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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(弦楽四重奏編曲版)(アルデオ四重奏団)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(弦楽四重奏編曲版)
アルデオ四重奏団 Quatuor Ardeo
2017年8月27-30日 スペイン,モナチル,アグスティノス教会
IBS112018 (P)(C)2018 IBS Classical (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

アルデオ四重奏団は2001年にパリ国立高等音楽院で結成された四重奏団で,梁 美沙(Vn),原 裕子(Va)の二名の日本人(?)演奏家が参加しているとのことです。弦楽四重奏への編曲は作曲家のフランソワ・メイムン。

シトコヴェツキーの弦楽三重奏版は原曲の声部構成をそのまま弦楽三重奏に移したようなミニマムな印象を受ける編曲であったのに対し,これは原曲のイメージを損なわない範囲で,ヴァイオリンの掛け合いがあったり,ピチカートを駆使したりと,結構自由に編曲されています。

演奏は,少し勢いに頼ったきらいがあり,もう少しニュアンスの豊かさがあればとは思うものの,意欲的であり速めのテンポで淀みなくスリリングに進行していくところが良いと思います。技術的にもキレがありアンサンブルも問題ありません。

録音ですが,やや部屋の響きが強く,そのキャラクターが強く出過ぎて音色がかなり犠牲になっています。この録音では響きはマイナス要因にしかなっていません。響きを抑えてすっきりと,直接音主体に楽器の質感を活かして録ってほしいものです。

なお今回はApple Musicで試聴しました。ディスクの発売は10月下旬のようです。

ドビュッシー,ラヴェル:弦楽四重奏曲(ヴァン・カイック四重奏団)

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ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調作品10
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
ショーソン:歌曲「終わりなき歌」作品37
ヴァン・カイック四重奏団 Quatuor Van Kuijk
2016年12月19-22日 Conservatoire Darius Milhaud, Aix-en-Provence, France
ALPHA 295 (P)2016 (C)2017 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

ヴァン・カイック四重奏団は以前にモーツァルトの弦楽四重奏曲集を取り上げていました。演奏も録音も良かったので,これも聴いてみました。物語を語るように表情豊かに,生き生きと息づいていて良かったです。技術力もありアンサンブルも優秀です。

録音ですが,やや残響が多めで,直接音が主体ながら残響の影響を受けて少し音色がくすみがちであり,モーツァルトの録音に比べると少し鮮度が落ちる印象です。また少し演出臭く現実感が薄いようにも思います。モーツァルトと同じように録ってくれなかったのは残念です。とはいえ,まあ録音の水準としては悪くありません。期待が大きかったので少し辛口になってしまいました。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番,第8番(ウェールズ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番,第8番
ウェールズ弦楽四重奏団 Verus String Quartet
February 1, 5, 6 & May 1, 2018 Cultural Centre of Fujimi City / KIRARI☆FUJIMI
FOCD9787 (P)(C)2018 FONTEC Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の第二弾(第一弾は第2番,第12番)。第一弾も良かったですが,これも良かった! 現代建築のようなスマートさがあり,透明感のある和音の響きも素晴らしい。若い世代の新しい演奏だなと思いました。技術的にも申し分ありません。

録音ですが,ホールでの録音のようですが,残響感はそれほどなく直接音主体に録られた素直な録音が好印象です。明瞭感,各楽器の分離感,質感も良好ですし,音色にも癖がありません。特徴のある録音ではありませんが,欠点がほぼ見当たらない好録音です。

演奏も録音も良く,第三弾が本当に楽しみです。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」,レオノーレ序曲第3番,フィデリオ序曲(弦楽四重奏版)(ライプツィヒ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調作品106「ハンマークラヴィーア」(弦楽四重奏版)
ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番作品72b(弦楽四重奏版)
ベートーヴェン:フィデリオ序曲作品72c(弦楽四重奏版)
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
06-08.11.2017 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 307 2072-2 (P)(C)2018 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ライプツィヒ弦楽四重奏団は堅実な演奏を聴かせてくれるので,新譜を見つけると買ってしまいます。これは編曲ものということで少し悩みましたが。私はピアノ・ソナタは滅多に聴かないので曲をあまりわかっていないのですが,こうして弦楽四重奏で聴いてみると,楽器の違いによる作曲技法や語法(?)の違いも当然あるとは思いますが,それ以上に弦楽四重奏で目指した世界とピアノ・ソナタで目指した世界はだいぶ違うんじゃないかというのが漠然とした感想で,それはピアノ・ソナタのオリジナルを聴いたときにはあまり意識しなかった感覚でした。2曲の序曲も同様です。いつもと違う側面が感じられたという点で面白かったです。

録音ですが,残響が少し多めに取り入れられているものの,楽器音への被りは少なく直接音が主のため明瞭感は良好で,楽器の質感も良く感じられます。好録音です。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集Vol. 1(カザルス四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集Vol. 1
第1番,第3番,第4番,第7番,第12番,第16番,作品14-1
カザルス四重奏団 Cuarteto Casals
2015, 2016, 2017, Teldex Studio Berlin
HMM 902400.02 (P)2018 harmonia mundi musique (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

2020年のベートーヴェン生誕250年に向けて開始された全集録音の第一弾。「インヴェンションズ」というアルバムタイトルが付けられています。作品14-1はピアノソナタ第9番のベートーヴェン自身による編曲です。1997年の結成なので結成から20年,中堅からベテランの域に入ってきた四重奏団ですね。現代的で洗練されたフレッシュな印象を受ける演奏で,技術的にもキレがありアンサンブルも優秀です。

録音ですが,スタジオ録音としては少々残響が多めです。オフマイク気味のためかもしれません。せっかくのスタジオ録音なのでもう少し各楽器に寄って直接音比率を上げて明瞭感と高域の伸び感,透明感を確保して欲しかったところです。音色が濁ったり癖が乗ったりするところまではギリギリいっていないかなと思いますが,これはちょっと惜しいと思いました。オーディオ品質は良いと思います。

