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チャイコフスキー:交響曲第4番,ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ジャナンドレア・ノセダ指揮/ロンドン交響楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)
ジャナンドレア・ノセダ指揮/ロンドン交響楽団
2017年10月29日&11月1日, 2018年6月3日 ロンドン,バービカン・ホール
LSO Live LSO0810 (P)(C)2018 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

LSO Liveは残響が少なくドライな録音が多いので比較的好きかなと思うのですが,中には音が硬すぎたりドライ過ぎてカサカサしていたり,音に伸びがなかったり,ステージ感が希薄だったり...ちょっと違うなぁと思うものも多いです。そんな中でこの録音は少しその傾向はあるものの,かなり良い方かなと思いました。楽器音が締まっており,フォルテになっても弦楽器がかき消されるようなこともなく,また,ステージ感,分離感も適度にあります。エネルギーに満ちた迫力のあるサウンドがなかなか良いと思いました。

ノセダ指揮ロンドン交響楽団のチャイコフスキーはもうすぐ交響曲第5番が発売になるのでこれも楽しみです。

[Note]
Nicholas Parker producer & audio editor
Classic Sound Ltd recording, editing and mastering facilities
Jonathan Stokes for Classic Sound Ltd balance engineer, audio editor & mixing (Symphony No 4)
Neil Hutchinson for Classic Sound Ltd balance engineer, audio editor & mixing (Pictures at an Exhibition)
Jonathan Stokes for Classic Sound Ltd mastering

チャイコフスキー:交響曲全集・管弦楽曲集(ドミトリー・キタエンコ指揮/ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲全集・管弦楽曲集
ドミトリー・キタエンコ指揮/ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
2009-2013å¹´
OC 027 (P)2009-2013 (C)2015 OehmsClassics Musikproduktion (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

HMV Onlineiconの在庫特価で安価であったことと,Apple Musicで比較的録音が良さそうと思ったので入手しました。収録曲は下記の通りです。マンフレッド交響曲や補筆完成版の第7番も含まれます。

マンフレッド交響曲ロ短調作品58 (2009年3月29-31日)(*)
交響曲第1番ト短調作品「冬の日の幻想」(2009年11月8-10日)(*)
交響曲第2番ハ短調作品17「小ロシア」(2009年8月)(**)
交響曲第3番ニ長調作品29「ポーランド」 (2010年11月)(**)
交響曲第4番ヘ短調作品36 (2010年11月)(**)
交響曲第5番ホ短調作品64 (2011年3月20-22日)(*)
交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」 (2010年1月)(***)
交響曲第7番変ホ長調(ボガティレフによる補筆完成版)(2012年4月)(*)
劇付随音楽「雪娘」作品12より 序奏/メロドラマ/スコモロフたちの踊り (2011年12月)(**)
ロココの主題による変奏曲イ長調作品33 (2012年3月)(**)
弦楽四重奏曲第1番ニ長調より「アンダンテ・カンタービレ」弦楽合奏版 (2012年3月)(**)
組曲「眠りの森の美女」作品66aより序奏とリラの精/パ・ダクシオン/パノラマ/ワルツ (2011年12月)(**)
イタリア奇想曲 Op.45 (2011年12月)(**)
歌劇「スペードの女王」作品68より序曲 (2011年3月)(**)
ピアノ協奏曲第3番変ホ長調作品75 (2013年5月)(*)

(*)ケルン,フィルハーモニー
(**)ケルン,WDRストルベルガー通りスタジオ
(***)ケルン,ビューネン,プローベンザール

演奏は落ち着いたというか地に足の付いた堅実なもので,少し遅めのテンポでじっくりと丁寧に演奏されているように思いました。鳴らすところはしっかりと堂々と迫力のある音で鳴らしていますが,荒げるような表現ではありません。最初は少し物足りないようにも感じましたが,実は,これこそが正統派の演奏ではないだろうかと思いました。良かったです。

録音ですが,少し残響は多めですが,弦楽器の質感もきちんと感じられ,中低域も豊かでありながら締まっています。演出感も少なめで素朴な感じのする録音でありこの点も好感を持ちました。録音会場がいくつかに分かれておりケルン,フィルハーモニーで録音された第5番やマンフレッド交響曲などが,この中では比較的良かったと思いました。

オリヴァー・デイヴィス:エア(ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,他)

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オリヴァー・デイヴィス:エア
ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,他
2021年11月24,25日 Air リンドハースト・スタジオ
SIGCD709 (P)(C)2022 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

オリヴァー・デイヴィスは映画や放送の音楽も手がける英国の現代の現役作曲家です。私は現代音楽が苦手であまり聴きませんが,この作曲家の作品は聴きやすく,以前も下記のエントリーで取り上げていました。

英国の現代の作曲家 オリヴァー・デイヴィスの作品集
オリヴァー・デイヴィス:アンノ,ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」

このアルバムはSignumレーベルからの7枚目となります。演奏はオーケストラのほかに,ピアノ,ヴァイオリン,チェロに加え,テノール,ソプラノの歌手,ザ・ハンク・ブラザーズというアンサンブル団体も参加されていて,管弦楽から室内楽的な音楽まで変化があり今回も楽しめるアルバムになっていました。

そして録音なのですが,スタジオで録音されているようで,直接音主体に各楽器を明瞭に録っていて好感が持てます。クラシック音楽的な録り方ではないような感じもあるので好みが分かれるところだと思いますが,私はむしろこういう方が好きで良いと思いました。

今後の作品にも期待します。

R. シュトラウス:管弦楽曲集(セバスティアン・ヴァイグレ指揮/フランクフルト歌劇場管弦楽団)

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R. シュトラウス:管弦楽曲集
セバスティアン・ヴァイグレ指揮/フランクフルト歌劇場管弦楽団
2011-2018年 フランクフルト,アルテ・オーパー
OC003 (C)2020 OehmsClassics Musikproduktion (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

輸入元情報によると,このボックスセットは,2014年に「リヒャルト・シュトラウス生誕150年」を記念して立ち上げられたプロジェクトによるものということで,2011年から2018年にかけて収録されたものということです。収録曲は次の通りです。交響曲第2番というのは初めてかもしれません。あまり聴く機会のない珍しい曲も含まれていますね。

