バッハ:ゴルトベルク変奏曲(弦楽合奏版/D. シトコヴェツキー編)(ブリテン・シンフォニア)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲(弦楽合奏版)
ブリテン・シンフォニア Britten Sinfonia
April 2014 at All Hallows' Church, Gospel Ork, London
HMU 807633 (P)(C)2015 harmonia mundi usa (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
ドミトリー・シトコヴェツキー編曲の弦楽合奏版による演奏。弦楽合奏版ですが,ソロと合奏が効果的に組み合わされています。弦楽三重奏版に比べるとさらに原曲のイメージからは離れていくかもしれませんが,編曲版という枠を超えて独立した別物の作品と言えるくらい良くできた編曲だと思います。ディスクの数がまだまだ少ないのが残念です。

それでこの演奏なのですが,飛ばし弓を多用しているためか,音離れ?が良く大変小気味の良い躍動的な音楽に仕上がっています。アンサンブル蒙昧ですし,ソロを担当する奏者の技量もなかなかのもので,この弦楽によるゴルトベルク変奏曲の世界を存分に楽しむことが出来ました。一点だけ,第20変奏は原曲に近い編曲に戻して欲しかったかな...

録音ですが,やや残響が多めで楽器音へのまとわりつきが気になりますが,楽器音自体は結構しっかりと捉えられていますので,残響量の割には印象は悪くありません。楽器の質感もそれなりにあって,弦楽器の魅力をうまく引き出していると思います。ソロも少しフォーカスしていますので聴きやすいです。残響をもう少し抑え気味にしてくれていたら文句なしだったのですが。惜しいです。まあ,残響の質も悪くなく,これなら優秀録音だと思う方もいらっしゃるかもしれません。

最後にリピート有無です。

Aria ○×
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○× Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○× Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○×

演奏時間 約1時間13分

ここまでリピートをしていてくれるのでまず不満はないのですが,ここまでしておいてなんで最初のアリアの後半のリピートを省略するの?と,これだけがほんと惜しいです。

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番,第5番,協奏交響曲(ヴィルデ・フラング/ジョナサン・コーエン指揮/アルカンジェロ)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番,第5番,協奏交響曲
ヴィルデ・フラング Vilde Frang (Violin)
ジョナサン・コーエン指揮/アルカンジェロ
3-5 April 2014, St Jude-on-the-Hill, Hampstead Garden Suburb, London
0825646276776 (P)(C)2015 Parlophone Records
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

水を得た魚のように生き生きとピチピチとした,そして情緒感溢れる演奏,良いですねぇ,これは。第2弾で全集化されるのが楽しみです(ありますよね?)。協奏交響曲のヴィオラはマキシム・リザノフ(Maxim Rysanov)が弾いていますが,上手すぎて響きがヴィオラらしくないですね(ゴメンナサイ(^^;)。

録音ですが,残響が多く全体に被っていて音がモゴモゴしています。明瞭感も透明感もありません。素晴らしい演奏の魅力を半減させてますね。オーケストラも小編成の良さが捉えられていません。まるでEMIの録音。本当にもったいないです。残念でなりません。第2弾では改善されていると良いのですが...期待薄ですね...

マーキュリー・リヴィング・プレゼンス~コレクターズ・エディション(50CD)

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マーキュリー・リヴィング・プレゼンス~コレクターズ・エディション(50CD)
478 3566 (P)(C)2011 Decca Music Group Limited (輸入盤)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
過去に何枚か取り上げたこともある好録音の多いマーキュリー・リヴィング・プレゼンスの中から名盤50枚をセレクトしたボックスセット。収録されているタイトルはHMV Onlineiconをご参照いただきたい。

1950年代前半から1960年代までの録音が含まれます。1950年代前半の録音はさすがに古いのですが,1950年代後半以降の録音の中には,これが本当に1950~60年代の録音なのだろうか,と疑いたくなるくらい鮮明に録られているものもあり,さすが録音に定評のあるレーベルだけはあるなと改めて感心しました。半分以上のディスクに好録音度★★★★,数枚は★★★★☆が付けられると思います。

オーディオのクオリティ自体は現代の録音に比べると当然劣りますし,音色も古臭いのは仕方ありません。録音の仕方も自然さを追求する現代の録音とは異なり,かなり誇張された不自然さがあるのも確かです。しかし,個々の楽器音に力が漲っており,音楽として文句なしに楽しいのです(まあ演奏自体の勢いも相当すごいものがありますが)。こういう意味で素晴らしい好録音だと思うのです。これらと比べて現代の残響にまみれた,音楽の面白さを全く伝えてくれない録音の何と多いことか!と思ってしまいますね。

