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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番,弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」,他(ロルストン弦楽四重奏団)

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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番,弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」
ロルストン弦楽四重奏団 Rolston String Quartet
2019年1月2-4日, 6月18-20日 ベルギー,ワーテルロー,エリザベート音楽院ホール
Fuga Libera FUG757 (P)2019 Queen Elisabeth Music Chapel (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,HMV Onlineicon,Apple Music

国内12月26日発売とのことですが,Apple Musicで公開されていましたので試聴してみました。上記のほか子供のアルバム作品39(ドゥビンスキー編曲)から5曲収録されています。

ロルストン弦楽四重奏団は2013年にカナダのバンフで結成された若い弦楽四重奏団で,2016年の第12回バンフ国際弦楽四重奏コンクール,第31回イエロー・スプリング室内楽コンクールで優勝しているとのことです。

演奏は基本的にオーソドックスですが,響きが美しく溶けあう和音や若々しい溌剌とした表現はなかなかのものですし,例えば第一楽章のテンポの変わり目の入り方など,おぉ!というところもあります。技術的にも上手いですし,アンサンブルも優秀だと思います。チャイコフスキーの室内楽を楽しませていただきました。

録音ですが,やや距離感があり,少し響きが被って音色への影響が感じられるものの,音が曇るほどでもなく,楽器の質感やニュアンスも聴き取れるので,悪くないと思いました。もう少し寄って直接音主体に録ってくれたら良いのにとは思いますが。少々オマケですが四つ星半です。

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(カティ・デブレツェニ Vn/ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ)

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バッハ:ヴァイオリン・協奏曲集
カティ・デブレツェニ Kati Debretzeni (Violin)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
2018年12月7-11日 ハムステッド,セント・ジュード教会
SDG732 (P)(C)2019 Monteverdi Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ソロを務めるカティ・デブレツェニはイングリッシュ・バロック・ソロイスツのメンバーであり,2008年よりエイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団のリーダーも務める名手とのことです。このアルバムでは第1番,第2番のほか,チェンバロ協奏曲BWV1052, BWV1053からの復元版も収録されており,この復元版も演奏者自身が手がけています。

演奏ですが,バロック・ヴァイオリンであることをあまり意識させない素直な弾き方が好感が持てますし,力強い表現から柔らかい表現まで幅広くニュアンス豊かなのが良いです。オーケストラも含めて弾けるような躍動感のある演奏が素晴らしく思いました。

そして録音なのですが,残響は結構多めなのですが,響き自体は綺麗であることと,楽器音が極めてシャープに捉えられており,音色も残響の影響が比較的少なめです。見通しも良く残響量の割にスッキリとしたサウンドが好印象です。私の好きな録音とは少し違いますが,好録音です。

チャイコフスキー:交響曲全集,他(ウラディーミル・ユロフスキ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲全集,他
ウラディーミル・ユロフスキ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 2004~2016年
LPO-0101 (P)2017 London Philharmonic Orchestra
好録音度:★★★★☆~★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ユロフスキ/ロンドン・フィルのチャイコフスキーは,第1番,第6番,第4番,第5番,マンフレッド交響曲を今まで取り上げてきています。第2番,第3番は新録音,フランチェスカ・ダ・リミニ,弦楽セレナーデは単独リリースがないとのことで,ほぼ弦楽セレナーデ聴きたさで入手したようなものです(^^;。

それでその弦楽セレナーデなのですが,大オーケストラの豊潤で厚みのある響きを活かしたスケールの大きな演奏で,しかも速めのテンポで自由自在にドライブする指揮にキッチリと反応し,音がぼやけることのない引き締まったオーケストラの演奏がなかなか聴き応えがありました。期待通りです。他の曲も聴き直してみましたが,推進力のある独特のテンポ感に引き込まれるものばかりで,やっぱりこの演奏は良いなぁと改めて思った次第です。

録音ですが,弦楽セレナーデは若干残響の取り入れが多めですが許容範囲かなと思います。録音年や場所もバラバラなので,善し悪しに多少のばらつきはあるものの,残響を控えめにして見通しよく,各楽器が分離して克明に聴き取ることができ,概ね良好という印象は変わりません。第4番が最も良くちょっとオマケですが五つ星,マンフレッド交響曲は前回聴いたとき少し劣る印象だったのですが,聴き直してみて,そこまで悪くはないな,という印象です。

ということで,演奏も録音も良い全集として愛聴盤となりそうです。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(ミロ・クァルテット)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
ミロ・クァルテット Miró Quartet
2004å¹´-2019å¹´
好録音度:★★★★☆
PTC 5186 827 (P)2019 Pentatone Music (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ミロ・クァルテットのベートーヴェンは,作品18と作品59が既発売でレビューしていました(→こちら)。その後ずっと続きを待っていたのですが,またいきなり全集化かよ!と思ったら,実はMiro Quartet Mediaという自主レーベルで少しずつ発売されていたようです。完全に見逃していました。