交響詩「英雄の生涯」作品40 (2011年6月19,20日)
交響詩「マクベス」作品23 (2013年5月26,27日)
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」作品28 (2013年5月26,27日)
家庭交響曲作品53 (2012年1月15,16日)
交響詩「ドン・ファン」作品20 (2015年3月8,9日)
交響曲第2番ヘ短調作品12 (2014年3月2,3日)
アルプス交響曲作品64 (2015年11月1,2日)
交響詩「死と変容」作品24 (2015年3月8,9日)
交響的幻想曲「イタリアより」作品16 (2017年6月25,26日)
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30 (2018年3月18,19日)
交響詩「ドン・キホーテ」作品35 (2018年3月18,19日)

録音については,ややダイナミックレンジを圧縮したような感じがありますが,隈取りがはっきりしているという感じで各楽器が明瞭に分離良く聴こえてくるようで,ちょっと誇張気味かなと思うところもありますが,特にR. シュトラウスのような曲においてはより聴きやすく効果的で好ましく思いました。特に優れた録音ということはないと思いますが,R. シュトラウスの楽曲にふさわしい好録音と思います。

バッハ:管弦楽組曲全曲(オリジナル版)(ラルス・ウルリク・モルテンセン/コンチェルト・コペンハーゲン)

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バッハ:管弦楽組曲全曲(オリジナル版)
ラルス・ウルリク・モルテンセン/コンチェルト・コペンハーゲン
November 20-24, 2021 The Garnisson Church, Copenhagen
cpo 555 346-2 (O)2021 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

同曲のオリヴィエ・フォルタン/アンサンブル・マスクの初期稿再現版のコメントでブログ読者の方からご紹介いただいたディスクです(有り難うございました)。この団体のブランデンブルク協奏曲全曲を以前紹介していました。

これもオリジナル版ということで室内楽的な小編成による演奏ですが,第2番ではフルートが使用されているので第3番以外は一般的な編成での演奏と近い印象です。第3番は弦楽と通奏低音なので,アンサンブル・マスクの演奏と同様,一般的な編成での演奏とは全く違いますね。この演奏も快活でキレがあり大変良かったです。

録音も大変良く,アンサンブル・マスクの録音も良かったのですが,こちらの方がより個々の楽器が克明で分離しており,また音色も色づけや癖がなく,音のヌケ,キレも申し分ありません。特に第3番は五つ星を付けても良いくらいでした。

大変楽しい演奏が良い録音でリリースされたことに感謝!です。

バッハ:管弦楽組曲全曲(初期稿再現版)(オリヴィエ・フォルタン/アンサンブル・マスク)

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バッハ:管弦楽組曲全曲(初期稿再現版)
オリヴィエ・フォルタン/アンサンブル・マスク
2021年2月 フランス,ポワチエ・テアトル・オーディトリアム
ALPHA 832 (P)(C)2022 Alpha Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

詳細がよくわかっていませんが,輸入元情報によると,現在普通に演奏されている編成の原型とされる弦楽とオーボエを中心とした編成で再現した演奏ということです。具体的には次の編成で演奏されています。

第1番 オーボエ2, ファゴット1,弦楽,通奏低音
第2番 オーボエ1,弦楽,通奏低音
第3番 弦楽,通奏低音
第4番 オーボエ3, ファゴット1,弦楽,通奏低音

弦楽も1パート1人での演奏なので,室内楽的です。特に第3番は弦楽と通奏低音だけなのでなおさらです。私としてはこの弦楽中心に演奏される第3番がいつも聴く演奏と全く異なる趣で特に気に入りました。この第3番は愛聴曲になりそうです。

録音ですが,残響が多めに取り込まれているものの各楽器の直接音中心にサウンドが構成されているため,かなり鮮明です。少しキツめでキンキンしがちなのでちょっと刺激的過ぎると思われるかもしれません。もう少しキツくなる中高域を抑え気味にしても良かったのではないかと思いましたが,キレのある明瞭なサウンドなので良いかなと思います。

R. シュトラウス:管弦楽曲集(アンドリス・ネルソンス指揮/ボストン交響楽団/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団)

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R. シュトラウス:管弦楽曲集
アンドリス・ネルソンス指揮
ボストン交響楽団/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
2017-2021年 ボストン シンフォニー,ライプツィヒ ゲヴァントハウス
486 2040 (P)2022 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

「ドン・キホーテ」でヨーヨー・マが,「ブルレスケ 」でユジャ・ワンが参加しています。2つのオーケストラは,実際にR. シュトラウスが振ったゆかりのあるオーケストラということで起用されたとのことです。収録曲と演奏しているオーケストラについては参考サイトでご確認いただければと思います。

今回は録音のみコメントします。残響は適度に抑えられ,適度な距離感で全体のまとまりと音場感のある音作りです。ドイツグラモフォンのオーケストラ録音として標準的な印象です。そつなく無難に仕上げているなという感じです。私としてはもう少し楽器の質感を強めに捉えて欲しかったと思いましたが,欠点が少なく良好な出来と思いました。どちらかといえばボストン交響楽団の録音の方がクッキリとしており,特にCD 7の「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」は低域が中高域に被らずレンジ感・量感を出していてオーディオ的にも面白い出来で良かったです。

バッハ:管弦楽組曲全曲(ジョルディ・サヴァール指揮/ル・コンセール・デ・ナシオン)

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バッハ:管弦楽組曲全曲
ジョルディ・サヴァール指揮/ル・コンセール・デ・ナシオン
1990年8月 メッツ、グランド・サル・ドゥ・ラルセナル
AVSA 9890 (P)(C)2012 Alia Vox (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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バッハ:管弦楽組曲全曲
ジョルディ・サヴァール指揮/ル・コンセール・デ・ナシオン
1990年8月 メッツ、グランド・サル・ドゥ・ラルセナル
E 8727 (P)1991 AUVIDIS ASTRÉE (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp

先日取り上げたサヴァールのベートーヴェン交響曲全集とヘンデルの水上の音楽,王宮の花火の音楽つながりでもう一つ。1992年頃発売されていたASTRÉEレーベルのディスクと,2013年にAlia Voxからリマスタリング盤として復刻されたSA-CDです。

この録音でもサヴァールの本領が発揮されていると言いますか,ティンパニーと低音パートの迫力がすごいですね。ところによって少し飽和感があるのが残念ですが,これを除けば全体を通して録音は各パートが明瞭で見通しが良くクッキリと録られているのが好印象です。少し誇張された感じがあって自然さには欠けるかもしれませんが,私はむしろこういう録音の方が好ましく思います。

