バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(千住真理子)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
千住真理子 Mariko Senju (Violin)
2014年9月1日-4日 草津国際音楽の森コンサートホール
UCCY-1049/50 (P)(C)2015 Universal Classics (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による伝統的なスタイルの延長線上にある演奏で,緩急強弱は控えめですが, 一つ一つの音に勢いがあり力強く自信に満ちています。 演奏者の込めた思いがひしひしと伝わってくる芯の強い音楽です。 技術的な不満はゼロではありませんが,全くと言って良いほど気になりません。 もう少し技のキレが欲しいところもありますが,音程やリズムが崩れないため安心して聴くことが出来ます。 この録音に向けて鍛錬を重ねてこられたことが感じられます。

正直に言いますと,聴く前はあまり期待をしていませんでしたが(本当にごめんなさい...), その予想を大きく覆す立派で充実した演奏にちょっと感動してしまいました(^^;。

録音ですが,残響感が少しあってまとわりつきが気になるものの,明瞭さは失われておらず,楽器の質感も良く感じられます。 音色もそれほど損なわれておらず,音の伸びもありますし,ヌケも悪くありません。 もちろん私としては残響をもっと抑えてすっきりと録って欲しかったと思いますが, これでも十分良好な録音と言えると思います。

20年ぶり2回目の全集録音で,今年2015年はデビュー40周年とのことです。 これだけ長い間第一線で活躍を続けられて来たこと,本当に立派だと思います。

スマートフォンの音質は本当に悪いのだろうか? ~ Xperia Z1fとZ3 Compactを測定してみた

スマートフォンはオーディオプレーヤ専用機と比べて音質への配慮がなされていないため音質が悪い,あるいはノイズ源が多いから音質が悪い,というのが掲示板等で見かける一般的な評価だと思います。正直なところ,私はヘッドホンの音へのこだわりはものすごくあるのですが,再生機の音質差ということになると鈍感です。実はスマートフォンもオーディオプレーヤ代わりに使うことが結構多いですが,使うのが外出先ということもあって,あまり音質を気にしたことはありませんでした。

では実際どうなのだろうということで,手持ちのXperia Z1fとZ3 Compactについて,前エントリーでiPod touch 5thとWalkman NW-F880の比較を行った方法と同じやり方で測定してみました。測定方法,条件等は前エントリーを参照してください。

■Xperia Z1f
SourceTHDTHD+N
44,100Hz/16bit 0.35277% 0.68574% 
48,000Hz/24bit 0.35095% 0.68574% 


■Xperia Z3 Compact
SourceTHDTHD+N
44,100Hz/16bit 0.00847% 0.04533% 
48,000Hz/24bit 0.00858% 0.03351% 


う~ん,全然違いますねぇ... Z1fは歪が相当多いですが,Z3は逆にWalkman NW-F880よりも少ないという結果です。次は測定時のFFTの結果です。

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図1 Xperia Z1f FFT測定グラフ
44,100Hz/16bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約1mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


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図2 Xperia Z1f FFT測定グラフ
48,000Hz/24bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約1mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


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図3 Xperia Z3 Compact FFT測定グラフ
44,100Hz/16bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約1mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


xperia_z3_48000_24_1khz_16ohm_1mw.png
図4 Xperia Z3 Compact FFT測定グラフ
48,000Hz/24bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約1mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


Z1fはVol MAXにしてやっと1mW(16Ω負荷)が得られたのですが,Vol MAXでフルスケールに近い音声を再生すると歪が急激に多くなる現象は多くのプレーヤで共通する現象ですので,0.5mWでも測定してみました。

■Xperia Z1f (0.5mW)
SourceTHDTHD+N
44,100Hz/16bit 0.06776% 0.14766% 
48,000Hz/24bit 0.06752% 0.14392% 


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図5 Xperia Z1f FFT測定グラフ
44,100Hz/16bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約0.5mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


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図6 Xperia Z1f FFT測定グラフ
48,000Hz/24bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約0.5mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


出力を抑え気味にするとだいぶ改善することがわかります。なおZ1fはVol MAXでの最大出力電圧が16Ω負荷で0.18V程度しかありません。Z3 Compactは0.25V程度です。いずれにしてもiPod touch 5thの1/4,Walkman NW-F880の1/2程度の電圧なので,ドライブ能力はプレーヤ専用機に比べるとだいぶ劣ります。

ということで,スマートフォンの音質は機器によってそのレベルはまちまちであろうことがわかりました。Z3 Compactはハイレゾ対応に伴い音質改善を図ったというような記事がありました(→Phile-web)。その成果はこの測定結果にも現れていると思います。もしかしたらWalkmanを上回っている可能性もありますね。

なお,前エントリーでも申し上げましたが,本測定は再生機能の特性の一側面を測っているに過ぎないので,これだけで音質の善し悪しを語れるわけではないということはご承知おきください。

以上,ご参考に。

iPod touchの音質はWalkmanに比べてそんなに悪いのだろうか?