なお,第2弾,第3弾のボックスセットも発売されているようです(→こちらをご参考に... Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon)。こちらは未聴。機会があれば聴いてみたいですね。

旅にまつわる物語(トリコロール)

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旅にまつわる物語 - The story about journey -
トリコロール tricolor
八ヶ岳 星と虹レコーディングスタジオ
TOIC-012 (国内盤) 2015年3月発売
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
日本のアイリッシュバンド,トリコロールの2年ぶり4枚目のアルバム。2枚目の“B&B”,3枚目の“Good Morning, Liffey”は以前紹介してきました(→こちら)。私は番組を見ていなかったので全く知らなかったのですが,NHK連続テレビ小説「マッサン」劇中曲に参加したとのことです。

この4枚目のアルバムでは,梅田千晶(Harp),野口明生(Uilleann Pipes, Whistle),渡辺庸介(Percussion)が参加しています。以前のアルバムよりも音楽のヴァリエーションが広がり,よりJ-POP的に洗練されてきたところもあり,ほのぼのとした雰囲気が好きだった私としてはちょっと微妙なのですが,もちろんそういった曲も含まれるので,それらを楽しん聴いています。

一つだけ,このアルバムに苦情があります(^^;。解説書に1曲1曲へのコメントが書かれているのですが,この文字が極端に小さい上にグレー文字でコントラストが低く非常に読みづらいのです。保険の約款よりもひどい... 同様の指摘を古典四重奏団のモーツァルトのハイドンセットベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲集でもしましたが,これに限らず日本盤の解説書は文字が小さすぎるのが多いと思います。

このアルバムのコメントはもう作品の一部と言って良いと思います。文字は紙面のデザインを構成する模様ではありません。心地よく伝わってこそ価値があります。なのになぜこんな苦痛を感じながら作品を鑑賞しなければならないのか,と思ってしまうのです。

私は近眼ですが老眼は緩くまだ細かい文字も読める方ですが,それでもこの解説書の文字は見た瞬間に読む気が失せてしまいました。若い人たちだけでなく,私たちのような中高年ファンもいることをご配慮いただきたい。次回作では改善を望みます。(という私のこのブログも文字が小さいですね...ごめんなさい)

トリコロール公式Webサイト

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番,ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番(ヒラリー・ハーン/パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番
ヒラリー・ハーン Hilary Hahn (Violin)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
2012年12月(モーツァルト),2013年8月(ヴュータン)
479 3956 (P)2015 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

久しぶりに聴くハーンの演奏。モーツァルトをここまで濃厚かつキレよく演奏できるのは彼女しかいないと思える。どんな音楽でも自分の世界に引き込んで素晴らしい音楽に仕上げていく,もう巨匠の領域に踏み込んでいるのではないでしょうか。

ただ,これは全く個人的な好みの話ではありますが,ヴィブラートをかけた音色がどうも肌に合わないのですよね...ちょっと残念。

そして,もっと残念なのがこの録音。残響は確かにあるものの,残響というよりは録音会場の響きというか箱鳴りが楽器音に被っていて,ヴァイオリンの音色を曇らせています。これによって音色ばかりでなくニュアンスや質感が感じ取りにくくなっていて非常にもどかしく感じます。会場の雰囲気は再現されているのかもしれませんが,音楽的に貢献するよりもマイナス点の方が多い,残響や響きの取り入れ方としては失敗している録音だと感じました。

A Dotted Line (Nickel Creek ニッケル・クリーク)

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A Dotted Line
ニッケル・クリーク Nickel Creek
541944-2 (P)(C)2014 Nonesuch Records (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
先日紹介したバッハ無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番で超絶的な演奏を見せたブルーグラスの天才変態マンドリン奏者クリス・シーリが参加するニッケル・クリークの新譜。9年ぶりの再結成アルバムで結成25周年で制作したとのことです。結成当時,フィドルを担当するサラ・ワトキンスは8歳?! もう解散してしてしまって新譜が出るとは思っていなかったので,このアルバムは本当に嬉しいです。彼らの音楽のルーツはやっぱりここにあるんだなと再認識させられるアルバムです。

しかし,録音が今ひとつ納得がいきません。ブルーグラスは基本的に生楽器なのですが(エレクトリック楽器を使った曲もありますが),この録音の楽器の音は生楽器の良さが出ていません。リミッターをかけたような飽和感と独特の歪み感が全体を覆っていて作為的な音作りであり,気持ちよく聴くことが出来ません。この点だけが本当に残念でなりません。

いつも紹介しているNPR Music Tiny Desk Concertで,このアルバムに含まれる曲を演奏しています。こちらの方がCDよりも生楽器本来の音がして素晴らしいというのは皮肉ですねぇ...


