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ケルテス指揮ウィーン・フィルのドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」...再び

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ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲,交響詩「モルダウ」
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(5曲)
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
1961年3月22-24日 ウィーン,ゾフィエンザール
1962年3月25日-4月30日 テルアヴィヴ
PROC-2398 (P)1961/1963 Decca Music Group (国内盤)
TOWER RECORDS Vintage SA-CD Collection Vol. 33 (2023年リマスタリング)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤。ドヴォルザークの交響曲第9番のみのコメントです。このディスクについては過去2買い取り上げていました(1回目,2回目)。昨年末にタワーレコードの企画盤として2023年の最新リマスタリング盤が発売になりましたので,改めて聴いてみました。

録音については過去取り上げてきたとおりの素晴らしさで評価は変わりません。多くの方が認めておられる優秀な録音と思っていますが,現代の多くの録音では見習われていないですよね。残念なことです。

なお,やはり古い録音なので,最新リマスタリングとはいえ音色の古さ,クオリティは時代なりと思います。この点ご承知おきください。

シベリウス:交響曲第4番,森の精,悲しきワルツ(サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮/エーテボリ交響楽団)

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シベリウス:交響曲第4番イ短調作品63
森の精作品15
悲しきワルツ作品44
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮/エーテボリ交響楽団
2021年11月, 2023年3月, 2022年6月スウェーデン,エーテボリ・コンサート・ホール
ALPHA 1008 (P)(C)2023 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

ロウヴァリ指揮/エーテボリ響のシベリウスは今まで第1番,第2番,第3番,第5番を取り上げてきました。これが第四弾になります。

シベリウスの第4番は私としては最も取っつきにくかった作品ですが,最近ようやく抵抗なく聴けるようになってきました。第三楽章まではひたすらモノトーンの世界が続き,第四楽章でようやく色が差してくるという印象の曲で,この演奏でもその印象は変わりません。第三弾までの演奏が比較的ダイナミックに表現されてきたと思うのですが,この演奏ではダイナミックさはあれどどこか淡々としたところがあり,モノトーンの階調が繊細にコントロールされているイメージでした。第4番をより強く印象づける演奏だと感じました。

録音ですが,基本的には今までの録音と統一感があります。ただ曲が曲なので少しくすんだように聴こえます。良いという感じがあまりしないのですが,悪くないと思います。(変なコメントですみません)

シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43(沖澤のどか指揮/読売日本交響楽団)

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シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
沖澤のどか指揮/読売日本交響楽団
2021年10月9,10日 東京芸術劇場
COCQ85619 (P)(C)2023 日本コロムビア (国内盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

2018年東京国際音楽コンクール優勝,2019年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝,その後内外の著名なオーケストラとの競演で注目を集める若手指揮者のデビュー盤。この有名な名曲をスケールの大きい雄大な表現で聴かせてくれますね。

で,私がこのディスクを取り上げたのはその録音の良さです。残響が適度に抑えられている点はもちろんですが,音色に癖がなくスッキリしていること,各楽器に適度にフォーカス,誇張され聴きやすく捉えられていること,飽和感のないフォルテの鳴り感が素晴らしいこと(おそらく波形のピークを抑えつつ音量確保する処理がなされていると思います),弦楽器の質感が良く好ましいこと,など,好きな点が多いです。こういう録音は聴いていて本当に楽しいです。一方やや誇張した音作りになっているので,ホールの自然な音響からは少し外れているかもしれません。ですので,人により評価は分かれるかもしれません。

演奏も録音も良かったので,今後のリリースにも期待したいと思います。

ブルックナー:交響曲第2番 (1872年 第1稿 キャラガン版)(マルクス・ポシュナー指揮/ウィーン放送交響楽団)

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ブルックナー:交響曲第2番 (1872年 第1稿 キャラガン版)
マルクス・ポシュナー指揮/ウィーン放送交響楽団
2023年4月11,12,14日 ウィーン,放送文化会館
C8093 (P)(C)2024 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

2024年のブルックナーの生誕200年にあたり,これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画「#bruckner2024」の第12弾。これまで第11弾まで取り上げてきました(下記リスト参照)。この企画ではリンツ・ブルックナー管弦楽団とウィーン放送交響楽団が起用されていますが,今回はウィーン放送交響楽団です。

毎回のことですが...この第2番も今まであまり聴いてこなかった曲なのでこの機会にじっくり聴いてみたいと思います。

録音についてもこれまでと同様で,シリーズとして今まで発売されてきたものと基本的には統一感があります。ホールトーンを多めに取り入れているのですがもう少し抑え気味してほしいとは思うものの,良好な部類には入ると思いましたので四つ星半の好録音としました。

これまでに発売されてきたものと今後予定されているものを挙げておきます。解説書のリストと指揮者のポシュナー氏のWebサイトも参考にしています。全部で19のバージョンのリリースが予定されています。次の第13弾は第3番(1889年 第3稿 ノヴァーク版)のようです。

【#bruckner2024】
[未]交響曲第00番 (1863年 ノヴァーク版)
交響曲第0番(1869年 ノヴァーク版)
交響曲第1番 (1868年 第1稿 レーダー版)
[未]交響曲第1番 (1891年)
[今回]交響曲第2番(1872年 第1稿 キャラガン版)
交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)
交響曲第3番(1873年 初稿/ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1877年 ノヴァーク版)
[次]交響曲第3番 (1889年 ノヴァーク版)
交響曲第4番(1876年 第1稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878-80年 第2稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878年稿フィナーレ「民衆の祭り」
交響曲第4番(1888年 第3稿 コーストヴェット版)
交響曲第5番 (1878年 ノヴァーク版)
交響曲第6番 (1881年)
[未]交響曲第7番 (1883年)
交響曲第8番(1887年 第1稿 ホークショー版)
交響曲第8番(1890年 ノーヴァク版)
[未]交響曲第9番 (1894年 ノヴァーク版)

チャイコフスキー:交響曲第5番,第6番「悲愴」(マルクス・ポシュナー指揮/スイス・イタリア語放送管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第5番,第6番「悲愴」
マルクス・ポシュナー指揮/スイス・イタリア語放送管弦楽団
2021年8月, 2022年10月 スイス,ルガーノ,オーディトリオ・ステリオ・モロ・スタジオ
CD 50-3104/05 (P)(C)2024 Claves Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

