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ブラームス:交響曲全集(ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
2013年1月23-27日 ケルン,フィルハーモニー
PH13028 (P)(C)2013 Profil (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
2017年7月11-15日 ケルン,フィルハーモニー
PH17057 (P)(C)2017 Profil (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:大学祝典序曲作品80,悲劇的序曲作品81
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
2017年7月11-15日 ケルン,フィルハーモニー
PH17085 (P)(C)2018 Profil (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,HMV Onlineicon

ベートーヴェンの交響曲第4番,第5番が良かったサラステ指揮WDR交響楽団のブラームスの交響曲全集。第1番と第3番が2013年,第2番と第4番が2017年の録音です。この演奏も極めてオーソドックスなアプローチでスタンダード路線かなと思います。これはこれで良いのですが,もう少し躍動感が欲しかったと思います。このようなアプローチなのでちょっと印象が残りにくいかなと。また,第1番第1楽章の提示部のリピートが省略されているのも惜しいと思いました。

録音ですが,録音時期が離れていますが,全体としては統一感はあります。ただ第1番と第3番は少し音色の精彩が薄く,また,音像がこぢんまりしていてステージ感,広がり感がすこし劣ります。第2番と第4番はその点ではまずまず良く,また,全体としてマイナスポイントが少ない標準的な録音というのも好印象でした。

なお,これら3枚がセットになった全集がまもなく(9/20?)発売されるようです。

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ブラームス:交響曲全集
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ケルンWDR交響楽団
PH18038 (P)2013,2017,2018 (C)2018 Profil (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ブラームス:交響曲第1番,第2番,第3番,他(トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:愛の歌作品52, 65より9曲(作曲者編)
ブラームス:ハンガリー舞曲集 第1番,第3番,第10番
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2011年3月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-1756 (P)(C)2012 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンのお題による変奏曲作品56a,大学祝典序曲作品80
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第6番,第7番,第5番(ダウスゴー編)
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2016年5月,6月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-2257 (P)(C)2017 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
シューベルト:6つの歌(ブラームス編曲)
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第11-16番(ダウスゴー編)
ブラームス:アルト・ラプソディ
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2016年11月, 2017年3月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-2319 (P)(C)2018 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴。確か第1番と第2番は持っていたはずなのだけどどこにしまい込んでしまったのか見当たらず...(末期症状(^^;)。

快速テンポで攻める演奏。ちょっと落ち着きがないのですが,「おぉ!」と「やり過ぎだろ」がめまぐるしく繰り返されていきます(^^;。何度も聴いているとこれが快感に変わり病みつきになってきます。第3番第1楽章の内声のシンコペーション,ハンガリー舞曲第5番の冒頭の表現など特に素晴らしく思いました。とてもお勧めできるような演奏ではありませんが,一聴の価値はあるかと思います。

録音ですが,残響は控えめでドライ気味,明瞭で伸びと締まりのあるサウンドが良いと思います。もう少し生々しく楽器の質感を強めに出してくれたら文句なしだったのですが,その点が惜しいです。また,もう少し弦楽器にフォーカスして欲しかったかなと。少しオマケですが四つ星半の好録音です。

さて,残す第4番がどのような演奏になるのか,楽しみです。

ブラームス:交響曲全集(ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン)

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ブラームス:交響曲全集
ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン
2017年10月 ベルリン,ピエール・ブーレーズ・ザール
4835251 (P)(C)2018 Deutche Grammophone (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。ディスクは8/31の発売ですが,e-onkyoとApple Musicはすでにリリースされています。1993年のシカゴ交響楽団の全集からおよそ25年を経ての再録音とのことです。録音されたホールは,2017年3月にオープンしたばかりの,豊田泰久氏が音響設計を担当したという,ベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールです。

演奏は全体に遅めのテンポで堂々としていてスケールが大きいのが特徴です。伝統的な演奏スタイルを継承しているようです。とうとうと流れる大河に身を任せているような気分になります。目新しさはありませんがオーソドックスなスタイルを極めたような充実感がありますね。ただ,ものすごく残念なのが,第1番と第2番のリピートが省略されていることです。また,第3番では,12:33あたりで,あれっ?こんなんだったっけというような強い違和感を覚える箇所があります。楽譜の版が違うのか編集ミスなのかわかりませんが。

録音ですが,残響はあるものの適切な範囲であり,大オーケストラの音響を可能な限り詰め込もうとした高密度感が特徴で,少し暑苦しさを感じるものの,それぞれの楽器がそこそこ明瞭に聴こえるので悪くありません。特に私の好きな録音ではないのですが,欠点が少ないという点で良好な部類に入ると思います。

ブラームス:交響曲全集,セレナーデ第1番,第2番(マリオ・ヴェンツァーゴ指揮/タピオラ・シンフォニエッタ)

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ブラームス:交響曲全集
ブラームス:セレナーデ第1番,第2番
マリオ・ヴェンツァーゴ指揮/タピオラ・シンフォニエッタ
9-15 January 2016 (Symphony No.1, Sereades), 17-19 February 2017 (Symphony No.2), 19/20 September 2015 (Symphony No.3), 30 January - 5 February 2015, at Espoon kulttuurikeskus, Tapiola, Finland
19075853112 (P)(C)2018 Sony Music Entertainment Switzerland (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

タピオラ・シンフォニエッタは小編成のオーケストラで,ブラームスの交響曲第4番を初演したマイニンゲン宮廷管弦楽団とほぼ同じ規模であり,ピリオド奏法を取り入れて演奏されています。小編成での演奏やピリオド奏法を取り入れた演奏は今やそれほど珍しいものではなくなってきていますが,ここで聴けるサウンドは単にピリオド奏法を取り入れたというような枠にとどまらない,今までのブラームスの印象とはずいぶん違う新しい表現を切り拓くことに成功しているように思いました。