掲示板等では,iPod touchとWalkmanと音質を比べるとWalkmanの方が音質が良いという評価が圧倒的に多いです。そんなに変わらないという評価は少しあります。Walkmanは味付けが濃いのが嫌なのでiPod touchを使っているという方もいます。しかしiPod touchの方が音質が良いという評価はほとんど見かけません。

私は両方使っていますが,同じヘッドホンを使う限り音質は同等でどちらかに優劣があると思ったことはありませんでした。音質に関してなぜそんなにWalkmanの評価が高いのか,iPod touchが酷評されるのか不思議でしたので一度調べてみようと思っていました。このエントリーでは,その要因がわかるかもしれないと思い,簡易的に歪特性を測定してみましたので,その結果を報告したいと思います。

なお,これは私にとって初めての試みで,そんなに間違った測定をしていることはないとは思うのですが,適切ではないところもあるかもしれません。また,この測定は再生機の特性のある一側面を測っているに過ぎず(ただし重要な一側面ではあると思っています),これだけで音質の優劣がわかるわけではない,ということもあらかじめご了解ください。

測定対象は,WalkmanはNW-F880(F887),iPod touchは5thです。

測定項目はTHD(全高調波歪)とTHD+N(全高調波歪+ノイズ)で,有名なフリーソフトWaveSpectraの機能を用いて行いました。測定の仕方はWaveSpectraのヘルプに記載されている方法に従いました。詳しい測定条件は最後に載せます。テスト信号は44,100Hz/16bitと48,000Hz/24bitの1kHz正弦波のWAVファイルをWaveGeneを使って生成し,これを再生してイヤホン端子から出力される信号を観測しました。

結果は次の通りです。

■Walkman NW-F880
SourceTHDTHD+N
44,100Hz/16bit 0.03879% 0.09202% 
48,000Hz/24bit 0.03911% 0.09048% 

■iPod touch 5th
SourceTHDTHD+N
44,100Hz/16bit 0.00204% 0.04635% 
48,000Hz/24bit 0.00199% 0.03554% 


高調波歪ではiPod touchが圧倒的に良いという結果でした。次に測定時のFFTの図を載せます。300回測定の平均を取っています(これもWaveSpectraの機能)。

walkman_f880_44100_16_1kHz_16ohm_1mw.png
図1 Walkman NW-F880 FFT測定グラフ
44,100Hz/16bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約1mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


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図2 Walkman NW-F880 FFT測定グラフ
48,000Hz/24bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約1mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


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図3 iPod touch 5th FFT測定グラフ
44,100Hz/16bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約1mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


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図4 iPod touch 5th FFT測定グラフ
48,000Hz/24bit 正弦波1kHz,16Ω負荷 出力約1mW
FFT 96,000Hz 65,536サンプル 窓関数Flat top


iPod touchは驚くほど低歪です... 一方Walkmanは高調波歪が多いですね...

最初にも申し上げましたが,再生機の特性の一側面を測っているに過ぎないので,この結果だけではiPod touchの音質がWalkmanよりも圧倒的に良いということは出来ませんが,少なくともアンプの基本的かつ重要な測定項目であるTHDとTHD+Nの測定結果からはiPod touchの音質がWalkmanに比べて劣るとされる要因を見つけることが出来ませんでした

一方で,Walkmanの味付けが濃いと言われる理由はこの高調波歪の多さに起因している可能性がありますね(あくまで勝手な想像ですが,歪の多い真空管アンプやアナログディスクが好まれる理由と似たところがあるのかもしれません)。

なお,Vol MAX時の最大出力電圧は,Walkman NW-F880は約0.5V,iPod touch 5thは約1.0Vで,ドライブ能力もiPod touchの方が上回ります。これなら下手なポータブルアンプを付けるよりもイヤホン端子直付けの方が音質が良いということもあるかもしれないと思ってしまいました。(なお,普通のポータブル向けのヘッドホンであればWalkmanの出力で全く問題なくドライブ出来ることを付け加えておきます)。

