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オリヴァー・デイヴィス:エア(ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,他)

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オリヴァー・デイヴィス:エア
ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,他
2021年11月24,25日 Air リンドハースト・スタジオ
SIGCD709 (P)(C)2022 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

オリヴァー・デイヴィスは映画や放送の音楽も手がける英国の現代の現役作曲家です。私は現代音楽が苦手であまり聴きませんが,この作曲家の作品は聴きやすく,以前も下記のエントリーで取り上げていました。

英国の現代の作曲家 オリヴァー・デイヴィスの作品集
オリヴァー・デイヴィス:アンノ,ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」

このアルバムはSignumレーベルからの7枚目となります。演奏はオーケストラのほかに,ピアノ,ヴァイオリン,チェロに加え,テノール,ソプラノの歌手,ザ・ハンク・ブラザーズというアンサンブル団体も参加されていて,管弦楽から室内楽的な音楽まで変化があり今回も楽しめるアルバムになっていました。

そして録音なのですが,スタジオで録音されているようで,直接音主体に各楽器を明瞭に録っていて好感が持てます。クラシック音楽的な録り方ではないような感じもあるので好みが分かれるところだと思いますが,私はむしろこういう方が好きで良いと思いました。

今後の作品にも期待します。

英国の現代の作曲家 オリヴァー・デイヴィスの作品集

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オリヴァー・デイヴィス:ダンス Oliver Davis: Dance
ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ケレンザ・ピーコック(Vn),ヒュー・ワトキンス(P)
SIGCD469 (P)(C)2016 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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オリヴァー・デイヴィス:リバティ Oliver Davis: Liberty
ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ケレンザ・ピーコック(Vn),ジョナサン・ヒル(Vn),ティモリー・リダウト(Va),エマ・ヒースコート(Vn,Va),キャサリン・ジェンキンソン(Vc),ヒュー・ワトキンス(P),グレース・ダヴィッドソン(Sop)
2017年8月29日, エア・リンドバースト・スタジオ(ロンドン),ウィー・ライト・ミュージック・スタジオ
SIGCD522 (P)(C)2018 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

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オリヴァー・デイヴィス:フライト Oliver Davis: Flight
ポール・ベイトマン指揮/ロンドン交響楽団
ケレンザ・ピーコック(Vn),ヒュー・ワトキンス(P),他
2014年2月10日, 8月20日 ロンドン,エア・スタジオ,エア・エーデル
SIGCD411 (P)(C)2019 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

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オリヴァー・デイヴィス:アルカディア Oliver Davis: Arcadia
ポール・ベイトマン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ベンジャミン・ベイカー(Vn),ケレンザ・ピーコック(Vn),ヒュー・ワトキンス(P)
2018年8月 ドイツ,2019年2月 ロンドン
SIGCD590 (P)(C)2019 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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オリヴァー・デイヴィス:ソレス Oliver Davis: Solace
ペーテル・イレーニ指揮、ブダペスト・スコアリング・オーケストラ
オリヴァー・デイヴィス(P), ヒュー・ワトキンス(P), ベス&フロー(P), ケレンザ・ピーコック(Vn), ジョナサン・ヒル(Vn), キャサリン・ジェンキンソン(Vc), ニコラス・ホランド(Vc), グレイス・デイヴィッドソン(Sop), オリヴァー・ワス(Harp), セルジオ・プッチーニ(G)
SIGCD668 (P)(C)2021 Signum Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

英国の現代の作曲家,オリヴァー・デイヴィスの作品は,先日,"Seasons"というアルバムを取り上げました。これが良かったので,今までにリリースされている5つのアルバムも聴いてみました。ここで紹介したとおり,映画や放送の音楽も作曲されているそうで,現代の現役作曲家ですが,聴きやすくまた曲調がカッコいいところが良いと思いました。

