ブラームス:交響曲第1番,第2番,他(トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団)

thomas_dausgaard_sco_brahms_symphony_no1.jpg
ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:愛の歌作品52,65より9曲(作曲者編)
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第1番,第3番,第10番
トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2011年3月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-1756 SACD (P)(C)2012 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

thomas_dausgaard_sco_brahms_symphony_no2.jpg
ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第6番,第7番,第5番(ダウスゴー編)
ブラームス:大学祝典序曲作品80
トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2016年5月,6月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-2253 SACD (P)(C)2017 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

私も小編成の快速演奏は好きな方なのですが...これはそんな私でもちょっとやり過ぎじゃないの?と思ってしまいます(^^;。特に第1番の第1楽章は提示部のリピートありで15:10,第2番の第1楽章もリピートありで17:31という快速,せわしなくて落ち着きません。オーケストラの技術はアンサンブルも含めて優秀でこれだけ速くても乱れることはありませんが,どうしても乱暴に聴こえてしまいます。もちろんこれが好きな人もいると思いますが,ブラームスとしてはあまり好まれないのではないでしょうか。一方ハンガリー舞曲の方はこのスタイルが合っているような気がしました。う~ん,難しいもんですね。第3番,第4番もリリースされると思いますが,果たしてどんな演奏になるやら...気になります。

録音ですが,BISにしては残響が控え目で比較的すっきりとしているのですが...なんだかあまり楽器の質感が感じられず,現実感・実在感が希薄です。嫌いな録音ではないはずなのに,好録音というには何かが決定的に欠けているような気がして,あまり良い印象が残りませんでした。

第1番はディスクを入手しているはずなのですがどこかに埋もれて行方不明になってしまいました(涙)。先日第2番が発売されて入手するかどうか相当迷ったのですが,Apple Musicで公開されているので聴いてから決めようと思って今回どちらもApple Musicで聴いてレビューしました。第3番,第4番がリリースされたら再度Apple Musicで聴いて入手するかどうか決めることにします(^^;。

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲第1番,第3番「英雄」,第4番,第5番「運命」(フィリップ・ジョルダン指揮/ウィーン交響楽団) *Special Edition Wiener Symphoniker Japan Tour 2017

philippe_jordan_wiener_symphoniker_beethoven_symphonies_1_3_4_5.jpg
ベートーヴェン:交響曲第1番,第3番「英雄」,第4番,第5番「運命」
フィリップ・ジョルダン指揮/ウィーン交響楽団
Musikverein Wien, Vienna. 25/26 February and 8/9/10 March 2017
WS019 (P)(C)2017 WIENER SYMPHONIKER, VIENNA (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

この2枚組の1枚目は昨年取り上げていました(→こちら)。2枚目の第4番,第5番はレギュラー盤は半年後に発売されるそうなのですが,2017年の日本ツアーのスペシャル・エディションとして1枚目とともに日本向けに製造されたとのことです。1枚目の出来が素晴らしかったので,半年を待ちきれずに購入してしまいましたが,こういう発売の仕方は正直あまり有り難くないですね... 勿体ぶらずにさっさとレギュラー盤で発売して欲しいものです。

第4番,第5番についても感想は1枚目と変わらず,演奏も期待通り,録音も良好でした。全集に向けての今後のリリースがますます楽しみになりました。

第1番,第3番についてはe-onkyoでも96kHz/24bit(FLAC or WAV)の音源が発売されていました。

日本向けということで,ジャケ写に漢字(しかも明朝体)で収録曲が記載されているのが新鮮です(^^;。解説書はありませんが,曲名や演奏者も日本語の記載があります。

ブラームス:交響曲全集(ギュンター・ヘルビヒ指揮/ベルリン交響楽団)

gunther_her big_bso_brahms_complete_symphonies
ブラームス:交響曲全集
ギュンター・ヘルビヒ指揮/ベルリン交響楽団
1978-79年
Berlin Classics 0300911BC (C)2017 EDEL GERMANY GMBH (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

録音のせいもあるかもしれませんが,フォルテはとにかくハイテンションであり,旋律は朗々と歌い,聴くも相当の緊張を強いられる演奏で,聴き通すとかなり疲れます。油絵の具でダイナミックに描かれた絵画を鑑賞している気分です。もちろん悪くはないのですが私の好みからすると少し違うかなと思います。なお,第1番から第3番の第1楽章の提示部のリピートはすべて省略されています。

録音ですが,かなり濃厚な音作りとなっており,また中域から高域にかけて少し癖のある響きがあるために緊張感の高い演奏と相まってヒステリックに聴こえるときがあります。疲れるのはこの録音も影響してると思います。カップリングとして悲劇的序曲とハイドンの主題による変奏曲が収録されていますが,録音としてはこちらの方が若干落ち着いた音作りとなっていて聴きやすかったです。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(トーマス・ヘンゲルブロック指揮/NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団) *Blu-ray Disc

thomas_hengelbrock_ndr_elb_po_brahms_complete_symphonies_blu-ray.jpg
ブラームス:交響曲全集
トーマス・ヘンゲルブロック指揮/NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団
2016年5月22日 ハンブルク,ライスハレ
741104 C Major (輸入盤) Blu-ray Disc
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ヘンゲルブロック指揮/NDRエルプフィルのブラームスは,2017年1月にこけら落としが行われた新ホール「エルプフィルハーモニー・ハンブルク」でのセッション録音がリリースされていました(→こちら)。今回取り上げるこの全集は,それに先立つ2016年5月に旧本拠地であるライスハレで行われた,一夜でブラームスの交響曲全曲を演奏する「ブラームス・マラソン」の録画とのこと。これがBlu-ray Disc 1枚に映像で収められています。ライスハレは1908年にこけら落としされたホールとのことで,映像で観てもかなり歴史を感じる趣のあるホールです。昨今のクラシック専用ホールに比べるとやっぱりいささか窮屈で圧迫感があり映像栄えもしないですね(^^。

演奏はいずれも正統派の引き締まった造形の堂々としたもので聴き応え・見応えがあり,なかなか良いと思いました。一晩で演奏されたにしては最後まで集中力が持続されていたと思います。なお,第1番,第2番は第1楽章提示部のリピートが省略されていました。この点は少し残念に思います。

録音ですが,残響は控え目に抑えられ,直接音主体に楽器の質感を大事に録られているためまずまず良好というところですが,音質的にはやや粗さが感じられ,これが少々録音としての魅力を減じているように思います。録り方は悪くないと思うので,この粗さは少々惜しいところです。

前述した新しい本拠地での録音も全集になるようですが,第一弾の「録音」は全く私としては全く魅力を感じませんでした。新しいホールの響きを活かしたかったのかもしれませんが,録音がついていっていないように思いました。難しいものですね。

