ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番作品95,第14番作品131(ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番作品95,第14番作品131(弦楽合奏版)
ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
Little Tribeca in Vichy, September 2016
AP152 (P)2016 (C)2017 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの先行試聴です。チャイコフスキーの弦楽セレナーデが演奏も録音も大変良かったので,これも聴いてみました。なお,HMVとTower Recordsは8/10の発売,Amazonでは7/14の発売となっており,Amazonの方が若干早く発売されます。

演奏は期待通り,精緻で緊密なアンサンブルでこの弦楽四重奏曲の名曲を弦楽合奏で綴っていきます。弦楽合奏であることを活かし弦楽四重奏より幅の広い音楽を実現していて聴き応えがあります。曲としては作品131の方が弦楽合奏に向いている気がしますし,実際こちらの方が出来がよいと思います。

録音ですが,残響控え目で各パートを明瞭に質感豊かに捉えている点は良いのですが,前作のチャイコフスキーに比べると音色がやや金属的で自然さに欠けます。平均水準以上ではあると思うので四つ星半評価ですが,音色の面でちょっと納得できないところが残ります。前の録音に戻して欲しいところです。

とはいえ,トータルの出来はなかなか良いと思います。今後,弦楽合奏の名曲を一通り録音してくれることを期待します。(録音はチャイコフスキー同等に戻してぜひ欲しいですね)

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」(弦楽合奏版)(ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
シベリウス:弦楽四重奏曲 ニ短調 作品56「親愛なる声」(弦楽合奏版)
ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
2016年5月3-6日 クレルモン=フェラン,オーヴェルニュ管弦楽団施設
AP139 (P)(C)2016 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicで試聴して演奏も録音も大変良かったので,今年の1月に試聴レビューしていました。ディスクを買うかずっと迷っていたのですが,やっぱりこれは手に入れておきたいということでAmazonから入手しました。Tower RecordsとHMVでは5月の発売になっています。今聴きながら書いているのですが,これはやっぱり買って正解の盤でした。



Apple Musicでの試聴です。Amazon.co.jpでは2月17日の発売になっていて,HMVやTower Recordsにはまだ出ていませんでした。

おぉ,これはなかなかイイぞ! 演奏自体は真っ当なスタンダード路線であり,アンサンブルは優秀で,丁寧でニュアンス豊かで美しい。シベリウスの弦楽合奏版は初めて聴きましたが,違和感なく聴けました。

録音ですが,特に特徴があるわけではありませんgな,欠点らしい欠点がなく,弦楽器の魅力を上手く捉えた好録音だと思います。低域から高域までレンジ感もありますし,楽器の質感の捉え方も標準的で良好です。残響もそれなりにありますが,マイナス要素にはあまりなっていません。

これはディスクを入手してじっくり聴いてみたくなりました。

(記2017/01/08)

グリーグ:ホルベルク組曲,スクームスヴォル:ホルベア変奏(1B1(室内管弦楽団),クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ),他)

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グリーグ:ホルベルク組曲(弦楽合奏版,ピアノ独奏版)
スクームスヴォル:ホルベア変奏(ピアノと弦楽合奏のための)
1B1(室内管弦楽団),クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ),他
2014年1月2-5日,2月24-26日 ノルウェー,スタヴァンゲル・コンサートホール
Simax PSC1332 (P)2014 Grappa Musikkforlag AS (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

ホルベルク組曲はグリーグの中で最も好きな作品です。このディスクでは,原曲のピアノ独奏版と作曲者自身の編曲による弦楽合奏版,そして,このホルベルク組曲を題材に,ジャズシーンで活躍しているスクームスヴォルが主導して即興的な演奏を試みたという「ホルベア変奏」が収録されています。

ピアノ独奏版は初めて聴いたのですが,これがまたかっこいいですねぇ。前奏曲にワクワクしますし,第3曲のガヴォットとミュゼットも洒落ています。ピアノ曲としては有名ではないと思いますが,弦楽合奏版を知っていれば結構楽しめる曲ですね。弦楽合奏版もスピード感と勢いがあり良いと思います。ホルベア変奏は...少し聴いたのですがあまり興味が湧かずパスしてしまいました(^^;。

