バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(マルコ・リッツィ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マルコ・リッツィ Marco Rizzi (Violin)
録音データなし
iTunes Storeダウンロード販売 (2012/9/19リリース)
好録音度:★★★★
参考: iTunes Store
CD試聴記」からの転載記事です。

オーソドックスながら,卓越した技術と高い集中力で,緊張感の持続する隙のない音楽を築いています。 速めのテンポで淡々としていますが,力強く引き締まっていて,かつ隅々にまで神経が行き届いているのが素晴らしいです。 これは思いがけないところで優れた演奏に出会いました。

録音ですが,やや残響が多くまとわりつきがやや鬱陶しく感じられます。 音色のバランスはあまり崩れていないものの,ヌケの悪さにつながり,楽器の質感も弱めています。 それでも直接音が感じられるのでまだ聴ける方ですが,もう少し直接音比率を上げて明瞭でクリアに録って欲しいところです。

マルコ・リッツィ氏はイタリア出身のヴァイオリニスト。 エリザベート王妃国際音楽コンクール(1993年)第8位,チャイコフスキー国際コンクール第10回(1994年)第3位,などのコンクール受賞歴があるようです。

iTunes Storeのダウンロード販売で購入(AAC 256kbps)。 日本のAmazonでは扱っていないようですが,海外のAmazonではダウンロード販売していました。 ディスクメディアが販売されているのかどうかは確認できませんでした。

ところでこのダウンロード販売には重大なエラーがあります。 といいますのも,ソナタ第3番の終楽章の曲がパルティータ第3番の前奏曲に入れ替わり, その後の曲が全て前に1曲ずつずれて収録されており, パルティータ第3番の終楽章にソナタ第3番の終楽章が入っているのです。 こんなエラーが見過ごされて放置されているとは,管理がずさんというのにもほどがあります。 海外のAmazonもエラーは同じでした。

弦楽四重奏によるビートルズ編曲集(B. S. Q. Beatles Strings Quartet)

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陽光の中へ、ビートルズとともに・・・・・旅のはじまり
Into The Daylight B. S. Q. vol. 1
B. S. Q. Beatles Strings Quartet
Recorded at Skyhall
CDG7013 music 絃 (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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紺青の宵、ビートルズとともに・・・・・しめやかな戯れ
Playing In The Dusk B. S. Q. vol. 2
B. S. Q. Beatles Strings Quartet
Recorded at Skyhall
CDG7014 music 絃 (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
あぁ...またやっちまった... ちょっと期待してたんですけど私の聴きたかった音楽とは方向性が全然違いました。クラシック演奏家によるクラシック愛好家のためのクラシック風イージーリスニング?... 完全に私の選択ミス。文句は言うまい...と思ったのですが,ちょっとだけ愚痴をこぼすことをお許しください。

編曲。ビートルズの音楽を単なる素材集のように扱っているように思えてしまい,私には原曲に対する愛や尊敬が感じられませんでした(もちろんそんなことはないと思いますが)。例えばペニーレイン。この曲は弱起で始まって歌詞の言葉に寄り添うようにシンコペーションでスウィングするリズムが刻まれます。このリズムがあってこそペニーレインであって,この編曲のように単調な八分音符へ置き換えてしまったらもはやペニーレインではありません。これには落胆してしまいました。歌から生まれるリズムが総じて軽んじられ捨てられているように思えて我慢ならんのです。この曲にとって決定的に重要なピッコロ・トランペットも無視されてるし(これは仕方ないか)。編曲とはそんなもんだということかもしれませんが。

そして演奏。原曲の持つビート感を見事に消し去ったスウィングしない音楽。クラシック風編曲にクラシック演奏家の演奏なのだから当たり前,そんなことを期待するあんたが間違っているといわれればそれまで。ゴメンナサイ。

さらに録音。なんでこんなに濁った音で録るの? 弦楽器の透明で輝きある美しい音色をなんでこんなに汚して録るの? 響きの取り入れ方として音楽に何の寄与もしないばかりか悪影響しか与えない典型例に思えます。

ちょっとだけのつもりが...ネガティブなコメントに終始してしまい本当にすみません。失礼しました。

ハイドン:パリ交響曲集(サー・ロジャー・ノリントン指揮/チューリッヒ室内管弦楽団)

