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TVアニメ「この音とまれ!」~僕たちの音~

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TVアニメ「この音とまれ!」~僕たちの音~
KICA2572 P)2020 King Record Co., Ltd (国内盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
演奏: 木村摩耶,熊代七恵,柴田眞弓,中島裕康,橋本みぎわ,平田紀子,光原大樹,渡邉香澄

弊ブログで何度か取り上げた高校の箏曲部のTVアニメ「この音とまれ!」の劇中曲ディスクがこの2月26日に発売されました。収録曲は下記の通りです。

<収録内容>
1. 龍星群 ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
2. 六段の調(初段のみ) ★(演奏:倉田武蔵)
3. セピアの風に(演奏:鳳月さとわ)
4. 二つの個性(演奏:姫坂女学院箏曲部)
5. さらし風手事(演奏:永大附属高等学校箏曲部)
6. 百花譜(演奏:明陵高等学校箏曲部)
7. 久遠 ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
8. Tone ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
9. 水の変態 ★(演奏:堂島 晶)
10. 無題 ~天泣原曲~ ★(演奏:鳳月さとわ)
11. 三つのパラフレーズ ★(演奏:姫坂女学院箏曲部)
12. 堅香子(演奏:珀音高等学校箏曲部)
13. 天泣 ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
★...アニメ放送、本CDのための新レコーディング音源

「この音とまれ!」は元々コミックが原作で,アニメ化される2年前にもディスクが発売されており,以前取り上げていました(→こちら)。★が付いていない収録曲はその音源と同一です。上記に記載の演奏者は劇中の設定であり,実際の演奏者は異なります。

前のディスクの愛聴曲の「龍星群」「久遠」「天泣」の新録音が聴けるのもうれしいのですが,何といっても天泣の原曲となった「無題 ~天泣原曲~」がフルコーラスで聴けるというのが私としてはとてもうれしく,これを聴きたいがために買ったといってもいいくらいです。

この「無題 ~天泣原曲~」について少し触れておきます。これはヒロインの鳳月さとわが中学三年生のときに出場した全国コンクールでエントリー曲の「八重衣」の代わりに演奏し失格になり,後に家元の母から破門されることにつながる因縁の曲。夫を病気で亡くし箏の家元の鳳月会を背負う重圧で周囲が見えなくなり自分の声も届かなくなってしまった母に,自分の方を向いて欲しいという思いを込めて演奏したが,その母に「あなたの箏はまるで凶器だわ」と言われてしまう。後にこの演奏を自分で聴いて「こんな自分の痛みや苦しみをぶつけただけの音があのときの私の音。一番伝えたかった気持ちがこの音には何も乗っていない。」と理解する。

そしてここに収録された演奏は,そのシーンを再現するかのごとく感情を激しくぶつけた,キツい,痛い演奏でした。明らかに感情が先走って前のめりになっています。

しかし,私はこれにはちょっと苦情を言いたいです。まず,アニメの中での演奏はもう少し抑制された真っ当な演奏でした。これに対してこのディスクに収録されている演奏は明らかにやり過ぎで,この曲の本来の良さが壊されていると思います。物語の中のこの曲の位置づけを過剰に表現しすぎています。私としては純粋にこの曲を楽しみたかった,物語の背景から離れてこの曲の本来の良さを最高に引き出す演奏で聴きたかった,と残念に思いました。せめてアニメ中で演奏されたものにして欲しかったと思います。

そしてもう一つ楽しみだった「天泣」の再録音,これにも落胆しました。演奏自体は旧ディスクを上回るものの,ホール音響のエフェクトをかけ過ぎていて,本来の箏の美しい音色が大きく損なわれているのです。アニメ中の演奏もエフェクトがかけられていましたので同じといえば同じなのですが,アニメではさほど気にならなかったエフェクトも,ディスクとして鑑賞すると邪魔でしかありません。録音だけでいうと旧ディスクの方がはるかに良いです。期待していただけに本当にがっかりです。

他の再録音の曲もここまでひどくはないですが,全般的にややクオリティが良くなく,音が硬く歪みっぽいです。私としては,サントラということではなく,それぞれの曲が最高の形で収録されていて音楽作品として純粋に楽しめるものであって欲しかった,というのが正直なところです。

