無伴奏リコーダーによる6つの編曲集(フランシス・コルプロン)

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無伴奏リコーダーによる6つの編曲集 Six Transcriptions
フランシス・コルプロン Francis Colpron (Recorder)
2013年4月 ケベック,ミラベル,サン・トギュスタン教会
ACD22677 (P)2014 ATMA Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考; Tower RecordsAmazonHMV Onlineicone-onkyoApple Music

無伴奏ヴァイオリンのための作品,ほかをリコーダーに編曲したものとのことで,以下の曲を収録しています。

パガニーニ:無伴奏ヴァイオリンのためのカプリース第24番
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジア第8番
マラン・マレ:スペインのフォリアによる変奏曲
バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータBWV.1013
タルティーニ:コレッリの主題による変奏曲Op.5-10
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジア第4番

リコーダーというと私はほとんどミカラ・ペトリしか聴いたことがなかったのですが(あと栗コーダー・カルテットくらい(^^;),この人もとても上手いですね。キレのある発音,透明感のある音色,リコーダーという楽器の表現力の幅広さに感心します。私としてはヴァイオリンで聴き慣れたテレマンのファンタジアが特に良かったです。

そして録音なのですが,残響が多く残響時間も長く,楽器音への影響はかなりあるものの,直接音もしっかりと捉えられていて,楽器そのものの透明感ある音色が上手く録られていると思います。私としてはもちろん残響をもっと抑えてクリアに録って欲しいとは思いますが,残響の質も取り入れ方もこれなら悪くないと思いますし,響きの心地よさも幾分あるかなと。残響を取り入れるなら一つの好例ではないかと思います。私の望む録音とは方向が違いますが,五つ星評価です。

イタリア・バロック・リコーダーソナタ集(ミカラ・ペトリ/ジョージ・マルコム)

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イタリア・バロック・リコーダーソナタ集
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
ジョージ・マルコム George Malcolm (Harpsichord)
1984年6月16-18日 ロンドン,ヘンリーウッドホール
PHCP-3633 (C)Philips Classics (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store
イタリアのバロック作曲家の作品を演奏しています。収録曲は以下の通りです。

ヴィヴァルディ:「忠実な羊飼い」作品13より ソナタ第6番 ト長調 RV58
コレッリ:ソナタ ハ長調 作品5-9
ビガグリア:ソナタ イ短調
ボノンチーニ:室内ディベルティメント第6番 ハ短調
G. サンマルティーニ:ソナタ ト長調 作品13-4
マルチェッロ:ソナタ ヘ長調 作品2-1

G. サンマルティーニとコレッリの作品が特に好きですね。ミカラ・ペトリの澄んだリコーダーの音色,溌剌と活き活きとした若々しい音楽がとても素敵です。

今まであまり意識していなかったのですが,私の認識ではペトリのリコーダーは「モダン」です。ペトリの録音では特に1980年代前半にアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズと残した多くのバロック・リコーダー協奏曲が,モダンの感性で新たな生命を吹き込んだものとして私の中で特別な存在となっています。このソナタ集もそれに加わるものとして長年愛聴しています。

そしてこのフィリップスの録音がまたペトリのリコーダーの長所を良く捉えていて秀逸ですね。残響を抑え適切な距離感で透明感ある音色で質感豊に録っています。ペトリの素晴らしいリコーダーがこのような良好な録音で残されたことを本当に嬉しく思います。

これらのフィリップス録音はオリジナルのものはすでに廃盤になっていますが,ボックスセット等で何とか生き残っていますね。

ペトリは現在も新譜をリリースしており,まだまだ現役で活躍されているのは嬉しい限りですが,録音に関して言うと,彼女の澄んだ音色をクリアに捉えているとは言えず,欲求不満が残るものが多くて残念でなりません。