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ハイドン:パリ交響曲集
サー・ロジャー・ノリントン指揮/チューリッヒ室内管弦楽団
June 26 & July 9-10, 2013, ZKO-Haus, Switzerland
88875021332 (P)(C)2015 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
これもいつも参考にさせていただいているハイドン音盤倉庫で知ったディスク。モダンオーケストラ(ただしノンヴィブラート奏法による「ピュアトーン」)で録音が良いということで聴きたくなり手に入れた次第です。

ディスクを再生すると,おぉ! 期待通り軽快に爽やかに音楽が駆け抜けていきますね。オーケストラも指揮者に完璧に合わせ見事なアンサンブルを聴かせてくれます。正直なところ「ピュアトーン」は好きではないのですが,これだけ生き生きした音楽を聴かせられると納得せざるを得ません。このハイドンはちょっと今までにない感じです。

録音ですが,やや腰高のシャリーンとした(^^;軽めの音響でまとめられています。オフマイク気味で残響はそれなりにあり,演出感が強く実在感,質感に乏しいところはありますが,曇ることのない美しい響きでまとめられています。私の好きなタイプの録音ではないのですが,確かに気持ちよく聴けますし,オーディオ的にもきめ細かですので,優秀録音と言われるのはそれなりに納得します。私としてはもう少し生々しい音が良いのですけどね。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(マッツ・セッテルクヴィスト Mats Zetterqvist)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マッツ・セッテルクヴィスト Mats Zetterqvist (Violin)
録音データなし
Amazon.co.jp ダウンロード販売 (2015/1/9リリース)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

セッテルクヴィスト氏の公式Webサイトがあります。 セッテルクヴィスト氏はスウェーデン出身のヴァイオリニスト。 2009年よりヨーロッパ室内管弦楽団の第2ヴァイオリン首席奏者とのことです。

隅々までコントロールが行き届いた技術のキレが抜群に良い演奏です。 速めのテンポで颯爽としていますが,ニュアンスも豊かです。 音色は固めですが雑味のない美しい輝きを放っています。 モダン楽器らしい好演奏で,水準も高いと思います。

録音ですが,残響は少しあり楽器音へのまとわりつきと音色への影響がわずかにありますが,直接音が主体であり, 明瞭感も高く,楽器の質感もよく感じられる良好な録音です。 曲によって少しチリチリという付帯音が聞こえます。 録音時に入ったものか圧縮時のエラーかはわかりませんが,これは少し残念に思います。

AmazonでのMP3(256kbps)ダウンロード販売の他にディスクメディアの販売もあるようですが, 気軽に買えそうなサイトではなかったため諦めてダウンロード購入しました。

ヘッドホン Sennheiser Momentum 周波数特性とレビュー

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ヘッドホン Sennheiser Momentum

ケーブル1.4m,片出し,プラグストレート着脱式,18Ω
標準プラグアダプター付属
Apple用マイク付きリモコンケーブル付属
参考: SennheiserAmazon.co.jp

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果にも掲載しています。本機については過去2回レビューしていました(2013年7月7日2014年1月12日)。併せてご覧いただければと思います。今回,新しい治具での再測定とレビューの改訂を行いましたので,再度掲載します。
2015年5月時点の実売価格が約27,500円の,ゼンハイザーとしては中級の音楽用密閉型ヘッドホンです。 発売当初より評価が高く,雑誌等で様々な賞を受賞しています。 無骨なものが多いゼンハイザーの中では,珍しくデザイン性にも配慮されたモデルですね(^^;。

このヘッドホン,未だにオンイヤーなのかアラウンドイヤーなのかよくわからない中途半端なイヤーパッドサイズで, どう装着するのが良いか未だに迷います。 そのため,私にとってはやや装着感に難があります。 “On-Ear”という名称のついた一回り小さなモデルがありますので,これはオンイヤーではないとは思うのですが。

音質は典型的なドンシャリです。 私には低域が強すぎて,ややモゴモゴするところが気になります。 ただ,高域がしっかりと出ているため救われています。 低域が強いヘッドホンが好きな方にはこの音質は良いのではないかと思います。

若者にも受けそうな音作りであり,遮音性もまずまず良く音漏れも少ない,良くできたヘッドホンだと思います。 しかし,上記のように低域が強すぎること,装着感が合わないことから,私にはイマイチ合いませんでした。

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図1 Sennheiser Momentum 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]人工耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

タグ: [ヘッドホン] 

