書籍:オーディオトランスデューサ工学 - マイクロホン,スピーカ,イヤホンの基本と現代技術 - (大賀寿郎著)

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オーディオトランスデューサ工学
マイクロホン,スピーカ,イヤホンの基本と現代技術
日本音響学会編 音響テクノロジーシリーズ17
大賀寿郎(著)
コロナ社 2013年3月 ISBN978-4-339-01118-0
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineiconコロナ社

【目次】
1. オーディオトランスデューサの基礎知識
2. 種々のオーディオトランスデューサ
3. トランスデューサの機械音響振動系と回路
4. 電気音響変換器の理論と定量化
5. 感度と周波数特性
6. トランスデューサの音場と音響放射
7. 音波の伝送
8. 音波の反射と回折
9. 多点送受音と指向性の制御
10. オーディオトランスデューサの設計技術
11. オーディオトランスデューサの測定
12. オーディオトランスデューサを用いる音響システム

本書は,マイクロホン,スピーカ,イヤホンといったオーディオトランスデューサ(電気音響変換器)に関する基本的な技術および音響工学の基礎を体系的に広く浅く学べる入門書です。エンジニアがこれらの技術的な内容を理解する取っかかりとしてなかなか上手くまとめられていると思います。理系でない方には少々専門的すぎるとは思いますし,書かれている数式まではなかなか理解できるものではありませんが,概念を把握したり基本原理をざっと理解するには良い書籍だと思いました。このあたりは枯れたローテクのアナログ技術ですが,奥深さを感じますね。

著者の大賀寿郎氏は,大学卒業後は日本電信電話公社や富士通の研究所に在籍された後,現在は,芝浦工業大学名誉教授,東京電機大学講師,日本音響学会代議員,電子情報通信学会フェロー,IEEE(米国電気電子学会) Fellowとのことで,この分野の権威ですね。

コロナ社の音響テクノロジーシリーズは興味をそそられる書籍が多くあります。以前紹介した超広帯域オーディオの計測もシリーズは違いますがコロナ社でした。機会があればまた読んでみたいと思います。

タグ: [書籍] 

フィンジ:室内楽作品集(ケルン・カンマーゾリステン)

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フィンジ:室内楽作品集
ケルン・カンマーゾリステン Kólner Kammersolisten
18.09. & 18.-19.10.2015 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 903 1894-6 (P)(C)2015 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

“INTROIT(入祭唱~フィンジの音楽)”で興味を持ったフィンジ。室内楽作品集を見つけたので聴いてみました。収録曲は次の通り。

・クラリネットと弦楽四重奏のための5つのバガテル
・ヴァイオリンとピアノのためのエレジー
・弦楽四重奏のためのロマンス
・ディアベリーズ
・ヴァイオリンとピアノのための聖歌
・オーボエと弦楽四重奏のための間奏曲
・弦楽三重奏のための前奏曲とフーガ

編成はいろいろです。ディアベリーズはヴォーン・ウィリアムズが作った主題に8人の作曲家が変奏を担当した曲とのことで,フィンジは第6変奏を作曲しています。ノスタルジックでもの悲しげな曲が多いのですが,途中で高揚していく曲,ちょっと現代的な響きのする曲などもありました。期待通りの作品集でフィンジの独特の世界を堪能できました。

録音ですが,残響はそれほどないものの,やや演出がかった録り方をしていて,少し生々しさが欲しかったとは思うのですが,フィンジの世界をうまく演出する録音とも言えるかもしれません。美しく雰囲気のある録音です。私の好きな録音とは異なりますが,室内楽の録音としてまあ良いのではないかと思います。

タグ: [室内楽曲] 

モーツァルト:弦楽五重奏曲全集(アウリン四重奏団,今井信子)

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モーツァルト:弦楽五重奏曲全集
アウリン四重奏団 Auryn Quartet
今井信子 Nobuko Imai (Viola)
April 2014 - Mai 2015, Wuppertal, Germany
TACET 217 (P)(C)2016 TACET (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordesAmazon.co.jpHMV Onlineicon

