ヴィルトゥオーソ~ヴァイオリン小品集(レオニダス・カヴァコス(Vn)/エンリコ・パーチェ(P))

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ヴィルトゥオーソ〜ヴァイオリン小品集
レオニダス・カヴァコス Leonidas Kavakos (Violin)
エンリコ・パーチェ Enrico Pace (Piano)
2015年5月28-31日 メガロン,アテネ・コンサート・ホール
478 9377 (P)(C)2016 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazonHMV Onlineicone-onkyoApple Music

最近注目しているヴァイオリニスト,レオニダス・カヴァコスが弾くヴィルトゥオーソ・ヴァイオリン小品集。この類の曲はあまり好きではないので普段聴かないのですが,カヴァコスが弾くならと聴いてみました。技術的に上手いのはもちろんですが,こういった小品でも全力投球,そしてセンス良く仕上げていますね。さすがです。これならもう少しじっくりと聴いてみようかという気になります。

そして録音ですが,残響感は少しあるものの,楽器の音をすっきりと捉えた好録音と言えます。少し演出がかっているのでもう少し生々しく,質感豊かに録って欲しかったところですが,ヴァイオリン独奏の録音としては標準的で合格点だと思います。

ショパン:前奏曲集(ユンディ・リ)

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ショパン:前奏曲集
ユンディ・リ Yundi Li (Piano)
録音 2015年6月
4811910 (P)2015 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

ピアノ曲は元々あまり聴かないのですが,ショパンの前奏曲集はポリーニのディスクを持っていたものの,曲の掴み所がよくわからず結局あまり聴かないまま今に至っていました。先日のらららクラシックで「雨だれ」を特集していたのを観て聴いてみたくなり,せっかくなので違うのをとApple Musicで物色して選んだのがこのユンディ・リの演奏です。

演奏についてはもう少し聴き込まないと何とも言えないのですが,Apple Musicで聴いた中ではこれが一番録音の印象が良かった,というのが選んだ理由です。正直なところ,私の聴きたいピアノの録音とは少し方向性がだいぶ違います。ピアノ自体の響きに加えて録音会場の響きも結構取り込まれていますし,演出色もかなり強いというのも好みではありません。それでもピアノ自体の音色の魅力がそれなりに保たれていて,それが心地よく感じられるからです。

本当は先日紹介したグルダのディアベリ変奏曲のような録音で聴いてみたいと思うのですけどね... 今の時代,特にメジャーレーベルであのような録音は全く期待できないですから...

さて,これで前奏曲集が好きになれるであろうか...

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ミドリ・ザイラー)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集
ミドリ・ザイラー Midori Seiler (Violin)
Johann-Sebastian-Bach-Saal from September 26-28, 2015
Berlin Classics 0300721BC (P)(C)2016 Edel Germany GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

緩徐楽章はじっくりと,フーガと終楽章は快活に,緩急強弱を駆使して彫りの深い音楽に仕上げています。 これはパルティータ集と同じなのですが, ソナタ第3番だけはフーガも終楽章もリズム感というかビート感が希薄で, なんでこの表現を選択されたのか疑問符が付きます。 ここだけが少し残念なところです。

録音ですが,残響が多めでかつ直接音よりも残響音の方がやや勝っているため, 明瞭感が落ち,音色がくすんでしまっています。 パルティータ集よりも少し悪いように思います。

ミドリ・ザイラーは,ベルリン古楽アカデミーやアニマ・エテルナでソリストやコンサート・ミストレスとして活躍するヴァイオリニスト。 母が日本人,父がドイツ人で,生まれが大阪,ザルツブルグ育ち,とのこと。

パルティータ集から6年を経てのソナタ集の録音で全集となりました。 以下に,パルティータ集のレビュー記事(記2011/06/16)を併記しておきます。

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ集
ミドリ・ザイラー Midori Seiler (Violin)
09-12.11.2009, Johann-Sebastian-Bach-Saal im Schloss Kothen
Berlin Classics 0016722BC (P)(C)2011 Edel Germany GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

バロックヴァイオリンでの演奏。 緩急強弱が激しく非常にダイナミックで意欲的です。 しかしそれが自然な呼吸感の中で行われているため,不自然さも嫌みも感じることなくすんなりと受け入れられます。 この人の音楽性の高さ,センスの良さを示していると思います。

録音ですが,残響は多めに取り入れられていますが,直接音主体で明瞭感と音の伸びがあって好印象です。 やや高域がきつめですが,近めで録っているためであって自然さを失うものではなくまったく問題ありません。 もちろん私としてはもっと残響を抑えてすっきりと録って欲しかったとは思いますが,十分良好と言えます。

ベートーヴェン:ディアベリの主題による33の変奏曲作品120(フリードリヒ・グルダ)