今後のリリースも楽しみです。

ドビュッシー,ラヴェル:弦楽四重奏曲(ラサール弦楽四重奏団)

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ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調作品10
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
ラサール弦楽四重奏団 LaSalle Quartet
1971年6月 スイス
PROC-1100 (P)1972 Deutsche Grammophon (国内盤)
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION Vol. 11
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records

TOWER RECORDSで復刻されたラサール弦楽四重奏団の名盤の一つ。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲集でも述べましたが,技術面だけで言えば現代にはもっと巧い四重奏団はあるので,古いモノクロ写真を見ているような感覚を持ってしまうのですが,真摯で学究的とも思えるストイックなアプローチはそれはそれで心を打たれます。何度も聴いているとこの団体が到達した境地に少しずつ近づくようにも感じられました。

そして録音なのですが,残響は控え目に抑えられていてそれぞれの楽器を明瞭に分離よく捉えた好録音です。少し演出感があって実在感が薄いようにも思いますが,その点はまあ問題ありません。1970年代のドイツ・グラモフォンの弦楽四重奏曲録音はこのような録り方をしているものがけっこうあると思います。この録音は結構好きなのですが,最近このような録り方が少ないのが残念に思います。

それにしてもTOWER RECORDSさんはいつも良い仕事をしてくれます。感謝!

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番作品130,大フーガ作品133(エルデーディ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番作品130,大フーガ作品133
エルデーディ弦楽四重奏団 Erdödy Quartet
Coppice Miyoshi, 12-16 February 2017
ALCD-1171 (P)(C)2018 ALM RECORDS (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

後期弦楽四重奏曲集に向けての第1弾。差し替えられた終楽章での演奏のあとに大フーガが収められています。終楽章を大フーガで演奏されるケースもありますが,私はこちらのパターンの方が好きですね。そして演奏ですが,気負いのない明るく自由な雰囲気が好印象です。近寄りがたさを感じることもある後期の作品を少し緩めに親しみやすく聴かせてくれていると思います。

録音ですが,残響感はあるものの控えめで直接音主体なので,明瞭で音に伸びがあり楽器の質感もよく感じられます。少し演出感はあるものの,一方で椅子のきしみや演奏者が動くとき音なども入っていて妙に実在感もあったりします。ちょっと音の捉え方が濃い感じはしますが,まずまずの好録音と言えると思います。

これからのリリースも楽しみです。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品18(クァルテット・エクセルシオ)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲作品18
クァルテット・エクセルシオ Quartet Excelsior
2016年5月24,25日 富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ(No.1-3),2017年4月18,19日 相模湖交流センター(No.4-6)
Live Notes WWCC-7867-9(LN 3900-2) (P)(C)2018 NAMI RECORDS (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Recoreds,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

同弦楽四重奏団の第12番,第16番,ラズモフスキー四重奏曲に続く,ベートーヴェン・シリーズ第3弾。やはりこれも前2作同様の正統的なスタイルを踏襲した充実した演奏で,シリーズとして一貫している点はもちろん良く私も望ましいと思う一方で,この作品18に関していうと少し真正面からぶつかりすぎている気がしてしまいました。曲運びが少し重いのです(そのためかディスク3枚組になっています)。もう少しスピーディーで軽やかな演奏で聴きたかったかなというのが正直なところですが,これはまあ演奏者の目指すところがそちらの方なのでしょうから仕方ありませんね。技術力があり,アンサンブルも優れている点はさすがです。

そして録音ですが,今回は3曲ずつ異なる会場で録音されているので,それぞれで少し傾向が異なるのですが,少しオフ気味でホールのキャラクターを強めに出している点では同様です。そのため,やはり音の濁り,くすみは避けられず,ニュアンスや美しい音色が損なわれているというのは否めません。まあこの程度であれば全く問題ないと思われる方も多いとは思いますが。第3弾まで同じ傾向の録音できているので全集がこれで統一されてしまうのかと思うと私としては少々残念に思います。

モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」(クレンケ四重奏団)

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モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」
クレンケ四重奏団 Klenke Quartet
Hans Rosbaud Studio Baden-Baden, 2004, 2005
PH04032S (P)2004,2005 SWR (C)2006 Profil Medien (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

クレンケ四重奏団は1994年にフランツ・リスト音楽大学出身のメンバーで構成されているとのことです。女性4人ということもあって,どうしても先入観が入ってしまうのですが,オーソドックスでキリッとした演奏ですが,表現が柔らかくふくよかであり,また爽やかでもあります。個性を主張するような演奏でもインパクトの強い演奏でもありませんが,なかなか良い出来だと思いました。

そして録音なのですが,残響を抑えめにして直接音主体で明瞭感が十分にあり,それぞれの楽器のニュアンスも感じられ,音色も自然で伸びもあって,まずまずの好録音でした。スタジオで録音されているようで,その良さが出ていると思いました。

演奏も録音も良い掘り出し物でした。第20番~第23番も録音されているようなので,これらも聴いてみようと思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集作品18よりNo.1-3(アイブラー四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集作品18よりNo.1-3
アイブラー四重奏団 Eybler Quartet
2015年6月29日-7月1日 グレン・グールド・スタジオ(トロント,カナダ)
COR16164 (P)(C)2018 The Sixteen Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

軽やかで小気味よくスピーディーに曲が進行していく清々しい演奏。巧いですしアンサンブルも優秀です。現代的で洒落てます。初期の作品はこういう演奏が良いですね。

録音ですが,少々残響感はあるもののしつこくはなく,直接音もそれなりに感じられることから悪い印象はありません。せっかくのスタジオ録音なのでもっと残響を抑えてキリッと録って欲しいところですが,これならまあ許せます。