アウリン四重奏団と今井信子さんという顔合わせならこれは聴くしかないですね(^^。快活で躍動的な演奏なのにあくまで上品で柔らかく,情感豊かに表現しています。さすがです。モーツァルトの弦楽五重奏曲はあまり聴かないのですが,見直しました! これはじっくりと楽しみたくなる好演奏ですね。

そして肝心の録音なのですが,TACETの録音は残響を多めに取り入れているものが多いのであまり私の好みではないというのが正直なところです。この録音も残響は多めに取り入れられているのですが,それでもまだ直接音比率が高いので,悪い印象はありません。残響が効果的に使われている気がしないのであまり納得は出来ないのですが,まあ十分許容範囲です。残響が気にならない方,好まれる方には全く問題ないと思います。

タグ: [室内楽曲] 

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲(カペラ・サヴァリア)

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
カペラ・サヴァリア Capella Savaria
June 14-19, 2015 at Bartók Concert Hall, Szombathely, Hungary
HCD 32786-87 (P)(C)2016 Fotexnet Kft (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器による演奏。ハイドンのヴァイオリン協奏曲でソロを務めたジョルト・カッロー(Zsolt Kalló)がディレクションしています。リズムが立った鮮烈な印象を残す演奏で,管楽器のある曲は管楽器のウェイトが大きく,ややガチャガチャと騒々しいです(録音のせいもあると思います)。溌剌として快活なところは良いのですが,もう少し落ち着きと美しさやニュアンスの豊かさが欲しい気もします。

そして録音なのですが,それぞれの楽器をオンマイクで鮮明に録っているような録音なので,明瞭感,解像感,そして分離感は抜群です。その一方で,自然さは失われ,騒々しさを助長しているようにも思います。もう少し適切な距離感で録っていれば自然さと明瞭さのバランスの取れた最高の録音になっていたかもしれません。個人的には結構好きな録音なのですが,上記の理由で他の人に勧められるかというとちょっと微妙かなと思います。

ベルワルド:交響曲全集(ネーメ・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団)

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ベルワルド:交響曲全集
ネーメ・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団
Göteborg, Konserthus, May 1985
415 502-2 (P)1985 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Amazon.co.jp

これが発売された当時,レコード芸術の記事を見ながらこれ聴いてみたいなぁと思いつつ高価で買えなかった記憶があります。ほぼ30年ぶりにその願いが叶いました(^^;。ベルワルドの交響曲を聴くならこのディスクだと決めていたのでひたすら復刻を待っていたのですが,いっこうに復刻される気配がないので思い切って中古のディスクを入手しました。ということで初ベルワルド交響曲です。曲と演奏についてはコメントできないので,今回は録音についてのみです。

で,その録音ですが,少し遠くから録ったような音響で,残響過多ではありませんが,間接音の割合の方が多く,音色がくすみ,全体にモヤッとしていて明瞭感に乏しいです。また個々の楽器の質感も感じ取りにくいです。当時のオーケストラ録音はこういうものも多かったと思います。ぎりぎり許容範囲かとは思いますが,もう少し鮮明さが欲しいところです。

う~ん,録音はちょっと残念! でもやっと手に入れたディスクなので,しっかりと聴きたいと思います。

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番作品131(ジャスパー弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131
ジャスパー弦楽四重奏団 Jasper String Quartet
録音不明 2014年リリース
(P)2014 Sono Luminus
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp(MP3)公式Webサイト

ジャスパー弦楽四重奏団は2006年に米国オハイオ州のオバーリン音楽院で結成された四重奏団で,2008年頃には東京クヮルテットの指導も受けたことがあるようです。Sae Chonabayashiさんという日本人の方が第2ヴァイオリンで参加されています。この録音の前に2枚のディスクをリリースされています。この録音はディスクで発売されているのかどうかはわかりませんでした。Apple Musicでの試聴です。

基本的には奇を衒わないオーソドックスな演奏ですが,気負いのない軽めの表現が明るく爽やかです。アンサンブルも良く技術的にも安定感があります。もう少し個々の奏者の音色に魅力があればとも思いますが,神経の行き届いた細やかさと控え目ながらも情緒的なニュアンスがそれを補ってくれています。