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(弦楽四重奏版),グレン・グールド:弦楽四重奏曲作品1(カタリスト四重奏団)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲(弦楽四重奏編曲版)
グレン・グールド:弦楽四重奏曲 作品1
カタリスト四重奏団 The Catalyst Quartet
録音データなし
ACD-71300 Azica Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store
ゴルトベルク変奏曲の弦楽編曲版は見つけると買ってしまいます。これは弦楽四重奏への編曲で,この四重奏団自身が編曲しているようです。シトコヴェツキー版は弦楽三重奏ですが,こちらはヴァイオリンがもう一本多いため,旋律の受け渡しがもっと自由に柔軟に細かい単位でされていて,オリジナルの鍵盤楽器や弦楽三重奏にはない効果を生み出していて興味深いです(少しやり過ぎ感もありますが)。

演奏も小気味よく淀みなくスピーディで,気持ちよく音楽が展開していきます。アンサンブルもしっかりしていますし個々の奏者の技術も優れています。全体のまとまりを重視しているのか,それぞれの奏者の主張は控えめで上品に仕上がっています。せっかくの弦楽四重奏版なので,もう少しぶつかり合いがあっても良いかと思うくらいです。

それにしても残念なのは,リピートが全て省略されていることです。塚谷水無子さんのディスクのレビューでも述べた通り,私にとっては致命的で,ゴルトベルク変奏曲を心から楽しむための最低限の要件を満たしません。本当に残念でなりません。

リピート表 - 演奏時間 約41分
Aria ××
Var.01 ×× Var.02 ×× Var.03 ××
Var.04 ×× Var.05 ×× Var.06 ××
Var.07 ×× Var.08 ×× Var.09 ××
Var.10 ×× Var.11 ×× Var.12 ××
Var.13 ×× Var.14 ×× Var.15 ××
Var.16 ×× Var.17 ×× Var.18 ××
Var.19 ×× Var.20 ×× Var.21 ××
Var.22 ×× Var.23 ×× Var.24 ××
Var.25 ×× Var.26 ×× Var.27 ××
Var.28 ×× Var.29 ×× Var.30 ××
Aria da capo ××

このディスクにはグレン・グールドの弦楽四重奏曲 作品1も収められていますが,残念ながらこれは興味が沸きませんでした。それよりもリピートをキッチリと行って欲しかったですね。

録音ですが,残響が少し多めに取り入れられていて,明瞭感と音色に影響しています。室内楽の録音としては標準的でそんなに悪くないと思いますが,もっとクリアに抜けよく録って欲しいですね。

コダーイ:弦楽四重奏曲第1番,第2番(コダーイ四重奏団)

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コダーイ:弦楽四重奏曲第1番,第2番
コダーイ四重奏団 Kodály Quartet
録音データなし
HCD 12362-2 (P)1982 Hungaroton
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第3弾です(^^;。コダーイといえばハーリ・ヤーノシュか無伴奏チェロソナタか,というところかと思いますが,ハンガリーの音楽がどちらかといえば苦手なのでこういった有名曲もほとんど聴いたことがありません。弦楽四重奏曲はずっとマイナーなのか,ディスクの選択肢もかなり少ないようです。作品としてはハンガリー色は薄めで作曲家の個性は十分に発揮されていないかもしれませんが,けっこうカッコ良い音楽なので,ハンガリー音楽が苦手な私でも楽しめました。もっと録音があっても良いのではと思います。

録音ですが,残響はほとんどなく明瞭で作為の全く感じられない極めて自然な音質で録られています。特に優秀録音ということはないと思いますが,残響のない音響の快感が地味ながら味わえる好録音だと思います。このようにごく普通に,楽器の音を大切に録ってくれれば良いだけなんですよ。ホントに! 好録音の良い見本です。フンガロトンらしい音作りですね。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(塚谷水無子,ポジティフオルガン)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ポジティフ・オルガン)
塚谷水無子 Minako Tsukatani (Organ)
May 4, 5 & 6, 2013 at Kusakari Organ Kobo, Kobuchizawa
PCD-1305 (P)(C)2013 Pooh's Hoop (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
パイプオルガンによる演奏。使われているのはポジティフ(ポジティブ)オルガンといって,ホールなどに据え付けられている大きなオルガンとは違い,ケースに入っていていくつかの部分に分解すれば移動可能なオルガンのことだそうです。膝載せ(卓上)のオルガンよりは大きく本格的な演奏にも使えるようですが,大きさは据え付け型の大きなものよりもずっと小さいため,出る音は軽く可愛らしいと言えます。このディスクではオルガン製作者の草苅徹夫氏が2004年に製作されたものが使われています。

