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マーラー:交響曲第6番(サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

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マーラー:交響曲第6番
サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2018年6月, 1987年11月 ベルリン,フィルハーモニー
BPHR 18023 (P)2018 Berlin Phil Media
好録音度:★★★★☆
参考: Berliner Philharmoniker Recordings,Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ベルリン・フィル首席指揮者としての最後の定期演奏会のライヴ録音。マーラーの第6番はラトルが1987年11月にベルリン・フィルにデビューしたときの演目でもあるとのことで,その録音も付属しています。

ベルリン・フィル・レコーディングスの録音は私の好きな録音とは少し違うものの比較的品質は良いので興味のある曲の時は買っています。今回はハイレゾ音源をダウンロードで入手しました。48kHz/96kHz/192kHz(24bit) STEREOの音源がダウンロード出来るほか,マルチチャンネルの音源もダウンロード出来ます。

録音は中低域が充実した密度の高いサウンドが特徴で,フィルハーモニーの豊かな響きも取り入れられているため少し輪郭が曖昧でモヤッとして楽器の質感が感じ取りにくいのと,全体のまとまりを重視した音作りなのか分離感があまりないのが残念なところですが,それでもまあオーケストラの録音としてはまだ良い方かなと思います。

マーラーは苦手であまり聴かないのですが,これはちょっと楽しんでみようと思います。

シベリウス:交響曲全集(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団)

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シベリウス:交響曲全集
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団
2012年10月(No.1), 2014年1月(Nos.6, 7) パリ,サル・プレイエル,2015年3月(No.2), 2015年9月(No.5), 2016年3月(Nos.3, 4) パリ,フィルハーモニー・ド・パリ
SICC 19027-9 (P)(C)2018 Sony Music Japan (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

う~ん... 私はいったいこの全集に何を期待してたんだろう... とちょっと頭を抱えています。演奏はどちらかといえばオーソドックスな印象でもちろん悪くはないと思っています。シベリウスにしてはちょっと色彩感がある感じがしますが,それ自体は別に悪いわけでもありません。でもなぜかこう心を掴まれるところがあんまりないのです。唯一第3番はコントラストのくっきりした今までにあまり聴いたことのないような表現が良かったと心に残りました。

録音がいまいち冴えないせいかもしれません。オーケストラの録音としては平均的な範囲には入るとは思うのですが,少し遠めでありこぢんまりとなんとなく全体がまとまりすぎているようにも思います。悪くはないと思います。でもなんか<録音として>つまらないのです。この演奏の良さを最大限に引き出す録音ではないように思います。

私としてはこのモヤモヤ感,録音のせいにしたい。

すでに聴かれた方も多いと思います。皆様はどんな感想をお持ちになられたでしょうか。

個人的には3番以降はドイツ・カンマーフィルで聴いてみたいです。

タグ: [交響曲] 

シューベルト:交響曲第9番ハ長調D.944「グレイト」,他(ハインツ・ホリガー指揮/バーゼル室内管弦楽団)

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シューベルト:交響曲第9番ハ長調D.944「グレイト」
シューベルト:劇付随音楽「魔法の竪琴」 D.644より序曲
ハインツ・ホリガー指揮/バーゼル室内管弦楽団
2017年11月15-17日 スイス,バーゼル,ラントガストホフ・リーエン
19075814382 (P)(C)2018 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

オーボエの名手で作曲家でもあるハインツ・ホリガーの指揮によるシューベルトの交響曲全集の第一弾とのことです。バーゼル室内管弦楽団はピリオド楽器も使うことがあるとのことですが,ここではモダン楽器を使っているようです。室内管弦楽団を活かした緻密で隅々まで練り上げられ統制の行き届いた演奏となっています。

録音ですが,少し中域にクセがあってうるさい感じがしますが,それを除けばサウンドは締まっていて,なおかつ見通しよくすっきりと仕上げられているところに好感を持ちます。まずまずの好録音です。

ベートーヴェン:交響曲全集(ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク)

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ベートーヴェン:交響曲全集
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
1991å¹´-1994å¹´
00289 477 8643 (P)(C)1994 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

1994年度のレコード芸術誌レコード・アカデミー大賞を受賞した名盤なのでご存じの方も多いと思います。ピリオド楽器によるベートーヴェン交響曲全集の一つの究極の完成形ではないかと思えます。これだけ多様な演奏が溢れる今現在ですら,この尖った演奏は鮮烈な印象を残します。というか一つの方向に行き過ぎてしまった感がありますが,こういう刺激的な究極の演奏があったからこそ今の多様性が生まれるようになったようにも思います。この記念碑的名盤を久しぶりに堪能しました。

録音ですが,ライブ録音とセッション録音があり,会場もいくつかに分かれていてばらつきはありますが,基本的な音作りの方向はそれなりに揃っていますので全集としての統一感はあります。残響が比較的多く残響時間も長めですが,直接音に対して音離れが良いのでサウンド自体はキレがあり締まっていて悪くありません。少し演出感が強めで実在感が薄いので私の好みとはだいぶ違うのですが,トータルの印象はプラスでした。だいぶオマケですが四つ星半としました。

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分売時のジャケット写真

モーツァルト:交響曲第40番,第41番「ジュピター」(ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/バイエルン放送交響楽団)

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モーツァルト:交響曲第40番,第41番「ジュピター」
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/バイエルン放送交響楽団
2013年1月31日-2月1日,2017年12月21,22日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
BR Klassik 900164 (P)(C)2018 BRmedia Service (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

これだけご高齢になられてもなおこんなキレのある指揮をされるということに驚きを禁じ得ません。モダン楽器オーケストラの大きめの編成だと思いますが,速めのテンポで小気味よく,そして豊潤かつ透明感のある響きを引き出しており,引き締まった造形の音楽を奏でています。一つの規範となるような普遍性を感じる演奏でした。

そして録音なのですが,それなりに残響があるものの楽器音への影響は少なく,明瞭で歯切れのよいサウンドを保っています。残響もふわっと後方に空間性をもって広がるようであり,その質も良い方だと思います。ほんのわずかに中域に癖を感じるものの十分許容範囲です。ボリューム感があり個人的にはもう少しすっきり見通しが良ければなぁと思いますが,これでも十分に好録音です。

