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シベリウス:交響曲全集,他(コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集
コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団
1992-2000å¹´
88765431352 (P)2013 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

コリン・デイヴィスのシベリウス交響曲全集2回目の録音。1回目はボストン交響楽団でした。3回目は2002年から2008年にかけて同じロンドン交響楽団で録音されました。

収録曲は次の通りです。今回は主に交響曲についてのコメントです。

交響曲全集
クレルヴォ交響曲作品7
組曲「恋人」作品14
交響詩「伝説」作品9
4つの伝説曲作品22
交響詩「ポホヨラの娘」作品49
交響詩「吟遊詩人」作品64
「カレリア」組曲作品11
交響詩「大洋の女神」作品73
交響詩「フィンランディア」作品26
「悲しきワルツ」作品44-1
交響詩「タピオラ」作品112
交響詩「夜の騎行と日の出」作品55


演奏ですが,基本路線は1回目の録音と似ていますが,1回目がどちらかと言えばストレートであったのに対し,2回目はそれぞれの曲の表情の彫りが深くなっているように思います。そして3回目の録音とほぼ同じ印象です。1回目はそれはそれで素晴らしかったのですが,2回目は別の良さが出ています。再録音された理由がわかる気がします。

そして録音ですが,残響はあるものの,それぞれの楽器が明確に分離し,質感豊かに,適度なステージ感で聴こえること,高らかに鳴る金管を飽和感なく捉えていること,など,なかなか良いオーケストラ録音だと思いました。

演奏の質も高く,録音の品質も良好な,良い全集だと思いました。さすが「シベリウスの演奏をライフワークと位置づけてきた」というだけのことはありますね。この全集,入手困難ではないと思いますが,現役盤ではないような気がします。良い全集だと思いますので,現役盤復帰を願います。

ベルリオーズ:幻想交響曲(フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル)

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ベルリオーズ:幻想交響曲作品14
ベルリオーズ:序曲「宗教裁判官」作品3
フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル
2019年7月16,17日 アルフォールヴィル
HMM 902644 (P)2019 harmonia mundi (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ロト/レ・シエクルのベルリオーズ幻想交響曲は2009年にリリースされていて以前取り上げていました(→こちら)。これは10年ぶりの再録音となります。いずれもライヴ録音であり,表現の方向性はあまり変わっていないように思いましたが,オーケストラの表現力の向上が印象に残りました。特に中低音域の楽器の大胆でコクのある表現は前回録音から大幅に良くなっていると思いました。ヴァイオリンの透明感のある響きとは対照的で面白いです。

録音ですが,ホール音響をやや多めに取り込み,ライヴの雰囲気を感じさせますが,残響がやや楽器音に被りながらも生々しさが残っているため,意外に印象は悪くありません。私の好きな録音とは少し違いますが,良いと思いました。こういう残響の取り込み方ならギリギリOKというところでしょうか。

ブラームス:交響曲第1番,第3番(エドワード・ガードナー指揮/ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番,第3番
エドワード・ガードナー指揮/ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団
2018年10月2-5日 ノルウェー,ベルゲン,グリーグホール
CHSA 5236 (P)(C)2019 Chandos Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ブラームス交響曲全集プロジェクトの第一弾。演奏はオーソドックスで手堅い印象を受けました。録音せいもあると思いますが,力強く重厚で豊潤だけれども清廉さを失わない美しい響きをオーケストラからうまく引き出していると思います。

録音ですが,中低域の量感がものすごくあり,また全体に密度の高い,濃い録音です。オーディオ的にも情報量が豊富な録音だと思います。私としてはもう少しスッキリと見通しよく,また,高域のヌケを良くした方が好みではあるのですが,まぁまずまずというところでしょうか。再生装置の低域再生能力にも若干左右されると思いますが,低域が少し弱い再生装置の方がバランス良く聴こえるように思います。

今後のリリースも楽しみです。

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」(フィリップ・ジョルダン指揮/ウィーン交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
フィリップ・ジョルダン指揮/ウィーン交響楽団
2017年5月21,22日 ウィーン,ムジークフェラインザール
WS017 Wiener Symphoniker (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

第1番,第3番「英雄」,第4番,第5番「運命」と第2番,第7番,第6番,第8番が既発売で取り上げていました。残るはこの第9番のみで,Apple Musicではすでに聴ける状態になっていましたので,少しフライング気味ですが,聴いてみました。

演奏に関しては基本的にすでに取り上げたものと同じ印象であり,快速でメリハリを効かせた小気味よさが気持ちの良い演奏に変わりありません。

さて録音なのですが,今までリリースされてきた楽曲に比べて,平均レベルが下がっているせいもあるかもしれませんが,距離感がやや遠くなり,残響感も増えているように感じられました。一方で帯域バランスだけはギリギリ許容範囲内に整えられているので何とか聴けるのですが,これはちょっと残響過多で明瞭感や楽器の質感が失われすぎのように思います。問題ないと思われる方もいるとは思いますが,私はこれはちょっと苦手な録音です。演奏は好きなのでこの録音は少々残念です。

それで,これで全集となったわけですが,amazonで検索してみると,全集セットがアップされていました。2019年10月22日時点で公式Webサイトにも情報がないので真偽がわかりませんが。発売日は11月1日となっています。

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ベートーヴェン:交響曲全集
フィリップ・ジョルダン指揮/ウィーン交響楽団
参考: Amazon.co.jp(MP3)

タグ: [交響曲] 

シベリウス:交響曲全集,他(コリン・デイヴィス指揮/ボストン交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集,他
コリン・デイヴィス指揮/ボストン交響楽団
1975-80年 ボストン,シンフォニーホール
478 3696 (P)2012 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

コリン・デイヴィスはシベリウスの交響曲全集を3回録音しており,1回目が1975-1980年にボストン交響楽団,2回目は1992-2000年にロンドン交響楽団,そして3回目は2002-2008年に同じくロンドン交響楽団でした。これは1回目の録音です。収録曲は下記の通りです。

