ブルックナー:交響曲第7番(ベルナルト・ハイティンク指揮/シカゴ交響楽団)

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ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(1885年ハース原典版)
ベルナルト・ハイティンク指揮/シカゴ交響楽団
2007年5月10-15日 シカゴ,シンフォニーセンター,オーケストラ・ホール
CSOR901704 CSO RESOUND (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。ブルックナーは普段ほとんど聴かないので,今回は録音のコメントのみです。

この録音は残響がかなり控えめで(もちろん少しはあります),個々の楽器の音が自然な音色で質感良く明瞭に捉えられています。ブルックナーというと残響が豊富な環境で聴くイメージがあるので,このような録音では面白さが半減するかと思いきや,さにあらず。残響が控えめでも結構楽しめるやん。少なくとも私にとってはブルックナーであっても好録音の方向は変わらないということが確認出来ました。

やや音は粗くオーディオ的なクオリティはそんなに高くないかもしれませんし,帯域バランスとしてやや低域が弱く,高域がうるさめで腰高な感じはありますが,オーケストラの音楽をストレスなく気持ちよく聴ける好録音でした。

なお本盤は通常CDの他にSACDハイブリッドでの発売もあります。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(アンネグレット・ベルンシュタイン)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番
アンネグレット・ベルンシュタイン Annegret Bernstein (Violin)
録音データなし
(P)2013 a-b.violin (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Apple MusicAmazon.co.jp
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,第3番
アンネグレット・ベルンシュタイン Annegret Bernstein (Violin)
録音データなし
(P)2013 a-b.violin (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 落ち着いたテンポで一つ一つのフレーズを丁寧に,丹念に表現をされているところが好印象です。 技術的にものすごく上手いというわけではありませんが,全く破綻をきたすことなくしっかりと仕上げています。 心に染み渡るような柔らかく優しい表現が良いと思います。 押しが弱くいささか印象には残りにくいのですが。

録音ですが,残響自体はそれほど多くはないのですが,全体に残響が被り気味で明瞭感が良くなく,音色も今ひとつ冴えません。 音像も遠めで楽器の質感も感じ取りにくいです。 少々残念な録音です。

音源はまだApple Musicが始まる前のiTunes Storeで購入したのですが, パルティータ第3番のPreludioの音声がブツブツと途切れます。 現在のApple Musicでもそれは変わらず,Amazon.co.jpで公開されている試聴音源でも同様の途切れが見られますので, 元々の音源に問題があるものと思います。 こんな欠陥がある状態で放置されているとはちょっと信じられません。 品質に対する意識が低すぎると思います。

公式Webサイトがあります。 ディスクでの発売があるかどうかは不明です。

ドヴォルザーク:交響曲第8番,スーク:弦楽オーケストラのためのセレナード,他(マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団)

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ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88
スーク:弦楽オーケストラのためのセレナード変ホ長調作品6
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」作品92
マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団
2016年1月29-30日,1月25日 ミュンヘン,ガイタスク・フィルハーモニー
900145 (P)2016 Br Klassik (輸入盤)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。交響曲第8番はドヴォルザークの中で最も好きな曲です。ドヴォルザークは拍手の入るライヴ録音,スークはセッション録音。今年に入ってからの録音のようですので,出来たてのほやほやですね。ディスクの発売は少し先のようですが,Apple Musicではすでに聴ける状態でしたので,一足先に聴いてみました。

力強く推進力のある演奏はさすがですね。ただ,少し縦の線が乱れて混沌とする場面が散見されるのが気になります。第4楽章のフルートのソロもちょっと危なっかしかったりと,オーケストラが少しついて行けていないようにも思います。ライヴだから仕方ないのかもしれませんが。とまあ不満はゼロではありませんが,全体としてはダイナミックでワクワク感のある好きな演奏です。

録音ですが,残響がかなり多いのと,低域にエネルギー感が偏っていて,ごちゃごちゃした感じがあるのは否めませんし,モゴモゴとしたところが残りますね。もっとすっきりと,そして,キレの良い低音で録って欲しかったです。セッション録音のスークはドヴォルザークに比べてやや良好です。弦楽器だけだからうるさく感じないのかもしれません。残響が気にならない方には問題ないかもしれませんが,私には今ひとつ合わない録音でした。