ミカラ・ペトリのヴィヴァルディ:ソプラニーノ・リコーダー協奏曲ハ長調RV443 4種を聴き比べる

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リコーダー協奏曲集
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
アイオナ・ブラウン指揮/アカデミー室内管弦楽団
1980年7月 ロンドン
32CD-42(400 075-2) (P)1980 (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」作品8(リコーダー版)
ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲ハ長調RV443
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
ジョージ・マルコム/ギルドホール弦楽アンサンブル
July 13, 14 and 15, 1987 in Henry Wood Hall, London
R32C-1121(6656-2-RC) (P)1988 BMGビクター株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.comAmazon.co.uk
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ヴィヴァルディ:協奏曲集
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
クラウディオ・シモーネ指揮/イ・ソリスティ・ヴェネティ
May 23-26, 1988, in the Duomo Vecchio, Monselice, Italy
R32C-1196 (P)1990 BMG MUSIC (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ミカラ・ペトリ 50歳誕生日記念コンサート
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
クレメラータ・バルティカ
Tivoli Garden Concert Hall, July 7, 2008
8.226905 (P)(C)2008 OUR Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
ミカラ・ペトリが演奏するヴィヴァルディ:ソプラニーノ・リコーダー協奏曲ハ長調RV443を収録したディスクを集めてみました。リコーダー協奏曲の中でも特に好きな曲です。今のところ私が知る限り上記の4枚があります。

1980年録音のPHILIPS盤は以前にも取り上げた愛聴盤です(→こちら)。純粋無垢で子供のように無邪気にはね回るような素晴らしい演奏です。そしてその澄んだ音色を極めて明瞭に捉えた録音も素晴らしいです。オーディオ製品の試聴をするときに真っ先に聴く曲の一つです。もう何百回聴いたかわかりません。単独での現役盤はないようですが,参考に挙げたボックスセットに収録されてなんとか残っているのはうれしいです。

1987年と1988年とRCAに立て続けに録音されたものは,演奏はよりアグレッシブに前向きでいいのですが,PHILIPS盤と比べると録音に透明感がないのが残念です。1988年の方はバックの弦楽アンサンブルが流麗で他のものとは全体の趣がだいぶ異なりこれはこれで面白いと思います。1987年の方は現役盤はないようです(四季はボックスセットに収録されています)。1988年の方がボックスセットに収録されています。

50歳の記念に催されたコンサートでのライヴ録音は,前の録音から20年経っていますが,技術力はそのままに表現力にさらに磨きがかかっているという印象です(若い頃の演奏はそれはそれで素晴らしいのですが)。クメラータ・バルティカのバックも変化に富んでいて面白いです(ちょっと鼻につくところはありますが(^^;)。演奏は良いのですが,残念ながら録音が良くありません。直接音よりもホールの響きが勝っていて音色がくすんでしまっています。これは残念でなりません。

改めて聴き比べてみて,演奏はそれぞれに良いところがあって甲乙付けがたいところですが,録音の良さでやっぱり1980年録音のものがトータルとして一番という結果でした。そろそろ最新のクオリティで再録音してくれないかな,と思うのですが...技術が衰える前にぜひ。

それにしても,女性なのに年齢を前面に出した記念コンサートが出来るとは...さすがミカラ・ペトリ!(でも最近急にお年を召された感じがしますね,公式Webサイトを見ると...)

最後に,この記念コンサートのライヴ映像と思われる動画が公開されていましたので貼り付けておきます。

ミカラ・ペトリのヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」リコーダー版2種

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ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」作品8(リコーダー版)
ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲ハ長調RV443
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
ジョージ・マルコム/ギルドホール弦楽アンサンブル
July 13, 14 and 15, 1987 in Henry Wood Hall, London
R32C-1121(6656-2-RC) (P)1988 BMGビクター株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records

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ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」作品8(リコーダー版)
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ作品28
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
Konserthuset Orebro, Sweden, June 2005
TOCE-55817 (P)(C)2006 東芝EMI株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records

ちょっとキワモノではありますが... ミカラ・ペトリのヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」リコーダー版に少なくとも2種類あるのは知っていたのですが,ジョージ・マルコム/ギルドホール弦楽アンサンブルの旧録音の方しか持っていませんでした。最近,突如聴きたくなり,新録音も入手して聴き比べてみました。いずれも何本かのリコーダーを持ち替えて演奏されています。