録音年が少し離れていますが,音作りは揃っていて違和感はありません。第40番の方が少し中高域がうるさめで,第41番はその点わずかながら良好のように思いました。

R. シュトラウス:管弦楽曲集(ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団) ~ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings より

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[CD 20] R. シュトラウス:家庭交響曲作品53,交響詩「死と変容」作品24
ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団
録音 1995年2月6-7日 Herkulessaal der Residenz, Munich
好録音度:★★★★
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 21] R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30,「ばらの騎士」組曲作品59,交響詩「ドンファン」作品20
ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団
録音 1995年2月6-8日 Herkulessaal der Residenz, Munich
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 22] R. シュトラウス:交響詩「ティルオイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」作品28,交響詩「英雄の生涯」作品40
ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団
録音 1996年11月14,15日 Studio 1 of the Bavarian Radio
好録音度:★★★★
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 23] R. シュトラウス:アルプス交響曲作品64,交響詩「マクベス」作品23
ロリン・マゼール指揮/バイエルン放送交響楽団
録音 1998年3月1-4日 Herkulessaal der Residenz, Munich
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

今回は録音のみコメントします。1990年代の後半からレーベルがRCAに移っているようで,録音の傾向も全体のまとまり,自然さを重視した音作りになっているように思います。そのため,不自然さやあざとさはなくなっていますが,一方で個々の楽器の質感はやや感じ取りにくくなっています。とはいえ明瞭感や高域の伸びなどまずまず良好で,特にツァラトゥストラやアルプス交響曲は良い状態だと思います。

ただちょっと出来にばらつきがあって,家庭交響曲や英雄の生涯は少しベールが被ったように音色にくすみが見られて好録音というには少し物足りなく感じました。気になるのは,例えばツァラトゥストラと家庭交響曲は解説書に記載されている録音日がほぼ同じにも関わらず,録音の少し違って聴こえることで,この解説書の記載内容は信用できるのだろうかとちょっと疑ってしまいました。

あと,ジャケット写真を見ると,ドルビーサラウンドのロゴが入っています。発売当時を思い出すと,確かこれらはステレオでも一応楽しめるが,ドルビーサラウンドデコーダを通すとサラウンドで楽しめるというものだった気がします。そのためかステレオでしか聴かない私にとってはあまり印象の良いものではなかったのですが,これを聴く限りはドルビーサラウンドのエンコードがされたままの音源なのか,リマスタリングされた音源なのかはわかりませんでした。まあいずれにしてもこれなら問題ないのですが。



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ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings (30 CDs)
録音 1977~1999年
88697932382 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少しずつ聴き進めています。なかなか一気に聴けないので,一言ずつにはなりますが,聴いたものからコメントを残していきたいと思います。(記2018/09/24)

レビュー済みディスク
[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」,ラヴェル:ボレロ(フランス国立管弦楽団)
[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」(フランス国立管弦楽団)
[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 26-28] チャイコフスキー:後期交響曲集(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 20-23] R. シュトラウス:管弦楽曲集(バイエルン放送交響楽団)
[CD 29-30] ワーグナー:管弦楽曲集(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

過去のレビュー記事
ベートーヴェン:交響曲全集(クリーヴランド管弦楽団)
シベリウス:交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)
(※今改めて聴くとだいぶ違うコメントになるような気がします...)

チャイコフスキー:後期交響曲集(ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド交響楽団) ~ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings より

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[CD 26] チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36
ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団
録音 1981年 Masonic Hall, Cleveland
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 27] チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団
録音 1981年 Masonic Hall, Cleveland
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

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[CD 28] チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74
ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団
録音 不明(記載なし)
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

これはちょっと意外なチャイコフスキーでした。クールというか冷静というか(意地悪な見方をすれば幾分冷めている),上品にまとめているというか。ダイナミックで締まりのある演奏ではありますが,勢いに任せずコントロールを行き届かせながら細部にこだわってキッチリと描き出しています。あぁ,こんなアプローチもあるんだと目から鱗が落ちるような思いです。これはこれで面白いと思いました。

録音は先に取り上げた英雄の生涯とほぼ同じで,マルチマイク的に各楽器を分離良く質感高く捉えていますし,弦楽器中心のサウンド構成も好印象です。好録音です。



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ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings (30 CDs)
録音 1977~1999年
88697932382 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少しずつ聴き進めています。なかなか一気に聴けないので,一言ずつにはなりますが,聴いたものからコメントを残していきたいと思います。(記2018/09/24)

レビュー済みディスク
[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」,ラヴェル:ボレロ(フランス国立管弦楽団)
[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」(フランス国立管弦楽団)
[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 26-28] チャイコフスキー:後期交響曲集(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 20-23] R. シュトラウス:管弦楽曲集(バイエルン放送交響楽団)
[CD 29-30] ワーグナー:管弦楽曲集(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

過去のレビュー記事
ベートーヴェン:交響曲全集(クリーヴランド管弦楽団)
シベリウス:交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)
(※今改めて聴くとだいぶ違うコメントになるような気がします...)

マーラー:交響曲第1番「巨人」(ロリン・マゼールタ指揮/フランス国立管弦楽団) ~ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings より

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[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」
ロリン・マゼール指揮/フランス国立管弦楽団
録音 1979年3月 パリ
好録音度:★★★★☆
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

私はほとんどマーラーを聴かないので的外れなコメントだったら申し訳ないのですが,マーラーにしては(というかマゼールとしては)意外にクセがなくサラッと流しているように感じられました。なので綺麗で聴きやすい一方でちょっと印象に残りにくいようにも思いました。

録音は低域がやや薄いものの,低域から高域まですっきりと伸びていて良好です。少し音像が中央に集まりすぎて立体感に乏しく,またもう少し楽器の質感が感じられればと思いましたが,悪くはありません。少しオマケですが四つ星半です。



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ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings (30 CDs)
録音 1977~1999年
88697932382 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少しずつ聴き進めています。なかなか一気に聴けないので,一言ずつにはなりますが,聴いたものからコメントを残していきたいと思います。(記2018/09/24)

レビュー済みディスク
[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」,ラヴェル:ボレロ(フランス国立管弦楽団)
[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」(フランス国立管弦楽団)
[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 26-28] チャイコフスキー:後期交響曲集(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 20-23] R. シュトラウス:管弦楽曲集(バイエルン放送交響楽団)
[CD 29-30] ワーグナー:管弦楽曲集(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

過去のレビュー記事
ベートーヴェン:交響曲全集(クリーヴランド管弦楽団)
シベリウス:交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)
(※今改めて聴くとだいぶ違うコメントになるような気がします...)