録音データは下記の通りです。

作品18 2004年10月7-22日 アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ&レターズ(ニューヨーク)
作品59 2012年5月12-25日 テキサス大学オースティン構内イエッセン講堂(テキサス)
作品74, 95 2015年3月15-19日 ペナロヤ・ホール内イルズリー・ポール・ノドストローム・リサイタル・ホール(シアトル)
作品12 2019年2月17-20日 パスタ大学構内パスタ・チャペル(ケンモア)
作品13 2017年9月26-29日 同上
作品14, 15 2016年9月28日-10月6日 同上
作品16 2018年10月8-12日 同上

ということで,約15年かけて全集を完成させています(ベートーヴェンが作曲した年齢に近い年齢で録音したいということだったので,もっとかかると思っていました(^^;)。

作品74以降を初めて聴きましたが,演奏は一貫しています。現代的で洗練された演奏ですが,基本的にはオーソドックスです。しかし,とてもキレの良い高い技術力で緻密なアンサンブルを形成していますし,ダイナミックで推進力があり,何のためらいもなく自信たっぷりに攻めてくる演奏は心にグッと突き刺さってきます。

そして録音の良さがこの演奏をさらに引き立てています。残響は最小限に抑えられ,直接音中心に,楽器の質感,ニュアンスをダイレクトに伝えてくれます。音色も自然ですし,音の伸びも十分にあります。

演奏も良く,録音の良さも兼ね備えた,最近聴いた中では特に感動した素晴らしい全集だと思いました。間違いなく同曲の愛聴盤の一つになるでしょう。

エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85(新倉瞳 Vc/飯森範親指揮/山形交響楽団)

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エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85,他
新倉瞳 Hitomi Niikura (Cello)
飯森範親指揮/山形交響楽団
2015年5月8-10日 山形テルサ,テルサホール
MECO-1032 (P)2015 ART INFINI (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicでの試聴。フォルテでも決して荒れない美音が素晴らしい,気品のあるエルガー。良かったです。

録音ですが,ソロがキッチリとフォーカスされオーケストラに埋もれることなくきちんと聴き取れるところは良いのですが,ソロに少し残響が多めに乗って音色がわずかにくすみ,まとわりつく感じがやや鬱陶しいです。とはいえ,楽器の質感も豊かでありニュアンスも感じ取れるので悪くはないです。私としては少し不満が残りますが,良い録音だと思う方も多いのではないかと想像します。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第3番,第6番,第7番,第8番(ロレンツォ・ガット Vn/ジュリアン・リベール P)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第3番,第6番,第7番,第8番
ロレンツォ・ガット Lorenzo Gatto (violin)
ジュリアン・リベール Julien Libeer (Piano)
2019年4月, 5月 ブリュッセル,スタジオ・フラジェー,スイス,ラ・ショー=ド・フォン,ロマンド大衆劇場音楽ホール
ALPHA 565 (P)(C)2019 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴。第1番,第5番「春」,第10番,第2番,第4番,第9番「クロイツェル」は既発売で取り上げていました。これは第三弾で全集が完結しました。これまでの演奏と同様,若い二人による生き生きとしたフレッシュな演奏が魅力的です。

そして録音なのですが,これまでの録音と場所が異なり,多少時間が経っていることもあって音質の傾向がわずかに違うものの,基本的な録り方はそう違わず似ています。少し残響があるので楽器音への影響はありますが,明瞭であり楽器の質感もよく捉えていて良好です。好録音です。

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第6番「田園」(マレク・ヤノフスキ指揮/WDR交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第6番「田園」
マレク・ヤノフスキ指揮/WDR交響楽団
2018年9月24-29日 ケルン・フィルハーモニー
PTC 5186 809 (P)2019 Pentatone Music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

速めのテンポで力強く推進力のある演奏を展開しています。大オーケストラですが,一糸乱れぬアンサンブルで指揮者の要求にしっかりと追従し引き締まった,そしてスケールの大きな音楽に仕上げています。ただ第6番はちょっと威勢が良すぎる感もありますが(^^;。

録音ですが,残響はやや多めですが,中低域の響きが締まっており,音のキレが良いため,音色や明瞭感への影響は少なめで印象は悪くありません。音の密度は高めで,もう少しスッキリと見通しよく伸びのある音で録って欲しかったとは思いますが,大オーケストラの魅力は十分に捉えられており,これでもまあ好録音としても良いかなと思いました。

ブラームス:弦楽四重奏曲第3番,ピアノ五重奏曲(ハーゲン四重奏団,キリル・ゲルシュタイン(P))

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ブラームス:弦楽四重奏曲第3番,ピアノ五重奏曲
ハーゲン四重奏団,キリル・ゲルシュタイン(Piano)
2014年12月, 8月 ブレーメン,ゼンデザール,ドイチュラントフンク室内楽ホール
MYR021 (P)2019, 2014 myrios classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

