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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,エグモント序曲(レミ・バロー指揮/クラングコレクティフ・ウィーン)

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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,エグモント序曲
レミ・バロー指揮/クラングコレクティフ・ウィーン
2019年3月23日 ウィーン,Lorely-Saal
GRAM99210 (P)(C)2020 Gramola (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。輸入元情報によると,レミ・バローはウィーン・フィルのヴァイオリン奏者で,「ウィーン最前線のオーケストラで活躍する名手たちによって結成」したのがクラングコレクティフ・ウィーンとのことです。そして「ウィーン古典派の音楽と正面から向き合い、現代楽器でその様式美の魅力を伝えようという同団の演奏理念」に基づき制作されたのがこのディスクで,第一弾のシューベルトの交響曲第8番「未完成」,第1番に続く第二弾です。第1ヴァイオリンが6名という規模の編成で演奏されているようです。

演奏はとても丁寧で,キチッとしたアンサンブルで整理された響きが美しいと思いました。全体に速めのテンポではありますが,表現も奇を衒うことなくシンプルにまとめているのも好印象です。

そして録音ですが,残響はあるものの楽器音へのまとわりつきは少なく,すっきりと見通しよく捉えているのが良いと思います。ライヴ録音で演出感もほとんどなく自然な雰囲気を残しているところも良いです。

演奏も録音も良い,私としてはちょっとした掘り出し物でした。

蛇足ですが...カバー写真が1970年代のプログレッシブロックのアルバムを想起させますね。

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(ブロドスキー四重奏団)

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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
ブロドスキー四重奏団 Brodsky Quartet
2017-2019年 イギリス,サフォーク,ポットン・ホール
CHAN 20114(3) (P)(C)2020 Chandos Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

エルガーの弦楽四重奏曲でも紹介したとおりブロドスキー四重奏団は1972年結成のベテランの四重奏団。ベートーヴェン生誕250周年記念録音とのこと。後期ですが第11番「セリオーソ」も収録されています。

力強く熱のこもった演奏なのに滋味深くどこか優しく聴こえるのはベテランの味,一昔前のスタイルによるものでしょうか。こういう演奏にホッとするのは歳のせいかもしれません。

録音もエルガーの弦楽四重奏曲とほぼ同じで,少し距離感を感じるものの,残響は抑えられており,スッキリした聴きやすい録音です。明瞭感もまずまずなのですが,距離感があるので楽器の質感は少し弱めです。まあもう少し寄って各楽器の質感を強めに分離良く録ってくれればとは思います。だいぶオマケでの四つ星半です。

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48(アンサンブル・アレグリア)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
アンサンブル・アレグリア Ensemble Allegria
2017年8月14-17日 バールム,ヤール教会
LWC1191 (P)(C)2019 LAWO CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

アンサンブル・アレグリアは2007年にノルウェー国立音楽アカデミーの学生たちによって創設されたオスロの室内オーケストラとのことです。編成は中規模と思われますが,キレと精度のあるアンサンブルと豊潤な響きが特徴です。表現そのものはノーマルですが,小気味よくスピード感もあり大変良いと思いました。出色の出来と思います。

録音ですが,少し多めの残響を伴っていますが,直接音成分がそこそこあって弦楽器の音色・質感への影響は少なく,私の好みとは少し異なりますが,これなら許せます。中低域の量感もありつつ締まっているので悪くないです。弦楽オーケストラの魅力を堪能出来る録音としてまずまず良いと思いました。

エルガー:弦楽四重奏曲,ピアノ五重奏曲(ブロドスキー四重奏団)

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エルガー:弦楽四重奏曲ホ短調作品83,ピアノ五重奏曲イ短調作品84
ブロドスキー四重奏団 Brodsky Quartet
マーティン・ロスコー Martin Roscoe (Piano)
2018年11月25-27日 イギリス,サフォーク,ポットン・ホール
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ブロドスキー四重奏団は結成が1972年というベテランの四重奏団。最近の若い四重奏団のクールでスマートな演奏と比べると古いスタイルを守っているなという印象です。情感豊かに良く歌う演奏が印象的で素晴らしく思います。弦楽四重奏曲の第2楽章のしっとりとした表現が特に良いと思いました。

録音は,少し距離感を感じるものの,残響は抑えられており,スッキリした聴きやすい録音です。明瞭感もまずまずなのですが,距離感があるので楽器の質感は少し弱めです。少しオマケですが四つ星半の好録音です。

ブルックナー:交響曲第8番,シューマン:交響曲第4番(ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
シューマン:交響曲第4番ニ短調作品120
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1988年11月,1987年5月 ウィーン,ムジークフェライン
UCCG-4737/8 (P)1989/1990 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ブルックナーの交響曲はどちらかというと苦手な方なので普段あまり聴かないのですが,時々あの響きに包まれたくなることがあります。カラヤンはベルリン・フィルとの全集が有名だと思いますが,今回は第8番をカラヤン晩年のウィーン・フィルとの演奏で聴いてみました。