この演奏は,このポジティフオルガンの可愛らしい音色の特徴をフルに生かし,曲に応じて低い音から相当高い音まで自在に使い分けられ,様々な表情が付けられていてとても魅力的な音楽に仕上がっています。個人的には大きなオルガンよりもこのような小さなオルガンの音色が好きなので,この演奏はとても嬉しいです。

しかし! この演奏には私にとって2つの大きな問題があります。一つ目は,こともあろうか全てのリピートが省略されているのです。正直言って私には致命的欠陥です。ゴルトベルク変奏曲を心から楽しむための最低限の要件を満たしていません。従ってリピート表は全て綺麗に×です。これは本当に残念でなりません。

リピート表 演奏時間 約42分
Aria ××
Var.01 ×× Var.02 ×× Var.03 ××
Var.04 ×× Var.05 ×× Var.06 ××
Var.07 ×× Var.08 ×× Var.09 ××
Var.10 ×× Var.11 ×× Var.12 ××
Var.13 ×× Var.14 ×× Var.15 ××
Var.16 ×× Var.17 ×× Var.18 ××
Var.19 ×× Var.20 ×× Var.21 ××
Var.22 ×× Var.23 ×× Var.24 ××
Var.25 ×× Var.26 ×× Var.27 ××
Var.28 ×× Var.29 ×× Var.30 ××
Aria da capo ××

そして二つ目は,リズムの崩れです。もちろん意図的に崩していると思うのですが,ビートを身体で感じ,演奏者と呼吸と合わせようとするのですが,これがことごとく外されるため全く音楽を身体で感じることが出来ず,呼吸を合わせることが出来ず,ものすごく息苦しく,胸が痛くなります。生理的に身体が受け付けません。西山まりえさんの演奏に比べればまだマシですが,それでも苦痛を感じます。ゴルトベルク変奏曲を聴いて苦痛を感じるとは!!

音色が好きなだけに,本当に残念でなりません。

そして録音ですが,あまり演出臭さのない自然な音の捉え方は好感を持つのですが,やや録音場所の空間を意識させる反射音が多めに入っていて,これが自然で素朴な雰囲気を出しているものの,音の輝きを失わせる原因になっていると思います。悪くはないのですが,もう少し楽器音のみをクリアに録って欲しかったものです。惜しいです。

塚谷さんは大オルガンでのゴルトベルク変奏曲の録音もされており(→Amazon.co.jp),また,“バッハを知る バロックに出会う「ゴルトベルク変奏曲」を聴こう!”という著書もあります(→HMV Onlineicon)。著書の方は先日入手したので,これはこれでじっくり読もうと思っています。

カバレフスキー:弦楽四重奏曲第1番,第2番(グラズノフ四重奏団)

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カバレフスキー:弦楽四重奏曲第1番,第2番
グラズノフ四重奏団 The Glazunov Quartet
August 1993 at Studio 5 of the Moscow Radio
OCD 293 (P)(C)1994 OLYMPIA (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp
マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第2弾です(^^;。カバレフスキー(1904-1987)はロシアの現代の作曲家で,弦楽四重奏曲第1番は1928年,第2番は1945年の作品です。名前くらいは知っていましたが,作品については全く聴いたことがありませんでした(組曲「道化師」はもしかしたら聴いたことがあるかもしれませんが)。ロシア音楽はほとんど聴かないのでよくわかっていないのですが...現代の作曲家の作品にしては比較的聴きやすいロシア音楽だと思います。まあ今回はこんなディスクもあった,というご紹介ということで(^^;。

録音ですが,スタジオ録音だけあって残響は控えめで明瞭に録音されていますが,若干精彩に欠ける感じがします。機材の問題かもしれません。惜しい録音です。

この弦楽四重奏曲のディスクは,私が探した限りではこのディスクしか見つけることが出来ませんでした。今はやや入手がしにくいようです。よっぽどマイナーなんですね...