一聴してこの圧倒的な表現力に心が震えました。というのは少々大げさですが,この美しく深々とした響きに本当に魅了されました。ブラームスでこんな演奏に出会えるとは! 現役の弦楽四重奏団の中でも最高峰の団体の一つであろう,ということを改めて認識しました。録音が散発的にしかリリースされないのが本当に残念です。

録音ですが,若干残響のまとわりつきはあるものの,音色を損なうほどではなく,明瞭感,透明感,高域の伸び,そしてオーディオ的なクオリティ,音のきめの細かさ,いずれも及第点と思います。弦楽四重奏の録音としてまずまず良好な好録音と言えると思います。

シューマン:交響曲第2番,第4番(フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/アントワープ交響楽団)

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シューマン:交響曲第2番,第4番
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/アントワープ交響楽団
2018年6月18-20日, 2018年4月17-19日 ベルギー,アントワープ,エリザベート王妃記念音楽堂
PHI LPH 032 (P)(C)2019 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ヘレヴェッヘは1996年/2006年にシューマンの交響曲全集をピリオド楽器のオーケストラのシャンゼリゼ管弦楽団と録音しています。今回はモダン楽器のオーケストラです。Apple Musicで試聴してみました。これも録音についてのみコメントします。

残響は少し多めに取り入れられていて,しかも残響時間長めです。ですが,直接音もそれなりに感じられること,音色のバランスが絶妙に調整されていて曇りも少なく,高域の伸びもギリギリ確保されていることなどから,最初は「ん?」と思ったものの,聴き慣れるとまあ意外に聴けるというのが正直な感想です。弦楽器の質感が良いためかもしれません。好みの録音とはだいぶ違いますが,まあまあ許容範囲かなと思いました。この録音ならまぁ多くの人に受け入れられそうな気がします。音も滑らかで緻密であり,オーディオ品質も悪くありません。

残りの第1番,第3番も録音されて全曲盤となることを期待します。

エルガー:チェロ協奏曲,他(宮田大 Vc/トーマス・ダウスゴー指揮/BBCスコティッシュ交響楽団)

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エルガー:チェロ協奏曲,他
宮田大 Dai Miyata (Cello)
トーマス・ダウスゴー指揮/BBCスコティッシュ交響楽団
2019年8月25, 26日 グラスゴー,シティ・ホール
COCQ85473 (P)2019 BBC/NIPPON CLUMBIA CO., LTD (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicでの試聴。宮田氏は第74回日本音楽コンクール第一位,2009年の第9回ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで日本人として初優勝するなどのコンクール歴を持つ実力者とのこと。今回は録音についてのみコメントします。

で,その録音ですが,チェロの音は適度な距離感で明瞭に捉えられ,オーケストラよりも前に出る形で分離され協奏曲として好ましい録り方となっていますが,特に印象に残ったのはオーケストラの密度感とスケール感です。濃厚なオーケストラサウンドなのですが,暑苦しくならないギリギリのところを狙ったようであり,音色のバランス,自然さもまずまずといいうところです。それでいてチェロが埋もれることなくちゃんと聴こえてくるので,上手く録っていると思います。好みの録音とは少し違うのですが,これは上手くまとめていると思いました。良かったです。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集(ウート・ウーギ Vn/ラマール・クラウソン P)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
ウート・ウーギ Uto Ughi (Violin)
ラマール・クラウソン Lamar Crowson (Piano)
録音 1978年
19075956262 (P)(C)2019 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

イタリアを代表するヴァイオリニスト,ウート・ウーギによる全集。当初の発売はイタリア・リコルディで,今回初CD化とのことです。それにしてもこのアルテュール・グリュミオーを彷彿とさせるような(私だけ?)美音が素晴らしいです。こういう音色を出すヴァイオリニストは現代では少ないような気がします。この美音に触れられただけでも本当に良かった!と思える全集です。

録音ですが,曲により多少のばらつきがあるのですが,ヴァイオリンはかなりのオンマイクで,残響がほとんど感じられません。極めて明瞭でニュアンス豊かであり,楽器の質感も大変良く感じられ,このヴァイオリニストの美音を堪能するのにうってつけと言えます。一方で,ピアノは控えめで,ヴァイオリンが主,ピアノは従と,主従関係がはっきり分かれているような録り方です。私としてはヴァイオリンの音が良い捉えられ方なので問題ありませんが,ヴァイオリン・ソナタの録り方としてはちょっと極端であざといかなとは思います。

また,1978年の録音にしてはクオリティが今ひとつです。マスターテープの品質があまり良くない感じで,ブツブツというノイズや,ドロップアウトのような音の乱れがわずかではありますが感じられ,これだけが惜しいと言わざるをえません。

とはいえ,この貴重な録音がCD化されたのは喜ばしいことだと思います。

シベリウス:交響曲全集,他(コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集
コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団
1992-2000å¹´
88765431352 (P)2013 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

コリン・デイヴィスのシベリウス交響曲全集2回目の録音。1回目はボストン交響楽団でした。3回目は2002年から2008年にかけて同じロンドン交響楽団で録音されました。

