R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」,交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」,交響詩「ドン・ファン」(グスターボ・ドゥダメル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」作品35
グスターボ・ドゥダメル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
Philharmonie, Großer Saal, Berlin, 4/2012, 1&2/2013
00289 479 1041 (P)2013 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(Zarathustra), ★★★★(Till Eulenspiegels, Don Juan)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

とちらかというとベルリン・フィルにしてはやや控え目な表現に徹しているように思いますが,その分細部まで緻密に作り込んでいるように感じます。私の好みからするともう少しダイナミックで躍動的に演奏して欲しいと思うのですが,ツァラトゥストラならまあこれでもありかなと思います。そういう点でティルとドン・ファンは少しもの足りないかな...

録音ですが,ツァラトゥストラと他の曲では少し異なります。ツァラトゥストラは少し楽器の捉え方が弱く,もう少し質感を強めに出して欲しいとは思いますが,低域から高域までレンジ感があり,音に伸びも感じられます。個人的には弦楽器をもう少し前に張り出すように録って欲しいところです。また密度感があるのも今どきの録音です。まずます良好です。

一方ティルとドン・ファンはツァラトゥストラに比べると精彩に欠け,音が曇りがちで全体にこぢんまりとしています。こちらはわずかながら良くありません。

R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」,メタモルフォーゼン(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/NHK交響楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
R. シュトラウス:メタモルフォーゼン(23の独奏弦楽器のための習作)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/NHK交響楽団
2016年2月17,18日 東京,サントリーホール
SICC 10219 (P)2017 Sony Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

R. シュトラウスの交響詩ツィクルスの第3弾。第1弾第2弾も取り上げていました。ツァラトゥストラはR. シュトラウスの中で最も好きな曲なので,これがリリースされるのを楽しみに待っていました。そして期待を裏切らない見事な出来だと思います。統制の取れた弦楽器,鳴りと安定感の素晴らしい金管,この曲を演奏するのに不足はないですね。メタモルフォーゼンは弦楽器のみで演奏される曲で,弦楽オーケストラが好きな私なのですが,混沌としていて掴み所がなく,この曲はちょっと苦手です。

そして録音ですが,傾向的には前2作と共通しており,残響感を少し抑え気味にして密度高く音を詰め込みスケールの大きなサウンドに仕立てています。私としては少し音を詰め込みすぎていて見通しと分離が良くなく飽和感があり(実際に飽和はしてないと思いますが)伸びや透明感に欠け,もう少しすっきりしたサウンドに仕上げて欲しいとは思うのですが,これが今どきの優秀録音なのかもしれません。でもまあ良好な部類に入ると思います。

R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」,ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」(エマニュエル・クリヴィヌ指揮/ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」
エマニュエル・クリヴィヌ指揮/ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
2015年録音
ALPHA 236 (P)2015 (C)2016 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

録音のみのコメントです。このディスクはまずまずの好録音でした。邪魔になる残響が少なく,各楽器の明瞭感,分離勘が良く,音の伸び,透明感も良好です。低域も伸びているのですが量感は少なめでもう少しあっても良いかなとは思います。こういうキレの良い録音は聴いていて気持ちが良いですね。

ツェムリンスキーの人魚姫は「アンデルセンの童話による全3楽章の幻想曲」という副題が付いているようで,初演後出版されずに約80年間埋もれており,1980年に楽譜が発見されたとのことです。このあたりの経緯がHMV Onlineの曲目紹介で詳しく触れられていましたので,ご興味があればご参照ください。もっと気味の悪い音楽かと思ったのですが,意外に聴けました。好きになれるかどうかは別ですが(^^;。

天上的な美しさ! アネルセン:マニフィカト(トロンハイム・ソロイスツ/ニーダロス大聖堂少女合唱団/他)

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アネルセン:マニフィカト
カーニス:天上の音楽(弦楽オーケストラのための)
ヤイロ:ツンドラ
ヤイロ:普遍者の歌
トロンハイム・ソロイスツ/ニーダロス大聖堂少女合唱団/他
2013年5月,2014年1月,5月 ノルウェー,トロンハイム,ニーダロス大聖堂
2L-106-SABD (C)2014 Lyndberg Lyd AS (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

AV Watchの【匠のサウンド百景】という特集の中で,エミライ/OPPO Digital Japanの島 幸太郎氏が紹介されていた6曲の中の一つです。リリース当時に話題になったとのことですのでご存じの方も多いと思います。2Lというノルウェーのレーベルは高音質で有名なので幾つかは聴いたことがあるのですが,このディスクは初めてでした。私は全く声楽曲を聴かないのですが,この天上的な響きの美しさにちょっとばかり感激してしまいました。残響を豊富に取り込んでいますが,これはもう音楽の一部として欠かせないものですし,この音楽の美しさを損なうことなく取り込まれていますので問題ありません。

パッケージとしてはSACDとBlu-rayで構成され,ハイレゾの2chステレオのほか,マルチチャンネルの音声も収録されています。私は2chステレオで聴きましたがそれでも十分にこの美しい音楽を楽しむことが出来ました。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番作品95,第14番作品131(ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番作品95,第14番作品131(弦楽合奏版)
ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
Little Tribeca in Vichy, September 2016
AP152 (P)2016 (C)2017 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの先行試聴です。チャイコフスキーの弦楽セレナーデが演奏も録音も大変良かったので,これも聴いてみました。なお,HMVとTower Recordsは8/10の発売,Amazonでは7/14の発売となっており,Amazonの方が若干早く発売されます。