ディッタースドルフ:六つの弦楽四重奏曲(ゲヴァントハウス四重奏団)

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ディッタースドルフ:六つの弦楽四重奏曲
ゲヴァントハウス四重奏団 Gewandhaus Quartett
1980年, 1981年 ドレスデン・ルカ教会
TKCC-70674 Deutsche Schallplatten(徳間ジャパン)(国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp(MP3), iTunes Store
ディッタースドルフという作曲家は辛うじてコントラバス協奏曲で知っているくらいです。弦楽四重奏曲もこの六曲を残しているのですが,ほとんど演奏されないようです。ディスクも私が探した限りではこのゲヴァントハウス四重奏団のものしか見つかりませんでした。このディスクは発売当初に買って何度か聴いたあと,長い間お蔵入りしていました。ディスクの帯(?)に「我々はハイドンとモーツァルトの間にディッタースドルフの存在を忘れてはならない。」なんで書いてありますが,みんな忘れてますよね(^^;。

久しぶりに聴いてみて,爽やかで耳あたりの良い旋律がなかなか良いじゃないですか,と思いますね。もう少し聴かれても良いんじゃないかと思うのですが。とはいえ,まあちょっと脳天気で軽すぎかなという気がしないでもないです(^^;。

そしてこの録音ですが,軽くふわっと残響が後ろに広がるのですが,直接音が主体のため極めて明瞭かつ音の伸びがあり,気持ちの良い音響に仕上がっています。好録音でかつドイツ・シャルプラッテンらしい優秀録音と言えるのではないでしょうか。こういう残響の取り入れ方であれば私も納得できます。

ディスクはその後ベルリン・クラシックスで再発売されていたようですが,すでに廃盤になっているかもしれません。音楽配信では手に入りますね。有り難いことです。

ビートルズ・ゴー・バロック(ペーテル・ブレイナーと彼の室内オーケストラ)

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ビートルズ・ゴー・バロック Beatles Go Baroque
ペーテル・ブレイナーと彼の室内オーケストラ
1992年2月, 3月 スロヴァキア,ブラティスラヴァ,モイゼス・ホール
8.990050J (P)(C)1995 HNH International (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
クラシック演奏家によるロックの編曲版にはついつい手を出してしまうのですが,満足いくものがほとんどありません。これについては1966カルテットの“ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシックス”“ウィ・ウィル・ロック・ユー~クイーン・クラシックス”,モルゴーア・クァルテットの“21世紀の精神正常者たち”などのエントリーで繰り返し述べてきました。一言で言うと,内容がクラシック演奏家のお遊び,余興レベルにとどまってしまっていて面白くないのです。もちろんご本人達が真剣に取り組んでおられることは承知しているのですが(ゴメンなさい)。

前置きが長くなってしまいました。このディスクでは,タイトルからもわかる通り,ビートルズの音楽をバロックの合奏協奏曲風にアレンジしています。4つの組曲から成り,それぞれ「ヘンデル・スタイル」,「ヴィヴァルディ・スタイル」,「J. S. バッハ・スタイル」といったバロックの名作曲家のパロディになっています(ヘンデルはメサイア?,ヴィヴァルディは協奏曲集「四季」,バッハは管弦楽組曲第2番,ですかね)。なかなかよくできた編曲で,単にバロック調にするだけでなく大まじめにパロディをやっているところが面白いですね。理屈抜きに楽しめます。これもまた余興みたいなものですが,ユーモアがこの余興を救っています。

今のところロック編曲ものの中で手に取る機会の多い,数少ないアルバムの一つです。

録音ですが,特に何の工夫もない何気ない普通の録音だと思うのですが,逆にこれがまた良いのです。残響は少なめで,各楽器が自然に,かつ,クリアに分離良く録られていて好感が持てます。こんな録音がどれだけ気持ちよく音楽を楽ませてくれるかということを改めて教えてくれます。世の中の多くの録音は,なぜわざわざあんな音を濁して音楽を楽しめなく録るのか全く理解できません(^^;。なんでこんな風に録れないんですかね... なお,オーディオ・クオリティは普通です。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,第3番,他(クリスティアン・フェラス)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,第3番,他
クリスティアン・フェラス Christian Ferras (Violin)
1956年2月29日(No.2), 1960年2月3日(No.3) フランクフルト,ヘッセン放送
MC 2001 (C)2013 Meloclassics
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

メニューインコーガンのディスクと同様,放送用音源から復刻されたものです。バッハ以外の併録曲は,タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル」, モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.526。ここではバッハのみコメントします。

アクセントを付けながらキチッと弾く折り目正しさが印象に残ります。 重音を正確に半拍前からリズムに合わせて弾くスタイルもその印象を強くします。 特にソナタ第3番のフーガは過剰なくらいで,ここまで徹底しているともう立派としか言いようがありません。 この楽章がこのディスクの白眉です。 ソナタ第3番が優れていると思います。