交響曲全集
交響詩「フィンランディア」作品28
交響詩「ポホヨラの娘」作品49
交響詩「タピオラ」作品112
トゥオネラの白鳥作品22-2
悲しきワルツ作品44-1
交響詩「伝説」作品9
「カレリア」組曲作品11
ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47(*)

(*)サルヴァトーレ・アッカルド(Violin),ロンドン交響楽団


今回は交響曲のみのコメントです。演奏は,シベリウスの交響曲のシンフォニックな側面をストレートに押し出したもので,もう少し情緒感が欲しいとも思いましたが(特に第6番),これはこれで大変充実した内容となっていると思います。

そして録音なのですが,残響はそれなりにあるものの,各楽器の質感をよく捉えており,明瞭感,分離感,音の伸びなど良好です。やや大人しめで特徴のある録音ではありませんが,欠点の少ないアナログ後期の好録音だと思います。

ベートーヴェン:交響曲全集(アンドリス・ネルソンス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
アンドリス・ネルソンス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2017年3月-2019年4月 ウィーン,ムジークフェラインザール
483 7071 (P)(C)2019 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

2020年のベートーヴェン生誕250年に向けたアニバーサリー企画の一つと思われます。同じくこの企画の一つと思われるヤン・リシエツキのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集はすでに取り上げていました。

演奏はオーソドックスで癖が少なく,現代的で洗練されています。大オーケストラを堂々とならしつつ引き締まっていて品格を備えています。アニバーサリー企画にふさわしい出来ではないでしょうか。

一方録音なのですが...ドイツ・グラモフォンのオーケストラ録音としては標準的で悪くないと思うのですが,残響が多めであり,楽器音に響きが被って明瞭感と音色が損なわれ,楽器の質感が感じ取りにくく,見通しも良いとは言えません。もどかしい感じです。問題ないと思う方も多いかと思いますが,私としては悪くもないけど良くもない少々残念に思う録音でした。アニバーサリー企画としてはもう少し録音に配慮が欲しかったなと思いました。

なお上記の感想はApple Musicを聴いてのものです。録音が良ければディスク購入をと考えていたのですが,散々迷った挙げ句,録音の面で満足できそうになかったので購入断念しました。

タグ: [交響曲] 

シューマン:交響曲第2番,第4番,他(ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/ロンドン交響楽団)

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シューマン:交響曲第2番,第4番,序曲「ゲノフェーファ」
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/ロンドン交響楽団
2018年3月12日, 3月16日 ロンドン,バービカン・ホール
LSO0818 (P)2019 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ガーディナー指揮ロンドン交響楽団のシューマン交響曲全曲録音プロジェクトの第一弾とのことです。ガーディナーは1997年にオルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティークと全曲録音していますので20年以上ぶりとなります。第4番は1841年のオリジナル版で演奏しているとのことです。ロンドン交響楽団はモダン楽器オーケストラですが,弦楽器の響きがノンヴィブラートのようであり,それが独自の効果を出していてガーディナーらしさが出ているのではないかと思います。キレの良い推進力のある音楽作りも良いですね。

録音ですが,残響はそれなりにあるものの,響きはタイトに締まり,楽器音へのまとわりつきが少なく,明瞭で伸びがあり,見通しも良いと思います。ちょっと高域はきつめかもしれません。この録音も先日取り上げたシャイーのR. シュトラウスのようにフォルテの平均音圧が高めで,こういうマスタリングが普通になってきたのでしょうか。まあ違和感もそれほどなく許容できるかなと思います。

これは全曲録音完成が楽しみになってきました。期待して待ちたいと思います。

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,R. シュトラウス:メタモルフォーゼン(エサ=ペッカ・サロネン指揮/シンフォニア・グランジュ・オ・ラック)

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
R. シュトラウス:メタモルフォーゼン
エサ=ペッカ・サロネン指揮/シンフォニア・グランジュ・オ・ラック
2018年7月 フランス,エヴィアン,ラ・グランジュ・オ・ラック
ALPHA 544 (P)(C)2019 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

好録音が多いという印象のαレーベルの新譜をApple Musicで聴きました。輸入元情報によると,毎年夏にフランスのエヴィアンで開催される「ランコントル・ミュジカル・デヴィアン」という音楽祭の2018年のライヴで,音楽祭の終盤に,ヨーロッパ各地の有名オーケストラから優秀な奏者を集めて結成されたオーケストラの結成コンサート,とのことです。「シンフォニア・グランジュ・オ・ラック」は音楽祭が行われたホールの名称から取っているようです。

ベートーヴェンの「英雄」は推進力があり,優秀なアンサンブルで快速で引き締まった音楽に仕上がっていて良いと思いました。唯一,なんで第1楽章の提示部のリピートを省略してるんだ!と思ってしまいましたが。(メタモルフォーゼンは今ひとつ苦手な曲なので未聴(^^;)

録音ですが,ややホール音響の取り込みが多めで,楽器音に被って音色を濁しがちです。また残響によって明瞭感も少し損なっています。もう少し直接音比率を上げてスッキリと見通しよく録って欲しかったところです。こういうキチッと統制の取れた演奏は克明に聴き取りたいと思うのです。悪くはないのですが,好録音というにはちょっと物足りませんでした。惜しいです。

シベリウス:交響曲全集,他(サカリ・オラモ指揮/バーミンガム市交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集,他
サカリ・オラモ指揮/バーミンガム市交響楽団
録音 2000-2003年
2564 60294-2 (P)(C)2003 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

フィンランド出身のサカリ・オラモが30歳代後半に録音したシベリウスの全集。推進力があり壮大な響きをオーケストラから引き出していますが,どちらかといえばスッキリとしてすがすがしく,若手らしい意欲と丁寧で謙虚さのある良い演奏だと思いました。