録音ですが,残響は控え目に抑えられているものの,少し距離感があってそれぞれの楽器に薄いベールがかかったような感じに聴こえます。楽器の質感やニュアンスは辛うじて感じられ,音色の曇りも最小限なので十分許容範囲なのですが,もう少しすっきり,くっきり録ってくれていたらなぁと思います。惜しいです。

後期の四重奏曲のこういう演奏はあまりないように思いますので,今後の録音にも注目していきたいですね。

エルガー,ウォルトン:チェロ協奏曲,他(スティーヴン・イッサーリス(Vc)/パーヴォ・ヤルヴィ指揮/フィルハーモニア管弦楽団)

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エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85
ホルスト:祈りH75作品19-2
ウォルトン:チェロ協奏曲
I. ホルスト:無伴奏チェロのための「落ち葉」
スティーヴン・イッサーリス Steven Isserlis (Cello)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
2014年11月14日,2015年4月10日 ヘンリー・ウッド・ホール
CDA 68077 (P)(C)2016 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

主にエルガーのチェロ協奏曲へのコメントです。イッサーリスのチェロは熱く語りかけるような迫力,繊細かつ力強く張りのある音色が素晴らしいですね。イッサーリスらしさが遺憾なく発揮された躍動感と情緒感に溢れる演奏です。パーヴォ・ヤルヴィのバックもソロをしっかりと支えていますし,このロンドンの曇天を想起させる(^^;モノトーンの印象の強い同曲を階調豊かに描き出していると思います。

さて録音ですが,ソロはやや響きが被って高域の伸びが今ひとつであり,音色がくぐもって聴こえます。オーケストラはソロとは異なる残響感がありますが,ソロを浮き立たせるように後方に広がるため,協奏曲のバックの録音としては悪くないと思います。ダイナミックレンジを自然に保つためか,録音レベルがやや低めに設定されていて,その結果として全体に少し精彩のない音になってしまっているような気がします。総合的には決して悪くはないと思うのですが,いまいち冴えないのは本当に惜しいと思います。

なお,最後に収録されている曲の作曲者であるイモージェン・ホルストは,グスタフ・ホルストの娘さんだそうです。

タグ: [協奏曲]  [チェロ] 

Obedient Woods (南澤大介)

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Obedient Woods
南澤大介 Daisuke Minamizawa (Guitar)
2013年5月リリース
BSV-1202 Big South Valley Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Apple MusicBSV Studio

アコースティック・ソロ・ギターのアルバムをもう一つ紹介します。ディスクはBSV Studioから購入できそうだったのですが,Apple Musicでも聴くことが出来ましたので,まずはこちらで聴かせていただきました。

私は南澤大介さんを全く存じ上げないのですが,作曲家・編曲家として,また,ソロ・ギタリストとしてご活躍とのことで,今までに4枚のギターアルバムをリリースされているほか,ソロ・ギター関連の著作を多数出版されているベテランのギタリスト,音楽家とのことです。

このアルバムは2013年に8年ぶりに制作されたアルバムとのことです。今流行の,というか,近年開拓されたような技巧的な特殊奏法はほとんど用いられず,ほとんどベーシックな奏法で演奏されています。しかしその音楽は優しく大変味わいのある素敵な曲ばかりです。心躍ったり熱くなったりはしませんが,温かい気持ちになれる良質な音楽ですね。

録音ですが,録り方に若干のばらつきはあるものの,アコースティック・ギターの生の音色を活かした,演出感の少ない自然な録り方に好感が持てます。個人的にはもう少しHi-Fi調だともっと良かったのですが,これでも十分に良いと思います。

アトリエ (川畑トモアキ)

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アトリエ Atelier
川畑トモアキ Tomoaki Kawabata (Guitar)
SLCD-3019 (P)(C)2015 Slice of Life Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

今までも何度か取り上げていましたが,アコースティック・ソロ・ギターは私の大好きな音楽ジャンルの一つです。アコースティックであること,ソロであること,どちらも私にとっては重要な拘りポイントなのです。