カラヤンの演奏および録音は,わずかにデフォルメさせることで曲の特徴をクッキリと浮かび上がらせるところではないかと思っています。それが明快でわかりやすいと同時にあざとい感じにも聴こえるので,好き嫌いがはっきりと分かれてしまうのかなと。私自身はこういうのは嫌いではありません。このブルックナーでもそういう特徴が出ているように思いました。

録音については,クオリティ的には少し緻密さ,繊細さが足らず粗削りな感じがしますが,カラヤンの演奏の特徴をよく捉えていると思うのでその点では良好だと思います。全体のまとまりもありますが,私としてはもう少し個々の楽器の分離感があっても良いかなとは思いますが,ブルックナーとしてはこれで良いのかもしれません。だいぶオマケですが四つ星半とします。

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集,他(リチャード・トネッティ/オーストラリア室内管弦楽団)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番,第5番,協奏交響曲
リチャード・トネッティ Richard Tognetti (Violin)
オーストラリア室内管弦楽団
2010年2月, 2009年2月 シドニー,ACOスタジオ
BISSA17545 (P)2010 BIS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番,第2番,第4番,他
リチャード・トネッティ Richard Tognetti (Violin)
オーストラリア室内管弦楽団
2010年2月, 2009年2月 シドニー,ACOスタジオ
BISSA1755 (P)2011 BIS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

モーツァルトの交響曲第39番-第41番がとても良かったリチャード・トネッティ/オーストラリア室内管弦楽団のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全集を見つけ,Apple Musicで聴いてみました。明るく溌剌としたソロが爽快な演奏で,ニュアンス豊かで音色も透明感があり美しいです。オーケストラの方はちょっと品格が今ひとつのかなというところもありましたが,ソロが良いので気になりません。

そして録音もこの美しいソロを直接音主体に明瞭にヌケよく伸びのある音で捉えています。ソロとオーケストラのバランスも良く,奏者の美質を上手く捉えた好録音と言えると思います。

BISの録音は以前は残響が多めであまり好きではなかったのですが,最近は直接音と間接音のバランスを上手く取ったものもあり,良い方向に変わってきたかなと思います。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988(ジルダ・ブッタ)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988
ジルダ・ブッタ Gilda Buttà (Piano)
Limen Studios, 2018
CPLT128C128 (P)2019 Limen (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,HMV Onlineicon

ジルダ・ブッタはイタリア出身のピアニスト。「ジャズ・ピアニスト,ミシェル・ペトルチアーニの2番目の奥さんで,映画「海の上のピアニスト」のサントラではモリコーネの楽団と演奏していた」とのことです。

演奏は,速めのテンポで軽快であり音の粒立ちがよく鮮やかな一方,表現は軟らかく優しいという,この対比が良い雰囲気を醸し出していますし,多声部の描き出しも見事だと思います。

そして録音がまた良いのです。わずかに音色に色づけが感じられるものの,直接音主体に楽器そのものの響きをすっきりとクリアに,くもりなくキレよく捉えているのが良いと思います。

演奏も録音も良い,私としては掘り出し物のディスクでした。

なおこのディスクは限定盤のようで,ケース裏面にNumbered Editionと記載があり,シリアル番号が印刷されていました。

最後にリピートですが,すべて行われていました。完璧です。

演奏時間 約82分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○○

リターン・トゥ・バッハ(日下紗矢子)

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リターン・トゥ・バッハ Return to Bach
日下紗矢子 Sayako Kusaka (Violin)
オリヴァー・トリエンドル Oliver Triendl (Piano)
ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ
Mori-no-Hall Hashimoto, Kanagawa, 19 July 2012 (Ciaconna), Konzerthaus Berlin, Kleiner Saal, 2-3 October 2012
COCQ-84998 (P)2013 NIPPON CLUMBIA CO., LTD. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

オールバッハのデビューアルバム。収録曲は下記の通りです。

シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV1004より)
ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042
アリオーソ(チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調 BWV1056~第2楽章 ラルゴ)
リュートのための前奏曲 ハ短調 BWV999(コダーイ編)
G線上のアリア(管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068~第2楽章 エア)


Apple Musicで試聴してヴァイオリン協奏曲第2番の録音がとても爽やかだったのでディスクを入手しました。残響はあるのですが直接音が主でバックでふわっと広がるように響くので明瞭感や音色にほとんど影響を与えず,雑味の全くない綺麗な録音だと思いました。とても気持ち良く聴くことが出来ました。

なお,その他の曲の録音は悪くはないのですが協奏曲ほど感銘を受けませんでした。

モーツァルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」(リチャード・トネッティ/オーストラリア室内管弦楽団)

