バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番,他(リサ・バティアシュヴィリ)

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バッハ (バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番,他)
リサ・バティアシュヴィリ Lisa Batiashvili (Violin)
August Everding Saal Grunwald, Munich, 12/2013; Himmelfahrtskirche, Munich-Sendling, 1/2014
00289 479 2479 (P)(C)2014 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番について掲載した「CD試聴記」からの転載記事です。このソナタ第2番のほかに,次の曲を収録しています。

バッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ハ短調 BWV.1060a
バッハ:カンタータ第156番『わが片足は墓穴にありて』ヘ長調 BWV.156~シンフォニア
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV.1042
C.P.E.バッハ:ヴァイオリン,フルートと通奏低音のためのトリオ・ソナタ 変ロ短調Wq.143
バッハ:マタイ受難曲BWV.244から『憐れみ給え,わが神よ』

以下,ソナタ第2番のコメントです。

これはモダン楽器の持つ能力をフルに引き出したのではないだろうかと思ってしまいます。 張りのある密度の高い魅力的な音色,まるで楽器自体が呼吸するかのような自然で幅広い表現力, 隅々にまで神経が行き渡った緻密な音楽は本当に圧巻です。 いささか曲をいじりすぎの感はありますが,ここまで完璧に魅力的に決められると納得せざるを得ないです。 この演奏で全曲を聴いてみたいものです。

録音ですが,残響が多めで直接音よりも比率が高いためまとわりつきが鬱陶しく感じられ,やや演出感が鼻につきます。 高域が伸びているようで伸びきらず,もどかしさも感じます。 客観的にはそれほど悪くはないかもしれないと思うのですが,私はあまり好きではありません。

ところでこのアルバムの選曲,共演者ありきで選んだような気がしてならないのですが,私には何とも散漫に感じられます。ヴァイオリン協奏曲と無伴奏ヴァイオリンはまとめて収録して欲しかったと残念に思います。演奏は面白いのになぜか好きになれないディスクです(ジャケット写真も...)。

モノローグ(高橋未希)

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モノローグ (バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番,他)
高橋未希 Miki Takahashi (Violin)
2011年8月 ドイツ,ベルリン,ヴァンシー村のアンドレアッシュキルッヒ
MAJ509 (P)(C)2014 MA Recordings (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番について掲載した「CD試聴記」からの転載記事です。バッハのほかに,トマス・バルツァー/プレリュード ト長調,ジョバンニ・バサーノ/リチェルカーレ第2番ト長調,ビーバー/ロザリオのソナタよりパッサカリア ト短調,テレマン/無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジー第7番,バブコット/ディンスレー/詳細な覚え書きを基にトマス・ディンスレーによって復元されたジョージ・バブコットの間違いの多い哀悼曲,を収録しています(なお,これらの曲には触れておりません)。

バロック・ヴァイオリンによる演奏。 静寂の中でそっと祈りを捧げるように始まるソナタの第1楽章が印象的。 そして終始その静かで穏やかな雰囲気のまま終楽章のAllegroまでも終わります。 アクセントを巧みに抑え,バロック・ヴァイオリン特有の響きを上手く出していますし, その良さを活かしつつごく自然な音楽に仕上げているところに好感を持ちます。

もっとも私としてはもう少し快活な演奏の方が好みなので, 後ろに引っ張られるような演奏に少々もどかしさも感じます。 演奏者の意図が違うところにあるのでしょうから,仕方ありませんが。

解説書で使用した弓について,『製作者が「バッハ・ボウ」と呼んでいたこの弓は,・・・』とあるのですが, 演奏を聴く限りは張力を手元で調整できる湾曲弓ではない,通常のバロック弓のように思います。

録音ですが,教会での録音で,ワンポイント録音されたとのことです。 直接音と残響音のバランスが取れていて,豊かな残響を感じさせつつ,明瞭度の低下,音色の曇りが最小限に抑えられていて, 印象は悪くありません。 私としては,もう一歩寄って,楽器から発せられる雑味も含んだニュアンス豊かな音色をしっかりと録って欲しかったと思いますが。 ちょっと美しく録りすぎてバロック楽器の良さが失われている気がします。

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,パルティータ第1番,他(郷古廉)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,パルティータ第1番
郷古廉 Sunao Goko (Violin)
2013年10月22-24日 プラハ,ストジェシュヴィッカー・エヴァンゲリカル教会
OVCL-00523 (P)(C)2014 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

他にバルトーク/無伴奏ヴァイオリン・ソナタSz.117が収録されています。

まずは教科書通りというところでしょうか。 しかし,キレがあり,真摯で緊張感のあるまっすぐな演奏は聴き応えがあります。 技術的にもまだまだ余裕があり完璧に隅々までコントロールしています。 立派な演奏に感心しました。 今後がとても楽しみです。

録音ですが,残響が多く,また,かなりオフマイクの録音なので残響が優勢で明瞭感がなく,細部やニュアンスが聴き取りづらく, 楽器の質感も感じ取りにくいです。 高域の伸びはないものの曇った感じが少ないのが救いですが,私としてはとても残念な録音です。

郷古廉氏は1993年生まれ。2004年第58回全日本学生音楽コンクール第1位,2013年ティボール・ヴァルガ・シオン国際ヴァイオリン・コンクール優勝など,国内外の数々のコンクールで優勝の経歴を持っておられます。現在はウィーン私立音楽大学において研鑽中。これまでに勅使河原真実,ゲルハルト・ボッセ,辰巳明子,パヴェル・ヴェルニコフの各氏に師事されたとのことです。

メイヴ・ギルクライストのケルティック・ハープ(その3)

この連休はメイヴ・ギルクライストのケルティック・ハープにはまってしまいました。時間があると美しいハープの音色に耳を傾けていました。すでに昨日紹介済みですが,2つの動画を埋め込みで再度紹介します。

一つ目はハープ独奏。



もう一つはタップダンスとの共演です。



音楽が美しいのはもちろんですが,弾いている仕草まで美しいですねぇ。また,リズム感の良さも光っています。このノリはクラシック音楽ではなかなか得られません。とても気持ちの良い音楽です。オーダーしているディスクの到着が本当に待ち遠しいです。

このハープはペダルがないので転調するときは各弦に付いているレバーを操作するんですね...

