もヴィブラートが綺麗ですし輝きがあり素晴らしいです。素性の良さを感じます。基本的には私はこういうフレッシュで擦れていない素直で懸命でひたむきな演奏は好きです。ただ,演奏家として第一線で活躍し続けるには,ここからどのように成長していくかが問われるのでしょうね。これからのご活躍を楽しみにしたいと思います。

録音ですが,これがまた良いのです。ほんのわずかに響きを伴っているものの,ソロは適度にフォーカスされてオーケストラから浮き上がり,ニュアンスまで明瞭に聴き取ることが出来ます。オーケストラも音にキレがありくっきりとしながらもソロを邪魔することがなくしっかりと下支えしています。これも協奏曲の録音としてはほぼ満足できる出来です。

なお,このディスクは読者の方からご紹介いただきました。本当に有り難うございました。

マーラー:交響曲第9番(カレル・アンチェル指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団)

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マーラー:交響曲第9番
カレル・アンチェル指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
Recorded at the Dvorak Hall of Rundolfinum, Prague, from 7 to 9 and on 12 and 15 April, 1966
SU 1954-2 011 (P)1966 Supraphon Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
アンチェルのディスクは,今までにドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」ブラームスの交響曲第1番,交響曲第2番を取り上げてきました。古い録音ですが,残響を取り入れながらも楽器の質感を明瞭に捉えた好録音でした。

このマーラーも例外ではなく,各楽器を自然に,すっきりと明瞭に捉えた好録音です。低域は少し弱めですが,かといって足りないというほどでもありません。私には映画音楽のようなそんなサウンドに聴こえます。このアンチェルのマーラーは名演として名高いですが,この好録音が支えている部分も大きいのではないかと思っています。