2024年のブルックナーの生誕200年にあたり,これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画「#bruckner2024」を推進しているマルクス・ポシュナーが,2015年より首席指揮者を務めるスイス・イタリア語放送管弦楽団と録音したチャイコフスキーです。演奏はノーマルというかオーソドックスかなと思います。オーケストラのキャラクターなのかもしれませんが大人しい感じがするので刺激的な演奏を求める人には物足りないかもしれません。

録音ですが,残響は少なめで演出感が少なくこの点では良いのですが,今ひとつ音に伸びがなく高域のヌケ感も今ひとつです。悪くはないのですが,好録音と言うには少し物足りませんでした。

メディアの発売は2024年3月上旬を予定されているようですが,Apple Musicではすでにリリースされているので聴いてみました。で,チャイコフスキー交響曲第5番の第4楽章で気になることがありました。タイムでいうと7:52あたり,楽譜を確認すると472小節目のModerato assai e molto maestosoが始まるところなのですが,木管の三連符にのせて弦楽器が主題のメロディーを演奏するところのはずが,490小節目のトランペットの旋律から始まっています。18小節抜けているように思います。すごく良いところなのにここがカットされているのはなぜなのか,疑問です。入り方も少し違和感があるので,編集でカットされたのではないかと推測します。理由はわかりませんがこれはちょっといただけません。

なお,私が最初に聴いたときには第4楽章が終わったと思ったら最後の数小節が再度再生されるという明らかな編集ミスがありましたが,これは現在は修正されていました。

発売されるメディアでもカットされているかどうかはわかりませんが,ご購入を検討されている方はカットされているかもしれないということをご考慮されてはと思います。

(記2024/2/4)



第5番第4楽章のカットについてSNSで早速情報をいただきました。有り難うございました。

チャイコフスキー自身による第4楽章の改訂(Wikipedia)

Clavesの商品サイトで公開されている解説書を確認したところ,Breitkopf&Härtelから出版されているChristoph Flamm編のCritical editionを使用されているようです。Critical editionというのは,Wikipediaによると,批判校訂版のことで,原典版のことをこのように呼ぶこともあるということです。

詳しくは上記の記事を参考にしていただきたいのですが,チャイコフスキー自身がハンブルグ初演で行ったカットの情報を指揮者のメンゲルベルクがチャイコフスキーの弟のモデストから聞き改変を行ったとのことで,フラムが校訂したスコアはこのメンゲルベルクの改変を取り入れている,ということです。

(記2024/2/4)

タグ: [交響曲] 

ブルックナー:交響曲第1番 (1868年 第1稿 レーダー版)(マルクス・ポシュナー指揮/リンツ・ブルックナー管弦楽団)

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ブルックナー:交響曲第1番 (1868年 第1稿 レーダー版)
マルクス・ポシュナー指揮/リンツ・ブルックナー管弦楽団
2023年2月2,3,7,8日 オーストリア,リンツ・ミュージックシアター
C8092 (P)(C)2024 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,HMV Onlineicon,Apple Music

2024年のブルックナーの生誕200年にあたり,これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画「#bruckner2024」の第11弾。これまで第10弾まで取り上げてきました(下記リスト参照)。この企画ではリンツ・ブルックナー管弦楽団とウィーン放送交響楽団が起用されていますが,今回はリンツ・ブルックナー管弦楽団です。

毎回のことですが...この第1番も今まであまり聴いてこなかった曲なのでこの機会にじっくり聴いてみたいと思います。

録音についても前回同様で,シリーズとして今まで発売されてきたものと基本的には統一感がありますが,最近の録音の傾向として少しホールトーンを多めに取り入れているように思われ,この録音もその傾向に入るかなと思います。不満はあるものの,良好な部類には入ると思いましたので四つ星半の好録音としました。

これまでに発売されてきたものと今後予定されているものを挙げておきます。解説書のリストと指揮者のポシュナー氏のWebサイトも参考にしています。全部で19のバージョンのリリースが予定されています。次の第12弾は第2番(1872年)のようです。

【#bruckner2024】
[未]交響曲第00番 (1863年 ノヴァーク版)
交響曲第0番(1869年 ノヴァーク版)
[今回]交響曲第1番 (1868年 第1稿 レーダー版)
[未]交響曲第1番 (1891年)
[次]交響曲第2番(1872年 第1稿 キャラガン版)
交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)
交響曲第3番(1873年 初稿/ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1877年 ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1889年 ノヴァーク版)
交響曲第4番(1876年 第1稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878-80年 第2稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878年稿フィナーレ「民衆の祭り」
交響曲第4番(1888年 第3稿 コーストヴェット版)
交響曲第5番 (1878年 ノヴァーク版)
交響曲第6番 (1881年)
[未]交響曲第7番 (1883年)
交響曲第8番(1887年 第1稿 ホークショー版)
交響曲第8番(1890年 ノーヴァク版)
[未]交響曲第9番 (1894年 ノヴァーク版)

シューベルト:交響曲第9番ハ長調D.944「グレート」(マキシム・エメリャニチェフ指揮/スコットランド室内管弦楽団)

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シューベルト:交響曲第9番ハ長調D.944「グレート」
マキシム・エメリャニチェフ指揮/スコットランド室内管弦楽団
2019年2月11-13日 ダンディー,カイヤード・ホール
CKD 619 (P)(C)2019 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

モーツァルトの交響曲集が良かったマキシム・エメリャニチェフがスコットランド室内管弦楽団と録音したシューベルトを見つけたので聴いてみました。同楽団との第一弾とのことです。颯爽としておりスッキリと見通し良く仕上げているところは室内管弦楽団の良さを活かした彼らしい演奏と言えると思います。

録音ですが,残響はやや多めにありますが,各楽器の直接音も捉えていて音の輪郭がクッキリとしているため楽器の質感も感じ取りやすく,また分離感もあるためまずまず良好です。私としては残響がもう少し抑えられている方が好きなのですが,直接音と残響のバランスは悪くないと思いますので,好ましく思われる方は多いと思います。Linn Recordsらしい録音ですね。

モーツァルト:交響曲第1番,第41番,第29番,第40番,他(マキシム・エメリャニチェフ指揮/イル・ポモ・ドーロ)