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,他(マンフレート・ホーネック指揮/ピッツバーグ交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
R. シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調作品11
マンフレート・ホーネック指揮/ピッツバーグ交響楽団
2017年10月27-29日, 2012年9月22-24日 ピッツバーグ,ハインツ・ホール
FR728SACD (P)2018 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,HMV Onlineicon,Apple Music

ホーネック指揮ピッツバーグ交響楽団のベートーヴェンは以前に第5番「運命」,第7番を取り上げていました。強烈な推進力のド迫力の演奏は変わりなしです。これほど「筋肉質」という言葉が似合う演奏もそうないのではないでしょうか。全身バネで力が有り余っている感じです。ちょっとやり過ぎ感はありますが,これもまた一興ですね。

録音ですが,この演奏と方向性が合っているというか,とにかく音を詰め込んで蓋を開けたらうわっとあふれ出すような感じですね。クラシックにも音圧競争の波が押し寄せてきたかと思うほどです。それぞれの楽器の音を濃厚に捉えていて胸焼けしそうですが,低域の響きが比較的締まっているので何とか許容範囲です。

とにかく演奏も録音も強烈です。

今回はApple Musicで試聴しました。国内の輸入盤発売は10月末頃のようです。

タグ: [交響曲] 

ベルリオーズ:幻想交響曲(ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド交響楽団) ~ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings より

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[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲作品14
ロリン・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団
録音 1977年 クリーヴランド
好録音度:★★★★
※ジャケット写真は解説書に掲載されているもの

いやー,マゼール節全開の痛快な演奏。弦楽器は対向配置だと思うのですが,2本のハープまで対向配置になっているのには思わずニヤッとしてしまいました。第1楽章の提示部のリピート省略は残念。

録音ですが,残響はそれなりにあるものの,楽器音への影響は少なめで比較的聴きやすくまとめられています。分離感も悪くないのですが,楽器の質感は弱めで少しもどかしさが残ります。好録音というにはわずかに物足りず惜しいです。



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ロリン・マゼールの芸術 Lorin Maazel Great Recordings (30 CDs)
録音 1977~1999年
88697932382 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少しずつ聴き進めています。なかなか一気に聴けないので,一言ずつにはなりますが,聴いたものからコメントを残していきたいと思います。(記2018/09/24)

レビュー済みディスク
[CD 7] ベルリオーズ:幻想交響曲(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 10] ホルスト:組曲「惑星」,ラヴェル:ボレロ(フランス国立管弦楽団)
[CD 11] マーラー:交響曲第1番「巨人」(フランス国立管弦楽団)
[CD 19] R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 26-28] チャイコフスキー:後期交響曲集(クリーヴランド管弦楽団)
[CD 20-23] R. シュトラウス:管弦楽曲集(バイエルン放送交響楽団)
[CD 29-30] ワーグナー:管弦楽曲集(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

過去のレビュー記事
ベートーヴェン:交響曲全集(クリーヴランド管弦楽団)
シベリウス:交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)
(※今改めて聴くとだいぶ違うコメントになるような気がします...)

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲全集(フランス・ブリュッヘン指揮/18世紀オーケストラ)

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ベートーヴェン:交響曲全集
フランス・ブリュッヘン指揮/18世紀オーケストラ
1984~1992年 オランダ
478 7436 (P)(C)2014 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ブリュッヘン/18世紀オーケストラの1回目の全集で(→2回目),8年の年月をかけて完成されました。このボックスセットにはトーマス・ツェートマイアーをソロに迎えたヴァイオリン協奏曲と,プロメテウスの創造物全曲も収録されています。

この1回目の全集は過去の名曲名盤のベートーヴェンの交響曲のランキングでもベストに選出されるものがあったと記憶しています。聴いてみたいと思いながら今に至っておりました。私の苦手なピリオド楽器のオーケストラなのでどうかなと思いましたが,確かに独特のノンビブラートの響きにはう~んと思ったものの,速いテンポの推進力のある演奏には惹かれるところがありました。今でこそいろんな演奏が存在して珍しくもなくなってきましたが,当時は本当に衝撃的だったんだろうなというのは容易に想像が出来ますし,今でも色褪せていないと思います。

さて録音ですが,長期にわたって完成されたということもあって,録音の質は結構ばらついていて全集としての統一感が今ひとつ感じられません。特に第1番と第9番が音色が曇りがちで今ひとつ冴えない録音です。その他は残響はあるものの直接音とのバランスはそこそこ取れていて,ばらつきがありながらもオーケストラの録音としては許容範囲に入ると思いました。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
2013年1月23-27日 ケルン,フィルハーモニー
PH13028 (P)(C)2013 Profil (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
2017年7月11-15日 ケルン,フィルハーモニー
PH17057 (P)(C)2017 Profil (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:大学祝典序曲作品80,悲劇的序曲作品81
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
2017年7月11-15日 ケルン,フィルハーモニー
PH17085 (P)(C)2018 Profil (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,HMV Onlineicon

ベートーヴェンの交響曲第4番,第5番が良かったサラステ指揮WDR交響楽団のブラームスの交響曲全集。第1番と第3番が2013年,第2番と第4番が2017年の録音です。この演奏も極めてオーソドックスなアプローチでスタンダード路線かなと思います。これはこれで良いのですが,もう少し躍動感が欲しかったと思います。このようなアプローチなのでちょっと印象が残りにくいかなと。また,第1番第1楽章の提示部のリピートが省略されているのも惜しいと思いました。

録音ですが,録音時期が離れていますが,全体としては統一感はあります。ただ第1番と第3番は少し音色の精彩が薄く,また,音像がこぢんまりしていてステージ感,広がり感がすこし劣ります。第2番と第4番はその点ではまずまず良く,また,全体としてマイナスポイントが少ない標準的な録音というのも好印象でした。