ウィンダム・ヒルの創始者であるウィリアム・アッカーマン,特殊奏法の先駆者マイケル・ヘッジス,同じくウィンダム・ヒルで活躍したアレックス・デ・グラッシから始まり,細々ながら今に至るまで少しずつ聴き続けてきました。最近のお気に入りはオーストラリアのトミー・エマニュエルでこのブログでも何度か紹介してきました。

今まで海外のギタリスト中心に聴いてきて,日本のギタリストの音楽は全く聴いてこなかったのですが,アコースティック・ギター・ブック42(→Amazon.co.jp)の「総力特集ソロ・ギターのすべて」を見て日本のギタリストの音楽も聴いてみなければ!と思った次第です。そこで紹介されているギタリストのアルバムをいくつか購入して聴いてみました。これはその中の1枚です。

聴いてみたといってもまだまだごく限られたギタリストの限られた楽曲だけなのですが,傾向として一つ思ったのは,日本のギタリストの曲はJ-Pop的な印象を受ける曲が多いなぁということです。歌詞を付ければ歌えそうな親しみやすいメロディーラインを基軸に曲を構成していくところが何とも和風というか邦楽的イメージを醸し出していると思うのです。一方,先に挙げた海外のギタリストの曲は,もっと器楽曲的という印象を持っています。私はそういった曲を聴いて育ってきて,そういった曲が好きなので,日本のギタリストの曲には少し戸惑っているというのが正直なところで,同じアコースティック・ソロ・ギターといっても別ジャンルにも思えてしまいます。

そんな中で,この川畑トモアキさんの楽曲は,美しいメロディーラインと器楽的な要素が上手く組み合わされた折衷的なアプローチが良いと思いました。これは結構好きかなと。爽やかな明るい曲調の曲が特に良いですね。

録音ですが,確かにこれはアコースティック・ギターの音色なのですが,マイクではなくピックアップで拾ったような音で(違うかもしれませんが),うっすらと演出色がかかり,スカッと高域まで綺麗に音が伸びてくれません。生の透明感,輝きが失われアコースティックの質感がわずかに損なわれているのが残念です。悪くはないのですが,なぜか完全なアコースティックの音に聞こえないのです。せっかくのアコースティック・ギターなのにちょっともったいない気がします。個人的には演出色はいらないと思っています。

タグ: [ギター] 

チャイコフスキー:交響曲第5番(山田一雄指揮/札幌交響楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
山田一雄指揮/札幌交響楽団
1983年1月20日 北海道厚生年金会館 第233回定期演奏会
TWFS90012 (P)(C)2016 FONTEC INC. (国内盤) タワーレコード企画盤
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤,札響アーカイブ・シリーズ第2期から。先日立ち寄ったタワーレコードの店頭で見かけて興味がわいたので,さしあたり1枚入手して聴いてみました。SACDハイブリッドです。

これはあくまで私の想像ですが,「アーカイブ・シリーズ」ということなので,商業目的の録音ではなく,演奏会の記録用に残していた録音の中から演奏の良いもの,録音・保存状態の良いものを選んでリリースしているのではないかと(違ったらごめんなさい)。まるで指揮者の上方に設置された天吊りマイクのワンポイント一発取りではないかと思うような音響であり,残響感はあまりなく生録的なリアルさがあり,また,演出感のない自然さも抜群です。一方で,ステレオ録音ながらステレオ感は希薄であり,また機材(マイク?)の性能限界なのか,ナローレンジで(特に低域はかなり弱い),クオリティも当時のアナログ録音のレベルから考えると若干落ちるように思います。私の好きなタイプの録り方の録音なんですけどね...

演奏ですが,定期演奏会のライヴの記録ということもあってか,演奏の出来は悪くないと思いつつも結構事故が散見されちょっと気になります。これはやっぱり指揮者山田一雄氏および札幌交響楽団のファンのためのディスクですかね。

タグ: [交響曲] 

エルガー:チェロ協奏曲,他(ジャン=ギアン・ケラス(Vc)/イルジー・ビエロフラーヴェク指揮/BBC交響楽団)