録音ですが,少しマイクポイントが遠めなのか,全体のまとまりを重視したような録音になっていて各楽器の質感や分離感はやや希薄です。私としてはもう少し生々しい質感が欲しかったところですが,残響が控えめに抑えられていますので,それでも聴きやすい録音になっていると思いました。こういう録音は少し大きめの音量で聴くとすごく良い感じに聴くことができます。ちょっとオマケかなと思いましたが四つ星半の好録音としました。

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」(チョン・ミュンフン指揮/シュターツカペレ・ドレスデン)

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
チョン・ミュンフン指揮/シュターツカペレ・ドレスデン
2004年11月27日 ドレスデン,ゼンパーオーパー
PH15050 (C)2004 MDR KULTUR (P)2016 Profil Medien (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

シュターツカペレ・ドレスデンのベートーヴェンということで思わず手が出てしまいました(^^;。拍手の入るライヴ録音。第1楽章,第2楽章は比較的落ち着いたトーンで進行するのですが,第3楽章から徐々に弾けてきて,第4楽章はかなり攻めた熱い演奏です。オーケストラも指揮者の要求に応えて良くついていっています。なかなか良かったです。

録音ですが,残響はやや多めですが,直接音がそこそこ感じられ,また,響きが比較的スッキリしているので残響量の割にスッキリとしていて,音色の崩れもあまりありません。弦楽器を始め,各楽器の質感が良好なのも好印象です。密度の高い録音ですが,上手くまとめています。演出感が少なくライヴらしい自然さがあるのも良いです。好録音です。

チャイコフスキー:交響曲全集,他(セミョン・ビシュコフ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲全集,他
セミョン・ビシュコフ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音 2015-2019年 プラハ
483 4942 (P)(C)2019 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music,e-onkyo

Apple Musicでの試聴です。輸入元情報によると,ビシュコフは2017年よりチェコ・フィルの首席指揮者とのことですが,2013年から「チャイコフスキー・プロジェクト」を開始し,その成果がこの7枚組のディスクに収められているとのことです。

収録曲は以下の通りです。

交響曲第1番~第6番
マンフレッド交響曲
交響的幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
幻想序曲「ロメオとジュリエット」
弦楽セレナーデ
ピアノ協奏曲第1番~第3番(キリル・ゲルシュタイン Piano)

今回は,交響曲第5番,第6番,幻想序曲「ロメオとジュリエット」,弦楽セレナーデを聴きました。いずれの曲にも共通していたのは,丁寧で,フォルテでも声を荒げることなく,美しく表現しようとしているところです。チャイコフスキーらしくないのかもしれません。物足りなく思われる方もおられるかもしれません。好みは分かれそうです。まあこういうのもアリなのではないでしょうか。私は良いと思いました。

録音ですが,少し残響が多めで演出臭いところはありますが,音色への影響は限定的でギリギリ許容範囲です。私の好みとは少し外れますが,オーケストラ録音としては平均的で欠点が少なく,まずまずではないでしょうか。もちろん,私としてはもう少し残響を抑えてスッキリと質感強めに録って欲しかったところですが。悪くはありませんし,優秀録音の部類に入るかもしれませんが,好録音と言うには少し物足りなかったので四つ星とします。

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第7番(フェレンツ・フリッチャイ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第7番
フェレンツ・フリッチャイ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1960年10月3-5日(第7番),1961年9月25,26日(第5番) ベルリン,イエス・キリスト教会
PROC-2194 (P)1962 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records ※タワーレコード企画盤

タワーレコードVintage SA-CD Collection 第15弾より。フリッチャイのベートーヴェンは同じくタワーレコード企画盤で交響曲選集が2013年にリリースされていました(→Tower Records)。

これは,独Emil Berliner Studiosによる2018年最新リマスタリングということで,選集を買うか迷ったのですが,録音への興味も大きいので,こちらにしました。

演奏は,往年の巨匠の堂々たるものですが,テンポ設定に時代を感じるといいますか,例えば13分以上かけて演奏される第5番の第2楽章など,今にも止まりそうで永遠に終わらないんじゃないかと思ってしまいました。

録音ですが,1960, 61年の録音のため,クオリティ面では時代なりであり,歪みっぽくやや古臭い音色なのは仕方ありません。残響はやや多めですが,特に弦楽器の捉え方が良く,なかなか良い質感で魅力的です。この点を評価してだいぶオマケですが四つ星半としました。この時代の録音としては中低域の充実感があるのはリマスタリング時の音作りによるものかもしれません。リマスタリング前のディスクと聴き比べていないので何とも言えないのですが,ちょっとやり過ぎなのでは?というような気はします。

とはいえ,およそ58年前の録音がこの音質で聴けるというのはなかなかのものではないかと思います。

ベートーヴェン:交響曲全集(1966年東京文化会館ライヴ)(ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1966年4月12-16日 東京文化会館
KKC2176/80 (P)2019 NHK SERVICE CENTER (国内盤?)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

1966年4月12日から5夜連続,東京文化会館で行われた演奏会の録音。放送用に収録されていたものでしょうか。よく今頃こんな音源が発掘されたものだと感心します。カラヤン/ベルリン・フィルのライヴ録音というと,1977年東京普門館ライヴがありました。その11年前の来日時の録音です。

演奏についてはカラヤン/ベルリン・フィルそのものですが,この演奏会にかける意気込みがひしひしと感じられる熱い演奏であることは間違いありません。勢い余ってアンサンブルが乱れるのはご愛嬌ということで。

録音ですが,基本的にはライブ録音として自然で音の捉え方も悪くないのですが,品質という点ではマスターテープの劣化ではないかと思われるヒスノイズや乱れが散見されるものもありましたし,フォルテではやや飽和気味に歪んでいるのが感じられました。高域のヌケもあまり良くなく,やや詰まった感じがあり,今ひとつ品位が良くありません。