録音ですが,弦楽合奏もピアノもまずまずの録音で,残響は適度であり録り方も自然で悪くないのですが,少し雑味というか濁りがあり,透明感や音の伸びに欠けています。録音機材があまり良くないのかもしれません。惜しいと思います。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(シトコヴェツキー編曲 弦楽合奏版)(シュトゥットガルト室内管弦楽団)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(シトコヴェツキー編曲 弦楽合奏版)
シュトゥットガルト室内管弦楽団 Stuttgart Chamber Orchestra
録音不明(明記なし)
KICC 341 (P)2001 King Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

私の記憶では弦楽合奏版としては元祖のニュー・ヨーロピアン・ストリングス(NES)盤に続いて2つめの録音だと思います(違ったらごめんなさい)。編成は不明ですが,解説書の写真を見ると18名で,NESよりも4名ほど多いくらいなので,中規模の弦楽合奏ですね。なお,こちらの演奏ではハープシコードが加わっておらず純粋に弦楽器のみです。

こちらの演奏はNESに比べると随分と真面目できっちりと落ち着いており,躍動感や自由闊達さはあまりないものの,緻密なアンサンブルから生まれる柔らかく温かい響きはさすが名門というところです。NESとはかなり方向性が異なりますが,このような演奏もモダン楽器の弦楽オーケストラらしくて素敵ですね。

リピートはきっちり全部やっているかと思いきや,第13変奏の後半だけ省略されていました。おそらくCD 1枚に収めるために泣く泣くカットしたのではないかと思いますが,何とも惜しいことです。

録音ですが,少し残響を少し取り込んでいますが,残響というか収録場所の空間を感じさせるような音響で少し癖があります。ソロはまだ良く合奏の方が気になります。決して悪くはなく残響や響きが気にならない方にとっては問題ないレベルだとは思いますが,もう少しすっきりと抜けよく録ってくれれば良かったのにと少々残念です。

演奏時間 約79分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○× Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○○

さてこのディスク,廃盤となってから久しいようで,入手困難ではないようですが入手しづらいようです。良質な演奏だと思いますので,復刻して欲しいところですね。タワーレコードの出番だと思うのですが(^^; いかがでしょうか?>タワーレコード様。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(シトコヴェツキー編曲 弦楽合奏版)(ニュー・ヨーロピアン・ストリングス)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(シトコヴェツキー編曲 弦楽合奏版)
ニュー・ヨーロピアン・ストリングス NES Chamber Orchestra
ドミトリ・シトコヴェツキー Dmitry Sitkovetsky (コンサートマスター)
1993年10月 ハンブルク,フリードリヒ・エーベルト・ホール
WPCS-5004 (P)(C)1995 Nonesuch Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

シトコヴェツキー編曲の弦楽合奏版も今では何種類かの録音がありますが,これが元祖ですね。編成は[4-4-3-2-1]で,ハープシコードが加わっています。変奏毎に合奏になったり,パートトップによるソロになったり,繰り返しで編成を変えたりと変化に富んでいます。この演奏の良いところは何といっても音楽が生き生きとして喜びに溢れているところです。個々の演奏者の自発性・積極性がそのまま音楽に反映されているように感じられます。これがこの演奏の素晴らしいところですね。リピートの省略が多いのが少し残念なところです。

録音ですが,弦楽合奏の録音としては標準的ですが,個々の奏者の集合体としてサウンドが構築されているというのがわかるような,小編成の良さを活かす録り方は好感が持てます。残響は控え目に抑えられているものの,少し楽器音への被りがあってモゴモゴとして精彩がないのが本当に惜しいところです。

演奏時間 約60分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○× Var.03 ○×
Var.04 ○○ Var.05 ○× Var.06 ○○
Var.07 ×× Var.08 ○× Var.09 ○×
Var.10 ○○ Var.11 ×× Var.12 ××
Var.13 ×× Var.14 ○○ Var.15 ○×
Var.16 ○○ Var.17 ×× Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○×
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○×
Var.25 ×× Var.26 ×× Var.27 ××
Var.28 ○× Var.29 ○× Var.30 ○○
Aria da capo ××

このディスクはまだ現役盤として入手が可能のようです。

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲,弦楽五重奏曲(弦楽合奏版)(アンティエ・ヴァイトハース/カメラータ・ベルン)

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ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77
ブラームス:弦楽五重奏曲第2番ト長調作品111(弦楽合奏版)
アンティエ・ヴァイトハース(Voilin),カメラータ・ベルン
2014年12月 ベルン,カジノ(Op.77),チューリッヒ放送スタジオ(Op.111)
4260085533282 (P)2015 Decca Music Group Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

