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ベートーヴェン:交響曲全集(ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク)

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ベートーヴェン:交響曲全集
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
1991å¹´-1994å¹´
00289 477 8643 (P)(C)1994 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

1994年度のレコード芸術誌レコード・アカデミー大賞を受賞した名盤なのでご存じの方も多いと思います。ピリオド楽器によるベートーヴェン交響曲全集の一つの究極の完成形ではないかと思えます。これだけ多様な演奏が溢れる今現在ですら,この尖った演奏は鮮烈な印象を残します。というか一つの方向に行き過ぎてしまった感がありますが,こういう刺激的な究極の演奏があったからこそ今の多様性が生まれるようになったようにも思います。この記念碑的名盤を久しぶりに堪能しました。

録音ですが,ライブ録音とセッション録音があり,会場もいくつかに分かれていてばらつきはありますが,基本的な音作りの方向はそれなりに揃っていますので全集としての統一感はあります。残響が比較的多く残響時間も長めですが,直接音に対して音離れが良いのでサウンド自体はキレがあり締まっていて悪くありません。少し演出感が強めで実在感が薄いので私の好みとはだいぶ違うのですが,トータルの印象はプラスでした。だいぶオマケですが四つ星半としました。

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分売時のジャケット写真

ベートーヴェン,シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(庄司紗矢香Vn/ユーリ・テミルカーノフ指揮/サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
庄司紗矢香 Sayaka Shoji (Violin)
ユーリ・テミルカーノフ指揮/サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団
2017年10月 サンクトペテルブルク
UCCG-1811 (481 7285) (P)(C)2018 Universal Music (国内盤)
好録音度:★★★★★(ベートーヴェン),★★★★☆(シベリウス)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

これは本当に良かった! 丁寧に思いを込めて朗々と奏でられるソロのなんと美しいことか。この落ち着いた優美で堂々たる演奏に器の大きさを感じます。彼女自身の手によるベートーヴェンのカデンツァも聴きものです。

録音ですが,ベートーヴェンはセッション録音,シベリウスはライヴ録音で,少し差があります。特にベートーヴェンの録音は,違和感の生じないギリギリのところまでソロにフォーカスし,ヴァイオリンの透明感と輝きのある音色,ニュアンスを明瞭に大変よく捉えていて協奏曲の録音としてほぼ不満がありません。ソロを引き立てる往年の巨匠の録音を思わせます。一方シベリウスの方は,こちらも同傾向で悪くはないのですが,音色に若干のくすみがみられ,透明感や高域の伸びがベートーヴェンに比べると明らかに落ちています。なぜベートーヴェンと同じ録り方をしてくれなかったのか,残念でなりません。

ということでこの好演奏・好録音をじっくりと堪能したいと思います。

モーツァルト:交響曲第40番,第41番「ジュピター」(ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/バイエルン放送交響楽団)

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モーツァルト:交響曲第40番,第41番「ジュピター」
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/バイエルン放送交響楽団
2013年1月31日-2月1日,2017年12月21,22日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
BR Klassik 900164 (P)(C)2018 BRmedia Service (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

これだけご高齢になられてもなおこんなキレのある指揮をされるということに驚きを禁じ得ません。モダン楽器オーケストラの大きめの編成だと思いますが,速めのテンポで小気味よく,そして豊潤かつ透明感のある響きを引き出しており,引き締まった造形の音楽を奏でています。一つの規範となるような普遍性を感じる演奏でした。

そして録音なのですが,それなりに残響があるものの楽器音への影響は少なく,明瞭で歯切れのよいサウンドを保っています。残響もふわっと後方に空間性をもって広がるようであり,その質も良い方だと思います。ほんのわずかに中域に癖を感じるものの十分許容範囲です。ボリューム感があり個人的にはもう少しすっきり見通しが良ければなぁと思いますが,これでも十分に好録音です。

録音年が少し離れていますが,音作りは揃っていて違和感はありません。第40番の方が少し中高域がうるさめで,第41番はその点わずかながら良好のように思いました。

R. シュトラウス:管弦楽曲集(ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団) ~ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings より

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[CD 20] R. シュトラウス:家庭交響曲作品53,交響詩「死と変容」作品24
ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団
録音 1995年2月6-7日 Herkulessaal der Residenz, Munich
好録音度:★★★★
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 21] R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30,「ばらの騎士」組曲作品59,交響詩「ドンファン」作品20
ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団
録音 1995年2月6-8日 Herkulessaal der Residenz, Munich
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 22] R. シュトラウス:交響詩「ティルオイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」作品28,交響詩「英雄の生涯」作品40
ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団
録音 1996年11月14,15日 Studio 1 of the Bavarian Radio
好録音度:★★★★
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 23] R. シュトラウス:アルプス交響曲作品64,交響詩「マクベス」作品23
ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団
録音 1998年3月1-4日 Herkulessaal der Residenz, Munich
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

今回は録音のみコメントします。1990年代の後半からレーベルがRCAに移っているようで,録音の傾向も全体のまとまり,自然さを重視した音作りになっているように思います。そのため,不自然さやあざとさはなくなっていますが,一方で個々の楽器の質感はやや感じ取りにくくなっています。とはいえ明瞭感や高域の伸びなどまずまず良好で,特にツァラトゥストラやアルプス交響曲は良い状態だと思います。