2013年のリマスターSA-CD盤は,低域のレンジ感がより増し,全体にわずかに音圧が上がっているように思いました。

参加者を見ると,ファビオ・ビオンディがヴァイオリンのソロパート担当されていました。

ヘンデル:水上の音楽,王宮の花火の音楽(ジョルディ・サヴァール指揮/ル・コンセール・デ・ナシオン)

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ヘンデル:水上の音楽,王宮の花火の音楽
ジョルディ・サヴァール指揮/ル・コンセール・デ・ナシオン
1993年3月 カタルーニャ,カルドーナ城
AVSA 9860 (P)(C)2008 Alia Vox (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

先日取り上げたサヴァールのベートーヴェン交響曲全集つながりで。かつてASTRÉEレーベルから発売されていたものをリマスタリングして復刻するAlia Voxのヘリテージ・シリーズの1枚。壮麗で迫力のある演奏はこれらの楽曲の雰囲気にとても合っていて良いと思いました。

録音はカタルーニャのカルドーナ城で行われています。残響が少し多めですが,各楽器の直接音がそれなりにしっかりと捉えられているので明瞭感はまずまずです。城での録音の雰囲気を自然に上手く捉えており,演奏も含めてこの曲の持つ王宮のお祭りの臨場感を出す演出に成功していると思いました。私の好きな録音の傾向とは少し異なりますが,これはこれで良いと思いました。

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」,他(アレクサンダー・シェリー指揮/カナダ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団)

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ブードロー:コンチェルト・ドゥ・ラジール
アレクサンダー・シェリー指揮
カナダ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団

2018年2月20,21日 カナダ,ナショナル・アーツ・センター,サウザン・ホール
AN28874 (P)2018 Analekta (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ブラームス,シューマンの交響曲が良かったシェリー指揮NAC管のR. コルサコフのシェエラザードも聴いてみました。演奏はブラームス,シューマンと似た印象です。シェエラザードというと極彩色の重厚な彩感色というイメージが強いのですが,これは淡泊でスッキリと表現しているように思いました。これはこれで良いのではないでしょうか。個人的にはこういうのも好きですね。

録音もブラームス,シューマンと同様で,残響感はありますが,楽器音に大きく被ることなく明瞭感や音色は良好な部類に入ると思います。少し閉空間で鳴っているイメージを受けるので,もう少し開放感があれば,とは思いますが,やはりオーケストラ録音としては欠点が少なめで悪くないと思いました。少しドライな感じもあるので,好き嫌いは分かれそうな気がします。

交響曲ライヴ録音集~ハイドン,モーツァルト,ベートーヴェン,ブラームス(ニコラウス・アーノンクール指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団)

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交響曲ライヴ録音集~ハイドン,モーツァルト,ベートーヴェン,ブラームス
ニコラウス・アーノンクール指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
録音 1989年-2007年
ICAC5161 Ica Classics (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ヨーロッパ室内管40周年記念盤で,全曲初CD化とのことです。拍手の入るライヴ録音です。音源の素性はよくわかりませんが,コンテンツとして提供することを前提に収録したものではない音源を集めてきたという感じがします。ライヴならではの熱い演奏が聴けるのがうれしいですね。

録音は寄せ集め音源なのでそれぞれ異なります。曲ごとに簡単にコメントしたいと思います。

[CD 1]
1. ハイドン:交響曲第100番ト長調 Hob.I:100「軍隊」 (好録音度:★★★★☆)
2. ハイドン:交響曲第101番ニ長調 Hob.I:101「時計」 (好録音度:★★★★)
録音 1999年12月4日 アムステルダム,コンセルトヘボウ(1),2004年6月21日 グラーツ,シュテファニエンザール(2)

「軍隊」の録音が残響控えめでスッキリと見通しが良くサウンドがキュッと締まっていて良かったです。「時計」も同傾向ながら少し詰まり気味で明瞭な感じが落ちるのが惜しいです。

[CD 2]
1. モーツァルト:交響曲第29番イ長調K201 (好録音度:★★★☆)
2. モーツァルト:行進曲ニ長調K.335 (好録音度:★★★★)
3. モーツァルト:セレナード第9番ニ長調K.320「ポストホルン」 (好録音度:★★★★)
録音 1989年7月12日 グラーツ,シュテファニエンザール(1),1996年4月17日 べルリン,フィルハーモニー(2, 3)

第29番が残響過多で良くありません。銭湯で聴いているような感じで残響が大きく被って明瞭感がありません。行進曲とセレナードはそれより残響は控えめですが,少しやかましい感じの独特の癖があり,また少し粗い感じがします。

[CD 3]
1. ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」 (好録音度:★★★★☆)
2. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92 (好録音度:★★★★)
2007年6月24日 グラーツ,ヘムルート・リスト・ハレ(1),2002年6月23日 グラーツ,シュテファニエンザール(2)

第5番「運命」は残響はありますが音色や明瞭感への影響は少なめで,ライヴの自然な音響が楽しめる点が良いと思いました。少しオマケですが四つ星半。第7番は第5番と似ていますがややモヤッとした感じがあって,もう少しスッキリ感がほしかったところです。惜しいです。

[CD 4]
1. ブラームス:悲劇的序曲作品81 (好録音度:★★★★)
2. ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品96 (好録音度:★★★★)
録音 1999年6月28日(1),1997年7月10日(2) グラーツ,シュテファニエンザール

この2曲はオーケストラ録音としてはこのセットの中では一番標準的と思いました。残響はやや多めでライヴらしい生録的な生々しさはありませんが,上手くまとめていると思います。好録音というには少し物足りなさがありますが悪くありません。

ということで,このセット,アーノンクールとヨーロッパ室内管弦楽団の貴重な演奏が聴けるので本当にうれしいのですが,録音の出来はバラバラで状態があまり良くないのも含まれているのがちょっとばかり残念です。

英国の現代の作曲家 オリヴァー・デイヴィスの作品集

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オリヴァー・デイヴィス:ダンス Oliver Davis: Dance
ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ケレンザ・ピーコック(Vn),ヒュー・ワトキンス(P)
SIGCD469 (P)(C)2016 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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オリヴァー・デイヴィス:リバティ Oliver Davis: Liberty
ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ケレンザ・ピーコック(Vn),ジョナサン・ヒル(Vn),ティモリー・リダウト(Va),エマ・ヒースコート(Vn,Va),キャサリン・ジェンキンソン(Vc),ヒュー・ワトキンス(P),グレース・ダヴィッドソン(Sop)
2017年8月29日, エア・リンドバースト・スタジオ(ロンドン),ウィー・ライト・ミュージック・スタジオ
SIGCD522 (P)(C)2018 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