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モーツァルト:交響曲第1番,第41番「ジュピター」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
マキシム・エメリャニチェフ指揮/イル・ポモ・ドーロ
2022年6月28-30日 パリ,ノートルダム・デュ・リバン
AP307 (P)2023 Aparté/Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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モーツァルト:交響曲第29番,第40番
モーツァルト:オーボエ協奏曲ハ長調K.314
イワン・ポディヨーモフ (Oboe)
マキシム・エメリャニチェフ指揮/イル・ポモ・ドーロ
2023年2月9-11日 パドヴァ,サラ・デッラ・カリタ
AP328 (P)2023 Aparté/Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

指揮者のマキシム・エメリャニチェフは30歳代半ば,ロシア出身の若手で,ピアニストとしても活躍されているようです。収録されているピアノ協奏曲でもソロを担当しています。イル・ポモ・ドーロはスイス国籍でイタリアを本拠地とする2012年設立の古楽オーケストラで,世界中のピリオド楽器の名手で構成されているとのことです。この顔合わせによるモーツァルトの交響曲全集の第1弾と第2弾です。

ピリオド楽器のオーケストラですが,ピリオド楽器の音色を活かしつつ現代的かつスマートに洗練された演奏を聴かせてくれます。テンポも速めで颯爽としているところも良いと思います。

録音ですが,どちらも残響が多めでまとわりつきが気になります。特に第1番,第41番を収録した方は残響時間も長く直接音よりも残響成分の方が主で,しかも低域の響きも多いためとても気になります。ただそれぞれの楽器の直接音も聴き取れるので,残響量が多い割には我慢の範囲かなとは思います。第29番,第40番の方は直接音比率がやや高いので,ギリギリですが好録音と言っても良いかなと思いました。

ということで,楽しみな全集プロジェクトがスタートしました。録音はせめて第2弾くらいにはして欲しいところです。

バーンスタイン/ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲全集(タワレコ盤)に収録されているプロメテウスの創造物序曲の最後の音の抜けについて

<さらに追記あり> 良品が届きました! (2023/12/24)
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ベートーヴェン:交響曲全集 (5 SA-CD Hybrid)
レナード・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1977-1979年 ウィーン,ムジークフェラインザール
PROC-2269/73 (P)(C)2020 UNIVERSAL MUSIC (国内盤)
DSD Remasterd by Emil Berliner Studios, 5/2015(Symphonies), 9/2018(Ouvertüren)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records *Tower Records Vintage SA-CD Collection Vol. 22

2020年5月24日のエントリー「ベートーヴェン:交響曲全集(レナード・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団) ※3種類の音質比較」で取り上げていたタワーレコード企画のリマスター盤について,第9番第2楽章の冒頭にノイズがあり,ブログ読者の方がこの件についてタワーレコードに問い合わせをして得られた回答を2020年7月5日のエントリー「バーンスタイン/ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲全集(タワレコ盤)の第9番第2楽章冒頭のノイズについて」で報告をさせていただいていました。

このタワーレコード企画盤について,別のブログ読者の方からこの全集に含まれる「プロメテウスの創造物」作品43-序曲の最後の音が抜けているが欠陥品ではないか?とのコメントをいただきました。聴いてみるとカットしたりしたようには聴こえなかったのですが,例えばApple Musicのこの全集の同曲を聴いてみると,タワーレコード企画盤にない3つの音が最後にありました。

この最後の3つの音がタワーレコード企画盤にない件について,タワーレコードに質問していました。回答をいただくまでにだいぶ時間がかかりましたが,先日,「本国メーカーで調査した結果,申告いただいた通り最後の3音が収録されていないことが確認され,現在本国メーカーにて良品ディスクのプレス生産を行っている」との回答をいただきました。最後の3音がディスクに収録されなかった経緯は不明ですが,とにかく正しい状態で収録された良品ディスクが用意されるということで,良かったと思います。

どのような形で良品ディスクが提供されるのかはまた連絡するとのことなので待ちたいと思います。指摘コメントをくださったブログ読者様に感謝申し上げるとともに,この度のタワーレコードおよび本国メーカーの誠意ある対応にも感謝申し上げます。

(記2023/04/30)



ブログ読者の方から本件がタワーレコードの商品ページで告知されていると教えていただきました(有り難うございます)。その部分を引用します。

「こちらの商品はDISC3の8曲目に不良が見つかり、現在メーカーを通して良盤の生産を依頼中です。納期等詳細が判明しましたら速やかにこのページ上とご購入のお客様宛にご連絡をいたします。時間がかかっている点をお詫びいたします。」

まだもう少し時間がかかりそうですが,気長に良盤を待ちたいと思います。

(記2023/06/18)



良品交換の連絡がありました!

2023年12月8日にタワーレコードから,プロメテウスの創造物序曲のエンディングに欠落があることが判明したこと,ユニバーサルミュージックにて良品に交換すること,の連絡がありました。オンラインで購入された全ての方に連絡されているものと思います。

交換方法は,プロメテウスの創造物序曲が収録されているディスク3のみを着払いでユニバーサルミュージックに送付,着荷確認後12月中旬から順次,良品ディスクを発送,とのことです。交換対応期間は2024年2月末までとありました。

本件について,タワーレコードのホームページ上で告知されているのかどうかはわかりませんでした。オンライン以外の方法で購入された方で交換を希望される方は,タワーレコードに問い合わせをされてみてはいかがでしょうか。

この件,もう対応されないかなとちょっと諦めていましたが,対応されることになって良かったと思います。タワーレコードおよびユニバーサルミュージックの関係者の皆様の誠意ある対応に感謝します。

交換はこれから依頼しますが,交換品が届いたらまたレポートしたいと思います。

(記2023/12/09)



良品が届きました!