ヴァイトハースはアルカント四重奏団の第1ヴァイオリン奏者で,1962年に設立された弦楽オーケストラのカメラータ・ベルンの音楽監督も務めているとのことです。ヴァイトハースのヴァイオリンはとてもクールな印象があるのですが,抜群の技術のキレで奏でられるきめ細やかなフレージングに力強く情熱的な表現が加わり,協奏曲としてとても魅力的な音楽に仕上がっています。

カップリングの弦楽五重奏曲第2番は,ヴァイトハースとカメラータ・ベルンのコントラバス奏者ケーティ・シュトイリによる弦楽合奏版とのことで,小編成の弦楽オーケストラの緻密なアンサンブルと,小編成とは思えないスケール感が素晴らしい秀演です。ヴァイオリン協奏曲が目的で聴いたこのアルバムですが,これは思わぬ掘り出し物です。

さて録音ですが,残響感はそれほどないものの,マイク位置が遠いのか,全体に響きが被って音色をくすませているのですが,それでも不思議なことに音は綺麗な印象を保っています。しかし,ソロ,オーケストラとも下支えの希薄でどことなく浮ついた音であり,楽器のとらえ方も弱く,ソロはオーケストラと同化して聴き取りづらく,欲求不満が募る音作りです。少なくともソロはもう少しボディ感・実体感のある音で録って欲しいところです。演奏が素晴らしいだけにこの録音はすごく惜しいと思います。

これに対して弦楽五重奏曲の方はオーケストラを豊潤に,濃く捉えていて,やや残響は多めですが,こちらの方がわずかながら良い印象です。弦楽合奏の録音としてまずまずだと思います。

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集(ミヒャエル・ホーフシュテッター指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団)

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メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集
ミヒャエル・ホーフシュテッター指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団
2007年9月,11月, 2008年3月,9月,11月 シュトゥットガルト・ボートナング・リーダークランツハレ
C 763 093 D (P)(C)2009 ORFEO International Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

この弦楽のための交響曲は,メンデルスゾーンが12歳から14歳にかけて作曲した作品で,第1番から第6番は演奏時間がだいたい10分程度の小曲ですが,第7番以降は20分を越え,第11番に至っては40分近くという大作です。中学生くらいの少年が書いた作品ですが,充実した立派な曲集ですね。

少し前にアヒム・フィードラー指揮/ルツェルン祝祭弦楽合奏団の全集を取り上げましたが,これも同時期にメンデルスゾーン生誕200年記念としてリリースされたもののようです。室内管弦楽団の比較的小編成の演奏ながら,小編成とは思えないシンフォニックでスケールの大きな響きを出しています。そして音楽が生き生きと躍動感にあふれているのが素晴らしいです。オーケストラも上手く完成度が高い全集だと思います。

録音ですが,かなり残響が多いのですが,直接音成分の比率がそこそこあるために音の曇りは少なく,弦楽器の魅力を十分に伝えてくれる録音だと思います。もしかしたらイコライジングで少し高域を持ち上げて音色のくすみを緩和しているかもしれません。そんなように聴こえます。私にとってはやはり残響が多すぎます。ただ多くの方には受け入れられる録音かもしれません。

オルフェウス室内管弦楽団の忘れ去られたディスク ~ 弦楽合奏のための英国音楽

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English Music for Strings
オルフェウス室内管弦楽団
New York, State University of New York at Purchase, Performing Arts Center, 12/1985 & 12/1987
445 561-2 (P)1986, 1988 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★

オルフェウス室内管弦楽団のディスクをさらにもう一つ。弦楽合奏のための英国の作曲家の曲を収録しています。

エルガー:序奏とアレグロ作品47(弦楽四重奏と弦楽合奏のための)
エルガー:弦楽セレナーデ作品20
エルガー:弦楽のためのエレジー作品58
ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴスによる幻想曲
ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲
ブリテン:シンプル・シンフォニー作品4

この中ではエルガーの序奏とアレグロのアグレッシブな演奏が圧巻,オルフェウス室内管弦楽団の機動力,アンサンブル能力の高さを如実に示す好演奏。弦楽セレナーデも美しい。シンプル・シンフォニーは第1楽章のゆっくりしたテンポ取りに不満が残る以外は期待通り。

録音ですが,やや残響が多めに取り入れられていて音色に影響し,また量感たっぷりに捉えられていますがややくどく暑苦しく感じます。同楽団の良好な録音と比較するとやや落ちる印象です。ただ,弦楽器の魅力は十分に感じられるので,弦楽合奏の録音としては普通からやや良い方だとは思います。もう少しすっきりと透明感のある音で残して欲しかったですね。