なお,これら3枚がセットになった全集がまもなく(9/20?)発売されるようです。

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ブラームス:交響曲全集
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
PH18038 (P)2013,2017,2018 (C)2018 Profil (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ブラームス:交響曲第1番,第2番,第3番,他(トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:愛の歌作品52, 65より9曲(作曲者編)
ブラームス:ハンガリー舞曲集 第1番,第3番,第10番
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2011年3月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-1756 (P)(C)2012 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンのお題による変奏曲作品56a,大学祝典序曲作品80
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第6番,第7番,第5番(ダウスゴー編)
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2016年5月,6月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-2257 (P)(C)2017 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
シューベルト:6つの歌(ブラームス編曲)
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第11-16番(ダウスゴー編)
ブラームス:アルト・ラプソディ
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2016年11月, 2017年3月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-2319 (P)(C)2018 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴。確か第1番と第2番は持っていたはずなのだけどどこにしまい込んでしまったのか見当たらず...(末期症状(^^;)。

快速テンポで攻める演奏。ちょっと落ち着きがないのですが,「おぉ!」と「やり過ぎだろ」がめまぐるしく繰り返されていきます(^^;。何度も聴いているとこれが快感に変わり病みつきになってきます。第3番第1楽章の内声のシンコペーション,ハンガリー舞曲第5番の冒頭の表現など特に素晴らしく思いました。とてもお勧めできるような演奏ではありませんが,一聴の価値はあるかと思います。

録音ですが,残響は控えめでドライ気味,明瞭で伸びと締まりのあるサウンドが良いと思います。もう少し生々しく楽器の質感を強めに出してくれたら文句なしだったのですが,その点が惜しいです。また,もう少し弦楽器にフォーカスして欲しかったかなと。少しオマケですが四つ星半の好録音です。

さて,残す第4番がどのような演奏になるのか,楽しみです。

チェリビダッケ・エディション第1集 交響曲集(セルジウ・チェリビダッケ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)

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チェリビダッケ・エディション第1集 交響曲集
セルジウ・チェリビダッケ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
1987~1996年 ミュンヘン,ガスタイク・フィルハーモニー,ヘルクレスザール
0855662 (P)(C)2011 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ミュンヘン・フィルとのライヴ録音?を集めたエディションで,この第1集は交響曲集(14 CD),第2集はブルックナー交響曲集(12 CD),第3集はフランス・ロシア音楽集(11 CD),第4集は宗教音楽・オペラ序曲集(11 CD)が出ています。チェリビダッケの指揮はほとんど聴いたことがありませんでしたので,比較的馴染みの曲の多い第1集を入手しました。

第1集の収録曲は以下の通りです。いずれも拍手の入るライヴ録音です。

ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」, 第103番「太鼓連打」, 第104番「ロンドン」
モーツァルト:交響曲第40番
ベートーヴェン:交響曲第2番~第9番(第4番は2種)
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」
ブラームス:交響曲全集
シューマン:交響曲第2番~第4番

ベートーヴェンとシューマンがいずれも第1番抜けていて全集になっていないのが残念なのですが,コンサートのライヴを集めているようなので仕方ありません。

録音ですが,録音時期や会場が違ってもほぼ統一感がありました。残響はやや多めに取り入れているものの,それぞれの楽器の音を直接音主体に捉えているので,印象は悪くありません。特に弦楽器の豊潤な響きを中心に据えて全体のサウンドを構成しているのが良いです。演出感が少なく良い意味でライヴらしい雰囲気も感じられます。好録音というには少しどうかなと思いますが,ライヴ録音としてはまずまず良好と言えるのではないでしょうか。

演奏自体はまだ聴き始めたところで,これからじっくりと楽しみたいところですが,遅めのテンポですが独特の語り口が魅力的で,それほど好きなタイプの演奏とは思えないのですが,どこか惹かれるところがあります。熱烈なファンがいらっしゃるというのも納得です。

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲第4番,第5番「運命」(ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第4番,第5番「運命」
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
Nov 20 - Nov 25, 2017 Köln, Philharmonie
PH17084 (C)2018 Profil Medien (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

現代のスタンダードを目指したような演奏だと思いました。どちらかといえばオーソドックスで,大編成のオーケストラをキッチリとコントロールして引き締まったシャープな演奏に仕上げています。突出した特徴はありませんが,要所で存在感をアピールするティンパニーは面白いです。

録音ですが,残響はやや多めながら,低域の響きを引き締め,楽器音への被りをうまく避けるように取り入れられているので,楽器音への影響が少なく,明瞭で伸びのある音が保たれています。低域がやや多めのバランスで,中高域は癖がなくフラットな印象です。密度感はありますが暑苦しくなったり騒々しくなったりしないギリギリのところで抑えている感じです。まずまずの好録音でした。

ブラームスに続くベートーヴェンの交響曲シリーズの第一弾とのことです。今後の録音も楽しみです。

ベートーヴェン:交響曲全集(朝比奈隆/大阪フィルハーモニー交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
朝比奈隆指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団
2000年 7/23 サントリーホール(No1, 3),5/3 アクロス福岡(No.4),5/10 大阪ザ・シンフォニーホール(No.5),9/24 大阪ザ・シンフォニーホール(No.7, 8),3/10 大阪フェスティバルホール(No.2, 6),12/29 大阪フェスティバルホール(No.9)
Exton OVCL 00354 (P)2000 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。拍手の入るライヴ録音。「2000年に行われた生涯で9回目のベートーヴェン交響曲ツィクルスの演奏会を記録した,生涯で7回目の交響曲全曲録音」とのことです。7回も全集録音しているとは知りませんでした。興味はあったものの高価なセットが多かったために一度も聴いたことがありませんでした。このような貴重な演奏がストリーミングですが聴けるというのは本当に有り難いです。

演奏は遅めのテンポで堂々としています。リピートも気がついた限りではキッチリとやっているようなので演奏時間がかなり長くなっていますが,長さを感じさせない充実感があります。今となっては古めかしさも感じますが,往年の巨匠スタイルを極めていますね。私の好きなタイプの演奏ではありませんが,これには聴き入ってしまいました。良いと思います。