演奏は期待通り,精緻で緊密なアンサンブルでこの弦楽四重奏曲の名曲を弦楽合奏で綴っていきます。弦楽合奏であることを活かし弦楽四重奏より幅の広い音楽を実現していて聴き応えがあります。曲としては作品131の方が弦楽合奏に向いている気がしますし,実際こちらの方が出来がよいと思います。

録音ですが,残響控え目で各パートを明瞭に質感豊かに捉えている点は良いのですが,前作のチャイコフスキーに比べると音色がやや金属的で自然さに欠けます。平均水準以上ではあると思うので四つ星半評価ですが,音色の面でちょっと納得できないところが残ります。前の録音に戻して欲しいところです。

とはいえ,トータルの出来はなかなか良いと思います。今後,弦楽合奏の名曲を一通り録音してくれることを期待します。(録音はチャイコフスキー同等に戻してぜひ欲しいですね)

R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」,ホルスト:組曲「惑星」(エドワード・ガードナー指揮/イギリス・ナショナル・ユース・オーケストラ)

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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
ホルスト:組曲「惑星」作品32
エドワード・ガードナー指揮/イギリス・ナショナル・ユース・オーケストラ
2016年8月8, 9日,バーミンガム,シンフォニー・ホール
CHSA 5179 (P)(C)2017 Chandos Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

最近見つけた「惑星、タコ8,我が祖国。」という凄まじい数の聴き比べを掲載しておられるサイト(5/31現在,惑星131種,タコ8 72種,我が祖国102種)で惑星が高評価だった盤。e-onkyoで試聴してみたところ,ご評価通りの好演奏であり,録音も良さそうでしたので,そのままe-onkyoでハイレゾ音源を購入しました。

演奏に関しては上記のサイトを参照していただくとして,録音についてコメントします。まず,上記サイトでも述べられてるとおり,収録されている平均音圧が低めなので,少々ボリュームを上げて聴かなければならないのですが,一方で最大音量が小さいわけではないので,フォルテのところではボリュームを下げなければうるさすぎるという,ダイナミックレンジを広くとった録音でした。きちんとしたリスニングルームがあって大きな音でも鑑賞でき,小さな音もしっかり聴こえるような聴取環境があれば楽しめると思うのですが,少なくとも私の環境では聴いている途中でボリューム調整せざるを得ませんでした。オーディオ観点では好ましくても気軽に聴くにはちょっとダイナミックレンジが広すぎるように思いました。

それを除けば,少し楽器の質感は希薄ではあるものの,残響は控え目で各楽器の動きが分離してはっきりと聴き取れる見通しのよいクリアーな録音でした。低域も自然に伸びていて締まりがあり,だらしなく響くこともありません。音色は少し硬めで若干色づけが感じられますが許容範囲です。印象は悪くありません。

私としてはもう一歩寄って各楽器の質感を強めに出し,音色の変化をもう少し抑えた自然さがあればなお良かったと思います。そしてやはりダイナミックレンジはもう少し圧縮した方が聴きやすいと思います。

こうして聴いてみると,オーディオ・クオリティは良好で,これは今どきの優秀録音の典型であり,これはこれでまあ良いんだけどやっぱりちょっと違うんだよなぁと思ってしまいました。惜しいです。

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スメタナ:わが祖国(ラファエル・クーベリック指揮/ボストン交響楽団)

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スメタナ:わが祖国
ラファエル・クーベリック指揮/ボストン交響楽団
1971年3月 ボストン,シンフォニーホール
UCCG-4649 (P)1971 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

同曲における定番中の定番といえる名盤なので皆さんもよくご存じのことと思います。私は今まで気になりながらも聴きそびれていました。思いついたときに聴いておこうとやっと手にしました。何度も再発売され,高音質盤も幾つか発売されていますが,今までの経験から高音質盤でなくてもOIBPマスタリングのTHE ORIGINALSであれば私としてはほぼ満足できる場合が多いので,比較的安価な本盤を選びました。

演奏は評判通りであり,まるで映画や舞台を観ているかのごとく,シーン毎の演出が巧みで音楽に引き込まれます。サウンドも華やかでわかりやすいのも私には向いています。この曲を多く聴いてきたわけではないのですが,その中では一番良かったと思います。

録音ですが,やや演出感が過ぎ実在感が希薄なのと,また音場感があまりなくモノラル的なサウンドステージなのが不満ですが,この当時のDGの録音としては普通であり,可もなく不可もなしというところです。もう少し自然さと音場の立体感があるとよかったのですが。まあ多くの人にとって不満なく聴ける水準だとは思います。

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ,シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」(弦楽合奏版)(ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団)

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
シベリウス:弦楽四重奏曲 ニ短調 作品56「親愛なる声」(弦楽合奏版)
ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
2016年5月3-6日 クレルモン=フェラン,オーヴェルニュ管弦楽団施設
AP139 (P)(C)2016 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicで試聴して演奏も録音も大変良かったので,今年の1月に試聴レビューしていました。ディスクを買うかずっと迷っていたのですが,やっぱりこれは手に入れておきたいということでAmazonから入手しました。Tower RecordsとHMVでは5月の発売になっています。今聴きながら書いているのですが,これはやっぱり買って正解の盤でした。