ただちょっと出来にばらつきがあって,家庭交響曲や英雄の生涯は少しベールが被ったように音色にくすみが見られて好録音というには少し物足りなく感じました。気になるのは,例えばツァラトゥストラと家庭交響曲は解説書に記載されている録音日がほぼ同じにも関わらず,録音の少し違って聴こえることで,この解説書の記載内容は信用できるのだろうかとちょっと疑ってしまいました。

あと,ジャケット写真を見ると,ドルビーサラウンドのロゴが入っています。発売当時を思い出すと,確かこれらはステレオでも一応楽しめるが,ドルビーサラウンドデコーダを通すとサラウンドで楽しめるというものだった気がします。そのためかステレオでしか聴かない私にとってはあまり印象の良いものではなかったのですが,これを聴く限りはドルビーサラウンドのエンコードがされたままの音源なのか,リマスタリングされた音源なのかはわかりませんでした。まあいずれにしてもこれなら問題ないのですが。



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ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings (30 CDs)
録音 1977~1999年
88697932382 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少しずつ聴き進めています。なかなか一気に聴けないので,一言ずつにはなりますが,聴いたものからコメントを残していきたいと思います。(記2018/09/24)

レビュー済みディスク
[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」,ラヴェル:ボレロ(フランス国立管弦楽団)
[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」(フランス国立管弦楽団)
[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 26-28] チャイコフスキー:後期交響曲集(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 20-23] R. シュトラウス:管弦楽曲集(バイエルン放送交響楽団)
[CD 29-30] ワーグナー:管弦楽曲集(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

過去のレビュー記事
ベートーヴェン:交響曲全集(クリーヴランド管弦楽団)
シベリウス:交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)
(※今改めて聴くとだいぶ違うコメントになるような気がします...)

チャイコフスキー:後期交響曲集(ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド交響楽団) ~ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings より

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[CD 26] チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36
ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団
録音 1981年 Masonic Hall, Cleveland
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 27] チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団
録音 1981年 Masonic Hall, Cleveland
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 28] チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74
ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団
録音 不明(記載なし)
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

これはちょっと意外なチャイコフスキーでした。クールというか冷静というか(意地悪な見方をすれば幾分冷めている),上品にまとめているというか。ダイナミックで締まりのある演奏ではありますが,勢いに任せずコントロールを行き届かせながら細部にこだわってキッチリと描き出しています。あぁ,こんなアプローチもあるんだと目から鱗が落ちるような思いです。これはこれで面白いと思いました。

録音は先に取り上げた英雄の生涯とほぼ同じで,マルチマイク的に各楽器を分離良く質感高く捉えていますし,弦楽器中心のサウンド構成も好印象です。好録音です。



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ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings (30 CDs)
録音 1977~1999年
88697932382 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少しずつ聴き進めています。なかなか一気に聴けないので,一言ずつにはなりますが,聴いたものからコメントを残していきたいと思います。(記2018/09/24)

レビュー済みディスク
[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」,ラヴェル:ボレロ(フランス国立管弦楽団)
[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」(フランス国立管弦楽団)
[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 26-28] チャイコフスキー:後期交響曲集(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 20-23] R. シュトラウス:管弦楽曲集(バイエルン放送交響楽団)
[CD 29-30] ワーグナー:管弦楽曲集(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

過去のレビュー記事
ベートーヴェン:交響曲全集(クリーヴランド管弦楽団)
シベリウス:交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)
(※今改めて聴くとだいぶ違うコメントになるような気がします...)

R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」(ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド交響楽団) ~ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings より

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[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40
ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団
録音 1977年1月10日 クリーヴランド
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

これは録音が好きですね。マルチマイク的なあざとさ,不自然さは若干あるものの,オーケストラのそれぞれの楽器を質感高く分離良く捉えていて,残響は少し多めに入っているにもかかわらず明瞭感,音色の自然さ,高域のヌケの良さなど,いずれも良好です。細部まで分離良くくっきり聴こえてくるのは本当に気持ちが良いです。特にこのR. シュトラウスの管弦楽曲には最適な録り方だと思います。



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ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings (30 CDs)
録音 1977~1999年
88697932382 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少しずつ聴き進めています。なかなか一気に聴けないので,一言ずつにはなりますが,聴いたものからコメントを残していきたいと思います。(記2018/09/24)

レビュー済みディスク
[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」,ラヴェル:ボレロ(フランス国立管弦楽団)
[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」(フランス国立管弦楽団)
[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 26-28] チャイコフスキー:後期交響曲集(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 20-23] R. シュトラウス:管弦楽曲集(バイエルン放送交響楽団)
[CD 29-30] ワーグナー:管弦楽曲集(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

過去のレビュー記事
ベートーヴェン:交響曲全集(クリーヴランド管弦楽団)
シベリウス:交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)
(※今改めて聴くとだいぶ違うコメントになるような気がします...)