13:45あたりから始まるインストゥルメンタル曲"Elephant In The Corn"も彼ららしくて良いです。

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集(レイチェル・バートン・パイン/ネヴィル・マリナー指揮/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
レイチェル・バートン・パイン Rachel Barton Pine (Violin)
ネヴィル・マリナー指揮/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
29 August-2 September 2013, Air Lyndhurst Studios, London
AVIE AV2317 (P)(C)2014 RBP Music, LLC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
モダン楽器ながらヘンデルのヴァイオリン・ソナタ集の快い演奏が印象的で,それを聴いて以来ずっと気になっているヴァイオリニスト,レイチェル・バートン・パインのモーツァルトとなれば,これはもう聴くしかありません(^^;。協奏交響曲K.364も収録されています。

それにしても何とも軽いモーツァルト。天然キャラの素朴さというか微笑ましさというか,なんかそんな感じなのです(上手く説明できなくてすみません...)。テンポが速めの快活な演奏でこの雰囲気を出しているところにこの演奏の面白さがあると思います。一般に広く評価される演奏とは思いませんが,こういうのは好きです。第2番から第5番は自作のカデンツァを弾いていて,これも聴きものです。

録音ですが,ソロは残響感が少なく明瞭で透明感のある音色を美しく捉えています。オーケストラの方は少し多めに残響を取り入れソロとコントラストを付けてソロが浮き上がるように録られています。特に優れた録音というわけではありませんが,協奏曲の録音としては普通に良くまとまった好ましいものです。少々オマケですが四つ星半です。

しかし...ジャケット写真はホラーっぽくて何だかなぁ...(ごめんなさい)。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番,第10番,第13番(大フーガ付き)(エリアス弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番,第10番,第13番(大フーガ付き)
エリアス弦楽四重奏団 Elias String Quartet
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 20 February 2014
WHLive0073/2 (P)(C)2015 The Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
ふふふ...今時こんなコテコテの演奏をする弦楽四重奏団があったとは。嬉しくなりますねぇ。1stヴァイオリンが全体を引っ張るスタイルで,とにかくこの1stヴァイオリンが臭ってきそうなくらい強烈な個性を発しているのです。技術的にも上手いですしアンサンブルも良いです。いやー,とにかく面白い。好きかどうかは別にしてこんなベートーヴェンは滅多に聴けないので本当に楽しめます。大フーガが終わった後の観衆の熱狂的な拍手,かけ声も納得です。私もずっとニヤニヤしながら聴きました(^^;。全集の第1弾ということですので,今後の続編が楽しみです。

録音ですが,ライヴ録音で残響感とホールの雰囲気を感じさせる反響があるために音色は少し影響を受けているのですが,本来の伸びはないものの刺激的なくらいに高域はあるので質感はかなり保たれています。くすんだ感じもありません。もう少しすっきりと透明感のある音で質感豊に録って欲しいところですが,許容範囲内に入ります。

なお,第13番は終楽章が大フーガのバージョンで弾いています。

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番,第4番(ヨハンナ・マルツィ/ハンス・ミュラー=クライ指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番,第4番
ヨハンナ・マルツィ Johanna Martzy (Violin)
ハンス・ミュラー=クライ指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団
04.10.1956, Vila Berg(No.4), 12.04.1962 Liederhalle Stuttgart(No.3)
94.230 (C)2015 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★☆(No.4), ★★★☆(No.3)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
マルツィのモーツァルトということで思わず手を出してしまった一枚。初出音源で,どちらもモノラル,第4番はセッション録音,第3番はライヴ録音とのことです。マルツィの演奏は力強く熱く推進力に満ちているのにどこまでも麗しいところが好きで,この演奏でもそれが存分に発揮されています。さすがにモーツァルトということもあって熱さは控えめですが(^^;。