さてこのディスクですが,オリジナルではブリテンは別のカップリング(プロコフィエフ:古典交響曲,ビゼー:交響曲ハ長調)だったようです。どちらも今では入手性が悪く,また,Apple Musicでも公開されていません。メンデルスゾーンの弦楽のための交響曲集と同様,忘れられてしまったディスクです。もったいないことです。

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集(アヒム・フィードラー指揮/ルツェルン祝祭弦楽合奏団)

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メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集
アヒム・フィードラー指揮/ルツェルン祝祭弦楽合奏団
January 26-29 & March 20, 2009, Stalden, CH
OC 740 (P)(C)2009 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

オルフェウス室内管弦楽団のメンデルスゾーンを聴いてもっとこの曲を聴きたくなり,だいぶ前に買って棚の奥底に眠っていたのを引っ張り出してきました。

ルツェルン祝祭弦楽合奏団は1956年にヴォルフガング・シュナイダーハンとルドルフ・バウムガルトナーによって創設されたスイスの団体とのことで,1998年までバウムガルトナーが音楽監督を務め,その後,本盤の指揮をしているアヒム・フィードラーが後を継いだということです。この弦楽のための交響曲は,メンデルスゾーンが12歳から14歳にかけて作曲した作品で,中学生くらいの年齢でこれだけの作品を残したということが本当にすごいと思います。第1番から第12番まで少しずつ作曲が進化してきているのも感じられて興味深い作品です。

モダン楽器による小編成の弦楽合奏による演奏で,キレの良い整った見通しの良いアンサンブルが素晴らしいと思います。速めのテンポで溌剌としていて実に気持ちの良い演奏です。モダン楽器ですが,ヴィブラートは控えめで透明感のある響きを作り出していて,ピリオド的な奏法も取り入れているようです。

録音ですが,録音会場の響きの影響が強く出て音色はかなり癖があります。ただ音色の曇りは少なく,また,弦楽器の質感はよく感じられるため,癖が強い割には弦楽器の魅力を上手く捉えられていると思います。中低域の締まりがある,キレの良いサウンドもこの録音を救っています。ただやっぱりもっとすっきりと綺麗な音色で録って欲しかったなと思いますね。惜しい録音です。

なお本ディスクはやや入手しづらい状況のようですが,Apple Musicで聴くことができます。有り難いことです。

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第8番,第9番,第10番(オルフェウス室内管弦楽団)

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メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第8番,第9番,第10番
オルフェウス室内管弦楽団
Performing Arts Center, State University of New York at Purchase, 12/1991
437 528-2 (P)1993 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
オルフェウス室内管弦楽団のディスクをもう一つ。メンデルスゾーン12歳から14歳の間に作曲されたという作品。全部で13曲あり,その中の3曲を収録しています。中学生くらいの年齢でこれだけ優れた作品を作曲したというのが信じられないですね。

これらの曲をオルフェウス室内管弦楽団はキレよく,小気味よく演奏しています。この曲はオルフェウス室内管弦楽団くらいの編成のシャキッとした,そしてノリの良いアンサンブルで聴くのが最高ですね。全曲録音されなかったのが本当に残念です。

録音ですが,シャハムやガロワのヴィヴァルディ協奏曲集と同様,弦楽器の魅力ある美しい音色を綺麗に質感良く捉えています。高域の伸びもあり,中低域も引き締まっています。各楽器の分離も良く見通しも良好です。実に気持ちの良いサウンド! 同楽団の良好な録音の一つと言えると思います。

しかしこの素晴らしい曲集は復刻もされず,Apple Musicにもアップロードされず,入手しづらい状態になっているのは残念です。(タワーレコードさん,出番ですよ(^^;)

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(弦楽合奏版/D. シトコヴェツキー編)(ブリテン・シンフォニア)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲(弦楽合奏版)
ブリテン・シンフォニア Britten Sinfonia
April 2014 at All Hallows' Church, Gospel Ork, London
HMU 807633 (P)(C)2015 harmonia mundi usa (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
ドミトリー・シトコヴェツキー編曲の弦楽合奏版による演奏。弦楽合奏版ですが,ソロと合奏が効果的に組み合わされています。弦楽三重奏版に比べるとさらに原曲のイメージからは離れていくかもしれませんが,編曲版という枠を超えて独立した別物の作品と言えるくらい良くできた編曲だと思います。ディスクの数がまだまだ少ないのが残念です。

それでこの演奏なのですが,飛ばし弓を多用しているためか,音離れ?が良く大変小気味の良い躍動的な音楽に仕上がっています。アンサンブル蒙昧ですし,ソロを担当する奏者の技量もなかなかのもので,この弦楽によるゴルトベルク変奏曲の世界を存分に楽しむことが出来ました。一点だけ,第20変奏は原曲に近い編曲に戻して欲しかったかな...