マーラー:交響曲第1番「巨人」(ロリン・マゼールタ指揮/フランス国立管弦楽団) ~ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings より

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[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」
ロリン・マゼール指揮/フランス国立管弦楽団
録音 1979年3月 パリ
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

私はほとんどマーラーを聴かないので的外れなコメントだったら申し訳ないのですが,マーラーにしては(というかマゼールとしては)意外にクセがなくサラッと流しているように感じられました。なので綺麗で聴きやすい一方でちょっと印象に残りにくいようにも思いました。

録音は低域がやや薄いものの,低域から高域まですっきりと伸びていて良好です。少し音像が中央に集まりすぎて立体感に乏しく,またもう少し楽器の質感が感じられればと思いましたが,悪くはありません。少しオマケですが四つ星半です。



lorin_maazel_great_recordings_30_cds.jpg
ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings (30 CDs)
録音 1977~1999年
88697932382 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少しずつ聴き進めています。なかなか一気に聴けないので,一言ずつにはなりますが,聴いたものからコメントを残していきたいと思います。(記2018/09/24)

レビュー済みディスク
[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」,ラヴェル:ボレロ(フランス国立管弦楽団)
[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」(フランス国立管弦楽団)
[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 26-28] チャイコフスキー:後期交響曲集(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 20-23] R. シュトラウス:管弦楽曲集(バイエルン放送交響楽団)
[CD 29-30] ワーグナー:管弦楽曲集(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

過去のレビュー記事
ベートーヴェン:交響曲全集(クリーヴランド管弦楽団)
シベリウス:交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)
(※今改めて聴くとだいぶ違うコメントになるような気がします...)

ホルスト:組曲「惑星」(ロリン・マゼールタ指揮/フランス国立管弦楽団) ~ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings より

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[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」作品32,ラヴェル:ボレロ
ロリン・マゼール指揮/フランス国立管弦楽団
録音 1981年 パリ,スタジオ104
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

この迫力!このスケール感!見事です。ところどころ鼻につく表現はあるものの,この一大スペクタクルの展開する演奏の前に些細なことは気にならなくなります。これはいいと思いました。

そしてこの演奏を支える録音がまた良いですねぇ。それぞれの楽器をくっきりと明瞭に捉えていますし,量感はないものの低域は締まっていますし,高域もシャキッとしていて,この楽曲・演奏の魅力を余すところなく伝えてくれていますね。間違いなく好録音です。



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ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings (30 CDs)
録音 1977~1999年
88697932382 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少しずつ聴き進めています。なかなか一気に聴けないので,一言ずつにはなりますが,聴いたものからコメントを残していきたいと思います。(記2018/09/24)

レビュー済みディスク
[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」,ラヴェル:ボレロ(フランス国立管弦楽団)
[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」(フランス国立管弦楽団)
[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 26-28] チャイコフスキー:後期交響曲集(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 20-23] R. シュトラウス:管弦楽曲集(バイエルン放送交響楽団)
[CD 29-30] ワーグナー:管弦楽曲集(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

過去のレビュー記事
ベートーヴェン:交響曲全集(クリーヴランド管弦楽団)
シベリウス:交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)
(※今改めて聴くとだいぶ違うコメントになるような気がします...)

ホルスト:組曲「惑星」,他(ズービン・メータ指揮/ロサンゼルス・フィルハーモニック)

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ホルスト:組曲「惑星」作品32
ジョン・ウィリアムズ:「スター・ウォーズ」組曲
ズービン・メータ指揮/ロサンゼルス・フィルハーモニック
1971年4月, 1977年12月 ロサンゼルス
UCCD-51034 (P)1971,1977 Decca Music Group (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

有名なディスクなのでお持ちの方も多いと思います。どちらかといえば堅実でそつなく聴かせどころのツボをきちんと押さえた演奏という印象で,こういうところが支持されている要因なのかなと思いました。私もこういうのは好きな方です。

録音ですが,マルチマイク録音を駆使して各楽器を明瞭に分離良く録っている点は好印象ながらやや不自然さがあるのは否めません。また少し帯域バランスの崩れ,高域のヌケの不足,最強奏部での飽和感など,アナログ録音の弱点が出てしまっているところもあるように思いました。しかし,不満点は残るもののそれでも最初に触れた良い点が勝っていて全体として好録音といって良いと思います。少しオマケですが。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(セリーヌ・フリッシュ)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV998
セリーヌ・フリッシュ Céline Frisch (Cembalo)
November 2000, Chapelle de I'Hôpital Notre-Dame du Bon-Secours, Paris
ALPHA 303 (P)(C)2001 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

バッハ平均律クラヴィーア曲集第1巻が良かったセリーヌ・フリッシュのゴルトベルク変奏曲の録音がありましたのでApple Musicで聴いてみました。

リピートをすべて実行してCD 1枚に収まる演奏ですが,特に速いとか攻める演奏というわけではなく,むしろどちらかといえば大きな変化がなく淡々と進行していくのですが,それが穏やかな雰囲気を醸し出していてなんだかホッとするのです。躍動感のある演奏が好きな私ですが,こういう落ち着いた演奏も良いと思った次第です。

さて録音ですが,やはり残響が少し多めなのですが,平均律クラヴィーア曲集と同様,楽器音を間近で捉えているので,明瞭感も音の伸びも良好であり,音色は若干残響の影響を受けているものの許容範囲です。そして残響が心地よい空間性を演出していて,私の好みの録音とはだいぶ方向性が違いますが,これはこれでありだなと思いました。残響を取り入れるならこのような録り方をしてほしいものです。