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エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85
ドヴォルザーク:ロンド作品94,森の静けさ作品68-5
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲イ長調作品33
ジャン=ギアン・ケラス Jean-Guihen Queyras (Cello)
イルジー・ビエロフラーヴェク指揮/BBC交響楽団
May 2012, London, BBC Maida Vale Studios
HMC 902148 (P)(C)2013 BBC/harmonia mundi s.a. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

考えてみると私はチェロ協奏曲をほとんど聴きません。そんな中で辛うじて聴いているのはハイドンとこのエルガーくらいでしょうか。ケラスの独奏ということでこれは聴かなければ!と買うだけ買って埋もれたままになっていたのをやっと引っ張り出してきて聴きました(^^;。

ケラスの巧さはこのエルガーでも最大限発揮されていますね。技術的な巧さはもちろんのこと,美しい高音域,深々とした低音域,歌心あふれる旋律の美しさ,ほんとに素晴らしいです。エルガーのチェロ協奏曲といえばデュプレだったのですが,それに加わる出来といっていいかもしれません。

そして録音ですが,残響は控え目,チェロのソロは若干距離感がありつつも明瞭に捉えられており,オーケストラもソロを邪魔することなく,しかもそこそこ締まった音響で録られていて好感の持てる録音です。特に優秀録音というわけでもなく,どちらかといえば地味に思える仕上げになっていますが,欠点も少ない良好な録音です。

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」,他(ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮/パリ管弦楽団)

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲作品34
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮/パリ管弦楽団
録音 1974年,1976年,1977年
TDSA-12(WQCG-19) Warner Music Japan ※タワーレコード企画盤
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

言わずと知れた名盤。以前,東芝EMI時代の国内盤を取り上げていました。昨年,タワーレコードの企画盤,TOWER RECORDS Definition SeriesとしてSACDハイブリッドで復刻されていたことに気づき,これは聴いてみなければということで入手しました。

音源は本国(?)より取り寄せた96kHz/24bitのWAVデータから,SACD層用とCD層用とを個別にマスタリングしたとのことですので,今回はSACD層も含めて音質を確認してみました。

まず従来のCDとの比較では,若干の鮮度の向上が感じられること,中低域の充実度が上がったことが改善点でしょうか。そして,CD層とSACD層との比較では,SACD層の方がより音に精彩があり,立体感が感じられました。CD層はやや平板でした。SACDでなければこの立体感が出せないのかどうかは私にはわからないのですが,確かに差が感じられました。このディスクはSACDで楽しみたいものです。

ということで,この名盤がより音質が良い状態で復刻されたことを喜びたいと思います。

タグ: [管弦楽曲] 

MY ROOM side 4 (ウィリアムス浩子)

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MY ROOM side 4
ウィリアムス浩子(Vocal),馬場孝喜(Guitar)
December 2014 - February 2016 at u3chi and Aby Studio Japan
BSM010 Berkeley Square Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ジャズシンガーのウィリアムス浩子さんのマイ・ルーム・プロジェクトの第4弾。今まで第1弾(side 1)第2弾(side 2)第3弾(side 3)と取り上げてきました。今回はゲストプレーヤとして西嶋徹(b),ヤマカミヒトミ(fl)が参加されています。

録音の傾向はside2, side3と同様でした。ここまで入手してみて,録音の好みから言えばside 1が一番良く,side 2以降は結局<普通の>優秀録音に留まってしまったのが残念です。

もちろん音楽そのものは素晴らしく,ウィリアムス浩子さんの素敵なヴォーカルを堪能させていただきました。

シベリウス:交響曲第2番,第5番(ジョルジュ・プレートル指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)

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シベリウス:交響曲第2番,第5番
ジョルジュ・プレートル指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
1967年録音
TWCL-2009 TOWER RECORDS RCA Precious Selection 1000 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤。残念ながらすでに廃盤です。それにしてもこの演奏はものすごく雄壮ですね。特にパワフルな金管,力強く高らかに鳴り響きます。今どきのシベリウスとはだいぶ印象が異なりますが,この2曲ならこのような演奏もアリだと思わせる説得力があります。

録音ですが,残響は抑え気味で各楽器を明瞭に分離良く捉えていて好印象です。フォルテシモで少し飽和感があること,品質としてはその時代なりでやや落ちるのが惜しいところですが,鑑賞には支障がありません。