録音ですが,幾つかの会場で録音されているので響きの具合など少しばらつきはありますが,統一感は確保されています。残響が少し多めに取り込まれていますが,直接音がそこそこあるので印象は悪くありません。弦楽器を中心にサウンドが構成されているのも良いと思います。オーディオ的には少し雑味というか粗さがあるように思います。ライヴ録音なので仕方ないかもしれません。

タグ: [交響曲] 

チャイコフスキー:後期交響曲集(ラファエル・クーベリック指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36
ラファエル・クーベリック指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
18-19. I. 1960. Musikvereinssaal, Vienna
WPCS-28008 (P)(C)1961 Parlophone Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
ラファエル・クーベリック指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
21-24. I. 1960. Musikvereinssaal, Vienna
WPCS-28009 (P)(C)1962 Parlophone Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74
ラファエル・クーベリック指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
24-25 & 27-28. I. 1960. Musikvereinssaal, Vienna
WPCS-28010 (P)(C)1961 Parlophone Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

クーベリックが1961年にバイエルン放送交響楽団の首席指揮者に就任する直前にウィーン・フィルと録音したもの。ストイックに楽曲に向き合い推進力のある硬派な演奏を展開しています。オーケストラが若干暴れ気味だったり縦の線が乱れる場面はあるものの,聴き応えのあるなかなか良い演奏に思いました。

一方録音なのですが,この少し前に録音されたブラームスの交響曲全集が私の好みの録音だったので期待したのですが,少し期待とは異なりました。音の捉え方は基本的には悪くないのですが,まとまりはある一方で生々しい質感は少し薄まっていることと,中域から高域にかけて少し癖のある刺激的なやかましい音作りになっています。これは惜しいと思いました。2017年の最新リマスターとのことなのですが...やっぱりEMI(?)だから?(ブラームスはDeccaだった)

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,第5番「運命」,第6番「田園」,第7番,第8番,他(ベルトラン・ド・ビリー/ウィーン放送交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:エグモント序曲作品84,コリオラン序曲作品62
ベルトラン・ド・ビリー指揮/ウィーン放送交響楽団
Recorded 2006, Sendesaal des ORF
OC 621 (P)2006 (C)2012 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
ベルトラン・ド・ビリー指揮/ウィーン放送交響楽団
Recorded August 2007, February 2008, ORF RadioKulturhaus
OC 630 (P)(C)2007/2008 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品93
ベルトラン・ド・ビリー指揮/ウィーン放送交響楽団
Recorded February 3-6, 2008, June 24-26, 2009, Studio 6, ORF Funkhaus, Vienna
OC 640 (P)2008/2009 (C)2010 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

大オーケストラによる演奏ですが,速めのテンポでキビキビとしており引き締まっていて好印象です。どちらかとえいば正攻法の演奏で驚くようなところはありませんが,この気持ち良くサラッと進行していく音楽は結構好きかなと思います。

録音ですが,残響はそれなりにあるもののあまり尾を引かずドライな響きです。直接音が主であり明瞭感もそこそこあります。帯域バランスが少し低域に寄っているのが気にはなりましたが許容範囲です。録音会場がそれぞれ違うようで,少しずつ違う気はするのですが,それほど差はなく違和感のない範囲でした。少しオマケですが四つ星半です。

なお同顔合わせによるベートーヴェンの交響曲はあと第2番のディスクがリリースされています。

ベートーヴェン:交響曲全集(山田一雄指揮/札幌交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
山田一雄指揮/札幌交響楽団(第1番のみ矢崎彦太郎指揮)
1989年~1991年 北海道厚生年金会館大ホール
TWCO-1001/5 (P)1991 FM HOKKAIDO BROADCASTING (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

札幌交響楽団のベートーヴェンの交響曲全集といえば,2011年収録の尾高忠明指揮の全集がたいへん良かったので,これを見つけて迷わず入手しました。2011年からさかのぼること約20年,この20年の間に何が変わって何が変わらなかったのか,とても興味深く聴かせていただきました。少なくともこの20年の間の技術的な進歩は目を見張るものがある,ということを申し上げておきたいと思います。この全集の良さは理解するものの,やはり札幌交響楽団のファン向けの(貴重な歴史的)アイテムだなとは思いました(微妙な言い回しですみません)。

録音ですが,残響はあまりなく,生録的で演出感のない,ライヴの雰囲気を素直に伝えてくれる録音という点では好感を持つものの,録音技術という点ではあまり優れているとは言い難く,どちらかといえば記録用に残した録音という域を出ていません。まあこれは仕方がないかもしれません。

このディスク,当初はインディーズ系からリリースされていたそうですが,すぐに廃盤となっていたそうです。こういう貴重な記録の復刻をするなど,Tower Recordsさん,なかなかやりますなぁ。今後も様々な貴重な音源の復刻を期待します。

タグ: [交響曲] 

シューマン:交響曲全集(マーラー編曲版と通常版)(リッカルド・シャイー指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団)

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シューマン:交響曲全集(マーラー編曲版)
リッカルド・シャイー指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
2006, 2007年 ライプツィヒ,ゲヴァントハウス
478 0037 (P)(C)2008 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考:Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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シューマン:交響曲第1番「春」,第4番
リッカルド・シャイー指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音 1990年代前半?
好録音度:★★★★
参考:Apple Music

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シューマン:交響曲第2番,第3番「ライン」
リッカルド・シャイー指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音 1990年代前半?
好録音度:★★★★
参考:Apple Music

いずれもApple Musicでの試聴です。おそらくいずれも現役盤はないと思います。マーラー編曲版のほうは若干在庫があるようですが,アムステルダム・コンセルトヘボウとの通常版?の方は入手不可能ではないにせよ手に入れにくいように思います。こういうものが気軽に聴けるというのは有り難いことです。

さてマーラー編曲版を第1番から聴いてみて,のっけからあれ?あれ?音の高さが低い?楽器が違う?という感じだったのですが,聴き進めていくと,いろいろと違うのはわかるのですが,何がどう違うのか具体的に示せと言われると困ってしまうというところです。まあこのあたりは分析的に聴く能力のない素人の限界ということで(^^;。