想定外に良かったので(失礼!),今後の録音にも期待したいと思います。

ハイドン:弦楽四重奏曲集作品64「第3トスト四重奏曲集」(ドーリック弦楽四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲集作品64「第3トスト四重奏曲集」
ドーリック弦楽四重奏団 Doric String Quartet
2017年5月5-7日,10月23-25日 ポットン・ホール(サフォーク)
CHAN 10971 (P)(C)2018 Chandos Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

エルデーディ四重奏曲が良かったドーリック弦楽四重奏団のハイドン・シリーズのVol.3。語り口の巧さはこの曲集でも最大限発揮されてます。技術的にも申し分なくモダン楽器の表現力を活かして自在に演奏していますね。リピートも行っているようでこの点でも○です。

一方録音なのですが,音質の傾向としてはエルデーディ四重奏曲に近いものの,若干遠めであり,音像に立体感がなく平板に聴こえるため,今ひとつ冴えません。前の録音が地味ながら良かっただけにこの録音は少々残念です。

演奏は良かったので今後の録音にも期待したいです。録音は改善して欲しいところです。

モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」(アウリン四重奏団)

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モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」
アウリン四重奏団 Auryn Quartet
2017年2月-4月 ドイツ,ヴッパタール,インマヌエル教会
TACET 972 (P)(C)2018 TACET (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

アウリン四重奏団のモーツァルトといえば今井信子さんが加わって録音された弦楽五重奏曲全集がありました。彼らの音楽はたいへん気品があり,格調高くそして情緒豊かなのが特長だと思っていますが,このモーツァルトでは心地よい「緩さ」があるのが良いと思いました。

そしてこの演奏,楽譜で逐一確認したわけではありませんが,おそらくすべてのリピートを実行されているのではないかと思います。終わりかと思ったらリピートされておぉ!とちょっとうれしい瞬間が時々やってきます。リピート省略が一般的になっていて省略していないディスクの方が少数なんだろうなということを改めて認識しました。なので,演奏時間はかなり長く1曲あたり32分~40分弱あります。これを冗長と思われる方もいると思います。そのような方にはこのディスクはあまりお勧めしません。

さて録音なのですが,少し残響が多めであり,音色がくすみ,明瞭感がやや落ちています。このあたりやっぱりTACETだなと思います。あまり私の好みの録音ではありません。ちょっと残念です。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集よりVol.1~4(エリアス弦楽四重奏団)

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Vol. 1
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番,第10番「ハープ」,第13番(大フーガ付き)
エリアス弦楽四重奏団 Elias String Quartet
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 20 February 2014
WHLive0073/2 (P)(C)2015 The Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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Vol. 2
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番,第15番
ベートーヴェン:弦楽五重奏曲作品29
エリアス弦楽四重奏団 Elias String Quartet
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 19 May 2014
WHLive0085/2 (P)(C)2016 The Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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Vol. 3
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番,第11番「セリオーソ」,第13番
エリアス弦楽四重奏団 Elias String Quartet
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 9 Oct 2014
WHLive0086/2 (P)(C)2016 The Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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Vol. 4
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第7番「ラズモフスキー第1番」,第12番
エリアス弦楽四重奏団 Elias String Quartet
Recorded live at Wigmore Hall, London, on 1 Nov 2014
WHLive0089/2 (P)(C)2017 The Wigmore Hall Trust (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Vol. 1はほぼ3年前に一度レビューしていました(→こちら)。2014年頃に行われたライヴ録音を順次リリースしており,現在10曲で,全集まであと6曲となりました。第13番は終楽章を大フーガのものと出版通りのものの両方を別々に録音されています。録音のペースからするとすでに全部録音し終わっていると思います。さっさと全部リリースして欲しいものです(^^)。

ここまで聴いて,感想はVol. 1のときと全く変わりません。特に解釈に特徴があるということはないのですが,とにかくやることなすこと大げさです。必殺技を決めるがごとくえいっとばかりに弾くところもあれば,臭ってきそうなくらいコテコテに表現するところもあり,私はこれを「大阪のオバチャン風演奏」だなぁと思って終始ニヤニヤしながら楽しく聴いています(※個人の感想です(^^;)。クールな演奏が多い中,こういうベートーヴェンは録音ではなかなか聴けないだけに,これは面白いということでなかなか良いのではないかと思いました。全集のまでのリリースがまた楽しみです。

録音ですが,多少のばらつきはあるものの,ほぼ揃っています。ライヴ録音でホールの響きがすこし多めに入ってるのでライヴの雰囲気は出ていますが,音色は少々影響を受けています。またマイクが少し遠めに感じられてもう少し寄ってくれたら良いのにとは思いますが,それなりに高域も伸びていて曇ることもなく,また楽器の質感も感じられるので悪くはありません。好録音というには物足りませんが,まあ許容範囲に入る録音です。

ジュリアード弦楽四重奏団 エピック録音全集(1956-1966年)

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ジュリアード弦楽四重奏団 エピック録音全集(1956-1966年)
ジュリアード弦楽四重奏団 Juilliard String Quartet
88985470132 (P)(C)2018 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

このボックスセットは大当たりでした! モーツァルトのハイドンセットはすでに持っていて演奏・録音ともに良かったので期待が大きかったのですが,その期待を裏切られませんでした。

演奏はいずれも勢いがあり躍動感に溢れていてワクワクが止まりません。小細工のないあまりにもストレートすぎる演奏が心にダイレクトに突き刺さります。ハイドンなどのっけから「おぉぉぉーっ,キターーーッ」てな感じです(^^;。普段から音楽には元気をもらっていますが,それを実感できる素晴らしい演奏でした。

そして録音がまた良いのです。すべてスタジオ録音です。スタジオの響きが若干ありますが,直接音が主であり,極めて明瞭で自然な音色であり,タイトに引き締まっていて申し分ありません。音像,音場感は自然さはあまりありませんが大きな問題ではありません。またクオリティは時代相応で古くささがあるのは確かで現代の録音にはかないませんが,これも鑑賞上問題のないレベルです。音楽の楽しさを余すところなくストレートに伝えてくれるスタジオ録音の素晴らしさを教えてくれる好例です。現代の録音はクオリティは高くてもちっとも面白くないものが多いのはなぜなんだろうと思いますね。こんな良い手本が50年以上も前から存在するのに。