録音ですが,1956年録音の第4番は残響はあまりありませんが少しオフマイク気味で響きの被りが感じられます。古い録音なので高域の伸びがありませんが,年代を考えるとこのくらいかと。残響による音色のくすみではないので比較的聴きやすいと思います。1962年録音の第3番は,録音の傾向は第4番と同じですが,高域の伸びが改善されている分は良いと言えます。残響が少なめで明瞭感がそれなりに保たれているのは救いですが,しかし,1962年にしてはだいぶ古臭い感じがします。まあこれはこれで趣があって良いかもしれません。好録音の観点からはそんなに悪くないです。

決して良好な録音とは言えませんが,貴重な演奏が聴けたことに感謝。

ベートーヴェン:中期・後期弦楽四重奏曲集(サイプレス弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集
サイプレス弦楽四重奏団 Cypress String Quartet
録音 2012-2014年
AVIE AV2418 (P)(C)2014 Cypress String Quartet (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
サイプレス弦楽四重奏団 Cypress String Quartet
録音時期不明
CSQBC012 (C)2012 Cypress Performing Arts Association (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
サイプレス弦楽四重奏団は1996年に米サンフランシスコで結成されたとのこと。アンサンブルもしっかりした堅実な演奏を聴かせてくれます。オーソドックスですが,ここぞというところでしっかりと盛り上げる,ツボもきちんと押さえています。初めて名前を知った弦楽四重奏団ですが,実力のある団体だと思いました。前期の録音がまだですが,全集としての完成が楽しみです。

録音ですが,中期と後期で少し差があるものの,統一感のある似た録音です。残響は少なめですが,残響までにならない,部屋の反響音が若干多めで音色はくすみ気味です。生録的な雰囲気のある録音で嫌いではないのですが,もう少し反響音を抑えて透明感のある音で録って欲しかったですね。少し残念です。

恐らく2009~2012年頃に録音されたと思われる後期は自主製作的に作られたように見えます。最近録音された中期はAVIEレーベルからのリリースです。後期はデジパック,中期はプラケースですが,それを除く体裁は揃えられているのは好ましいです。

なお,以前にも報告しましたが(→こちらをご参照ください),最初に入手したものは中期のDISC 3,Track 6の4:22あたりでノイズが入り,返品交換してもらったものも同様にノイズが入るということで諦めかけたのですが,公式Webサイトから四重奏団に直接問い合わせたところ,作り直した正常なディスクを送ってもらうことができ,一件落着したということがありました。もし入手されたディスクに同様な欠陥があった場合は,直接問い合わせてみるという手段もありますので,ここに紹介しておきます。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,他(藤原浜雄)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
(“藤原浜雄/ヴァイオリン・リサイタル2012”より)
藤原浜雄 Hamao Fujiwara (Violin)
2012年10月11日 東京 紀尾井ホール
SONARE1016-7 (P)(C)2013 Sonare Art Office (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

渾身のバッハ。 熱く濃い,人間味あふれる,演奏者の個性が色濃く反映された,そして巨匠的風格を備えた堂々とした演奏です。 実直でブレのない音楽が素晴らしく思います。

録音ですが,ホールの残響をかなり多く取り入れていますので,そのまとわりつきがかなり鬱陶しく, 本来の音色や質感,ニュアンスが感じ取りにくいです。 ピアノとのデュオの他の曲では少し残響が抑えられていて聴きやすいのですが, このソロだけこのような録音の仕方をされていて,余計に残念に思います。 録音レベルも若干低めです。

“藤原浜雄:ヴァイオリン・リサイタル2012”と題された2枚組のライヴCDで,ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第4番,バルトーク/ヴァイオリン・ソナタ第1番Sz.75, ラヴェル/ツィガーヌ,ラヴェル/ハバネラ形式の小品,パガニーニ~リリアン・フックス編/カプリス第24番,が併録されています。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,他(オスカー・シュムスキー)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
(“Oscar Shumsky Legendary Treasures - Broadcasts & Live Performances 1940-1982”より)
オスカー・シュムスキー Oscar Shumsky (Violin)
1982年10月24日 バーゼル(ライヴ)
DHR-8031-3 (C)2015 DOREMI (輸入盤)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

シュムスキーらしい力強く引き締まった集中度の高い演奏でこれは期待通りなのですが, その一方でミスも散見されます。 もちろんそんなに気になるものではありませんが。 ライヴ録音なので仕方ないかもしれません。 本質的なところではありませんが,シャコンヌでは一部の分散和音をあまり聴かない音型で弾いたりとちょっと変わったところがあります。