Apple Musicでの試聴です。Amazon.co.jpでは2月17日の発売になっていて,HMVやTower Recordsにはまだ出ていませんでした。

おぉ,これはなかなかイイぞ! 演奏自体は真っ当なスタンダード路線であり,アンサンブルは優秀で,丁寧でニュアンス豊かで美しい。シベリウスの弦楽合奏版は初めて聴きましたが,違和感なく聴けました。

録音ですが,特に特徴があるわけではありませんgな,欠点らしい欠点がなく,弦楽器の魅力を上手く捉えた好録音だと思います。低域から高域までレンジ感もありますし,楽器の質感の捉え方も標準的で良好です。残響もそれなりにありますが,マイナス要素にはあまりなっていません。

これはディスクを入手してじっくり聴いてみたくなりました。

(記2017/01/08)

グリーグ:ホルベルク組曲,スクームスヴォル:ホルベア変奏(1B1(室内管弦楽団),クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ),他)

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グリーグ:ホルベルク組曲(弦楽合奏版,ピアノ独奏版)
スクームスヴォル:ホルベア変奏(ピアノと弦楽合奏のための)
1B1(室内管弦楽団),クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ),他
2014年1月2-5日,2月24-26日 ノルウェー,スタヴァンゲル・コンサートホール
Simax PSC1332 (P)2014 Grappa Musikkforlag AS (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

ホルベルク組曲はグリーグの中で最も好きな作品です。このディスクでは,原曲のピアノ独奏版と作曲者自身の編曲による弦楽合奏版,そして,このホルベルク組曲を題材に,ジャズシーンで活躍しているスクームスヴォルが主導して即興的な演奏を試みたという「ホルベア変奏」が収録されています。

ピアノ独奏版は初めて聴いたのですが,これがまたかっこいいですねぇ。前奏曲にワクワクしますし,第3曲のガヴォットとミュゼットも洒落ています。ピアノ曲としては有名ではないと思いますが,弦楽合奏版を知っていれば結構楽しめる曲ですね。弦楽合奏版もスピード感と勢いがあり良いと思います。ホルベア変奏は...少し聴いたのですがあまり興味が湧かずパスしてしまいました(^^;。

録音ですが,弦楽合奏もピアノもまずまずの録音で,残響は適度であり録り方も自然で悪くないのですが,少し雑味というか濁りがあり,透明感や音の伸びに欠けています。録音機材があまり良くないのかもしれません。惜しいと思います。

バッハ:ブランデンブルク協奏曲,管弦楽組曲(ネヴィル・マリナー指揮/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,管弦楽組曲全曲
ネヴィル・マリナー指揮
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

1978年1月 ロンドン,キングズウェイ・ホール(管弦楽組曲),1980年5月 ロンドン,セント・ジョンズ・スミス・スクエア(ブランデンブルク協奏曲)
PROC-1964/6 (P)1978,1981 Decca Music Group Limited (国内盤)
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus Vol.22
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤。マリナー氏2回目の録音で,ブランデンブルク協奏曲のソリストに,ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン),ミカラ・ペトリ(リコーダー),ハインツ・ホリガー(オーボエ),ジャン=ピエール・ランパル(フルート),ジョージ・マルコム(ハープシコード)などの名手を迎えた名盤。ブランデンブルク協奏曲の方は昔発売されていたディスクを持っていて一度レビューしています(→こちら)。今となっては古さも感じる演奏ですが,当時としてはこれがスタンダードだったのだと思いますし,モダン楽器での演奏としては今でも十分に楽しめる内容です。

録音も「アナログ録音末期の優秀録音」というだけあってシルキーで滑らか,残響は少しあるものの控え目であり,当時のフィリップス録音らしく個々の楽器の音を大事に扱い分離良く見通し良く録った好録音です。正直なところもう少し高域の伸び,輝き,透明感が欲しいところでちょっと地味な感じですけどね。ちょっとオマケですが四つ星半です。

久しぶりに聴きましたけど,なんだか懐かしくホッとしました。

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35(ジャナンドレア・ノセダ指揮/トリノ・レッジョ劇場管弦楽団)

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ジャナンドレア・ノセダ指揮/トリノ・レッジョ劇場管弦楽団
2015年4月13日 トリノ,レッジョ劇場
FONE148SA (P)(C)2015 Audiophile Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。今回は録音についてのみコメントします。

2015年トリノでのライヴ録音で,会場の雑音や,譜面をめくる音など演奏者の発する雑音なども入っています。最後に拍手も入ります。

それにしてもこの生録的超リアルサウンドは今どき本当に珍しいですね(オーディオ的優秀録音という意味ではありません,念のため)。残響は皆無と言っても良いくらいで,それぞれの楽器の音を生々しく捉えています。演出感ゼロ,私の好きなタイプの録音ですが,ちょっとこれは極端ですね(^^;。

そして,残念なことに全くヘッドホン聴取に向きません。例えばソロ・ヴァイオリンが左チャンネルに偏り過ぎて,ヘッドホンで聴くと極めて不自然に聴こえます。不自然なだけならまだしも気持ち悪いのがNGです。スピーカ聴取では問題ないにしてもこれはあまり良い編集状態とは言えません。せっかく面白い録音なのに,このマスタリング(またはマイクセッティング?)には首をかしげざるを得ません。もったいないです。

ムラヴィンスキー・イン・モスクワ 1965 & 1972

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ムラヴィンスキー・イン・モスクワ 1965 & 1972
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
SC503 (P)(C)2015 Scribendum Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆~★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