ということでこのような好演奏がこれ以上望めないくらい良い録音で残されたことに感謝したいと思います。これらはApple Musicでも聴けますので,ご興味をもたれましたら是非聴いてみていただきたいと思います。

※ジュリアード弦楽四重奏団といえば,リヴィング・ステレオの素晴らしい録音もありましたね(→こちら)。

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The Juilliard String Quartet with Leon Fleisher, March 1963


[収録曲]
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[CD 1]
ベンジャミン・リース:弦楽四重奏曲第1番
ウィリアム・デニー:弦楽四重奏曲第2番
1956年4月,5月 ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
参考: Apple Music
※モノラル録音(本ディスクの音質ややや落ちます)

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[CD 2-4]
モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番~第19番「ハイドンセット」
1962年5月 ニューヨーク,コロンビア30丁目スタジオ
参考: Apple Music

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[CD 5]
シューベルト:弦楽四重奏曲第15番ト長調D887
1962年12月 ニューヨーク,コロンビア30丁目スタジオ
参考: Apple Music

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[CD 6]
ブラームス:ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34
レオン・フライシャー Leon Fleisher (Piano)
1963年3月 ニューヨーク,コロンビア30丁目スタジオ
参考: Apple Music

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[CD 7]
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第2番イ短調作品13
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第3番ニ長調作品44-1
1963年12月 ニューヨーク,コロンビア30丁目スタジオ
参考: Apple Music

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[CD 8-9]
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集作品59「ラズモフスキー四重奏曲」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74「ハープ」
録音:1964年5月,1965年10月 ニューヨーク,コロンビア30丁目スタジオ
参考: Apple Music

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[CD 10]
シューベルト:弦楽四重奏曲第13番イ短調D804「ロザムンデ」
シューベルト:弦楽四重奏曲第9番ト短調D173
1965年10月 ニューヨーク,コロンビア30丁目スタジオ
参考: Apple Music

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[CD 11]
ハイドン:弦楽四重奏曲集作品54
1966年4月 ニューヨーク,コロンビア30丁目スタジオ
参考: Apple Music

BIRD'S EYE VIEW (タートル・アイランド・カルテット)

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BIRD'S EYE VIEW
タートル・アイランド・カルテット Turtle Island Quartet
(P)2018 Azica Records
参考: Amazon.co.jp,Apple Music

ジャズの弦楽四重奏団,タートル・アイランド・カルテットの2月の新譜。同カルテットのオリジナル・メンバーであったチェロのマーク・サマーが抜け,オリジナル・メンバーはデヴィッド・バラクリシュナンだけになってしまったことに加え,楽曲がジャズに偏っているため最近だいぶ興味が薄れてしまっているのですが,やはりこれは聴いておかなければと思い,これもまずはApple Musicで試聴しました。

ジャズは守備範囲外で全く詳しくなく,これがどういう類に音楽と言えばよいのかよくわからないのですが,コンテンポラリージャズとでも言うのでしょうか?(違ったらごめんなさい),ジャズ8割,現代音楽2割という感じでちょっと苦手でした。ラストの1曲だけはブルーグラスの趣が残っていて,これだけは良いなと思いましたが。古くからのファンとしてはこういう曲を集めたアルバムも作って欲しいと思う次第です。

ハイドン:弦楽四重奏曲集作品33「ロシア四重奏曲集」(アイブラー四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲集作品33
アイブラー四重奏団 Eybler Quartet
2012年1月,トロント
AN29842 (P)2012 Analekta (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。

まるで模範演奏のように教科書的に見事に整っています。個性的な表現はほぼないのですが,「標準」を結構いい線で極めているかなという感じがします。ちょっとおっとりしていて独特の雰囲気はあります。私はこういうのも好きですね。

録音ですが,響きが被って少し音色を濁してはいるものの,それでも直接音が多く明瞭感もあり,高域の伸びも感じられてまずまず良好と言えます。これなら弦楽四重奏の録音として十分許容範囲です。少々オマケですが四つ星半です。

ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」,チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番,ボロディン:弦楽四重奏曲第2番(エッシャー弦楽四重奏団)

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ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96「アメリカ」
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番ニ長調作品11
ボロディン:弦楽四重奏曲第2番ニ長調
エッシャー弦楽四重奏団 Escher String Quartet
2017年3月 ドイツ,ノイマルクト,ライツターデル
BIS-2280 SACD (P)(C)2017 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

チャイコフスキーとボロディンは,私の好きなボロディン四重奏団の演奏に近い印象ですが,さらに若々しく溌剌として勢いがあり音楽が躍動しています。技術的にも大変優れていて隅々までコントロールが行き届き音楽に多彩なニュアンスを与えています。これはなかなか良いと思いました。

そして録音もBISにしては良好です(^^;。残響感はあるものの直接音を主体に濃厚に捉えています。明瞭感も良好ですし個々の楽器の質感も良く感じられます。少々捉え方が濃すぎる感があり残響ももう少し控え目にすっきり録った方が良いとは思いますが,これでもまずまず良いと思います。

このディスク,収録時間が約82分で名曲が3曲収められているというのもうれしいですね。

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(モザイク四重奏団)

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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
モザイク四重奏団 Quatuor Mosaïques
2014年~2016年
V5445 (P)2016 Naïve (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

モザイク四重奏団のベートーヴェンとあらば聴かないわけにはいきません。注文しているのですが,注文先で発売延期になってしまい,待ちきれずにApple Musicで試聴しました。(なおAmazon.co.jpではすでに在庫があります)