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲全集(ジャン=フィリップ・トランブレ指揮/フランコフォニー管弦楽団)

jean-philippe_tremblay_orchestre_de_la_francophonie_beethoven_symphonies.jpg
ベートーヴェン:交響曲全集
ジャン=フィリップ・トランブレ指揮/フランコフォニー管弦楽団
July 21 to 24 2009 at Salle Raoul-Jobin, Palais Montcalm, Québec
AN 2 9975-9 (P)2010 Analekta (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

時折縦の線が乱れて混沌とすることがあり,オーケストラの力量に不安を感じる箇所が散見されるとはいえ,この生き生きと弾む音楽は大変魅力的です。テンポは総じて速く,メリハリのある躍動的な演奏が良いです。このオーケストラはカナダのフランコフォニー(フランス語を話す人)の学生を中心に若手プロも加わったユース・オーケストラとのことで,この荒削りながらフレッシュな演奏はそういうことだったのかと納得。

録音ですが,残響はありますが響きに締まりがあり音離れがよく楽器音をあまり邪魔しません。各楽器が比較的分離良く明瞭に聴き取ることができます。音色も自然であり,演出感も少なくライヴの雰囲気を良く伝えてくれます。まずまずの好録音です。

他人にお勧めはしませんが,私自身は演奏も録音も結構気に入りました。

ベートーヴェン:交響曲全集(ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮/デンマーク国立交響楽団)

rafael_fruhbeck_de_burgos_danish_national_so_copenhagen_2012-14.jpg
ベートーヴェン:交響曲全集
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮/デンマーク国立交響楽団
2012-2014年 コペンハーゲン,デンマーク放送コンセルトフセット
Dacapo 2.110433-35 (P)2016 (C)2017 DRS. copenhagen (輸入盤)
Blu-ray Disc 3枚組
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

「地に足の着いた演奏」という言い方が自分としては一番しっくりきます。こういう演奏は久しぶりに聴いた気がします。勢いに頼ることなく着実に,しかし落ち着きすぎず,一つ一つの音を紡いで編まれていく音楽に感銘を受けました。楽団員の指揮者に対する尊敬と敬愛が映像からも伝わってきます。リフト?を使って移動するカメラから撮影される落ち着きのないカメラワークは少々やり過ぎかと思いますが,会場の雰囲気も良くコンサートビデオとしても十分に楽しめるものでした。

録音ですが,ホールトーンがすこし多めに取り込まれていて会場の空間的な雰囲気が再現されつつ,音色への影響と明瞭感の低下はギリギリ許容範囲に入っているので,残響が多い割には悪い印象をそれほど受けません。私の好きなタイプの録音とはだいぶ違いますがまあ許せます。多くの方にとっては問題ないと思います。

[収録曲]
ベートーヴェン:交響曲全集
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
リヒャルト・シュトラウス:アルプス交響曲 作品64
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(ギター:ペペ・ロメロ)

タグ: [交響曲] 

チャイコフスキー:後期交響曲集(ヴァレリー・ポリャンスキー指揮/ロシア国立交響楽団)

valery_polyansky_sscr_tchaikovsky_symphonies_no4_5_6.jpg
チャイコフスキー:交響曲第4番,第5番,第6番「悲愴」
ヴァレリー・ポリャンスキー指揮
ロシア国立交響楽団(シンフォニック・カペレ)

2015年7月18日 東京芸術劇場コンサートホール
NF28801/2 (P)(C)2017 N&F Co. Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

注文していたこのディスクが届いたときに一目見て「しまった!」と思ったけと後の祭り... fine NFの録音はたいてい私に合わないので購入時に気が付いていれば買わなかったのに。とはいえ買ってしまったものは楽しまなければ,と思い,聴いてみましたが...

nf_dsd_to_finest_cd_w200.png
う~ん,この3階席の奥から聴いているようなもどかしさ。楽器の音は聴こえているのに質感やニュアンスを全く感じ取ることができないこのイライラ感。注意深く耳を澄ましても聴こえない内声,管が鳴り出すと存在感のなくなる弦楽器... 残念ですが途中で聴くのを諦めました。弦楽器が好きな方にはあまりお勧めできません。

このディスク,「高音質CD」だそうです。帯,パッケージの裏面,ディスクのレーベル面,至る所にこのロゴが付けられています。あぁ,これが「高音質」なんだ,と思うとなんだか虚しくなってきました。「高音質」って一体何なんだろう...

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲全集(ゲオルグ・ショルティ指揮/シカゴ交響楽団)(1986-90年録音 2回目の全集)

georg_solti_beethoven_the_9_symphonies_1986-90.jpg
ベートーヴェン:交響曲全集
ゲオルグ・ショルティ指揮/シカゴ交響楽団
Settembre 1986 - Gennaio 1990, Orchestra Hall, Chicago, Medinah Temple, Chicago
476 275-2 (P)1987-1990 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

1972年から1974年に録音されたショルティ指揮シカゴ交響楽団の1回目のベートーヴェン交響曲全集録音は以前取り上げていました。これは2回目の全集録音だと思います。分売では何度か再発売されていて入手しようかと思っているうちに忘れてしまっていたのですが,先日ある中古店で全集を発見し,この機会にと思い手に入れました。この盤自体はとうの昔に廃盤で入手しづらいですが,分売は2017年6月発売の現役盤があります(限定盤のようですが)。

この顔合わせはやはり期待を裏切りませんね。1回目に比べるとずいぶんと丸くなったもんだと思うものの,この力強く躍動感のあるベートーヴェンはやはり格別のものがあります。しかし,ちょっと演奏の精度は...やや粗さが残っているようにも思いました。これだけが惜しい!と思いますね。

録音は第5番と第9番が教会での録音,残りがホールでの録音ですが,前者の方が個々の楽器の質感の捉え方は良く,後者や少し遠めのマイク位置なのか,全体としてのまとまりはあるものの,残響に邪魔されて明瞭感が落ち,楽器の質感がかき消されていてもどかしさが残ります。前者の方も音質がくすみ気味でやや硬く,あまりすっきりしません。この時期のDECCAの録音として標準的なのかもしれませんが,アナログ後期のような良さがなく,個人的にはあまり好きではありません。そんなに悪くはないのですが。

それにしてもこのジャケット写真のこの笑顔...いいですね!