まあこれはカラヤン/ベルリン・フィルの来日時の貴重な録音ということで,コレクターズアイテムということですね。

タグ: [交響曲] 

シューマン:交響曲全集(ジェームズ・レヴァイン指揮/フィラデルフィア管弦楽団)

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シューマン:交響曲全集
ジェームズ・レヴァイン指揮/フィラデルフィア管弦楽団
録音 1977-78年 フィラデルフィア,スコティッシュ・ライト・カテドラル
88697771362 (P)1981 (C)2010 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

先日1987年と1990年にベルリン・フィルと録音された全集を取り上げましたがこちらはその約10年前に録音されたフィラデルフィア管弦楽団との全集です。レヴァインがまだ33,4歳の時の録音とのことです。演奏は,明るく快活で,そして響きが綺麗ですがすがしいです。この曲が持つ美しさを素直に表現しているようでいいと思いました。

録音ですが,残響は控えめで音にキレがあり,見通しが良くスッキリしています。この演奏の良さを引き立てる好録音です。

ディスク自体は入手しづらいようでちょっと残念な状況です。Apple Musicで聴けるのは有り難いことです。

ベートーヴェン:交響曲全集(アダム・フィッシャー指揮/デンマーク室内管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
アダム・フィッシャー指揮/デンマーク室内管弦楽団
録音 2016年~2019年 王立デンマーク音楽アカデミーコンサート・ホール,デンマーク放送コンサート・ホール第2スタジオ(第5番)
8505251 (P)2019 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★☆,★★★★(第9番)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ハイドンの交響曲全集,モーツァルトの交響曲全集を録音しているアダム・フィッシャーがデンマーク室内管弦楽団を指揮して今度はベートーヴェンの交響曲全集を録音しました。今回はApple Musicでの試聴です。

同じデンマーク室内管弦楽団を指揮したモーツァルトと同様,速いテンポで疾走感があり大変キレのある演奏が痛快です。モーツァルトの時よりもアクセントや強弱が一層極端に付けられています。モダン楽器の小編成オーケストラによるピリオド・アプローチの演奏を突き詰めた感があります。ただ,音が全体に短めな上に,音の抜きも極端になされるため,急に弱音になって聴き取りづらくなったりしますし,弦楽器の音があまり持続しないため,弦楽器の魅力が出づらく,弦楽器が好きな私としてはちょっと欲求不満になるところもありました。結構極端に振った演奏なので,好き嫌いははっきり分かれそうです。

録音ですが,残響が多めですが,直接音もそれなりにあるため,それぞれの楽器の質感も感じられ,音色もそこそこ自然で伸びがあるので,まずまず良好です。もう少し残響を抑えて音のキレと見通しの良さを出して欲しかったところですが,まあ許容範囲内でしょうか。少しオマケですが四つ星半です。なお第9番は少し残響音の比率が高く音色の曇りが感じられてやや落ちます。

モーツァルト:交響曲全集(アダム・フィッシャー指揮/デンマーク国立室内管弦楽団)

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モーツァルト:交響曲全集 (12CDs)
アダム・フィッシャー指揮/デンマーク国立室内管弦楽団
録音 2006年6月-2013年2月
8201201 Dacapo Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ハイドンの交響曲全集も録音しているアダム・フィッシャー指揮のモーツァルト交響曲全集。少し前(2019年5月)にHMV Onlineで特価販売されていたのでどうしようか迷っているうちに完売してしまい機会を逸してしまったのですが,Apple Musicで公開されていたのでこちらで聴いてみました。"45 symphonies"とありますが,取り上げられている曲目については参考に挙げたサイトでご確認いただければと思います。(※なお2019年8月現在,HMV Online上で完売とはなっておらず,取り寄せ可の状態でした)

モダン楽器の小編成オーケストラによるピリオド・アプローチの演奏とのことです。すべてを聴いたわけではありませんが,全体に速めでアグレッシブに攻めています。ちょっと過激過ぎたり管楽器や打楽器がやかましかったりする曲もありますが,基本的には好きな演奏でした。

録音ですが,約7年かけて録音されているようで,多少のばらつきはあるものの,サウンドの統一感はそこそこあります。残響が多めで少しオフマイク気味ではありますが,直接音もそれなりにあり,残響が被らずに聴こえてくるので,残響量の割にはまずまず聴ける録音です。ただ,フォルテなどでは少しガチャガチャとうるさく聴き取りづらくなるのは惜しいと思います。このようなキレを重視した演奏なので,細部まで鮮明に見通しよくキッチリと聴こえる録音にして欲しかったとは思います。少しオマケですが,四つ星半としました。

なお,今回Apple Musicでの試聴のため,少し歪みっぽく聴こえるところがあったのですが,それには目を(耳を?)つぶりました。また,例えば第29番など,至る所でプチプチとノイズが入っていました。エンコード時のミスと思われます。アップロード時にチェックしていないのでしょうか。こういうところはホントいただけないですね。

※2019/5/6に一度レビューをしていましたが,今改めて聴いてみて,録音の印象が全く異なったため前回のレビューを大幅に見直し書き直しました。前回のレビューを参考にしていただいていた方々にはお詫び申し上げます。

ユージン・オーマンディ・コンダクツ・チャイコフスキー&シベリウス(ユージン・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団)

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ユージン・オーマンディ・コンダクツ・チャイコフスキー (12 CDs)
ユージン・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団
録音 1950年代~1970年代
88883737162 (P)(C)2013 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ユージン・オーマンディ・コンダクツ・シベリウス (8 CDs)
ユージン・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団
録音 1950年代~1980年代
88875108582 (P)(C)2015 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon


オーマンディがフィラデルフィア管弦楽団を指揮し,SonyとRCAに残した音源からセレクトされた音源を収録したボックスセットです。チャイコフスキーはオーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団の得意とするレパートリーとのことで,録音は多くの曲で複数回行われているとのことですが,この2つのレーベルに残された最も遅い時期の録音をセレクトしているとのことです。一方シベリウスの方は時期の違う録音を複数収録している曲がいくつもあります。同じようなボックスセットですが収録のポリシーが少し異なるようです。

収録曲は下記の通りです。

●チャイコフスキー
交響曲全集 (1968-76年)
交響曲第7番(ボガティレフ補筆完成版) (1962年)
マンフレッド交響曲 (1976年)
ピアノ協奏曲第1番(テッド・ジョセルソン(P)) (1974年)
ピアノ協奏曲第2番,第3番(ゲイリー・グラフマン(P)) (1965年)
ヴァイオリン協奏曲(アイザック・スターン(Vn)) (1958年)
バレエ音楽「白鳥の湖」ハイライト (1972年)
バレエ音楽「眠れる森の美女」ハイライト (1973年)
バレエ音楽「胡桃割り人形」ハイライト (1972年)
弦楽セレナーデ (1960年)
大序曲「1812年」(1970年)
スラヴ行進曲 (1972年)
イタリア奇想曲 (1972年)
幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 (1976年)
幻想序曲「ロミオとジュリエット」 (1973年)
ロココ風の主題による変奏曲(レナード・ローズ(Vc)) (1965年)
アンダンテ・カンタービレ (1966年)
ただ憧れを知る者だけが (1966年)
「四季」より「舟歌」 (1968年)
ワルツとポロネーズ(エフゲニー・オネーギンより) (1965年)

●シベリウス
交響曲第1番 (1962年)
交響曲第1番 (1978年)
交響曲第2番 (1957年)
交響曲第2番 (1972年)
交響曲第4番 (1978年)
交響曲第5番 (1975年)
交響曲第7番 (1960年)
交響曲第7番 (1975年)
ヴァイオリン協奏曲(アイザック・スターン(Vn)) (1969年)
ヴァイオリン協奏曲(ディラーナ・ジョンソン(Vn)) (1980年)
交響幻想曲「ポホヨラの娘」 (1976年)
交響詩「トゥオネラの白鳥」 (1960年)
交響詩「トゥオネラの白鳥」 (1973年)
交響詩「フィンランディア」合唱あり (1959年)
交響詩「フィンランディア」 (1968年)
交響詩「フィンランディア」合唱あり (1978年)
交響詩「大洋の女神」 (1978年)
交響詩「エン・サガ」 (1963年)
交響詩「エン・サガ」 (1975年)
交響詩「タピオラ」 (1976年)
「カレリア」序曲 (1977年)
「カレリア」組曲 (1968年)
「カレリア」組曲 (1975年)
悲しきワルツ (1959年)
悲しきワルツ (1973年)

オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団というと,「ゴージャスなオーケストラ・サウンド」と言われることが多いと思います。良い意味でも悪い意味でも使われているのではないかという気がします。私自身はこの顔合わせの演奏は今まであまり意識して聴いてこなかったので,今こうして聴いてみると,確かにそうだなと思います。

演奏でいうと,オーケストラを気持ち良く存分に鳴らしているところ,そして,聴かせどころのツボをきちんと押さえて少々誇張気味に表現しているように思いました。こういったところが好かれるところであり,これが鼻につく人もいるということなのでしょう。私は好意的に受け取りました。

録音ですが,音源の中心はチャイコフスキーが1970年代前半,シベリウスは1970年代後半です。シベリウスの方は1950年台後半から1960年台前半の音源も含まれています。演奏もさることながら,録音の面でも少しデフォルメして「ゴージャスなサウンド」を演出しているように思いました。

ただ不思議なことに,チャイコフスキーとシベリウスで音質の傾向が若干異なり,チャイコフスキーの方はやや派手めでキツい割にナローレンジの感じがしますが,シベリウスの方はそれからすると少し大人しめでフラットな印象です。音作りとしてはシベリウスの方が私の好みに合いました。特に1975年録音の「エン・サガ」や1976年録音の「タピオラ」あたりが最もバランス良く録れていて,普段あまり聴かない楽曲を楽しむことが出来ました。

まだそれほど聴けていないので,もう少しじっくりと聴いてみたいと思います。

ルドルフ・ケンペの芸術

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ルドルフ・ケンペの芸術 (10 CDs)
SC502 (P)2015 Scribendum (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

過去にScribendumから発売されていたものを集めてボックス化したようですが,ブルックナーの第8番はこのボックス化に際してリマスタリングされたとのことです。収録曲は下記の通りです。

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 (1971年)(*)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 (1971年)(*)
ブラームス:交響曲全集 (1975年)(**)
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」 (1975年)(**)
ブルックナー:交響曲第5番 (1976年)(**)
ブルックナー:交響曲第8番 (1971年)(*)
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第一幕への前奏曲 (1972年)(**)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 (1972年)(**)
ドヴォルザーク:交響曲第8番 (1972年)(**)
R. シュトラウス:交響詩「ドンファン」 (1964年)(***)
レスピーギ:交響詩「ローマの松」 (1964年)(***)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 (1962年)(***)

(*)チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
(**)ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
(***)ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽楽団

このうちブラームスの交響曲全集については以前,ARTS盤とXRCD盤でレビューしていました。

今回は録音のみコメントします。チューリヒ・トーンハレ管弦楽団との録音は少し残響が多めで,直接音もそれなりにあり骨太のサウンドになっている点は良いものの,やはり残響の影響を受けて質感や見通しが今ひとつです。またちょっと飽和気味です。