収録されている曲は参考に挙げているURLを見ていただくとして,オーケストラから室内楽,器楽曲まで様々です。特に良かったのはヴァイオリンと弦楽を中心とした協奏曲風の作品です。ミニマルミュージック的な伴奏の上で奏でられるヴァイオリンがカッコ良くて好きですね。

録音ですが,多少のばらつきはあるものの,直接音を主体に明瞭で楽器の質感が感じ取りやすいものが多く好印象でした。すこし自然さが欠けるバランスだったり誇張されたように感じるところもありますが,音楽としてむしろ好ましく感じました。このあたりは好みによるかもしれませんが。

継続的にリリースされるのかわかりませんが,今後も注目していきたいと思います。

ハーバート,エルガー,フックス,シューベルト:弦楽セレナーデ集(アニマ・ムジケ室内管弦楽団)

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ハーバート:弦楽セレナーデ ヘ長調 作品12
エルガー:弦楽セレナーデ ホ短調 作品20
フックス:弦楽セレナーデ第1番 ニ長調 作品9
シューベルト(ナフティン編):セレナーデ~「白鳥の歌」より
アニマ・ムジケ室内管弦楽団 Anima Musicæ Chamber Orchestra
2020年 ハンガリー、フンガロトン・スタジオ
好録音度:★★★★☆
HCD32847 (P)2021 Hungaroton (輸入盤)
参考: Tower Records,,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

アニマ・ムジケ室内管弦楽団は「リスト音楽院の首席メンバーにより2010年に創設された新進気鋭の名人集団」とのことで,同団体による弦楽セレナーデ集の第三弾。第一弾,第二弾は以前取り上げていました(→こちら)。またモーツァルトのディベルティメント,アイネ・クライネ・ナハトムジークのディスクもリリースされていてこれも取り上げていました(→こちら)。いずれも演奏も録音も良かったので続編を期待していたところで,実は今年の四月にこの第三弾が発売されていて見逃していました。

特にエルガーの弦楽セレナーデは愛聴曲なので期待が大きかったのですが,期待に違わない良い演奏でした。技術力,アンサンブル力が前面に出ていて,もう少し情緒的な雰囲気が欲しかったとは思うのですが,これはこれで完成度が高いと思います。他の曲は初めて聴く曲でしたがいずれも面白そうだったのでもう少し聴いてみようと思います。

録音ですが,スタジオ録音ということで気になる残響はほとんどなく,直接音を主体に弦楽器の艶やかな音色をうまく捉えていると思いました。少し誇張された感じはありますが,フンガロトン録音らしいなと思いました。録音の出来としては先に挙げたモーツァルトと第一弾・第二弾の中間くらいで,十分好録音と言えるものです。

先日取り上げたメタモルフォーゼン・ベルリンの3枚の弦楽オーケストラ作品集と偶然にも似たようなものが近い時期にリリースされていますが,どちらも今後の録音にも期待したいと思います。

弦楽オーケストラ作品集(ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン)

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ドヴォルザーク:弦楽セレナーデ作品22
スーク:弦楽セレナーデ作品6,ラヴ・ソング作品7-1
ハーバート:イエスタソーツ,パンチネロ,ガザル
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン
録音不明
88875130202 (P)(C)2015 Sony Classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ作品48,フィレンツェの思い出作品70,他
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン
2016年12月 ベルリン,テルデックス・スタジオ
88985422242 (P)(C)2017 Sony Classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

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エルガー:弦楽セレナーデ作品20,愛の挨拶,気まぐれな女,他
ブリテン:シンプル・シンフォニー作品4
ウォーロック:カプリオール組曲
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン
2020年3月8日, 4月12-14日, 6月24日 ベルリン,テルデックス・スタジオ
19439873312 (P)(C)2021 Sony Classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