先日,タワーレコードからの案内に従い,ユニバーサルミュージック宛にディスク3を送付し,数日後に良品が届きました。問題の箇所がキッチリと修正されていることを確認しました。

改めて,タワーレコードならびにユニバーサルミュージックの関係の皆様の誠実な対応に感謝申し上げます。

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(記2023/12/24)

タグ: [交響曲] 

モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」,第38番「プラハ」(リッカルド・ミナーシ指揮/アンサンブル・レゾナンツ)

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モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」,第38番「プラハ」
リッカルド・ミナーシ指揮/アンサンブル・レゾナンツ
2021年9月 ハンブルク,オトマールシェン・キリスト教会
HMM 902703 (P)2023 harmonia mundi musique (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

およそ3年前に同指揮者同楽団による後期三大交響曲集を取り上げていました(→こちら)。その第二弾になります。衝撃的な演奏は今回も健在で,激しく怒濤のごとく押し寄せる音の波に圧倒されます。エレガントさはなくモーツァルトとしていかがなものかと思うところもありますが,この圧倒的な迫力は他にはない魅力であることは間違いありませんね。一聴の価値はあると思います。

録音ですが,基本的な傾向は前回の後期三大交響曲と近いのですが,より迫力を増すためか音圧がかなり高めに設定されています。この点は前回も同様だったのですが,少し圧が強すぎというか,暑苦しいところがあって,聴き疲れします。もう少しスッキリと録って欲しかったところです。悪くはないと思いますが,惜しいです。

タグ: [交響曲] 

ハイドン:交響曲第84~87番,ヴァイオリン協奏曲第1番(テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ/ウィリアム・クリスティ指揮/レザール・フロリサン)

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ハイドン:交響曲第84番~第87番
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番
テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ (Violin)
ウィリアム・クリスティ指揮/レザール・フロリサン
2020年10月, 2022年3月 パリ,シテ・ド・ラ・ミュジーク
HAF 8905371.72 (P)(C)2023 harmonia mundi (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ハイドンのパリ交響曲集(6曲)から4曲と,ヴァイオリン協奏曲第1番が収録されています。ヴァイオリン協奏曲はテオティム・ラングロワ・ド・スワルテの弾き振りです。拍手の入るライブ録音です。

このディスクは特に録音が好きですね。残響はありますが,演出感が少なく音色に透明感があり綺麗です。音にキレもあり,高域の伸び感も良好です。ヴァイオリン協奏曲ではソロがより直接音的に録られていて,距離感やオーケストラとのバランスも絶妙です。ライブ録音としてはかなり上手く録れていると思います。

演奏もハイドンの明るさやユーモアが溌剌とした音楽で表現されていて良いと思います。編成は1st Vn:6, 2nd Vn:4-6, Vla:3-4, Vc:4-5, CB:2です。小編成を活かした演奏ですね。

今後の録音も楽しみにしたいと思います。

シューマン:交響曲第1番「春」,第3番「ライン」(フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/アントワープ交響楽団)

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シューマン:交響曲第1番「春」,第3番「ライン」
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/アントワープ交響楽団
2022年10月, 2019年10月 ベルギー,アントワープ,エリザベート王妃記念ホール
LPH040 (P)2023 Phi/Outhere (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

第2番と第4番は2019年に発売されていて取り上げていました(→こちら)。これで全集が完成しました。いずれも落ち着いた充実感のある演奏で,第1番は明るくフレッシュであり,第3番は堂々とオーケストラを鳴らす風格を感じました。そして既発売の第2番,第4番も合わせ,全集としてシューマンの交響曲の世界を見事に表現しているなと感心しました。大きな特徴を持つ演奏ではないかもしれませんが,良いと思います。

録音ですが,少し残響感はあるものの,それぞれの楽器音が綺麗な音で捉えられていて良いと思います。ただ少し生々しさに欠け,演出感が強めで実在感に乏しい感じがします。良いとは思うのですが,もう少し楽器に寄って直接音主体に質感高く捉えてくれていたらもっと良いのにと思いました。あと全集として統一感がある点も良いと思います。

演奏も録音も良い全集がまた一つ完成したことを喜びたいと思います。

ハイドン:後期交響曲集Vol.2 第96番「奇跡」,第97番,第98番(アダム・フィッシャー指揮/デンマーク室内管弦楽団)

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ハイドン:交響曲第96番「奇跡」,第97番,第98番
アダム・フィッシャー指揮/デンマーク室内管弦楽団
2022年9月3,4,6,7日, 11月14日 コペンハーゲン,王立デンマーク音楽アカデミー,コンサート・ホール
8574517 (P)2023 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

アダム・フィッシャー指揮/デンマーク室内管弦楽団によるハイドンの後期交響曲集の第2弾。第1弾は以前取り上げていていました(→こちら)。

演奏は第1弾と同様,スピード感,躍動感に富み,音色に透明感があります。録音も第1弾と同じで,ホールトーンを多めに取り込んでホールの音場感を重視した音作りになっています。音の透明感が失われていないのは救いですが,もう少し生々しく録って欲しいところです。

第3弾以降のリリースも楽しみです。

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第6番「田園」(アントネッロ・マナコルダ指揮/カンマーアカデミー・ポツダム)

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ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第6番「田園」
アントネッロ・マナコルダ指揮/カンマーアカデミー・ポツダム
2021年12月2,3日, 2023年2月16,17日 ベルリン,ピエール・ブーレーズ・ザール
19658791822 (P)(C)2023 Sony Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ベートーヴェン交響曲全集の第2弾。第1弾の第1番,第2番,第7番は以前取り上げていました(→こちら)。弦楽器はピリオド奏法を取り入れているということです。室内管弦楽団による今どきの小気味よい演奏で,表現はなんというか直球ど真ん中勝負という感じで,個性的ではないかもしれませんが,ベートーヴェンの音楽そのものを素直に表現しているように思いました。様々な優れた演奏が乱立する今の時代には埋もれてしまいそうですが,飽きずに長く楽しめそうなスタンダードな路線の演奏だと思いました。こういうのは好きですね。

録音ですが,第1弾と近い音響で(第5番は第1番と同じ日に録音されているようです)全集としての統一感はあると思います。残響が少し多めで低域がやや過多な感じがします。高域の伸び,ヌケ感ももう少しあればと思いました。悪くはないのですが,もう少し直接音主体にスッキリと,シャキッとした音で録って欲しいところです。室内管弦楽団の良さを捉えきれていないと思いました。惜しいです。

タグ: [交響曲] 

ブルックナー:交響曲第5番(1878年 ノヴァーク版)(マルクス・ポシュナー指揮/ウィーン放送交響楽団)

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ブルックナー:交響曲第5番(1878年 ノヴァーク版)
マルクス・ポシュナー指揮/ウィーン放送交響楽団
2023年2月15,16日 ウィーン放送文化会館
C8090 (P)(C)2023 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

2024年のブルックナーの生誕200年にあたり,これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画「#bruckner2024」の第10弾。これまで第9弾まで取り上げてきました(下記リスト参照)。この企画ではリンツ・ブルックナー管弦楽団とウィーン放送交響楽団が起用されていますが,今回はウィーン放送交響楽団です。