演奏にキレとスピード感があるにも関わらず,とにかく良い意味でユルく力が抜けていて軽く,そして響きが透明で美しいのです。青春の息吹を感じますね。勿体ぶらない指揮も良いと思います。こういう演奏なので第2番やセレナーデが良いのはもちろんですが,渋いイメージのある第4番なども今まで持っていたイメージとは全く異なる世界を作ることに成功しているように思います。これは小編成にしかできない,小編成を真に活かした好演奏と言えるでしょう。私はピリオド奏法は苦手な方ですがこれは全く気になりませんでした。好き嫌いははっきり分かれるかもしれませんが,私は大変気に入りました。

さて録音ですが,小編成の場合,どうしても弦が弱くなりがちなのですが,この録音ではその弱点が出ないよう,そしてバランスが崩れないギリギリのところまで弦楽器を大きめに捉え,弦楽器がサウンドの中心に据えられているという点でまず好感を持ちました。残響はそれなりにあるのでやや不明瞭で楽器の輪郭がぼやけるきらいはありますが,それでも個々の楽器は分離よくしっかりと捉えられているので悪い印象ではありません。正直なところもう少しすっきりと透明感と質感を大事に小編成をもっと活かす録り方をして欲しかったとは思いますが,まあこれでもまずまずの好録音かなとは思います。すこしオマケですが四つ星半です。

ブラームス:交響曲第1番,ハイドンの主題による変奏曲(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
2016年3月21-23日,25日 ヴィースバーデン,クアハウス(交響曲第1番),2017年1月26-27日 ベルリン,フンクハウス・ベルリン(ハイドン変奏曲)
SICC 10254 (P)(C)2018 The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルのブラームスの第二弾。第一弾の交響曲第2番は以前取り上げていました(→こちら)。演奏に関しては第2番とほぼ同じ印象で感想も変わりません(手抜きですみません)。

そして録音がやはり同様に今ひとつで,若干悪化しているようにも感じました。オーディオ的なクオリティは悪くないのかもしれませんが,正直なところこのオーケストラの魅力を全く伝えてくれていないように思います。はっきり言って(録音として)つまらないのです。音の厚み,密度感はあるのですが,やはり残響によって音がくすみ濁しているだけであり,楽器の質感も失われています。また空間的な広がり,音像の立体感も希薄です。せっかくの中規模編成の機動力,見通しの良さが全く感じられません。やはり録音が演奏の素晴らしい面を捉えきれず台無しにしているようにしか思えません。これは残念無念です。

なお,ハイドン変奏曲の録音の方が少しだけマシです。録音会場が違うためかもしれません。

しかし,残りの2曲の録音もこんなだとすると,買うかどうかちょっと迷いますね。

(まあちょっと期待が大きい分落胆も大きいということでちょっと大げさに書いているところはあります。その点差し引いて読んでください。)

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(ロビン・ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団)

Brahms The Symphonies - sleeve
ブラームス:交響曲全集
ロビン・ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団
Usher Hall, Edinburgh, on 15–29 May 2017
CKD 601 (P)(C)2017 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Linn Records

ディスクの発売が少しずつ遅れているようで,当初3月の予定が2018年4月1日時点で4月10日の発売に延びています。e-onkyoにもまだ出ていません。私は待ちきれずにLinn Recordsから直接ダウンロード購入しました。こちらから購入するとちゃんとPDFのブックレットも付属しています。供給元からPDFが出ているのですから,e-onkyoもブックレットのダウンロードが出来るように対応してほしいものです。

ティチアーティ/スコットランド室内管弦楽団の演奏はシューマンの交響曲全集を取り上げていましたが,これも同様にいわゆる「キレッキレ」の演奏で,ちょっと極端すぎるきらいはあるものの,このような小編成で小気味の良い,見通しの良い演奏は基本的に好きなので,ワクワクしながら聴きました。ただしこれは嫌いな人も多いだろうなと思います。しかし,あろうことか,第1番,第2番の第1楽章の提示部のリピートがどちらも省略されているのです(第3番はリピートあり)。好きな演奏なのにこれだけでとても残念な気持ちになります。

録音ですが,残響はほどほどであり,低域の締まり,高域の伸びもそこそこあって,見通しも良く,良好な録音です。オーディオ品質も高い点はさすがLinn Recordsです。しかしあえて不満を言うと,これはLinn Recordsに共通の特徴だと思うのですが,音は綺麗なのですが,現実感に乏しく過度に加工された作り物のような感じがします。演奏者の存在が希薄で楽器の質感もあまり感じられないのです。これも惜しい点ですね。

ブラームス:交響曲全集(ラドミル・エリシュカ指揮/札幌交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
ラドミル・エリシュカ指揮/札幌交響楽団
2017年3月10,11日(No.1),2014年11月14,15日(No.2),2013年10月11,12日(No.3),2015年6月19,20日(No.4) 札幌コンサートホールKirara
ALT388/90 (P)2018 Altus Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

定期演奏会の拍手の入るライヴ録音。終楽章こそほのかに熱気を帯びて躍動感が出てくるものの,総じて素直で落ち着いた品格のある演奏であり,それがブラームスの交響曲によく合っていると思いました。札幌交響楽団も何カ所か縦の線が混沌とするところがあったものの健闘していると思います。なお,第1番から第3番の第1楽章の提示部のリピートはすべて省略されていて,それだけがとても残念でなりません。

録音ですが,残響は控え目ですがライヴの自然な音響が感じられる演出感の少ない録り方が好ましい好録音です。どちらかとえいば地味であり,これが好録音?と思われるかもしれませんが,音楽を邪魔する要素,欠点が少ないところが良いと思いました。欲を言えばもう少しヌケの良さと細部の見通しの良さがあればなとは思います。少々オマケの感はありますが四つ星半です。オーディオ的には標準的で可不可なしというところでしょうか。