タグ: [交響曲] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ユリア・ベリンスカヤ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ユリア・ベリンスカヤ Yulia Berinskaya (Violin)
録音データなし
GTVS1302 (P)2013 Classica Viva (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 オーソドックスですが,程よいテンポで淀みなく音楽が流れていくのがとても気持ちの良い演奏です。 技術のキレが素晴らしく,そして,控えめながらも気遣いの行き届いた情緒豊かな表現が良いと思います。 一部の楽章(パルティータ第1番のDoubleなど)でリピートが省略されているのが惜しいです。

録音ですが,残響が少し多めで,残響の被りによる音色のくすみがわずかにあるものの, 直接音成分とのバランスはぎりぎり取れているので,印象は悪くありません。 楽器の質感も感じ取ることが出来ます。 もう少しクリアでヌケ良く録って欲しいとは思いますが。

公式Webサイトがあります。 ディスクで発売されているようにも見えるのですが,見つけることが出来ず,以前にiTunes Storeで購入しました。 現在はApple Musicで聴くことができます。

Carpenters GOLD - Greatest Hits (K2HD Mastering CD)

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Carpenters GOLD - Greatest Hits (K2HD Mastering CD)
A&M 5328998 (P)2000 (C)2010 A&M Records (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

いくつかの愛聴曲はあるものの,特にカーペンターズのファンというわけでもなく,すでにベスト盤を一つ持っているのですが,音質の良いリマスター盤があるのなら聴いてみたいとかねてから目を付けていたもの。この“Carpenters GOLD”は,ものすごくたくさんのエディションがありますが,高音質盤では,XRCD2とK2HDがありました。どちらにするかさんざん迷いましたが,結局このK2HDにしました。このディスクは香港盤ですが,Made in Japanです。

すでに持っている通常盤と比較すると,明らかに鮮度が上がり,音のキレと深みが増していました。アナログ時代の録音ですが,CDでこんなに良質な音で聴けるのか!と驚くとともに,リマスタリングでここまで音が変わるということにも驚きました。これを聴くと,CDのポテンシャルを全く活かし切れていない録音がものすごくたくさんあるんだなということを痛感しますね。マスタリングは本当に大切です。ちなみにMaster Engneerは袴田剛史と記載があります。

それにしても...ちょっと高いですねぇ。

フィンジ:INTROIT(入祭唱~フィンジの音楽)(ニコラス・コロン指揮/オーロラ管弦楽団)

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フィンジ:INTROIT(入祭唱~フィンジの音楽)
ニコラス・コロン指揮/オーロラ管弦楽団
2015年7月,8月 イギリス,クロイドン,フェアフィールド・ホール
4789357 (P)2016 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

Apple Musicでの試聴です。いつも参考にさせていただいているクラシック音楽CDの雑談で知ったディスク。ジャケ買いならぬジャケ聴きです(^^;。ジェラルド・フィンジはイギリスの作曲家(1901-1956)で,このディスクでは,編曲版を含めて室内オーケストラの作品を収録しています。(曲目等の詳細は前記のサイトをご参照ください...手抜きですみません)。

フィンジは初めて聴くのですが,郷愁を誘う,ほのぼのする音楽ですね。ジャケットデザインに影響されたわけではないのですが,深まりゆく秋のイメージです。そして底に綿々と流れる「英国」的品格も良いと思います。これはなかなかの掘り出し物でした。

録音ですが,残響感はあまり感じられず,個々の楽器の音色,質感がよく感じられる良好な録音に思います。特に特徴のある録音ではないのですが,ごく自然なイメージであり,欠点があまりありません。こういう何気ないのが実は意外に良いのですよね。

グラズノフ,シベリウス:ヴァイオリン協奏曲,他(エスター・ユー Vn/ウラディーミル・アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管弦楽団)

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グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調作品82
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
シベリウス:ヴァイオリンと弦楽のための組曲作品117
グラズノフ:グランド・アダージョ
エスター・ユー Esther Yoo (Violin)
ウラディーミル・アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
2014年3月 ロンドン,クロイドン,フェアフィールド・ホール
4812157 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