第5番も今まであまり聴いてこなかった曲なのでこの機会にじっくり聴いてみたいと思います。

録音はシリーズとして今まで発売されてきたものと基本的には統一感がありますが,最近の録音の傾向として少しホールトーンを多めに取り入れているように思われ,この録音もその傾向に入るかなと思います。楽器音へのまとわりつきが少し気になり高域のヌケや音色の輝きも少し損なわれているように思いますが,ブルックナーの録音としては受け入れられやすいかもしれません。あまりこの方向に傾きすぎないように願います。とまあ不満は残るもののまだ良好な部類に入ると思います。

これまでに発売されてきたものと今後予定されているものを挙げておきます。解説書のリストと指揮者のポシュナー氏のWebサイトも参考にしています。全部で19のバージョンのリリースが予定されています。次の第11弾は第1番(1868年)のようです。

【#bruckner2024】
[未]交響曲第00番 (1863年 ノヴァーク版)
交響曲第0番(1869年 ノヴァーク版)
[次]交響曲第1番 (1868年 第1稿 レーダー版)
[未]交響曲第1番 (1891年)
[未]交響曲第2番(1872年)
交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)
交響曲第3番(1873年 初稿/ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1877年 ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1889年 ノヴァーク版)
交響曲第4番(1876年 第1稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878-80年 第2稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878年稿フィナーレ「民衆の祭り」
交響曲第4番(1888年 第3稿 コーストヴェット版)
[今回]交響曲第5番 (1878年 ノヴァーク版)
交響曲第6番 (1881年)
[未]交響曲第7番 (1883年)
交響曲第8番(1887年 第1稿 ホークショー版)
交響曲第8番(1890年 ノーヴァク版)
[未]交響曲第9番 (1894年 ノヴァーク版)

マーラー:交響曲第1番「巨人」(セミョン・ビシュコフ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団)

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マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
セミョン・ビシュコフ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
12-15 October 2021, Dvořák Hall of the Rudolfinum, Prague
PTC5187043 (P)(C)2023 Pentatone Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ビシュコフ/チェコ・フィルのマーラー全集録音は第2番,第4番,第5番が既発売で(未聴),これが4曲目だと思います。

今回は録音についてのみコメントします。少し楽器が遠くで鳴っている感じで,楽器の質感が感じにくく生々しさもありませんが,立体感のある広い空間を感じるとともに,その中で比較的楽器の定位がはっきりしており,分離感もあります。明瞭感は少し落ちるのと音色が間接音と距離感で少し失われがちではありますが,まずまず良好と言えると思います。

そして,超低域も伸びていて帯域感はありますが,中低域が若干薄めで高域がやや刺激的かなと思います。またピアノからフォルティッシモのダイナミックレンジも広く,オーケストラの鳴り感を存分に捉えているのも良いと思います。

私の好きな録音とは少し違いますが,良いと思いました。既発売の録音も聴いてみようと思います。

ブルックナー:交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)(マルクス・ポシュナー指揮/リンツ・ブルックナー管弦楽団)

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ブルックナー:交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)
マルクス・ポシュナー指揮/リンツ・ブルックナー管弦楽団
2022年2月1日 オーストリア,リンツ・ミュージックシアター,リハーサル・ホール
C8089 (P)(C)2023 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

2024年のブルックナーの生誕200年にあたり,これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画「#bruckner2024」の第九弾。これまで第八弾まで取り上げてきました(下記リスト参照)。この企画ではリンツ・ブルックナー管弦楽団とウィーン放送交響楽団が起用されていますが,今回はリンツ・ブルックナー管弦楽団です。

第2番はあまり馴染みがない曲なのでこの機会に聴いてみたいと思います。

録音はシリーズものとして今まで発売されてきたものと統一感がありますが,今回のこの録音は少し多めに豊潤に残響を取り込んでいるように思います。楽器音へのまとわりつきは多少気になるものの,楽器音への被りは少なめで音色への影響も許容範囲です。残響の質も空間性の演出に役立っており悪くないと思います。ブルックナーの録音として一般的にも受け入れられるのではないでしょうか。こういう企画が良好な録音で残されることに感謝したいです。

これまでに発売されてきたものと今後予定されているものを挙げておきます。解説書のリストと指揮者のポシュナー氏のWebサイトも参考にしました。全部で19のバージョンのリリースが予定されています。次の第10弾は第5番のようです。

【#bruckner2024】
[未]交響曲第00番 (1863年 ノヴァーク版)
交響曲第0番(1869年 ノヴァーク版)
[未]交響曲第1番 (1868年)
[未]交響曲第1番 (1891年)
[未]交響曲第2番(1872年)
[今回]交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)
交響曲第3番(1873年 初稿/ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1877年 ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1889年 ノヴァーク版)
交響曲第4番(1876年 第1稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878-80年 第2稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878年稿フィナーレ「民衆の祭り」
交響曲第4番(1888年 第3稿 コーストヴェット版)
[次]交響曲第5番 (1878年 ノヴァーク版)
交響曲第6番 (1881年)
[未]交響曲第7番 (1883年)
交響曲第8番(1887年 第1稿 ホークショー版)
交響曲第8番(1890年 ノーヴァク版)
[未]交響曲第9番 (1894年 ノヴァーク版)

シューマン:交響曲第4番初稿(1841年)・改訂稿(1851年)(ジョン・アクセルロッド指揮/ブカレスト交響楽団)

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シューマン:交響曲第4番初稿(1841年)・改訂稿(1851年)
ジョン・アクセルロッド指揮/ブカレスト交響楽団
18-21 March 2023, Sala Gloria, Bucharest, Romania
ORC 100257 (P)(C)2023 Orchid Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

シューマンの交響曲第4番の1841年の初稿と1851年の改訂稿を収録するという企画。最近では初稿も頻繁に演奏されているようで珍しくなくなってきましたが,こうやって一つのディスクで聴き比べができるというのも興味深いです。

そしてこのディスクの初稿と改訂稿の演奏が全くアプローチが違うのも面白いです。初稿の方は全体的に明らかにテンポが速く,アクセントと音のキレが良く,躍動感に溢れています。一方改訂稿の方はじっくりと鳴らしており落ち着きがあります。私にとっては稿の違いよりもアプローチの違いがより大きく感じられました。初稿の演奏の方が私の好みに合います。