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オリヴァー・デイヴィス:フライト Oliver Davis: Flight
ポール・ベイトマン指揮/ロンドン交響楽団
ケレンザ・ピーコック(Vn),ヒュー・ワトキンス(P),他
2014年2月10日, 8月20日 ロンドン,エア・スタジオ,エア・エーデル
SIGCD411 (P)(C)2019 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

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オリヴァー・デイヴィス:アルカディア Oliver Davis: Arcadia
ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ベンジャミン・ベイカー(Vn),ケレンザ・ピーコック(Vn),ヒュー・ワトキンス(P)
2018年8月 ドイツ,2019年2月 ロンドン
SIGCD590 (P)(C)2019 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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オリヴァー・デイヴィス:ソレス Oliver Davis: Solace
ペーテル・イレーニ指揮、ブダペスト・スコアリング・オーケストラ
オリヴァー・デイヴィス(P), ヒュー・ワトキンス(P), ベス&フロー(P), ケレンザ・ピーコック(Vn), ジョナサン・ヒル(Vn), キャサリン・ジェンキンソン(Vc), ニコラス・ホランド(Vc), グレイス・デイヴィッドソン(Sop), オリヴァー・ワス(Harp), セルジオ・プッチーニ(G)
SIGCD668 (P)(C)2021 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

英国の現代の作曲家,オリヴァー・デイヴィスの作品は,先日,"Seasons"というアルバムを取り上げました。これが良かったので,今までにリリースされている5つのアルバムも聴いてみました。ここで紹介したとおり,映画や放送の音楽も作曲されているそうで,現代の現役作曲家ですが,聴きやすくまた曲調がカッコいいところが良いと思いました。

収録されている曲は参考に挙げているURLを見ていただくとして,オーケストラから室内楽,器楽曲まで様々です。特に良かったのはヴァイオリンと弦楽を中心とした協奏曲風の作品です。ミニマルミュージック的な伴奏の上で奏でられるヴァイオリンがカッコ良くて好きですね。

録音ですが,多少のばらつきはあるものの,直接音を主体に明瞭で楽器の質感が感じ取りやすいものが多く好印象でした。すこし自然さが欠けるバランスだったり誇張されたように感じるところもありますが,音楽としてむしろ好ましく感じました。このあたりは好みによるかもしれませんが。

継続的にリリースされるのかわかりませんが,今後も注目していきたいと思います。

シノーポリ/ニューヨーク・フィル名演集

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シノーポリ/ニューヨーク・フィル名演集
ジュゼッペ・シノーポリ指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック
録音 1985年-1991年 ニューヨーク
PROC-2346/50 (P)1986,1988,1989,1990,1993 Deutche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records
*TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus Vol.32

タワーレコード企画盤。1985年~1991年にかけてニューヨーク・フィルと録音された音源をセット化したもの。収録曲は下記の通りです。

[CD 1]
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
ワーグナー:ジークフリート牧歌
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第1幕前奏曲,第3幕前奏曲

録音 1985年10月

[CD 2]
R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
R. シュトラウス:交響詩「死と浄化」作品24

録音 1987年5月

[CD 3]
スクリャービン:交響曲第3番作品43「神聖な詩」
スクリャービン:交響曲第4番作品54「法悦の詩」

録音 1988年1月

[CD 4]
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編曲)
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(リムスキー・コルサコフ編曲)
ラヴェル:高雅にして感傷的なワルツ

録音 1989年12月

[CD 5]
レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
レスピーギ:交響詩「ローマの祭り」

録音 1991年4月

シノーポリといえば,先日取り上げたシュターツカペレ・ドレスデンとのR. シュトラウス:アルプス交響曲の録音が大変良かったのですが,このニューヨーク・フィルとの録音も良いものが多いです。特にCD 1のワーグナー,CD 5のレスピーギ:ローマ三部作が良いです。録り方,音作りの傾向はアルプス交響曲と似ています。残響は抑えられ,直接音主体に明瞭でキレよくストレートに録っています。高域の伸び感も十分にあり,音に艶と輝きがあります。こういう録音は聴いていて本当に気持ちが良いですね。

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チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形全曲」,弦楽セレナーデ(アンタル・ドラティ指揮/ロンドン交響楽団/フィルハーモニア・フンガリカ)

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チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」全曲作品71
チャイコフスキー:弦楽セレナーデハ長調作品48(*)
アンタル・ドラティ指揮
ロンドン交響楽団/フィルハーモニア・フンガリカ(*)
1962年7月 ロンドン,1958年6月 ウィーン(*)
Mercury/Decca Music Group
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

このディスクは以前も取り上げていました(→こちら)。先に取り上げたボロディンの交響曲第2番を見つけたときにe-onkyoでもリリースされているのを見つけて入手しました。

以前の記事にも書いたとおり,そのケース裏に“An Original Stereophonic 35mm Magnetic Film Recording”と記載されていて,映画のフィルムと同期して再生するための35mmの磁気テープに録音されたものがマスターと思われます。

くるみ割り人形の録音,これがまたほぼ60年前に録音されたとは思えないくらい良い状態で残っています。まず音の捉え方がとても良いです。楽器音に被って濁す残響はほとんどなく,個々の楽器が明瞭で分離も良く,音質も若干時代を感じさせる歪み感を伴っているものの,高域も十分に伸びていてバランスも良く整っています。低域方向に伸びがないのは仕方ないとして違和感がない程度にはあります。これもほとんど不満のない好録音です。

こういう録音,聴いていて本当に楽しいです。何度も申し上げますが,最近の録音でこういった好録音が少ないのは私としては本当に残念でなりません。録音に何を求めるかは人によってそれぞれ違うとは思いますが,こういう録り方の良さを今一度見直して欲しいと思う次第です(→録音に携わる皆様)。

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」,幻想序曲「ロメオとジュリエット」(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
2019年11月, 2021年1月 チューリッヒ、トーンハレ・マーグ
ALPHA782 (P)2021 Alpha Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music
2021年10月7日発売