ミュンヘン・フィルとの録音は,ブラームスの交響曲は以前レビューしたARTS盤相当であまり印象が良くありません。一方,ブルックナーの第4番,第5番は残響が少なめで音色の癖もなく聴きやすい録音です。このボックスセットの中で最も良いのではないでしょうか。1972年の録音はライヴですが,残響控えめで基本的な音の捉え方は良いものの,全体に質感が弱めであり,音色も若干古臭くオーディオ的にあまり良くありません。リマスター盤であるXRCD盤や先日取り上げた2016年リマスター音源使用のベートーヴェンの交響曲全集と比べると見劣りするのは否めません。

ロイヤル・フィルとの録音は1960年代前半なので歪み感が多く帯域も狭めでクオリティ的に時代なりという印象が否めません。基本的な音の捉え方は悪くはないと思うのですが。

実直さが好印象のケンペの諸演奏ですが,どちらかといえば,音の捉え方というよりも録音品質そのものに恵まれていないという気がします。その点でこのボックスセットも録音だけで言えば(ブルックナーを除いて)魅力に乏しいという印象でした。

ブラームス:交響曲第3番,第4番,ドヴォルザーク:交響曲第8番,第9番「新世界より」(ヤクブ・フルシャ指揮/バンベルク交響楽団)

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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88
ヤクブ・フルシャ指揮/バンベルク交響楽団
2018年5月14-16日, 2018年2月28日-3月2日 バンベルク
TUDOR 1743 (P)(C)2019 Tudor Recording (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
ヤクブ・フルシャ指揮/バンベルク交響楽団
2017年5月3-5日, 10月28-30日 バンベルク
TUDOR 1744 (P)(C)2018 Tudor Recording (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

チェコ出身,まだ30歳台という若いフルシャが首席を務めるバンベルク交響楽団と収録したブラームスとドヴォルザーク。リリース順に,ブラームス第4番とドヴォルザーク第9番,ブラームス第3番とドヴォルザーク第8番,という組み合わせ。後者の組み合わせはCD 1枚に収まる時間ですが,あえてSACD 2枚に分けています。何か意図があってのことでしょうか。次はブラームス第2番とドヴォルザーク第7番,という組み合わせなんですかね。

さて演奏なのですが,とてもニュートラルなアプローチのように思います。自分の個性を押し出そうとか,そういった意図はほとんど感じられず,楽譜を謙虚に忠実に音にして現実の世界に送り出しているように聴こえます。ダイナミックで締めるところは締める,歌うところは歌う,決して退屈な演奏ではありませんが,特徴のある演奏を求める向きにはやや物足りないかもしれません。

録音ですが,少し残響は多めではあるものの,それぞれの楽器の音の質感も大切にされていてバランスが取れていると思います。中低域の量感もあり少し重心を低く取っていますが,響きが締まっているので中高域に悪影響を及ぼさず悪くありません。CDという器に最大限に情報を詰め込んでいるような密度の高さ,解像感,スケール感があります。個人的にはもう少し響きを抑えてスッキリと見通しの良さを出して欲しかったので,私の好きな好録音とは少し違うと思いつつも,これもアリかなとは思いました。現代の優秀録音という趣です。肯定的に受け取られる方も多いのではないでしょうか。

ということで,今後のリリースにも期待します!

ベートーヴェン:交響曲全集(ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団) ※2016年最新リマスター音源使用

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第5番「運命」
ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
23-26 June 1972, 20-23 December 1971, Bürgerbräukeller, Munich
Warner Classics WPCS-13443 (P)1974 (C)2016 Parlophone Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第2番,第4番
ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
15-20 December 1972 & 27-30 April 1973, 16-19 April 1973, Bürgerbräukeller, Munich
Warner Classics WPCS-13444 (P)1974 (C)2016 Parlophone Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,「プロメテウスの創造物」序曲,「エグモント」序曲
ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
23-26 June 1972, 20-23 December 1971, Bürgerbräukeller, Munich
Warner Classics WPCS-13445 (P)1974 (C)2016 Parlophone Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」,「レオノーレ」序曲第3番
ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
23-26 June 1972, 20-23 December 1971, Bürgerbräukeller, Munich
Warner Classics WPCS-13446 (P)1974 (C)2016 Parlophone Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第7番,第8番
ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
20-23 December 1971, 15-20 December 1972, Bürgerbräukeller, Munich
Warner Classics WPCS-13447 (P)1974 (C)2016 Parlophone Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
31 May - 4 June 1973, Bürgerbräukeller, Munich
Warner Classics WPCS-13448 (P)1974 (C)2016 Parlophone Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

この全集については2011年に全集ボックスを取り上げていました(→こちら)。提示部の慣習的なリピート省略が残念ではあるものの質実剛健な正統的演奏で気に入っていました。2016年の最新リマスター音源使用ということで,発売当時購入しそびれていましたが,今になって聴いてみたくなり,購入しました。

で,その音質ですが,一聴してわかる改善がありました。音の密度というか情報量というか,あくまで感覚的な話ですが,そういったところが良くなっていることと,音色の癖と刺々しさが少し緩和されているという点で,従来盤に対してアドバンテージがあるかなと思います。

この名盤がわずかでも良い状態で聴けるというのは有り難いことですね。

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シューマン:交響曲全集(ズービン・メータ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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シューマン:交響曲全集
ズービン・メータ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1976, 80, 81年 Sofiensaal, Vienna, Austria
476 9771 (P)1977,81,83 (C)2007 Universal Music Australia (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ウィーン・フィルを力強くドライブした勇壮に攻める演奏ですね。こういうふうに演奏するならなにもウィーン・フィルでなくてももっとふさわしいオーケストラがあるのでは,と思うのですが(^^;。でもまあ嫌いではありません。まだ若いメータの挑戦的な演奏ということで楽しめました。

録音ですが,第1番と第4番はアナログ録音,第2番と第3番はデジタル録音ということで,アナログ完成期とデジタル黎明期の過渡期の録音になります。ただ聴いた感じではそんなに差はなくそれなりに統一感が保たれています。やや残響が多めのために,フォルテのところではちょっとガチャガチャとうるさく感じられ,細かい音がかき消されて聴き取りづらいように思います。もう少し残響を抑えスッキリと見通しよく録って欲しいところです。