タグ: [交響曲] 

シベリウス:交響曲全集(尾高忠明指揮/札幌交響楽団)

takaaki_otaka_sapporo_so_sibelius_symphonies_no1_3.jpg
シベリウス:交響曲第1番,第3番
尾高忠明指揮/札幌交響楽団
2013年2月28日, 3月1,2日 札幌コンサートホールKitara
FOCD6036 Fontec (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

takaaki_otaka_sapporo_so_sibelius_symphony_no2.jpg
シベリウス:交響曲第2番,組曲「恋人」
尾高忠明指揮/札幌交響楽団
2014年2月28日, 3月1日 札幌コンサートホールKitara
FOCD6040 Fontec (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

takaaki_otaka_sapporo_so_sibelius_symphonies_no4_5.jpg
シベリウス:交響曲第4番,第5番
尾高忠明指揮/札幌交響楽団
2014年2月28日, 3月1日,2015年2月13,14日 札幌コンサートホールKitara
FOCD6048 Fontec (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

takaaki_otaka_sapporo_so_sibelius_symphonies_no6_7.jpg
シベリウス:交響曲第6番,第7番,アンダンテ・フェスティーヴォ
尾高忠明指揮/札幌交響楽団
2015年2月13,14,17日 札幌コンサートホールKitara
FOCD6049 Fontec (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ベートーヴェンの交響曲全集が演奏も録音も良かったので,これも買うのを躊躇していたシベリウスの交響曲全集も思い切って聴いてみました。定期演奏会の録音とのことなのでライヴ録音だと思いますが,セッション録音並みに丁寧で落ち着きがあります。やはりベートーヴェンと同じくオーソドックスなアプローチなのでその点で物足りなさを感じることもありますが,全体として高水準な仕上がりであり,何度も聴き返したくなる魅力を備えていると思います。

そして,やはりこれも録音の良さがこの全集をさらに魅力的なものにしています。個々の楽器の音色を明瞭に質感高く分離良く捉えていて気持ちよく聴くことができます。ややデフォルメされた感はありますが,こういうのは歓迎です。

日本人指揮者と日本のオーケストラによるシベリウスの交響曲全集は,渡邉暁雄指揮日本フィルハーモニー交響楽団の新旧2種以来ということです。

ロイヤル・フィルの廉価盤で聴くベートーヴェンの交響曲

royal_po_barry_wordsworth_beethoven_symphonies_no1_7.jpg
ベートーヴェン:交響曲第1番,第7番
バリー・ワーズワース指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
June 1994 at C.T.S. Studios, London
222805-203 (C)2005 Membran Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineicon

royal_po_james_lockhart_beethoven_symphonies_no2_8.jpg
ベートーヴェン:交響曲第2番,第8番
ジェイムズ・ロックハート指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
August 1994 at C.T.S. Studios, London
222806-203 (C)2005 Membran Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineicon

royal_po_gunther_herbig_beethoven_symphony_no3.jpg
ベートーヴェン:交響曲第3番
ギュンター・ヘルビヒ指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
June 1994 at C.T.S. Studios, London
222803-203 (C)2005 Membran Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineicon

royal_po_barry_wordsworth_beethoven_symphony_no4.jpg
ベートーヴェン:交響曲第4番
ベートーヴェン:「献堂式」序曲,ウェリントンの勝利
バリー・ワーズワース指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
November 1995 at C.T.S. Studios, London
222812-203 (C)2005 Membran Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineicon

royal_po_marc_ermler_beethoven_symphony_no6.jpg
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン:「エグモント」序曲
マルク・エルムレル指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
September 1993 at All Saints Church, Petersham, Surrey
2228-2-203 (C)2005 Membran Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineicon

royal_po_beethoven_complete_symphonies.jpg
ベートーヴェン:交響曲全集
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
6CD-305 (BCC-521-526) キープ株式会社
好録音度:★★★★
参考; Amazon.co.jp

ロイヤル・フィルの廉価盤SACDシリーズ,だいぶ前から発売されていて皆様おなじみのことと思います。私は気になりながらも今まで手を出せずにいたのですが,HMVで税込\590という破格の値段であったため,この機会に聴いてみようと思い仕入れました。今回入手できたのは上記の5枚です。指揮者は様々ですが,1993年から1995年にかけて録音されたものが集められています。

もう一つ,駅やスーパーの廉価盤販売コーナーでよく見かけるやはりロイヤル・フィルの6枚組の廉価盤の全集,これも気になっていました。せっかくなのでこちらも入手して聴いてみました。指揮者の記載がありませんが,録音年が1993~1995年とありましたので,上記のSACDと同じ音源と思われます。

さすがに英国を代表するオーケストラの一つというだけあって,演奏はそつがありません。指揮者は曲により異なるものの大差はなく,オーケストラのカラーで統一感が保たれているという印象です。演奏の水準がそこそこ高くロイヤル・フィルの良さがアピールできるものが選ばれているのでしょうね。安心して音楽に浸ることが出来ました。廉価盤でこの水準ならお買い得だと思います。

録音は1枚を除いてC. T. S. Studiosで録音されています。よく知らないのですが,フルオーケストラが丸々入りきる大きなスタジオのようですね。残響はありますが短めです。楽器音への被りも少なめで響き自体も比較的締まっています。せっかくのスタジオ録音なのでもう少し個々の楽器を鮮明に質感高く録って欲しかったとは思いますが,オーケストラ録音として標準的な範囲であり悪くはない出来だと思いました。ちょっと惜しい感じです。

あと,SACDのCD層と6枚組全集との音質差ですが,ちょっと比較した限りでは同等でした。またSACD層とCD層の音質差はどうかというと... う~ん,プレーヤーの調子が悪い...(涙)。 ということでこの比較は保留です。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲第1番,悲劇的序曲(ピエタリ・インキネン指揮/日本フィルハーモニー交響楽団)

pietari_inkinen_jpo_brahms_symphony_no1.jpg
ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:悲劇的序曲作品81
ピエタリ・インキネン指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
2017/5/20, 4/22 横浜みなとみらいホール
NYCC-27305 (P)(C)2017 Naxos Japan Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

同顔合わせのシベリウス交響曲全集が演奏も録音も良かったのでこれも聴いてみました。拍手の入るライヴ録音です。オーソドックスなアプローチなので驚くようなところはありませんが充実感のある密度の濃い演奏で好印象でした。ライヴということもあってか事故?と思うところはあるのですが,気になりませんでした(←いやいやめっちゃ気にしとるやんけ(^^;)。

録音ですが,脚色のない生のライヴの雰囲気を伝えてくれる録音で,楽器の音色も自然であり,個々の楽器の質感も良く分離感もあり,左右の広がり,ステージ感も良好です。特に優秀録音ということはないと思いますが,地味ながら欠点の少ない好録音だと思います。前述のシベリウスに比べるとやや弦楽器の質感が弱いかなという気はしますが,欠点ではありません。こういう録音は好きな方です。