ブラームス:交響曲全集,ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集より4曲(ネーメ・ヤルヴィ指揮/エストニア国立交響楽団/カレ・ランダルPiano)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37
ネーメ・ヤルヴィ指揮/エストニア国立交響楽団
カレ・ランダル(ピアノ)
January 27th, 2012, November 13th, 2015, Estonia Concert Hall, Tallinn
ERP9416 (P)(C)2016 ERSO, ERP (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58
ネーメ・ヤルヴィ指揮/エストニア国立交響楽団
カレ・ランダル(ピアノ)
February 3rd, 2012, March 25th, 2016, Estonia Concert Hall, Tallinn
ERP9516 (P)(C)2016 ERSO, ERP (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73
ネーメ・ヤルヴィ指揮/エストニア国立交響楽団
カレ・ランダル(ピアノ)
April 26th, 2012, November 13th, 2015, Estonia Concert Hall, Tallinn
ERP9616 (P)(C)2016 ERSO, ERP (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Amazon.co.jp

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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品19
ネーメ・ヤルヴィ指揮/エストニア国立交響楽団
カレ・ランダル(ピアノ)
May 4th, 2012, October 3rd, 2014, Estonia Concert Hall, Tallinn
ERP9016 (P)(C)2016 ERSO, ERP (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

拍手の入るライヴ録音。ブラームスの交響曲全曲演奏会とベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏会をカップリングしてリリースされています(ピアノ協奏曲第1番は別の曲とカップリングされていて未購入)。以下,ブラームスの交響曲についてのコメントです。

特に両端楽章が全般に速い演奏で,指揮が強引過ぎるのか,オーケストラの技量不足なのか,乱れが散見され,音楽も滑っているように感じられて地に足が付いていないというか,全く落ち着かない演奏でした。音楽に勢いを持たせるのは良いのですが,これはちょっと度が過ぎていると思いました。

そして録音なのですが,かなり遠くから録っているイメージであり,まるで3階席の後ろにある二重扉の中で聴いているようであり,また,カッティングレベルの低い超長時間収録のLPを聴いているような,不明瞭で細部を全く感じ取ることができない,もどかしい録音でした。

う~ん,これは演奏も録音もちょっと私には合わず残念です。

なお,交響曲第3番のディスクだけなぜかTower RecordsでもHMV Onlineでも取り扱いがなく,手に入りにくい状況です。

ブラームス:交響曲第1番,第2番,他(トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:愛の歌作品52,65より9曲(作曲者編)
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第1番,第3番,第10番
トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2011年3月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-1756 SACD (P)(C)2012 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
ブラームス:ハンガリー舞曲集より第6番,第7番,第5番(ダウスゴー編)
ブラームス:大学祝典序曲作品80
トマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2016年5月,6月 スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
BIS-2253 SACD (P)(C)2017 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

私も小編成の快速演奏は好きな方なのですが...これはそんな私でもちょっとやり過ぎじゃないの?と思ってしまいます(^^;。特に第1番の第1楽章は提示部のリピートありで15:10,第2番の第1楽章もリピートありで17:31という快速,せわしなくて落ち着きません。オーケストラの技術はアンサンブルも含めて優秀でこれだけ速くても乱れることはありませんが,どうしても乱暴に聴こえてしまいます。もちろんこれが好きな人もいると思いますが,ブラームスとしてはあまり好まれないのではないでしょうか。一方ハンガリー舞曲の方はこのスタイルが合っているような気がしました。う~ん,難しいもんですね。第3番,第4番もリリースされると思いますが,果たしてどんな演奏になるやら...気になります。

録音ですが,BISにしては残響が控え目で比較的すっきりとしているのですが...なんだかあまり楽器の質感が感じられず,現実感・実在感が希薄です。嫌いな録音ではないはずなのに,好録音というには何かが決定的に欠けているような気がして,あまり良い印象が残りませんでした。

第1番はディスクを入手しているはずなのですがどこかに埋もれて行方不明になってしまいました(涙)。先日第2番が発売されて入手するかどうか相当迷ったのですが,Apple Musicで公開されているので聴いてから決めようと思って今回どちらもApple Musicで聴いてレビューしました。第3番,第4番がリリースされたら再度Apple Musicで聴いて入手するかどうか決めることにします(^^;。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(ギュンター・ヘルビヒ指揮/ベルリン交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
ギュンター・ヘルビヒ指揮/ベルリン交響楽団
1978-79å¹´
Berlin Classics 0300911BC (C)2017 EDEL GERMANY GMBH (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

録音のせいもあるかもしれませんが,フォルテはとにかくハイテンションであり,旋律は朗々と歌い,聴くも相当の緊張を強いられる演奏で,聴き通すとかなり疲れます。油絵の具でダイナミックに描かれた絵画を鑑賞している気分です。もちろん悪くはないのですが私の好みからすると少し違うかなと思います。なお,第1番から第3番の第1楽章の提示部のリピートはすべて省略されています。

録音ですが,かなり濃厚な音作りとなっており,また中域から高域にかけて少し癖のある響きがあるために緊張感の高い演奏と相まってヒステリックに聴こえるときがあります。疲れるのはこの録音も影響してると思います。カップリングとして悲劇的序曲とハイドンの主題による変奏曲が収録されていますが,録音としてはこちらの方が若干落ち着いた音作りとなっていて聴きやすかったです。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(トーマス・ヘンゲルブロック指揮/NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団) *Blu-ray Disc

