バッハ:ゴルトベルク変奏曲(シトコヴェツキー編曲弦楽三重奏版),シューマン:ピアノ四重奏曲(日下紗矢子(Vn),赤坂智子(Va),石坂団十郎(Vc),北村朋幹(P))

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988(弦楽三重奏版)
シューマン:ピアノ四重奏曲変ホ長調作品47
日下紗矢子(Vn),赤坂智子(Va),石坂団十郎(Vc),北村朋幹(P)
2013年1月16日 トッパンホール(東京)におけるライヴ収録
DENON COCQ-85025 (P)2013 NIPPON COLUMBIA (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
トッパンホールのプロデューサーがプログラムに沿ってメンバーを決めて編成されるトッパンホールアンサンブルによる8回目の演奏会を収録したものとのことです。ゴルトベルク変奏曲はお馴染みのシトコヴェツキー編曲版です。ゴルトベルク変奏曲のみコメントします。

で,このディスクを聴いて今とてもがっかりしています。リピートの省略がとても多いのです。リピートされているのは30の変奏曲のうち7曲しかありません。演奏時間はそれでも50分に及びますが...

今までいくつかの演奏でも述べてきましたが,ここまでリピートが省略されると,私にとってはこの曲を楽しむための基本的なスペックを満たしていないと言わざるをえません。リピート省略に目を瞑れば明るく快活で,そして歌心に富む良い演奏だと思うだけに,非常に残念です。

作曲家が明確にリピートの指示を楽譜に記しているのに,なんでこんな簡単にその作曲者の指示を無視できるのか,不思議でなりません。音楽的に意味があるからこそ作曲家はリピートを指示しているのであって,リピート遵守は曲の解釈以前の話だと思うのですが。さらにこのリピートの省略を問題視する人が評論家をはじめ,全くいないのも不思議です。そんなにどうでも良いことなんですかね?

まあ,リピート省略に関してはこの演奏に限った話ではないのですが...

さて録音ですが,残響感はそれほどないのですが,ホールの比較的初期の反射音の被りがあるようで,楽器の音色がくすんで透明感がありません。ホールの雰囲気はあるものの,それはこのくすんだ音色によるもので,空間性を感じさせるようなものではありません(実際,あまりステレオ感がないように思います)。響きの取り込みが音楽的にもオーディオ的にもプラスに働いていません。

辛口コメントになってしまいました...すみません。

タグ: [室内楽曲] 

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77,他(レオニダス・カヴァコス(Vn)/リッカルド・シャイー指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団)

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ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77,他
レオニダス・カヴァコス Leonidas Kavakos (Violin)
リッカルド・シャイー指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
Gewandhaus zu Leipzig, 6-11 May 2013
478 5342 (P)(C)2013 Decca Music Group Limited (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集に続く,DECCA移籍後の第二弾。併録曲は,バルトーク:ヴァイオリンとピアノのための狂詩曲第1番,第2番,ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲1,2,6,11番(ピアノはペーテル・ナジ)。今回はヴァイオリン協奏曲のみのコメントです。

この人は本当に透明感のある綺麗な音で現代的に洗練された演奏をします。インパクトのある演奏ではありませんし,巨匠的なカリスマ性・アクの強さも感じられませんが,美しい演奏でブラームスの協奏曲の魅力を再認識させてくれます。やや線が細く感じられるのは録音のせいでしょう。

で,その録音ですが,オーケストラは残響があるものの楽器の質感はまずまず良く捉えられているので合格点,ソロはややオフマイクで薄味です。響きで音色も少しくすみがちです。協奏曲の録音としては標準的で自然なバランスだとは思うものの,もう少しソロにフォーカスして力強く質感を強めに出して欲しかったところです。私としては少し欲求不満になります。惜しいと思います。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集(ヤッセン・トドロフ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集
ヤッセン・トドロフ Jassen Todorov (Violin)
Recorded December 2012, Bulgarian National Radio - Studio 1
GEGA NEW GR 16 (C)ALAN group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
CD試聴記」からの転載記事です。