1965年と1972年のモスクワでのライブを集めた7枚組。元々1965年と1972年は別々のセットで販売され,ベストセラーだったとのことで,お持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

CD1の1曲目に収録されているのは先日紹介したルスランとリュドミーラとおそらく同じ演奏で,そのディスクの演奏はほとんどこのセットにも収録されているようです。

収録曲目は上に挙げたURLをご参照いただくとして,このセットはスクリベンダム・レーベルによる入念なリマスタリングが行われたということで,私の持っているビクターのCDに比べて,確かに大幅に音質が改善されていることがわかりました。ビクターのものはコンプレッサーをかけたかのごとく飽和感と音のつぶれがひどかったものが,極めて自然で鮮明な音で普通に楽しめる音で蘇っています。これはうれしいですね。

総じて1965年のものが良く,1972年のものはあまり冴えません。1965年のものでもマスターの状態による差か,大きく出来に幅があり例のルスランとリュドミーラやシベリウスの交響曲第7番などはかなり出来が良く,中にはシンバルが耳に痛いくらい高域が刺激的なものや,マスターテープの劣化によるドロップアウトが感じられるものもありました。

1965年の録音は生録的な演出感のない自然な音響が良く,音が鮮明でそれぞれの楽器の質感が良く感じられます。さすがにオーディオ的なクオリティは良くないのですが,この生々しさは近年の録音では滅多に(というか全く)お目にかかることのできないインパクトのあるものです。ムラヴィンスキーの貴重な演奏がこのような録音で残されたことに感謝です。1972年の方は残念ながら普通の録音に近く,生々しさはほとんど感じられず,録音自体もちょっとしょぼい感じです。こちらも1965年の録音のように残ってくれていたら良かったのにと少し残念です。

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ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルの「ルスランとリュドミーラ」

昨日紹介したムラヴィンスキー管弦楽名品集に収録されているのと同じと思われる演奏の音源がYouTubeにアップされているのを,いつもTwitterでお世話になっている方が紹介してくださいました。よろしければご試聴ください。



これが私の「爆演」の基準です(^^;。

ルスランとリュドミーラ ~ ムラヴィンスキー管弦楽名品集(エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団)

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ルスランとリュドミーラ ~ ムラヴィンスキー管弦楽名品集
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

1965年2月 モスクワ音楽院大ホール(ライヴ)
VDC-1115 (P)1986 ビクター音楽産業株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Amazon.co.jp

古いディスク続きで失礼します。これも学生時代にLPで持っていてよく聴いていました。当時から有名な演奏だったと思いますのでご存じの方も多いのではないでしょうか。収録曲は下記の通りです。

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲
ムソルグスキー:モスクワ河の夜明け
リャードフ:鬼婆(ババ・ヤガ)作品56
グラズノフ:フラグメント第10番
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
シベリウス:トゥオネラの白鳥作品22-2
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲

アルバムのタイトルでもある「ルスランとリュドミーラ」がド迫力の凄まじい演奏です。最初にこれを聴いてしまったらもう他の演奏はヌルくて聴いてられません(^^;。麻薬のような爆演です。レニングラード・フィルの力量を誇示するためのデモンストレーションなのかもしれません。一般にとてもお勧めできるものではありませんが(特に最初にこの演奏に触れるのは全くお勧めできません),一聴の価値アリです。久しぶりに聴いて熱くなってしまいました!

録音ですが,拍手の入る古いライヴ録音で,録音のクオリティは決して良くはありません。残響は多めですが高域は強調されていて曇っておらず,帯域バランスの著しく崩れた音色ながらストレスなく聴くことが出来るという点では良いと思います。

このディスクは1980年代に発売されたものですが,その後再発売されたのかはよくわかりませんでした。

タグ: [管弦楽曲] 

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」,他(ワレリー・ゲルギエフ指揮/マリインスキー劇場管弦楽団)

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」
バラキレフ:イスラメイ
ワレリー・ゲルギエフ指揮/マリインスキー劇場管弦楽団
2001年11月 サンクトペテルブルク
UCCD 50010 ユニバーサルミュージック (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

くるみ割り人形が良かったので別の曲もと思い聴いてみました。この怒濤のごとく押し寄せる凄まじいサウンドは圧巻! ですが,この密度の高い濃厚な音響はかなり人工的な印象を受けます。残響もどこか不自然であり,まるでコンプをかけて音圧を稼いだような無理矢理詰め込んだ強奏部はすごく圧迫感があり,広がりを感じません。

この曲らしい絢爛なサウンドを目指したのかもしれませんが,これはちょっとやり過ぎだと思いました。残念。HMV OnlineiconAmazon.co.jpのレビューも見てみましたが,録音に関して賛否両論ですね。

タグ: [管弦楽曲] 

チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」全曲(ワレリー・ゲルギエフ指揮/マリインスキー劇場管弦楽団)新旧録音比較

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チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71全曲
ワレリー・ゲルギエフ指揮/マリインスキー劇場管弦楽団
1998年8月 バーデン=バーデン,祝祭劇場
UCCD 2120 ユニバーサルミュージック (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71全曲
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36
ワレリー・ゲルギエフ指揮/マリインスキー劇場管弦楽団
2015年6月16日,12月30日(くるみ割り人形) 2015年6月10日,9月29日(交響曲第4番)
MAR0593 (P)2016 State Academic Mariinsky Theatre (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ゲルギエフは1998年に全曲版を録音していましたが,17年ぶりに再録音されました。オーケストラは同じマリインスキー劇場管弦楽団。このくるみ割り人形はマリインスキー劇場の委嘱で作曲され,1892年に初演されたそうで,これはその125周年の記念として録音されたとのことです。