Apple Musicでの試聴です。

エスター・ユーはアメリカ生まれのヨーロッパ育ち,ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールのジュニア部門,第10回国際シベリウス・ヴァイオリン・コンクール,2012年のエリザベート王妃国際音楽コンクールなどでの受賞歴を持つ実力者とのことです。

ということだけあって,さすがに上手い! 力強く,しかし細部まで極めて丁寧に弾いています。豊潤で美しい音色が素晴らしいです。真摯で若者らしい謙虚さが好印象ですが,少し堅く真面目にまとめすぎているようにも思います。ピチピチとはじけるような演奏が聴きたいですね。今後の活躍に期待!

録音ですが,残響感はあまりありませんが,ソロがやや遠目で直接音よりも初期反射音が多いのか音色に濁りが感じられます。ソロはもっと透明感と輝きが欲しいところです。オーケストラは協奏曲として標準的なイメージですが,スケール感とレンジ感があって良いと思います。ソロの録り方が本当に惜しいです。

テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア(佐藤俊介)

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テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア
佐藤俊介 Shunske Sato (Violin)
2011年12月24~25日 相模湖交流センター
Live Notes WWCC-7702 (P)2012 Nami Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

明記されていないのですが,おそらくバロック・ヴァイオリンによる演奏です。 装飾を効果的に使用したり,フィドルのような奏法を用いたり, キレのある弓遣いでたっぷりと楽器を鳴らしながら, このシンプルで愛らしい曲からダイナミックで多彩な表情を引き出しています。 聴き応えのある全集です。

録音: 残響が多く,また,この残響が大きく楽器音に被っているため, 比較的オンマイクで録られているにもかかわらず,音色がくすんでしまっています。 さらに,この残響の被りがありながら音色がキンキンとしてやや刺激的です。 また少し歪みっぽいようにも聴こえます。 残響が気にならない方には問題ないかもしれませんが,もう少し透明感のある音で録って欲しかったところです。

テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア(アウグスティン・ヘイドリッヒ)

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テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア
アウグスティン・ヘイドリッヒ Augustin Hadelich (Violin)
Recorded at St John Chrysostom Church, Newmarket, Canada, 31 August - 3 September 2007
8.570563 (P)(C)2009 Naxos Rights International Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

おぉーっ,バリバリの(死語?(^^;)モダン奏法! ヴィブラートとアクセントを効かせた力強くキレの良い演奏が痛快。 ピリオド奏法を取り入れる気など微塵もなさそうです。 まるで機械仕掛けのように正確無比に弾くところでは思わず笑みがこぼれてしまいます(^^。 最近はバロック音楽をモダン楽器でこのように弾いて録音してくれる人がほとんどいなくなったので, かえって新鮮に聴こえます。

録音ですが,残響がかなり多めで残響時間も長いのですが,直接音の比率もそれなりにあって明瞭感と音色がぎりぎり許容範囲に保たれています。 もう少し残響を抑えて直接音がクリアーに録られていると良かったのですが。 残響の質は良い方だと思います。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(クシシュトフ・ヤコヴィッツ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
クシシュトフ・ヤコヴィッツ Krzysztof Jakowicz (Violin)
録音データなし
(P) MTJ (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 どちらかといえば旧世代の伝統的なスタイルですが, 長い間弾き込んで年輪を重ねてきたような味わい深い演奏。 しかも,とても意欲的,前向きで推進力があるのが素晴らしいです。

録音ですが,残響の量が多く,また残響時間がものすごく長い環境下で録音されているのですが, 直接音の比率が高いので,楽器音の音色への影響は少なく,明瞭感もそこそこあって印象は悪くありません。 残響時間が長いので響きの混濁がものすごいのですが,意外に残響の質も悪く感じません。 残響のまとわりつきはやはり気になり,これが最良とは思いませんし,肯定するつもりもありませんが, こういう残響ならまだ許せる範囲です。