1956年と1960年の録音(いずれもモノラル)で,スタジオで放送用音源として録音されているため,残響がなく極めて明瞭で,この点では間違いなく好録音です。 古い録音なのでクオリティは年代相応で,緻密さに欠けるのは仕方ありません。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番,他(レオニード・コーガン)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番,他
レオニード・コーガン Leonid Kogan (Violin)
1964年5月25日 ボルドー 大劇場
MC 2012 (C)2013 Meloclassics
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

メニューインのディスクと同様,放送用音源から復刻されたもので,最初に曲の説明のナレーションも入っています。バッハ以外の併録曲は,ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタHWV370, ブラームス:スケルツォ, ファリャ:スペイン民謡組曲, ラヴェル:ツィガーヌ, ドビュッシー:美しい夕暮れ, サラサーテ:サパテアード。ここではバッハのみコメントします。

力強くキレの良い演奏ですが,(意外にも)冷静で落ち着いています。 オーソドックスで,どちらかといえば綺麗にまとめることに重きを置いた守りの演奏のように思えます。 正直なところもう少し推進力が欲しかったなと思います。

1964年の録音(モノラル)なのでそこそこ良いクオリティがありますが,中低域は薄めでやや軽い音質です。 また,高域側も帯域が不足しているということはありませんが,やや伸びが足りないかなと思います。 放送用ということでスタジオで録音されていて,残響がほとんどないためとてもクリアで明瞭です。 この点ではまさに好録音と言えます。 私の好きな録音ではありますが,客観的にみてオーディオ的には年代相応というところだと思います。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番,他(ユーディ・メニューイン)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番,他
ユーディ・メニューイン Yehudi Menuhin (Violin)
1952年8月25日 アスコーナ(ライヴ)
MC 2003 (C)2013 Meloclassics
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

放送用音源から復刻されたもので,最初に曲の説明のナレーションも入っています。バッハ以外の併録曲は,タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル」, フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調, サン=サーンス:ハバネラ,序奏とロンド・カプリチオーソ。ここではバッハのみコメントします。

ものすごい勢いに圧倒される演奏ですが,一方でかなりせっかちに聴こえます。 そして昨今の演奏と比べると相当荒っぽいです。 そういった点で大いに時代を感じさせる演奏ですが,それがまた良いのだとも思います。 かつては音楽はもっと自由で大らかだったんだなと。

録音ですが,1952年の録音なのでさすがに古くクオリティは良くありませんが, 放送用の音源のためか,残響は全くなく楽器音が極めてクリアに録られているため, 1952年の録音とは思えないほど鮮明です。 音色のバランスは大きく崩れているのですが,高域が比較的きちんと出ているため,あまり不満に感じません。 ある意味好録音と言えるかもしれません。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番,パルティータ第1番(ドミトリー・マフチン)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
ドミトリー・マフチン Dmitri Makhtin (Violin)
L'Arsenal (Metz) salle de L'Esplanade 19-21 fevrier 2007
2564 69813-3 (P)(C)Lontano (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

伝統的なスタイルの引き締まった演奏。 オーソドックスで大きな特徴はないものの,インテンポで淀みなく淡々と弾き去る技量は大したもの。 技術的には隙がなく相当上手いです。 今風の演奏ではありませんが,充実度の高い好演奏です。

録音ですが,残響はそれほど多くありませんが,響きが結構あるため楽器音がやや濁り気味です。 楽器音自体はしっかりと録っているのですが,この響きのために高域の伸びが損なわれ,ニュアンスも失われています。 また,背景にブーンというノイズがかすかながら入っているのも気になります。 惜しい録音です。

ドミトリー・マフチンは,ロシア,サンクトペテルブルク出身のヴァイオリニスト。 本ディスクはVolume 1と記載されていますが,Volume 2が一向に発売される気配がありません...