今後ブラームスの録音が続くのかわかりませんが,他の3曲の録音も期待したいです。

ベートーヴェン:交響曲全集(尾高忠明指揮/札幌交響楽団)

tadaaki_odaka_sapporo_so_beethoven_the_complete_symphonies.jpg
ベートーヴェン:交響曲全集
尾高忠明指揮/札幌交響楽団
2011年9-12月 札幌コンサートホールKitara
FOCD6023/7 fontec (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

札幌交響楽団の50周年記念事業のまとめとして開いた「ベートーヴェン・ツィクルス」のライヴ録音と本番前日のセッション録音をまとめたものとのことです。札幌交響楽団の演奏は以前聴いたディスクでの技術面での不満があったのと,価格が1万円以上と高価なことから躊躇していたのですが,このたび清水の舞台から飛び降りる思いで入手しました(崖じゃないですよ(^^;)。

さて最も心配していた技術面ですが,全く問題ありませんでした。オーソドックスで特筆すべき特徴はないものの,速めのテンポで小気味よく引き締まった好演奏でした。起伏やニュアンスは乏しく感じられることもありますが,無理のない素直な演奏と受け取りました。50周年記念事業の記録としてふさわしいと思います。

そして録音なのですが,残響はそれなりに多く入っているものの,個々の楽器の直接音を主体に全体の音作りがされていて明瞭感,分離感があり,また中低域のサウンドも締まりがあって良好です。音色も癖がありません。弦楽器を中心に組み立てられているのにも好感を持ちます。個々の奏者の音が溶けあいすぎず,ザクザク?とした質感が感じられる点も好きです。すっきりしたサウンドではありませんし,オーディオ的にも標準的で特に良いとは思わないのですが,演出感が少なく楽器の音を大切に扱っているので私としては結構気に入りました。

演奏も録音も良好で,これはなかなか良い全集であったと満足しました。思い切って正解でした。

シューベルト:交響曲第7番「未完成」,第8番「グレート」(フィリップ・ジョルダン指揮/ウィーン交響楽団)

philippe_jordan_wiener_symphoniker_schubert_symphonies_no7_8.jpg
シューベルト:交響曲第7番「未完成」,第8番「グレート」
フィリップ・ジョルダン指揮/ウィーン交響楽団
2015年4月11-12日(グレート),2014年11月15-16日(未完成) ウィーン,ムジークフェラインザール
WS009 (P)(C)2015 Wiener Symphoniker (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ベートーヴェンの交響曲第1番,第3番が良かったので,同顔合わせのこのシューベルトもApple Musicで聴いてみました。

この演奏もベートーヴェン同様のダイナミックで引き締まった演奏で期待通り。録音はベートーヴェンに比べると少し残響を控え目ですが同傾向であり,私の好きな録音とは少し違うのですが悪くありません。こういう録音であれば残響があってもストレスなく聴けるので,残響を多めにするならせめてこのように録って欲しいと思いますね。

ベートーヴェンを含め,今後の録音も楽しみにしたいと思います。

蛇足ですが,このディスクではグレートが先で未完成が後に収録されているのですが,グレートを聴いたあとに未完成はちょっと...と思うので,未完成を先に収録して欲しかったと思いました。もっとも自分で曲順を入れ替えて再生すれば良いだけの話だけなのですが。

また,参考サイトでは未完成が第8番,グレートが第9番と紹介されているのですが,ジャケット上では未完成が第7番,グレートが第8番となっていました。世界的に後者のナンバリングが一般的になったということでしょうか。まあどっちでも良いのですが,今は混在しているので副題や調性等を見ないと曲が判別しづらい状況というのはちょっと面倒ですね。

ベートーヴェン:交響曲第1番,第3番「英雄」(フィリップ・ジョルダン指揮/ウィーン交響楽団)

philippe_jordan_vso_beethoven_symphonies_no1_3.jpg
ベートーヴェン:交響曲第1番,第3番「英雄」
フィリップ・ジョルダン指揮/ウィーン交響楽団
2017年2月25,26日 ウィーン,ムジークフェラインザール
WS013 (P)(C)2017 Wiener Symphoniker (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

Apple Musicでの試聴です。ウィーン交響楽団の自主制作レーベルでしょうか(製造販売はSony Music)。フィリップ・ジョルダンのベートーヴェンはパリ・オペラ座管弦楽団との全集(Blu-ray/DVD)がありました。HMV Onlineの解説によるとウィーン交響楽団はベートーヴェンの交響曲全集の録音がないそうで,その穴を埋めるべく録音を開始した第一弾とのことです。

ジョルダン氏のベートーヴェンには前記のパリ・オペラ座管弦楽団との演奏で良い印象だったのですが,このウィーン交響楽団との演奏は,快速で小気味よい引き締まった演奏を維持しつつ,オーケストラのパワー感をもう少し前面に出し伝統的な演奏との折衷的な解を見いだそうとしているようにも思います。そしてそれが上手くいっているように思います。ウィーン交響楽団も指揮者の要求に的確に応じています。編成の大きなオーケストラでこの機動性の発揮された演奏は見事です。

録音ですが,かなり残響は多めに取り入れられているのですが,それが各々の楽器の音色にあまり影響せず,明瞭感,音色の自然さ,ヌケの良さと残響による豊潤な音響とがバランス良く成り立っているという印象です。このような録音は私の好きな録音とは方向性が違いますが,そんな私でもストレスなく聴くことが出来ました。積極的に支持はしませんが(^^;,良いと思います。

全集の完成が楽しみです。

ブラームス:交響曲全集(アンドリス・ネルソンス指揮/ボストン交響楽団)

andris_nelsons_bso_brahms_symphonies.jpg
ブラームス:交響曲全集
アンドリス・ネルソンス指揮/ボストン交響楽団
2016年11月 ボストン,シンフォニー・ホール
BSO0034 (P)2017 Bso Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ボストン交響楽団の自主製作で,2016年11月の演奏会のライヴ録音。この演奏は録音と切り離して語ることは出来ないと思います。伝統的で重厚な演奏と豊潤な残響との相乗効果で堂々とした壮麗なブラームスを作り上げています。これだけのゴージャスなサウンドでありながら混沌とせず,うまくまとめているとは思いますが,見通しは良くなく細部がかき消されていたり,個々の楽器の質感がわからず混然一体となって聴こえたりと,私の好きな録音とはだいぶかけ離れています。ただ音が曇ったりヌケが悪くなっていたりするわけではないので,こういうサウンドが好きな方もいるだろうなと想像します。

私としてはこういう演奏であっても直接音主体に引き締まった見通しの良い録音で聴いてみたいと思う次第です。

タグ: [交響曲] 

