モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 K.331, K.310, K.545, K.570(マリア・ジョアン・ピリス)

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モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 K.331, K.310, K.545, K.570
マリア・ジョアン・ピリス Maria João Pires (Piano)
1974年1月~2月 東京,イイノ・ホール
COCQ-85349 (P)2017 NIPPON COLUMBIA CO., LTD (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

1974年に日本で録音されたモーツァルトのピアノ・ソナタ全集から4曲をセレクトされています。およそ15年後に録音された2回目の全集と比べるとずいぶんと素直でストレートであり,これはこれで若い時代のピリスの魅力に溢れています。また,これを聴くと,2回目の録音がいかに音楽的に進化を遂げているかがわかるという点でなかなか興味深いなぁと思いながら聴き入ってしまいました。

録音ですが,ホールで録音されていますが,ホールトーンは控え目であり,直接音を主体に比較的近い距離のイメージで親近感のある録り方をしています。ピアノ以外の余計な響きがほとんど感じられない点に好感を持ちます。こういう録り方をするならもう少し思い切って生々しさを出して欲しかったと思いますが,これでもまずまず良好と思います。2回目の全集と比べると,こちらの方が私の好みには合うかなと思います。

なお本ディスクですが,「このCDは,COCO-73105の原盤による再発売商品です。」と記載されていますが,UHQCD(Ultimate Hi Quarity CD)仕様で製造されているとのことです。

モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集(マリア・ジョアン・ピリス)

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モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集
マリア・ジョアン・ピリス Maria João Pires (Piano)
1989-1990 Hamburg, Friedrich-Ebert-Halle
431 760-2 (P)1989,1990,1991 Deutsche Grammophone (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

これも名盤中の名盤なので説明不要かと思います。ピリスのモーツァルトのピアノ・ソナタ全集は前から欲しいと思っていたのですが,どうせ買うならこのジャケット写真のが欲しい!とずっと探しておりましたが,先日立ち寄った中古店でようやく見つけ,念願のジャケ指名買いが叶いました。(パッケージがでかいのが難点...)

元々1枚だけ持っていたのでだいたい演奏の想像はついていたのですが,改めて聴いてみて,う~ん,完璧だ。あらゆる面で素晴らしい。上品で薫り高く愛らしい。そして隅々まで気配りが行き届いている。装飾・粒立ちの美しさ,テンポの良さ,非の打ち所がありません。じっくりと楽しみたいと思います。

一方録音はといえば...少し遠めでホールトーンを活かしステージの空間を演出する録り方をしていて,まあ悪くはないのですが,響きが楽器音をやや濁しており,ピアノ本来の透明感のある美しい音色が犠牲になっていると思います。ドイツ・グラモフォンのピアノ録音としては平均レベルもしくは良い方かもしれませんが,もう少し楽器そのものの音を大切にして欲しいと思わずにはいられません。演奏が素晴らしいだけに,この録音は本当に惜しいと思います。

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モーツァルト:ピアノソナタ集第2集(イリーナ・メジューエワ)

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モーツァルト:ピアノ・ソナタ集第2集
イリーナ・メジューエワ Irina Mejoueva (Piano)
2014-2015年 新川文化ホール(富山県魚津市)
WAKA-4189-90 (P)(C)2015 若林工房 (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ロシア出身で現在は日本を拠点に活動されているピアニスト。若林工房から数多くのディスクをリリースされています。今までにショパン:練習曲集バッハ:ゴルトベルク変奏曲を取り上げていました。今回はモーツァルトのピアノ・ソナタ集で,第9番 K.311,第14番 K.457,第16(15)番 K.545,第10番 K.330,第12番 K.332,第17(16) K.570,幻想曲 K.475,K.396が収録されています。

このモーツァルト,叩くような強いタッチで曖昧さのない明快で毅然とした音楽を奏でる硬派な演奏のように思いました。あまり「遊び」がなく,品格を重んじる姿勢が私の中にあるモーツァルトのイメージとだいぶ異なるのでちょっと戸惑ってしまうのですが,このまるでベートーヴェンのソナタのように演奏される音楽は私の中に強い印象を残しました。これが好きになれるかどうかはわかりませんが,しばらくこの演奏に付き合ってみようかと思っています。

さて録音なのですが...残響はあまりないのですが,マイクがやや遠めに設置されているのか,ホールの音色でかなり色づけされており,確かに雰囲気はあるものの,私にとっては音色を濁すマイナス効果の方が勝って聴こえるため,あまり良い印象ではありません。ピアノの音色ってもっと透明感があり美しいと思うのです。なんでわざわざ音を濁して録るのかって。まあそんなに悪いというわけではなくこのような録音を好む人もいるだろうなとは思うのですが,少なくとも私には今ひとつ合わず,これを好録音と呼びたくないということで,少し厳しめのコメントとさせていただきました。

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モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集(グレン・グールド)

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モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集
グレン・グールド Glenn Gould (Piano)
1965-1974年 ニューヨーク,30丁目スタジオおよびトロント,イートン・オーディトリアム
SICC 10200-3 (P)(C)2014 Sony Music Japan (国内盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

いまさら感が強いのですが...(^^;,グールドは演奏も録音も基本的には好きなので,聴きたい曲については出来るだけ良い状態のものを手に入れておきたいということで,日本独自企画のSACD(Hybrid)をいくつか入手していました。レビューし損ねていたので,この機会に触れておきたいと思います。

解説書によると,グールドは最初期の録音(つまり有名なゴルトベルク変奏曲1955年)から録音に深く関わり,常に最新の録音技術(テクノロジー)を取り入れながら一貫性のある録音をしてきたようです。実際に,1957年あたりの録音からすでに録音のポリシーが確立しており,録音機材の進歩によってクオリティは徐々に向上しているものの,録り方は一貫していて年代による変化はほとんど見られません。グールドの数々の素敵な録音は,グールド自身が築き上げてきたものだったのですね。

このモーツァルトの全集録音は,1965年から1974年という時間をかけて完結されたものですが,1965年にはすでに一定水準以上のクオリティでの録音が可能となっていたためか,全体を聴き通しても録音のクオリティで気になるところはほとんどありません。

全てスタジオでの録音であり,残響は全くなく,音色も極めてクリアで自然であり,帯域感も必要十分,ピアノの粒立ちが素晴らしく,鑑賞を邪魔する要素が全くない,私にとっては完璧なピアノ録音です。

こんな素晴らしいピアノ録音なのに,追随してこのような録り方する人が全くゼロというのは残念でなりません。