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ブラームス:交響曲全集
トーマス・ヘンゲルブロック指揮/NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団
2016年5月22日 ハンブルク,ライスハレ
741104 C Major (輸入盤) Blu-ray Disc
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ヘンゲルブロック指揮/NDRエルプフィルのブラームスは,2017年1月にこけら落としが行われた新ホール「エルプフィルハーモニー・ハンブルク」でのセッション録音がリリースされていました(→こちら)。今回取り上げるこの全集は,それに先立つ2016年5月に旧本拠地であるライスハレで行われた,一夜でブラームスの交響曲全曲を演奏する「ブラームス・マラソン」の録画とのこと。これがBlu-ray Disc 1枚に映像で収められています。ライスハレは1908年にこけら落としされたホールとのことで,映像で観てもかなり歴史を感じる趣のあるホールです。昨今のクラシック専用ホールに比べるとやっぱりいささか窮屈で圧迫感があり映像栄えもしないですね(^^。

演奏はいずれも正統派の引き締まった造形の堂々としたもので聴き応え・見応えがあり,なかなか良いと思いました。一晩で演奏されたにしては最後まで集中力が持続されていたと思います。なお,第1番,第2番は第1楽章提示部のリピートが省略されていました。この点は少し残念に思います。

録音ですが,残響は控え目に抑えられ,直接音主体に楽器の質感を大事に録られているためまずまず良好というところですが,音質的にはやや粗さが感じられ,これが少々録音としての魅力を減じているように思います。録り方は悪くないと思うので,この粗さは少々惜しいところです。

前述した新しい本拠地での録音も全集になるようですが,第一弾の「録音」は全く私としては全く魅力を感じませんでした。新しいホールの響きを活かしたかったのかもしれませんが,録音がついていっていないように思いました。難しいものですね。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲第1番,悲劇的序曲(ピエタリ・インキネン指揮/日本フィルハーモニー交響楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:悲劇的序曲作品81
ピエタリ・インキネン指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
2017/5/20, 4/22 横浜みなとみらいホール
NYCC-27305 (P)(C)2017 Naxos Japan Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

同顔合わせのシベリウス交響曲全集が演奏も録音も良かったのでこれも聴いてみました。拍手の入るライヴ録音です。オーソドックスなアプローチなので驚くようなところはありませんが充実感のある密度の濃い演奏で好印象でした。ライヴということもあってか事故?と思うところはあるのですが,気になりませんでした(←いやいやめっちゃ気にしとるやんけ(^^;)。

録音ですが,脚色のない生のライヴの雰囲気を伝えてくれる録音で,楽器の音色も自然であり,個々の楽器の質感も良く分離感もあり,左右の広がり,ステージ感も良好です。特に優秀録音ということはないと思いますが,地味ながら欠点の少ない好録音だと思います。前述のシベリウスに比べるとやや弦楽器の質感が弱いかなという気はしますが,欠点ではありません。こういう録音は好きな方です。

今後ブラームスの録音が続くのかわかりませんが,他の3曲の録音も期待したいです。

ブラームス:交響曲全集(アンドリス・ネルソンス指揮/ボストン交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
アンドリス・ネルソンス指揮/ボストン交響楽団
2016年11月 ボストン,シンフォニー・ホール
BSO0034 (P)2017 Bso Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ボストン交響楽団の自主製作で,2016年11月の演奏会のライヴ録音。この演奏は録音と切り離して語ることは出来ないと思います。伝統的で重厚な演奏と豊潤な残響との相乗効果で堂々とした壮麗なブラームスを作り上げています。これだけのゴージャスなサウンドでありながら混沌とせず,うまくまとめているとは思いますが,見通しは良くなく細部がかき消されていたり,個々の楽器の質感がわからず混然一体となって聴こえたりと,私の好きな録音とはだいぶかけ離れています。ただ音が曇ったりヌケが悪くなっていたりするわけではないので,こういうサウンドが好きな方もいるだろうなと想像します。

私としてはこういう演奏であっても直接音主体に引き締まった見通しの良い録音で聴いてみたいと思う次第です。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団)

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ブラームス:交響曲全集
ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団
1964年10月~1967年1月 クリーヴランド,セヴェランス・ホール
SICC 10240-3 (P)(C)2017 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

新リマスタリングによるSA-CDハイブリッド盤。音匠レーベル仕様。日本独自企画。交響曲の他に,ハイドンの主題による変奏曲,大学祝典序曲,悲劇的序曲が収録されているほか,特別収録として1957年のステレオ録音による交響曲第1番が収録されています。タワーレコード×Sony Classicalの企画盤のようですが,タワーレコード以外でも取り扱いがあります。

この企画の復刻は,これの前にベートーヴェンの交響曲全集が出ていて良好な音質で復刻されていました。このブラームスの交響曲全集も音質が期待できたのですが,あまりに高いので躊躇してしまいしばらく我慢していたのですが,結局入手してしまいました(^^;。

この全集は以前CD化されたものを持っていたので聴き比べて見たところ,音の鮮度,ヌケが明らかに一段改善し,中低域の厚み,密度感も向上し,ベートーヴェンの交響曲全集同様,この名盤が最良の音質で復刻されたと言えるのではないかと思います。

確かベートーヴェンもそうだったのですが「完全生産限定盤」となっていて継続的に販売されないようです。せっかくのリマスタリング音源を眠らせるのももったいないと思います。現役盤として再発売出来ないものですかね? 配信であれば継続可能だと思うのですが。

ブラームス:交響曲全集(スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
Stanislaw Skrowaczewski the complete oehmsclassics recordings - 90th birthday collectionより
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団
2011年2月,3月, 11月 Großer Sendesaal des SR
OC 090 (P)(C)2013 OehmsClassics Musikproduktion (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

シューマンの交響曲全集に続いてブラームスの交響曲全集です。こちらはシューマンとはやや印象が異なり,オーソドックスに遅めのテンポで重厚な響きを基調にした演奏です。しかし緩むことのない締まった演奏はこの指揮者らしいところなのでしょう。特徴はあまりないかもしれませんが,伝統的「ブラームスらしさ」を堪能できる演奏だと思います。

