シューベルト:交響曲第8番「未完成」,第9番「ザ・グレイト」(イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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シューベルト:交響曲第8番ロ短調D759「未完成」
シューベルト:交響曲第9番ハ長調D944「ザ・グレイト」
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1963年10月7,8,11日,11月5-8日 ウィーン,ゾフィエンザール
UCCD-7223 (P)1964 Decca Music Group Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

録音のみのコメントです。「新世界より」の録音からおよそ2年後の1963年の同顔合わせによる録音。新世界に比べてわずかに及ばないところはあるにせよ,これもほぼ同じ傾向の好録音でした。未完成よりもグレイトの方がほんのわずかですが良好のように思いました。

もちろんオーディオ的なクオリティは現代の録音の方がずっと高いのですが,音楽をより魅力的に伝える録り方をしているという点でこれらの録音は大変優れていて,それは音楽を収めるメディアのクオリティ以前の問題としてずっと大切なことだということを教えてくれているように思います。現代の録音は録り方の方向性がちょっと違う方に向いてしまっている気がしてなりません。と,これらの録音を聴いて思ってしまいました。

過去の優秀録音から全く学ぼうとしていないように思えるのですが,なぜなんでしょうね...

ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」(イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1961年3月22-24日 ウィーン,ゾフィエンザール
UCCD-7213 (P)1961 Decca Music Group Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

本ディスクに関しては,少し前にApple Musicで試聴した感想を掲載していました(→こちら)。Apple Musicでも間違いなく好録音であったと報告していました。その後やっぱりこれはディスクで聴きたいと思い,高音質盤のステレオサウンド誌の企画盤にするか通常盤にするか迷ったのですが,私には通常盤で十分かなと思い,こちらを選びました。

感想は前回の記事を参照していただきたいのですが,何度聴いても気持ちのよいサウンドです。現代の多くの録音がこの50年以上前の録音に全く足下にも及ばないという現状は何とも残念です。「コンサートホールの音場を再現すること」と「録音で音楽の感動を伝えること」はイコールではないと思います。録音に携わる方々には今一度よく考えていただきたい,というのが私の希望です。

スメタナ:わが祖国(ラファエル・クーベリック指揮/ボストン交響楽団)

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スメタナ:わが祖国
ラファエル・クーベリック指揮/ボストン交響楽団
1971年3月 ボストン,シンフォニーホール
UCCG-4649 (P)1971 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

同曲における定番中の定番といえる名盤なので皆さんもよくご存じのことと思います。私は今まで気になりながらも聴きそびれていました。思いついたときに聴いておこうとやっと手にしました。何度も再発売され,高音質盤も幾つか発売されていますが,今までの経験から高音質盤でなくてもOIBPマスタリングのTHE ORIGINALSであれば私としてはほぼ満足できる場合が多いので,比較的安価な本盤を選びました。

演奏は評判通りであり,まるで映画や舞台を観ているかのごとく,シーン毎の演出が巧みで音楽に引き込まれます。サウンドも華やかでわかりやすいのも私には向いています。この曲を多く聴いてきたわけではないのですが,その中では一番良かったと思います。

録音ですが,やや演出感が過ぎ実在感が希薄なのと,また音場感があまりなくモノラル的なサウンドステージなのが不満ですが,この当時のDGの録音としては普通であり,可もなく不可もなしというところです。もう少し自然さと音場の立体感があるとよかったのですが。まあ多くの人にとって不満なく聴ける水準だとは思います。

タグ: [管弦楽曲] 

シューマン:幻想曲,幻想小曲集(マルタ・アルゲリッチ)

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シューマン:幻想曲作品17
シューマン:幻想小曲集作品12
マルタ・アルゲリッチ Martha Argerich (Piano)
録音 1976年
SICC 1843 (P)(C)1976 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