1998年の録音は全曲にも関わらずCD 1枚に収録されています。このテンポで本当にバレエが踊れるのだろうかというくらい速い曲もあり,全体にちょっと落ち着かない感じはあるものの,そういうことを抜きにして音楽そのものは推進力,勢いがあります。

一方今度の新しい録音はそれと比べると随分と落ち着いたテンポであり,音楽自体も角が取れて随分と柔らかく優しい印象を受けます。同じ指揮者,オーケストラの顔合わせとは思えないくらい変わっています。新しい録音の方が実際に踊るバレエ音楽として適切なんだろうな,と思います。実演を繰り返し積み重ねて作り上げられた音楽ということでしょうね。

さて録音ですが,1998年録音は残響控え目で個々の楽器の質感を比較的強めに捉え,明瞭でくっきりしています。質的には少し粗い気もしますし,やや音色が刺激的ですが,このような録り方なのでそう聴こえるのかもしれません。少し誇張された感はありますが,好録音です。

一方新しい録音の方ですが,ホールのちょうど中央あたりで聴いているような印象を受ける音場感を持った録音です(残響量はそれほど多くありません)。直接音と間接音のバランスが絶妙で,響きが音色に影響を与えているにも関わらず悪い印象を受けないのは,ホール感の自然さ故ではないかと。また音が滑らかで,いまどきの優秀録音という感じがします。録音レベルが少し低めであり,また,音場型の録音ということもあって,少し大きめの音量で聴くと気持ちよく聴けます。このような音場型録音は私の好みからは少し外れますし,音のヌケ,高域の伸びがもう少し欲しいとは思いますが,これならまあ良いのではないかと思います。

私の好みからすると演奏も録音も1998年の方が好きですかね。

R. シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」,交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」,「ばらの騎士」組曲(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/NHK交響楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」作品35
R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
R. シュトラウス:「ばらの騎士」組曲
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/NHK交響楽団
2015年10月14,15日 東京,サントリーホール
SICC 19020 (P)2016 Sony Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ドン・キホーテのチェロはトルルス・モルク,ヴィオラは佐々木 亮が担当されています。P. ヤルヴィとN響のR. シュトラウス・ツィクルスは,ドン・ファン,英雄の生涯に続く第2弾ですね。R. シュトラウスはオーケストラの巧さが演奏の出来に直結すると思うのですが,そこはさすがN響です。ちょっと真面目すぎてもう少し茶目っ気があっても良いのかなとは思いますが,そこは指揮者の趣味ですかね(^^;。

録音ですが,ドン・ファン,英雄の生涯と同じ傾向の録音ではあるものの,今回の方が少し残響を抑えてすっきりとさせクリアになっているように思います。演出色が少なく音色も自然なところは好感が持てます。もう少し寄って質感を強めに出して欲しいというのと,ダイナミックレンジを広く取りすぎていて少し大きめの音量で聴かないと物足りなく感じられるというところでしょうか。基本的には良いと思うので,あと一歩頑張ってくれればと思います。次作にも期待!

ホルスト:組曲「惑星」(佐渡裕指揮/NHK交響楽団)

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ホルスト:組曲「惑星」
佐渡裕指揮/NHK交響楽団
2005年6月27日 東京オペラシティ コンサートホール タケミツメモリアル
第21回<東京の夏>音楽祭2005におけるライヴ録音
AVCL-25509 (P)(C)2005 AVEX ENTERTAINMENT (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

この鳴りっぷりの良さ,ライヴとは思えない巧さはさすがN響です。そしてこの録音がまた良いのです。残響を抑えたややデッドな録音ですが,個々の楽器の質感をよく捉えており,キレの良い締まった,そしてスケールの大きいサウンドも良いです。演出感のない生録的な自然さも特長ですが,どこか吹奏楽コンクールの録音を聴いているような感じもあってクラシックの録音らしくないので,あまり評価されないかもしれません。私は好きですが。

これはなかなか楽しめました。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(シトコヴェツキー編曲 弦楽合奏版)(シュトゥットガルト室内管弦楽団)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(シトコヴェツキー編曲 弦楽合奏版)
シュトゥットガルト室内管弦楽団 Stuttgart Chamber Orchestra
録音不明(明記なし)
KICC 341 (P)2001 King Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

私の記憶では弦楽合奏版としては元祖のニュー・ヨーロピアン・ストリングス(NES)盤に続いて2つめの録音だと思います(違ったらごめんなさい)。編成は不明ですが,解説書の写真を見ると18名で,NESよりも4名ほど多いくらいなので,中規模の弦楽合奏ですね。なお,こちらの演奏ではハープシコードが加わっておらず純粋に弦楽器のみです。

こちらの演奏はNESに比べると随分と真面目できっちりと落ち着いており,躍動感や自由闊達さはあまりないものの,緻密なアンサンブルから生まれる柔らかく温かい響きはさすが名門というところです。NESとはかなり方向性が異なりますが,このような演奏もモダン楽器の弦楽オーケストラらしくて素敵ですね。

リピートはきっちり全部やっているかと思いきや,第13変奏の後半だけ省略されていました。おそらくCD 1枚に収めるために泣く泣くカットしたのではないかと思いますが,何とも惜しいことです。