録音ですが,残響は少し多めで,残響の影響で少しモゴモゴとした感じがあります。オーケストラの普通の録音の部類には入ると思いますが,もう少しスッキリと明瞭に録って欲しいところです。惜しいです。

タグ: [交響曲] 

シベリウス:交響曲第3番,カレリア組曲,交響詩「フィンランディア」(村川千秋指揮/山形交響楽団)

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シベリウス:交響曲第3番ハ長調作品52
シベリウス:カレリア組曲作品11
シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
村川千秋指揮/山形交響楽団
2023年1月15日 山形県,やまぎん県民ホール,2022年4月16,17日 山形テルサホール
MYCL00045 (P)2023 MClassics 妙音舎 (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

指揮者の村川千秋氏は山形交響楽団の創立者で今年90歳で,山形交響楽団の創立50周年記念となる第300回定期演奏会のライブ収録ということです。

演奏はシベリウスとしては少し熱が入っているなと思いましたが,前記のような記念の演奏会ということで少し納得です。しかし,指揮者が90歳とは少し驚きました。演奏からは全く年齢を感じることはなく,またこれは本当にライブなのか?というくらいそつのない完成度だと思いました。良かったです。

録音ですが,残響は少し多めに入っていますが,楽器音をしっかりと捉えているためあまり残響は気になりません。そしてライブとは思えない雑音のなさにも驚きました。必要な音だけを選び取ったような感じで不自然さすら感じてしまいます。好録音だとは思いますがどこか作り物のような感じが残ります。もう少し生の自然さがあったらなぁと思いました。

シューマン:交響曲第4番,ブラームス:交響曲第4番,他(アレクサンダー・シェリー指揮/カナダ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団)

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シューマン:交響曲第4番ニ短調作品120
ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98,他
アレクサンダー・シェリー指揮
カナダ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団
2019-2023å¹´
AN28884-5 (P)2023 Analekta (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

シューマンとブラームスの交響曲を第1番から順に1曲ずつとクララ・シューマンの作品を収録する企画の第4弾。第1弾,第2弾と第3弾は以前取り上げていました。今回で完結ということです。

交響曲以外は下記の作品が収録されています。

クララ・シューマン:3つのロマンス ~ ヴァイオリンとピアノのための 作品22(*)
クララ・シューマン:3つのロマンス ~ ピアノのための 作品11(**)
クララ・シューマン:ロマンス ロ短調(**)
クララ・シューマン:J.S.バッハの主題による3つのフーガ(**)
クララ・シューマン:前奏曲とフーガ 嬰へ短調(**)
クララ・シューマン:3つの前奏曲とフーガ 作品16(**)
スチュワート・グッドイヤー:クララ・シューマンの主題による即興(**)

(*)川崎洋介(Violin)/アンジェラ・ヒューイット(Piano)
(**)スチュワート・グッドイヤー(Piano)

今回も交響曲のみのコメントです。演奏はシリーズとして統一感があり,速めのテンポでスッキリと締まっており整った今どきのスマートな演奏です。どちらというとオーソドックスで強い主張のない癖のない演奏なので印象に残りにくいですが,私にとってはすんなりと受け入れられる好演奏というのも同じです。

録音についてもシリーズでほぼ統一感があります。残響感はありますが,楽器音への被りは少なめで,音色の癖も曇りも少ないので悪くありません。楽器の分離感,音のキレもそこそこあります。ステージ感,左右の広がり感はシューマンの第4番が少しだけ良くなったかなという印象です。オーケストラ録音として欠点が少ない好録音だと思います。

チャイコフスキー:交響曲第5番(アンドレア・バッティストーニ指揮/RAI国立交響楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
アンドレア・バッティストーニ指揮/RAI国立交響楽団
2016年7月6日 トリノ,RAIオーディトリアム
COGQ-104 (P)2017 Nippon Columbia (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

明快でわかりやすく,ツボを押さえた演奏だと思いました。躍動感があり聴き応えがあります。こういう演奏は好きですね。

録音ですが,残響は少しありますが,個々の楽器の音をしっかりと分離よく質感良く捉えていて,明瞭感で音色も自然で高域のヌケも良好です。特に弦楽器の質感が良く,弦楽器を中心に据えた音作りにも好感が持てます。低域から高域までのバランスも良く,低域も締まっています。オーケストラの録音として欠点が少なくかなり良いと思いました。

演奏も録音も良くちょっとした掘り出し物でした。

ベートーヴェン:交響曲全集(ズービン・メータ指揮/フィレンツェ五月祭管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
ズービン・メータ指揮/フィレンツェ五月祭管弦楽団
2021年9月-10月, 2022年9月 イタリア,フィレンツェ五月音楽祭歌劇場
CDS7950.05 (P)(C)2023 Dynamic Italy (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

拍手の入るライブ録音。メータは1936年生まれで85歳で初めてのベートーヴェン交響曲全集の録音ということです。演奏会ではベートーヴェンを度々取り上げていたそうですが,録音は少ないようです。

演奏は全体にテンポがゆっくりで,一歩一歩確かめるように進行していくのが独特です。推進感はほとんどなく,このユルさが良いところでもあり,もどかしさも感じます。そして楽団員もこのユルさに戸惑っている感じがしました。縦の線が甘く,アンサンブルが崩れてテンポを見失いそうになるところもあり,落ち着かない感じです。ライブなので多少のキズは仕方ないと思いますが,少し追い込み不足という気がします。

録音ですが,残響はそれなりに取り込まれているのですが,直接音がしっかりと捉えられていて,明瞭感,音色ともごく自然であり,演出感もほとんどなく,ライブの雰囲気を素直に捉えた好録音だと思います。特に弦楽器を中心にした音作りになっていて質感も良いのが気に入りました。優秀録音とは違いますが,ライブの録音としてはまずまず良く,私の好きなタイプの録音でした。

なおCDの他にBlu-ray, DVDでもリリースされています。

チャイコフスキー:交響曲第5番,幻想序曲「ロメオとジュリエット」(アジス・ショハキモフ指揮/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
アジス・ショハキモフ指揮/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団
2022年10月13,14日 ストラスブール,Palais de la Musique et des Congres
5419753851 (P)(C)2023 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ショハキモフは1988年生まれウズベキスタン出身,2021年よりストラスブール・フィルの音楽監督,注目の若手指揮者とのこと。音楽に癖がなく,現代的で洗練されカッコ良く仕上げています。個性を前面に出すような演奏ではありませんが,推進力のあるダイナミックで引き締まった演奏は素晴らしいです。