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,パルティータ第2番(アルベルト・コチシュ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
アルベルト・コチシュ Albert Kocsis (Violin)
録音不明(リリース 1963年)
好録音度:★★★★
Hungarotonのサイトよりダウンロード購入
CD試聴記」からの転載記事です。

恐ろしく気合いの入った力強く実直な演奏。 およそ50年前の演奏で,当時としてはこのようなアプローチが主流だったのではないかと思います。 技術的にもかなり上手く,この点はほぼ不満がありません。 リピートの省略が多いのが残念です。

録音ですが,残響はほとんどない極めて明瞭な録音で,この点で不満はありません。 古い録音のため高域の伸びが今ひとつであり,音色が古臭いです。 これは仕方ないところです。 明らかに編集されたとわかるところが何カ所かあり,これも残念なところです。 また,FLAC配信にもかかわらず,時折低ビットレートのMP3でエンコードしたときに発生するような音の歪みが感じられます。 配信のクオリティはあまり良いとは言えません。

デネス・コヴァーチュの全集と同様,ブログ読者様から教えていただいたフンガロトンのサイトでこれを見つけた演奏です。 やはり同じくMP3とFLACで販売されており,FLACは44.1kHz/24bitのデータでした。 価格は2015年5月現在2,899フォリント,日本円換算で1,300円ほどです。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(コンラッド・フォン・デア・ゴルツ Conrad von der Goltz)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
コンラッド・フォン・デア・ゴルツ Conrad von der Goltz (Violin)
録音不明
iTunes Music Storeにてダウンロード販売
“よくばりクラシック 100min.×100 vol.96” より
好録音度:★★★
CD試聴記」からの転載記事です。

至極オーソドックスなアプローチです。 奇を衒うことなくじっくりと真摯に取り組りくんでいる様が伝わってきます。 この点に関しては好印象です。 しかし,残念ながら技術が伴っていません。 音程が悪くしかも不安定,緩急も曲想で変化するというよりは左手の難易度で発生しているように聴こえます。 ただ,それに対して右手の技術はしっかりしているので,技術に不安を覚えながらも結構聴けます。 また,パルティータ第二番の出来が図抜けて良く,上記の弱点はほとんど気になりませんでした。

録音ですが,まるで銭湯の中で録音したような音です。 楽器音が響きに埋もれてニュアンスや質感がよく伝わってきませんし,当然音色もかなり影響を受けています。 特にソナタ第一番がひどいです。 他の曲は幾分マシで,息づかいが聞こえてくるような距離感をもった録音ですが,それでもやっぱり響きが多すぎます。

以前,「クアドロマニア」という廉価盤4枚組のシリーズに収録されていた一部の曲をレビューしていました。その全曲セットです。演奏,録音とも以前レビューしたときと変わらない印象でしたので,その記事をほぼそのまま引き継いでいます。

iTunes Music Storeの“よくばりクラシック 100min.×100 vol.96”はクラシック入門用のシリーズだと思われます。2015年5月時点のダウンロード販売価格が900円と安いのは有り難いのですが... 入門用としては(入門用だからこそ)演奏,録音とも,もう少しクオリティの高いものを選んで欲しいものです。

それほどゆったりした演奏とは感じないのですが,全曲でCD 2枚に入りきらない演奏時間でした。 このためクアドロマニアでは全曲を収録していなかったものと思われます。

「CD試聴記」Webサイト開設13周年!

姉妹サイトの「CD試聴記」が開設13周年を迎えました。アクセス数もいつの間にか70万を越えておりました。アクセスの多くがリピーターの皆様からのものと思います。変わらぬご支援に本当に感謝します。

更新が滞っているページもあり申し訳なく思っておりますが,今後も細々と続けていきたいと思っておりますので,今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。

ハイドン:弦楽四重奏曲Op.64-4,Op.74-3「騎士」,Op.76-5(ミネッティ・クァルテット)

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ハイドン:弦楽四重奏曲Op.64-4,Op.74-3「騎士」,Op.76-5
ミネッティ・クァルテット Minetti Quartett
Feb./Oct./Dec. 2008, Lisztzentrum Raiding, Burgenland, Austria
CD 98.589 (P)(C)2009 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
いつも参考にさせていただいているハイドン音盤倉庫で絶賛されていたディスクです(有り難うございます!)。先に紹介したベートーヴェンと同時に入手していました。

同クァルテットの最初のCDです。個々の奏者の高い技量と抜群のアンサンブル力が遺憾なく発揮された素晴らしい演奏。モダン楽器の特質を活かした美しい音色で奏でられるフレッシュな音楽に感動します。この中では騎士の終楽章に最もこのクァルテットの良さが出ていると思います。一方Op.76-5は少し軽めの表情付けで,終楽章はスリリングな演奏を期待したのですが,すごく丁寧な演奏でした。もう少し攻めの演奏が聴きたいところですが,これはちょっと贅沢な要求かもしれません。