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モーツアルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」
リチャード・トネッティ/オーストラリア室内管弦楽団
City Recital Hall, Sydney
481 2880 (P)(C)2016 Australian Broadcasting Corporation (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jp,Apple Music

リチャード・トネッティがヴァイオリンと指揮を務めるオーストラリア室内管弦楽団の演奏。拍手の入るライヴ録音。中規模のオーケストラらしく軽快で機動性があり,引き締まっているのが良いと思います。室内管弦楽団の良さを上手く引き出した演奏と言えると思います。

そして録音も,残響を取り入れつつも直接音を主体にすっきりと伸びのある音で捉えられており,見通しも良く,明瞭で気持ち良く聴けるサウンドにまとめられています。この演奏にふさわしい好録音と思いました。

演奏も録音も好みで,ちょっとした掘り出し物でした。

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第7番(アンドルー・マンゼ指揮/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
アンドルー・マンゼ指揮/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
2019年1月21日-23日,3月11-14日 NDRハノーファー,放送局スタジオ大ホール
PTC 5186 814 (P)2019 Norddeutscher Rundfunk (C)2019 Pentatone Music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

アンドルー・マンゼはバロック・ヴァイオリン奏者として有名ですが,指揮者としても活躍し,2014年からはハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めているとのことです。

そのオーケストラをしっかりと統率し,颯爽とした引き締まった音楽に仕上げていて良いと思いました。もう少し尖った演奏かと思っていたので意外に丸く抑えているなという印象ではありしたが(^^;。

録音ですが,少しマイク位置が遠めの印象で残響の影響を受けて音色と明瞭感に影響があるものの,楽器の質感は意外に保たれており,各楽器の分離感もあり,左右の広がり,ステージ感もあって悪くないと思いました。不満はあるもののこの録り方であれば許容範囲かなと思います。少しオマケですが四つ星半です。

シューマン:交響曲第1番,第3番「ライン」,マンフレッド序曲(ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/ロンドン交響楽団)

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シューマン:交響曲第1番,第3番「ライン」,「マンフレッド」序曲
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/ロンドン交響楽団

2019年2月10日, 2月7日 ロンドン,バービカン・ホール
LSO0844 (P)2020 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

交響曲第2番,第4番はすでに発売されていますので,これで交響曲全曲録音プロジェクト完結です。基本的に演奏も録音も交響曲第2番,第4番と揃っています。録音の良さもあるのですが,雑味のないスッキリとした綺麗なサウンドが大変魅力的です。音楽の見通しも良く埋もれがちな内声まで聴こえてくるところもいいですね。

演奏も録音も良く好みであり,お気に入りの全集になりそうです。

グリーグ:ホルベルク組曲,弦楽四重奏曲(弦楽合奏版),シベリウス:ヴァイオリンと弦楽のための組曲(日下紗矢子/ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ)

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グリーグ:ホルベルク組曲(ホルベアの時代より)作品40
グリーグ:弦楽四重奏曲第1番ト短調作品27(弦楽合奏版)
シベリウス:ヴァイオリンと弦楽のための組曲ロ長調作品117
ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ
日下紗矢子 (コンサートマスター)
2017年5月11日,2018年11月15日 ベルリン,コンツェルトハウス
KKC4179(BS 010) (P)(C)2019 b-sharp (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団を母体とし,2009年に日下紗矢子とミヒャエル・エルクスレーベンの二人をリーダーとして結成されたとのことです。グリーグの弦楽四重奏曲は日下自身の編曲です。

全体として速めのテンポで力強く攻める演奏なので,ホルベルク組曲と弦楽四重奏曲はまあ良いとして,シベリウスは元気がありすぎてだいぶ曲のイメージが違うかなと思いましたが,こういうのも嫌いではありません。ホルベルク組曲など第1楽章から勢いがあってノリが良くワクワクしました。

録音ですが,残響が多めで音の密度が高くやや濃いめの捉え方なのでちょっと暑苦しい感じがありますが,弦楽器の質感は良くでておりまずまず良好です。私としてはもう少しスッキリと録って欲しいとは思いましたが。

シベリウス:交響曲全集,他(ウラディーミル・アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管弦楽団)

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シベリウス:交響曲第1番,第2番,第4番,フィンランディア,カレリア組曲
ウラディーミル・アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
録音 1979-1985年
455 402-2 (P)1980, 1981, 1986 The Decca Record Company (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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シベリウス:交響曲第3番,第5番,第6番,第7番,エン・サガ,タピオラ
ウラディーミル・アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
録音 1980-1984年
455 405-2 (P)1981, 1983, 1985 The Decca Record Company (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

皆様ご存じの通り,先日アシュケナージ氏引退が発表されました。現在82歳ということで,引退は致し方なしと思いますし,我々一般人の多くが60~65歳で定年退職して引退することを考えると,ものすごく頑張られたのだなと心より尊敬します。今まで素敵な音楽の数々を本当に有り難うございました。