1987年旧録音の方は若々しく弾けるストレートな演奏が魅力的ですが即興的なところはあまりありません。一方で2005年新録音の方は表現力が格段にアップし遊び心も加わっています。バックは,旧録音はキレのあるコントラストのはっきりした躍動的なアンサンブルが良く,新録音は無段階に自在に変化するアグレッシブな表現が素晴らしい。また,旧録音はリコーダーの音程がやや上擦り気味,逆に新録音はやや低めに取られているようでわずかに気持ち悪さを感じるときがあります。

旧録音のピチピチした演奏も捨てがたいのですが,総合的にはやはり新録音の方が面白いですね。

録音ですが,旧録音はバックの弦楽器を骨太に捉えているのが良いのですが,肝心のリコーダーは響きが被って音が濁り気味です。新録音はリコーダーは透明感があり,ソロにフォーカスされて協奏曲としては聴きやすく良好と言えますが,バックの弦楽器がやや奥まって質感が弱く,全体のサウンドとしては少し魅力が薄い気がします。

旧録音の方は少し前にボックスで復刻されましたが,新録音の方は廃盤になっているようで,入手性が良くないのが残念です。

それにしても,EMIから,しかもそれがダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団だったとは...

ミカラ・ペトリ:リコーダー協奏曲集

cover picture (a) cover picture (b) cover picture (c)

(a) リコーダー協奏曲集
ヴィヴァルディ:ソプラニーノ・リコーダーのための協奏曲 ハ長調 RV.443
G.サマルティーニ:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ヘ長調
テレマン:アルト・リコーダーのための協奏曲 ハ長調
ヘンデル:アルト・リコーダーのための協奏曲 ヘ長調 作品4の5
日本語解説書の記載:1979.6.26-27, Henry Wood Hall
オリジナルの解説書の記載:London, 7/1980
Philips 32CD-42(400 075-2) (C)1980 Phonogram International (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★★

(b) リコーダー協奏曲集
ベイベル:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ハ長調 作品3の1
ヘンデル:アルト・リコーダーのための協奏曲 変ロ長調 作品4の6
バスタン:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲第二番 ニ長調
ジェイコブ:アルト・リコーダーのための組曲
1982年6月20-30日,ロンドン
Philips 32CD-433(411 056-2) (C)1983 Phonogram International (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★★

(c) リコーダー協奏曲集
マルチェッロ:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ニ短調
ヴィヴァルディ:ソプラニーノ・リコーダーのための協奏曲 ハ長調 RV.444
テレマン:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ヘ長調
ノード:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ト長調 作品17の5
1984年6月8-10日,ロンドン,ヘンリー・ウッド・ホール
Philips 32CD-211(412 630-2) (C)1985 Phonogram International (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★★

ミカラ・ペトリ(Michala Petri)(Recorder)
アイオナ・ブラウン(Iona Brown)(Conductor)(a)
ケネス・シリート(Kenneth Sillito)(Conductor)(b)(c)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(Academy of St Martin in the Fields)

参考url: オフィシャルWebサイトHMV Onlineicon

ミカラ・ペトリの初期の頃の協奏曲集です。完璧な技巧に加えて純粋無垢で透明な音色は何物にも代え難い魅力があります。もう何も言うことはありません。やっぱり特に素晴らしいのはソプラニーノ・リコーダーで演奏される(a)のヴィヴァルディです。曲も良いし演奏も最高! もう何百回聴いたかわかりません。あとは,親しみやすいメロディーが印象的な(a)のサマルティーニ,短いながらも愛らしい佳作の(b)のベイベル,楽しさ溢れる(c)のノード,などが気に入っています。

そしてこれらの録音がまた最高に良いのです。わずかに感じられる残響もほとんど邪魔にならず,リコーダーの澄んだ音色を余すところなく捉えているほか,バックの弦楽器も明瞭かつ自然な音でリコーダーの音を支えています。もう30年近く前の録音なんですねぇ...昔のフィリップスの録音は本当に良かった...(←年寄り臭いですなぁ) 好録音度は文句なしに最高です。

ということで,これらのCDは長い間私の愛聴盤になっています。

これらのCDは単体では現役盤はないようですが,リコーダー・ソナタ集と組み合わせた4枚組の企画盤「ミカラ・ペトリ:リコーダーの芸術」というセットが出ているようです(→HMV Onlineicon)。