録音については,基本的にはシューマンと似ていますが,音の鮮度と分離感が改善されています。ただし,音づくりの古くささは変わりません。悪くないのですが,好録音というには今ひとつ物足りなさを感じます。2011年の録音でこの音色はちょっともったいなく思います。

このボックスセットではあと大物としてブルックナーとベートーヴェンの全集があります。ベートーヴェンはすでにレビューしていました(→こちら)。ブルックナーはこれからゆっくりと聴いていきたいと思います。

一応収録曲を再掲しておきます。CD 28枚組のボックスセットです。

ブルックナー:交響曲全集(第00番,第0番を含む)(1991-2001年)
ベートーベン:交響曲全集(2005-2006年)
シューマン:交響曲全集(2007年)
ブラームス:交響曲全集(2011年)
バルトーク:管弦楽のための協奏曲,ディヴェルティメント(2002年)
ベルリオーズ:幻想交響曲作品14,ロメオとジュリエット作品17~愛の情景(2002-2003年)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番,第2番(ピアノ:エヴァ・クピエツ)(2003年)
スクロヴァチェフスキ:ミュージック・アット・ナイト,ファンタジー「夜の横笛」,シンフォニー(2005-2008年)

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ブラームス:交響曲第2番,セーゲルスタム:交響曲第289番(レイフ・セーゲルスタム指揮/トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
セーゲルスタム:交響曲第289番“When a Cat Visited”
レイフ・セーゲルスタム指揮/トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
The Turku Concert Hall on 2-5 November 2015 & 4-7 January 2016
ABCD 403 (P)2017 ALBA classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ブラームスの4つの交響曲にセーゲルスタムの新作交響曲4曲を抱き合わせで収録していくというプロジェクトの第2弾。以前に第1弾をレビューしています(→こちら)。

演奏は第1番同様ゆったりしたテンポで進んでいくのですが,良く言えばのどかなのですが,さすがにこれは音楽が沈滞して前に進みません。私としてはもう少し若々しい推進力ある演奏が好きなので,これはちょっときついです。第1番は良かったのですが,この第2番は私には合いませんでした。

セーゲルスタムの交響曲は...ノーコメントということでやっぱりご勘弁を(^^;。猫役のヴァイオリンを日本人奏者が担当しているとのことです。

そして録音ですが,第1番と同日の録音のようで評価は変わりません。個々の楽器の音色を素直に,そして明瞭に質感良く捉えており,残響感はあるものの鑑賞の邪魔になるようなことはなく,トータルとしてよくまとまった好印象の録音です。欲を言えば,もう少しすっきりと見通しよく録ってくれていたら良かったのに,とは思いますが。だいぶオマケですが四つ星半です。

ブラームス:交響曲第4番,他(フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/シャンゼリゼ管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:アルト・ラプソディ作品53
ブラームス:運命の歌作品54
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/シャンゼリゼ管弦楽団
LPH 025 (P)2016 (C)2017 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

古楽器オーケストラによるブラームスの交響曲ですが,ものすごく層の厚い密度の高いサウンドで,まるで目の前に巨大な建造物がそびえ立つような音楽を築いています。そしてそのサウンドからは考えられないくらいの軽快さで音楽が流れていきます。これは今までにあまりない感じでなかなか良いと思います。今後の録音にも期待が持てます。

さて録音なのですが,上記の通りかなり濃い録り方をしているのですが,あまり息苦しい感じはありません。重心が低く,かつ高域の伸びも確保し,音色のバランスも整えて聴きやすくまとめた上手い録音だと思います。私としてはもう少しすっきりと見通しの良い録音が好きなのですが,これもまあアリかなと思います。

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73(トーマス・ツェートマイアー指揮/スタヴァンゲル交響楽団)

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
トーマス・ツェートマイアー指揮/スタヴァンゲル交響楽団
2015年 ノルウェー,スタヴァンゲル・コンサートホール
3816-2 (P)(C)2017 SSO Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

近年指揮でも活躍しているというヴァイオリニストのツェートマイアーの指揮したブラームスの交響曲ということで聴いてみました。オーケストラの規模がよくわからないのですが,少し小さめの編成のように締まった小気味の良いスピード感のある演奏でした。指揮者の意思が行き渡りよく統率されていると思います。勢いがありながらフォルテでも粗くなったり飽和したりすることがなく余裕をもって鳴らしきっているところも良いと思います。

さて録音ですが,残響は多めですが,低域の響きが抑えられているためか,だらしなく響くことがなくドライで締まっています。ただやはり残響自体は多いため,見通しは良くありません。残響量の割には音色のバランスは整っているので,印象は悪くありません。もう少し残響を抑えてすっきりと見通し良くしてくれたらずっと良かったのではないかと思うのですが。少し甘いですが四つ星半です。

ブラームス:交響曲第3番,第4番(トーマス・ヘンゲルブロック指揮/北ドイツ放送エルプフィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第3番,第4番
トーマス・ヘンゲルブロック指揮/北ドイツ放送エルプフィルハーモニー管弦楽団
16-19 November 2016, Elbphilharmonie Hamburg, Großer Saal
88985405082 (P)2016 Norddeutscher Rundfunk (C)2017 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

2017年1月にこけら落としが行われたハンブルグの新ホール「エルプフィルハーモニー・ハンブルク」を本拠地とする北ドイツ放送(NDR)エルブフィルハーモニー管弦楽団(この1月に北ドイツ放送交響楽団から改称)による,この新ホールでの初録音で,ブラームス交響曲全集に向けての第1弾とのことです。第4番は自筆譜に最初書き込まれていた第1楽章の導入部付きで演奏されていて,初めて聴いたときには,かけるディスクを間違えたのかとちょっと慌ててしまいました。

それでこの録音なのですが...残響時間はそんなに長くはないのですが,間接音が強く乗った極めて癖のある音質で,明瞭感がなくモゴモゴとして全く冴えません。音色もくすんで精彩がありません。新しく作ったホールの響きを活かしたかったのかもしれませんが,響きはほとんど音楽に貢献しておらずむしろ逆効果で失敗していると思います。これでは音楽を楽しめません。Sony Musicらしからぬ録音でとても残念です。この録音で全集化されるんですね...