というわけではないのですが,たまたま昨年末にシベリウスの交響曲全集を入手していましたので,聴いてみました。アシュケナージの指揮は今までそれほど多く聴いてきたわけではないのですが,どちらかといえば少しせっかち気味に速い演奏が多いという印象はあるものの,過度に個性を主張することのないオーソドックスで堅実な演奏が多いという印象でした。このシベリウスも改めて聴いてみて,同様の感想を持った次第です。突出した特徴はないものの,速めのテンポながら手堅く仕上げる手腕は素晴らしいと思いました。また,特に印象に残ったのが金管で,フォルテの鳴りの美しさと音の伸びに感心しました。これはオーケストラの上手さでしょうね。

録音ですが,1970年代から80年代にかけてのデッカらしい好録音で,残響を適度に抑えつつ,各楽器の音色を分離良く的確に捉えていると思いました。少し演出感があり現実味が薄れているので,もう少し生々しさがあったら良かったなと思うのですが,ストレスなく聴けましたので良かったと思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(グァルネリ四重奏団)※2回目の全集

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
グァルネリ四重奏団 Guarneri Quartet
1987-1992 American Academy and Institute of Arts & Letters, New York, USA
93323 Brilliant Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

グァルネリ四重奏団の2回目の全集。1回目は1966-69年の録音で,先日レビューしました(→こちら)。原盤はPhilipsでブリリアント・クラシックスが廉価盤で復刻していたものを入手しました。これも確かPhilips盤を分売でコツコツ買い集めていたはずなのですが...どこにしまい込んだんだっけ(保管している意味全くなし(^^;)。

演奏は1回目に比べると随分と表現の幅が広がり,ニュアンスもとても豊かになり,推進力も普通になりました(^^;。失われたものもありますが,獲得されたものの方が多く,正常進化と言えるのではないでしょうか。(もちろん1回目はあれはあれでとても良かったと思います)

一方録音ですが,響きが少し被り気味で,音色が少し濁って聴こえるのが残念なところですが,明瞭感,楽器の質感もまずまずであり,音像感も違和感が少なく,悪くありません。四つ星半の好録音としましたが,私としては残響感と音色に不満が残るので少しオマケではあります。音の捉え方は1回目の全集の方が好きですが,クオリティ面を含めた全体的な出来としてはこの2回目の方が良いかもしれませんし,一般的にも受け入れられやすいと思います。

この全集,現在現役盤がないように思います。良い全集だと思いますので復刻して欲しいものです(→タワーレコード様)。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(グァルネリ四重奏団)※1回目の全集

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
グァルネリ四重奏団 Guarneri Quartet
1966年11月-1969年12月 ニューヨーク,ウェブスター・ホール
19075971162 (P)2003 (C)2019 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

グァルネリ四重奏団は1964年結成,2001年まで同じメンバーで活躍したとのことで,同一メンバーによる弦楽四重奏演奏の記録保持者でもあるということです。この全集は結成から数年後に録音された1回目の全集です(1987-1991年にPHILIPSレーベルに2回目の全集録音)。

演奏は力強くそしてとても丁寧です。細部まで表現が練り込まれていますが基本的には素直でストレートです。ですが躍動感はあるのに推進力に乏しくちょっとおっとりしている?という何とも言えない独特な演奏になっています。音楽に謙虚に向き合っている姿がその音楽に現れているように思います。私としてはもう少し前に前に進んでいく演奏だったらなと思いました。

録音ですが,マルチマイクでそれぞれの楽器をきちんと捉えたような音作りになっていて,明瞭感や分離感,楽器の質感は申し分ないです。残響感はほとんどなくほんのわずかに音色がくすんだ感じがするものの許容範囲です(ただ中期は少し相対的にやや劣る感じでした)。また,マスターテープの劣化ではないかと思われる音の揺らぎも感じられました。このあたりの品質はやっぱり1960年代の録音ですね。音像はあまり自然さがあまりありませんが私としては気になりません。それぞれの楽器の音が引き締まっていてストレートに音楽が届くのが気持ちよい好録音でした。ちょっと迷いましたが四つ星半です。

ビートルズ・ゴー・バロック2(Peter Breiner and His Orchestra)

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ビートルズ・ゴー・バロック2 Beatles Go Baroque 2
Peter Breiner and His Orchestra
3-5 December 2018 at Great Church, Panenska St. Bratislava, Slovakia
8.574078 (P)(C)2019 Naxos Rights (Europe) Lts. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ビートルズ・ゴー・バロックがリリースされたのが1993年ということなので実に26年ぶりに第二弾が出たことになります。第一弾は以前取り上げていました(→こちら)。