録音ですが,残響をは控えめに楽器そのものの音色を質感良く捉えていると思います。サウンドにキレがあり中低域の響きも締まっていて伸びもあります。演出感も少なめで自然です。昨今の標準的なオーケストラ録音という感じで,欠点が少なくそつなく上手くまとめていると思います。好録音です。

モーツァルト:交響曲第39番,第40番(ペトル・ポペルカ指揮/ノルウェー放送管弦楽団)

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モーツァルト:交響曲第39番,第40番
ペトル・ポペルカ指揮/ノルウェー放送管弦楽団
2022年1月24-28日, 8月22日 ノルウェー,オスロ,NRKラジオ・コンサート・ホール
LWC1258 (P)(C)2023 LAWO CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ペトル・ポペルカは1986年プラハ出身でシュターツカペレ・ドレスデンのコントラバス奏者だったようです。指揮者としての活動は2016年からということでまだまだ経歴も浅いですが,すでに様々な一流オーケストラと共演をされている期待の若手とのことです。

編成がはっきりしないのですが,解説書の写真を見るとフルオーケストラよりは少し弦楽器の人数を絞っているようです。たしかに機敏で締まりがありますが,音を聴くとスケールが大きく力強い迫力がありフルオーケストラの演奏かと思ってしまいます。ピリオド奏法は取り入れられているようにも思いますがあまりそれを強調はされていないと思いました。こういう演奏は昨今では少数派かなと思います。

録音ですが,残響はそれほど多くありませんが,少しマイク位置が遠いのか録音会場の雰囲気を多少多めに取り込んでいます。演出感は少なく生の雰囲気を残しているのが良いと思います。個人的にはもう少し弦楽器の質感を強めに録って欲しいと思いましたが許容範囲です。少しオマケですが四つ星半の好録音としました。

ミヒャエル・ハイドン:交響曲第39番,ヨーゼフ・ハイドン:交響曲第96番「奇跡」,他(エンリコ・オノフリ指揮/ハイドン・フィルハーモニー)

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ミヒャエル・ハイドン:交響曲第39番,序曲「償われた罪人」
ヨーゼフ・ハイドン:交響曲第96番「奇跡」,人形歌劇「フィレモンとバウチス(神々の会議)」への前奏曲
エンリコ・オノフリ指揮/ハイドン・フィルハーモニー
2023年4月11-16日 オーストリア,オシアッハ,ケルンテン州立音楽院アルバン・ベルク・ザール
MDG 901 2292-6 (P)(C)2023 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

輸入元情報によるとハイドン・フィルハーモニーは,アダム・フィッシャーがハイドンの交響曲全曲を演奏するために設立しNimbusレーベルに全集を完成させたオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団のことのようです。2022年から同楽団のアーティスティック・パートナーとなったエンリコ・オノフリを指揮者としてハイドン録音の新シリーズをスタートさせたとのことで,これがその第一弾のようです。ヨーゼフ・ハイドンと実弟のミヒャエル・ハイドンの作品を収録しています。快活で歯切れの良い演奏が魅力で,それほどピリオド奏法を強調していないので私の好みに合います。

録音は,残響はあるもののスッと消えて楽器音への被りが少ないため,明瞭感があり音色も綺麗です。会場の雰囲気を取り込みすぎず,演出感も少ないのが良いです。もう少し楽器の質感を強めに捉えて欲しいとは思いましたが,これでも十分に好録音と言えると思います。

今後の録音も楽しみです。

ハイドン:後期交響曲集Vol.1 第93番,第94番「驚愕」,第95番(アダム・フィッシャー指揮/デンマーク室内管弦楽団)

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ハイドン:交響曲第93番,第94番「驚愕」,第95番
アダム・フィッシャー指揮/デンマーク室内管弦楽団
2022年9月2,5日, 11月14日 コペンハーゲン,王立デンマーク音楽アカデミー,コンサート・ホール
8574516 (P)2023 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

アダム・フィッシャーのハイドンといえば,1987年から2001年にかけて全交響曲の演奏のため自ら組織したオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団の録音が有名ですね。Ninbusレーベルで分売されたあと,Brilliant Classicsから全集として再発売されていました。このBrilliant Classicsの全集を以前取り上げていました(→こちら)。この全集はApple Musicでもリリースされていますね。

そして,今回デンマーク室内管弦楽団との後期交響曲集の録音がスタートしました。全集の演奏も小編成のモダン・オーケストラによるキビキビとした機動性の高い演奏で好きだったのですが,今回の演奏はさらにスピード感と躍動感,そしてピリオドアプローチの徹底で音色の透明感が増しています。前回の全集よりも一段とキレがありレベルアップしていると思います。素晴らしい出来ですね。

録音ですが,残響はあるものの,あまり楽器の音色を濁すようなことはなく,音の透明感や伸び感も確保されていて良いと思います。ただ,少しマイク位置が離れているのか,楽器の質感は弱めで全体を大きくとらえているため,まとまりは良いものの,生々しさや各楽器の分離感には欠けます。個人的にはもう少し楽器に寄って質感高く録って欲しかったかなと。

すでに第二弾のアナウンスもありました。今後のリリースも楽しみです。

ブラームス:交響曲全集(ジョルジュ・プレートル指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団/ベルリン・ドイツ交響楽団/ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団)

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ブラームス:交響曲全集
ジョルジュ・プレートル指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団/ベルリン・ドイツ交響楽団/ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団
録音 1997年-2011年
2506 5616 Prominent Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★ (ただしDISC 3は問題あり)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

元々単売されていたものを集めてセット化されたようです。内容は下記の通りです。DISC 1と2はWeitblickレーベル,DISC 3はTobu Recordingsです。

DISC 1
交響曲第1番ハ短調作品68
ハンガリー舞曲集 第1番, 第3番, 第4番, 第5番
シュトゥットガルト放送交響楽団

2000年12月8日, 1997年10月29-31日 シュトゥットガルト,リーダーハレ
SSS0197-2 (P)(C)2106 Weitblick, Genuin classics