収録曲は次の通りです。今回は主に交響曲についてのコメントです。

交響曲全集
クレルヴォ交響曲作品7
組曲「恋人」作品14
交響詩「伝説」作品9
4つの伝説曲作品22
交響詩「ポホヨラの娘」作品49
交響詩「吟遊詩人」作品64
「カレリア」組曲作品11
交響詩「大洋の女神」作品73
交響詩「フィンランディア」作品26
「悲しきワルツ」作品44-1
交響詩「タピオラ」作品112
交響詩「夜の騎行と日の出」作品55


演奏ですが,基本路線は1回目の録音と似ていますが,1回目がどちらかと言えばストレートであったのに対し,2回目はそれぞれの曲の表情の彫りが深くなっているように思います。そして3回目の録音とほぼ同じ印象です。1回目はそれはそれで素晴らしかったのですが,2回目は別の良さが出ています。再録音された理由がわかる気がします。

そして録音ですが,残響はあるものの,それぞれの楽器が明確に分離し,質感豊かに,適度なステージ感で聴こえること,高らかに鳴る金管を飽和感なく捉えていること,など,なかなか良いオーケストラ録音だと思いました。

演奏の質も高く,録音の品質も良好な,良い全集だと思いました。さすが「シベリウスの演奏をライフワークと位置づけてきた」というだけのことはありますね。この全集,入手困難ではないと思いますが,現役盤ではないような気がします。良い全集だと思いますので,現役盤復帰を願います。

ハイドン:弦楽四重奏曲集(ハンソン四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲集
ハンソン四重奏団 Quatuor Hanson
2018年11月, 2019年3月 Little Tribeca at Théâtre d'Arras
AP213 (P)(C)2019 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ハンソン四重奏団は2013年に結成された若手の四重奏団。2016年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位,同年のヨーゼフ・ハイドン室内音楽コンクール第2位などの実績があるようです。これがデビューCDとのことです。収録曲は次の通りです。

弦楽四重奏曲ニ長調作品50-6「蛙」
弦楽四重奏曲ニ短調作品76-2「五度」
弦楽四重奏曲ハ長調作品54-2
弦楽四重奏曲ト長調作品33-5
弦楽四重奏曲ヘ短調作品20-5
弦楽四重奏曲ヘ長調作品77-2


生き生きとした躍動感のある演奏が印象的です。ちょっと大げさなところもありますが,これくらいユーモアをもって演奏してくれた方がハイドンの音楽としては楽しいですね。これは良かったです。

そして録音ですが,少し残響を伴っていますが,直接音が主体であり,明瞭で楽器の質感も良く感じられます。高域の伸びも問題ありません。わずかな残響の付帯音がなければもっと良かったのにとは思いますが,それでも好録音です。

選曲からするとハイドンの録音は当面なさそうですね。この演奏ならエルデーディ四重奏曲作品76はまとめて聴きたかったなぁとちょっと残念に思いいます。今後の活躍に期待!

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲,他(ダニエル・ロサコヴィッチ Vn/ウラディーミル・スピヴァコフ指揮/ロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団)

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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35,他
ダニエル・ロザコヴィッチ Daniel Lozakovich (Violin)
ウラディーミル・スピヴァコフ指揮/ロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
2019年4月 モスクワ
483 6086 (P)2019 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

ダニエル・ロサコヴィッチは2001年スウェーデン生まれの若いヴァイオリニスト。収録曲は次の通りです。

ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
レンスキーのアリア(「エフゲニ・オネーギン」第2幕,アウアー編曲/マイケル・ロット管弦楽編曲)
ただ憧れを知る者のみが(6つのロマンス作品6より,ミッシャ・エルマン編曲)(*)
メロディ(なつかしい土地の思い出作品42 第3曲,エドゥアルト・ハーマン編曲)(*)
感傷的なワルツ(6つの小品作品51 第6曲)(*)
瞑想曲(なつかしい土地の思い出作品42 第1曲,アレクサンドル・グラズノフ編曲)
ワルツ・スケルツォ作品34

(*)スタニスラフ・ソロフィエフ(Piano)


なんというか風貌そのままに,往年の巨匠を彷彿とさせるヴィルトゥオーソ・スタイルですねぇ。チャイコフスキーの名協奏曲を朗々と歌い上げます。スマートな演奏をするヴァイオリニストが多い中,こういう自己主張の強いヴァイオリニストは貴重な気がします。これから先どのように成長していくのか楽しみです。

録音ですが,ソロがきちんとオーケストラから分離して前に出てくる点が良く,音質がやや中低域の支えが薄く,もう少ししっかりと捉えて欲しいところですが,明瞭感,質感もまずまずで悪くありません。オーケストラも左右に適切に広がりが持たせられていて,各楽器の分離,見通しも良く,オーケストラの録音としても良好です。協奏曲としてまずまずの好録音だと思います。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集Vol. 1(千住真理子 Vn/横山幸雄 Piano)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集Vol. 1
千住真理子 Mariko Senju (Violin)
横山幸雄 Yukio Yokoyama (Piano)
2019年6月 群馬県,笠懸野文化ホール
UCCY1101 (P)2019 Universal Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