パーヴォ・ヤルヴィのトーンハレ管弦楽団音楽監督就任記念のチャイコフスキー・ツィクルスの録音で,新型コロナウィルスの影響で1年遅れの完成とのことです。全集が発売されると同時に第6番は分売でも発売があり,Apple Musicではすでに公開されていましたので,先行して聴いてみました。なお第2番,第4番,第5番は既出,第1番,第3番は全集のみのリリースとのことです。

第5番は以前取り上げていましたが落ち着いたテンポで抑制気味に丁寧に表現されていたという印象でしたが,この第6番は丁寧に緻密に演奏しつつも全体に少し速めのテンポで攻めた表現をされているように思いました。チャイコフスキーはこういう感じが好きですね。良かったです。

録音は第5番と同じでした。高域のヌケ感がいまいちですっきりしないのと,音像というかステージ感というかこぢんまりと詰まりすぎていて開放感・スケール感に乏しいという感じです。音のキレがあるのは良かったのですが,やっぱりもどかしい感じがあります。惜しいです。

全集が発売されたら入手するかどうか,ちょっと迷っています。

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チャイコフスキー:交響曲全集,管弦楽曲集
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
2019年10-11月, 2020年1月, 2021年1月 チューリッヒ、トーンハレ・マーグ
ALPHA778 (P)2021 Alpha Classics (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
2021年10月7日発売

ハーバート,エルガー,フックス,シューベルト:弦楽セレナーデ集(アニマ・ムジケ室内管弦楽団)

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ハーバート:弦楽セレナーデ ヘ長調 作品12
エルガー:弦楽セレナーデ ホ短調 作品20
フックス:弦楽セレナーデ第1番 ニ長調 作品9
シューベルト(ナフティン編):セレナーデ~「白鳥の歌」より
アニマ・ムジケ室内管弦楽団 Anima Musicæ Chamber Orchestra
2020年 ハンガリー、フンガロトン・スタジオ
好録音度:★★★★☆
HCD32847 (P)2021 Hungaroton (輸入盤)
参考: Tower Records,,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

アニマ・ムジケ室内管弦楽団は「リスト音楽院の首席メンバーにより2010年に創設された新進気鋭の名人集団」とのことで,同団体による弦楽セレナーデ集の第三弾。第一弾,第二弾は以前取り上げていました(→こちら)。またモーツァルトのディベルティメント,アイネ・クライネ・ナハトムジークのディスクもリリースされていてこれも取り上げていました(→こちら)。いずれも演奏も録音も良かったので続編を期待していたところで,実は今年の四月にこの第三弾が発売されていて見逃していました。

特にエルガーの弦楽セレナーデは愛聴曲なので期待が大きかったのですが,期待に違わない良い演奏でした。技術力,アンサンブル力が前面に出ていて,もう少し情緒的な雰囲気が欲しかったとは思うのですが,これはこれで完成度が高いと思います。他の曲は初めて聴く曲でしたがいずれも面白そうだったのでもう少し聴いてみようと思います。

録音ですが,スタジオ録音ということで気になる残響はほとんどなく,直接音を主体に弦楽器の艶やかな音色をうまく捉えていると思いました。少し誇張された感じはありますが,フンガロトン録音らしいなと思いました。録音の出来としては先に挙げたモーツァルトと第一弾・第二弾の中間くらいで,十分好録音と言えるものです。

先日取り上げたメタモルフォーゼン・ベルリンの3枚の弦楽オーケストラ作品集と偶然にも似たようなものが近い時期にリリースされていますが,どちらも今後の録音にも期待したいと思います。

ドイツ・グラモフォン録音全集(オルフェウス室内管弦楽団)

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ドイツ・グラモフォン録音全集 (55 CDs)
Complete Recordings on Deutsche Grammophon
オルフェウス室内管弦楽団 Orpheus Chamber Orchestra
00289 483 9948 (P)2021 Deutsche Grammophon (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

5月頃に発売がアナウンスされていたオルフェウス室内管弦楽団のドイツ・グラモフォン録音全集が予定通り発売されました。好きな団体なのでこのボックスセットは本当にうれしいです。いままでにも聴きたいディスクは集めていましたが,まったく知らなかったディスクも多数あって興味津々です。全55枚と枚数がとても多いですが,少しずつ聴き進めていきたいと思っています。

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弦楽オーケストラ作品集(ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン)

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ドヴォルザーク:弦楽セレナーデ作品22
スーク:弦楽セレナーデ作品6,ラヴ・ソング作品7-1
ハーバート:イエスタソーツ,パンチネロ,ガザル
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン
録音不明
88875130202 (P)(C)2015 Sony Classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ作品48,フィレンツェの思い出作品70,他
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン
2016年12月 ベルリン,テルデックス・スタジオ
88985422242 (P)(C)2017 Sony Classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

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エルガー:弦楽セレナーデ作品20,愛の挨拶,気まぐれな女,他
ブリテン:シンプル・シンフォニー作品4
ウォーロック:カプリオール組曲
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン
2020年3月8日, 4月12-14日, 6月24日 ベルリン,テルデックス・スタジオ
19439873312 (P)(C)2021 Sony Classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

メタモルフォーゼン・ベルリンは「ベルリンの名門オケの若手メンバーを中心に結成された弦楽オーケストラ」ということで,これまでに3枚のディスクがリリースされています。詳細は参考に挙げたURLを参照いただきたいのですが,公式Webサイトによると,メンバーは,6-6-6-7-1(Vn1-Vn2-Va-Vc-Cb)で弦楽オーケストラとしては人数は多い方ではないかと思います。

この3枚のディスクを聴くと,演奏はオーソドックスで手堅い印象ですが,アンサンブルも良く,引き締まった,そして,生き生きと躍動する音楽が大変魅力的と思いました。特に最新のディスクに収録されているウォーロックのカプリオール組曲は速いテンポで推進力があり,同曲の演奏ではかなり良い部類に入るのではと思える素晴らしい出来でした。

一方録音なのですが,スタジオで録音しているにしては残響が多めであり,弦楽器の魅力が失われるまではいかないものの演出感が強すぎて現実味が薄れてしまい,私としては少し残念な感じでした。しかもこの3枚でだんだんその傾向が強くなり,3枚目になるともう残響過多という感じがします。ドヴォルザークやチャイコフスキーの弦楽セレナーデはまだ聴きやすい方なのでその点は少し救われました。

数年のリリース間隔があるので次がいつでるかわかりませんが,弦楽オーケストラのレパートリーはまだまだあるのでリリースを続けてほしいですね。でも録音はちょっと見直して欲しいです。

レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア全曲,組曲「鶏」(ヘンリー・ラウダレス指揮/ミュンヘン放送管弦楽団)

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レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア全曲,組曲「鳥」
ヘンリー・ラウダレス指揮/ミュンヘン放送管弦楽団
2009年4月28-30日, 7月6-7日, 9月17-18日 ミュンヘン,バイエルン放送第1スタジオ
CPO 777233 (P)2016 CPO (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ヘンリー・ラウダレスはグァテマラ出身のヴァイオリニスト,指揮者。2001年からミュンヘン放送管弦楽団のコンサートマスターを務めているとのことです。どのくらいの編成で演奏されているのか実際のところがわからないのですが,小気味よくまた表情豊かで,室内管弦楽団ではないフルオーケストラ?でこの表現力はなかなか良いと思いました。

録音ですが,残響がかなり多いです。少し距離感もあり間接音の比率が高いため明瞭感や楽器の質感はやや感じにくく,この点では少しもどかしいです。ただ,残響の質は悪くなく,音色もギリギリ許容範囲というところで,残響が許せる方であれば問題ないのではと思います。私には少し残響が多すぎますが,悪くはないと思いました。

タグ: [管弦楽曲] 

R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」,「ばらの騎士」組曲(トマス・セナゴー指揮/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40,「ばらの騎士」組曲
トマス・セナゴー指揮/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
2018年3月14-19日, 8月7,8日 グラスゴー,ロイヤル・コンサート・ホール
CKD 510 (P)2019 Linn Records (C)2019 Outhere (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

先日取り上げたマーラー交響曲第7番(室内オーケストラ版)つながりで。同顔合わせのR. シュトラウス・シリーズの第1作目とのこと。英雄の生涯では,同楽団のコンサートミストレス,岩淵麻弥がソロを務めています。

今回は録音についてのみコメントします。残響感はあまりありません。各楽器,各パートを分離良く明瞭に捉えているのが好印象です。音色も癖がなく,変に響きが強調されることもなく,伸びもキレも良好です。ほんのわずかに残響の影響が感じられるものの十分許容範囲です。オーケストラ録音としてかなり良いと思いました。文句なしの好録音で五つ星評価としました。

今後の録音にも期待したいと思います。

ホルスト:組曲「惑星」,他(マイケル・スターン指揮/カンザスシティ交響楽団)

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ホルスト:組曲「惑星」,バレエ組曲「どこまでも馬鹿な男」
マイケル・スターン指揮/カンザスシティ交響楽団
2015年1月29-31日 カンザスシティ,カウフマン・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ,ヘルツベルク・ホール
RR-146SACD (P)(C)2019 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

この惑星はオーケストラの音が独特です。トゲが抜かれているというか滑らかで綺麗なのですが,これ本当にオーケストラの音?と思うような現実感のない音で聴こえるところもありました。中低域の厚みがありもう少し高域のヌケがよければとは思いますが,録音レベルが低めで他のディスクよりもかなりボリュームを上げないと音量が確保できず,上げきれていないせいかもしれません。高音質録音で有名なリファレンス・レコーディングスの録り方,編集の方針なのかもしれませんが。トータルとしてはそんなに悪くないと思いましたが,好録音と言うには少し物足りなく思いました。

R. シュトラウス:交響詩全集(フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/南西ドイツ放送交響楽団)

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リヒャルト・シュトラウス:交響詩全集 (5 CD)
フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/南西ドイツ放送交響楽団
録音 2012-2015年
SWR19426CD (P)2012-2016 SWR Media Services (輸入盤)
好録音度:★★★★☆~★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

過去発売されてきた単売をまとめたボックスセット。収録曲は下記の通りです。

交響詩「英雄の生涯」作品40
交響詩「死と浄化(変容)」作品24
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」作品28
交響詩「ドン・キホーテ」作品35
交響詩「マクベス」作品23
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
交響的幻想曲 作品16「イタリアより」
アルプス交響曲 作品64
交響詩「ドン・ファン」作品20
家庭交響曲 作品53
メタモルフォーゼン~23の独奏弦楽器のための習作

R. シュトラウスの演奏としては大仰すぎるところがなく少し地味な印象を受けますが(録音のためかもしれませんが),整理され緻密に構築された音楽はこの指揮者の特質が出ているのではないかと思いました。

録音ですが,残響は適度に抑えられ全体に明瞭感をもって捉えられています。ダイナミックレンジも広く音色の癖も少なく,これらの曲にふさわしい録音になっていると思います。ただ,少しステージ感が狭めでギュッと詰め込まれた感じがあり,自然ではあるもののもう少し左右・奥行きの広がりを感じさせるように誇張して録っても良かったのではないかと思いました。個々の楽器の質感もこの録音としては弱めで,手が届きそうで届かないようなもどかしさも感じます。悪くはなく一定水準以上の録音とは思いますが,惜しいです。

なお本ボックスセットはレコード芸術誌2021年5月号で特選盤に選出されていました。納得です。

レスピーギ:古風な協奏曲,リュートのための古風な舞曲とアリア(ダヴィデ・アローナ(Vn)/サルヴァトーレ・ディ・ヴィットーリオ指揮/ニューヨーク室内管弦楽団)

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レスピーギ:古風な協奏曲
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア(全曲)
ダヴィデ・アローナ Davide Alogna (Violin)
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットーリオ指揮/ニューヨーク室内管弦楽団
2019年6月24-28日 アメリカ,ニューヨーク州ガーデンシティ,アデルファイ大学パフォーミング・アーツ・センター
8.573901 (P)(C)2021 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

レスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」は好きな曲なのでよく聴きます。古風な協奏曲はほとんど馴染みのない曲です。解説によると,「バロック期における合奏協奏曲のスタイルを持っており,レスピーギが当初「他人の作品を改訂したもの」と発表し,後に自作と認めた」というエピソードがあるそうです。

演奏なのですが,オーケストラの音程が...常に一定の幅を持っていて...センターは合っているようなので音程が悪いという感じではなく,下手という感じでもなく,なんだか田舎の楽団の演奏を聴いているような素朴な感じがえも言われぬ雰囲気を醸し出しています(失礼な書き方でごめんなさい)。「ニューヨーク」室内管弦楽団という名称なので手練れの集まった洗練された楽団なのかと思いきや,全く違ったのでなんだか楽しくなりました。協奏曲の方のソロは上手いですね。ちょっと期待とは異なりましたが,それなりに楽しめる演奏でした。