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲全集(マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団)*Blu-ray Disc

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ベートーヴェン:交響曲全集(2012年東京・サントリー・ホール・ライヴ)
マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団
2012年 サントリー・ホール (収録日記載なし)
107536 (C)2015 Arthaus Music (輸入盤) (*Blu-ray Disc 3枚組)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

Blu-rayディスクによる3枚組で,音声フォーマットはPCM STEREOとDTS-HD MASTER AUDIO 5.0と記載されています(詳細スペックは記載なし)。オーストリア製でリージョンフリーです。NHKとの共同制作のようです。

同公演のBlu-rayはNHKエンタープライズからもリリースされていますが(→Tower RecordsHMV Onlineiconなど),同じ内容かどうかは不明ですが,NHKエンタープライズ盤はBlu-ray 4枚組で音声フォーマットの種類も異なるので同じ公演であっても内容が異なるかもしれません。価格が2~3倍するので,私はオーストリア盤を選択しました(^^;。

演奏はまだ十分鑑賞していないので,今回は録音の印象だけコメントします。

この録音は,良く言えば,サントリー・ホールの豊潤な響きを上手く活かした録音でしょう。いわゆるピラミッド型の帯域バランス。残響も中低域が中心。残響の質はそんなに悪くはないと思いますが,直接音に対する比率はやや高めです。そのため,楽器の音色の芯・輪郭は辛うじて感じられるものの,主に中低域の残響の被りによってややモヤッとベールがかかったようでモゴモゴしてもどかしさが残ります。また低域のキレも感じられません。もう少しすっきりとクリアに質感高く締まった音響で録って欲しいものです。残響を好まれる方であれば全く問題ない録音かもしれません。私としては上記の通り不満が残ります。

映像作品としては楽しめそうですので,じっくりと鑑賞しようと思います。


録音について少し補足しますと,この録音は低域のエネルギー感が相当あるために,再生装置の低域の再生能力によって帯域のバランス感が大きく変わるため,聴こえ方がだいぶ違うように思います。低域が締まっている,あるいは低域の再生能力が低い方が低域の高域への被りが減り,バランス良く聴こえるかもしれません。(2016/06/14追記)

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集作品59「ラズモフスキー」全3曲(クァルテット・エクセルシオ)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集作品59「ラズモフスキー」全3曲
クァルテット・エクセルシオ Quartet Excelsior
2014年12月25-26日 神奈川・相模湖交流センター
Live Notes WWCC-7807-8 (P)2016 Nami Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2014年にリリースされた第12番,第16番に続く第2弾となります。録音自体は前作から約半年後の2014年12月。基本的には前作と同じで正統的なスタイルが踏襲されており,優れたアンサンブルと細やかに表現が行き届き,完成度高く仕上げています。やはり個性的な表現は追い求めず,あくまでオーソドックスな範囲でニュアンスの豊かさで勝負しているように聴こえます。これはこれで私は良いと思いますし,この路線で全曲録音を続けて欲しいというのも変わりません。

ただ,前作でも残念だった録音は今回も同じであり,残響が音色を濁しており,また,ニュアンスや質感を聴き取りにくくしているのは少々残念です。この残響の取り入れ方は音楽的にもほとんど貢献していませんので,もっとクリアにヌケ良く録ることを優先して欲しいところです。目くじらを立てるほど悪くはないのですが,せっかくの好演奏をもっと良い状態で楽しみたいということで,あえて言わせていただいております。

シベリウス:交響曲全集(ピエタリ・インキネン指揮/ニュージーランド交響楽団)