クシシュトフ・ヤコヴィッツは1939年生まれのポーランドのヴァイオリニスト。 この全集,ディスクでの発売があるのかどうかわかりませんでした。

バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(ニコラウス・アーノンクール)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番,第2番,第3番
ニコラウス・アーノンクール Nikolaus Harnoncourt (Cello)
録音不明 (1965年頃?)
8573-81228-2 (P)1965 Musical Heritage Soc. (C)2000 Teldec Classics International GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番,第5番,第6番
ニコラウス・アーノンクール Nikolaus Harnoncourt (Cello)
録音不明 (1965年頃?)
8573-8122ヤ-2 (P)1965 Musical Heritage Soc. (C)2000 Teldec Classics International GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・チェロによる演奏。 第6番はもちろん5弦のチェロ・ピッコロ。 (P)から1965年頃の録音かと思います。 原点に立ち戻るかのような,何ともシンプルな演奏。 素っ気ないほどに無骨だけど力強い。 現代のバロック・チェロによる演奏とはだいぶ違いますが, バロックの先駆者の演奏として大変興味深いです。

録音ですが,残響感はないものの,生録的で,録音している部屋の響きが結構入っていて, 録音場所の雰囲気はおおいにあるものの,音色は損なわれていてあまり良いとは言えません。 演出感が全くないという点では良いのですが...もう少し何とかならなかったのかなとは思います。

今年3月5日に亡くなられたアーノンクール氏がまだウィーン交響楽団のチェロ奏者を務めておられた頃の録音だと思います。古楽アンサンブル「ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」を結成されたのが1953年とのことですので,この演奏はその古楽研究の初期の一つの成果として録音されたのではないでしょうか。

ディスクは現在はすでに廃盤で入手しづらいのが残念です。

タグ: [器楽曲]  [チェロ] 

エントリーモデルのヘッドホンでもう少し良い音で音楽を楽しみたい ~ Sony MDR-ZX310の場合

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知り合いから,音質があまり好きになれないのだけど...と相談を受けたSony MDR-ZX310。そう言われてもなぁ,どうしようもない,と思いつつ借りて聴いてみました。実売が2,300円前後というエントリーモデルなので音質は目をつぶらざるを得ません。低音は良く出ているものの,高域の伸びが全くなく,モゴモゴする音質です。

いつもの通り,測定をしてみました(測定方法はこちら)。下記の図で,青線が1mW入力時の音圧周波数特性です(橙線が2次歪,黄緑線が3次歪,インピーダンスは割愛)。確かに伸びがなくモゴモゴするような特性です。

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ではどうするか。製品としてのクオリティが良くなるわけではありませんが,周波数特性を改善してやれば少しでも聴きやすくなるだろうということで,イコライザーを使って周波数特性を整えてみました。使用したのはOnkyoのHF Player。これにはグラフィック・イコライザー機能がありますので,これを使いました。

周波数特性を見ながらフラットになるように大まかにイコライザを設定し,あとは聴感で微調整しました。次図が調整したHF Playerのイコライザー設定です。メモリがないのでわかりにくいですが,±10dBの範囲で設定が出来るようになっています。4kHz以上を大きく持ち上げることによって高域特性を改善しフラット化するとともに,モゴモゴ感の原因となっている500~1kHzを少し落としています。

hf_player_eq_for_zx310.png


HF Playerで再生したときの特性も確認しました。次図において,青線がイコライザーOFF,赤線がイコライザーONです。HF Playerでホワイトノイズを再生し,Wave Spectraで300回平均測定しました。

fq_resp_sony_mdr-zx310_eqon.png


帯域バランスが大きく改善され,軽いドンシャリ特性となり,だいぶ聴きやすくなりました。まあ少し過補正気味かもしれません。音がドライで硬くなりました。調整量を半分くらいにしても効果は十分に感じられたので,それくらいにしておいた方が良いかもしれません。なお,イコライザーでプラス方向に調整するとクリップして音が歪む場合があるので,プラス方向に大きく調整したときは全体の音量を少し下げた方が良いかもしれません。

これだけ大きな信号処理を加えることには若干の抵抗を感じますが,モゴモゴした音で聴き続けるよりはずっと良いと思いました。ただ,測定データなしで聴感だけに頼って適切に調整するのはかなり難しいと感じました。モゴモゴした音を改善したい場合には,4kHz以上をプラスに持ち上げ,500~1kHzを少し下げる調整をしてみて,あとは好みに合わせて少しずつ調整を重ねていく,というところでしょうか。こればかりはヘッドホン毎に特性が異なるため何とも言えませんが。