第一弾が,バロックの作曲家の作曲スタイルを借りてビートルズの楽曲を編曲していたのに対して,第二弾はバロックの原曲が具体的に明示されていて,その原曲にビートルズの楽曲をモチーフとして織り込んでいく作り方になっているので,アプローチが少し異なりました。趣向としてはとても面白いのですが,なんだか原曲の間違い探しをしているような気分になって,純粋にビートルズの音楽の編曲を楽しむという感じではありませんでした。なので私としては第一弾の方が良かったなと思った次第です。

さて録音なのですが,おそらくスタジオでポピュラー音楽の手法で録られたのではないかと思われるので,クラシック音楽の感覚で聴くと相当違和感があります。個人的には,各楽器が極めて明瞭に録られているので嫌いではありませんし,ある意味好ましく思いますが,まあクラシック好きの方に勧められる録音ではないなと正直思いました。

ということで,今回の第二弾は私にはちょっと微妙な感じでちょっと残念でした。

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集(レナ・ノイダウアー Vn/ブルーノ・ヴァイル指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
レナ・ノイダウアー Lena Neudauer (Violin)
ブルーノ・ヴァイル指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団
2013年7月24-28日, 10月14-18日 カイザースラウテルン,SWRスタジオ
93316 (P)2014 SWR Classic (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

素直で癖がなく聴きやすい良い演奏だと思いました。技術的にも上手いですし安定感があります。特徴のある演奏ではありませんが,こういうのは聴き飽きず何度でも聴きたくなります。

そして録音ですが,ソロにわずかな響きが被っているものの,比較的近い距離で明瞭に捉えていますし,オーケストラからも浮き上がるように録られていて協奏曲の録音として好ましいと思います。オーケストラも残響の影響が少なく,自然な音色,立体感があり好ましいです。

演奏も録音も良い素晴らしい出来の全集と思いました。

チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番,弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」,他(ロルストン弦楽四重奏団)

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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番,弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」
ロルストン弦楽四重奏団 Rolston String Quartet
2019年1月2-4日, 6月18-20日 ベルギー,ワーテルロー,エリザベート音楽院ホール
Fuga Libera FUG757 (P)2019 Queen Elisabeth Music Chapel (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,HMV Onlineicon,Apple Music

国内12月26日発売とのことですが,Apple Musicで公開されていましたので試聴してみました。上記のほか子供のアルバム作品39(ドゥビンスキー編曲)から5曲収録されています。

ロルストン弦楽四重奏団は2013年にカナダのバンフで結成された若い弦楽四重奏団で,2016年の第12回バンフ国際弦楽四重奏コンクール,第31回イエロー・スプリング室内楽コンクールで優勝しているとのことです。

演奏は基本的にオーソドックスですが,響きが美しく溶けあう和音や若々しい溌剌とした表現はなかなかのものですし,例えば第一楽章のテンポの変わり目の入り方など,おぉ!というところもあります。技術的にも上手いですし,アンサンブルも優秀だと思います。チャイコフスキーの室内楽を楽しませていただきました。

録音ですが,やや距離感があり,少し響きが被って音色への影響が感じられるものの,音が曇るほどでもなく,楽器の質感やニュアンスも聴き取れるので,悪くないと思いました。もう少し寄って直接音主体に録ってくれたら良いのにとは思いますが。少々オマケですが四つ星半です。

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(カティ・デブレツェニ Vn/ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ)

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バッハ:ヴァイオリン・協奏曲集
カティ・デブレツェニ Kati Debretzeni (Violin)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
2018年12月7-11日 ハムステッド,セント・ジュード教会
SDG732 (P)(C)2019 Monteverdi Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ソロを務めるカティ・デブレツェニはイングリッシュ・バロック・ソロイスツのメンバーであり,2008年よりエイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団のリーダーも務める名手とのことです。このアルバムでは第1番,第2番のほか,チェンバロ協奏曲BWV1052, BWV1053からの復元版も収録されており,この復元版も演奏者自身が手がけています。

演奏ですが,バロック・ヴァイオリンであることをあまり意識させない素直な弾き方が好感が持てますし,力強い表現から柔らかい表現まで幅広くニュアンス豊かなのが良いです。オーケストラも含めて弾けるような躍動感のある演奏が素晴らしく思いました。

そして録音なのですが,残響は結構多めなのですが,響き自体は綺麗であることと,楽器音が極めてシャープに捉えられており,音色も残響の影響が比較的少なめです。見通しも良く残響量の割にスッキリとしたサウンドが好印象です。私の好きな録音とは少し違いますが,好録音です。

チャイコフスキー:交響曲全集,他(ウラディーミル・ユロフスキ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲全集,他
ウラディーミル・ユロフスキ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 2004~2016年
LPO-0101 (P)2017 London Philharmonic Orchestra
好録音度:★★★★☆~★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ユロフスキ/ロンドン・フィルのチャイコフスキーは,第1番,第6番,第4番,第5番,マンフレッド交響曲を今まで取り上げてきています。第2番,第3番は新録音,フランチェスカ・ダ・リミニ,弦楽セレナーデは単独リリースがないとのことで,ほぼ弦楽セレナーデ聴きたさで入手したようなものです(^^;。