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ブラームス:交響曲第2番,悲劇的序曲,大学祝典序曲(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:悲劇的序曲作品81,大学祝典序曲作品80
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
2015年3月30日-4月1日(交響曲第2番),2016年3月26-27日(序曲),ヴィースバーデン,クアハウス
SICC 10239 (P)(C)2016 The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルのブラームスとなればもうこれは聴くしかありませんよね。全集録音の第1弾ということです。明るく若々しく躍動感に溢れた演奏は期待通り。見通しの良さ,キレの良さ,音の立ち上がりのスピード感は中規模の編成ならではですね。たっぷりと鳴り響くブラームスも良いですが,特に第2番はこういう演奏も良いと思います。

さて肝心の録音なのですが...う~ん,微妙です。ダイナミックレンジが広く,強奏部でも歪み感,飽和感が全くない余裕の鳴り感も良いと思いますし,音の滑らかさも上々です。楽器の分離感もそこそこあって,これといった欠点がありませんし,いまどきの優秀録音という感じがします。しかし,なぜかサウンドそのものにあまり魅力を感じないのです。マイク位置が少し遠めなのか,個々の楽器の質感が希薄で,また,スカッと音が抜けていないためかも知れませんし,生々しさに欠け,作り物のような感じがするためかもしれません。

同顔合わせのベートーヴェンやシューマンも同じような傾向だったように思います。私にとってはこの演奏の魅力を,この録音が半減させているように感じます。悪くはないんですけどね。もっとこの演奏の魅力を最大限に伝えてくれる録音が出来るんじゃないかと思うのです。

今後の全集化に向けたリリースに大いに期待する一方で,やっぱりこの録音なんだろうなぁと思うとなんだかやりきれない気持ちになります。

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ブラームス:交響曲第1番,セーゲルスタム:交響曲第288番(レイフ・セーゲルスタム指揮/トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
セーゲルスタム:交響曲第288番“Letting the FLOW go on...”
レイフ・セーゲルスタム指揮/トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
The Turku Concert Hall on 205 November 2015 & 4-7 January 2016
ABCD 390 (P)2016 ALBA classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ブラームスの4つの交響曲とセーゲルスタムの新作交響曲4曲を収録していくというプロジェクトの第1弾。ちょっと怖いもの見たさで聴いてみました。聴いてみると...予想に反して(^^; 意外にもきわめて真っ当な演奏でした。全体にゆったりしたテンポですが,音楽は緩むことなく充実した響きをオーケストラから引き出しています。特徴があまりないとも言えますが,癖のない中庸な演奏として良いのではないでしょうか。

セーゲルスタムの交響曲は...ノーコメントということでご勘弁を(^^;。

そして録音ですが,個々の楽器の音色を素直に,そして明瞭に質感良く捉えており,残響感はあるものの鑑賞の邪魔になるようなことはなく,トータルとしてよくまとまった好印象の録音です。低域から高域まで自然に伸びており,締まったサウンドが魅力です。少し甘いですが四つ星半です。

ブラームス:交響曲全集(ワレリー・ゲルギエフ指揮/ロンドン交響楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:悲劇的序曲,ハイドンの主題による変奏曲
ワレリー・ゲルギエフ指揮/ロンドン交響楽団
2012年9月,10月,12月 ロンドン,バービカン・ホール
LSO0733 (P)(C)2013 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ワレリー・ゲルギエフ指揮/ロンドン交響楽団
2012年12月11-19日 ロンドン,バービカン・ホール
LSO0737 (P)(C)2014 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

う~ん,これは微妙ですねぇ。ライヴなのでオーケストラの多少の乱れは仕方がないにせよ,今ひとつ演奏に締まりがありません。オーケストラを掌握できていない感じです。さらに...こんな言い方で申し訳ないのですが...もっさりしていて推進力もありません。堂々とした演奏を目指したのかもしれませんが,成功しているように思えませんでした。なお,第1番~第3番の第1楽章の提示部のリピートはすべて実行されていました。

さて録音ですが,何かと評判の悪いLSO Liveのバービカン・ホールでの録音ですが,この録音も例外ではなく,やはり残響を抑えたデッドな録音です。私はLSO Liveのデッドな録音がどちらかといえば好みなのですが,残念ながらこの録音はその良さがあまり感じられませんでした。音色に精彩が感じられず,また,歪みっぽさがあるほか,左右の広がり感にも欠けモノラルっぽく聴こえます。良い点がありません。

演奏が冴えないと感じるのは,録音が良くないせいもあるかもしれません。いずれにしても,この全集は演奏・録音ともあまり良く思えませんでした。残念です。

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ブラームス:交響曲全集(ジョン・アクセルロッド指揮/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
クララ・シューマン:歌曲集
ジョン・アクセルロッド指揮/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団
2013年10月,12月 ミラノ・オーディトリウム
TELARC TEL-34659-02 (P)(C)2014 Concord Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
クララ・シューマン:歌曲集
ジョン・アクセルロッド指揮/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団
2013年3月,6月 ミラノ・オーディトリウム
TELARC TEL-34658-02 (P)(C)2013 Concord Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

それぞれ2枚組でディスク1枚に交響曲が1曲ずつ収められており,フィルアップとしてクララ・シューマンの歌曲が収録されています(歌曲は未聴)。

演奏は至極オーソドックスであり,やや遅めのテンポで重厚なブラームスのイメージをそのまま表現したかのような演奏です。やや印象の残りにくい演奏ではありますが,しかも締めるところはきちんと締めていて,中庸の良さを持っていると思います。そういう点で良くまとまった演奏だと思います。なお,第1番~第3番の第1楽章の提示部のリピートはすべて実行されています。