録音ですが,少し残響を少し取り込んでいますが,残響というか収録場所の空間を感じさせるような音響で少し癖があります。ソロはまだ良く合奏の方が気になります。決して悪くはなく残響や響きが気にならない方にとっては問題ないレベルだとは思いますが,もう少しすっきりと抜けよく録ってくれれば良かったのにと少々残念です。

演奏時間 約79分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○× Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○○

さてこのディスク,廃盤となってから久しいようで,入手困難ではないようですが入手しづらいようです。良質な演奏だと思いますので,復刻して欲しいところですね。タワーレコードの出番だと思うのですが(^^; いかがでしょうか?>タワーレコード様。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(シトコヴェツキー編曲 弦楽合奏版)(ニュー・ヨーロピアン・ストリングス)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(シトコヴェツキー編曲 弦楽合奏版)
ニュー・ヨーロピアン・ストリングス NES Chamber Orchestra
ドミトリ・シトコヴェツキー Dmitry Sitkovetsky (コンサートマスター)
1993年10月 ハンブルク,フリードリヒ・エーベルト・ホール
WPCS-5004 (P)(C)1995 Nonesuch Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

シトコヴェツキー編曲の弦楽合奏版も今では何種類かの録音がありますが,これが元祖ですね。編成は[4-4-3-2-1]で,ハープシコードが加わっています。変奏毎に合奏になったり,パートトップによるソロになったり,繰り返しで編成を変えたりと変化に富んでいます。この演奏の良いところは何といっても音楽が生き生きとして喜びに溢れているところです。個々の演奏者の自発性・積極性がそのまま音楽に反映されているように感じられます。これがこの演奏の素晴らしいところですね。リピートの省略が多いのが少し残念なところです。

録音ですが,弦楽合奏の録音としては標準的ですが,個々の奏者の集合体としてサウンドが構築されているというのがわかるような,小編成の良さを活かす録り方は好感が持てます。残響は控え目に抑えられているものの,少し楽器音への被りがあってモゴモゴとして精彩がないのが本当に惜しいところです。

演奏時間 約60分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○× Var.03 ○×
Var.04 ○○ Var.05 ○× Var.06 ○○
Var.07 ×× Var.08 ○× Var.09 ○×
Var.10 ○○ Var.11 ×× Var.12 ××
Var.13 ×× Var.14 ○○ Var.15 ○×
Var.16 ○○ Var.17 ×× Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○×
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○×
Var.25 ×× Var.26 ×× Var.27 ××
Var.28 ○× Var.29 ○× Var.30 ○○
Aria da capo ××

このディスクはまだ現役盤として入手が可能のようです。

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」,他(ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮/パリ管弦楽団)

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲作品34
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮/パリ管弦楽団
録音 1974年,1976年,1977年
TDSA-12(WQCG-19) Warner Music Japan ※タワーレコード企画盤
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

言わずと知れた名盤。以前,東芝EMI時代の国内盤を取り上げていました。昨年,タワーレコードの企画盤,TOWER RECORDS Definition SeriesとしてSACDハイブリッドで復刻されていたことに気づき,これは聴いてみなければということで入手しました。

音源は本国(?)より取り寄せた96kHz/24bitのWAVデータから,SACD層用とCD層用とを個別にマスタリングしたとのことですので,今回はSACD層も含めて音質を確認してみました。

まず従来のCDとの比較では,若干の鮮度の向上が感じられること,中低域の充実度が上がったことが改善点でしょうか。そして,CD層とSACD層との比較では,SACD層の方がより音に精彩があり,立体感が感じられました。CD層はやや平板でした。SACDでなければこの立体感が出せないのかどうかは私にはわからないのですが,確かに差が感じられました。このディスクはSACDで楽しみたいものです。

ということで,この名盤がより音質が良い状態で復刻されたことを喜びたいと思います。

タグ: [管弦楽曲] 

バッハ:カンタータのシンフォニア,コンチェルト,ソナタ集(オッターヴィオ・ダントーネ指揮/アカデミア・ビザンティーナ)

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バッハ:カンタータのシンフォニア,コンチェルト,ソナタ集
オッターヴィオ・ダントーネ指揮/アカデミア・ビザンティーナ
2011年1月 ラヴェンナ,聖ジローラモ教会
4782718 (P)(C)2011 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazonHMV Onlineicone-onkyoApple Music

私はカンタータは全く聴かないのですが,カンタータに含まれる器楽曲が集められているということで聴いてみました。無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番Preludio(#29),ブランデンブルク協奏曲第1番第1楽章(#52),同第3番第1楽章(#174)などの別編曲バージョン?やその他にも耳にしたことのある楽曲がいくつかありましたが,ほとんどは初めて聴く曲で興味深く聴かせていただきました。ダントーネの弾くオルガン・ソロも聴きものです。

そして録音なのですが,残響は控え目で整理された綺麗なサウンドが気に入りました。ちょっと綺麗にまとめ過ぎている気もしますし,もう少し生々しさが欲しいなと思うところもありますが,鑑賞を阻害する要素がほとんどない,欠点の少ない好録音だと思います。こういう録音はオーディオ的にはあまり評価されないかもしれませんが,私は好きです。