メンデルスゾーン:交響曲全集,弦楽のための交響曲全集(トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団)

thomas_fey_mendelssohn_1.jpg
メンデルスゾーン:交響曲第1番ハ短調作品11
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第8番(管弦楽版),第13番
トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団
2002, 2005, 2006年 プファッフェングルント,ハイデルベルク・ゲゼルシャフトハウス
98275 (P)2006 Haenssler Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Music

thomas_fey_mendelssohn_2.jpg
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第7番,第12番
メンデルスゾーン:交響曲第4 番イ長調作品90「イタリア」
トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団
2007年 プファッフェングルント,ハイデルベルク・ゲゼルシャフトハウス
98281 (P)2007 Haenssler Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

thomas_fey_mendelssohn_3.jpg
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第1番,第2番,第3番,第4番,第9番
トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団
2008年 バート・ドュルクハイム ナトゥールホルン・アカデミー,バルツフェルト ルートヴィヒ=エングレルト=ハウス
98536 (P)2009 Haenssler Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

thomas_fey_mendelssohn_4.jpg
メンデルスゾーン:交響曲第5番ニ長調作品107「宗教改革」
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第5番,第6番,第10番
トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団
2008年 プファッフェングルント,ハイデルベルク・ゲゼルシャフトハウス,バート・ドュルクハイム,ナトゥールホルン・アカデミー,ジナゴーゲ・ロイタースハウゼン
98536 (P)2009 Haenssler Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

thomas_fey_mendelssohn_5.jpg
メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド」
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第11番
トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団
2009年 エッペルハイム,ルドルフ・ヴィルト・ハレ
98552 (P)2009 Haenssler Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

thomas_fey_mendelssohn_6.jpg
メンデルスゾーン:交響曲第2番変ロ長調作品「讃歌」
トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団
2009年 ハイデルベルク,シュタットハレ・コング
98577 (P)2009 Haenssler Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

この記事の最後に載せている全集の発売でこの演奏を知りました。2002年から2009年にかけて録音されています。聴いてみたところ,ピリオド・アプローチが徹底して実践されていて,キビキビした曲の運び,透明感のあるノンビブラートの弦の響きなど,その特徴が良く出ていると思います。弦楽のための交響曲の方も大きな編成のまま演奏されているのか,比較的小編成で演奏されることの多い同曲としては,他の演奏とは一線を画す迫力のあるスケールの大きな演奏となっています。それでいてアンサンブルが乱れることなく統率が取れているところが見事だと思います。ちょっと癖のある演奏でどちらかといえばピリオド・アプローチは苦手なのでその点は微妙なのですが,聴き応えのある演奏ではありました。

さて録音なのですが,少し残響が多めであり,特に交響曲では少し遠めで間接音が主となっており,やや眠い音になっています。弦楽のための交響曲も残響多めで演出が過ぎる感があります。これらの点ではVol.5, 6あたりは少し響きが整理されて聞きやすくなっていました。録音が長期で録音会場も様々ですが,比較的録音の質は揃っていて全集として違和感のない範囲だと思います。

次のディスクが発売になった全集盤です。

thomas_fey_mendelssohn_complete_symphonies.jpg
メンデルスゾーン:交響曲全集,弦楽のための交響曲全集
トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団
2002年~2009年
HC16098 (P)2017 Hänssler Classics (輸入盤)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

タグ: [交響曲] 

ベートーヴェン:交響曲全集(ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団)

herbert_blomstedt_gewandhausorchester_leipzig_beethoven_the_complete_symphonies.jpg
ベートーヴェン:交響曲全集
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
May 2014(No. 8), December 2014 (No. 3), May 2015(No. 7), December 2015(Nos. 2 & 9), May 2016(No. 6), January 2017(No. 5), March 2017(Nos. 1 & 4), Gewandhaus zu Leipzig
ACC80322 (P)(C)2017 Accentus Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ブロムシュテットのベートーヴェン交響曲全集はご存じの通り,1975年から1980年にかけて録音されたシュターツカペレ・ドレスデンとの全集が名盤として有名ですね。これは2回目の全集となります。90歳に近い高齢で録音されたとはとても思えない颯爽としたテンポ感が気持ちの良い演奏です(楽譜に記されたメトロノームの速度に従っているとのことです)。表現は至極ナチュラルであり,普段私の頭の中で鳴っている音楽が目の前で音として再現されているというような,そんな感じがするのです。刺激的でも個性的でもないので印象に残りにくいと思うところはありますが,こういう普通にいい演奏は聴き飽きず長く付き合えそうな気がします。じっくり楽しみたいと思います。

一方録音なのですが,残響がやや多めで,いまいちモヤモヤとしてキレがなくシャキッとしません。音がダンプされて伸びも感じられません。もっとすっきりとクリアに録って欲しいところです。まあこれくらいであれば気にしない人は多いとは思いますが...私としては演奏が良いだけにこの録音は少々残念です。

蛇足ですが,交響曲第6番「田園」第4楽章のティンパニーがここだけやけにリアルなので思わずニヤッとしてしまいました。

タグ: [交響曲] 

シューマン:交響曲全集(マイケル・ティルソン・トーマス指揮/サンフランシスコ交響楽団)

michael_tilson_thomas_sfso_schumann_symphonies.jpg
シューマン:交響曲全集
マイケル・ティルソン・トーマス指揮/サンフランシスコ交響楽団
2015-2016年 サンフランシスコ,デイヴィス・シンフォニー・ホール
SFS 0071 (P)2017 San Francisco Symphony (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

拍手の入るライヴ録音。大オーケストラを存分に鳴らした重厚な堂々たる演奏。落ち着き払った風格を感じさせる一方で,昨今の軽めでスピーディな演奏に慣れた耳にはやや重く感じられます。個人的には軽量級のシューマンの方が好みなので,私の好みからすると少し外れているかなと思います。

録音ですが,曲毎に少しばらつきはあるものの,概ね揃っています。残響を多めに取り入れ,豊かな響きで大オーケストラのサウンドを演出しています。この演奏に合った録音ではあると思います。ライヴとしては少し演出が過ぎており,生々しさに欠け,ライヴの録音とは思えませんでした。豊かな残響が好みの方であれば問題ないかも知れませんが,私には少し演出過剰な録音と感じられました。

ということで,私の好みに合うものではなかったのが残念ですが,MTT&SFSに私の好みを求めること自体が間違っているのかもしれません。これはこれでありかと思います。

タグ: [交響曲] 

チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」(テオドール・クルレンツィス指揮/ムジカエテルナ)

teodor_currentzis_musicaetherna_tchaikovsky_symphony_no6.jpg
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
テオドール・クルレンツィス指揮/ムジカエテルナ
88985404352 (P)(C)2017 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