シューマンは一般的にオーケストレーションが下手と言われていると思います。マーラー編曲版を聴くと,確かに響きが整理されていたり,厚みを増して下支えがしっかりとしていたり,などと感じるところはありました。ただ,それは録音によるものかもしれないですし,オーケストラの違いによるものなのかもしれないし,その本質を感じ取れているのかはよくわかりません。また,マーラー編曲版と明記されていない演奏であっても,部分的にマーラー編曲版の成果を取り入れていたり,指揮者独自の判断で改変を加えているということも普通に行われていると聞きます。

まあいずれにしてもこれらの演奏を,わかる・わからないはあるにせよ,あれこれ考えながら聴くのがクラシック音楽の楽しみなのであって,個々人がそれぞれの思いで楽しめばいいんだよね,と思いました。この演奏に関してWebを検索すると,かなり細かく違いを考察されている方もいらっしゃるので,そういうのも拝見しながら聴くといろいろと発見があって楽しめました。

音楽愛好者の立場から勝手に言わせていただくと,出来ることなら,全く手を加えていない素の演奏と,マーラー編曲版の演奏を,同じ指揮者,同じオーケストラで,同時期に,同条件で録音するというような酔狂な企画があるとうれしいんだけど,どなたかやってくれないですかね?

最後に録音ですが,通常版の方は1990年代前半の録音と思われますが,残響が多めで各楽器の分離も良くなく,全体のまとまりはあるかもしれませんが,明瞭感に乏しくあまり良い印象ではありませんでした。その点,マーラー編曲版の方がやや分離感,楽器の質感は良くマシではあるのですが,かつての最も良い頃のデッカの録音からすると,それほど録音に魅力を感じません。特にマーラー編曲版と銘打ってリリースするような企画なのですから,明瞭で分離感の良い録音のほうがより楽しめると思うのですが。

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲第7番,第8番(久石譲指揮/ナガノ・チェンバー・オーケストラ)

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ベートーヴェン:交響曲第7番,第8番
久石譲指揮/ナガノ・チェンバー・オーケストラ
2018年2月12日 長野市芸術館 メインホール
EXTON OVCL-00666 (P)(C)Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

久石譲/ナガノ・チェンバー・オーケストラのベートーヴェン・ツィクルス第三弾。第一弾の第1番,第3番は以前取り上げていました(第二弾の第2番,第5番は未聴)。第一弾と同じく推進力のある演奏がたいへん魅力的でした。速めのテンポなのですが,単に速いということではなく,リズム感が既存の演奏とはだいぶ違うように感じられます。「ため」や揺らぎの全くないインテンポ感,ところによって前のめりにもなるこの感じは今までにあまりないと思います。

それで録音なのですが...録音についても第一弾とほぼ同じ感想です。残響過多でこれだけ残響があるのに音像,響きともに平面的で立体感,空間性がありません。低域の響きも過剰で中高域に被るのも鬱陶しく感じられます。そして,響きのピークが遅れてやってくるのもこのリズム感を削ぐ効果しかなく,この音楽を活かす録音とは言い難いです。

少し誇張して辛口に書きました。こういう録音が好みの方もいらっしゃることは理解はするものの,少しやり過ぎではと思います。演奏が面白いだけにこの録音は私としては残念でなりません。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン)

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ブラームス:交響曲全集
ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン
2017年10月 ベルリン,ピエール・ブーレーズ・ザール
4835251 (P)(C)2018 Deutche Grammophone (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。ディスクは8/31の発売ですが,e-onkyoとApple Musicはすでにリリースされています。1993年のシカゴ交響楽団の全集からおよそ25年を経ての再録音とのことです。録音されたホールは,2017年3月にオープンしたばかりの,豊田泰久氏が音響設計を担当したという,ベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールです。

演奏は全体に遅めのテンポで堂々としていてスケールが大きいのが特徴です。伝統的な演奏スタイルを継承しているようです。とうとうと流れる大河に身を任せているような気分になります。目新しさはありませんがオーソドックスなスタイルを極めたような充実感がありますね。ただ,ものすごく残念なのが,第1番と第2番のリピートが省略されていることです。また,第3番では,12:33あたりで,あれっ?こんなんだったっけというような強い違和感を覚える箇所があります。楽譜の版が違うのか編集ミスなのかわかりませんが。

録音ですが,残響はあるものの適切な範囲であり,大オーケストラの音響を可能な限り詰め込もうとした高密度感が特徴で,少し暑苦しさを感じるものの,それぞれの楽器がそこそこ明瞭に聴こえるので悪くありません。特に私の好きな録音ではないのですが,欠点が少ないという点で良好な部類に入ると思います。

ベートーヴェン:交響曲全集(ヘルベルト・ケーゲル指揮/ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
ヘルベルト・ケーゲル指揮/ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
1982~1983年 ドレスデン,ルカ教会
N 50 001 (P)2015 DELTA MUSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineicon

往年の巨匠の名演奏の廉価盤。演奏は至極オーソドックスですが,1980年代前半の録音ですが,もう少し前の時代のような印象も受けます。

録音ですが,少し残響が多めですが,弦楽器を中心に据えた録音は聴きやすく,この当時のオーケストラ録音としては標準的な部類に入ると思います。

演奏も録音もまずまず良いのですが,オーソドックスすぎて少し印象が残りにくいかなと思いました。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集,セレナーデ第1番,第2番(マリオ・ヴェンツァーゴ指揮/タピオラ・シンフォニエッタ)

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ブラームス:交響曲全集
ブラームス:セレナーデ第1番,第2番
マリオ・ヴェンツァーゴ指揮/タピオラ・シンフォニエッタ
9-15 January 2016 (Symphony No.1, Sereades), 17-19 February 2017 (Symphony No.2), 19/20 September 2015 (Symphony No.3), 30 January - 5 February 2015, at Espoon kulttuurikeskus, Tapiola, Finland
19075853112 (P)(C)2018 Sony Music Entertainment Switzerland (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