モザイク四重奏団は10年ほど前に初期弦楽四重奏曲を分売で発売していましたが,それから長い期間が空いたのでもうベートーヴェンは録音しないのかと思っていたところでこのリリースは大変うれしいです。ピリオド楽器での演奏ですが,あまりそれが意識されませんし,そして彼らが弾く後期弦楽四重奏曲集は全く突き詰めたような厳しさがなく良い意味でユルく明るく楽しいのです。彼らならではの清々しい演奏ですね。

そして録音がまた良いのです。残響はあるものの控え目で付帯音が少なくすっきりしており,直接音主体に明瞭で自然でヌケの良い音色が気持ち良いです。残響があってもこういう素直ですっきりした仕上げにしてもらうと音楽に集中出来るんですけどね。何も特別なことはせずともそれぞれの楽器の音色を大切に扱って録音すればこういう素直で良い録音になると思うのです。

これは発売が楽しみです。

なお,HMV Onlineなどの解説では,第13番作品130と大フーガ作品133について,大フーガを終楽章に据えるのではなく,別の作品として単独で演奏しているように書かれていますが,少なくともApple Musicでは第13番の第6楽章が収録されておらず,第5楽章のあとに大フーガが置かれています。私としても大フーガは別に単独で演奏される方がどちらかといえば好きなので,この収録の仕方は残念です。Apple Musicだけがこうであって,ディスクには第6楽章が収録されていることを期待したいのですが...まあ収録されているとは思えないですけどね...

モーツァルト:初期弦楽四重奏曲集(ライプツィヒ弦楽四重奏団)

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モーツァルト:初期弦楽四重奏曲集Vol.3
収録曲: KV 158, 160, 172, 171
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
10.04.-12.04.2017 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 307 2044-2 (P)(C)2017 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,HMV Onlineicon

待望のVol.3が発売されましたので追記します。これで初期弦楽四重奏曲集が完成しました。弦楽四重奏曲全集としても完結しましたね。基本的に演奏・録音ともにVol.1, 2と変わりません。この素晴らしい作品をゆっくりと楽しみたいと思います。



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モーツァルト:初期弦楽四重奏曲集Vol.1
収録曲: KV 80, 155, 159, 169, 170
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
20.06.-22.06.2016 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 307 1975-2 (P)(C)2016 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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モーツァルト:初期弦楽四重奏曲集Vol.2
収録曲: KV 156, 157, 168, 173
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
21.11.-23.11.2016 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 307 1976-2 (P)(C)2017 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

モーツァルトの初期の弦楽四重奏曲から9曲です。まだ4曲ありますのでVol.3が近いうちに出ると思いますが,とりあえずこの2枚のレビューです。ライプツィヒ弦楽四重奏団のモーツァルトはハイドン四重奏曲とプロシア王四重奏曲はすでに発売されています。ホフマイスターは第14番~第23番まで収録したセットには収録されているようでした(これは1枚ずつ買い揃えてきた者としては少々腹立たしいですが)。初期のVol.3がリリースされれば全集が完結すると思います。

この四重奏団は結成からの歴史も長く,常に安定したスタンダード路線の高水準の演奏を聴かせてくれていますが,この演奏も同じ路線であり,個性を主張するようなところはなく,曲そのものの魅力を誠実に,そしてサラッと爽やかに表現して聴かせてくれます。長く付き合えそうな演奏で私は好きですね。

そしてこの録音がまた良いのです。残響感はそれなりにあり音場感もありますが,直接音が主であり,クリアで透明感のある音色が堪能できます。過去リリースされてきたモーツァルトのディスクよりも一段良くなっています。室内楽の録音として標準的な印象であり,その中で上手くまとめた好録音だと思います。

Vol.3のリリースが楽しみです。

(記2017/06/25)

シューベルト:弦楽四重奏曲集第12番「四重奏断章」,第13番「ロザムンデ」,第14番「死と乙女」,第15番(メロス四重奏団)

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シューベルト:弦楽四重奏曲第13番D804「ロザムンデ」
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番D810「死と乙女」
シューベルト:弦楽四重奏曲第12番D703「四重奏断章」
シューベルト:弦楽四重奏曲第15番D887,弦楽四重奏曲断章D103
メロス四重奏団 Melos Quartet
1974/12,1975/2 シュトゥットガルト,リーダーハレ,モーツァルトザール
PROC-2096/7 (P)(C)2017 Universal Music (国内盤)
※Tower Records Vintage Collection +plus メロス弦楽四重奏団の芸術より
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower Records

〈タワレコ限定〉VINTAGE COLLECTION+plus特別編 メロス弦楽四重奏団の芸術から。

メロス四重奏団はドイブ・グラモフォンで1971-75年に全集を完成させていました(下記ディスク)。タワーレコードの復刻はその中から有名な後期の作品をセレクトしています。このシリーズの他のディスク同様,この時期の録音の復刻はアナログ・マスターに遡ってマスタリングされていますね。下記の全集に比べて概ね鮮明さが増していることが確認できました。

元々の録音は曲によって多少のばらつきが感じられ,特に「死と乙女」はマスターテープの劣化なのか,少しギスギスとしていて音色がキツい感じがしますが,その他の曲はモーツァルトの後期弦楽四重奏曲集と同様,概ねこの時期の良好な録音の部類に入りますね。

それにしてもこのの気合い,集中力は尋常じゃないです。特に第14番「死と乙女」と第15番。正統路線を突き詰めるとこんな演奏になるんですね。

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シューベルト:弦楽四重奏曲全集
メロス四重奏団 Melos Quartet
1971-1975年録音 Stuttgart, Liederhalle, Mozartsaal
463 151-2 (P)1973, 1975 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

モーツァルト:後期弦楽四重奏曲集(メロス四重奏団)

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モーツァルト:後期弦楽四重奏曲集
メロス四重奏団 Melos Quartet
1976年-1983年 シュトゥットガルト,リーダーハレ,モーツァルトザール
PROC-2092/5 (P)(C)2017 Universal Music (国内盤)
※Tower Records Vintage Collection +plus メロス弦楽四重奏団の芸術より
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower Records