メタモルフォーゼン・ベルリンは「ベルリンの名門オケの若手メンバーを中心に結成された弦楽オーケストラ」ということで,これまでに3枚のディスクがリリースされています。詳細は参考に挙げたURLを参照いただきたいのですが,公式Webサイトによると,メンバーは,6-6-6-7-1(Vn1-Vn2-Va-Vc-Cb)で弦楽オーケストラとしては人数は多い方ではないかと思います。

この3枚のディスクを聴くと,演奏はオーソドックスで手堅い印象ですが,アンサンブルも良く,引き締まった,そして,生き生きと躍動する音楽が大変魅力的と思いました。特に最新のディスクに収録されているウォーロックのカプリオール組曲は速いテンポで推進力があり,同曲の演奏ではかなり良い部類に入るのではと思える素晴らしい出来でした。

一方録音なのですが,スタジオで録音しているにしては残響が多めであり,弦楽器の魅力が失われるまではいかないものの演出感が強すぎて現実味が薄れてしまい,私としては少し残念な感じでした。しかもこの3枚でだんだんその傾向が強くなり,3枚目になるともう残響過多という感じがします。ドヴォルザークやチャイコフスキーの弦楽セレナーデはまだ聴きやすい方なのでその点は少し救われました。

数年のリリース間隔があるので次がいつでるかわかりませんが,弦楽オーケストラのレパートリーはまだまだあるのでリリースを続けてほしいですね。でも録音はちょっと見直して欲しいです。

ドリーブ:バレエ組曲集(ネーメ・ヤルヴィ指揮/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団)

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ドリーブ:バレエ組曲集
ネーメ・ヤルヴィ指揮/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
2019年11月4,5日 グラスゴー,ロイヤル・コンサート・ホール
CHSA 5257 (P)(C)2020 Chandos Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ドリーブのバレエ組曲集で,収録曲は以下の通りです。解説に,ネーメ・ヤルヴィ自身が組曲版を編集した,とありました。

「シルヴィア,またはディアーヌのニンフ」からの組曲
「泉,またはナイラ」からの組曲
「コッペリア,またはエナメルの眼をした娘」からの組曲
(以上,ネーメ・ヤルヴィ編)

バレエ音楽のシルヴィア,コッペリアは,LPの時代に持っていたのですが(演奏者は失念),LPのカッティングレベルが低かったのか,音が悪く残念な思いをしたことを覚えています。

そしてシルヴィアは,私が大学オーケストラに入った年に先輩方が演奏されていた思い出深い曲でもあります。現在若手ソロヴァイオリニストとして活躍されているある方の父君が当時の第2ヴァイオリンのトップを弾いていて,練習の合間にシルヴィアのいろいろなフレーズを踊りながら弾いてその解釈を解説してくださったことを,この曲を聴く度に思い出します。

録音ですが,オーケストラ録音としては標準的な印象です。残響はありますが控えめで,生録的な自然さ,演出感のなさが良いと思います。各楽器の捉え方はすこし弱めで全体に地味な感じです。もう少し寄ってクッキリと質感豊かに録って欲しかったとは思いますが,分離感もそこそこあって悪くないと思います。

どちらかといえばマイナーな曲で(コッペリアは有名ですが)音盤も多くないと思いますが,それがこのようなクオリティの高い演奏と良好な録音で聴けることは本当にうれしいことですね。

グリーグ:弦楽オーケストラのための作品集(リチャード・トネッティ指揮/オーストラリア室内管弦楽団)

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グリーグ:弦楽オーケストラのための作品集
リチャード・トネッティ指揮/オーストラリア室内管弦楽団
2010年10月 シドニー,ユージン・グーセンス・ホール
BIS-SACD-1877 (P)(C)2012 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