録音ですが,協奏曲の方は,ソロ奏者の前にマイクが設置されているのか,ソロは不自然なくらいとても明瞭です。オーケストラかもきちんと分離して浮き上がってくるので協奏曲の録音としては好ましいと思います。オーケストラの方も残響を抑えて比較的明瞭に,各楽器の分離感,質感もそこそこ良く,生録的な自然さもあり,欠点の少ないまずまずの好録音と思いました。個人的にはもう少し楽器に寄って生々しく録って欲しいと思いましたが。

ビゼー:交響曲ハ長調,子供の遊び,シャブリエ:田園組曲(フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル)

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ビゼー:交響曲ハ長調,組曲「子供の遊び」作品22
シャブリエ:田園組曲
フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル
Enregistrement réalisé à la Cité des Congrès de Nantes en janvier 2007
MIR036 (P)(C)2007 MIRARE (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでこの録音に出会い,軽快で溌剌としたビゼーの交響曲に魅了されるとともに録音も大変気に入っていました。以前取り上げています(→こちら)。長い間ずっとディスクを探していたのですが,幸運にも安価に入手することができました。

改めて聴いてみて,録音については以前のレビューの通り「やや演出された仕上がりで実在感や楽器の質感が薄め」であり,ちょっと求める録音とは違うと思うものの,気持ち良く聴けることに変わりなく,評価は今もって変わっていません。

Apple Musicで気軽に聴ける状態で有り難かったのですが,やっぱり非圧縮音源で聴きたいと思うので,こういう音源も非圧縮のダウンロード音源で販売があれば良いのにと思いますね。

シベリウス:交響曲全集・管弦楽曲集(サー・ジョン・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団)

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シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集 (6 CDs)
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団
1966-1970年 ロンドン,キングズウェイ・ホール,アビー・ロード・スタジオ
0190295078751 (P)(C)2021 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

バルビローリのシベリウスは昔から超有名でしたが,EMI録音ということもあってずっと聴くことを躊躇していました。今回のリリースでは,参考に挙げたサイトで次のように記載されていました。

2020年に発売された『バルビローリ全集』のために新たにオリジナル・マスターテープよりリマスターされた音源(2020年,Studio Art & Sonによる24bit/192kHzリマスター)が採用されており,鮮明で輪郭が明確になったマスターテープに記録されていた音が,できるだけそのままで再現されています。

リマスタリングで音質が改善されている可能性があり,また廉価盤でのリリースということもあって,この機会に聴いてみることにしました。

収録曲は下記の通りです。

交響曲全集(第1番~第7番)
交響詩「フィンランディア」作品26
「カレリア」組曲 作品11
交響詩「ポホヨラの娘」作品49
悲しきワルツ 作品44-1
レンミンカイネンの帰郷 作品22-4
トゥオネラの白鳥 作品22-2
付随音楽「ペレアスとメリザンド」からの組曲 作品46より
ラカスタヴァ 作品14
ロマンス ハ長調 作品42
組曲「歴史的情景」第1番 作品25, 第2番 作品66より

それで肝心の録音なのですが,驚いたことにこれがなかなか良いのです! 残響は多少あるもののスッと消えますし,楽器音への被りはほとんどなく音色に影響していません。そしてタイトに締まったサウンドが音楽をダイレクトに伝えてくれて心地よいです。低域から高域までレンジ感も問題なく,音色に癖もほとんどありません。少し誇張された不自然さはあるものの気になるものではありませんし,むしろ録音として好ましく感じられます。少しドライ過ぎるように感じる方もおられるかもしれませんが。

リマスター前と思われる音源をApple Musicで聴いてみましたが,今回のリマスターでわずかながらくすみが取れ,薄く被っていたベールが取り払われたようなスッキリした感じがありました。元々の録音がそこそこ良かったので,リマスターも生きたのだと思います。

オーディオ品質は時代なりという感じはしますが,気になるものではありませんし,1960年代後半の録音として十分なクオリティのように思いました。

演奏については私の好みとは少し違うところも多々あったのですが,録音が良いのでそれもまた良しと楽しむことができました。このような良い録音で残してくれたことに感謝です。

ドリーブ:バレエ組曲集(ネーメ・ヤルヴィ指揮/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団)

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ドリーブ:バレエ組曲集
ネーメ・ヤルヴィ指揮/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
2019年11月4,5日 グラスゴー,ロイヤル・コンサート・ホール
CHSA 5257 (P)(C)2020 Chandos Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ドリーブのバレエ組曲集で,収録曲は以下の通りです。解説に,ネーメ・ヤルヴィ自身が組曲版を編集した,とありました。

「シルヴィア,またはディアーヌのニンフ」からの組曲
「泉,またはナイラ」からの組曲
「コッペリア,またはエナメルの眼をした娘」からの組曲
(以上,ネーメ・ヤルヴィ編)

バレエ音楽のシルヴィア,コッペリアは,LPの時代に持っていたのですが(演奏者は失念),LPのカッティングレベルが低かったのか,音が悪く残念な思いをしたことを覚えています。

そしてシルヴィアは,私が大学オーケストラに入った年に先輩方が演奏されていた思い出深い曲でもあります。現在若手ソロヴァイオリニストとして活躍されているある方の父君が当時の第2ヴァイオリンのトップを弾いていて,練習の合間にシルヴィアのいろいろなフレーズを踊りながら弾いてその解釈を解説してくださったことを,この曲を聴く度に思い出します。

録音ですが,オーケストラ録音としては標準的な印象です。残響はありますが控えめで,生録的な自然さ,演出感のなさが良いと思います。各楽器の捉え方はすこし弱めで全体に地味な感じです。もう少し寄ってクッキリと質感豊かに録って欲しかったとは思いますが,分離感もそこそこあって悪くないと思います。

どちらかといえばマイナーな曲で(コッペリアは有名ですが)音盤も多くないと思いますが,それがこのようなクオリティの高い演奏と良好な録音で聴けることは本当にうれしいことですね。

モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク,セレナータ・ノットゥルナ,音楽の冗談,他(オルフェウス室内管弦楽団)

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モーツァルト:セレナード第13番 ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
モーツァルト:セレナード第6番 ニ長調 K.239「セレナータ・ノットゥルナ」
モーツァルト:音楽の冗談 ヘ長調 K.522
モーツァルト:コントルダンス K.534, K.535, K.587, K.607, K.610
オルフェウス室内管弦楽団 Orpheus Chamber Orchestra
1985年3月, 12月, 1989年12月 ニューヨーク,アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
PROC-1780 (P)1986,1990 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records *Tower Records Premium Classics Vol.2