私はシューマンのピアノ曲をほとんど聴かないのですが,唯一聴くのがこの幻想小曲集作品12です。誰の演奏だったのかは定かではないのですが,高校生の時にFMのエアチェック(もう死語か(^^;)でたまたまカセットテープに録音していた同曲を長い間聴いていました。シューマンの作品の中ではあまり顧みられない作品かもしれませんが,これが好きなんですよね。ものすごく久しぶりに聴きたくなり,Apple Musicで物色して見つけたのがこのディスクです。昔聴いていた曲のイメージとは少し異なり随分と力強くダイナミックなシューマンだよなぁと思いつつも,この曲の面白さを存分に楽しませてくれる演奏だと思いました。

録音ですが,この力強い演奏を柔らかい響きで包んで聴きやすくしているように思います。ただそのせいで音色がくすんで透明感が失われているのは惜しいと思います。また演出感も強いです。まあピアノの録音としては標準的で悪くはないと思うのですが,やっぱりもっとクリアにすっきりと録って欲しいと思いますね。

タグ: [器楽曲]  [ピアノ] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ニコライ・マドヤン)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ニコライ・マドヤン Nikolay Madoyan (Violin)
録音不明
品番不明 (P)2014 Nikolay Madoyan (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple MusicYouTube

CD試聴記」からの転載記事です。

オーソドックスで力強くまた整然とした立派な演奏です。 技術的にもかなり巧いです。 演奏上の傷はいくらか散見されるものの,全体のできの良さのほうが勝っているのでほとんど気になりません。特にパルティータ第2番,ソナタ第3番あたりの充実ぶりはなかなかのものです。

録音ですが,残響はやや多く残響時間もかなり長いのですが, 楽器音の直接音成分が支配的で残響はその後方にふわっと広がるように取り入れられているため, 印象は悪くありません。 音色は残響のまとわりつきの影響を受けてやや変化していますが,ニュアンスや質感は十分に伝わってきます。 もう少し直接音に透明感があれば良かったのですが。 でもこれは残響量の割に良いと思います。 私の好みではありませんが,上手く録っていると思います。

この録音,YouTubeでは全曲が公開されており,ディスクでの発売もありそうに見えるのですが,本当にあるかどうかはわかりませんでした。Amazon.co.jpApple Musicでは前半の3曲のみ公開されているという中途半端な状態です。

これを全曲扱いにするか迷いましたが,演奏も録音もそこそこ良かったので,ちゃんと全曲公開されることを期待して全曲扱いとしました。

演奏者のマドヤンはWikipediaによると,1973年生まれアルメニア出身のヴァイオリニストとのことです。

シューマン:交響曲全集(ロビン・ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団)

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シューマン:交響曲全集
ロビン・ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団
2013年11月25日, 26日, 30日 & 12月1日-3日 パース・コンサート・ホール(イギリス)
CKD 450 (P)(C)2014 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

室内管弦楽団ならではの小回りの利いた躍動感ある小気味よい演奏ですね。アンサンブルも良いと思います。先日取り上げたサヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデンとは対極にあるように思います。こちらは今風に仕上げられていますね。

録音ですが,残響は控え目で低域もだらしなく響くことがありません。タイトでややドライな仕上げです。マイク位置が少し遠いのか,良く言えばまとまりのある,全体が良く溶けあった音なのですが,その代償としてやや楽器の質感が希薄になって力強さ,実在感は失われています。これでも十分好録音だと思うのですが,あえて言わせてもらえば,もう少し個々の楽器の質感を強めに捉え,もう少し存在感のある音で録っていればなお良かったと思います。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ラミン・バーラミ)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
ラミン・バーラミ Ramin Bahrami (Piano)
録音不明
4762820 (P)2004 DECCA (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。これがバッハの演奏なのか?と思うほど力強くたたきつけるようなタッチに驚くのですが,まるでAIが弾いているのかと思うほど高速でメカニカルな正確さにも目を見張りますし,奇妙な装飾にもニヤッとしてしまいます。そして第26変奏以降のラストに向けて一気にたたみかけるモーレツな演奏! 好きかどうかは別として,間違いなく楽しめます。ここまでぶっ飛んだ演奏はそうないと思います。

さて録音ですが,残響控え目でピアノの音をしっかりと捉えていますが,ちょっと音が硬質です。そしてこれはApple Musicだからかもしれませんが,エンコード歪みっぽいノイズが時折気になり,やや品質が良くないように思います。これはCDで確かめてみたいところなのですが...