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ベートーヴェン:ディアベリの主題による33の変奏曲作品120
フリードリヒ・グルダ Friedrich Gulda (Piano)
1970年2月 ドイツ,フィリンゲン,MPSスタジオ
0300723MSW (P)1970 MPS Records (C)2016 Edel Germany (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

バッハ:平均律クラヴィーア曲集全曲が素晴らしかったグルダのMPS録音。その第2弾のリリースです。ディアベリ変奏曲は初めて聴く曲なのでコメント出来ないのですが,とにかくこの録音が素晴らしいのです。残響が皆無で鑑賞の妨げとなる余計な付帯音が過剰と思えるくらいそぎ落とされ,ピアノの音が極めてクリアに粒立ちが美しく録られています。クラシックのピアノ録音としてはデッド過ぎるかもしれませんが,私にとってはほぼ理想的と言って良いです。こういう録音でもっといろいろな曲を聴いてみたいものです。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(レイチェル・バートン・パイン)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
レイチェル・バートン・パイン Rachel Barton Pine (Violin)
16-18 April, 28-30 May, 29 & 31 August 2015, St. Pauls United church of Christ, Chicago
AV2360 (P)(C)2016 RBP Music, LLC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 淡々としていますが,現代的,クールで洗練された美しさを感じます。 曲によっては装飾も積極的かつ大胆に取り入れ,変化に富んでいます。 技術的にも大変上手く,隅々まで神経が行き届いており,ニュアンスの豊かで爽やかな音楽に仕上がっています。 素晴らしい出来です。

録音ですが,背景にふわっと広がる残響が取り入れられていますが, 直接音主体に明瞭感と透明感ある自然な音色で捉えられています。 残響のまとわりつきがわずかに気になるものの,楽器の質感も良く感じられる好録音です。

レイチェル・バートン・パインは米国のヴァイオリニスト。 公式Webサイトがあります。 2004年にソナタ第1番とパルティータ第2番のディスクをリリースしています。 この録音の時にはバロック仕様のヴァイオリンを使用されていました。

ベートーヴェン:交響曲集,シューベルト:交響曲第8番「未完成」,モーツァルト:オーボエ協奏曲,グラン・パルティータ(ダヴィド・グリマル/レ・ディソナンス)

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ベートーヴェン:交響曲集(6曲),ヴァイオリン協奏曲
シューベルト:交響曲第8番「未完成」
モーツァルト:オーボエ協奏曲,グラン・パルティータ
ダヴィド・グリマル/レ・ディソナンス
LD007 (P)2010 (C)2016 Les Dissonances (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ダヴィド・グリマルが結成したレ・ディソナンスによる演奏。指揮者を置かず,グリマルがコンサートマスターおよびソロを務めています。いずれもライヴ録音。既出を含め,下記の曲が収録されています。

ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調作品36 (2011年10月18日)
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」 (2012年12月20日)
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調作品 (2013年10月26日)
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」 (2010年12月9日)
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92 (2010年5月27日)
ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調作品93 (2013年10月26日)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61 (2010年5月12日)
シューベルト:交響曲第8番番ロ短調D.759「未完成」 (2013年12月19日)
モーツァルト:オーボエ協奏曲ハ長調K.314 (2014年2月19日)
モーツァルト:セレナード第10番変ロ長調K.361「グラン・パルティータ」 (2015年4月2日)

以前,交響曲第7番,ヴァイオリン協奏曲のディスク交響曲第5番のディスクを取り上げていました(ただ,ヴァイオリン協奏曲の収録日が異なります。同じように聴こえるのですが...)。

指揮者を置かない演奏とは思えないアグレッシブかつキレの良い緻密なアンサンブルには舌を巻きます。小編成の特徴を最大限に活かした演奏だと思います。響きに豊潤さはなく好みがはっきりと分かれると思いますが,私は好きですね。

そして録音なのですが,残響は結構取り込まれているものの,直接音が主体で個々人の楽器の質感まで感じられそうな音の捉え方,小編成の見通しの良さが活かされる録り方をしているので好印象です。ただ,残響の影響か,中域から高域にかけて癖のある響きがのっていて少し音色が崩れていることと,やや刺激的な音作りのため,すこしうるさく感じられるのが惜しいと思います。

なおオマケとしてブラームスの交響曲全集のビデオをオンラインで観ることの出来るURLとパスワードが付いています。アクセスしてみると...YouTubeのシステムを使っているみたいなのですが...なぜか第1番しか観ることが出来ません。音質も今ひとつ冴えないです。ブラームスの交響曲第4番はすでにディスクでリリースされていますが,これがなかなか良かったので是非ともディスクで全集をリリースして欲しいものです。

ブルッフ:弦楽四重奏曲集(ディオゲネス四重奏団)