最後にリピート表です。前述の通りすべてのリピートが実行されています。完璧です。

演奏時間 約78分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○○

なおこのディスクは2枚組なのですが,2枚目に入っているカフェ・ツィマーマンによる下記2つの曲は未聴です。

ゴルトベルク変奏曲のアリアの低音主題による14のカノン BWV1087
ゴルトベルク変奏曲のクオドリベットに使われた2つのドイツ民謡

テレマン: 無伴奏フルートのための12のファンタジア(フランソワ・ラザレヴィチ)

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テレマン: 無伴奏フルートのための12のファンタジア
フランソワ・ラザレヴィチ François Lazarevitch (Flute)
5-7 May 2016 at the Chapelle Notre Dame de Bon Secours, Paris
ALPHA 267 (P)(C)2016 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

前エントリに続き私の好きな録音の多いαレーベルからもう一つ。これも録音のみのコメントです。

これも相当残響が多く,しかも残響時間がかなり長いです。残響のピークが少し遅れてやってくる感じすらします。やはり私の好きなタイプの録音とは異なるのですが,楽器の直接音が主体であり,質感も良く感じられ,これだけ残響があるにも関わらず音色への影響が少ないので,印象が悪くありません。残響の質もまずまず良く心地よい空間性の演出に寄与しています。オーディオ品質も良好です。

こういう録り方をしてくれるのであれば残響も悪くないなと思います。ただ,ソロ楽器だから良いと思えるのかもしれません。

バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻(セリーヌ・フリッシュ)

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バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻
セリーヌ・フリッシュ Céline Frisch (Cembalo)
19-25 October 2014 at the Saint Rémi Church (Franc-Warret, Belgium)
ALPHA 221 (P)(C)2014 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

私の好きな録音の多いαレーベルから。録音のみのコメントです。

残響がかなり多いのですが,マイク位置がかなり近く直接音をしっかりと捉えているので,残響の影響を受けつつもそこそこの明瞭感と音の伸び,音色を確保しています。残響の質も悪くなく,楽器自体の響きを補強しつつ心地よい空間性の演出に成功していると思います。私の好きなタイプの録音ではありませんが,楽器の音を大切にしているのでこれなら受け入れることが出来ます。音像はかなり大きめで,楽器のすぐ近くに立って聴いているようなイメージです。楽器の質感が良く感じられてこの点も好ましく思います。オーディオ品質も良好で優秀録音といっても良いと思います。

ドビュッシー,ラヴェル:弦楽四重奏曲(ヴァン・カイック四重奏団)

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ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調作品10
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
ショーソン:歌曲「終わりなき歌」作品37
ヴァン・カイック四重奏団 Quatuor Van Kuijk
2016年12月19-22日 Conservatoire Darius Milhaud, Aix-en-Provence, France
ALPHA 295 (P)2016 (C)2017 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

ヴァン・カイック四重奏団は以前にモーツァルトの弦楽四重奏曲集を取り上げていました。演奏も録音も良かったので,これも聴いてみました。物語を語るように表情豊かに,生き生きと息づいていて良かったです。技術力もありアンサンブルも優秀です。

録音ですが,やや残響が多めで,直接音が主体ながら残響の影響を受けて少し音色がくすみがちであり,モーツァルトの録音に比べると少し鮮度が落ちる印象です。また少し演出臭く現実感が薄いようにも思います。モーツァルトと同じように録ってくれなかったのは残念です。とはいえ,まあ録音の水準としては悪くありません。期待が大きかったので少し辛口になってしまいました。

ブラームス:交響曲全集(ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
2013年1月23-27日 ケルン,フィルハーモニー
PH13028 (P)(C)2013 Profil (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
2017年7月11-15日 ケルン,フィルハーモニー
PH17057 (P)(C)2017 Profil (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:大学祝典序曲作品80,悲劇的序曲作品81
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
2017年7月11-15日 ケルン,フィルハーモニー
PH17085 (P)(C)2018 Profil (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,HMV Onlineicon

ベートーヴェンの交響曲第4番,第5番が良かったサラステ指揮WDR交響楽団のブラームスの交響曲全集。第1番と第3番が2013年,第2番と第4番が2017年の録音です。この演奏も極めてオーソドックスなアプローチでスタンダード路線かなと思います。これはこれで良いのですが,もう少し躍動感が欲しかったと思います。このようなアプローチなのでちょっと印象が残りにくいかなと。また,第1番第1楽章の提示部のリピートが省略されているのも惜しいと思いました。

録音ですが,録音時期が離れていますが,全体としては統一感はあります。ただ第1番と第3番は少し音色の精彩が薄く,また,音像がこぢんまりしていてステージ感,広がり感がすこし劣ります。第2番と第4番はその点ではまずまず良く,また,全体としてマイナスポイントが少ない標準的な録音というのも好印象でした。