最後にリピート表です。すべてのリピートが実行されていました。完璧です。

演奏時間 約80分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○○

蛇足ですが,このディスクをある中古ショップで見かけたのですが,そのときは別に欲しいものがあり見送りました。こんなに面白いとわかっていたら入手していたのに! ちょっと後悔。

タグ: [器楽曲]  [ピアノ] 

ベートーヴェン:交響曲全集(オイゲン・ヨッフム指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
オイゲン・ヨッフム指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
1967年~1969年 アムステルダム,コンセルトヘボウ
PROC-2013/7 (P)1969 Decca Music Group (国内盤) タワーレコード企画盤
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus Eugen Jochum PHILIPS Recordings
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records

ヨッフムのベートーヴェンの全集録音は3回で,これは2回目の録音とのことです。引き締まったフォルムで力強く推進される正統的な演奏ですね。やっぱりこういうのが好きです。

そして何よりこの録音がいいですねぇ! 残響はありますが適度に抑えられ,各楽器の音が分離良く,明瞭感高く,質感高く捉えられています。音色も自然ですしヌケも良く全くストレスなく音楽を楽しむことが出来ます。マルチマイクで比較的楽器に近い位置で録っているように思います。特に弦楽器のこのサウンドは大好きですね。若干ドライですがキレの良い情報量の多い音で満たされてるといった感じがします。この時代のフィリップスの良好なアナログ録音の一つに挙げられるのではないでしょうか。

オーディオクオリティでは現代のデジタル録音にかなわないかもしれませんが,鑑賞の邪魔になる残響等の付帯音が気にならないレベルに抑えられていて,クオリティの高い曇った現代の録音よりもはるかに音楽を楽しく聴くことができます。間違いなく好録音です。フィリップスやデッカはかつてこのような音楽の楽しさをストレートに伝えてくれる録音をしていたのに,なぜやめてしまったのでしょう? 「音楽の楽しさを伝える」ということに関しては退化しているとしか思えません。

ということで,演奏も録音も良いこのディスクは愛聴盤候補となりました。じっくりと楽しみたいと思います。このような復刻を企画してくれたタワーレコードに感謝!

シューマン:交響曲全集(ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン)

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シューマン:交響曲全集
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン
1-12. IX, 1972, Lukaskirche, Dresden
0825646075942 (P)1973 (C)2015 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon

この演奏は以前一度取り上げていました(→こちら)。シューマンでこれだけ豊潤で濃厚,スケールの大きな演奏を成り立たせているところに感心します。録音はちょっと残響が多すぎるのであまり好きではないのですが,これだけの残響を取り入れながらサウンドのバランスが大きく崩れることなくぎりぎりの明瞭感を保って聴こえるあたりは上手く録っていると思います。

現在発売されているものはARTリマスタリングのもののようですので買い直してみました。わずかながら鮮明さは改善されているように思いました。でもそこはやはり旧EMIの録音か... そして1972年の録音としてはマスターテープの保存状態があまり良くないような気もします。

それにしてもこの演奏のティンパニーの存在感はすごいですねぇ。何度聴いても惚れ惚れします。

タグ: [交響曲] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(イェルーン・デ・グルート)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
イェルーン・デ・グルート Jeroen De Groot (Violin)
録音不明
品番不明 (P)2016 Jeroen De Groot (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp公式Webサイトbol.com

CD試聴記」からの転載記事です。

力強く勢いがあり,音楽に緩みが全くありません。 演奏はちょっと荒っぽく雑とも思えるところはあるのですが, 上手下手ということではなく,粗くなることを厭わず自分の目指す表現を貫き通しているように思います。 この潔さが良いと思います。