タグ: [ヘッドホン] 

ラロ:スペイン交響曲,サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン,ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(ルノー・カプソンVn/パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団)

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ラロ:スペイン交響曲ニ短調作品21
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン作品20
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26(*)
ルノー・カプソン(Vn)/パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団
2015年5月27,28日(*),9月1,2日 フィルハーモニー・ド・パリ
ERATO 2564698276 (P)2016 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集が素晴らしく,それ以来気になるヴァイオリニストになったルノー・カプソン。エラート・レーベルのものは録音も良さそうなので,Apple Musicで聴いてみました。

何を弾かせてもスマートで格好いいですね。技術的にも上手いですし,アクが強くなりがちな曲においても美音でキレ良く聴かせてくれます。さすがです。

さて録音ですが,オーケストラに対してソロが若干フォーカス気味に捉えられているので,協奏曲として聴きやすく,ソロを堪能できる好録音と言えます。わずかに誇張されているので不自然さが残りますが,これで良いと思います。オーケストラも残響を伴いながらもタイトに録られていて,質感豊かな締まりのあるサウンドが心地よく響きます。まずまずの好録音です。

シベリウス:交響曲全集(サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

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シベリウス:交響曲全集
サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
December 2014 - February 2015, Berlin Philharmonie
BPHR 150071 (P)(C)2015 Berlin Phil Media GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

今回は録音についてのみコメントします。パッケージの内容は下記の通りです。

(1) 4 CD

(2) Pure Audio Blu-ray Disc
 2.0 PCM Stereo 24-bit/96kHz
 5.0 DTS-HD Master Audio 24-bit/96kHz

(3) Video Blu-ray Disc
 Full HD 1080/60i - 16:9
 2.0 PCM Stereo
 5.0 DTS-HD Master Audio

(4) High-Resolution Audio Download Code
 Surround 24-bit/96kHz WAV
 Surround 24-bit/96kHz FLAC
 Surround 24-bit/192kHz FLAC
 Stereo 24-bit/96kHz WAV
 Stereo 24-bit/96kHz FLAC
 Stereo 24-bit/192kHz WAV
 Stereo 24-bit/192kHz FLAC
 ※全てのファイルを何度でもダウンロード可能

CDは平均の音圧レベルがかなり低めに設定されています。そのため,CDは一般のCDよりも再生機の音量をだいぶ上げないと楽しめません。おそらく,出来るだけダイナミックレンジの操作をせず,全7曲のピークに合わせて全曲のレベルを統一しているのではないかと想像します。ハイレゾ音源の場合はこれでも問題ありませんが,CDの場合は16bitという限られたビット数の中に入れなければなりませんので,平均音圧の低さはCDの場合は音質的には好ましくありません。実際にハイレゾ音源と聴きくらべてみると,CDの音質は少し劣るように感じられました。

このパッケージでは24bitのBlu-ray Audioディスクが付属していますし,ハイレゾ音源もダウンロードできるのでまだ救われますが,もしCDだけだとしたら少し残念なセットになってしまったでしょう。

録音の音質についてですが,ややホールの響きを重視した音作りになっています。楽器音に残響が被り気味で,明瞭感や音色に影響しており,私としてはもう少しくっきりと透明感のある音で生々しく楽器音を捉えて欲しかったと思いますが,楽器の質感と高域のヌケを失わないぎりぎりのところに設定されているので,何とか許容範囲です。

大型のオーディオシステムで,少し大きめの音量(実際のホールで聴くくらいの音量)で鳴らすような聴き方に向いた録音なのかもしれません。ハイレゾのビット方向の深さを活かした録音と言えると思います。こぢんまりとしたシステムであまり音量を上げずに聴くには向かない気がしました。

そう思うと,せっかくダウンロードでいろいろな音源をダウンロードできる環境を整えているのですから,小規模なシステムで小さめの音量でも楽しめるような別のマスタリング音源も作って提供してくれたら良いのに,と思いますね。まぁ制作コストは余計にかかりますが。

このセットにはビデオも含まれるので,普段あまり観ることの出来ないマイナーな交響曲の演奏の映像が観られるのはうれしいですね。しかし,盛りだくさんなセットなだけに価格も高価...ちとつらいです。パッケージもばかでかくて収納に困りますし...