〈タワレコ限定〉VINTAGE COLLECTION+plus特別編 メロス弦楽四重奏団の芸術から。メロス四重奏団のモーツァルトはドイツ・グラモフォン盤を所有していて以前レビューしています(→モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」,「プロシア王」,弦楽五重奏曲集(メロス四重奏団))。演奏はど真ん中の直球だし,録音も一部を除いて大変良かったので愛聴盤にしているのですが,プロシア王の一枚が経年劣化のためか,正常に再生できず残念な思いをしていました(→CDの経年劣化?)。なので,このタワーレコードの企画盤での復刻は大変うれしく,発売を心待ちにしておりました。ホフマイスターとプロシア王は国内盤初発売のようです。一部の曲を除いてオリジナル・アナログ・マスターからのハイビット・ハイサンプリングによる復刻とのことで,音質改善も期待して入手しました。

さてその音質なのですが,曲によって多少の差はありますが,音圧レベルは同等,旧盤の方がやや音色は明るく派手めですがややざらつきを感じます。一方今回のリマスター音源は音色は地味になったものの,ざらつきがなくなり滑らかで上質になっておりました。一瞬艶やかさが薄れるような感じがするのであれっ?と思うのですが,やはりリマスター音源の方が緻密であり,よりクリアで透明感があって好ましく感じられました。ただ,よりオリジナルに近いのは後者であるのは間違いないと思うものの,こういう差だと好みにより評価が変わるかもしれないですね。

なお通常だとハイドンセットで3枚,ホフマイスターとプロシア王で2枚ということになると思いますが,今回のセットではホフマイスターがハイドンセットの1枚に曲順を変えて無理矢理押し込められ(82分のディスク!),プロシア王3曲が1枚に収められて,4枚組となっています。

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(ラサール四重奏団)

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ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
ラサール四重奏団 LaSalle Quartet
1972年12月-1977年3月 ハノーファー,ベートーヴェン・ザール
PROC-1370/2 (P)1973/76/77 Deutsche Grammophon (国内盤)
※Tower Records VINTAGE COLLECTION +plus Vol. 17
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp

タワーレコードの企画盤で言わずと知れた名盤中の名盤。私なんぞがコメントするのもおこがましいのですが,一言だけ。今となっては技術力だけで言えば高い楽団は他にもたくさんありますが,この不器用なまでの愚直さで演奏される分析的で芯の強い,心を揺さぶる音楽が支持され続ける要因なのであろう,と勝手に思いながら聴き入っています。

録音ですが,各楽器を比較的近いイメージで明瞭に,濃厚に捉えていて,すこし暑苦しさというか息苦しさを感じるのですが,悪くありません。ドイツ・グラモフォンの室内楽録音の標準的な範囲と思います。クオリティは時代相応というところでしょうか。録音年が少し開きがありますが,気になるほどのばらつきはありませんでした。もうわずかにすっきりと,ヌケが良ければ好録音と言えるのですが,わずかに足りない気がします。でも悪くないですよ。

このディスク,現在現役盤はないのでしょうか? 一時期ブリリアントから復刻されていたようですが。大分前に輸入盤を買っていたのですが,どこかにしまい込んでしまって見当たらず,タワーレコードの店頭で見つけて思わず買ってしまいました。「オリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用」と記載されていましたので,多少の音質改善があるものと思いますが...

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」,第14番(アリス四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」,第14番
アリス四重奏団 Aris Quartet
2017年4月5, 6, 11, 12日 フランクフルト・アム・マイン
GEN17478 (P)(C)2017 GENUIN Classics (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

アリス四重奏団は,2009年にフランクフルト音楽舞台芸術大学の室内楽教授フーベルト・ブフベルガー(ブフベルガー四重奏団の第1ヴァイオリン奏者)の主導で結成された若い弦楽四重奏団で,2016年のミュンヘン国際音楽コンクールの弦楽四重奏団部門で第2位と聴衆賞を獲得したとのことです。

技術的には非の打ち所がないほどの完成度で,定石通りに表現されたスタンダード路線の演奏ながら,ダイナミックでスケールが大きく,かなりの高水準で実現されているため,たいへんワクワクする演奏に仕上がっています。最近の若い弦楽四重奏団は本当に上手いですね。今後の活躍にも期待したいと思います。

録音ですが,残響が多めでしかも楽器音に被っているため,全体に音色がくすんで冴えません。残響の効果よりも悪影響が勝ってしまっていますね。せっかくの素晴らしい演奏なのに録音で損をしていると思います。これは本当に惜しいと思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第12番(ウェールズ弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第12番
ウェールズ弦楽四重奏団 Verus String Quartet
January 20 & 21, March 31, 2017, Kanagawa Prefectural Lake Sagami-ko Exchange Center
FOCD9752 (P)(C)2017 FONTEC Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ウェールズ弦楽四重奏団は2006年に桐朋学園の学生により結成され,2016年で結成10周年,現在メンバーは30歳代というまだまだ若い四重奏団です。技術力が高く,アンサンブルが整っており,和音の響きもとても美しいです。演奏にキレがあり,さらに情感豊かで,そういう点で今回のディスクの中では第12番の第2楽章が特に印象に残りました。とはいえ真面目一本槍で音楽がまだまだちょっと堅苦しいようにも思います。

録音ですが,残響は少しあるものの控え目であり,直接音主体に明瞭に録っています。特に優れているとは思いませんが,欠点もなく弦楽四重奏曲の録音としてまずまず良好と言えると思います。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集に向けての第1弾とのことで,今後の録音も楽しみに待ちたいと思います。

モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番,第19番「不協和音」,ディベルティメントK.136(ヴァン・カイック四重奏団)

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モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番K.428,第19番「不協和音」K.465
モーツァルト:ディベルティメントニ長調K.136
ヴァン・カイック四重奏団 Quatuor Van Kuijk
ALPHA 246 (P)(C)2016 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,HMV Onlineicon,Amazon.co.jp,e-onkyo