これも2020年のベートーヴェン生誕250年に向けてのプロジェクトとのことです。このVol. 1は2枚組で,第1番,第2番,第3番,第9番「クロイツェル」,第10番が収録されています。それにしても...この美しくも危うい自由奔放なヴァイオリンを真面目で安定感抜群のピアノが一所懸命に支えるというこの構図が面白く楽しいですね。Vol. 2も楽しみです。

録音ですが,ヴァイオリンが少し前,ピアノが少し後に広がる位置関係で,残響は控えめなものの,やや距離感のあるこぢんまりした録音で,もう少し寄って質感豊かに録って欲しかったとは思うものの,ストレスなく聴きやすい録音ということで,少々オマケですが四つ星半としました。

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲,他(レオニダス・カヴァコス Vn/バイエルン放送交響楽団)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61,他
レオニダス・カヴァコス Leonidas Kavakos (Voilin)
バイエルン放送交響楽団
録音不明
19075929882 (P)2019 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。ディスクは2枚組で,収録曲は下記の通りです。

ヴァイオリン協奏曲に長調作品61
七重奏曲変ホ長調作品20
6つの民謡主題と変奏曲作品105より第3番
10の民謡主題と変奏曲作品107より第1番,第2番,第6番,第7番


今回はヴァイオリン協奏曲のみのコメントです。協奏曲は弾き振りのようです。この人のソロは少し線が細めで癖がなく,ガンガン攻めてくる主張の強いタイプではないので印象は弱めですが,美しく薫り高く,そしてオーケストラに良く調和していると思います。この人の美質が活かされた良い演奏だと思いました。

録音ですが,ソロが若干弱めで引っ込みがちであり,協奏曲のソロならもう少し質感を強く,前に出てくるように録って欲しかったところですが,それでもヴァイオリンの美音はそこそこ堪能出来るだけの明瞭感と音の伸びはあるので,少々オマケですが四つ星半の好録音としました。

ベルリオーズ:幻想交響曲(フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル)

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ベルリオーズ:幻想交響曲作品14
ベルリオーズ:序曲「宗教裁判官」作品3
フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル
2019年7月16,17日 アルフォールヴィル
HMM 902644 (P)2019 harmonia mundi (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ロト/レ・シエクルのベルリオーズ幻想交響曲は2009年にリリースされていて以前取り上げていました(→こちら)。これは10年ぶりの再録音となります。いずれもライヴ録音であり,表現の方向性はあまり変わっていないように思いましたが,オーケストラの表現力の向上が印象に残りました。特に中低音域の楽器の大胆でコクのある表現は前回録音から大幅に良くなっていると思いました。ヴァイオリンの透明感のある響きとは対照的で面白いです。

録音ですが,ホール音響をやや多めに取り込み,ライヴの雰囲気を感じさせますが,残響がやや楽器音に被りながらも生々しさが残っているため,意外に印象は悪くありません。私の好きな録音とは少し違いますが,良いと思いました。こういう残響の取り込み方ならギリギリOKというところでしょうか。

ブラームス:交響曲第1番,第3番(エドワード・ガードナー指揮/ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番,第3番
エドワード・ガードナー指揮/ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団
2018年10月2-5日 ノルウェー,ベルゲン,グリーグホール
CHSA 5236 (P)(C)2019 Chandos Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ブラームス交響曲全集プロジェクトの第一弾。演奏はオーソドックスで手堅い印象を受けました。録音せいもあると思いますが,力強く重厚で豊潤だけれども清廉さを失わない美しい響きをオーケストラからうまく引き出していると思います。

録音ですが,中低域の量感がものすごくあり,また全体に密度の高い,濃い録音です。オーディオ的にも情報量が豊富な録音だと思います。私としてはもう少しスッキリと見通しよく,また,高域のヌケを良くした方が好みではあるのですが,まぁまずまずというところでしょうか。再生装置の低域再生能力にも若干左右されると思いますが,低域が少し弱い再生装置の方がバランス良く聴こえるように思います。

今後のリリースも楽しみです。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集作品12(ジェームズ・エーネス Vn/アンドルー・アームストロング Piano)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集作品12
ジェイムズ・エーネス James Ehnes (Violin)
アンドルー・アームストロング Andrew Armstrong (Piano)
録音不明
ONIX 4177 (P)2019 PM Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicで試聴しました。ジェームズ・エーネスのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集は,2017年に発売された第9番「クロイツェル」&第6番が発売されていたので,これは第二弾になります。

それにしても...のっけからエーネス節全開だぁ! パールマンを彷彿とさせる独特の美音で奔放に歌いまくる演奏がなんと楽しいことか! これはベートーヴェンを聴くディスクではなく,エーネスの至芸を楽しむディスクですね。最高に楽しいです。