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ブラームス:交響曲第2番,悲劇的序曲,大学祝典序曲(ピエール・モントゥー指揮/ロンドン交響楽団)

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ブラームス:交響曲第2番,悲劇的序曲,大学祝典序曲
ピエール・モントゥー指揮/ロンドン交響楽団
録音 1962年11月 ロンドン
480 8911 (P)(C)1965 (C)2016 Universal Music Australia (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ベートーヴェンの交響曲全集が良かったのでブラームスも聴いてみたいと思い,まずはこれを選びました。オーソドックスながら大変キレのある指揮で引き締まった演奏が魅力的です。交響曲第2番も良いのですが,悲劇的序曲が最高の出来です。この曲でこんなにワクワクしたのは初めてかもしれません。

そして何よりこの録音が最高です。1962年の録音なのでクオリティ面では現代の録音にかないませんが,低域から高域まで均一に捉えられバランスの崩れもなく癖もありません。残響感もほとんどないのですが,やや強めの楽器の質感が大変心地よく耳に響きます。特にこの弦楽器のキレのある音が良いです。実際にホールでこんな音では聴けないかもしれませんし,誇張された音響ではあると思いますが,音楽として抜群に楽しく,いろんな欠点を忘れさせるに十分でした。皆さんの賛同を得られるかわかりませんが,そしてちょっとオマケとは思いましたが五つ星にしたいと思います。間違いなく好録音です。

モーツァルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」(ジョルディ・サヴァール指揮/ル・コンセール・デ・ナシオン)

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モーツァルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」
ジョルディ・サヴァール指揮/ル・コンセール・デ・ナシオン
2017年6月19-22日,2018年6月6-8日 スペイン
AVSA9934 (P)(C)2019 ALIA VOX (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

「交響曲による遺言」(Le Testament Symphonique)という副題が付いています。古楽界を牽引してきた大御所の演奏ということで大変楽しみだったのですが... なんなんでしょうこれは。ティンパニーがあまりにもアバウトすぎます。すごくずれたところでドォンと入ってきます。特に第39番の第一楽章。あと録音のせいもあるかもしれませんが,低音パートの音に締まりがなく,響きのピークが拍から遅れてやってくるので,後ろに後ろに引っ張られます。この二点がすべてを台無しにしていると思います。これらのために全体が崩れてしまっている印象です。なんとも残念な感じでした。

録音ですが,締まりのない低域は前述の通りですが,中高域は透明感と音の伸びがあって悪くありません。もう少し楽器の質感を強めに出して欲しいかなとは思いますが,まずまず良好です。低域さえ締まっていれば好録音と言えたのに,惜しいと思います。

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ラファエル・クーベリック・コンダクツ・グレート・シンフォニーズ(バイエルン放送交響楽団)

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ラファエル・クーベリック・コンダクツ・グレート・シンフォニーズ (7 CDs)
ラファエル・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団
1978年-1980年 ミュンヘン,ヘルクレスザール
88697884112 (P)(C)2011 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

収録曲は以下の通りです。

モーツァルト:後期交響曲集(No. 35, 36, 38, 39, 40, 41)
シューマン:交響曲全集
ブルックナー:交響曲第3番,第4番


一音一音をあるべき場所に丹念に配置していくような丁寧な演奏で,特にモーツァルトでその傾向を顕著に感じました。スピード感や推進力を感じる演奏ではない点,私の好みとは異なるのですが,これはこれで興味深く聴くことが出来ました。

録音ですが,オーケストラ録音としては標準的な部類に入ると思います。残響はありますが過剰にならず,楽器音が比較的明瞭に質感良く聴ける点でまずまずの好録音と言えます。ただし,欠点の少ない無難なまとめ方をしているのですが,個人的にはもっと楽器の質感を強めに出し,もう少し分離感良く録って欲しいとは思っています。少々オマケですが四つ星半です。

シューマンの交響曲を聴きたくて入手したボックスセットですが,その他の曲も好きなので楽しんで聴くことが出来ました。

ベートーヴェン:交響曲全集(ピエール・モントゥー指揮/ロンドン交響楽団,ウィーンフィルハーモニー管弦楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
ピエール・モントゥー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,ロンドン交響楽団

1957年-1962年 ウィーン ソフィエンザール,ロンドン キングスウェイホール,ウォルサムストゥ・アセンブリー・ホール
480 8895 (P)(C)1962 Universal International (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

オーストラリアのエロクエンス・シリーズ。古い録音なのでどうしようか迷いましたが,ステレオ録音ということで,この頃の録音には意外に好みのものもあることから,聴いてみることにしました。

第1, 3, 6, 8番がウィーン・フィル,第2, 4, 5, 7, 9番がロンドン交響楽団です。さらに,第9番のリハーサル,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との交響曲第3番(1962年録音)も収録されています。(詳しくは参考に挙げたサイトをご参照ください)

私はモントゥーという指揮者をほとんど知らないのですが,なんとなく古めかしい巨匠風の演奏する人かなという先入観を持っていたのですが,全くそんなことはありませんでした。オーソドックスで現代でも色褪せない普遍性を感じる演奏でした。全体にキリッと引き締まっていて良かったと思います。

そして録音なのですが,1957年から1962年の録音ということで,50年以上前,ステレオ最初期にあたります。クオリティ面ではさすがに1957年から58年の録音は機材の限界を感じるものの,それ以降の録音はわずかに高域の伸びの不足と若干の古めかしさがあるものの,意外にバランスの整った好録音でした。直接音が主体でサウンドに締まりがあり,明瞭で分離も良好。弦楽器を軸にした楽器の質感を大切にしたサウンドも好感が持てます。古い録音でクオリティが劣るにもかかわらず鑑賞に問題ないばかりか演奏の魅力を十分に引き出している点で好録音と言えると思います。