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メイヴ・ギルクライストのケルティック・ハープ弾き語り(その2)

最近のお気に入りアーティスト,ケルティック・ハーピストのメイヴ・ギルクライストがブルーグラスの大御所フィドラー,ダロル・アンガーと共演したビデオがありました。ファンとしてはとても嬉しいビデオです。これもいい曲ですねぇ...素晴らしい。私の再生環境では音割れがしてあまり音声品質がよくないのが残念ですが。



そして,ダロル・アンガーのフィドルがフィーチャーされたビデオもありました。ハープでブルースというのも珍しいですね。



あと,タップダンサーとの共演もありました。神秘的な美しさを持つ前半,快活でスピード感あふれる後半,聴き所が満載です。
http://www.youtube.com/watch?v=xr0u-HIRiMY

これはアコースティックギターとの共演で弾き語りに重なるコーラスが素朴で美しい佳演。
http://www.youtube.com/watch?v=j65P-SqftJg

これはヴァイオリンとベースと組んだ"The Maeve Gilchrist Trio"での演奏。
http://www.youtube.com/watch?v=hI7bs8Uwb1w

美しいケルティック・ハープのソロ曲"Peerie Joel's Waltz"。
http://www.youtube.com/watch?v=qwH4pQXutuI

魅力的な演奏がいっぱい見つかりました。Youtubeに感謝です。ディスクを2枚手配したので,手には入ったら紹介したいと思います。

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メイヴ・ギルクライストのケルティック・ハープ弾き語り

スコットランド出身?のケルティック・ハーピスト,メイヴ・ギルクライスト(Maeve Gilchrist)のハープ弾き語り。最近この動画がお気に入りでよく観ています。あまり情報がないのですが,Darol Angerとの共演もあるようです。何枚かCDをリリースされているようなので,一つ入手してみようと思っています。立って弾くのですねぇ... Official Web Site

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アバンダンス(アラスデア・フレイザー(Fiddle)/ナタリー・ハース(Cello))

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アバンダンス Abundance
アラスデア・フレイザー Alasdair Fraser (Fiddle)
ナタリー・ハース Natalie Haas (Cello)
Flying Whale Studio, Grass Valley, California
CUL124D (P)(C)2014 Culburnie Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon
スコティッシュ・フィドラーのアラスデア・フレイザーと,トラッドのチェリスト,ナタリー・ハースのデュオアルバム新譜。おそらく4作目。もう15年以上もデュオとして活動しているとのことです。ナタリー・ハースは正直,技術的にはそこそこですが,クラシックのチェリストはおそらくやらないチョップ奏法を駆使して見事なリズムを刻み,音楽を引き締めています。これが良いんですよね。大好きです。

このアルバムではピアノ,アコーディオン,マンドリンからブラス,パーカッションまで様々なゲストが参加して賑やかでポップなアルバムになっています。また,多重録音も使っているように思います。個人的にはデュオ中心のスコティッシュの薫りのする曲が好きなんですけどね。でも十分に楽しめます。

録音もスタジオで残響なく極めてクリアに録られていて,この点でもすごく嬉しいアルバムです。これもまたクラシックではまずやらないような録音なのですが,室内楽や独奏をこんな風に録ってくれたらどんなように聴こえるのだろうかと思ってしまいます。それほどに私にとっては痛快な録音なのです。

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ギター編曲版)(ヨジェフ・エトヴェシュ)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ギター編曲版)
ヨジェフ・エトヴェシュ József Eötvös
AKZENT, Bratislava 1997
EJ-01WZ 自主制作盤 (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV Onlineicon
演奏者のエトヴェシュ自身の編曲による演奏。カート・ラダーマーはこの曲を多重録音+専用ギターで楽譜に忠実に演奏しましたが,エトヴェシュはギター1本で多重録音なしの演奏です。ギター1本の制約上,ギターでの演奏を可能にするためにかなり音型を変更していますが,多声部は緻密に構成され音量バランスも考慮された上で演奏されていて原曲のイメージが見事に再現されています。ギター1本でここまで演奏できるのかと本当に驚きました。

しかし,多重録音という方法を使うことによってギターの制約から解放されて攻めの表現を行ったラダーマーに比べると,技術的な困難度のためか演奏はどちらかといえば守りに入っていて,ギター演奏としての凄さはあるものの,音楽としての面白さはラダーマーに一歩譲るように思います。また,リピートの省略が多いのも残念なところです。

録音ですが,残響をやや多めに取り入れていて明瞭感と高域の伸び,音色の透明さが失われているのが残念です。雰囲気は感じられるのですが,元々良く響く楽器なので残響がなくとも全く問題ないと思うのですが。それよりも演奏を克明に,ニュアンス豊かに録って欲しかったと思います。

このディスクは自主制作盤ということもあってか,現在は残念ながら入手性が良くないようです。

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