録音ですが,明らかに高域側の帯域が不足して音の伸びがなくヌケが良くありません。 ライヴとはいえ状態は良くなく,1982年の録音としては少々寂しいと言わざるを得ません。

“Oscar Shumsky Legendary Treasures - Broadcasts & Live Performances 1940-1982”と題された, 1940年から1982年のシュムスキーの様々な音源を集めた3枚組のセットから。 シュムスキーファンにとっては貴重な音源かもしれませんが,雑多な音源をとにかくかき集めてセットにしたという感じがします(ごめんなさい)。 録音も全体に良くなく冴えません。

XperiaのWalkmanアプリのギャップレス再生を確認する(訂正記事)

昨年の7月4日のエントリーで,Xperia Z1fのWalkmanアプリでギャップレス再生の確認結果を掲載したのですが,その確認結果に誤りがありました。申し訳ございません。

そのエントリーでは,AACとMP3でギャップレス再生が出来たと報告をしたのですが,確認用に使ったテスト音源ファイルではギャップレス再生が出来たことは間違いなかったのですが,CDリッピングした音源ではギャップレスにはなっていませんでした。完全な確認不足でした。

改めて確認しましたので,ここにその結果を載せます。

確認機種
  Xperia Z1f (Android 4.4.2, ビルド番号 14.3.B.0.310, Walkman 8.5.A.2.7)
  Xperia Z3 Compact (Android 4.4.4, ビルド番号 23.0.1.A.1.49, Walkman 8.5.A.2.10)

ギャップレス再生確認結果
  ○WAV
  ○FLAC(Media Go)
  ○Apple Lossless(iTunes) ※Z3 Compactのみ(Z1fは再生できず)
  ×AAC(Media Go, iTunes)
  ×MP3(Media Go, iTunes)

上記の通り,非圧縮とロスレスのみギャップレスが出来ていました。なお,Z3 CompactはApple Losslessが再生出来ましたが,Z1fは再生できませんでした。WalkmanではなくGoogle Play Musicでも同じ結果だったので,Walkmanアプリも差ではなく,Androidプラットフォーム自身の対応の差ではないかと思われます。

今回の結果は間違ってはいないと思うのですが,もしご確認された結果,違うようでしたらご指摘をいただけると助かります。

間違った報告をしてしまっていたこと,改めてお詫び申し上げます。

ブルーグラスの天才変態マンドリン奏者クリス・シーリの弾くバッハ無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番

ブルーグラスのマンドリン奏者として私の知る限りずば抜けた技術と音楽性を持つクリス・シーリ。一昨年に発売された彼のバッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,第2番,パルティータ第1番のディスクが今年国内盤が発売され,今発売されているレコード芸術誌で惜しくも特選を逃す準特選という高評価を得ていました。

ソナタ第1番のYouTube動画は以前すでに紹介しましたが,パルティータ第1番のライヴのYouTube動画も公開されていましたので紹介します。

相変わらずクネクネと恍惚に身もだえする表情が気色悪いのですが(^^;,技術的余裕が生み出す,マンドリンの演奏とは思えない自在な表現力は本当に驚嘆に値します。ブルーグラス奏者の枠を完全に超えています。素晴らしいです。

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,他(スコティッシュ・アンサンブル)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第2番(弦楽合奏版)
スコティッシュ・アンサンブル
Caird Hall, Dundee, Scotland, UK, 1-3 December 2013
CKD 472 (P)(C)2015 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ジョナサン・モートンが芸術監督およびリーダーを務めるスコティッシュ・アンサンブルの演奏。ショスタコーヴィチはモートン自身の編曲。チャイコフスキーは流麗で速めのテンポで全く淀みなく流れていくモダンで美しく洗練された演奏です。アンサンブルも完璧,非の打ち所がありません。ここまで整った完璧な演奏もそうそうないです。一方で,見得を切るようなところも勿体ぶった表現も全くないので,素晴らしい演奏だと思いつつも,ちょっと印象が薄いかな,とも思います。

録音ですが,残響はやや多めですが,各パートの音は比較的明瞭に分離良く聴こえてきます。しかし,やや金属的でキンキンした響きが被り,下支えの弱い浮ついた,現実味の薄い音色になっているのはやはりこの残響の弊害だと思います。きめの細かい絹のような質感はLinn Recordsらしいと言えるかもしれませんが,楽器自体の質感は希薄です。優秀録音かもしれませんが,好録音とは少し違います。

演奏の印象を薄めているのはこの録音のせいかもしれません。私としてはだいぶ残念。