「天泣原曲」はこの曲を最高の形で聴かせてもらえる演奏を,そして「天泣」は箏の音を大事にしたリミックス番を,ダウンロード音源でも良いのでリリースしてもらえたらなぁと思っています。全く期待できないことを承知でリクエストさせていただきます。

あとこのディスクには,この箏曲部の指導にあたるコトになった堂島晶先生が全国コンクールで演奏し一位を取った「水の変態」も収録されています。この曲は唄が入るのですが,堂島晶役の声優の東山奈央さんが実際に唄っておられるようで,ちょっと驚きました。

最後に「無題 ~天泣原曲~」のアニメのシーンがYouTubeに公開されていましたので掲載します。ディスクに収録されているのはこの演奏とは異なりもっと激しいものでした。アニメでは舞台袖に戻ったさとわに母が「あなたの箏はまるで凶器だわ」と突き放す。このアニメのシーンの演奏はそうは聞こえませんが,ディスクの演奏は確かにそう言われるかもしれない演奏だと思います。


そして「天泣」のアニメでの演奏シーンもYouTubeで公開されています。以前のエントリで取り上げていましたが,再掲します。


そして最後に,部の存続をかけて初心者が一ヶ月練習して全校生徒の前で演奏した「龍星群」。一ヶ月でこれがこのクオリティで弾けるようになるとは到底思えませんが,そこはまあ置いておいて,低音の十七弦がソロの曲。カッコいいです。

TVアニメ「この音とまれ!」~僕たちの音~

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TVアニメ「この音とまれ!」~僕たちの音~
KICA2572 キングレコード 2020年2月26日発売
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

また脱線で失礼します。弊ブログで何度か取り上げた高校の箏曲部のTVアニメ「この音とまれ!」の劇中曲ディスクが発売されるということで,通販ショップにも情報が上がっていました。収録曲を引用します。

<収録内容>
1. 龍星群 ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
2. 六段の調(初段のみ) ★(演奏:倉田武蔵)
3. セピアの風に(演奏:鳳月さとわ)
4. 二つの個性(演奏:姫坂女学院箏曲部)
5. さらし風手事(演奏:永大附属高等学校箏曲部)
6. 百花譜(演奏:明陵高等学校箏曲部)
7. 久遠 ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
8. Tone ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
9. 水の変態 ★(演奏:堂島 晶)
10. 無題 ~天泣原曲~ ★(演奏:鳳月さとわ)
11. 三つのパラフレーズ ★(演奏:姫坂女学院箏曲部)
12. 堅香子(演奏:珀音高等学校箏曲部)
13. 天泣 ★(演奏:時瀬高等学校箏曲部)
★...アニメ放送、本CDのための新レコーディング音源

「この音とまれ!」は元々コミックが原作で,アニメ化される2年前にもディスクが発売されており,以前取り上げていました(→こちら)。★が付いていない収録曲はその音源と同一と思われます。(「天泣」のアニメでの演奏シーンはYouTubeで公開されていました→こちら)

アニメで取り上げられた「龍星群」,「久遠」,「天泣」が新録されているのがうれしいですし,堂島晶先生が全国コンクールで演奏し一位を取った「水の変態」と,同コンクールでヒロインの鳳月さとわがエントリー曲の八重衣の代わりに演奏し失格となった「無題 ~天泣原曲~」が収録されているのが何よりうれしく本当に楽しみです。発売日が待ち遠しい!

TVアニメ「この音とまれ!」神奈川県予選大会 天泣(演奏:時瀬高等学校箏曲部)

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TVアニメ「この音とまれ!」の第25話で,時瀬高等学校箏曲部が神奈川県予選大会で演奏した「天泣」の演奏シーンのフルバージョンが公式でYouTubeで公開されていました。フルバージョンです!太っ腹です!感謝感激です!