大植英次指揮/ミネソタ管弦楽団のReference Recordings録音から

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レスピーギ:「シバの女王ベルキス」組曲
レスピーギ:地の精の踊り
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
大植英次指揮/ミネソタ管弦楽団
2001年5月28,29日 ミネアポリス,オーケストラ・ホール
RR-95CD (P)(C)2001 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazonHMV Onlineicone-onkyoApple Music
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ストラヴィンスキー:「火の鳥」組曲(1919年版)
ストラヴィンスキー:交響詩「うぐいすの歌」
ストラヴィンスキー:春の祭典
大植英次指揮/ミネソタ管弦楽団
1996年1月18-20日 ミネアポリス,オーケストラ・ホール
RR-70CD (P)(C)1996 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazonHMV Onlineicone-onkyoApple Music

以前紹介したR.シュトラウス:英雄の生涯,「影のない女」組曲の録音が良かった大植英次指揮ミネソタ管弦楽団のReference Recordingsへの録音をもう2つ聴いてみました。

いずれもすっきりとした音調で楽器音の綺麗さが際立っていますし,特にストラヴィンスキーの方は低域の伸びとエネルギー感が良いと思いました。一方で,楽器音の質感は弱めであり,また,立体感,広がり感も控え目で,やや不満が残る面もあります。とはいえ,これはなかなかの好録音ではないかと思っております。

CDの他に,DVD-ROMによるハイレゾ音源の販売もあるようで,参考に挙げたe-onkyoの音源はこちらのものではないかと思います。

フィンジ:INTROIT(入祭唱~フィンジの音楽)(ニコラス・コロン指揮/オーロラ管弦楽団)

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フィンジ:INTROIT(入祭唱~フィンジの音楽)
ニコラス・コロン指揮/オーロラ管弦楽団
2015年7月,8月 イギリス,クロイドン,フェアフィールド・ホール
4789357 (P)2016 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

Apple Musicでの試聴です。いつも参考にさせていただいているクラシック音楽CDの雑談で知ったディスク。ジャケ買いならぬジャケ聴きです(^^;。ジェラルド・フィンジはイギリスの作曲家(1901-1956)で,このディスクでは,編曲版を含めて室内オーケストラの作品を収録しています。(曲目等の詳細は前記のサイトをご参照ください...手抜きですみません)。

フィンジは初めて聴くのですが,郷愁を誘う,ほのぼのする音楽ですね。ジャケットデザインに影響されたわけではないのですが,深まりゆく秋のイメージです。そして底に綿々と流れる「英国」的品格も良いと思います。これはなかなかの掘り出し物でした。

録音ですが,残響感はあまり感じられず,個々の楽器の音色,質感がよく感じられる良好な録音に思います。特に特徴のある録音ではないのですが,ごく自然なイメージであり,欠点があまりありません。こういう何気ないのが実は意外に良いのですよね。

シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集(ネーメ・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集(7CD)
ネーメ・ヤルヴィ指揮 Neeme Järvi
エーテボリ交響楽団 Gothenburg Symphony Orchestra
1992-1996年(管弦楽曲),2002-2005年(交響曲)
00289 477 6654 (P)2007 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

長い間気になっていたのになかなか手を出せていなかったディスクをようやく入手しました。ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団の2度目の交響曲全集と管弦楽曲を組み合わせたシベリウス没後50年?!企画盤。

さすがに手慣れているだけあってオーソドックスでそつなく高い水準でまとめているように思います。オーケストラの精度がわずかに気になる瞬間はあるものの,ほぼ問題ありません。全く違和感なくすんなりと聴けるのはさすがです。そこが安心感につながり,また,少し物足りなく感じるところでもあります。最近立て続けに優れた演奏に触れたので,どうしてもそれらと比べてしまって...良い全集だと思いますよ。

録音ですが,これは良くも悪くもドイツ・グラモフォンのオーケストラ録音だなぁと思います。残響は多めですが,直接音とのバランスは上手く取られているので欠点が少なく悪くありません。個人的にはもう少し楽器の質感を強めに,生々しさ,鮮明さを出して欲しかったなと思います。惜しいところです。

R. シュトラウス:ドン・ファン,死と変容,ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら(マンフレート・ホーネック指揮/ピッツバーグ交響楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」作品20
R. シュトラウス:交響詩「死と浄化」作品24
R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
マンフレート・ホーネック指揮/ピッツバーグ交響楽団
2012年6月8-10日 ピッツバーグ,ハインツ・ホール
FR707SACD (P)2013 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ホーネック指揮ピッツバーグ交響楽団のディスクをもう一つ。演奏と録音の傾向は先に取り上げたドヴォルザーク交響曲第8番と同じです。ゴージャスなサウンドで見事に本領が発揮されています。理屈抜きに楽しめます(^^。

タグ: [管弦楽曲] 

ドヴォルザーク:交響曲第8番,ヤナーチェク:「イェヌーファ」組曲(マンフレート・ホーネック指揮/ピッツバーグ交響楽団)

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ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88
ヤナーチェク:「イェヌーファ」組曲
マンフレート・ホーネック指揮/ピッツバーグ交響楽団
2014年12月5-7日 ピッツバーグ,ハインツ・ホール
FR710SACD (P)2014 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Music

先入観で聴いてはいけないと思いつつ,スラブ的でもなく,「イギリス」的でもなく,これはやはりアメリカ的ドヴォルザークだと思う。先日取り上げたベートーヴェン交響曲第5番,第7番と似たアプローチですが,もう少し自由さと「遊び」があるように思います。好き嫌いが分かれそうな演奏ですね。私は結構好きな方です。