録音ですが,比較的オンマイクで大きな音像なのですが,残響が多くヌケが悪くなり音色が損なわれてしまっているのは残念です。このクァルテットの演奏はクリアーにすっきり録ってこそ活きてくると思うので,この録音は少し残念に思います。とはいえ,客観的にはそんなに悪くないと思いますけどね。

最近の若手の四重奏団は優秀な団体が多いと思いますが,この四重奏団はそんな中でも特に注目に値する実力を持っているように思います。今後の録音にも注目していきたいですね。ハイドンではエルデーディ四重奏曲Op.76を全曲まとめて録音して欲しいところです。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第4番,第11番「セリオーソ」(ミネッティ・クァルテット)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第4番,第11番「セリオーソ」
ミネッティ・クァルテット Minetti Quartett
29-30 April 2013, 1-2 May 2013, Hofmusikkapelle, Wien
CD 98.029 (P)(C)2014 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
ミネッティ・クァルテットは2003年に結成された若手の四重奏団。2006年のグラーツのフランツ・シューベルト国際弦楽四重奏コンクール最高位などの受賞歴があるとのことです。

これは現代的でスマートで洗練された演奏ですね。勢いのある演奏なのに全く乱れたり荒れたりせずキレの良い完璧なアンサンブルで音楽が見通しよく整理されています。個々の奏者の音色が美しく魅力的で(特に1stヴァイオリンが際立っています),優れたアンサンブルと相まって雑味のない透明な響きを生み出しています。これは出色の出来です。素晴らしいです。

録音ですが,残響(響き)を少し取り入れていてまとわりつきと音色への影響が気になるものの,個々の奏者のニュアンスや楽器の質感を伝えてくれるもので,見通し,分離感もまずまずです。もう少し響きを抑えて欲しかったとは思いますが,これでも十分良好な録音と言えます。

演奏も録音も良い素晴らしいディスクでした。今後の録音にも大いに期待します。

ヘッドホン DENON AH-D1100 周波数特性とレビュー

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ヘッドホン DENON AH-D1100

密閉ダイナミック型,インピーダンス32Ω,ケーブル1.3m Y字型,3.5mmミニプラグ(ストレート/金メッキ)
参考: DENONAmazon.co.jp

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果にも掲載しています。2014年1月13日のエントリーでレビューしていましたが,新しい治具での再測定とレビューの改訂を行いましたので,再度掲載します。

DENONのClassicというシリーズの上位モデルで定価18,000円もするモデルです。 見かけはチープで軽いので少々安っぽいのですが,よく見ると作りは比較的きっちりとしていて悪くありません。 ケーブルも決して太くはありませんが弱々しくはありません。 質感が定価に見合うかというとちょっとどうかなとは思いますが, Amazon.co.jpでは6,500円程度で出ていますので,これなら価格相応で十分納得できます。

装着感ですが,軽くてアラウンドイヤーなので耳に負担が少なく良好です。 イヤーパッドがやや固めでぴったりとフィットする感じはあまりなく,密閉型ですが隙間が出来やすいように思います。

そして肝心の音ですが,低域がやや強めですが,ブーミーでなくキレがあります。 全体に癖がなく良くバランスが取れていると思います。 高域もストレスなく綺麗に伸びています。少しきついと思われる方もいると思いますが, 私にはちょうど良いです。密閉型ですが閉塞感も少なく音場も広めです。 大人しくインパクトには欠ける音ですが,フラットで圧迫感も少ないのでとても聴きやすいです。

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図1 DENON AH-D1100 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]人工耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境


周波数特性ですが,低域が非常に強く出ていますが,実際に聴くとそれほどでもなく丁度良い程度です。 おそらく測定時は密閉度が高く,実際に聴いたときには隙間があって密閉度が下がり,低域が弱まったのではないかと思います。 これは私にとっては結果的に良い方向となり,丁度良いバランスの音に落ち着きました。 密閉度が高い状態では少し低域が強すぎると感じるかもしれません。 ピークディップが結構ありますが,聴感はフラットで大人しいです。 癖のある音につながりやすい3~4kHzが弱いのも良好な結果につながっていると思います。

DENONは正直ノーマークでしたが,これはなかなか良かったです。 実売6,500円であれば,同価格帯の中ではかなり良い部類に入ると思います。

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