録音ですが,やや残響が多めで楽器音へのまとわりつきが気になりますが,楽器音自体は結構しっかりと捉えられていますので,残響量の割には印象は悪くありません。楽器の質感もそれなりにあって,弦楽器の魅力をうまく引き出していると思います。ソロも少しフォーカスしていますので聴きやすいです。残響をもう少し抑え気味にしてくれていたら文句なしだったのですが。惜しいです。まあ,残響の質も悪くなく,これなら優秀録音だと思う方もいらっしゃるかもしれません。

最後にリピート有無です。

Aria ○×
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○× Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○× Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○×

演奏時間 約1時間13分

ここまでリピートをしていてくれるのでまず不満はないのですが,ここまでしておいてなんで最初のアリアの後半のリピートを省略するの?と,これだけがほんと惜しいです。

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,他(スコティッシュ・アンサンブル)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第2番(弦楽合奏版)
スコティッシュ・アンサンブル
Caird Hall, Dundee, Scotland, UK, 1-3 December 2013
CKD 472 (P)(C)2015 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ジョナサン・モートンが芸術監督およびリーダーを務めるスコティッシュ・アンサンブルの演奏。ショスタコーヴィチはモートン自身の編曲。チャイコフスキーは流麗で速めのテンポで全く淀みなく流れていくモダンで美しく洗練された演奏です。アンサンブルも完璧,非の打ち所がありません。ここまで整った完璧な演奏もそうそうないです。一方で,見得を切るようなところも勿体ぶった表現も全くないので,素晴らしい演奏だと思いつつも,ちょっと印象が薄いかな,とも思います。

録音ですが,残響はやや多めですが,各パートの音は比較的明瞭に分離良く聴こえてきます。しかし,やや金属的でキンキンした響きが被り,下支えの弱い浮ついた,現実味の薄い音色になっているのはやはりこの残響の弊害だと思います。きめの細かい絹のような質感はLinn Recordsらしいと言えるかもしれませんが,楽器自体の質感は希薄です。優秀録音かもしれませんが,好録音とは少し違います。

演奏の印象を薄めているのはこの録音のせいかもしれません。私としてはだいぶ残念。

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,他(LSO弦楽アンサンブル)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
バルトーク:ディベルティメント Sz.113
ロマン・シモヴィチ(リーダー)/LSO弦楽アンサンブル
2013年10月27日 ロンドン,バービカン・ホール
LSO0752 (P)(C)2014 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
主にチャイコフスキーについてのコメントです。大きな編成の弦楽器の豊潤な魅力ある音色が堪能できる充実感のある演奏で,ダイナミックで表情豊かであり,同曲が持つ普遍的な魅力が伝わってくる好演奏です。どちらかといえばオーソドックスで,アンサンブル力を含め突出したところはなく,無難にまとめているという感じはありますが。どういうスタンスでこの演奏に接するかで評価は分かれるかなと思いますが,私は好きな方ですね。

録音ですが,弦楽器の艶やかな音色をLSO Liveらしく残響を抑え気味にドライに捉えた好録音です。全体としてまとまりすぎず,溶け合いすぎず,個々の奏者のそれぞれの音色が感じられそうな微妙な質感が弦楽オーケストラの録音として良いと思います。トップ奏者のブレスがやや(かなり?)大きめに入っているのはご愛敬ということで。

チャイコフスキー:フィレンツェの思い出,弦楽セレナーデ,ニールセン:小組曲(トロンハイム・ソロイスツ)

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チャイコフスキー:フィレンツェの思い出作品70(弦楽合奏版)
チャイコフスキー:弦楽セレナーデハ長調作品48
ニールセン:小組曲作品1(弦楽オーケストラのための)
トロンハイム・ソロイスツ TRONDHEIMSOLISTENE
Selbu Church, Norway, May and October 2011
2L-090-CD-J (C)2013 Lindberg Lyd AS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