録音ですが,ベートーヴェン交響曲第5番,第7番で感じたやり過ぎ感はなく,ぎりぎりのところで上手くバランスを取っていると思います。残響はやはり多く(しかもワンテンポ遅れてやってくる感じも同じ),密度感,詰め込み感はあるのですが,逆に飽和感はなく,音色を少しドライな方向に振っているため,比較的聴きやすく仕上がっています。演出感もあまりないのは良いと思います。私の好みからするともっとすっきりと録って欲しいところなのですが,これならまずまずですし,優秀録音と評価される方もいらっしゃるでしょう。

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集(ミヒャエル・ホーフシュテッター指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団)

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メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集
ミヒャエル・ホーフシュテッター指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団
2007年9月,11月, 2008年3月,9月,11月 シュトゥットガルト・ボートナング・リーダークランツハレ
C 763 093 D (P)(C)2009 ORFEO International Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

この弦楽のための交響曲は,メンデルスゾーンが12歳から14歳にかけて作曲した作品で,第1番から第6番は演奏時間がだいたい10分程度の小曲ですが,第7番以降は20分を越え,第11番に至っては40分近くという大作です。中学生くらいの少年が書いた作品ですが,充実した立派な曲集ですね。

少し前にアヒム・フィードラー指揮/ルツェルン祝祭弦楽合奏団の全集を取り上げましたが,これも同時期にメンデルスゾーン生誕200年記念としてリリースされたもののようです。室内管弦楽団の比較的小編成の演奏ながら,小編成とは思えないシンフォニックでスケールの大きな響きを出しています。そして音楽が生き生きと躍動感にあふれているのが素晴らしいです。オーケストラも上手く完成度が高い全集だと思います。

録音ですが,かなり残響が多いのですが,直接音成分の比率がそこそこあるために音の曇りは少なく,弦楽器の魅力を十分に伝えてくれる録音だと思います。もしかしたらイコライジングで少し高域を持ち上げて音色のくすみを緩和しているかもしれません。そんなように聴こえます。私にとってはやはり残響が多すぎます。ただ多くの方には受け入れられる録音かもしれません。

テラーク録音の好き・嫌い ~ リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」(チャールズ・マッケラス指揮/ロンドン交響楽団)

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲 作品34
サー・チャールズ・マッケラス指揮/ロンドン交響楽団
Walthamstow Town Hall, London, England on March 12-14, 1990
CD-80208 (P)(C)1990 TELARC (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

テラークは優秀録音で有名なレーベルですのでご存じの方も多いと思います。その昔,チャイコフスキーの1812年のLPレコードの大砲の音がすごいと話題になっていたこともありました。しかし私自身は実のところあまりテラークの録音が好きになれず避けてきました。先日取り上げたロストロポーヴィッチののシェエラザードを聴いて,他の演奏も聴いてみたくなってApple Musicで物色して選んだのが実はこのディスクです。これはもしかしたら...と思ったのです。

で,ディスクが届いて聴いているのですが,半分は期待通り,半分は「あぁ,やっぱりテラークだ...」と思ってしまいました。テラークの好きなところは音色が自然で色づけが少ないところ,演出感が少ないところでしょうか。そして嫌い(というか好きでない...同じか)なところは,ダイナミックレンジを広くとりすぎているところですね。大音量のところでボリューム調整すると普通の音量のところが小さすぎてもの足りず,普通の音量のところが気持ちよく聴こえるようボリューム調整すると大音量のところが大きくなりすぎて思わずボリュームを絞ってしまうのです。

また,ワンポイント録音のような録り方をしているのか,全体のまとまりは良いのですが,個々の楽器の質感が弱く分離感も弱いため,少し物足りずもどかしく思うのです。

これが本来の音のバランスに近いのかもしれませんし,その意味では良質な録音と言えるのではないと思います。ただ,私としてはもう少し楽器の質感が強めに誇張され,ダイナミックレンジも広すぎない方が聴きやすいと思うのです。防音がきちんとなされたリスニングルームがあって大音量で遠慮なく聴ける環境があるなら楽しめるのかもしれません。ヘッドホンで少し大きめのボリュームに設定して聴くといい感じにになるのですが,大音量のところが少々つらいのです(今まさにヘッドホンで大音量に耐えて聴きながら書いています...(^^;)。

とはいえ,こういうダイナミックレンジの広い録音はハイレゾ時代の今でこそ生きてくる録音だなとは思いますね。

タグ: [管弦楽曲] 

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」(ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮/パリ管弦楽団)

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮/パリ管弦楽団
1974年7月 Salle Wagram, Paris
TOCE-7034 東芝EMI株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

言わずと知れた名盤。少し前のNHKのらららクラシックで取り上げられていて久しぶりに聴きたくなり棚から引っ張り出してきました。アナログ盤の時代から愛聴してきたディスクで,この曲はこの演奏で耳が出来てしまっています(^^;。ドラマティックで怒濤のように展開していく壮大な音絵巻。油絵の具で塗りたくられたようなこの絢爛なコテコテ感がこの曲にピッタリで素晴らしいです。

そしてこのコテコテ感は録音に負うところも大きいと思います。それぞれの楽器を色濃く捉えているためです。ここに自然さはなく誇張された印象が強いのですが,舞台芸術を見ているような錯覚に陥る効果があって,これはこれで十分にアリだと思います。好録音と言えるか微妙ですが,EMIとしてはかなり良好な録音に入ると思いますし,残響まみれのくすんだ音質ではなく,この曲にふさわしい音質で録られたことを感謝したいですね。

タグ: [管弦楽曲]