そして録音ですが,いわゆるピラミッド型の帯域バランスでサウンドのスケール感が大きく,また,個々のパートの質感も結構しっかりと捉えられているので,密度の高い録音ながら混沌とすることのない良好な仕上がりとなっています。残響は多めですがあまり気になりません。このような録音なので,バランスとしてややヴァイオリンが小さめなのと,全体の見通しはあまり良くないのが個人的には惜しいと思うところですが,それほど大きな欠点ではありません。

テラークの録音は好ましく思うものが少ないのですが,満点ではないにせよこれはかなり良好な方に入ります。

ブラームス:交響曲全集(ハワード・グリフィス指揮/フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ハワード・グリフィス指揮/フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団
29 September to 2 October 2014 at the Konzerthalle 'Carl Philipp Emanuel Bach' Frankfurt
klanglogo KL1513 (P)(C)2015 Rondeau Production (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ハワード・グリフィス指揮/フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団
22 to 25 June 2015 at the Konzerthalle 'Carl Philipp Emanuel Bach' Frankfurt
klanglogo KL1514 (P)(C)2016 Rondeau Production (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

速めのテンポで推進力のある演奏ですが,勢い任せにならず緻密かつダイナミックに表情付けされています。重厚な響きを出しつつ重くならないのが良いと思います。オーケストラの実力がややついていけてない感がありますが,気になるほどではありません。

第1楽章提示部のリピートは,第1番あり,第2番省略,第3番あり,でした。第2番の省略が残念です。そのおかげで第1番と第2番で1枚のディスクに収まっているのですが(それでも計80分23秒...),個人的には2枚組にしてでもリピートはして欲しかったと思います。

録音ですが,残響は少し多めですが,それにも増してオーケストラ自体の響きを濃厚に捉えています。弦楽器主体に録っているのは良いのですが,少し密度感が高すぎて混沌として見通しが悪く,明瞭感も落ちているように思います。こういう演奏なので,もう少しすっきりと見通しよくヌケ良く録って欲しいところです。中低域の響きが締まっているのが救いです。そんなに悪くはないのですが。

なお,録音状態は第3番,第4番の方が若干良好です。

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ブラームス:交響曲第2番,ハイドンの主題による変奏曲(サー・エイドリアン・ボールト指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a(*)
サー・エイドリアン・ボールト指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1971年 Kingsway Hall,1978年 Abbey Road Studios (*)
TOCE-13443 (P)2007 東芝EMI株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

先に取り上げたDiskyの全集盤のコメントでご紹介いただいた,2007年に発売されたEMI Classics決定盤1300シリーズのディスクです。たまたまAmazon.co.jpに出品されていた最後の新品を運良く入手できました。いつリマスタリングされたものかわかりませんが,「24bit最新リマスタリング」と記載されていますので,1988年リマスタリングのDisky盤よりは確実に新しいものですね。

Disky盤と聴き比べてみると,その差は歴然としています。鮮度が確実に上がっていますし,低域のレンジ感も向上しより充実した音になっています。現役盤として入手可能なBoxセットでなぜこのリマスタリング音源が採用されなかったのか,釈然としませんね。何か理由があったのでしょうか。

この国内盤はすでに廃盤で入手しづらい状況というのは残念です。

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ブラームス:交響曲全集(サー・エイドリアン・ボールト指揮/ロンドン交響楽団/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲全集
サー・エイドリアン・ボールト指揮
ロンドン交響楽団/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1970年,1972年
HR 705412 (P)(C)1999 Disky Communications Europe (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

第3番がロンドン交響楽団,それ以外がロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。Diskyの解説書には明記されていませんが,参考に挙げたEMIのボックスセットのWebページを見ると,第3番が1970年,それ以外が1972年で,いずれもロンドンのキングズウェイ・ホールでの録音となっています。Disky盤は1988年のデジタル・リマスタリングと記載されていました。

このボールトのブラームス,端正で引き締まった品格のある素晴らしい演奏ですね。誇張がなく地味なくらい控えめですが,それがこの演奏の魅力だと思います。

さて録音なのですが,残響は少し多めにあるものの,それぞれの楽器の質感を大きく損なわない適度な範囲であり,また,弦楽器の豊潤な響きを中心に全体の音響が構成されているので印象は良いです。EMIにしてはかなりうまくまとめていると思います。でもオーディオ的な品質はやはりEMI...1970年代の録音ならもう少しスカッとしていて欲しいところです。とはいえ十分に鑑賞に堪えうる録音ではありますが...惜しいです。

なお,Disky盤はすでに廃盤で入手は難しい状況です。参考に挙げたボックスセットは11枚組で価格も安価ですね。音質が改善されているかどうかは定かではありませんが,このディスクを聴いていると,もっとボールトの録音が聴きたくなって,手に入れるかどうか,今とても迷っています(^^;。

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ブラームス:交響曲全集(サー・ジョン・バルビローリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲全集
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1966年,1967年 ウィーン,ムジークフェラインザール
Warner Classics 0825646767717 (P)1968,1969 (C)2016 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
※2012年 デジタル・リマスタリング

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ブラームス:交響曲全集
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1966年,1967年 ウィーン,ムジークフェラインザール
HR 708222 (P)(C)2001 Disky Communications Europe (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,HMV Onlineicon
※1990年 デジタル・リマスタリング

定評のあるブラームス交響曲全集。遅めのテンポで重厚に,じっくりと,壮大に鳴らすロマンティックな,しかし品格のある素晴らしい演奏。旧世代の演奏ですが,私にはこういう演奏が落ち着きますし,心に滲み渡ります。

