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テレマン: 無伴奏フルートのための12のファンタジア(フランソワ・ラザレヴィチ)

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テレマン: 無伴奏フルートのための12のファンタジア
フランソワ・ラザレヴィチ François Lazarevitch (Flute)
5-7 May 2016 at the Chapelle Notre Dame de Bon Secours, Paris
ALPHA 267 (P)(C)2016 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

前エントリに続き私の好きな録音の多いαレーベルからもう一つ。これも録音のみのコメントです。

これも相当残響が多く,しかも残響時間がかなり長いです。残響のピークが少し遅れてやってくる感じすらします。やはり私の好きなタイプの録音とは異なるのですが,楽器の直接音が主体であり,質感も良く感じられ,これだけ残響があるにも関わらず音色への影響が少ないので,印象が悪くありません。残響の質もまずまず良く心地よい空間性の演出に寄与しています。オーディオ品質も良好です。

こういう録り方をしてくれるのであれば残響も悪くないなと思います。ただ,ソロ楽器だから良いと思えるのかもしれません。

Jethro Tull - The String Quartets

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Jethro Tull - The String Quartets
ジェスロ・タル Jethro Tull
ADA 5053.825747 (P)(C)2017 BMG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

ジェスロ・タルは1967年に結成され,2011年頃まで活動していたイギリスのロックバンド。その中心メンバーであったイアン・アンダーソン(Ian Anderson)と2007年から参加しているジョン・オハラ(John O'Hara)がバンドの楽曲を弦楽四重奏に編曲して制作されたアルバム。弦楽四重奏はアイルランドのカルドゥッチ四重奏団が担当,イアン・アンダーソンはヴォーカル,フルート,マンドリン,ジョン・オハラはピアノ,チェレスタで参加,編曲(オーケストレーションと記載されている)はジョン・オハラが担当したとのこと。

イアン・アンダーソンはバンドでもフルートを担当,ロックでフルートとは珍しいと思うのですが,イギリスのトラッドをルーツとしているのか,不思議と違和感がありません。プログレッシブ・ロックのジャンルに入るらしいのですが,私の印象はトラッドのロック版で,パトリック・ストリートを想起させるような楽曲もあり,親しみを持ちました。私は全くこのバンドの存在を知りませんでしたが,イギリスでは結構有名なバンドのようですね。

ロックの弦楽四重奏曲への編曲ですが,編曲はどちらかといえばクラシカルなのですが,素直でありトラッドに回帰していったというような趣もあり,また,ケイト・ブッシュ的な不思議な雰囲気もあって面白いと思いました。下手にロック・テイストを出そうとしていないところも良いですね。

録音は教会で行われたようですが,直接音が主体で響きは適度に抑えられており,明瞭で聴きやすく仕上がっています。ポピュラー音楽の録音のやり方が持ち込まれているのだと思います。でもこの音作りなら教会ではなくスタジオで録っても良いんじゃないかなとは思いますけどね。

Apple Musicでオルフェウス室内管弦楽団のヴィヴァルディ協奏曲集を聴く

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ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」
ギル・シャハム Gil Shaham (Violin)
オルフェウス室内管弦楽団
1993年12月 ニューヨーク州立大学
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music
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ヴィヴァルディ:フルート協奏曲集作品10
パトリック・ガロワ Patrick Gallois (Flute)
オルフェウス室内管弦楽団
1992年12月 ニューヨーク
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music
オルフェウス室内管弦楽団の録音は演奏も録音も比較的私の好みに合うものが多いこともあってよく聴きます。この2つのヴィヴァルディの協奏曲集は聴いたことがなく,たまたまApple Musicにあるのを見つけたので聴いてみました。

これらのディスクでは,ギル・シャハムとパトリック・ガロワという一流のソリストが主役ですが,私にとってはオルフェウス室内管弦楽団が主役。そして,その期待に見事に応えてくれています。バロックの名曲をモダンな感性で新たな生命を吹き込んで聴かせてくれます。(といってももう20年以上前の録音なんですね... 最近モダン楽器でこういうバロックの録音をしてくれる団体がほとんどないのが本当に残念です。)

そして録音がまた秀逸なのです。残響感はありますが,具体的なホールをイメージさせるものではなく,音楽に潤いを与える役割を担っています。ほとんど音を濁しておらず,マイナス要素が少ない残響の取り入れ方になっています。明瞭感,解像感,楽器の分離,見通しの良さ,どれを取ってもそこそこ良好。そして何より音が綺麗なのが良く,引き締まったサウンドと相まって魅力的な音響を実現しています。

一方で演出感,誇張は多少あり,自然さに欠け実在感が希薄な面はあるかもしれません。しかし,楽器の音色は大切に扱われており,そういった欠点を覆い隠すのに十分な魅力を備えていると感じました。間違いなく好録音です。

なお,シャハムの四季はまだディスクを入手しやすいようですが,ガロワのフルート協奏曲集の方は現役盤がないようです。Apple Musicがなければこの音楽に接することはなかったであろうと思います。Apple Musicいいですね。役に立ってます。
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