なお,これら3枚がセットになった全集がまもなく(9/20?)発売されるようです。

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ブラームス:交響曲全集
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
PH18038 (P)2013,2017,2018 (C)2018 Profil (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ブラームス:交響曲第1番,第2番,第3番,他(トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:愛の歌作品52, 65より9曲(作曲者編)
ブラームス:ハンガリー舞曲集 第1番,第3番,第10番
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2011年3月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-1756 (P)(C)2012 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンのお題による変奏曲作品56a,大学祝典序曲作品80
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第6番,第7番,第5番(ダウスゴー編)
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2016年5月,6月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-2257 (P)(C)2017 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
シューベルト:6つの歌(ブラームス編曲)
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第11-16番(ダウスゴー編)
ブラームス:アルト・ラプソディ
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2016年11月, 2017年3月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-2319 (P)(C)2018 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴。確か第1番と第2番は持っていたはずなのだけどどこにしまい込んでしまったのか見当たらず...(末期症状(^^;)。

快速テンポで攻める演奏。ちょっと落ち着きがないのですが,「おぉ!」と「やり過ぎだろ」がめまぐるしく繰り返されていきます(^^;。何度も聴いているとこれが快感に変わり病みつきになってきます。第3番第1楽章の内声のシンコペーション,ハンガリー舞曲第5番の冒頭の表現など特に素晴らしく思いました。とてもお勧めできるような演奏ではありませんが,一聴の価値はあるかと思います。

録音ですが,残響は控えめでドライ気味,明瞭で伸びと締まりのあるサウンドが良いと思います。もう少し生々しく楽器の質感を強めに出してくれたら文句なしだったのですが,その点が惜しいです。また,もう少し弦楽器にフォーカスして欲しかったかなと。少しオマケですが四つ星半の好録音です。

さて,残す第4番がどのような演奏になるのか,楽しみです。

ベートーヴェン:交響曲第4番,第5番「運命」(ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第4番,第5番「運命」
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
Nov 20 - Nov 25, 2017 Köln, Philharmonie
PH17084 (C)2018 Profil Medien (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

現代のスタンダードを目指したような演奏だと思いました。どちらかといえばオーソドックスで,大編成のオーケストラをキッチリとコントロールして引き締まったシャープな演奏に仕上げています。突出した特徴はありませんが,要所で存在感をアピールするティンパニーは面白いです。

録音ですが,残響はやや多めながら,低域の響きを引き締め,楽器音への被りをうまく避けるように取り入れられているので,楽器音への影響が少なく,明瞭で伸びのある音が保たれています。低域がやや多めのバランスで,中高域は癖がなくフラットな印象です。密度感はありますが暑苦しくなったり騒々しくなったりしないギリギリのところで抑えている感じです。まずまずの好録音でした。

ブラームスに続くベートーヴェンの交響曲シリーズの第一弾とのことです。今後の録音も楽しみです。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集(ロレンツォ・ガット(Vn)/ジュリアン・リベール(P))

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番,第5番「春」,第10番
ロレンツォ・ガット Lorenzo Gatto (violin)
ジュリアン・リベール Julien Libeer (Piano)
2017年12月3-5日 ヒルフェルスュム,ファン・デ・オンループ音楽会館第1スタジオ
ALPHA 407 (P)(C)2018 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第2番,第4番,第9番「クロイツェル」
ロレンツォ・ガット Lorenzo Gatto (violin)
ジュリアン・リベール Julien Libeer (Piano)
ALPHA 240 (P)(C)2016 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。ベルギー出身の若手二人によるデュオ。ヴァイオリンのガットはクレバースやデュメイに学び,リベールはピリスの弟子ということです。使用楽器は1698年製のストラディヴァリウス「ヨアヒム」と,バレンボイムも愛用していることで知られるクリス・メーン製造の平行弦ピアノとのことで,いろいろと注目点がありますね。

私としての注目は比較的好録音の多いALPHAレーベルの録音ですね。少し残響感があって楽器音への被りはあるものの,楽器音の美しさ,透明感,音の伸びは何とか保たれていて,まずまずの好録音でした。正直言うと,もう少し近めで楽器の質感を強めに捉えて欲しかったとは思いますが。

ということで,このフレッシュな演奏を良好な録音で楽しませていただきました。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番,第8番(ウェールズ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番,第8番
ウェールズ弦楽四重奏団 Verus String Quartet
February 1, 5, 6 & May 1, 2018 Cultural Centre of Fujimi City / KIRARI☆FUJIMI
FOCD9787 (P)(C)2018 FONTEC Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の第二弾(第一弾は第2番,第12番)。第一弾も良かったですが,これも良かった! 現代建築のようなスマートさがあり,透明感のある和音の響きも素晴らしい。若い世代の新しい演奏だなと思いました。技術的にも申し分ありません。

録音ですが,ホールでの録音のようですが,残響感はそれほどなく直接音主体に録られた素直な録音が好印象です。明瞭感,各楽器の分離感,質感も良好ですし,音色にも癖がありません。特徴のある録音ではありませんが,欠点がほぼ見当たらない好録音です。