DISC 2
交響曲第3番へ長調作品90
交響曲第2番ニ長調作品73
ベルリン・ドイツ交響楽団

2008年10月27日, 2011年2月6日 ベルリン,フィルハーモニー
SSS0129-2 (P)2012 Weitblick

DISC 3
ピアノ四重奏曲第1番ト短調作品25(シェーンベルク編曲管弦楽版)
交響曲第4番ホ短調作品98
ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団

2009年3月17日, 2010年5月31日 ローマ聖音楽堂
TBRCD0028-2 Tobu Recordings

3枚のディスクでオーケストラがそれぞれ異なりますが,いずれもオーソドックスでスケールの大きな堂々とした演奏ですね。オーケストラをたっぷりと鳴らしきる指揮っぷりはこの指揮者の特長と言えるのではないでしょうか。昔ながらのブラームス演奏で,こういうのも聴き応えがあって良いと思います。

録音ですが,WeitblickとTobu Recordingsでかなり傾向が異なります。Weitblickの方はかなりオーケストラの音を濃厚に捉えていてこれはこれで良いのですが,中域に癖があり少し暑苦しくうるさい感じがあります。一方,Tobu Recordingsの方は,スッキリとしていてその点は良いのですが,吊りマイクだけで録ったような音響でまとまりはあるもののやや楽器の質感が弱くまた音の伸び感も今一歩という感じです。

そしてDISC 3のTobu Recordingsの録音は,左右が逆位相で収録されています。スピーカーでの再生ではあまり問題ないかもしれませんが,ヘッドホンで聴くと位相がおかしく頭がねじれそうになります。WaveSpectraというフリーソフトで再生しリサジュー波形を見ても,逆位相の傾向が見られました。波形操作ができるアプリで片チャンネルの波形を反転させて再生すると普通に違和感なく聴くことが出来るので,逆位相で収録されているというのはほぼ間違いないと思います。これはマスタリング(編集)のミスによるものだと思いますが,なぜこんなことになるのか,なぜこの欠陥に気がつかないまま発売されたのか,不思議でなりません。

もしこのセットを購入される場合はDISC 3に欠陥があることにご留意いただければと思います。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(ガリー・ベルティーニ指揮/東京都交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
ガリー・ベルティーニ指揮/東京都交響楽団
2003年6月22日 サントリーホール(第1番, 第3番)
2003年6月17日 東京芸術劇場(第2番, 第4番)
TBRCD0140/0141-2 Tobu Recordings (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

2003年6月の拍手の入るライブ録音。やや速めのテンポの引き締まった演奏で,どちらかと言えば伝統的なブラームスの演奏というイメージです。どこか懐かしく安心して聴くことの出来る演奏でした。第1番の第1楽章のリピートは省略されているのが残念ですが,第2番と第3番はリピートが実行されていました。

録音はライブの雰囲気を自然に捉えていることと,弦楽器が比較的聴き取りやすいため印象は悪くないのですが,吊りマイクだけで録ったような音響で全体のまとまりはあるものの楽器の捉え方や細部や質感が聴き取りづらく少しもどかしい感じがします。記録用に残していた音源なのかもしれません(違ったらすみません)。悪くはないのですが...惜しいです。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(久石譲指揮/フューチャー・オーケストラ・クラシックス)

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ブラームス:交響曲全集
久石譲指揮/フューチャー・オーケストラ・クラシックス
録音 2021-2023年 本文参照
OVCL-00820 (P)(C)2023 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

2020年に第1番がライブ録音され以前取り上げていました(→こちら)。その後同様にライブ録音が継続されていたようです。そして第1番がセッションで新たに録音されセットとして発売になりました。録音は下記の通りです。

第1番 2023年5月10,11日 長野市芸術館メインホール(セッション)
第2番 2021年7月8日 東京オペラシティ コンサートホール/10日 長野市芸術館メインホール(ライヴ)
第3番 2022年2月9日 東京オペラシティ コンサートホール(ライヴ)
第4番 2022年7月14日 東京オペラシティ コンサートホール/16日 長野市芸術館メインホール(ライヴ)

演奏の印象は既発売の第1番とほぼ同じですが,こういう演奏に慣れてきたせいか,ネガティブな印象はなくなってきました。速めのテンポでかなり攻めていますね。そしてオーケストラがこの攻めた指揮者の要求にキッチリ応えています。ちょっと落ち着かない演奏ですが,良いですね。好きな演奏です。速い演奏は珍しくなくなってきましたが,軽いという感じはなく,ここまでくると独自路線を極めているなぁと感じます。好き嫌いは分かれそうです。

録音ですが,ホール音響を少し多めに取り入れる録音なので残響は少し多めですが楽器音への被りは少なく比較的クリアに聴こえます。音色は少し影響を受けていますが許容範囲です。マイク距離が少し離れているのか,全体のまとまりを重視したような音作りになっていて,個々の楽器の質感は弱くまた閉空間で鳴っている感じが強くて開放感に乏しく少しもどかしいです。悪くはないのですが,好録音と言うには少し物足りない感じがします。2020年の第1番の録音に比べると低域の圧迫感は緩和され帯域バランスは良くなっていると思いました。

タグ: [交響曲] 

チャイコフスキー:交響曲第5番,他(マンフレート・ホーネック指揮/ピッツバーグ交響楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
シュルホフ:弦楽四重奏のための5つの小品(ホーネック/イル編)
マンフレート・ホーネック指揮/ピッツバーグ交響楽団
2022年6月17-19日 ピッツバーグ,ハインツ・ホール
FR752SACD (P)2023 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

チャイコフスキーのみのコメントです。ディスクは9月中旬の発売のようですが,Apple Musicではすでにリリースされていましたので聴いてみました。

演奏は緩急や強弱のコントラストが高くオーケストラが指揮者の細かい要求に忠実に応えていることがうかがわれます。その結果,ダイナミックで大変刺激的な演奏に仕上がっていると思います。金管の鳴り感も良いですね。これも魅力の一つになっています。

録音ですが,少し残響は多めでややホールトーンが強めですが,それぞれの楽器の質感は適度に感じられ,音色の曇りが少しあるものの許容範囲で,残響が多い割には良いと思います。低域の量感もありますがそこそこ締まりもあり中高域への影響も少ないため良いと思います。リファレンス・レコーディングスの録音は好みのものもあれば好きになれないものもあるのですが,これは良い方だと思いました。
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