録音ですが,残響感はあまりないのですが,録音環境の響きで音色に濁りが感じられます。 比較的近くで録音しているのか,ニュアンスや質感は伝わってくるので悪くはないのですが, この濁りだけが残念でなりません。

本ディスクはApple Musicで試聴しました。デ・グルートはオランダのヴァイオリニスト。2枚のCDと1枚のDVDが付属したハードカバーの本のようです。Amazon.co.jpでは注文出来なかったので,公式Webサイトからbol.comという通販サイトに飛び,オランダ語と格闘して何とか注文し,到着を待っているところです。送料込みで約€29でした。到着したらまたレポートします。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(デネス・ジーグモンディ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
デネス・ジーグモンディ Denes Zsigmondy (Violin)
1995年5月
CD JBS 1001/2 Juneau Bach Society (輸入盤)
好録音度:★★★★☆

CD試聴記」からの転載記事です。

気力の漲る意欲的な演奏。 年齢からくる技術的な衰えか,キレが良くないところが散見されますが,ほとんど気になりません。 むしろ勢いのある演奏で味わい深く感じさせるところなど長年の積み重ねを感じさせます。

録音ですが,少し残響が多めなのですが,直接音が主であるため明瞭感の低下や音色への影響は少なく,印象は悪くありません。 もちろん残響を抑えてもっとクリアーに録って欲しかったところですが,これでも十分許容範囲です。

ジーグモンディ氏は1922年生まれ,ハンガリー出身,2014年に亡くなられたとのことです。 これは73歳くらいでの録音になります。

本ディスクは残念ながら現在は入手が難しい状態で,音楽配信も見つけることが出来ませんでした。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(小山実稚恵)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
小山実稚恵 Michie Koyama (Piano)
2017年2月7-10日 軽井沢大賀ホール
SICC 19032 (P)(C)2017 Sony Music Japan International (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2017年はアルバム・デビューから30周年で,通算30枚目のアルバムで,初の全曲バッハ,とのことです。私自身は小山さんのディスクはおそらく初めて聴きます。情緒的表現,感情移入は極力抑え,音は短く歯切れ良くはっきりと,上品ですがどちらかといえばストイックに淡々と弾いているように思います。この点,先日取り上げたベアトリーチェ・ラナの演奏とは対照的です。そのせいもあってか,バッハの曲の構造が浮き彫りのようにはっきりと見えてくるようです。気に入りました。

録音ですが,残響は控え目で楽器の音を明瞭に捉えている点は良いのですが,うっすらとベールが被ったようにわずかに音色がくすみ,すっきりと伸びと透明感ある音になっておらず,また,少し音が硬いのが不満です。マイナスポイントが少ないので四つ星半としましたが,正直言うともう少し何とかならなかったのかととても惜しく思います。

最後にリピート表です。すべてのリピートが実行されていました。完璧です。

演奏時間 約75分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○○

バッハ:無伴奏チェロ組曲全š曲(スティーヴン・ハンコフ)(アコースティック・ギター編曲版)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(アコースティック・ギター編曲版)
スティーヴン・ハンコフ Steven Hancoff (Acoustic Guitar)
録音不明
品番不明 (P)(C)2015 (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

アコースティック・ギター編曲による演奏。 ナイロン弦のクラシック・ギターによる演奏はよくありますが, スチール弦のアコースティック・ギターによる演奏は滅多に見かけません。 しかも全集ということで,アコースティック・ギターが好きな私にとっては大変うれしいディスクです。この曲集とアコースティック・ギターって,実は結構相性がいいじゃないか!と思ってしまいます。

ギター版ということもあって結構ベース音や和音の追加があります。 ごくまれにあれっ?というような和音がありますが,ほぼ違和感なく聴くことができます。技術的に特に優れているということはありませんが,全く問題はありません。

