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ロッシーニ:弦楽のためのソナタ全曲

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ロッシーニ:弦楽のためのソナタ全曲
サー・ネヴィル・マリナー指揮(Sir Neville Marriner)(Conductor)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(Academy of St Martin in the Fields)
録音:1966年,1968年
POCL-3652/3 (P)1966/68 The Decca Record Company Limited (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

ロッシーニの弦楽のためのソナタ集(全6曲)は,12歳の時の作品ということで,確かに作品としての完成度,オリジナリティに難はあるかもしれませんが(そしていささかワンパターン気味か?),12歳ということを考えると十分に素晴らしい作品だと感心します。

解説書によると,オリジナルの編成はヴァイオリン2,チェロ,コントラバスですが,この演奏では,作曲上の難点を補うため?,12人のヴァイオリンを3パートに分け,その第3パート目は第1, 2パートの主題を演奏している方の補強に回し,また,2人のヴィオラを追加して第2ヴァイオリンやチェロを補助しているとのことです。

演奏は生真面目ですが快活で明るく楽しく,この曲の面白さを十分に伝えてくれています。アンサンブルも決まっています。ところどころチェロやコントラバスの旋律が出てくるのですが,これがソロで演奏されるため,ヴァイオリンの旋律が合奏で演奏されることと対比すると,少しアンバランスな感じがしますが,まあ些細なことと思います。

録音ですが,若干の残響を伴いつつもとても明快でヌケも良く,弦楽器の美しさ・質感を魅力十分に伝えてくれる好録音です。録音年を見て驚きました。とても1960年代の録音に聴こえません。1980年代くらいだろうと漠然と思っていました。この録音を聴くと,この半世紀の間にいったい録音の何が進歩したんだ?と疑問に思ってしまいます。

[ロッシーニ][管弦楽曲][弦楽合奏]
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