録音ですが,少し残響があってまとわりつきが気になりますが,直接音主体で明瞭感はあり,ニュアンスもきちんと伝わってくるので,演奏者の個性を楽しむには問題ありません。演出感が少しあるのが私としては不満なところですが,まあ十分許容範囲です。

今後のリリースも楽しみです。

シベリウス:交響曲全集,他(コリン・デイヴィス指揮/ボストン交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集,他
コリン・デイヴィス指揮/ボストン交響楽団
1975-80年 ボストン,シンフォニーホール
478 3696 (P)2012 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

コリン・デイヴィスはシベリウスの交響曲全集を3回録音しており,1回目が1975-1980年にボストン交響楽団,2回目は1992-2000年にロンドン交響楽団,そして3回目は2002-2008年に同じくロンドン交響楽団でした。これは1回目の録音です。収録曲は下記の通りです。

交響曲全集
交響詩「フィンランディア」作品28
交響詩「ポホヨラの娘」作品49
交響詩「タピオラ」作品112
トゥオネラの白鳥作品22-2
悲しきワルツ作品44-1
交響詩「伝説」作品9
「カレリア」組曲作品11
ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47(*)

(*)サルヴァトーレ・アッカルド(Violin),ロンドン交響楽団


今回は交響曲のみのコメントです。演奏は,シベリウスの交響曲のシンフォニックな側面をストレートに押し出したもので,もう少し情緒感が欲しいとも思いましたが(特に第6番),これはこれで大変充実した内容となっていると思います。

そして録音なのですが,残響はそれなりにあるものの,各楽器の質感をよく捉えており,明瞭感,分離感,音の伸びなど良好です。やや大人しめで特徴のある録音ではありませんが,欠点の少ないアナログ後期の好録音だと思います。

シューマン:交響曲第2番,第4番,他(ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/ロンドン交響楽団)

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シューマン:交響曲第2番,第4番,序曲「ゲノフェーファ」
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/ロンドン交響楽団
2018年3月12日, 3月16日 ロンドン,バービカン・ホール
LSO0818 (P)2019 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ガーディナー指揮ロンドン交響楽団のシューマン交響曲全曲録音プロジェクトの第一弾とのことです。ガーディナーは1997年にオルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティークと全曲録音していますので20年以上ぶりとなります。第4番は1841年のオリジナル版で演奏しているとのことです。ロンドン交響楽団はモダン楽器オーケストラですが,弦楽器の響きがノンヴィブラートのようであり,それが独自の効果を出していてガーディナーらしさが出ているのではないかと思います。キレの良い推進力のある音楽作りも良いですね。

録音ですが,残響はそれなりにあるものの,響きはタイトに締まり,楽器音へのまとわりつきが少なく,明瞭で伸びがあり,見通しも良いと思います。ちょっと高域はきつめかもしれません。この録音も先日取り上げたシャイーのR. シュトラウスのようにフォルテの平均音圧が高めで,こういうマスタリングが普通になってきたのでしょうか。まあ違和感もそれほどなく許容できるかなと思います。

これは全曲録音完成が楽しみになってきました。期待して待ちたいと思います。

R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」「死と変容」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」(リッカルド・シャイー指揮/ルツェルン祝祭管弦楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
R. シュトラウス:交響詩「死と変容」作品24
R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」作品28
R. シュトラウス:7つのヴェールの踊り(「サロメ」作品54より)
リッカルド・シャイー指揮/ルツェルン祝祭管弦楽団
2017年8月11,12日 ルツェルン,ルツェルン文化会議センター
483 3080 (P)(C)2019 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicで試聴して録音が好みだと思えたので購入することにしました。今回は録音のみのコメントです。

録音は残響少なめで,直接音を主体に各楽器をクッキリと輝きのある音で描き出しているのが特長です。音に伸びがあり曇りがないのも良いです。オーケストラの録音としてほぼ不満なく良いと思います。

そしてもう一つ特徴的なのがフォルテの鳴り感です。もしかしたら昨今叩かれることもある(^^;音圧競争のテクニックを使ってフォルテの平均音圧を上げているのでは?と思ってしまいます。実際のところはわからないのですが,もし使っていたとしてもこれくらいなら許容範囲かと思いますし,多少のダイナミックレンジ圧縮は違和感のない範囲でうまく使う分には悪くないと思っています。

ということで,R. シュトラウスの管弦楽曲を気持ち良く聴くことのできる好録音でした。ツァラトゥストラは好きな曲なのでじっくりと楽しみたいと思います。

ジェミニアーニ:合奏協奏曲集作品7(カフェ・ツィマーマン)

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ジェミニアーニ:合奏協奏曲集作品7
カフェ・ツィマーマン Café Zimmermann
録音2017年9月 エクス=アン=プロヴァンス,ダリウス・ミヨー音楽院,カンプラ・オーディトリアム
ALPHA 396 (P)(C)2018 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

カフェ・ツィマーマンのディスクは以前「バッハ:さまざまな楽器による協奏曲集」を取り上げていました。演奏が良かったのはもちろんのこと,録音が大変よく,今でも時々引っ張り出してきては聴く愛聴盤になっています。このディスクも録音の良さを期待して久しぶりに購入しましたが,期待を裏切らない好録音でした。さすがαレーベル。