話題の盤なので私も聴いてみました。すでに多くの方がコメントされており,私も同じような印象を持ちました。この聴き古された超有名曲をドラマティックで壮大な音絵巻として再現する演出力と,この怒濤ごとく押し寄せるサウンドを余すところなく捉えきった録音,これらが高度にかみ合うことでこの音楽作品を成功に導いていると思います。キワモノ路線ではなく真っ向勝負でこれを達成しているのが凄いところです。

あくまでも無数にある表現の一つに過ぎないのですが,ここまで極めたものが出ると,生半可な演奏では生ぬるいと見なされかねない,演奏においても録音においても標準的という基準のハードルを一段あげるのではないかと思うくらい画期的な演奏・録音ではないかと思います。

まあ幾分大げさに言ってはいますが,それくらいのインパクトは確かにありました。一聴の価値ありです。



このディスクは輸入盤で購入していたのですが,購入したショップから冒頭でノイズが発生するディスクなので交換するとの連絡がありました。交換を請け負う業者に送付していたところ,昨日交換品のディスクが送られてきました。ノイズの発生する該当部分を確認したところ,ノイズが解消されていました。これでまあ安心して聴くことが出来ます。

国内盤で発売されたものは最初からこの問題はないとのことです。

(追記2017/12/24)

ベートーヴェン:交響曲全集(ブルーノ・ヴァイル指揮/ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ)

bruno_weil_tafelmusik_bo_beethoven_symphonies.jpg
ベートーヴェン:交響曲全集
ブルーノ・ヴァイル指揮/ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
録音 2004~2016年
好録音度:★★★★~★★★★☆
ANALEKTA TMK 1034CD (P)(C)2017 Tafelmusik Media (輸入盤)
参考: Amazon.co.jpApple Music

2004年から2016年という完成までに長い時間がかかった全集。第1番・第2番が2013年,第3番・第4番が2012年,第5番・第6番が2004年,第7番・第8番が2008年,第9番が2016年です。録音はカナダで行われており,会場は第5番~第8番がGeorge Weston Recital Hall, Toronto Centre for the Arts(以上[A] Analekta),それ以外がKoerner Hall, TELUS Centre for Performance and Learning(以上[B] Tafelmusik Media)で,録音会場毎にスタッフが異なります。

録音から先に述べますと,[A][B]とも大まかには似ているので全集としての統一感を阻害するほどの差はありませんが,それでも少し傾向が異なります。[A]はやや残響を多く取り込み,響きを重視した録音ですが,[B]はもう少し直接音が主体となって個々の楽器の明瞭感,分離感が向上していますし,音の伸びもあります。いずれもライヴ録音で特に[B]はライヴとしては良好な部類に入ると思います。ただ,どちらもホールの響きを活かす方向での録音のため,音色が少し犠牲になっているのは否めません。もう少し生々しく録って欲しかったところです。

バロックオーケストラで編成も室内管弦楽団程度なのですが,けっこう大きなスケール感で鳴っており,音色は中規模のそれなのに,サウンド自体は大編成かと思うほどなので,そのギャップがややアンバランスな印象をもたらします。せっかくのバロックオーケストラの特徴を活かした録音になっていないような気がします。もう少し響きを絞り,すっきりと締まった見通しの良い録音であればもっとこの演奏が生きてくると思うのですが。

演奏自体はバロック楽器であるという以外はノーマルな印象です。オーケストラもキレがありアンサンブルも良く技量に全く問題はありません。推進感のある快活で躍動的な演奏はなかなか良いと思いました。

R. シュトラウス:アルプス交響曲(ケント・ナガノ指揮/エーテボリ交響楽団)

kent_nagano_goteborges_so_r_strauss_eine_alpensinfonie.jpg
R. シュトラウス:アルプス交響曲
ケント・ナガノ指揮/エーテボリ交響楽団
2014年11月 エーテボリ・コンサート・ホール
B108091 FARAO CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2014年から同楽団の首席指揮者を務めているケント・ナガノ指揮によるR. シュトラウスの第一弾。第二弾はこの11月に「英雄の生涯」,「死と浄化」,第三弾は来年秋に「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」,「家庭交響曲」が予定されているとのことです。

このディスクは特に録音が気に入りました。残響を抑え,直接音主体に各楽器を分離良く明瞭に捉えていますし,中低域のタイトで締まった響きも良いと思います。R. シュトラウスの音楽を大きなスケールで克明に聴かせてくれる好録音です。

ツァラトゥストラが予定に入っていないのが個人的には残念。

シューマン:交響曲全集(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)※映像作品

paavo_jarvi_deutsche_kammerphilharmonie_bremen_schumann_symphonies_dvd.jpg
シューマン:交響曲全集
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
2012年 ブレーメン,ピール2
711908 (C)(P)2012 C Major (輸入盤) ※DVD
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

HMV Onlineの解説によると,この映像作品の収録会場ピール2は,ブレーメン港にあるかつて造船所であった建物で,現在はロックコンサートなどが行われるイベントスペースで,ロックやポップス,ミュージックビデオで育った人々を感動させるドキュメンタリーを制作することを目的としたとのことです。

映像作品としてはテレビ番組でのスタジオライヴ的な撮り方で,一般的なクラシックのコンサートビデオとは趣がかなり異なります。カメラもアームで大きく移動させながら撮影するなど,その目的に合わせた撮り方をされているようです。凝ってはいますが,個人的にはちょっと落ち着いて鑑賞できないのであまり良いとは思いませんでした。

一方録音に関しては,邪魔になる残響がほとんどなく,直接音主体に明瞭感に優れ力強く締まっていて,そして,演出感のない極めて自然で生の質感を大切にした録音に好感が持てました。ライヴの録り方としてはかなり好みです。しかし一方でオーディオ的なクオリティはあまり良くなく,特にバックグラウンドのノイズのレベルが相当高く,弱音部ではブーンというハムノイズにも似たノイズが気になります。これはクラシックコンサートの会場でない以上仕方がないかもしれませんが,もう少し配慮が欲しかったところです。録り方が良いだけに惜しいと思います。

演奏は中規模の室内管弦楽団の機動力を活かしキビキビとしていると同時に,ダイナミックで躍動感があり,また,技術的にも申し分なく,心躍る素晴らしい出来だと思います。同時期に録音されたセッション録音よりも,録音含めたトータルとしてはこちらの方が好きかもしれません。

こういうのをセッション録音でキチッと録って欲しいものです。

paavo_jarvi_schumann_at_pier2.jpg

なお,このボックスセットにはドキュメンタリーのディスクも同梱されていました(未視聴です)。なお,私が入手したのはDVDですが,Blu-rayディスクもありました。