以上,ご参考に。

■測定条件
測定対象
 Sony Walkman NW-F887
 Apple iPod touch 5th

測定系
 測定ソフト WaveSpectra (FFT 65,536サンプル,窓関数 Flat top)
 オーディオI/F RME Fireface UCX (96,000Hz/24bitでサンプリング)
 ダミーロード 16Ω金属被膜抵抗

再生音源
 サンプリング 44,100Hz/16bit,48000Hz/24bit
 テスト信号 正弦波 1000.48828125Hz -3dBFS
 WaveGeneで生成,WAVファイル

再生条件
 出力約1mW (16Ω負荷,電圧約0.14V,Volで出力調整)
 再生ソフト Walkman: Walkmanアプリ,iPod touch: Onkyo HF Player

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番,第3番,第4番,他(フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn)/ラドスラフ・スルク指揮/バイエルン放送室内管弦楽団)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番,第3番,第4番
フランク・ペーター・ツィンマーマン (Violin)
ラドスラフ・スルク指揮/バイエルン放送室内管弦楽団
2014年3月6-8日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
CD 98.039 (C)2015 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
ツィンマーマンは20歳台前半にハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団との競演でEMIに全集録音をしていますが,これはおよそ28年ぶりとなる全集に向けての第1弾とのことです。ヴァイオリン協奏曲の他に,ロンド K.373,アダージョ K.261が収録されています。

モダン楽器による演奏で,気品の感じられる,そして透明感ある音色がとても美しい,歌心溢れる表現に胸のすく思いのする素晴らしい演奏です。モダン楽器の良さ,らしさを最大限に発揮しているところが最高に良いです。1回目の全集に比べて硬さが取れ,ずいぶんと柔軟でかつ躍動感があります。熟した一番おいしい時期という感じがしますね。

録音も良好です。ソロはわずかに残響のまとわりつきがありますがほとんど気にならないレベルであり,明瞭かつ透明感があり,高域のヌケも良く気持ちよく聴くことが出来ます。バックのオーケストラはもう少し残響感が多めですが,この差がソロを浮かび上がらせる効果を持っています。各楽器の分離も悪くありません。協奏曲の録音として良くまとまっていると思います。

演奏も録音も良いディスクでした。全集として完成するであろう第2弾が本当に楽しみです。

メンデルスゾーン,ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲(五嶋みどり/マリス・ヤンソンス指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

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メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26
五嶋みどり MIDORI (Violin)
マリス・ヤンソンス指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
January 11-13, 2003(Mendelssohn), June 18-19, 2002(Bruch), Philharmonie, Berlin.
SK 87740 (P)(C)2003 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ライヴ録音で,演奏後の拍手まで収録されています。

技術的に非の打ち所がない完璧さを誇るのはもちろんですが,魂の込め方が尋常ではないです。あの小柄で華奢な身体からは想像できない圧倒的で輝きに満ちた音楽が生み出されていく,本当に素晴らしいです。MIDORIさんは日本人の誇りです。メンデルスゾーンも良いのですが,ブルッフは最高ですね。もしかしたら今まで聴いた中で一番かもしれない,と思いました。

録音ですが,ソロは少し控えめな捉え方ながらクリアに捉えられていて好感が持てます。オーケストラを含め響きが美しく録られています。残響感はそれほど多くなく好ましいバランスに抑えられています。欲を言えばソロの下支えがやや弱くボディ感が希薄なので,もう少し寄って質感を強めに出して録って欲しかったと思うのですが,これが不自然にならないぎりぎりのところだったのかもしれません。協奏曲の録音としては標準的にまとめられていて悪くはないと思います。

ヘッドホン AKG K550 周波数特性&レビュー

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ヘッドホン AKG K550

密閉・ダイナミック型,インピーダンス32Ω,ケーブル片だし3m 3.5mm+6.3mmアダプタ ストレートプラグ
参考: メーカーサイトAmazon.co.jp

2011年発売。ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果にも掲載しています。
beyerdynamic T90 Jubileeはさんざん試聴して納得した後の購入でしたが,このK550は試聴せずWeb上の様々なレビューだけを頼りに購入しました。ほとんど博打で購入したものです(^^;。