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ブルッフ:弦楽四重奏曲集
ディオゲネス四重奏団 Diogenes Quartett
9-11 April 2014, 17-18 February 2015 Himmelfahrtskirche, München-Sendling, Germany
95058 (P)(C)2016 Brilliant Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第10弾!!です(^^;。収録曲は,Op.Posth,Op.9, Op.10で,Op.Posth(作曲家の死後に出版された作品)は世界初録音とのことです。ブルッフはほとんどヴァイオリン協奏曲第1番しか聴かないので,弦楽四重奏曲があることすら全く知りませんでした。緩徐楽章の旋律の美しさには思わず聴き惚れてしまいますし,Op.10の第1楽章など格好良くてテンションが上がります。ほとんど聴かれることのないマイナーな曲だと思いますが,もう少し評価されても良いのではないでしょうか。

さて録音ですが,少し残響はあるものの,直接音とのバランスは取れていて,そこそこ明瞭感があり,音色も自然,楽器の分離も良く,質感も感じ取ることが出来る良好な録音と言えると思います。少し地味な感じのする録音ですが,弦楽四重奏曲の録音として欠点が少ないと思います。

ディオゲネス四重奏団は2000年頃から活躍しているドイツの弦楽四重奏団とのことです。他に,シューベルトの弦楽四重奏曲全集(→HMV Onlineicon)などの録音もあるようです。

バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(フィリップ・ハイアム)

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バッハ:無伴奏チェロ全曲
フィリップ・ハイアム Philip Higham (Cello)
2014年8月2-4日,11月19-21日,2015年2月2日 セント・ジョージ・ザ・エヴァンゲリスト教会(アッパー・ノーウッド,ロンドン)
DCD 34150 (P)(C)2015 Delphian Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン・チェロによる正統派の演奏。 技術的にも大変上手く,丁寧かつニュアンスが豊かです。 しかし,あまりに真っ当で整いすぎた感があり,かえって印象が薄くなってしまうという, ちょっと損をしているかもしれないと思ってしまう演奏です。 ただ,そんな中で第3番だけがどうしたことかとても意欲的な生命感溢れる演奏で素晴らしく, 全集の中で浮いた存在となっています。 全曲がこのアプローチだったら文句なしだったのですが...惜しいです。

録音ですが,少し残響感があり,また残響が楽器音に被って音色を少しくすませていて正直ちょっと冴えないです。 そんなに悪くはないのですが,もっとクリアーに抜けよく,質感高く録って欲しいところです。

タグ: [器楽曲]  [チェロ] 

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,第4番,第7番(ゲルト・シャラー指揮/フィルハーモニー・フェスティヴァ)

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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,第4番,第7番
ゲルト・シャラー指揮/フィルハーモニー・フェスティヴァ
No. 3(25.05.2014), No. 4(22.09.2013), No. 7(21.09.2014), Historischer Kaisersaal von Kloster Ebrach
PH15030 (C)2015 Profil Medien GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

参考に挙げたURLに記載されている発売元の解説によると,第3番,第4番が公開初演の前に私的に行われたロプコヴィッツ伯爵邸のホールを意識し,そのホールと同様の容積を持った程よいサイズの歴史的建築「エーブラハ修道院皇帝の間」で,35人程度の小編成で行われた演奏会をライブ収録したもの,とのことです。

演奏自体はオーソドックスで,小編成の小気味よく引き締まった推進力のあるアンサンブルと,小編成とは思えない力強さ,スケール感とを兼ね備えた好演奏ですね。

録音ですが,少しオフマイク気味で,空間の響きの特徴を含めて収めようとしている録音のため,残響がやや多めであるのに加えて直接音が希薄でモヤモヤとしており,個々の楽器の質感が感じ取りにくく,かなりもどかしいです。おそらくこれは解説から察するに制作者側の意図通りだと思うのですが,せっかくの小編成の良さが伝わらない録音だと思います。当時の雰囲気を味わって欲しいっていうことだと思いますけど,ちょっと残念に思いますね。

タグ: [交響曲] 

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ギター二重奏版)(デュオ・メリサンド)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ギター二重奏版)
デュオ・メリサンド Duo Mélisande
2013年録音
PARATY113215 (P)2014 Paraty (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。演奏者自身の編曲によるギター二重奏版。ギター1本だと何かと無理が生じて音楽としてなかなか楽しめる内容に至らないケースが多いのですが,2本以上だと,一人で多重録音したカート・ラダーマーの演奏のように無理なく音楽的にも満足できる演奏になるのではないかと期待して聴きました。

演奏は...かなり安全運転ですねぇ。「無理なく」には違いなく,ゆっくりしたテンポで極めて丁寧に,一つ一つの音に神経を行き届かせた落ち着いた演奏で,これはこれで良い仕上がりなのですが...個人的にはもう少しワクワクする,躍動感のある演奏だったら良かったのに,と思います。せっかくの二重奏なのですからそれが可能になると思うのですけどね。