演奏も録音も良く,第三弾が本当に楽しみです。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」,レオノーレ序曲第3番,フィデリオ序曲(弦楽四重奏版)(ライプツィヒ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調作品106「ハンマークラヴィーア」(弦楽四重奏版)
ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番作品72b(弦楽四重奏版)
ベートーヴェン:フィデリオ序曲作品72c(弦楽四重奏版)
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
06-08.11.2017 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 307 2072-2 (P)(C)2018 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ライプツィヒ弦楽四重奏団は堅実な演奏を聴かせてくれるので,新譜を見つけると買ってしまいます。これは編曲ものということで少し悩みましたが。私はピアノ・ソナタは滅多に聴かないので曲をあまりわかっていないのですが,こうして弦楽四重奏で聴いてみると,楽器の違いによる作曲技法や語法(?)の違いも当然あるとは思いますが,それ以上に弦楽四重奏で目指した世界とピアノ・ソナタで目指した世界はだいぶ違うんじゃないかというのが漠然とした感想で,それはピアノ・ソナタのオリジナルを聴いたときにはあまり意識しなかった感覚でした。2曲の序曲も同様です。いつもと違う側面が感じられたという点で面白かったです。

録音ですが,残響が少し多めに取り入れられているものの,楽器音への被りは少なく直接音が主のため明瞭感は良好で,楽器の質感も良く感じられます。好録音です。

ミスリヴェチェク:ヴァイオリン協奏曲集(レイラ・シャイエ(Vn)/ヴァーツラフ・ルクス指揮/コレギウム1704)

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ミスリヴェチェク:ヴァイオリン協奏曲集
レイラ・シャイエ Leila Schayegh (Violin)
ヴァーツラフ・ルクス指揮/コレギウム1704
Church of St Anne - Prague Crossroads (Czech Republic) in July 2017
Accent ACC 24336 (P)(C)2018 note 1 music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。ヨゼフ・ミスリヴェチェク(Josef Mysliveček)という作曲家は全く知らなかったのですが,チェコ生まれでイタリアで活躍した作曲家とのことです。モーツァルトの20歳年上でモーツァルトにも影響を与えたそうです。当然これらの楽曲も初めて聴くのですが,なるほど,いずれも軽妙で屈託のないラテン的な明るさ,爽やかさが印象的で素直に楽しめる曲ばかりでした。

録音ですが,残響はあるものの直接音が主体で残響も楽器音に被ることなくすっーと綺麗に減衰するので問題ありません。ちょっとあざとい感じの不自然さはありますが,各々の楽器の音が美しく透明感をもって聴こえるため気持ち良く聴くことが出来ます。こういう録音は好きですね。まずまずの好録音です。

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,第5番「運命」,第6番「田園」,第7番,第8番,他(ベルトラン・ド・ビリー/ウィーン放送交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:エグモント序曲作品84,コリオラン序曲作品62
ベルトラン・ド・ビリー指揮/ウィーン放送交響楽団
Recorded 2006, Sendesaal des ORF
OC 621 (P)2006 (C)2012 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
ベルトラン・ド・ビリー指揮/ウィーン放送交響楽団
Recorded August 2007, February 2008, ORF RadioKulturhaus
OC 630 (P)(C)2007/2008 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品93
ベルトラン・ド・ビリー指揮/ウィーン放送交響楽団
Recorded February 3-6, 2008, June 24-26, 2009, Studio 6, ORF Funkhaus, Vienna
OC 640 (P)2008/2009 (C)2010 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

大オーケストラによる演奏ですが,速めのテンポでキビキビとしており引き締まっていて好印象です。どちらかとえいば正攻法の演奏で驚くようなところはありませんが,この気持ち良くサラッと進行していく音楽は結構好きかなと思います。

録音ですが,残響はそれなりにあるもののあまり尾を引かずドライな響きです。直接音が主であり明瞭感もそこそこあります。帯域バランスが少し低域に寄っているのが気にはなりましたが許容範囲です。録音会場がそれぞれ違うようで,少しずつ違う気はするのですが,それほど差はなく違和感のない範囲でした。少しオマケですが四つ星半です。

なお同顔合わせによるベートーヴェンの交響曲はあと第2番のディスクがリリースされています。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(弦楽三重奏編曲版)(トリオ・ゴルトベルク)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(弦楽三重奏編曲版)
トリオ・ゴルトベルク Trio Goldberg
I'Auditorium Rainier III (Monaco) du 2 au 5 septembre 2013
OPMC 009 (P)(C)2014 OPMC Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

シトコヴェツキー編曲の弦楽三重奏版。速めのテンポでノリが良く生き生きしています。演奏者自身が楽しんでいるのが伝わってきますし,ラテン的な明るさ,コテコテ感,開けっぴろげな表現がめっちゃ楽しいです(^^。技術的にはちょっと粗い感じがしないでもありませんが,全く気になりません。

録音ですが,残響感が少なく直接音が主です。各楽器を質感良く,分離良く捉えており,音の伸びも十分にあって気持ち良く聴ける好録音です。

最後にリピートですが,第25変奏の後半とAria da capoのみリピートが省略されていました。CD1枚に収めるためかもしれません。まあこの省略なら許せます。

演奏も録音も気に入りました。これは私としてはちょっとした掘り出し物でした。

演奏時間 約80分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○× Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ××

バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(ウラディミール・フェルツマン)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
ヴラディミール・フェルツマン Vladimir Feltsman (Piano)
1991年10月26日 モスクワ音楽院大ホール
Apple Musicで試聴
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,Apple Music