そして録音ですが,EMIの録音にしてはかなり良いと言えるでしょう。残響はかなり多いので付帯音の被りによる音色への影響は避けられませんが,その割には楽器の質感も感じられますし,分離感もまずまず良好です。響きが勝ちすぎていて私の好きなタイプの録音ではないのですが,楽器の魅力が失われていない録音として十分許容範囲で,むしろ印象は良いです。残響が気にならない方には魅力的な録音ではないでしょうか。なお,1966,67年というおよそ50年前の録音なのでオーディオ品質は時代なりというところは仕方ないですね。

だいぶ前にDisky盤を入手していたのですが,音質の改善を期待して今回このWarner盤を入手してみました。2012年のマスタリングということで,Disky盤に比べると,低域のレンジ感が大きく増し,鮮度もわずかに向上しているように思いました。入手した価値はあったかなと思います。

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ブラームス:交響曲全集(朝比奈隆指揮/新日本フィルハーモニー交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
朝比奈隆指揮/新日本フィルハーモニー交響楽団
1990年(交響曲),1992年(ハイドンVar.) オーチャードホール(ライヴ)
FOCD9035/8 FONTEC (タワーレコード企画盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower Records
朝比奈隆のブラームス交響曲全集は,大阪フィルとの2種(1979-80,1994-95)と,新日本フィルとの2種(1990,2000-01)の4種類があり,本盤は4種中の2番目です。81歳での録音で,ライヴでの収録です(拍手も収録されています)。朝比奈さんのディスクは高価なものばかりでしたので聴く機会がなかったのですが,今回のタワーレコードの企画盤での復刻で\3,240と安価であったため,ようやくその演奏に触れることが出来ました。

今まで手が出なかった理由として,自分の好みとは違う「重い」演奏なんじゃないかという勝手な思い込みもありました。今回聴いてみて,テンポ設定が全体に遅めで典型的な重厚路線でスケールが大きく堂々としている点は想像通り。とはいえ,そんな中で時折見せる躍動的な爆発力は想像を超えていました。これが朝比奈さんのブラームスなのか! もう少しじっくりと聴いて朝比奈さんの芸術に触れてみようと思います。

それで録音なのですが,上記のような演奏のイメージを強調するかのような濃い音作りをしています。残響もそれなりに多いのですが,それ以上に全体を一緒くたに詰め込んだような混沌としたところが少しマイナスです。ステレオ録音なのにステレオ感がなく,楽器の分離感,定位感もありませんし見通しも良くありません。音色自体は言うほど悪くないのですが,私としては不満がやや大きく残念に思います。

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ブラームス:交響曲全集(小林研一郎指揮/日本フィルハーモニー交響楽団)

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ブラームス:交響曲第1番,ハンガリー舞曲第5番
1999年4月23日(No.1),8月22日(ハンガリー舞曲) サントリーホール(ライヴ収録)
AVCL-84013 (P)1999 Octavia Records (C)2014 Avex Classics (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第2番
1999年4月22日 サントリーホール (ライヴ収録)
AVCL-84014 (P)1999 Octavia Records (C)2014 Avex Classics (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第3番,第4番
1999年12月9日,10日 サントリーホール (ライヴ収録)
AVCL-84015 (P)2000 Octavia Records (C)2014 Avex Classics (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
小林研一郎指揮/日本フィルハーモニー交響楽団

邦人演奏家・オーケストラを主体とした「avex-CLASSICS 究極のベスト100」から。それにしてもこれは指揮者の唸り声がひどすぎます。音楽への集中力がこの唸り声で思いっきり削がれてしまいます。私はただ純粋にブラームスの音楽を楽しみたいだけなのに。実演を聴くならともかく... 単純にブラームスの交響曲を聴きたい方に対して,そして,小林研一郎さんの熱烈なファンでない限り,このディスクはお薦めしません。私は途中で聴くのを断念しました。

録音ですが,ライヴ録音としてはかなり良好です。残響は控えめで楽器音が明瞭に,そして質感豊に録られています。優秀録音ではないかもしれませんが,まずまずの好録音です。

せっかく録音が良いのに...残念でなりません。第1楽章提示部のリピート省略も残念です。

第1番 14:42/9:48/4:45/18:06 提示部リピート省略
第2番 16:26/11:11/5:26/10:23 提示部リピート省略
第3番 11:15/9:00/6:47/8:59 提示部リピート省略
第4番 13:38/11:51/6:33/11:12

ブラームス:交響曲全集(飯森範親指揮/日本センチュリー交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
飯森範親指揮/日本センチュリー交響楽団
2014年4月17-19日 大阪 ザ・シンフォニーホール
Exton OVCL-00554 (P)(C)2014 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
正統路線を極めたような素晴らしい演奏ですね。頭の中で鳴り響く理想の姿が現実の音となって実現されたような,指揮者やオーケストラの存在感が希薄で純粋にブラームスの音楽だけがそこにあるような,そんなふうに私には聴こえます。聴き比べという観点ではあまり面白くないかもしれませんが,何度も聴きたくなるのは結局こういう演奏なのだと思います。期待を大きく上回る好演奏でした。オーケストラも上手く,コントロールも行き届き,音色の美しさも特筆できます。日本のオーケストラの水準の高さを改めて認識しました。

録音ですが,残響は結構あるのですが,直接音的な音の芯があり,また,楽器音の輪郭が比較的明瞭で,帯域バランス,音の伸びも悪くなく,残響が多いにもかかわらず印象の良い録音でした。もちろん残響が抑えられていればもっと良かったのに,と思いますが,これならまあ許容できます。

今後の録音にも大いに期待します。(録音はもう少し残響控えめでお願いしたいですが)

第1番 16:34/8:58/4:43/17:13 提示部リピートあり
第2番 21:03/9:36/5:22/9:25 提示部リピートあり
第3番 12:45/7:56/6:16/8:16 提示部リピートあり
第4番 12:53/10:43/6:18/10:05
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