ブラームス:交響曲全集(ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団)

george_szell_cleveland_o_brahms_complete_symphony_no2_3_sacd.jpg
ブラームス:交響曲全集
ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団
1964年10月~1967年1月 クリーヴランド,セヴェランス・ホール
SICC 10240-3 (P)(C)2017 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

新リマスタリングによるSA-CDハイブリッド盤。音匠レーベル仕様。日本独自企画。交響曲の他に,ハイドンの主題による変奏曲,大学祝典序曲,悲劇的序曲が収録されているほか,特別収録として1957年のステレオ録音による交響曲第1番が収録されています。タワーレコード×Sony Classicalの企画盤のようですが,タワーレコード以外でも取り扱いがあります。

この企画の復刻は,これの前にベートーヴェンの交響曲全集が出ていて良好な音質で復刻されていました。このブラームスの交響曲全集も音質が期待できたのですが,あまりに高いので躊躇してしまいしばらく我慢していたのですが,結局入手してしまいました(^^;。

この全集は以前CD化されたものを持っていたので聴き比べて見たところ,音の鮮度,ヌケが明らかに一段改善し,中低域の厚み,密度感も向上し,ベートーヴェンの交響曲全集同様,この名盤が最良の音質で復刻されたと言えるのではないかと思います。

確かベートーヴェンもそうだったのですが「完全生産限定盤」となっていて継続的に販売されないようです。せっかくのリマスタリング音源を眠らせるのももったいないと思います。現役盤として再発売出来ないものですかね? 配信であれば継続可能だと思うのですが。

ベートーヴェン:交響曲第2番,第7番(小澤征爾指揮/サイトウ・キネン・オーケストラ)

seiji_ozawa_saito_kinen_o_beethoven_symphonies_2_7_dvd.jpg
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調作品36
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
小澤征爾指揮/サイトウ・キネン・オーケストラ
Kissei Bunka Hall, Matsumoto, Japan, Sep. 6, 2015, Aug. 18, 2016
2064028 (C)2015/2016 EuroArts Music International (輸入盤) *DVD
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2015年と2016年のセイジ・オザワ松本フェスティバルのライブから。小澤征爾80歳での指揮ということです。演奏自体は80歳とは思えないしっかりとした指揮ぶりで,最小限の動作で的確にオーケストラをコントロールし安定感のあるオーソドックスな音楽を作り上げています。フェスティバルというイベントでの演奏ではありますが,小澤征爾さんが到達した境地をオーケストラが見事に音として再現していると思います。なのでどちらかと言えばちょっと地味だけど味わいのある演奏でした。

会場は長野県松本市のキッセイ文化ホールで,クラシック専用ではない多目的ホールなので,映像作品としての映えはなく,N響アワーを見ているような感じですが(^^;。フェスティバルの記録映像としてカメラワークも悪くないと思いますし,ファンであれば十分楽しめる内容だと思います。(逆にファンでなければ映像作品としては少々物足りないと思います。)

そして録音ですが,ライヴ録音としては自然な音の捉え方であり,残響を過剰に取り入れることもなく,演出感もほとんどなく,映像とマッチしていて好感が持てます。ただし,高域の伸び感がやや不足して詰まった感じがすること,低域の締まりが足りず中高域に被り気味であること,などから精彩に欠け魅力を減じてしまっているのが惜しい点です。

あともう一つ付け加えるとしたら...第7番が終わったあとのあの熱狂的なブラヴォーの嵐は,現場で聴いていない私にとっては演奏の内容と相容れない気がして興ざめです。やはりこのディスクは熱狂的なファン向けのアイテムであって,私のような特にファンでない者は鑑賞すべきではないのかもしれません(ファンでない者がレビューしてごめんなさい(^^;)。

seiji_ozawa_sko_beethoven.jpg

タグ: [交響曲] 

シューベルト:交響曲第5番,ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲,他(ジョルト・カッロー(Vn)/ニコラス・マクーギガン指揮/カペラ・サヴァリア)

zsolt_kallo_capella_sawaria_schubert.jpg
シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D.485
シューベルト:ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲ニ長調 D.345
シューベルト:ヴァイオリンと弦楽合奏のためのロンドイ長調 D.438
シューベルト:ポロネーズ変ロ長調 D.580
ジョルト・カッロー Zsolt Kalló (Violin)
ニコラス・マクーギガン指揮/カペラ・サヴァリア
2016/1/22-24 ソンバトヘイ,バルトーク・コンサート・ホール
HCD 32794 (P)2017 Hungaroton (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。前エントリーのモーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集に続いて,同じ演奏者によるシューベルトです。ヴァイオリン独奏の曲は聴いたことのない曲ばかりです。いずれも屈託のない明るさがまるでパガニーニを聴いているようで楽しいです。ヴァイオリニストの個性にも合っていますね。まあ全体にちょっと粗削りのところはあります。

録音も前エントリーのモーツァルトとほぼ同じです。若干残響があり,ソロにも少し被りが感じられますが,楽器の音色はそれほど損なわれておらず響きの美しさを保っています。張りのある力強い録音で良いと思います。やはり少し誇張から不自然さが出てしまうものの,プラス面の方が多いと思います。フンガロトンらしい好録音ですね。

メンデルスゾーン:交響曲全集(ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団)

yannick_nezet-seguin_coe_mendelssohn_symphonies.jpg
メンデルスゾーン:交響曲全集
ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
Paris, Philharmonie, Grande salle Pierre Boulez, 20, 21 & 22 February 2016
00280 479 7337 (P)(C)2017 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

前エントリのシューマンの交響曲全集に続いてネゼ=セガンとヨーロッパ室内管弦楽団という同じ顔合わせのメンデルスゾーンの交響曲全集です。こちらも同様に小気味の良い,精度の高いアンサンブルで,胸のすく音楽が展開されていきます。メンデルスゾーンの交響曲はごちゃごちゃとせわしない印象を持っているのですが,その音楽を極めて明快に整理した形で聴かせてくれるこの演奏は秀逸で,この団体ならではの特徴を存分に活かしていると思います。

録音ですが,残響は少し多めですが,あまり楽器音に被っているという感じはなく,音色と音のキレを損なわない程度に抑えられているので悪い印象ではありません。もう少し各楽器の質感が強めで分離感がある方が好きなのですが,それでもまずまずの好録音だと思います。

この顔合わせでもっといろいろな交響曲のリリースをしてくれることを期待します。

シューマン:交響曲全集(ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団)

yannick_nezet-seguin_coe_schumann_symphonies.jpg
シューマン:交響曲全集
ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
Paris,the Cite de la Musique, November 2012
00280 479 2437 (P)(C)2014 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