6つのパルティータが良かったフェルツマンのゴルトベルク変奏曲を聴いてみました。これは相当ユニークな演奏ですね。強めのタッチ,速めのテンポで快活であり,ゆったりした変奏は情感的,そして,リピートの後半はオクターブを上げて弾くなどは序の口で装飾という枠を越えてもっと自由に遊び心たっぷりにアレンジして弾いています。この曲を心から楽しんでいるのが伝わってきます。たまにはこんなバッハも良いものです。

録音ですが,少し音の伸びと透明感に欠けるきらいはあるものの,残響を少なめにピアノの音を明瞭に捉えている点は好感が持てます。すっきりしないところは多少ありますが,まあ許せる範囲です。少しオマケですが四つ星半です。

現在現役盤はないようで,辛うじてNimbusのCD-R盤があるようです(→参考)。こういう演奏も配信で聴けるのは有り難いですね。

最後にリピート表です。最後のAria da capo以外は全てリピートされていました。

演奏時間 約80分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ××

ブラームス:交響曲全集(ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン)

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ブラームス:交響曲全集
ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン
2017年10月 ベルリン,ピエール・ブーレーズ・ザール
4835251 (P)(C)2018 Deutche Grammophone (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。ディスクは8/31の発売ですが,e-onkyoとApple Musicはすでにリリースされています。1993年のシカゴ交響楽団の全集からおよそ25年を経ての再録音とのことです。録音されたホールは,2017年3月にオープンしたばかりの,豊田泰久氏が音響設計を担当したという,ベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールです。

演奏は全体に遅めのテンポで堂々としていてスケールが大きいのが特徴です。伝統的な演奏スタイルを継承しているようです。とうとうと流れる大河に身を任せているような気分になります。目新しさはありませんがオーソドックスなスタイルを極めたような充実感がありますね。ただ,ものすごく残念なのが,第1番と第2番のリピートが省略されていることです。また,第3番では,12:33あたりで,あれっ?こんなんだったっけというような強い違和感を覚える箇所があります。楽譜の版が違うのか編集ミスなのかわかりませんが。

録音ですが,残響はあるものの適切な範囲であり,大オーケストラの音響を可能な限り詰め込もうとした高密度感が特徴で,少し暑苦しさを感じるものの,それぞれの楽器がそこそこ明瞭に聴こえるので悪くありません。特に私の好きな録音ではないのですが,欠点が少ないという点で良好な部類に入ると思います。

バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集(レイチェル・バートン・パインVn/ジョリー・ヴィニクールChem)

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バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集
レイチェル・バートン・パイン Rachel Barton Pine (Violin)
ジョリー・ヴィニクール Jory Vinikour (Harpsichord)
2017年9月5-8日 ニコルズ・ホール
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

もう相当昔にヘンデルのヴァイオリン・ソナタ集を録音されていましたが,それを思い出すような好演奏。特にAllegro楽章の軽快さというか爽やかなテンポ感が何とも気持ち良いのです。モダン楽器の良さ,この人の持ち味が活かされていると思います。こういうバッハのヴァイオリン・ソナタが聴きたかった!満足です。

録音ですが,残響感は少しあるものの適度にヴァイオリンにフォーカスされ,明瞭で伸びがあり,音色も自然で透明感もあり美しく捉えているのが好印象です。

ドビュッシー,ラヴェル:弦楽四重奏曲(ラサール弦楽四重奏団)

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ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調作品10
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
ラサール弦楽四重奏団 LaSalle Quartet
1971年6月 スイス
PROC-1100 (P)1972 Deutsche Grammophon (国内盤)
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION Vol. 11
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records

TOWER RECORDSで復刻されたラサール弦楽四重奏団の名盤の一つ。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲集でも述べましたが,技術面だけで言えば現代にはもっと巧い四重奏団はあるので,古いモノクロ写真を見ているような感覚を持ってしまうのですが,真摯で学究的とも思えるストイックなアプローチはそれはそれで心を打たれます。何度も聴いているとこの団体が到達した境地に少しずつ近づくようにも感じられました。

そして録音なのですが,残響は控え目に抑えられていてそれぞれの楽器を明瞭に分離よく捉えた好録音です。少し演出感があって実在感が薄いようにも思いますが,その点はまあ問題ありません。1970年代のドイツ・グラモフォンの弦楽四重奏曲録音はこのような録り方をしているものがけっこうあると思います。この録音は結構好きなのですが,最近このような録り方が少ないのが残念に思います。

それにしてもTOWER RECORDSさんはいつも良い仕事をしてくれます。感謝!