良い意味で教科書的,模範的で,土台のしっかりした安定感のある演奏です。 生真面目で遊びがない直球勝負のようであって,実は隅々にまで神経が行き届いた細やかさも持ち合わせています。 右手の弓使いの確かさ,和音の響きの美しさなど,地味ながらも特筆できるところが多くあります。 こういう演奏は好きですね。 パルティータ集が出て全集として完結することを期待します。

録音ですが,少し癖のある響きを伴いながらも楽器音を正面からしっかりと捉えた好録音と言えます。 細かいニュアンス,楽器の質感もそこそこ感じ取ることが出来ます。

ヤッセン氏はブルガリアを代表するヴァイオリニストとのこと。

やさしい花の咲く場所(奥華子)

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やさしい花の咲く場所
奥華子 Hanako Oku
PCCA-02226 (P)2006 PONY CANYON Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
横道それついでにもう一つ...

最近のことなのにもうきっかけを思い出せないのですが,奥華子さんの曲を何かで聴いて,もう少し聴いてみたくなり,手に入れたのがこのディスク。私の場合,その人の初期の曲の方が気に入ることが多いので,ファーストアルバムを選びました。

色気ゼロ,艶めかしさゼロ,まだ素人っぽさが見え隠れするのですが(ごめんなさい...),この独特の歌声は間違いなく魅力があります。そして温かく思いやりに満たされた詩も良いですね。この音楽を聴いていると,オジサンとしてはもうかなり昔に忘れてしまった大切なことを思い起こさせてくれるようで,あぁ,たまにはこういう音楽も聴いてみるもんだなぁ,と思った次第です。

購入する前にサンプルを聴いた限りだと,ほぼピアノの弾き語りで構成されているのでは?と思って買ったのですが,ほとんどの曲では途中からバンドが入ってきます。これはちょっと期待はずれでした。バンドが入ってきた途端,奥華子さんの個性・魅力がどんどん薄まっていくようで,これは残念でなりません。歌声自体に大きな魅力があるのだから,余計な伴奏はいらないです。全曲ピアノの弾き語りでやって欲しかったですね。ぜひとも次はピアノの弾き語りでアルバムを作ってください。期待しています...って,もしかしてもうそういうアルバムがあるんですかねぇ...探してみよっと。

録音ですが,特筆すべきところは特にありません。普通のJ-POP録音と言って良いでしょう。もう少し声を生々しく録っても良いんじゃないかと思いました。演出がやや強めの曲もあり,これはせっかくの魅力ある歌声を台無しにするだけだからやめて欲しいと思います。(J-POPに期待しても無駄か...)

タグ: [J-POP] 

SONGBOOK(アンジェラ・アキ)

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SONGBOOK
アンジェラ・アキ Angela Aki
ESCL3818-9 (P)2008,2009,2011,2012 (C)2012 Epic Records Japan Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
久しぶりの更新なのに,また横道に逸れてしまって申し訳ありません...

洋楽の日本語版カバー・アルバムで全曲ピアノ弾き語り。今までのアルバムに収録されていたものに加え,新録音6曲を含みます。新録音は以前NHK Eテレで放送されていた「アンジェラ・アキのSONGBOOK in English」で取り上げられていた曲のようです。ビリー・ジョエルの名曲“Honesty”などが含まれます。

アンジェラ・アキは本当に歌唱力がありますね。しかも,この全曲ピアノの弾き語りというのが良いです。彼女の歌を堪能できます。普段はアンジェラ・アキは聴きませんが(J-POP自体ほとんど聴かないのですが),これは良いと思いました。このディスクは洋楽のカバーばかりですが,ぜひオリジナル曲で全曲ピアノの弾き語りベスト盤を作って欲しいです。

録音は可もなく不可もないJ-POPとして標準的な出来だと思います。せっかくの弾き語りなので,ジャズの録音のようにHi-Fi調で録って欲しかったところです。「オリジナル曲のピアノ弾き語りベスト盤」を作るときにはぜひ録音にもこだわって欲しいです(こんな企画があればですが...)。

タグ: [J-POP]