残響が多めで少し私の好みからは外れるのですが,直接音と残響とのバランスが良く,楽器音をほとんど損ねることなく美しく響きます。楽器音も明瞭で高域まで伸びがあり,音の輝きを保っています。好録音ですが,優秀録音でもあると言えるのではないでしょうか。

ジェミニアーニの作品は今まであまり聴いていないので,この機会にじっくりと聴いてみたいと思います。

ハイドン:弦楽四重奏曲集作品64「第2トスト四重奏曲集」,作品71, 74「アポニー四重奏曲集」(ロンドン・ハイドン四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲集作品64「第2トスト四重奏曲集」
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
2017年12月5日-10日 ポットン・ホール(サフォーク)
CDA68221 (P)(C)2018 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品71, 74「アポニー四重奏曲集」
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
2018年10月1-6日 ポットン・ホール(サフォーク)
CDA68230 (P)(C)2019 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

弦楽四重奏曲全集への第七弾と第八弾。作品9,作品17,作品20,作品33,作品50,作品54,作品55はレビュー済み,作品64も以前取り上げていましたが,今回一つのレビューにまとめます。このプロジェクトも着々と進み,いよいよ大詰めに来ました。

演奏の内容はこれまでにリリースされている楽曲と基本的に変わりません。ピリオド楽器による演奏ですが,弦に吸い付くような弓遣いで密度の高い響きを創り出しているのが印象に残ります。楽器をたっぷりと鳴らすのでどちらかといえばテンポは遅めです。そして,結構揺れるのですが,自然な呼吸感で歌っているので違和感がありません。ピリオド楽器の良い面を活かしていると思います。技術的にも優れており,完成度の高い音楽に仕上げていて,全集を目指すにふさわしい内容となっていると思います。

録音ですが,若干残響のまとわりつきが気になるものの,音の伸び,楽器の質感など申し分なく,演出感の少ない生録的な音作りも好感が持てます。ちょっと濃厚すぎる感はありますが,間違いなく好録音です。

次はいよいよ作品76「エルデーディ四重奏曲集」ですね。本当に楽しみです。

エルガー:チェロ協奏曲,ため息,ピアノ五重奏曲(マリー=エリザベス・ヘッカー Vc/エド・デ・ワールト指揮/アントワープ交響楽団)

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エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85
エルガー:ため息作品70
エルガー:ピアノ五重奏曲イ短調作品84
マリー=エリザベス・ヘッカー Marie-Elisabeth Hecker (Cello)
エド・デ・ワールト指揮/アントワープ交響楽団,他
録音 2016年
ALPHA 283 (P)(C)2017 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Twitterである方が好録音と紹介されていたのでApple Musicで聴いてみました。聴いたのはチェロ協奏曲のみですが,若干ソロに残響が被って影響を受けているものの,チェロの艶やかな音色をしっかりと捉えていて確かに良かったです。オーケストラとのバランスにおいても,少しチェロにフォーカスされていて,協奏曲の録音として好ましいと思います。ご紹介有り難うございました。

マリー=エリザベス・ヘッカーは1987年ドイツ生まれとのことで,まだまだ若手です。ペーター・ブルンズ,ハインリヒ・シフに学び,2005年の第8回ロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールでは第一位と2つの特別賞を得たという実力者とのことです。

このエルガーの協奏曲は演奏も録音も良いので,同曲の愛聴盤となりそうです。音源を購入しようと思ったのですが,e-onkyoにはなく,HDtracksにあったので,これを入手するか,ディスクを買うか,ちょっと悩みます。

(記2019/9/23)



e-onkyoで取り扱いされていました。チェリスト名ではなく指揮者名で検索しないと出てこなかったようです。情報ありがとうございました。

(記2019/9/29)

ハイドン,モーツァルト,シューベルト:弦楽四重奏曲集(アキロン四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲ハ長調作品20-2
モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番ト長調K.387
シューベルト:弦楽四重奏曲第12番ハ短調D.703「四重奏断章」
アキロン四重奏団 Quatuor Akilone
2017年10月30日-11月3日 パリ音楽院
MIR388 (P)(C)2018 Mirare (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。アキロン四重奏団は2011年にパリで結成され,第8回ボルドー国際弦楽四重奏コンクール優勝したという,女性4人による若い弦楽四重奏団です。最近ディスクがリリースされる若手の四重奏団はいずれも上手いのですが,この団体も上手いですね。現代的で洗練された表現力を持っています。アンサンブルも優れていると思います。今後の活躍に期待します。

録音ですが,どのような会場で録音されたのかはよくわからないですが,残響感はほとんどなく,個々の楽器を明瞭に分離良く質感豊かに捉えています。高域のヌケも問題ありません。少し中高域に偏った腰高な印象ではありますが,間近で聴いているような生々しさ,リアルさがあって良いと思います。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集(ヤン・リシエツキ Piano/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)