それでその弦楽セレナーデなのですが,大オーケストラの豊潤で厚みのある響きを活かしたスケールの大きな演奏で,しかも速めのテンポで自由自在にドライブする指揮にキッチリと反応し,音がぼやけることのない引き締まったオーケストラの演奏がなかなか聴き応えがありました。期待通りです。他の曲も聴き直してみましたが,推進力のある独特のテンポ感に引き込まれるものばかりで,やっぱりこの演奏は良いなぁと改めて思った次第です。

録音ですが,弦楽セレナーデは若干残響の取り入れが多めですが許容範囲かなと思います。録音年や場所もバラバラなので,善し悪しに多少のばらつきはあるものの,残響を控えめにして見通しよく,各楽器が分離して克明に聴き取ることができ,概ね良好という印象は変わりません。第4番が最も良くちょっとオマケですが五つ星,マンフレッド交響曲は前回聴いたとき少し劣る印象だったのですが,聴き直してみて,そこまで悪くはないな,という印象です。

ということで,演奏も録音も良い全集として愛聴盤となりそうです。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(ミロ・クァルテット)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
ミロ・クァルテット Miró Quartet
2004å¹´-2019å¹´
好録音度:★★★★☆
PTC 5186 827 (P)2019 Pentatone Music (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ミロ・クァルテットのベートーヴェンは,作品18と作品59が既発売でレビューしていました(→こちら)。その後ずっと続きを待っていたのですが,またいきなり全集化かよ!と思ったら,実はMiro Quartet Mediaという自主レーベルで少しずつ発売されていたようです。完全に見逃していました。

録音データは下記の通りです。

作品18 2004年10月7-22日 アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ&レターズ(ニューヨーク)
作品59 2012年5月12-25日 テキサス大学オースティン構内イエッセン講堂(テキサス)
作品74, 95 2015年3月15-19日 ペナロヤ・ホール内イルズリー・ポール・ノドストローム・リサイタル・ホール(シアトル)
作品12 2019年2月17-20日 パスタ大学構内パスタ・チャペル(ケンモア)
作品13 2017年9月26-29日 同上
作品14, 15 2016年9月28日-10月6日 同上
作品16 2018年10月8-12日 同上

ということで,約15年かけて全集を完成させています(ベートーヴェンが作曲した年齢に近い年齢で録音したいということだったので,もっとかかると思っていました(^^;)。

作品74以降を初めて聴きましたが,演奏は一貫しています。現代的で洗練された演奏ですが,基本的にはオーソドックスです。しかし,とてもキレの良い高い技術力で緻密なアンサンブルを形成していますし,ダイナミックで推進力があり,何のためらいもなく自信たっぷりに攻めてくる演奏は心にグッと突き刺さってきます。

そして録音の良さがこの演奏をさらに引き立てています。残響は最小限に抑えられ,直接音中心に,楽器の質感,ニュアンスをダイレクトに伝えてくれます。音色も自然ですし,音の伸びも十分にあります。

演奏も良く,録音の良さも兼ね備えた,最近聴いた中では特に感動した素晴らしい全集だと思いました。間違いなく同曲の愛聴盤の一つになるでしょう。

エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85(新倉瞳 Vc/飯森範親指揮/山形交響楽団)

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エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85,他
新倉瞳 Hitomi Niikura (Cello)
飯森範親指揮/山形交響楽団
2015年5月8-10日 山形テルサ,テルサホール
MECO-1032 (P)2015 ART INFINI (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicでの試聴。フォルテでも決して荒れない美音が素晴らしい,気品のあるエルガー。良かったです。

録音ですが,ソロがキッチリとフォーカスされオーケストラに埋もれることなくきちんと聴き取れるところは良いのですが,ソロに少し残響が多めに乗って音色がわずかにくすみ,まとわりつく感じがやや鬱陶しいです。とはいえ,楽器の質感も豊かでありニュアンスも感じ取れるので悪くはないです。私としては少し不満が残りますが,良い録音だと思う方も多いのではないかと想像します。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第3番,第6番,第7番,第8番(ロレンツォ・ガット Vn/ジュリアン・リベール P)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第3番,第6番,第7番,第8番
ロレンツォ・ガット Lorenzo Gatto (violin)
ジュリアン・リベール Julien Libeer (Piano)
2019年4月, 5月 ブリュッセル,スタジオ・フラジェー,スイス,ラ・ショー=ド・フォン,ロマンド大衆劇場音楽ホール
ALPHA 565 (P)(C)2019 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴。第1番,第5番「春」,第10番,第2番,第4番,第9番「クロイツェル」は既発売で取り上げていました。これは第三弾で全集が完結しました。これまでの演奏と同様,若い二人による生き生きとしたフレッシュな演奏が魅力的です。