さて録音ですが,スタジオの残響のない環境で極めてクリアーに明瞭に録っています。 アコースティック・ギターの録音としてはごく普通だと思います。 スチール弦のきれいで伸びのある響きを堪能できます。

詳しくはわからないのですが,ハンコフ氏はジャズ・ギタリストのようです。 編曲および演奏自体はジャズ的なところは全くありません。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(Andy Fite)(ジャズギター編曲版)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(ジャズギター編曲版)
Andy Fite
(P)2011 Andrew J Fite
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple Music

Apple Musicでの試聴です。メディアでの販売があるのかどうかはわかりませんでした。ゴルトベルク変奏曲のジャズギター編曲版で,一人で多重録音しているものと思われます。

ジャズ風に拍子を変えたりリズム・パターンを変えたり,難しいところは原曲をとどめないほど編曲したり...(^^;。技術面含めてまぁいろいろと難のある演奏ですが,終始ニヤニヤしながら楽しませていただきました。これに関してはリピートを省略しすぎているとかそんな野暮なことは言いません。演奏者の挑戦に拍手!

録音ですが,このようなジャンルは普通に録れば普通にこれくらいのレベルの録音になります。特に優れているということはありませんが,録音にストレスを感じることなく楽しめるという点で普通に良い録音だと思います。

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35(ファビオ・ルイージ指揮/フィルハーモニア・チューリッヒ)

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ファビオ・ルイージ指揮/フィルハーモニア・チューリッヒ
2016年7月 チューリッヒ歌劇場
PHR0106 (P)2016 Philharmonia Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Mujsic

Apple Mujsicでの試聴です。今回は録音についてのみ一言だけ...

ライヴ録音で,残響はそれなりにあるのですが,誇張のない自然な雰囲気で録られています。シェエラザードの録音としてはかなり抑え気味のように思います。もう少し楽器によっても良いのではと思うくらいです。低域も伸びはあるのですが,量感は控え目でブーミーにならず全体の音響を引き締めています。ヴァイオリンのソロも少しフォーカスされていて聴きやすく好感が持てます。地味ながらスケール感のある良好な録音だと思います。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲第4番,他(フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/シャンゼリゼ管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:アルト・ラプソディ作品53
ブラームス:運命の歌作品54
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/シャンゼリゼ管弦楽団
LPH 025 (P)2016 (C)2017 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

古楽器オーケストラによるブラームスの交響曲ですが,ものすごく層の厚い密度の高いサウンドで,まるで目の前に巨大な建造物がそびえ立つような音楽を築いています。そしてそのサウンドからは考えられないくらいの軽快さで音楽が流れていきます。これは今までにあまりない感じでなかなか良いと思います。今後の録音にも期待が持てます。

さて録音なのですが,上記の通りかなり濃い録り方をしているのですが,あまり息苦しい感じはありません。重心が低く,かつ高域の伸びも確保し,音色のバランスも整えて聴きやすくまとめた上手い録音だと思います。私としてはもう少しすっきりと見通しの良い録音が好きなのですが,これもまあアリかなと思います。

タグ: [交響曲] 

バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(ベアトリーチェ・ラナ)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
ベアトリーチェ・ラナ Beatrice Rana (Piano)
2016年11月 ベルリン,テルデックス・スタジオ
Warner Classics 9029588018 (P)(C)2017 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

とても評判の良い演奏なので聴いてみました。明瞭なタッチと流れるようなスムーズなフレージング,そして,自然な強弱のうねりなど,モダンピアノの特性を最大限に生かした現代的で洗練された演奏でした。何より感心したのは細かい音型の正確さと淀みのなさで,ここまで滑らかでビシッとテンポにはまった演奏はそんなにないと思います。一方,ゆっくりした変奏でのリズムの意図的な崩しは自然な呼吸感から外れていてちょっと生理的に受け付けないなぁと思うところもありました。とはいえ,これは出色の出来ですね。久しぶりにワクワクする演奏に出会いました。