勢いがあり,躍動感に溢れるとともに,技術的にもキレがありコントロールも行き届いていて表情が細やかです。音楽の喜びを素直に表現した若々しいフレッシュな演奏だと思います。音色の美しさも特筆できます。惜しむらくは楽節の切れ目で恣意的な「ため」が入って呼吸が乱されることで,せっかく音楽に気持ちよく乗っていたのにここで「うっ」と息苦しくなってしまいます。これがなかったら最高なのに...本当にこれだけはクラシック音楽の大嫌いなところです。

録音ですが,わずかに残響感があるものの,それぞれの楽器を明瞭に,透明感のある伸びのある音で美しく捉えています。距離感も適度であり,各楽器の分離感もまずまず良好です。弦楽四重奏の録音として欠点がほとんど見あたりません。オーディオ的な品質も良好です。私としてはもう少し生々しさを出して欲しいかなとは思いますが,これでも十分に好録音です。

この団体は全く知らないのですが,演奏も録音も素晴らしいので,今後もこの調子で録音を続けていって欲しいですね。期待しています。

モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」,「プロシア王」,弦楽五重奏曲集(メロス四重奏団)

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モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」
メロス四重奏団 Melos Quartet
1976年2月(No.16,17),11月(No.14,15),1977年6月(No.18,19) シュトゥットガルト,リーダーハレ
F90G 50403/5(415 870-2) (P)1977/78 Polydor International (国内盤)
好録音度:★★★★☆,★★★★(No.18,19)
参考: Amazon.co.jp

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モーツァルト:弦楽四重奏曲集「プロシア王」
モーツァルト:弦楽四重奏曲K.499「ホフマイスター」
メロス四重奏団 Melos Quartet
Stuttgart, Liederhalle, 2/1979(K.589), 6/1980(K.590), 2/1981(K.499), Bamberg, Zentralsaal, 5/1983(K.575)
431 153-2 (P)1981,1984 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(K.589),★★★★
参考: Amazon.co.jp

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モーツァルト:弦楽五重奏曲全集
メロス四重奏団 Melos Quartet
Franz Beyer, Piero Farulli (Viola)
Bamberg, Zentralsaal, 7/1986 & 12/1987, Neumarkt, Reitstadel, 11/1989
431 694-2 (P)1987/1988 Polydor International (P)1990 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

メロス四重奏団のモーツァルトは,以前に第17番,第19番を収めた廉価盤を取り上げていました(→こちら)。堅実で高水準な演奏を聴かせてくれる同四重奏団の演奏は結構好きで,ここに挙げた弦楽四重奏曲集,弦楽五重奏曲集を手に入れて聴けたことは大変うれしいことなのです。とても残念なことに,同四重奏団の録音は現役盤が少なく,これらの中では弦楽四重奏曲の第17番,第19番,昨年1月に弦楽五重奏曲が限定盤の分売で発売されている程度ですね。こういうド直球の演奏はもうあまり好まれないのでしょうか。残念なことです。

録音ですが,この中では弦楽四重奏曲集の第14番~第17番と弦楽五重奏曲K.589が好録音です。少し音の捉え方が濃すぎるきらいはありますが,残響を抑え,極めて明瞭に楽器の音色を捉えています。それ以外の楽曲は少し音場成分が増えて楽器の音色が曇りがちです。好録音に共通しているのが,プロデューサがDr. ルドルフ・ヴェルナーという人ということで,やっぱりレコーディングを担当するプロデューサによって録音の音づくりが変わってしまうというのがよくわかりますね。1981年以降はデジタル録音に移行していますが,録り方の質に進歩が見られないのも残念なことです。

なお,実は「プロシア王」は先日取り上げた経年劣化?のCDです。貴重なディスクなのにCD2がまともに聴くことが出来ないのが残念でなりません。

ブログ読者様からの情報ですが(有り難うございました!),プロシア王の最初のディスクはドイツプレスで内周までメッキののある真空釜によるものだそうですが,私が持っているものは連続蒸着式のもので異なるようです。パッケージにはMade in West Germanyとあるのですが,ディスクレーベル面にはMade in U. K.とあり,イギリスプレスのもののようでした。なおハイドン・セットと弦楽五重奏曲は内周までメッキのある真空釜のものでした。これらは経年劣化はほとんど見られませんでした。

価値ある復刻! ファイン・アーツ四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲集

ファイン・アーツ四重奏団は1946年の創立で,現在でも活動を続けられています。メンバーは交代していますが,第1ヴァイオリンの交代は1回,第2ヴァイオリンは3回,ヴィオラは9回,チェロは2回ということで,ヴィオラ以外は結構長く続けられています。

このベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集は1960年代に完成されたもので,Everest Recordsからリリースされていました。以前一度取り上げています(→こちら)。今回はこの全集から12曲が復刻されています。このうち作品18の2曲を除く中期,後期の曲を購入して聴きました。全集として復刻されなかった理由は不明ですが,マスターテープに問題があったのかもしれません。

それにしても,CDで発売されていたものよりもものすごく改善されています。聴き比べてみると明らかなのですが,鮮明さが格段に上がっており,これは本当に1960年代の録音なのか?と思うほどの鮮度です。これはサンプルの試聴でもはっきりわかりました(なので購入しました)。

どうもCDでは余計な残響を意図的に付け足していたのではないかと思います。その残響は音楽的にまったく効果がなく,音色を曇らせるだけのマイナス効果しかありませんでしたので,前回のレビューでも結局あまり高い評価になりませんでした。演奏に被るその残響が取り払われ,極めて明瞭に,ダイレクトに音楽が伝わってくるすばらしい録音に生まれ変わりました。

特に後期が良いですね。楽器の分離も良好で,それぞれの楽器の動きがこれほどはっきりとわかる録音もそうありません。まあこれに関しては賛否あると思いますが,こういう録音ならではのいろいろな発見があって面白いと思います。