そして録音なのですが,これまでの録音と場所が異なり,多少時間が経っていることもあって音質の傾向がわずかに違うものの,基本的な録り方はそう違わず似ています。少し残響があるので楽器音への影響はありますが,明瞭であり楽器の質感もよく捉えていて良好です。好録音です。

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第6番「田園」(マレク・ヤノフスキ指揮/WDR交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第6番「田園」
マレク・ヤノフスキ指揮/WDR交響楽団
2018年9月24-29日 ケルン・フィルハーモニー
PTC 5186 809 (P)2019 Pentatone Music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

速めのテンポで力強く推進力のある演奏を展開しています。大オーケストラですが,一糸乱れぬアンサンブルで指揮者の要求にしっかりと追従し引き締まった,そしてスケールの大きな音楽に仕上げています。ただ第6番はちょっと威勢が良すぎる感もありますが(^^;。

録音ですが,残響はやや多めですが,中低域の響きが締まっており,音のキレが良いため,音色や明瞭感への影響は少なめで印象は悪くありません。音の密度は高めで,もう少しスッキリと見通しよく伸びのある音で録って欲しかったとは思いますが,大オーケストラの魅力は十分に捉えられており,これでもまあ好録音としても良いかなと思いました。

ブラームス:弦楽四重奏曲第3番,ピアノ五重奏曲(ハーゲン四重奏団,キリル・ゲルシュタイン(P))

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ブラームス:弦楽四重奏曲第3番,ピアノ五重奏曲
ハーゲン四重奏団,キリル・ゲルシュタイン(Piano)
2014年12月, 8月 ブレーメン,ゼンデザール,ドイチュラントフンク室内楽ホール
MYR021 (P)2019, 2014 myrios classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

一聴してこの圧倒的な表現力に心が震えました。というのは少々大げさですが,この美しく深々とした響きに本当に魅了されました。ブラームスでこんな演奏に出会えるとは! 現役の弦楽四重奏団の中でも最高峰の団体の一つであろう,ということを改めて認識しました。録音が散発的にしかリリースされないのが本当に残念です。

録音ですが,若干残響のまとわりつきはあるものの,音色を損なうほどではなく,明瞭感,透明感,高域の伸び,そしてオーディオ的なクオリティ,音のきめの細かさ,いずれも及第点と思います。弦楽四重奏の録音としてまずまず良好な好録音と言えると思います。

シューマン:交響曲第2番,第4番(フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/アントワープ交響楽団)

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シューマン:交響曲第2番,第4番
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/アントワープ交響楽団
2018年6月18-20日, 2018年4月17-19日 ベルギー,アントワープ,エリザベート王妃記念音楽堂
PHI LPH 032 (P)(C)2019 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ヘレヴェッヘは1996年/2006年にシューマンの交響曲全集をピリオド楽器のオーケストラのシャンゼリゼ管弦楽団と録音しています。今回はモダン楽器のオーケストラです。Apple Musicで試聴してみました。これも録音についてのみコメントします。

残響は少し多めに取り入れられていて,しかも残響時間長めです。ですが,直接音もそれなりに感じられること,音色のバランスが絶妙に調整されていて曇りも少なく,高域の伸びもギリギリ確保されていることなどから,最初は「ん?」と思ったものの,聴き慣れるとまあ意外に聴けるというのが正直な感想です。弦楽器の質感が良いためかもしれません。好みの録音とはだいぶ違いますが,まあまあ許容範囲かなと思いました。この録音ならまぁ多くの人に受け入れられそうな気がします。音も滑らかで緻密であり,オーディオ品質も悪くありません。

残りの第1番,第3番も録音されて全曲盤となることを期待します。

エルガー:チェロ協奏曲,他(宮田大 Vc/トーマス・ダウスゴー指揮/BBCスコティッシュ交響楽団)

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エルガー:チェロ協奏曲,他
宮田大 Dai Miyata (Cello)
トーマス・ダウスゴー指揮/BBCスコティッシュ交響楽団
2019年8月25, 26日 グラスゴー,シティ・ホール
COCQ85473 (P)2019 BBC/NIPPON CLUMBIA CO., LTD (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicでの試聴。宮田氏は第74回日本音楽コンクール第一位,2009年の第9回ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで日本人として初優勝するなどのコンクール歴を持つ実力者とのこと。今回は録音についてのみコメントします。

で,その録音ですが,チェロの音は適度な距離感で明瞭に捉えられ,オーケストラよりも前に出る形で分離され協奏曲として好ましい録り方となっていますが,特に印象に残ったのはオーケストラの密度感とスケール感です。濃厚なオーケストラサウンドなのですが,暑苦しくならないギリギリのところを狙ったようであり,音色のバランス,自然さもまずまずといいうところです。それでいてチェロが埋もれることなくちゃんと聴こえてくるので,上手く録っていると思います。好みの録音とは少し違うのですが,これは上手くまとめていると思いました。良かったです。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集(ウート・ウーギ Vn/ラマール・クラウソン P)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
ウート・ウーギ Uto Ughi (Violin)
ラマール・クラウソン Lamar Crowson (Piano)
録音 1978年
19075956262 (P)(C)2019 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