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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ヤン・リシエツキ Jan Lisiecki (Piano and musical direction)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
Konzerthaus Berlin, 12/2018
00289 483 7637 (P)2019 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

このジャケットデザインからすると,2020年のベートーヴェン生誕250年に向けたアニバーサリー企画盤ではないかと思います。Apple Musicで聴いて録音に興味を持ったため,ディスク購入しました(ハイレゾ音源とどちらにするか迷いましたが,値段に負けました...)。ベルリンのコンツェルトハウスで行われた演奏会のライヴ録音。

それでその録音なのですが,ソロは若干の残響を伴っていてわずかに影響を受けていますが,オーケストラとのバランスにおいてもやや前に張り出すような録り方になっていて,演出感少なめでライヴらしい自然さをもって聴こえてくるところに好感を持ちました。

オーケストラも残響が少し多めに入っていますが,直接音主体に引き締まったサウンドに仕上げていて,こちらもまずまず良好です。

しかし,少し気になったのが,平均音圧がやや高めに設定されていることです。そしてフォルテのところではわずかに飽和感があり,ダイナミックレンジが圧縮されたような不自然さと独特の歪み感,やかましさがあるように思いました。気のせいであればいいのですが。

なお,私自身は音楽を聴きやすくするためのダイナミックレンジ圧縮や多少の誇張はあってもかまわないと思っています。それで楽しく聴けるのであればむしろ歓迎です。ただ,良く吟味して効果的にやって欲しいと思う次第です。

ということで,録音に関してちょっと?のところもありますが,違和感はギリギリ許容範囲,トータルとしてプラスであり,好録音であると思いました。あとはじっくり演奏を楽しみたいと思います。

シベリウス:交響曲全集,他(サカリ・オラモ指揮/バーミンガム市交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集,他
サカリ・オラモ指揮/バーミンガム市交響楽団
録音 2000-2003年
2564 60294-2 (P)(C)2003 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

フィンランド出身のサカリ・オラモが30歳代後半に録音したシベリウスの全集。推進力があり壮大な響きをオーケストラから引き出していますが,どちらかといえばスッキリとしてすがすがしく,若手らしい意欲と丁寧で謙虚さのある良い演奏だと思いました。

録音ですが,少しマイクポイントが遠めなのか,全体のまとまりを重視したような録音になっていて各楽器の質感や分離感はやや希薄です。私としてはもう少し生々しい質感が欲しかったところですが,残響が控えめに抑えられていますので,それでも聴きやすい録音になっていると思いました。こういう録音は少し大きめの音量で聴くとすごく良い感じに聴くことができます。ちょっとオマケかなと思いましたが四つ星半の好録音としました。

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」(チョン・ミュンフン指揮/シュターツカペレ・ドレスデン)

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
チョン・ミュンフン指揮/シュターツカペレ・ドレスデン
2004年11月27日 ドレスデン,ゼンパーオーパー
PH15050 (C)2004 MDR KULTUR (P)2016 Profil Medien (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

シュターツカペレ・ドレスデンのベートーヴェンということで思わず手が出てしまいました(^^;。拍手の入るライヴ録音。第1楽章,第2楽章は比較的落ち着いたトーンで進行するのですが,第3楽章から徐々に弾けてきて,第4楽章はかなり攻めた熱い演奏です。オーケストラも指揮者の要求に応えて良くついていっています。なかなか良かったです。

録音ですが,残響はやや多めですが,直接音がそこそこ感じられ,また,響きが比較的スッキリしているので残響量の割にスッキリとしていて,音色の崩れもあまりありません。弦楽器を始め,各楽器の質感が良好なのも好印象です。密度の高い録音ですが,上手くまとめています。演出感が少なくライヴらしい自然さがあるのも良いです。好録音です。

ホルスト:組曲「惑星」,エルガー:エニグマ変奏曲(アンドルー・リットン指揮/ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団)

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エルガー:エニグマ変奏曲作品36
ホルスト:組曲「惑星」作品32
アンドルー・リットン指揮/ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団
2013年6月, 2017年2月 ノルウェー,ベルゲン,グリーグ・ホール
BIS-2068|SACD (P)(C)2019 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music,e-onkyo

Apple Musicでホルストのみの試聴です。今回は録音のみコメントします。

少しホールトーンが強めに取り込まれていますが,直接音主体で音のキレがあり,この点は好印象です。ただやはりホールトーンの影響か音色は詰まった感じで伸び,ヌケが思ったよりもありません。ダイナミックで迫力があり,密度感もありますが,音場の広がり,奥行き感は今ひとつの印象です。前に張り出す金管に対して,弦楽器がやや負けていて引っ込み気味に感じられました。もう少し弦楽器の質感を強めに出して欲しかったところです。

とまあいろいろ不満はあるものの,今どきの優秀録音の傾向なのかもしれません。私の好みとは少し離れてはいますが,この曲にふさわしい良い点も多くあったので,少しオマケと思いつつ四つ星半の好録音としました。
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