録音ですが,比較的楽器音をしっかりと捉えているのですが,音色が今ひとつモヤッとしていて立ち上がりの明瞭さ,透明感にやや欠けます。十分許容範囲だとは思うのですが,もう少し付帯音のないクリアな音で録って欲しいものです。惜しいです。

最後にリピート表です。すべてのリピートが実行されていました。完璧です。

演奏時間 約78分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○○

タグ: [器楽曲]  [ピアノ] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(五嶋みどり) ※NHK BSプレミアムで放送されたもの

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
五嶋みどり MIDORI (Violin)
2016年8月8日-11日 ドイツ,ケーテン城
Accentus Music ※NHK BSプレミアムでの放送
好録音度:★★★★☆(Sonata No. 2, 3, Partita No. 2)~★★★★★(Sonata No. 1, Partita No. 1, 3)

CD試聴記」からの転載記事です。

これは2017年の3月にNHK BSプレミアムで放送された番組の感想です。 本CD試聴記では放送番組は基本的には取り上げていないのですが,これは特別に感銘を受けたので取り上げることにしました。 ちょっとタイミングを逸した感はあるのですが...ご了承願います。

演奏自体は2013年の全集とほぼ変わらぬブレない一貫した素晴らしい演奏です。 この演奏を映像で鑑賞出来るのはまさに至福と言うほかありません。

そしてさらに特筆すべきはその録音です。 この曲集はバッハがケーテン宮廷楽長だった頃の作品ということで, 五嶋みどりさんがゆかりの地であるケーテン城を訪れ,城内の幾つかのフロアで録音をされています。 吹き抜けのやや容積のあるフロアでの録音もありますが,小さめの部屋での録音もあります。 コンサートホールやや教会の録音のような豊かな響きは全くありません。 これが好録音につながっています。

ソナタ第2番,第3番,パルティータ第2番はやや広めのフロアで録音されているためか,また, 少しマイクポイントが遠めなのか,部屋の響きが少し感じられますが, ソナタ第1番,パルティータ第1番,第3番はほとんど響きがなく,適正な距離感で極めて明瞭に録られています。 弓が弦に触れるときの微妙な音や左手の運指に伴う演奏雑音を含め,演奏者の発するあらゆる音が克明に聴こえてきます。 質感,音色,ヌケの良さ,どれも申し分ありません。

特に後者は私が理想とする好録音にかなり近いです(→「好録音について考える」をご参照ください)。 残響がないから鑑賞に向かない,音楽的に劣る,といったことは全くありません。 残響の有無と音楽性とは基本的に無関係であるということを,この録音は見事に証明してくれています。

ソナタ第3番とパルティータ第2番がARTE concertというサイトで公開されていました。 録音がベストの楽曲の方ではないので上記の感想が伝わらないかもしれませんが。

この人類の宝のような映像作品,ぜひディスクで発売して欲しいものです。

「CD試聴記」Webサイト開設15周年!

姉妹サイトの「CD試聴記」が開設15周年を迎えました。アクセス数も80万を越えました。変わらぬご支援に本当に感謝します。

本ブログも開設してからもうすぐ8年になります。更新に波があり,特に最近は滞り気味で申し訳なく思いますが,今後も少しずつではありますが更新を続けていきたいと思っておりますので,何とぞよろしくお願い致します。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番,他(イルジー・ヴォディチカ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番,他
イルジー・ヴォディチカ Jiří Vodička (Violin)
2014年2月10,11日,3月12,13日,4月1-3日 プラハ,マルティーネク・スタジオ
SU 4175-2 (P)(C)2014 Supraphon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。バッハのみのコメントです。バッハ以外の収録曲は下記の通りです。

パガニーニ:『うつろな心』による序奏と変奏曲作品38
クライスラー:レスタチーヴォとスケルツォ・カプリス
エルンスト:シューベルトの『魔王』による大奇想曲作品26
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ短調作品27
パガニーニ:24のカプリース作品1より 第5番,第15番,第24番
ハース:パガニーニの主題による小変奏曲