今までにもリマスタリングされたものをいくつも聴いてきましたが,ここまで改善幅が大きいのは初めてです。しかも改善後はこれ以上望めないくらい良好です。音楽をストレートに伝えてくれるという点で,現代の多くの録音をもはるかに凌駕するリアルさと迫力があります。これは本当に価値ある復刻です。録音の質がいかに大切かを実感しました。(ちょっと興奮してしまいました)

こういう録音こそ<好録音>と呼ぶにふさわしいです。まあちょっと褒めすぎでオマケの感はありますが,五つ星評価としました。なお,1960年代の録音なので多少マスターテープの品質に起因する粗さはあります(オーディオクオリティは時代なりです)。また,今回はハイレゾでの復刻(192kHz/24bit, 96kHz/24bit)ですが,私の評価はハイレゾとは関係なく,CDクオリティであっても全く変わりません。

まだ斜め聴きなので,これからじっくりと聴きたいと思います。

しかし,これはちょっと財布には優しくないですね... なお私はe-onkyoで購入しましたが,moraでも取り扱いがありますね。

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番作品18-3
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番作品18-4
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1959年
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」作品59-1
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1965年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番「ラズモフスキー第2番」作品59-2
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」作品59-3
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1965年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番「ハープ」作品74
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」作品95
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1965年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番作品127
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番作品130
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番作品131
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番作品132
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番作品135
ベートーヴェン:大フーガ作品133
ファイン・アーツ四重奏団 Fine Arts Quartet
録音1962-63年
好録音度:★★★★★
参考: e-onkyo

e-onkyoでフェシュテティーチ四重奏団のハイドン弦楽四重奏曲全集が破格の価格で出ていました!

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ハイドン:弦楽四重奏曲全集
フェシュテティーチ四重奏団 Quatuor Festetics
(C)2014 Arcana
参考: e-onkyo

当ブログの読者から情報をいただきました。有り難うございます! 以前,分売のCDを取り上げていたのですが(→こちら),e-onkyoで破格の値段で出ているとのことでした。

私は分売で入手したのですが,その後全集としてCD 19枚組で発売されていました。1万円以上していましたが,e-onkyoでは税込2,500円です。フォーマットは44.1kHz/24bitのハイレゾです。これは持っていて損はないと思い,購入しました。これで場所を取っていた分売CDを手放してもいいかなと思いました。これは本当に助かります。

演奏と録音の感想は以前の記事を参考にしていただければ幸いです。

ハイドン:弦楽四重奏曲作品76「エルデーディ四重奏曲」(エルデーディ四重奏曲)

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品76「エルデーディ四重奏曲」第1番~第3番
エルデーディ四重奏団
2002年4月 東京都下三鷹市 風のホール
PAU-0001 (P)2002 PAU CD (国内盤)
好録音度:★★★
参考: 公式Webサイト

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品76「エルデーディ四重奏曲」第4番~第6番
エルデーディ四重奏団
2004年2月25~27日 山梨県牧丘町文化ホール
PAU-0002 (P)2002? PAU CD (国内盤)
好録音度:★★★
参考: 公式Webサイト

おぉ!これは驚くほど完成度が高いですねぇ!一音たりともおろそかにせず,細部に至るまで神経を行き届かせ,整然と,きっちりと仕上げていますね。オーソドックスで特徴的なところはそんないないのですが,ここまで極められると「お見事!」と言うしかありません。生真面目な日本人の美質が活かされた素晴らしい演奏だと思います。

しかし,この録音はいけません。残響が多く,また直接音よりも残響が支配的なために,音色は大きくくすみ,全く冴えません。ニュアンスもかなり失われ,楽器の質感も感じ取りにくいです。残響が音楽的にまったくプラスに働かず,鑑賞の邪魔にしかなっていません。せっかくの素晴らしい演奏を台無しにしています。少々厳しめですが抗議の意味を込めて三つ星評価です。

録音が良ければ間違いなく愛聴盤になっていたと思うのですが...残念でなりません。

エルデーディ弦楽四重奏団は1989年に東京芸術大学の卒業生で結成された弦楽四重奏団とのことです。メンバーは蒲生克郷(Vn),花崎淳生(Vn),桐山建志(Va),花崎薫(Vc)。

このディスクは一般には市販されていないのか,店頭や通販ショップでも見かけません。公式Webサイトからメールで注文して購入します。

ハイドン:弦楽四重奏曲作品33,作品50,作品54,作品55(ロンドン・ハイドン四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品33
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
Concert Hall, Wyastone Estate, Monmouth, on 25-30 June 2012
CDA67955 (P)(C)2013 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品50
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
Potton Hall, Dunwich, Suffolk, on 24-28 October 2014
CDA68122 (P)(C)2016 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品54, 作品55
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
Potton Hall, Dunwich, Suffolk, on 5-10 November 2015
CDA68160 (P)(C)2017 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

少し前に作品9,作品17,作品20を取り上げた続きです。全集に向けて録音されているのかはわからないのですが,現在作品番号順に作品55まで発売されています。演奏スタイルはこれまでの録音と変わらず一貫していますが,より大胆に変化を付ける表現が増えているようには思います。技術的にも上手いですし,響きの美しさも特筆できますし,ハイドンとしてはロマンティックで,かつ素直な表現にも好感を持ちました。今後の録音が楽しみです。

録音ですが,作品33と作品50は少し残響が気になるものの,音の透明感,輝き,伸びが感じられ,ストレスなく聴くことが出来る好録音です。一方作品54, 55はややマイクポイントが遠く,音色がくすみがちで楽器の質感も失われてしまっていますし,音場の広がり感も少し希薄です。そんなに悪くはないのですが,作品33, 50と同じ録音で統一して欲しかったところです。惜しいです。今後の録音が元に戻されることを切に希望します。
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