初めて入手した北欧の高音質レーベル2Lのディスク。これは通常のCDですが,Blu-ray Audio,LPでも発売され,e-onkyoでハイレゾ音源の配信もされています。「高音質」の評判通り,非常に解像感の高いサウンドは圧巻です。高域よりの帯域バランスで,やや金属的な固い音色でキンキンとやかましく感じることもありますが許容範囲です。録音会場の響きを少し多めに取り入れているためか,中域にクセがあります。低域は薄めですが,良く締まっています。また,意外に生々しいという感じでもないのはやはりこの響きのためでしょうか。とはいえ,弦楽オーケストラは弦楽器の集合体だという当たり前の事実がよくわかる録音で,良いと思います。

楽器の配置は基本的には二重の円状に並んで中央にマイクを設置しているようですが,楽器の並びは曲ごとに異なり,弦楽セレナーデでは不規則にバラバラに並んでいるようですが,特にどの曲でも違和感はありませんでした。

演奏自体はノーマルで,特に何か小細工や工夫を凝らした表現をしようという意図があまり感じられず,これはこれで良いのですが,もう少し何か光るものがあれば良かったのになぁ,と思います。水準は高いので,不満というほどのものではありません。

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(弦楽合奏版)(テリエ・トンネセン指揮/カメラータ・ノルディカ)

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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(弦楽合奏版)
テリエ・トンネセン指揮/カメラータ・ノルディカ
2001年~2005年 スウェーデン,ヴィシェルム教会,アルグツルム教会(Op.127)
ALT1024(3) (P)(C)2006 Altara Music (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon (※リマスター再発盤)
指揮者自身の編曲によるコンチェルト・グロッソ・タイプの編曲ということで,弦楽合奏とソロが混じった編曲になっています。第13番の終楽章は大フーガで,Op.130の終楽章は省略されています。

後期の全曲を弦楽合奏で聴けるのがうれしいのですが,一方で,これらの曲を弦楽合奏で本当に出来るの?と,その仕上がりがイメージ出来なかったのですが,聴いてみて,想像をはるかに超える出来映え,アグレッシヴな快演に驚きました。攻める演奏なのにアンサンブルもほとんど乱れませんし,ソロの入れ方も絶妙で聴き応えがありました。これもややキワモノ的で好みがあるでしょうからなかなか人に薦めづらいところですが,ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲が好きなら一度は聴いてみても良いのではないかと思いました。

録音ですが,やや残響過多で弦楽器の音色に精彩がないのが気に入りませんが,とはいえ,それなりに音の厚みと弦楽合奏としての質感は良く,何とかぎりぎり鑑賞には堪えるかなと思います。出来は少しばらつきがあり,Op.130, 133が比較的音に透明感があって良く,Op.135は残響が多すぎてあまり良くありません。

しばらく廃盤のようでしたが,もうすぐBISからリマスター盤として再発売されるようです。リマスター盤,聴いてみたいけど買い直すほどでもないかな...でも気になるなぁ...でも残響が多くて好録音の少ないBISだしなぁ...

弦楽オーケストラ名曲集(宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S)

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パッヘルベル:カノン ニ長調
バッハ:G線上のアリア
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
ジャゾット:アルビノーニのアダージョ ト短調
グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」作品40
グリーグ:過ぎし春(2つの悲しい旋律作品34より)
宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S
2013年3月4日-6日 稲城私立iプラザホール(セッション)
KICC 1097 (P)2013 King Record Co., Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records

元オーボエ奏者の宮本文昭氏とオーケストラMAP'S(コンサートマスターは矢部達哉氏)による第3弾(第1弾はモーツァルト第2弾はチャイコフスキー,ブリテン,レスピーギ)。編成は6-5-4-3-2。「弦楽オーケストラ名曲集」ということで,パッヘルベルのカノンやG線上のアリア,アルビノーニのアダージョなど,ややライトな曲が中心です。グリーグの2つの悲しい旋律からは2曲目しか取り上げていないという中途半端なことをやってくれているのが残念ですが。

演奏は第1弾,第2弾と同じで,弦楽オーケストラの魅力に溢れています。特にホルベルク組曲は溌剌として勢いがあり,また緩徐楽章での熱のこもった歌も聴き応えがあります。小編成と思えない分厚い響きもすごいですね。今回も楽しませてもらいました。

弦楽オーケストラ曲はまだまだ良い曲がたくさんありますから,この調子で録音を続けて欲しいと思います。次回作にも期待! (私としてはドヴォルザーク,エルガー,ホルスト,ウォーロックあたりを期待してます)