ブラームス:交響曲全集,セレナーデ第1番,第2番(マリオ・ヴェンツァーゴ指揮/タピオラ・シンフォニエッタ)

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ブラームス:交響曲全集
ブラームス:セレナーデ第1番,第2番
マリオ・ヴェンツァーゴ指揮/タピオラ・シンフォニエッタ
9-15 January 2016 (Symphony No.1, Sereades), 17-19 February 2017 (Symphony No.2), 19/20 September 2015 (Symphony No.3), 30 January - 5 February 2015, at Espoon kulttuurikeskus, Tapiola, Finland
19075853112 (P)(C)2018 Sony Music Entertainment Switzerland (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

タピオラ・シンフォニエッタは小編成のオーケストラで,ブラームスの交響曲第4番を初演したマイニンゲン宮廷管弦楽団とほぼ同じ規模であり,ピリオド奏法を取り入れて演奏されています。小編成での演奏やピリオド奏法を取り入れた演奏は今やそれほど珍しいものではなくなってきていますが,ここで聴けるサウンドは単にピリオド奏法を取り入れたというような枠にとどまらない,今までのブラームスの印象とはずいぶん違う新しい表現を切り拓くことに成功しているように思いました。

演奏にキレとスピード感があるにも関わらず,とにかく良い意味でユルく力が抜けていて軽く,そして響きが透明で美しいのです。青春の息吹を感じますね。勿体ぶらない指揮も良いと思います。こういう演奏なので第2番やセレナーデが良いのはもちろんですが,渋いイメージのある第4番なども今まで持っていたイメージとは全く異なる世界を作ることに成功しているように思います。これは小編成にしかできない,小編成を真に活かした好演奏と言えるでしょう。私はピリオド奏法は苦手な方ですがこれは全く気になりませんでした。好き嫌いははっきり分かれるかもしれませんが,私は大変気に入りました。

さて録音ですが,小編成の場合,どうしても弦が弱くなりがちなのですが,この録音ではその弱点が出ないよう,そしてバランスが崩れないギリギリのところまで弦楽器を大きめに捉え,弦楽器がサウンドの中心に据えられているという点でまず好感を持ちました。残響はそれなりにあるのでやや不明瞭で楽器の輪郭がぼやけるきらいはありますが,それでも個々の楽器は分離よくしっかりと捉えられているので悪い印象ではありません。正直なところもう少しすっきりと透明感と質感を大事に小編成をもっと活かす録り方をして欲しかったとは思いますが,まあこれでもまずまずの好録音かなとは思います。すこしオマケですが四つ星半です。

メンデルスゾーン:交響曲全集(クラウディオ・アバド指揮/ロンドン交響楽団)

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メンデルスゾーン:交響曲全集
クラウディオ・アバド指揮/ロンドン交響楽団
1984年2月18日-20日(第2番,第3番),10月5日-10日(第1番,第4番,第5番) ロンドン
UCCG-4326/8 (P)1985 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

持っているはずなんだけどどこにしまい込んでしまったんだろうと長い間行方不明で探し続けていたディスク。先日車のトランクの中から発掘されました(^^;。

本全集は同曲のスタンダートとしての地位を確立した名盤ですね。端正で品格のある安定した曲運びに安心して音楽に没入できます。こういう巧さはさすがですね。

録音ですが,この頃のドイツ・グラモフォンの録音らしくすっきりと整っていますし,残響感も適度であり,音色も綺麗です。あえて言うならやや楽器の質感に乏しく,生楽器の現実感が希薄で人工的に作り込まれたような不自然さを感じるところでしょうか。まずまずの好録音だとは思いますが,もう少し生々しさを残して欲しかったところです。

バッハ:6つのパルティータ,2声のインヴェンション(ヴラディミール・フェルツマン)

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バッハ:6つのパルティータ,2声のインヴェンション
ヴラディミール・フェルツマン Vladimir Feltsman (Piano)
1999年9月8-11日 モスクワ音楽院ボリショイ・ホール
CMCD-15042-3 (C)2005 CAMERATA TOKYO (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

すごく明晰なバッハですね。一つ一つの音の歯切れ良さ,粒ぞろいも良いですし,タイミングが正確で声部の描き出しも的確に思います。それでいて音楽が活き活きと躍動しているところが素晴らしく思います。他の録音も聴いてみたくなりました。

録音ですが,ややホールトーンを伴っているものの,直接音主体で明瞭感はそれなりにあり,音色も自然な範囲なので好印象です。

フェルツマンの録音は,Nimbus AllianceのCD-R盤でも発売されており,パルティータ(例えばこちら→Tower Records)は録音日が同じことからこのカメラータのディスクと同じ録音のようです。

プレインズ(ジョージ・ウィンストン)

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プレインズ PLAINS
ジョージ・ウィンストン George Winston (Piano)
MUSIC CAMP MCV 3003 (P)(C)2010 Dancing Cat Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

2010年頃に制作されたと思われるアルバム。ノーマークでした。たまたま立ち寄ったタワーレコードのクラシックフロアのピアノ曲の試聴コーナーにあり,試聴して気に入ったのでそのまま手に取って購入しました。彼らしいおおらかで温かなピアノ作品集。

そして特筆したいのはこの録音。以前,“Winter Into Spring”を好録音として紹介しましたが,それよりも若干劣るかもしれませんが,これもなかなか良い録音だと思いました。若干の音の加工とポピュラー音楽的演出は感じられるものの,音色を濁す残響や人工的なリバーブもあまり感じられず,ピアノという楽器の音の美しさをけっこう素直に伝えてくれていると思うのです。

クラシックのピアノではまずこのような録音はしないと思いますが,もしやったらどんな風に聴こえるのか,一度聴いてみたいものです。個人的にはけっこう気に入るのではないかと思っているのですが...こればかりは実際に聴いてみないとわからないですね。
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