イタリアを代表するヴァイオリニスト,ウート・ウーギによる全集。当初の発売はイタリア・リコルディで,今回初CD化とのことです。それにしてもこのアルテュール・グリュミオーを彷彿とさせるような(私だけ?)美音が素晴らしいです。こういう音色を出すヴァイオリニストは現代では少ないような気がします。この美音に触れられただけでも本当に良かった!と思える全集です。

録音ですが,曲により多少のばらつきがあるのですが,ヴァイオリンはかなりのオンマイクで,残響がほとんど感じられません。極めて明瞭でニュアンス豊かであり,楽器の質感も大変良く感じられ,このヴァイオリニストの美音を堪能するのにうってつけと言えます。一方で,ピアノは控えめで,ヴァイオリンが主,ピアノは従と,主従関係がはっきり分かれているような録り方です。私としてはヴァイオリンの音が良い捉えられ方なので問題ありませんが,ヴァイオリン・ソナタの録り方としてはちょっと極端であざといかなとは思います。

また,1978年の録音にしてはクオリティが今ひとつです。マスターテープの品質があまり良くない感じで,ブツブツというノイズや,ドロップアウトのような音の乱れがわずかではありますが感じられ,これだけが惜しいと言わざるをえません。

とはいえ,この貴重な録音がCD化されたのは喜ばしいことだと思います。

シベリウス:交響曲全集,他(コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集
コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団
1992-2000å¹´
88765431352 (P)2013 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

コリン・デイヴィスのシベリウス交響曲全集2回目の録音。1回目はボストン交響楽団でした。3回目は2002年から2008年にかけて同じロンドン交響楽団で録音されました。

収録曲は次の通りです。今回は主に交響曲についてのコメントです。

交響曲全集
クレルヴォ交響曲作品7
組曲「恋人」作品14
交響詩「伝説」作品9
4つの伝説曲作品22
交響詩「ポホヨラの娘」作品49
交響詩「吟遊詩人」作品64
「カレリア」組曲作品11
交響詩「大洋の女神」作品73
交響詩「フィンランディア」作品26
「悲しきワルツ」作品44-1
交響詩「タピオラ」作品112
交響詩「夜の騎行と日の出」作品55


演奏ですが,基本路線は1回目の録音と似ていますが,1回目がどちらかと言えばストレートであったのに対し,2回目はそれぞれの曲の表情の彫りが深くなっているように思います。そして3回目の録音とほぼ同じ印象です。1回目はそれはそれで素晴らしかったのですが,2回目は別の良さが出ています。再録音された理由がわかる気がします。

そして録音ですが,残響はあるものの,それぞれの楽器が明確に分離し,質感豊かに,適度なステージ感で聴こえること,高らかに鳴る金管を飽和感なく捉えていること,など,なかなか良いオーケストラ録音だと思いました。

演奏の質も高く,録音の品質も良好な,良い全集だと思いました。さすが「シベリウスの演奏をライフワークと位置づけてきた」というだけのことはありますね。この全集,入手困難ではないと思いますが,現役盤ではないような気がします。良い全集だと思いますので,現役盤復帰を願います。

ハイドン:弦楽四重奏曲集(ハンソン四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲集
ハンソン四重奏団 Quatuor Hanson
2018年11月, 2019年3月 Little Tribeca at Théâtre d'Arras
AP213 (P)(C)2019 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ハンソン四重奏団は2013年に結成された若手の四重奏団。2016年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位,同年のヨーゼフ・ハイドン室内音楽コンクール第2位などの実績があるようです。これがデビューCDとのことです。収録曲は次の通りです。

弦楽四重奏曲ニ長調作品50-6「蛙」
弦楽四重奏曲ニ短調作品76-2「五度」
弦楽四重奏曲ハ長調作品54-2
弦楽四重奏曲ト長調作品33-5
弦楽四重奏曲ヘ短調作品20-5
弦楽四重奏曲ヘ長調作品77-2


生き生きとした躍動感のある演奏が印象的です。ちょっと大げさなところもありますが,これくらいユーモアをもって演奏してくれた方がハイドンの音楽としては楽しいですね。これは良かったです。

そして録音ですが,少し残響を伴っていますが,直接音が主体であり,明瞭で楽器の質感も良く感じられます。高域の伸びも問題ありません。わずかな残響の付帯音がなければもっと良かったのにとは思いますが,それでも好録音です。

選曲からするとハイドンの録音は当面なさそうですね。この演奏ならエルデーディ四重奏曲作品76はまとめて聴きたかったなぁとちょっと残念に思いいます。今後の活躍に期待!
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