音質ですが,軽いドンシャリの傾向はありますが,ほぼフラットに感じられます。低域の量感はそれほどありませんが,締まっています。全体のバランスとして重心が低めなのですが,強調はされていないので,低域の量感を求めない私にはちょうど良いです。密閉型ですが,こもった感じや箱鳴り感はほとんどなく,高域のヌケもまずまず良好です。中域にわずかなクセを感じるものの,それ以外のクセは少ないと思います。音の広がり感も良好,左右の分離もかなり良いです。

周波数特性を見ると6kHzから10kHzあたりの音圧がかなり高いのですが,うるさいということはなく,輪郭のくっきりした音像や解像感の高さ,ヌケの良さに貢献しているのではないかと思います。バランスが悪そうに見えますが,聴感上は好ましく聴こえます。うるさくなりがちな2kHzから5kHzの音圧が若干弱く,それ以上の高域のレベルが高いというのは,私の好きな周波数バランスのパターンですね。

装着感ですが,ハウジング全体の口径は大きいものの,イヤーパッドの開口の大きさは意外に小さく,またスポンジが柔らかく厚みも少し薄めなので,アラウンドイヤーながら耳が当たるので,それほど快適ではありません。ベストポジションはピンポイントで,この場所を見つけるまで落ち着きません。側圧は弱めなので装着は比較的楽です。ピンポイントのポジションが見つかれば長時間でも大丈夫だと思います。ヘアバンドの調節は,目盛りが付いているのでベストポジションの値を覚えておけば良く,これは助かります。

製品の質感もまずまずで,造りもしっかりしています。AKGロゴの入ったプラグもしっかりしていて良いと思います。ケーブルはやや癖が取れにくいのが今ひとつですが,柔軟性はあるので取り扱いは問題ありません。

装着が楽な密閉型が欲しかった,という目的は果たせたかなと思いますが,音質についてはもう少し聴き込んでみて必要があれば再レビューしたいと思います。

ところで,私はこのモデルをAmazon.co.jpでおよそ\13,500くらいで購入しました。今見ると(2015年2月現在)\26,300!ほぼ倍の価格です... 急に高くなりましたね... 驚きました。安く買えた私は幸運でした。

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図1 AKG K550 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]人工耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

タグ: [ヘッドホン] 

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(マイケ・ラーデマーカース)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
マイケ・ラーデマーカース Mayke Rademakers (Cello)
September 2013 & July 2014, Podiumkerkje, Grevenbichr [NL]
Q14004 Quintone (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

音楽の流れはなかなか良く,意欲的で躍動感があるところは良いと思います。 技術的にはわずかにキレが悪いのが残念なところです。 第5番までは健闘していますが,第6番はちょっと苦しいです。 また,どのような版の楽譜を用いられているのかわかりませんが, あれっ?と思う聴き慣れない音が何カ所か混じっているのが気になります。 楽譜を読み間違えているということはないと思うのですが...

録音ですが,残響過多というわけではありませんが,響きで楽器音が濁っていて全く冴えない音になってしまっています。 残響が全く音楽的に寄与していません。 私には,残響があった方が良いから入れた,くらいの安易な考え方で録音しているようにしか聴こえません。 好録音とは程遠い残念な録音です。

最後にヤマハのエレクトリック・チェロ(サイレント・チェロ SV-110)を用いた即興的な楽曲が収録されていて, こちらの方が楽しめました。

タグ: [器楽曲]  [チェロ] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番,パルティータ第2番(リュディガー・ロッター)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
リュディガー・ロッタ Rüdiger Lotter
2010年4月, 2011年7月 ミュンヘン,ゼントリンク,昇天教会
OC 838 (P)2010,2011 (C)2012 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・ヴァイオリンによる演奏。 丁寧で美しくとても上品に仕上げています。 強い主張はなくどちらかといえば控えめですが, 技術的にも上手く,ニュアンスが豊で味わいの深い秀演だと思います。

Vol.1ということですので,Vol.2で全集として完結するのが楽しみです。

録音ですが,やや長めの残響を伴っていますが,直接音の裏でふわっと広がるように響くので, 楽器音をあまり損なっていません。 まとわりつきはあるのでもちろん残響はもう少し控えて欲しいところですが, 音の伸びもまずまず,楽器の質感も残っていますのでこれなら許せる範囲かと思います。 残響を入れるならせめてこのような取り入れ方にして欲しいですね。