一聴しただけで技術力の高さがわかるほどキレのある,そして音色の透明さ,美しさのある演奏です。 ヴィブラートを少し強めにかけた演奏は少し古風な雰囲気もあるのですが, 軽やかで若者らしい爽やかさを感じる好演奏です。

録音ですが,やや残響のまとわりつきが気になるものの,直接音が主体であり, 明瞭感,音色の自然さ,ヌケの良さもそこそこ確保されていてまずまず良好と言える録音です。 一般的にも良い録音の部類に入るのではないかと思います。 私としてはもう少し残響を抑えてすっきり録って欲しかったと思いますが,十分許容範囲です。

ヴォディチカ氏は1988年生まれ,チェコ出身のヴァイオリニスト。 本ディスクは26歳頃の録音になると思います。 今後の活躍に期待。

雨だれのプレリュード~ショパン名曲集(横山幸雄)

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雨だれのプレリュード~ショパン名曲集
横山幸雄 Yukio Yokoyama
Ishibashi Memorial Hall on 29-30 August 2016
MECO-1036 (P)(C)2017 Muse Entertainment Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

横山氏のデビュー25周年記念アルバムとのことです。横山氏のピアノはあまり聴いたことがなく,一度聴いてみたいと思っていたところ,ショパンの比較的好きな曲が多く収録されていましたのでこの機会にと思い聴いてみました。収録曲は下記の通りです。

1. アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
2. バラード第1番
3. ノクターン第20番
4. ノクターン第2番
5. 華麗なる大円舞曲
6. 別れの曲
7. 革命のエチュード
8. マズルカ第13番
9. 幻想即興曲
10. 雨だれのプレリュード
11. マズルカ第32番
12. 小犬のワルツ
13. 英雄ポロネーズ
14. 別れの曲によるお別れの作品(2台ピアノによる8手連弾) 横山幸雄(編曲)

まあ想像通りというか,力強い男性的な演奏であり,ショパンの優美な面が希薄なのでちょっとイメージが違うかなと思いながらも,ストレートで明快な演奏を楽しませていただきました。

肝心の録音なのですが,オフマイク気味でホールトーンを豊かに取り入れているために直接音よりも間接音が主であり,演出感が強いです。当然ながらピアノの音色はくすみ気味でクリアさに欠け,ヌケもあまり良くなく,私の好きな録音ではありませんでした。ピアノ録音としては良くあるタイプでまあこんなところかとは思うのですが,個人的には少し残念に思います。

タグ: [器楽曲]  [ピアノ] 

ブラームス:弦楽六重奏曲第1番作品18,第2番作品36(ルノー・カプソン,クリストフ・コンツ,ジェラール・コセ,マリー・シレム,ゴーティエ・カプソン,クレメンス・ハーゲン)

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ブラームス:弦楽六重奏曲第1番作品18,第2番作品36
ルノー・カプソン(Violin),クリストフ・コンツ(Violin),ジェラール・コセ(Viola),マリー・シレム(Viola),ゴーティエ・カプソン(Cello),クレメンス・ハーゲン(Cello)
Live from Aix-en-Provence Easter Festival 2016
Warner Erato 9029588837 (P)(C)2017 Parlophone Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

弦楽四重奏にヴィオラとチェロが加わるだけでこんなにサウンドが変わるんですね。響きの重心が下がりとても厚くなります。そして名手が顔を揃えた演奏ということもあって,室内楽のアンサンブルの妙に加えて個々人の技で曲が映えます。さらにライヴということもあって情熱あふれる演奏が繰り広げられています。ブラームスの若々しい楽曲がこのような優れた演奏で聴けるのは本当にうれしいことです。

さて録音なのですが,音楽祭でのライヴ録音ですが,少し残響を伴っていますが,個々の奏者の楽器音を的確に捉えていてバランス良くまとまっています。私としてはもう少し生々しく,またすっきりと見通しよく録って欲しかったところなのですが,それでもまずまず良く録れている方だと思います。

タグ: [室内楽曲]