この曲はアニメの原作者の姉がこの原作マンガのために作曲したオリジナル曲ですが,本格的で大変素晴らしい感動的な作品だと思いました。アニメ作品の中では,主人公の一人で箏の家元の娘の鳳月さとわが独奏曲の原曲を作曲,有名な音楽家を両親に持つ数学教師で顧問の滝浪涼香が合奏用に編曲したという設定になっています。


この曲を収めたCDは以前紹介しましたので,もしよろしければそちらもご覧いただければうれしく存じます(→こちら)。

この音とまれ!(時瀬高等学校箏曲部)

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この音とまれ!
時瀬高等学校箏曲部
KICC-1349 (P)2017 King Records (国内盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo
TVアニメ「この音とまれ!」公式サイト
ジャンプSQ.「この音とまれ!」アミュー

※2019/10/14下部に追記あり

2019年4月~6月に第一クール,そして2019年10月から第二クールが始まったアニメ「この音とまれ!」の原作コミックに沿って製作されたディスク。なのでアニメの劇中歌集ではなく,それ以前に製作されていたものです。ただし,このディスクに収められている曲はアニメでも実際に使われていました。

この音とまれ!(Wikipedia)によると,原作者のアミュー氏の母は箏教室の主催者,姉はプロの箏奏者だそうで,アミュー氏自身も幼少の頃から箏に親しんでいたとのことです。このCDにはこの作品のためのオリジナル曲も収められており,「久遠」「堅香子」「セピアの風に」は母の作品,「龍星群」「天泣」は姉の作品と思われます。

いくつかYouTubeで公開されていましたので紹介します。

「セピアの風に」は独奏曲で,アニメの第二話で主人公が箏の家元の娘のヒロインが弾く箏に衝撃を受けた曲。このYouTube動画では作者の姉が弾いているようです。作曲者は前記の通り作者の母です。(アニメのシーン→YouTube)


「龍星群」は,箏曲部の存続をかけて1ヶ月で仕上げ,全校生徒の前で演奏した曲。初心者が1ヶ月で弾ける曲とは到底思えないのだけど,これはおぉ!カッコいいじゃないかと思ってしまいました。作曲者は作者の姉です。(アニメのシーン→YouTube)


「久遠」は,アニメ第一クールのラスト,関東邦楽祭で時瀬高等学校箏曲部が演奏した曲。作曲者は作者の母です。


そして,YouTube動画はなかったのですが,ディスクの最後に収録されている「天泣」は,おそらく第二クールのクライマックスで,全国大会出場をかけて予選で演奏される曲と思われます。アニメの中では,作曲者はヒロインで顧問が編曲したということになっているようです。実際の作曲者は作者の姉です。この曲がまた最初から最後まで感動を誘う,胸にグッと突き刺さるメロディーが連続していて,コンクールでこれはちょっとズルいだろうと思ってしまうのですが,良い曲です。

本当は,アニメ第七話でヒロインが全国コンクールでエントリー曲「八重衣」の代わりに自作曲を弾き「伝説の失格演奏」となったという設定の曲がとても良くて,この曲のフルコーラスが聴きたかったのですが,これはこのアニメのために作曲されたようで,このディスクには入っていませんでした。(アニメのこのシーンを動画でアップしている方がいました→ニコニコ動画) 劇中曲集が再度編集され発売されることを期待します。

これを聴いて,自分は自分の国の伝統楽器を1ミリも知らなかったんだな,と思ってしまいました(ただ,今も知ったとはとても言えないのですが)。きっかけをくれたアニメに感謝! 良質のアニメだと思います。

(記2019/10/12)



その後,コミックを読んでみました(^^;。第14巻にこのCDのメイキングの裏話が載っていました。作曲者については前述の通り作者の母と姉がされたとのことですが,一部引用すると...

作曲に関しては,『身内という強みを生かして無茶ぶりをしまくり「天泣」に関してはなんと着手してから完成までおよそ1年がかり…!』『何度も打ち合わせをしてリテイクを重ね,私が作中で天泣を書き終えるまでは完成も待ってもらうというわがままっぷり』。

演奏に関しては,『「どう演奏すればこの学校の演奏になるか」「より漫画の世界観を出せるか」たくさん意見を出し試し「これでもか!」というくらい漫画にそしてCDのコンセプトに寄せて弾いてくださいました。』。

という拘りの内容になっているとのことで,まさにその通りだと思いました。

コミックは全国予選の「天泣」以降も続いているので,そこで出てくる楽曲や演奏についても再現しCD化されることを期待します。

また,この第14巻では,「天泣」という曲について審査員が“聴かせやすい曲”についてどう評価するかについての言及もあって,私が先日書いた「この曲がまた最初から最後まで感動を誘う,胸にグッと突き刺さるメロディーが連続していて,コンクールでこれはちょっとズルいだろうと思ってしまうのですが…」についての答えも書いてありました。

(記2019/10/14)
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