中規模の編成によるシューマンの交響曲も珍しくなくなってきましたが,シューマンはこれぐらいの編成がちょうど良いと思う私にとってヨーロッパ室内管弦楽団はうってつけの団体です。そしてこの演奏はその期待を裏切りません。速めのテンポでキレのよい超軽量級の演奏です。ライヴですが演奏の精度も良くこのあたりはさすがです。

一方この演奏からはシューマンの一種独特な病的薄気味悪さはすべて排除されていると言って良いほどに軽く明るく躍動的で,私はこういうのが好きなのですが,シューマンらしさという点では賛否があるかもしれません。

そして録音なのですが,多少の残響はあり,中域に癖のある響きがのって少々うるさく感じられるところはありますが,サウンドにキレもありますし見通しも良好です。不満はゼロではありませんが,この団体の機動力を活かす好録音だと思います。

ブラームス:交響曲全集(スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団)

skrowaczewski_90th_birthday_collection.jpg
ブラームス:交響曲全集
Stanislaw Skrowaczewski the complete oehmsclassics recordings - 90th birthday collectionより
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団
2011年2月,3月, 11月 Großer Sendesaal des SR
OC 090 (P)(C)2013 OehmsClassics Musikproduktion (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

シューマンの交響曲全集に続いてブラームスの交響曲全集です。こちらはシューマンとはやや印象が異なり,オーソドックスに遅めのテンポで重厚な響きを基調にした演奏です。しかし緩むことのない締まった演奏はこの指揮者らしいところなのでしょう。特徴はあまりないかもしれませんが,伝統的「ブラームスらしさ」を堪能できる演奏だと思います。

録音については,基本的にはシューマンと似ていますが,音の鮮度と分離感が改善されています。ただし,音づくりの古くささは変わりません。悪くないのですが,好録音というには今ひとつ物足りなさを感じます。2011年の録音でこの音色はちょっともったいなく思います。

このボックスセットではあと大物としてブルックナーとベートーヴェンの全集があります。ベートーヴェンはすでにレビューしていました(→こちら)。ブルックナーはこれからゆっくりと聴いていきたいと思います。

一応収録曲を再掲しておきます。CD 28枚組のボックスセットです。

ブルックナー:交響曲全集(第00番,第0番を含む)(1991-2001年)
ベートーベン:交響曲全集(2005-2006年)
シューマン:交響曲全集(2007年)
ブラームス:交響曲全集(2011年)
バルトーク:管弦楽のための協奏曲,ディヴェルティメント(2002年)
ベルリオーズ:幻想交響曲作品14,ロメオとジュリエット作品17~愛の情景(2002-2003年)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番,第2番(ピアノ:エヴァ・クピエツ)(2003年)
スクロヴァチェフスキ:ミュージック・アット・ナイト,ファンタジー「夜の横笛」,シンフォニー(2005-2008年)

タグ: [交響曲] 

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲,フィンガルの洞窟,交響曲第5番「宗教改革」(イザベル・ファウストVn/パブロ・エラス=カサド指揮/フライブルク・バロック・オーケストラ)

isabelle_faust_heras-casado_fbo_mendelssohn.jpg
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟(ヘブリディーズ諸島)」作品26
メンデルスゾーン:交響曲第5番ニ短調作品107「宗教改革」
イザベル・ファウスト Isabelle Faust (Violin)
パブロ・エラス=カサド指揮/フライブルク・バロック・オーケストラ
2017年3月19-22日 バルセロナ,オーディトリウム第1ホール「Paul Casals」
HMM 902325 (P)2017 harmonia mundi musique (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器による演奏。ここに収録された協奏曲と管弦楽曲,交響曲,どれも良いですね。この聴き慣れた超有名協奏曲が溌剌とした躍動感に満ちて実に新鮮な印象をもたらしますし,交響曲も快活で引き締まっていて聴き応えがあります。

一方で,特に協奏曲におけるヴァイオリンのソロに関して,フォルテのところでは楽器が悲鳴をあげているような,限界を越えて鳴らそうとしているかのような音のつぶれも感じられ,大ホールにくまなく音を行き渡らせようとするような前提での演奏になっているのではないか,というようなピリオド楽器の限界のようなものも同時に感じました。

これはこれでもちろん素晴らしいと思うのですが,ピリオド楽器がやや苦手な私は,こういう演奏をモダン楽器でやってくれたらなぁ,と毎度のことながら思ってしまいます。

録音ですが,残響はそれなりにあるものの,直接音が主体ですっきりと見通しよく録っているのが好印象です。高域の伸びも申し分ありません。一方で低域は控え目で,全体のバランスとして高域に寄っていて刺激的に感じられるところもありますが,軽量級の演奏を活かす好録音だと思います。

シューマン:交響曲全集(スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団)

skrowaczewski_90th_birthday_collection.jpg
シューマン:交響曲全集
Stanislaw Skrowaczewski the complete oehmsclassics recordings - 90th birthday collectionより
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団
2007年3月20-23日, 11月 Großer Sendesaal des SR
OC 090 (P)(C)2013 OehmsClassics Musikproduktion (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

これも出来心で手に入れてしまったボックスセット(^^;。このボックス発売当時はまだご存命で90歳を記念して制作されたようです。以下の曲が収録されています。28枚組です。

ブルックナー:交響曲全集(第00番,第0番を含む)(1991-2001年)
ベートーベン:交響曲全集(2005-2006年)
シューマン:交響曲全集(2007年)
ブラームス:交響曲全集(2011年)
バルトーク:管弦楽のための協奏曲,ディヴェルティメント(2002年)
ベルリオーズ:幻想交響曲作品14,ロメオとジュリエット作品17~愛の情景(2002-2003年)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番,第2番(ピアノ:エヴァ・クピエツ)(2003年)
スクロヴァチェフスキ:ミュージック・アット・ナイト,ファンタジー「夜の横笛」,シンフォニー(2005-2008年)

オーケストラはザールブリュッケン放送交響楽団ですが,2007年にカイザースラウテルン南西ドイツ放送交響楽団を吸収合併してザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団という長ったらしい名前になったそうです。シューマンとブラームスの全集は合併してから録音されました。

今回はこの中からシューマンの交響曲全集のコメントです。スクロヴァチェフスキのシューマンってあんまり想像がつかなかったのですが,聴いてみてなるほど!と思う明快で格好のよい男前な演奏でした(多分に先入観の影響はあると思いますが(^^;)。

そして録音なのですが,残響控え目で内声も聴き取りやすい見通しの良さ,音切れの良さを持っているものの,音色はややくすんで冴えず,広がり感,分離感も今ひとつです。ちょっと音づくりが古臭いように思います。楽器音の捉え方がまずまず良いだけに,この音質は2007年の録音としてはいささか残念でした。

タグ: [交響曲]