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シベリウス:交響曲第1番,第3番
ピエタリ・インキネン指揮/ニュージーランド交響楽団
2009年3月3-5日 マイケル・ファウラー・センター,ウェリントン(ニュージーランド)
8.572305 (P)(C)2010 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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シベリウス:交響曲第2番
ピエタリ・インキネン指揮/ニュージーランド交響楽団
2008年10月16-18日(交響曲),2010年7月27日(カレリア組曲)
マイケル・ファウラー・センター,ウェリントン(ニュージーランド)
8.572704 (P)(C)2011 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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シベリウス:交響曲第4番,第5番
ピエタリ・インキネン指揮/ニュージーランド交響楽団
2009年9月21-23日(第4番),2008年10月16-18日(第5番)
マイケル・ファウラー・センター,ウェリントン(ニュージーランド)
8.572227 (P)(C)2011 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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シベリウス:交響曲第6番,第7番
ピエタリ・インキネン指揮/ニュージーランド交響楽団
2009年9月21-23日(交響曲),2010年7月27日(フィンランディア)
マイケル・ファウラー・センター,ウェリントン(ニュージーランド)
8.572705 (P)(C)2011 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

インキネンは2013年に日本フィルハーモニー交響楽団との全集を録音していますが,これらはそれより前の2008年から2010年にかけて録音されたものです。基本的な解釈というか骨格は通ずるものを感じるのですが,仕上がった音楽はだいぶ印象がことなります。日本フィルとの全集はどちらかといえば寒色系でストイックあったのに対し,こちらは暖色系で情緒的。オーケストラの特質もあるのかもしれませんが,それぞれの全集を違った方向性で統一して描き分けているのは面白いと思います。いずれも弦楽器が中心となって全体の基礎を固めているところが気にいっています。オーケストラの技量的に日本フィルに及ばずややフォーカスが甘い点はあるにせよ,うまくまとめていると思います。

録音ですが,残響感はあるものの,個々の楽器を比較的明瞭に捉えていて質感豊かです。もう少しヌケの良いサウンドだと良かったのですが,まあ許容範囲内です。オーディオ的なクオリティは特に良いとは思いませんがまあ普通です。少しオマケですが四つ星半です。

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集(フランク・ペーター・ツィンマーマン/ラドスラフ・スルク指揮/バイエルン放送室内管弦楽団)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番,第3番,第4番
フランク・ペーター・ツィンマーマン Frank Peter Zimmermann (Violin)
ラドスラフ・スルク指揮/バイエルン放送室内管弦楽団
2014年3月6-8日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
CD 98.039 (C)2015 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第2番,第5番
モーツァルト:協奏交響曲K.364
フランク・ペーター・ツィンマーマン Frank Peter Zimmermann (Violin)
アントワーヌ・タムスティ Antoine Tamestit (Viola)
ラドスラフ・スルク指揮/バイエルン放送室内管弦楽団
2015年6月28日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
HC15042 (C)2015 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

第1番,第3番,第4番のディスクは以前取り上げていました。第2番,第5番が発売となり,全曲が揃いました。ツィンマーマンは20歳台前半にハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団との競演でEMIに全集録音をしていますが,これはおよそ28年ぶりの全集ということになります。

モダン楽器による演奏で,気品の感じられる,そして透明感ある音色がとても美しい,歌心溢れる表現に胸のすく思いのする素晴らしい演奏です。モダン楽器の良さ,らしさを最大限に発揮しているところが最高に良いです。1回目の全集に比べて硬さが取れ,ずいぶんと柔軟であり,また生命力に溢れています。どちらかというとモーツァルトを楽しむというよりはツィンマーマンの個性的な演奏を楽しむディスクだと思います。

録音も良好です。ソロはわずかに残響のまとわりつきがありますがほとんど気にならないレベルであり,明瞭かつ透明感があり,高域のヌケも良く気持ちよく聴くことが出来ます。バックのオーケストラはもう少し残響感が多めですが,この差がソロを浮かび上がらせる効果を持っています。各楽器の分離も悪くありません。協奏曲の録音として良くまとまっていると思います。バランス的には高域寄りでサウンドとしては少し軽く腰高な感じがしますが,全く問題ありません。

演奏も録音も良い全集です。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,他(伊藤亜美) ※アルバム「A」より

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタSz.117
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番よりラルゴ
伊藤亜美 Ami Ito (Violin)
2015年10月26-27日 聖ヨハネ ネポムク教会(ウィーン)
TCR2016A (C)2016 TC Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。コメントはパルティータ第2番に対してのものです。