タワーレコード企画盤。指揮者を置かない室内管弦楽団で,颯爽と奏でられる音楽が素晴らしく,それが気に入って主要なディスクは購入していたのですが,このディスクは未入手でした。キレのよい爽やかな演奏が素晴らしく期待通りでした。しかしながら予想はしていたものの音楽の冗談は微妙...上手すぎるし演技が下手でまったく面白くない。もっともこの曲の正解の演奏ってどんなんだろうとは思いますね。

録音ですが,残響はそれなりにあるものの,直接音と間接音のバランスは音を濁すギリギリのところで留まり響きも綺麗であり,弦楽合奏の質感も保たれ魅力がそこそこ感じられて悪くありません。もう少し残響を抑えてクリアに録って欲しいは思いますが。ちょっとオマケですが四つ星半の好録音としました。

オルフェウス室内管弦楽団自体は活動が続いているようですが,最近は録音があまりないのが残念です。

ビゼー:「アルルの女」第1,第2組曲,「カルメン」組曲,他(クラウディオ・アバド指揮/ロンドン交響楽団)

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ビゼー:「アルルの女」第1,第2組曲(*),「カルメン」組曲(**)
ラヴェル:ツィガーヌ,海原の小舟(***)
クラウディオ・アバド指揮/ロンドン交響楽団
1977年8月 エディンバラ,ジョージ・ワトソン大学,9月 ロンドン,セント・ジョンズ教会(**),1980年1月 ロンドン,セント・ジョンズ教会(*),1987年11月 ロンドン,オール・セインツ教会(***)
PROC-1499 (P)1981,1989 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records *Tower Records Premium Classics Vol.1

タワーレコード企画盤。ツィガーヌのヴァイオリン・ソロはサルヴァトーレ・アッカルドです。ビゼーの同曲は超有名曲にも関わらずディスクは30年以上前に買った小澤征爾指揮のものだけでした。タワーレコード企画盤を眺めている中で目に留まったので聴いてみることにしました。

演奏については同曲をあまり多く聴いたことがないので何とも言えないのですが,実はその30年以上前にアルルの女の組曲は演奏したことがあり,そのときの演奏の記憶と照らしてみて全く違和感なく聴くことができました。なのでオーソドックスな演奏ではないかと思っております。

録音なのですが,DGのオーケストラ録音として標準的で,残響,ホールトーンはあるものの抑え気味,オーケストラの音を素直に捉えていて癖も少ないです。欠点が少ないというか,商品としてオーケストラの音をうまくパッケージングしたという感じです。まずまず良好と思います。

R. シュトラウス:管弦楽曲集(ゲオルグ・ショルティ指揮/シカゴ交響楽団/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/バイエルン放送交響楽団)

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R. シュトラウス:管弦楽曲集
ゲオルグ・ショルティ指揮/シカゴ交響楽団/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/バイエルン放送交響楽団
1972å¹´-1979å¹´
PROC-2292/3 (P)(C)2020 Universal Music (国内盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records *Tower Records Vintage SA-CD Collection Vol.24

タワーレコード企画盤。収録曲は下記の通りです。

交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30 (1975年) (*)
交響詩「英雄の生涯」作品40 (1977,78年) (**)
アルプス交響曲 作品64 (1979年) (***)
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」作品28 (1975年) (*)
交響詩「ドン・ファン」作品20 (1972年) (*)

(*)シカゴ交響楽団
(**)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(***)バイエルン放送交響楽団

同じ収録曲でDECCAから発売されていたディスクを以前取り上げていました(→こちら)。

この録音はDECCA盤のレビューでも述べているように,アナログ後期の良好な録音一つで,その中でも特に私が気に入っているものの一つでした。今回のタワーレコードの企画盤は,商品紹介ページで次のように書かれています。

2020年最新マスタリング音源使用(英Classic Soundにて、本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトにDSD変換とマスタリングを行い、SA-CD層用のDSDマスターを制作。CD層用にはこのDSDマスターから44.1kHz/16bitにPCM変換を行いCDマスターを制作。アナログ・マスターテープはその経年劣化と保存状態に応じて、可能な範囲で入念な修復作業を行った後に変換作業を実施)

それで,CD層をDECCA盤と聴き比べてみると,DECCA盤よりも雑味が少なくよりマスターの音を忠実にデジタル化しているのではないかと思われる仕上がりになっていて,これはこれで良いと思いましたが,DECCA盤は密度の高さと力感があってこれはこれで悪くはないと思いました。好みで選んで良いのではないでしょうか。

私は今SA-CDを聴ける環境を持っていないので今回はCD層での比較でしたが,このディスクの本当の価値はSA-CDにあるのでしょうね。

チャイコフスキー:交響曲全集,管弦楽曲集(ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲全集 (7 CDs)
ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
1961-1979年 アムステルダム,コンセルトヘボウ
PROC-1278/84 Decca Music Group (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records *Tower Records Vintage Collection +plus Vol.16

タワーレコード企画盤。収録曲は下記の通りです。

交響曲第1番~第6番(1974-1979年)
マンフレッド交響曲(1979年)
交響曲第4番(1969年) ※初CD化
交響曲第6番(1970年) ※初CD化
スラヴ行進曲 作品31(1972年)
幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」作品32(1972年)
イタリア奇想曲 作品45(1961年)
大序曲「1812年」作品49(1972年)
序曲「嵐」作品76(1977年)
幻想序曲「ロメオとジュリエット」(1964年)

今回は録音のみコメントします。アナログ期のフィリップス録音といえば,1970年代からのアナログ末期に至る年代のもので録音の良いものが比較的多いという印象を持っています。この録音はその一つに挙げても良いかなと思いました。

残響はやや多めですが,密度感があり,情報量の多さが特徴かと思います。私としてはもっとスッキリとした録音が好きなのですが,特に弦楽器の質感が上手く捉えられているので,これが全体の印象を良くしていると思います。

録音が多年にわたっているので音質のばらつきは結構ありますが,傾向的には似ています。年代があとになるほど良くなっているかというとそうでもありません。また,なぜか全体的に交響曲よりも管弦楽曲の方がわずかに明瞭感が高く印象が良かったです。
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