タグ: [交響曲] 

バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(ヨアヒム・エイランダー)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番,第3番,第4番
ヨアヒム・エイランダー Joachim Eijlander (Cello)
7-9 October 2014, Doopsgezinde Kerk, Haarlem
NC15003 (C)2015 Navis Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
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バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番,第5番,第6番
ヨアヒム・エイランダー Joachim Eijlander (Cello)
31 August - 3 September 2015, Doopsgezinde Kerk, Haarlem
NC15007 (C)2015 Navis Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

丁寧で軽く柔らかいタッチが特徴,落ち着いた演奏です。 力強さはあまりないので印象はやや薄いのですが, 無理せず自己の技量の範囲で,優しく品のある音楽を作り上げていると思います。

録音ですが,残響が多めで楽器音に被り気味,音色がややくすんでいます。 指板をたたく音まで入っているような録音でありながら,下支えが希薄で少し捉え方が弱いようにも感じます。 もう少し直接音主体にしっかりと録って欲しいところです。

タグ: [器楽曲]  [チェロ] 

バッハ:インヴェンションとシンフォニアを気持ちよく聴ける好録音盤2種(シャンタル・スティリアーニ Piano/クリスティアーヌ・ジャコッテ Harpsichord)

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バッハ:インヴェンションとシンフォニア BWV 772 - 801
シャンタル・スティリアーニ Chantal Stigliani (Piano)
録音不明
CAL1211 (P)2012 Calliope
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpApple Music
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バッハ:インヴェンションとシンフォニア BWV 772 - 801
クリスティアーヌ・ジャコッテ Christiane Jaccottet (Harpsichord)
録音不明
(P)2009 Stradivari Classics
好録音度:★★★★★
参考: Apple Music

いずれもApple Musicでの試聴です。録音についてのコメントです。

この2盤とも,鑑賞の邪魔をする要素はほとんどありません。極めてクリアーで自然,何も足さず何も引かない,すっきりした音響が特徴です。特にジャコッテのハープシコードの音が良いですね。とかく響きで濃く雑味が加わりがちなハープシコードを綺麗な音で聴かせてくれます。スティリアーニのピアノの方はもう少しヌケの良い音だと最高なのですが...惜しいところです。

まあ優秀録音かどうかは微妙ですし,皆さんの賛同を得られるとはあまり思わないのですが,私にとっては間違いなく好録音。こういうのが好きなのです。ディスクは入手しづらいようなのが残念です。

ヘンデル:オックスフォードの水上の音楽,他(ブルック・ストリート・バンド)

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ヘンデル:“オックスフォード”の水上の音楽
ブルック・ストリート・バンド The Brook Street Band
録音不明
AVIE AV0028 (P)2006 AVIE Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

ロンドンの古楽アンサンブルのデビュー盤。女性5名からなる団体で,ヴァイオリン2名,オーボエ(リコーダー),チェロ,ハープシコード,という編成です。タイトル曲のほか,ヘンデル,ルクレール,コレッリ,ジェミニアーニのトリオ・ソナタなどを収録しています。

HMV Onlineiconによると,この「水上の音楽」の小編成組曲は,「ヘンデルが1917-19年キャノンのシャンドス男爵邸で仕事をしていたときに書かれたものと推定されている」とのことです。

ピリオド楽器による演奏ですが,実に素直ですんなりと聴けます。技術的にも上手いです。こういう何気ない演奏は好きですね。

そして録音がまた良いのです。少し残響はありますが,録音会場の音響が前に出ることはなく,また,楽器音にまとわりつくこともなくすっきり楽器本来の美しい響きを気持ちよく聴かせてくれます。若干距離感があって少しこぢんまりとした感じはあります。演出感もほとんどなく,ごく自然な雰囲気で録られているのが良いと思います。音楽を邪魔する要素がほとんどないのが好きな点です。