モダン楽器による演奏。 端正で大変美しい。 自然体であり,伸び伸びとした表現が気持ちの良い好演奏です。 技術的にも上手く,隅々まで気配りが行き届き,高いレベルで仕上げているのはさすが日本人演奏家と言いたいです。 今後のご活躍にも期待します。 是非全曲録音を。

さて録音ですが,教会で録音されているということもあり,ものすごく残響時間が長いです。 ここまで残響時間が長いのも滅多にないと思います。 しかし,直接音が比較的きちんと捉えられているので, これだけの残響がありながら残響の被りによる音色への影響は少なめで,私の感覚でもぎりぎり許容範囲です。

しかしながら,やはり楽器音へのまとわりつきが鬱陶しく,本来の音色の伸びやかさが阻害されていると思いますし, あまりに残響時間が長いため,過去の響きが混じり合って混沌とし,これは音楽的にどうなんだ?という気もします。 実際にその会場で聴くには良いにしても,録音にした場合には「過ぎたるは及ばざるがごとし」ではないかと。 確かに雰囲気はありますし,残響の取り入れ方としては良くできている方だと思いますが, 私は楽器から放出される音をもっとストレートに聴きたい!と強く思います。

アルバムのタイトルは「A」(バッハ バルトーク ヴァイオリン無伴奏作品集)。 併録曲として,バルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタSz.117と, バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番から第3楽章ラルゴが収録されています。

なお,このラルゴだけは東京の紀尾井町スタジオで録音されたものですが,教会で録音されたようなものすごい残響が付加されています。 他の収録曲と印象を揃えるために人工的に残響を付加したものと想像します(違ったらごめんなさい)。 実際,ちょっと聴いた印象ではかなり似た音響になっています。 しかし,この響きは教会の響きとは全く異なり,ものすごく演出色が強く,また中高域の成分が不自然に多めで極めて不快です。 この演出はこのアルバムの品位,価値を著しく貶めています。 こういうのは本当にやめていただきたい。

伊藤亜美さんの公式Webサイトがあります。 昨年ご結婚され,2016年よりアーティスト名を「尾池亜美」から「伊藤亜美」に変更して活動されているとのことです。

なお本ディスクは,いつも参考にさせていただいているクラシック音楽CDの雑談で知りました。いつもいつも有り難うございます!

シベリウス:交響曲全集(ハンヌ・リントゥ指揮/フィンランド放送交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集
ハンヌ・リントゥ指揮/フィンランド放送交響楽団
2015年 ヘルシンキ・ミュージック・センター
101796 (C)2015 Arthaus Musik (輸入盤) *DVD 5枚組
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

シベリウス生誕150周年を記念して制作された映像作品。詳しくは上記の参考に挙げたサイトでご確認いただければと思いますが,コンサート映像のほか,各曲30分程度のリントゥによる曲目解説とドキュメンタリー,シベリウスのバイオグラフィ映像作品など,盛りだくさんの内容です。輸入盤でも日本語の字幕が付いているので助かります。Blu-ray版とDVD版が用意されています(私はDVD版を入手)。

映像を観ながらの鑑賞となるので印象が映像に引っ張られているとは思うのですが,颯爽としていて明快なリントゥの指揮から紡ぎ出される音楽は無駄も誇張もなくすっきりと整い,そのサウンドは力強く引き締まっています。自国の音楽に対する敬愛の念を感じるとともに,誇りをもって演奏されているのが伝わってくるようで大変感銘を受けました。

そして録音なのですが,残響が多めに取り入れられてるとはいえ,直接音が支配的であり,またその残響音も直接音を濁さず比率も適切で取り入れ方としては好ましく思います。また,残響も低域に偏ることなくバランスが取れており,全体のサウンドも締まっている点も良いと思います。個々の楽器の質感も感じ取りやすく,分離感もまずまず良好です。もう少し精彩が欲しいところですが,これでも十分に好録音と言えると思います。

このボックスセットは演奏も録音も良く当たりでした。しばらく楽しませてもらおうと思います。ただ,このばかでかいパッケージには閉口します。充実した中身に価値観のあるボックスは満足度を上げるためだと思うのですが...もっとコンパクトにならんもんかと思いますね(私にとっては不要な分厚いカタログも入っているし...)。