タピオラ・シンフォニエッタは小編成のオーケストラで,ブラームスの交響曲第4番を初演したマイニンゲン宮廷管弦楽団とほぼ同じ規模であり,ピリオド奏法を取り入れて演奏されています。小編成での演奏やピリオド奏法を取り入れた演奏は今やそれほど珍しいものではなくなってきていますが,ここで聴けるサウンドは単にピリオド奏法を取り入れたというような枠にとどまらない,今までのブラームスの印象とはずいぶん違う新しい表現を切り拓くことに成功しているように思いました。

演奏にキレとスピード感があるにも関わらず,とにかく良い意味でユルく力が抜けていて軽く,そして響きが透明で美しいのです。青春の息吹を感じますね。勿体ぶらない指揮も良いと思います。こういう演奏なので第2番やセレナーデが良いのはもちろんですが,渋いイメージのある第4番なども今まで持っていたイメージとは全く異なる世界を作ることに成功しているように思います。これは小編成にしかできない,小編成を真に活かした好演奏と言えるでしょう。私はピリオド奏法は苦手な方ですがこれは全く気になりませんでした。好き嫌いははっきり分かれるかもしれませんが,私は大変気に入りました。

さて録音ですが,小編成の場合,どうしても弦が弱くなりがちなのですが,この録音ではその弱点が出ないよう,そしてバランスが崩れないギリギリのところまで弦楽器を大きめに捉え,弦楽器がサウンドの中心に据えられているという点でまず好感を持ちました。残響はそれなりにあるのでやや不明瞭で楽器の輪郭がぼやけるきらいはありますが,それでも個々の楽器は分離よくしっかりと捉えられているので悪い印象ではありません。正直なところもう少しすっきりと透明感と質感を大事に小編成をもっと活かす録り方をして欲しかったとは思いますが,まあこれでもまずまずの好録音かなとは思います。すこしオマケですが四つ星半です。

メンデルスゾーン:交響曲全集(クラウディオ・アバド指揮/ロンドン交響楽団)

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メンデルスゾーン:交響曲全集
クラウディオ・アバド指揮/ロンドン交響楽団
1984年2月18日-20日(第2番,第3番),10月5日-10日(第1番,第4番,第5番) ロンドン
UCCG-4326/8 (P)1985 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

持っているはずなんだけどどこにしまい込んでしまったんだろうと長い間行方不明で探し続けていたディスク。先日車のトランクの中から発掘されました(^^;。

本全集は同曲のスタンダートとしての地位を確立した名盤ですね。端正で品格のある安定した曲運びに安心して音楽に没入できます。こういう巧さはさすがですね。

録音ですが,この頃のドイツ・グラモフォンの録音らしくすっきりと整っていますし,残響感も適度であり,音色も綺麗です。あえて言うならやや楽器の質感に乏しく,生楽器の現実感が希薄で人工的に作り込まれたような不自然さを感じるところでしょうか。まずまずの好録音だとは思いますが,もう少し生々しさを残して欲しかったところです。

ブラームス:交響曲第1番,ハイドンの主題による変奏曲(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
2016年3月21-23日,25日 ヴィースバーデン,クアハウス(交響曲第1番),2017年1月26-27日 ベルリン,フンクハウス・ベルリン(ハイドン変奏曲)
SICC 10254 (P)(C)2018 The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルのブラームスの第二弾。第一弾の交響曲第2番は以前取り上げていました(→こちら)。演奏に関しては第2番とほぼ同じ印象で感想も変わりません(手抜きですみません)。

そして録音がやはり同様に今ひとつで,若干悪化しているようにも感じました。オーディオ的なクオリティは悪くないのかもしれませんが,正直なところこのオーケストラの魅力を全く伝えてくれていないように思います。はっきり言って(録音として)つまらないのです。音の厚み,密度感はあるのですが,やはり残響によって音がくすみ濁しているだけであり,楽器の質感も失われています。また空間的な広がり,音像の立体感も希薄です。せっかくの中規模編成の機動力,見通しの良さが全く感じられません。やはり録音が演奏の素晴らしい面を捉えきれず台無しにしているようにしか思えません。これは残念無念です。

なお,ハイドン変奏曲の録音の方が少しだけマシです。録音会場が違うためかもしれません。

しかし,残りの2曲の録音もこんなだとすると,買うかどうかちょっと迷いますね。

(まあちょっと期待が大きい分落胆も大きいということでちょっと大げさに書いているところはあります。その点差し引いて読んでください。)

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲全集,荘厳ミサ曲,序曲集~「NHK交響楽団ベートーヴェン生誕200年記念ツィクルス1970」から(ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮/NHK交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集,荘厳ミサ曲,序曲集
ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮/NHK交響楽団
1970年4月15日~5月13日 東京文化会館
KKC2127 (P)2018 King International (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

1970年4月14日から約1ヶ月間かけて行われた「NHK交響楽団ベートーヴェン生誕200年記念ツィクルス1970」から。曲の始まりでちょっとずっこけるところがいくつかあるのですが,始まってしまうと熱い演奏が繰り広げられてグイグイと引き込まれていきます。当時のNHK交響楽団の演奏の様式や技術水準を垣間見ることが出来るという点でも興味深く聴かせていただきました。こういう演奏を聴くと,現代の演奏は良くも悪くも随分と変わったのだなと実感します。

録音ですが,これはあくまで想像ですが,メディアでの発売を想定した録音ではなく,記録のために残しておいた録音ではないかと思います。指揮者の上方の天吊りマイクのみのような生録的な音質です。本当にそうなのかどうかはわかりませんが,良くも悪くもワンポイント録音的な特徴があるように思います。

残響感はあるものの比較的控え目なので,その点での鬱陶しさはあまりありませんが,ホール,ステージの響きの癖がそのまま録音に入り込んでいるので,ある意味リアルですが,今ひとつすっきりとしません。低域は必要十分ですが,高域の伸びがなくナローレンジです。全体のまとまりは良いのですが,個々の楽器の質感が希薄でもどかしさを感じるのもワンポイント録音的です。

演奏会の記録として残されていたものを掘り起こした音源と思いますのでこういった欠点は仕方ないところですね。純粋にベートーヴェンの音楽を楽しみたいと思うと不満が残る録音ですが,貴重な歴史的録音として楽しむ分には十分に許せる水準にはなっていると思います。