録音ですが,やや残響感はあるものの直接音主体に明瞭感のある音で捉えています。生録的な自然な雰囲気であり,演出感がないのも好印象です。そんなに特徴のないどちらかといえば地味な感じのする録音ですが,欠点が少なく気持ちよく聴くことが出来ます。

最後にリピートですが,残念ながら全て省略されていました。

演奏時間 約52分
Aria ××
Var.01 ×× Var.02 ×× Var.03 ××
Var.04 ×× Var.05 ×× Var.06 ××
Var.07 ×× Var.08 ×× Var.09 ××
Var.10 ×× Var.11 ×× Var.12 ××
Var.13 ×× Var.14 ×× Var.15 ××
Var.16 ×× Var.17 ×× Var.18 ××
Var.19 ×× Var.20 ×× Var.21 ××
Var.22 ×× Var.23 ×× Var.24 ××
Var.25 ×× Var.26 ×× Var.27 ××
Var.28 ×× Var.29 ×× Var.30 ××
Aria da capo ××

ハイドン:弦楽四重奏曲 作品76 「エルデーディ四重奏曲」(フルート四重奏版)(モードゥス四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲 作品76 No.2, 3, 5 (フルート四重奏版)
モードゥス四重奏団 Quartett Modus
STR33874 (P)2010 Stradivarius (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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ハイドン:弦楽四重奏曲 作品76 No.1, 4, 6 (フルート四重奏版)
モードゥス四重奏団 Quartett Modus
STR37019 (P)2015 Stradivarius (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ハイドンのエルデーディ四重奏曲のフルート四重奏版で,ヴァイオリン1本がフルートに置き換わっています。フルートという楽器の制約上,音型が変更されていたり,重音のところを分散和音にしたりと編曲がなされていますが,意外と違和感がなく楽しむことが出来ました。フルートのさわやかな響きが良いですね。

しかし,録音が今ひとつ良くありません。残響過多でモワモワと浮ついています。明瞭感が良くなく,楽器の質感も感じ取りにくいです。そしてなぜか歪みっぽいです。せっかくの楽しい演奏なのにこの録音では存分に楽しめませんね...残念です。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(堀米ゆず子)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
堀米ゆず子 Yuzuko Horigome (Violin)
2015年3月9日,7月21-22日,2016年1月5-6日 神奈川・相模湖交流センター
EXTON OVCL-00587(P)(C)2016 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 1986-87年にソナタ集のリリースはありましたが,全集はこれが初めて。 まさに満を持しての全曲録音というところでしょう。 情熱ほとばしる渾身の演奏が素晴らしいですね。 特にシャコンヌの高揚感に胸が熱くなります。 技術が優れているのはもちろんですが,綺麗にまとめようとせず, ぎりぎりまで挑戦する意欲的演奏に感動!

ただ一点惜しいのは,パルティータの二部形式の楽章で,後半のリピートが省略されていることです。 私にとっては心底からこのバッハ演奏を楽しむための基本条件が欠けています。 素晴らしい演奏だけにこれは残念でなりません。

そして録音なのですが...残響が直接音よりも支配的で, 心地よい響きを演出するよりも楽器音を濁し,明瞭度と質感を低下させる効果しか感じられません。 残響の取り入れ方,残響の質とも良くないと思います。 楽曲によって録音の質に若干のばらつきがあり統一感がないのも全集としてあまり良い印象ではありません。

まあここまでは録音のポリシー,好みの問題なのである意味諦めざるを得ない面はあるのですが, この録音には私にとっては許容し難い欠陥があります。 少なくとも数カ所,クリップによる「ジャ」という異音が発生するところがあります。 たとえば,ソナタ第2番フーガの4:57,ソナタ第3番フーガの6:45のところです。 一瞬なのと元々録音があまり綺麗ではないので気がつきにくいのですが, 気になり出すと安心して音楽に身を委ねることが出来ません。

これは録音の善し悪し以前の製品の基本品質の問題です。 一瞬のことだからええやんと思われるかもしれませんが,私にとっては傷のあるダイヤモンドと同じです。

そもそもこのレベルのクリップに編集段階で気がつかないということはあり得ないと思います。 それをこのまま何の断りもなく知らん顔してリリースするというのはあまりに音楽愛好家に対して不誠実ですし, 演奏家にも失礼だと思います。 もし気づかずにリリースしているとしたら,品質に対する意識が低すぎてそれはそれで問題だと思いますが...

と,いろいろと文句を垂れてしまいましたが,素晴らしい演奏であったが故に, 落胆も大きかったということで...失礼しました。 世界標準の使い方から外れるこの変なパッケージにも文句を付けたかったのですが,そんなことはどうでも良くなってしまいました。