録音ですが,前2作と会場は異なるものの,ほぼ録音の質は変わりません。弦楽器の魅力は十分に感じ取れますが,もう少し透明感と各楽器の分離感が欲しいところです。演出色がやや強いのも私としては不満に思います。

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,フィレンツェの思い出(ピエール・アモイヤル弾き振り/カメラータ・デ・ローザンヌ)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
チャイコフスキー:フィレンツェの思い出 作品70
ピエール・アモイヤル指揮/カメラータ・デ・ローザンヌ
Salle de Musique, La Chaux de Fonds, Switzerland, 9-12 May 2012
2564 65218-2 (P)(C)2013 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records

カメラータ・デ・ローザンヌは,ピエール・アモイヤルがローザンヌ音楽院の協力のもと結成したアンサンブルで,編成は 3-3-3-3-1 という小編成。小編成の小気味よさ,透明感と,弦楽器の重厚なサウンドが共存しているのは,編成上低弦側が充実しているからかもしれません。この人数からは想像できない音が出てきて驚きます。弦楽セレナーデは,ここは盛り上がるところだろうというところでさらっと流れていったりするので,あれっ?と思うところが何カ所かありますが,まあこれはこれで楽しめます。どちらかといえばフィレンツェの思い出の方が充実度が高く聴き応えがあるように思いました。編成のバランスが曲に合っているのかもしれません。

録音ですが,弦楽器の質感を良く捉えているものの,やや濃すぎる感じがあるのと,中域に響きの癖があってややうるさい感じがします。録音もフィレンツェの思い出の方が癖が少なく聴きやすいです。私としてはもっと小編成の透明感と小気味よさを活かした軽く見通しが良く分離の良い録音にして欲しかったと思います。少し重厚に捉えすぎていると思います。

ということで,フィレンツェの思い出が思いのほか良かったのが収穫でした。

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,ブリテン:シンプル・シンフォニー,レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲(宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
ブリテン:シンプル・シンフォニー 作品4
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲
宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S
2012年4月1-2日 東京津田ホール(セッション)
KICC 1045 (P)2012 King Record Co., Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
元オーボエ奏者の宮本文昭氏とオーケストラMAP'S(コンサートマスターは矢部達哉氏)による第2弾(第1弾はモーツァルト)。編成は6-5-4-3-2。アプローチは極めてオーソドックス,精巧かつ力強い演奏ですが,個性を主張するようなところは全くなく,曲そのものの魅力を最大限,素直に引き出そうというところに好感を持ちます。オーケストラも本当に上手いです。小編成とは思えない分厚い響きを出しながら,全く乱れずビシッと決めてきます。チャイコフスキーが最も良く,ブリテンはちょっと真面目すぎ(もっと前に前に転がっていくような感じを出して欲しい),レスピーギはもう少し軽く洒落た感じだと良かったのですが。

録音ですが,弦楽器の分厚い響きをしっかりと捉えていますが,やや混沌として質感が損なわれています。もう少し残響を抑え,見通し良く分離良く捉えて欲しいところです。惜しいと思います。

とまあ少し文句は書きましたが,全体的にはすごく良く仕上がっていると思います。今後のレコーディングにも期待したいですね。

モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク,ディベルティメントK.136-138(宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S)

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モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
モーツァルト:ディベルティメントK.136-138
宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S
録音:2012年1月19-20日 トッパンホール
KICC 995 (P)2012 King Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
元オーボエ奏者の宮本文昭氏が組織した弦楽アンサンブル(コンサートマスターは矢部達哉氏)を指揮しての演奏。ピリオド・アプローチが普通になった今日においては逆に珍しくなってしまったモダン楽器によるモダン流儀の演奏で,驚くほどオーソドックスと言えるのではないでしょうか。刺激的ではありませんが,隅々にまで神経が行き届き,細やかに表情付けされていて素晴らしい音楽に仕上がっていると思います。

さて録音なのですが,第一印象は良くありませんでした。残響が多く明らかにホールのキャラクターが前に出すぎていたからです。リアルといえばリアルなのかもしれませんが,ホールトーンが優勢すぎて弦楽器の本来の美しさ,質感がかなり損なわれていると思います。しかし,何度も聴いているうちに,こんな録音もアリかなと思うようになってきました。弦楽アンサンブルの響きの魅力は意外にもそれほど失われていないのです。ウェットで豊潤な残響を好む方には優秀録音と言えるかもしれません。もちろん私としてはこういう録音を積極的に肯定するつもりはありませんし,もっと弦楽器の生々しい質感を大切にして欲しいと思っています。