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェンの交響曲全集ピアノ編曲版を2セット聴いてみました

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ベートーヴェン:交響曲全集(リスト編曲版をもとにしたカツァリス版)
シプリアン・カツァリス Cyprien Katsaris (Piano)
録音 1981-89年年
2564608652 (P)1982 Teldec Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(第1番~第5番),★★★★(第6番~第9番)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ベートーヴェン:交響曲全集(リスト編曲版)
コンスタンティン・シチェルバコフ Konstantin Scherbakov (Piano)
8505219 (P)2006 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

リスト編曲のベートーヴェン交響曲ピアノ版といえばカツァリスの全集が有名でお聴きになった方も多いと思います。恥ずかしながら私は今まで全く聴いたことがなく,今回が初めてです。この編曲版の全集がもう一つあることもわかったので,この機会に一緒に聴いてみました。

カツァリスの全集は,リスト編曲からさらにその後のピアノ演奏技術の進歩で可能になったテクニックをつぎ込んだ独自の編曲を行っているということで,とにかく可能な限り音を詰め込んで派手に鳴らしまくり,絢爛なサウンドで躍動感のはじける音楽を作りあげています。彼は本当にエンターテナーですな。

一方シチェルバコフの方は,リスト編曲に忠実に従っているのか,カツァリスのあとに聴くと,ストイックで地味に聴こえてしまうのですが,技術の確かさもあってとてもくっきりと曲の構造が見通しよく浮かび上がってきますし,これはこれでベートーヴェンらしくて良いんじゃないかと思いました。

ピアノ編曲版といってもアプローチが正反対で,それぞれ楽しく聴かせていただきました。

さて録音ですが,カツァリスの方は第1番から第5番は残響が少なく,ピアノの音がダイレクトに届く感じがあって良好なのですが,第6番以降は残響が多く,音色が曇り,明瞭感が良くなく,音の抜けが悪くなってすっきりしません。せっかくのきらびやかな演奏なのにこの録音はそれを損なっていると思います。もったいないです。

シチェルバコフの方は,残響感はあまりないのですが,わずかに被る響きのせいでやはり音色がくぐもって硬くなり伸びを失いすっきりと音が抜けていきません。まあそんなに悪くはないのですが,ちょっと響きの扱いが半端で損をしていると思います。

ベートーヴェン:交響曲全集(ペーター・シュタンゲル指揮/タッシェン・フィルハーモニー)

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ベートーヴェン:交響曲全集
ペーター・シュタンゲル指揮/タッシェン・フィルハーモニー
2012年~2017年 Munich/Pullach/Germany
ETP010 (P)(C)2017 Edition Taschenphilharmonie (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

タッシェン・フィルハーモニーは12名から20名で構成され「史上最少のオーケストラ」とも呼ばれているとのことです。今までにベートーヴェンの交響曲を含めすでに何枚かリリースされていて,その一部を以前取り上げていました(→こちら)。このときのコメントで「弦楽器の構成はヴァイオリン3名,ヴィオラ2名,チェロ2名,コントラバス2名」と書いていますが,下の写真を見るともう少し少ないのかもしれません。

それで演奏なのですが,やはり基本的には前のレビューの感想と変わりません。室内楽の弦楽器にオーケストラの管楽器が組み合わさるわけですから,このバランスの悪さどうにもなりません。管楽器が鳴り出した途端に弦楽器は辛うじてエッジが聴こえるだけでボディの鳴りは全く聴こえず,もどかしさしか感じられませんでした。この中では管楽器の編成が比較的薄い第6番「田園」,次いで第1番が何とかギリギリ聴けるかなとは思いましたが,それとて不満がなくなるわけではありません。小気味よいキレのある演奏は大変魅力的だと思うんですけどね...

録音ですが,残響は少なめで締まりがあり,音色への影響も少なく,演出感のない自然な音響で捉えられているのは好感が持てます。弦楽器と管楽器のバランスの悪さは,実際に聴いてもそういうバランスなのだろうなと思うので,それ自体は悪くはないと思います。しかし,音楽として楽しむためには多少のデフォルメを許し,もう少し弦楽器の比率を上げるべきです。意図的にそうしていないのかなとは思いますが。なお,録音自体は悪くはないと思いますので四つ少しオマケですが星半です。

ということで,これはこれで面白く価値ある試みだと思いますし,何かしらの意図は達成されているのだと思います。しかし,純粋に音楽を楽しめるかというと,やっぱり微妙だと言わざるを得ません。

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タッシェン・フィルハーモニー

ブラームス:交響曲全集(ロビン・ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団)

Brahms The Symphonies - sleeve
ブラームス:交響曲全集
ロビン・ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団
Usher Hall, Edinburgh, on 15–29 May 2017
CKD 601 (P)(C)2017 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Linn Records

ディスクの発売が少しずつ遅れているようで,当初3月の予定が2018年4月1日時点で4月10日の発売に延びています。e-onkyoにもまだ出ていません。私は待ちきれずにLinn Recordsから直接ダウンロード購入しました。こちらから購入するとちゃんとPDFのブックレットも付属しています。供給元からPDFが出ているのですから,e-onkyoもブックレットのダウンロードが出来るように対応してほしいものです。

ティチアーティ/スコットランド室内管弦楽団の演奏はシューマンの交響曲全集を取り上げていましたが,これも同様にいわゆる「キレッキレ」の演奏で,ちょっと極端すぎるきらいはあるものの,このような小編成で小気味の良い,見通しの良い演奏は基本的に好きなので,ワクワクしながら聴きました。ただしこれは嫌いな人も多いだろうなと思います。しかし,あろうことか,第1番,第2番の第1楽章の提示部のリピートがどちらも省略されているのです(第3番はリピートあり)。好きな演奏なのにこれだけでとても残念な気持ちになります。

録音ですが,残響はほどほどであり,低域の締まり,高域の伸びもそこそこあって,見通しも良く,良好な録音です。オーディオ品質も高い点はさすがLinn Recordsです。しかしあえて不満を言うと,これはLinn Recordsに共通の特徴だと思うのですが,音は綺麗なのですが,現実感に乏しく過度に加工された作り物のような感じがします。演奏者の存在が希薄で楽器の質感もあまり感じられないのです。これも惜しい点ですね。
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