シューマン:交響曲全集 "Complete Symphonic Works"より (ハインツ・ホリガー指揮/ケルンWDR交響楽団)

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シューマン:交響曲全集 "Complete Symphonic Works"より
ハインツ・ホリガー指揮/ケルンWDR交響楽団
録音 2012年 ケルン・フィルハーモニー
AU21450 Audite (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicで試聴。曲目は参考に挙げたURLをご参照ください。シューマンの交響曲では,第4番が,1841年原典版と1851年改訂版の両方が演奏されているのが興味深いです。明記されていませんが,第1番はマーラー版ではないかと思いました。ヴァイオリン協奏曲ではパトリツィア・コパチンスカヤがソロを務めています。ここでは交響曲のみのコメントです。

交響曲の演奏は,速めのテンポでキビキビとしていて,かつ,統率が行き届いているので音色が大変滑らかです。若干癖はありますが新鮮さを感じさせる演奏でなかなか良いと思いました。

録音ですが,少し残響があるのと少しオフマイク気味なのか楽器の質感が弱めで少し明瞭感は犠牲になっていると思いますが,基本的に音色のバランスは悪くなく,低域も量感があるにも関わらず締まっていて中高域に被らず悪くありません。全体として不満はあるもののまずまず良好で,少々オマケですが四つ星半としました。

シューマン:交響曲全集(ジェームズ・レヴァイン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

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シューマン:交響曲全集
ジェームズ・レヴァイン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1987年(第2番,第3番),1990年(第1番,第4番)
4429232 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,HMV Onlineicon

レヴァイン2回目の全集でしょうか(1回目は1970年代 フィラデルフィア管弦楽団)。第2番はマーラー版を使用しているとのこと。レヴァインらしい快活で明快な演奏だとは思うのですが,コントロールという面でベルリン・フィルをきちんとコントロールしきれていないというか,完成度の面で追い込みきれていないような気がしました。その結果,オーケストラの音がギスギスと荒れているようにも聴こえました。

録音ですが,この頃のレヴァインのドイツ・グラモフォンらしい明瞭さを持つ録音だと思います。が,この演奏においてはこの録音がオーケストラの粗が見えすぎてしまい,裏目に出てしまっているのではないでしょうか。まあ録音自体はもちろんそんなに悪くないと思うのですが。

ということで,これは少し残念でした。フィラデルフィア管弦楽団との全集も聴いてみたいと思います。

タグ: [交響曲] 

シューマン:交響曲全集(ジュゼッペ・シノーポリ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン)

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シューマン:交響曲全集
ジュゼッペ・シノーポリ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン
1992å¹´-1993å¹´ Dresden, Lukaskirche
00289 477 9782 (P)1995 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

シノーポリの指揮はあまり聴いた記憶がないのですが,時々独特の癖のある表現がみられて面白いと思いました。それにしてもこの録音は少し残響が多く,残響時間も長いため,細部が混沌として不明瞭であり良く聴き取ることが出来ず,私としてはあまり楽しむことが出来ませんでした。音色のバランスは意外に良いとは思うのですが。残響が気にならない方でもこれは少し多すぎではないでしょうか。せっかくのシュターツカペレ・ドレスデンの演奏なのに残念でなりません。

タグ: [交響曲] 

モーツァルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」(マチュー・ヘルツォーク指揮/アンサンブル・アッパッショナート)

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モーツァルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」
マチュー・ヘルツォーク指揮/アンサンブル・アッパッショナート
録音 2018年7月16-20日
V5457 (P)2018 Naive (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。

指揮者のマチュー・ヘルツォークは元エベーヌ四重奏団の創設時のヴィオラ奏者だったそうで,退団後にこのアンサンブルを結成したとのことです。モダン楽器のようです。演奏はアンサンブル名の通りです。特に両端楽章は快速で攻める刺激的な演奏で,きっちり統率はされているもののやや乱暴に聴こえるところもあり,これはちょっとやり過ぎのようにも思いますが,突き詰めている感は確かにあります。好き嫌いがはっきり分かれると思います。私は...ちょっと微妙です。こういうのを聴くとエレガントで響きの美しい演奏を求めたくなってしまいます。

録音ですが,少し残響はあるものの,そこそこ明瞭で分離良く聴こえます。ただフォルテでは弦の音が管に飲まれて聞き取りづらく,また,細かい音型も潰れ気味でくっきりと聴こえてきません。やかましい感じもあります。こういう演奏だからこそもっと個々の楽器をキッチリと聴かせるように緻密に録って欲しいです。とはいえ,まあ悪くはありませんのでちょっとオマケながら四つ星半です。

シューマン:交響曲第1番「春」,シューベルト:交響曲第3番(マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団)

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シューマン:交響曲第1番変ロ長調作品38「春」
シューベルト:交響曲第3番ニ長調D200
マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団
2018年3月21-22日,2015年1月26-30日 ヘルクレスザール
900176 (P)(C)2019 BRmedia Service (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

シューマンの交響曲第1番は好きな曲なのと,このシリーズは比較的録音が好みのものが多かったので入手しました。カバーピクチャのヤンソンスが急におじいちゃんになっちゃった感がありましたので演奏がちょっと心配になりましたが,若々しく溌剌とした推進力のある演奏で,この点は杞憂でした。少しオーケストラを派手に鳴らしすぎにも思いましたが,これだけの躍動感を得るためには仕方なかったのかもしれません。でも良いと思います。

録音ですが,やや残響が多めで中域に変な癖があり,やかましく感じられるのが惜しいです。直接音成分もそれなりにあって悪くはないのですが,やっぱりもう少し響きを整理してスッキリと見通しよく録って欲しいです。一方で中低域の締まりのある響きは充実感があって良いと思います。

タグ: [交響曲] 

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