また,いわゆるピラミッド型と言えそうな中低域の充実した録音で,また録音レベルも高く,オーディオ的な面でもなかなか興味深い楽しめる録音です。

チャイコフスキー:交響曲第六番「悲愴」,弦楽セレナーデ(若杉弘/ケルン放送交響楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第六番 ロ短調 「悲愴」 作品74
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
若杉弘指揮(Hiroshi Wakasugi)(Conductor)
ケルン放送交響楽団(Kölner Rundfunk-Sinfonie-Orchester)
1979年10月13日(悲愴),1980年11月28日(弦楽セレナーデ) ライヴ録音
ALT188 (P)WDR 1979/80 (C)2010 Tomei Electronics “Altus Music” (国内盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

若杉弘さんのディスクを聴くのは恐らく初めてです。その風貌から何となく真面目で手堅そうとイメージでしたが,聴いた感じもやっぱりそうでした。必要以上に大げさに表現することなく正統的にまとめてきているという感じです。「悲愴」としてはちょっと淡泊ですっきりしすぎているようにも思いますが,悪い印象ではありません。

弦楽セレナーデも同様の演奏ですが,大編成を活かした豊潤な響きが素晴らしく,また弾き方や縦の線も良く揃っていて気持ちがよいです。ただし,音程にはちょっと幅があり,良くも悪くも大編成なんだなと感じます。

録音ですが,良く言えばとても自然で作為的なところがない,悪く言えば音に全く魅力がない。まるで吊りマイクだけで録ったんじゃないかというような感じです(あくまでも印象ですが)。中域の充実感はあるのですが,帯域が狭く全く冴えません。空間性もあまり感じられず,音場も狭いです。録音時はディスクとして発売することを想定していなかったのではないでしょうか。

ということで,若杉弘さんのファン向けのアイテムと言えそうです。録音があまり良くないのでファン以外の方にはあまりお勧めしません。

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,他(ボニ/コンセルトヘボウ室内管弦楽団)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
チャイコフスキー:フィレンツェの思い出 ニ短調 作品70
マルコ・ボニ指揮(Marco Boni)(Conductor)
コンセルトヘボウ室内管弦楽団(Concertgebouw Chamber Orchestra)
April 2002, Waalse Kerk, Amsterdam, The Netherlands
PTC 5186 009 (P)(C)2002 Penta Tone Music b.v. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

解説書にメンバーリストが載っています。6-6-4-4-1 という編成です。アンサンブル,音のまとまりがとても良く室内オーケストラの利点が活かされていると同時に,この編成にしては音がとても豊潤で規模の小ささを感じさせません。引き締まった演奏ですが,どちらかといえば美しさ,しなやかさに重点が置かれているように思います。突出したところや特徴のある表現はなくノーマルな印象を受けますが,水準の高い好演奏だと思います。

録音ですが,やや響きが多めに取り入れられていますが,残響量の割には楽器音への影響は少なく,音色の曇りもそれほど気になりません。私の好みの録音とは少し異なりますが印象は悪くありませんし,客観的に見てもまずまずの好録音ではないかと思います。

チャイコフスキー,ドヴォルザーク:弦楽セレナーデ(レッパード/イギリス室内管弦楽団)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
ドヴォルザーク:弦楽セレナーデ ホ長調 作品22
レイモンド・レッパード指揮(Raymond Leppard)(Conductor)
イギリス室内管弦楽団(English Chamber Orchestra)
London, 12/1975
420 883-2 (P)1976 Philips Classics Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: amazon.com

バッハのブランデンブルク協奏曲が良かったレッパード/イギリス室内管弦楽団のチャイコフスキー弦楽セレナーデを持っていることを思い出し,引っ張り出して聴いてみました。誠実で引き締まった表現が好印象なのですが,一方,躍動感を出しながらも情緒は抑え気味,緩徐楽章も速めのテンポで淡泊であり,このあたりで好みが分かれるかもしれません。

録音ですが,音の捉え方はまずまずで弦楽器の質感を良く伝えてくれるものの,高域のヌケがわずかに悪くいため音色に生彩が失われ,今ひとつすっきりしないのが残念なところです。

このCDですが,hmv.co.jpでは見つけることが出来ませんでした。amazon.comにはありました。