比較的好きな録音が多いリチャード・トネッティのディスクを探していて見つけた一枚です。収録曲は下記の通りです。

グリーグ:
弦楽四重奏曲第1番ト短調作品27(トネッティ編)
2つの悲しい旋律作品34
恋愛詩作品43-5(トネッティ編)
ホルベルク組曲作品40

グリーグの弦楽四重奏曲の弦楽オーケストラ版は珍しいと思いますが,以前ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラの演奏を取り上げていました。弦楽オーケストラのレパートリーになりつつあるのでしょうか。しかし,元々弦楽四重奏でもちょっと響きが重く暑苦しいと思っていたのですが,弦楽オーケストラになってそれがさらに助長されています。これはちょっと苦手です。他の曲は良いですね。溌剌としていますし,弦楽器の豊潤で艶やかな響きがとても魅力的です。

録音ですが,残響はやや多めで楽器音への被りが少し気になるものの,弦楽器を自然な音色で質感豊かに捉えていて好印象です。私の聴きたい,好きな弦楽器,弦楽オーケストラの音に近いです。好録音です。

グリーグ:ホルベルク組曲,弦楽四重奏曲(弦楽合奏版),シベリウス:ヴァイオリンと弦楽のための組曲(日下紗矢子/ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ)

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グリーグ:ホルベルク組曲(ホルベアの時代より)作品40
グリーグ:弦楽四重奏曲第1番ト短調作品27(弦楽合奏版)
シベリウス:ヴァイオリンと弦楽のための組曲ロ長調作品117
ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ
日下紗矢子 (コンサートマスター)
2017年5月11日,2018年11月15日 ベルリン,コンツェルトハウス
KKC4179(BS 010) (P)(C)2019 b-sharp (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団を母体とし,2009年に日下紗矢子とミヒャエル・エルクスレーベンの二人をリーダーとして結成されたとのことです。グリーグの弦楽四重奏曲は日下自身の編曲です。

全体として速めのテンポで力強く攻める演奏なので,ホルベルク組曲と弦楽四重奏曲はまあ良いとして,シベリウスは元気がありすぎてだいぶ曲のイメージが違うかなと思いましたが,こういうのも嫌いではありません。ホルベルク組曲など第1楽章から勢いがあってノリが良くワクワクしました。

録音ですが,残響が多めで音の密度が高くやや濃いめの捉え方なのでちょっと暑苦しい感じがありますが,弦楽器の質感は良くでておりまずまず良好です。私としてはもう少しスッキリと録って欲しいとは思いましたが。

天上的な美しさ! アネルセン:マニフィカト(トロンハイム・ソロイスツ/ニーダロス大聖堂少女合唱団/他)

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アネルセン:マニフィカト
カーニス:天上の音楽(弦楽オーケストラのための)
ヤイロ:ツンドラ
ヤイロ:普遍者の歌
トロンハイム・ソロイスツ/ニーダロス大聖堂少女合唱団/他
2013年5月,2014年1月,5月 ノルウェー,トロンハイム,ニーダロス大聖堂
2L-106-SABD (C)2014 Lyndberg Lyd AS (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

AV Watchの【匠のサウンド百景】という特集の中で,エミライ/OPPO Digital Japanの島 幸太郎氏が紹介されていた6曲の中の一つです。リリース当時に話題になったとのことですのでご存じの方も多いと思います。2Lというノルウェーのレーベルは高音質で有名なので幾つかは聴いたことがあるのですが,このディスクは初めてでした。私は全く声楽曲を聴かないのですが,この天上的な響きの美しさにちょっとばかり感激してしまいました。残響を豊富に取り込んでいますが,これはもう音楽の一部として欠かせないものですし,この音楽の美しさを損なうことなく取り込まれていますので問題ありません。

パッケージとしてはSACDとBlu-rayで構成され,ハイレゾの2chステレオのほか,マルチチャンネルの音声も収録されています。私は2chステレオで聴きましたがそれでも十分にこの美しい音楽を楽しむことが出来ました。

グリーグ:ホルベルク組曲,スクームスヴォル:ホルベア変奏(1B1(室内管弦楽団),クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ),他)

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グリーグ:ホルベルク組曲(弦楽合奏版,ピアノ独奏版)
スクームスヴォル:ホルベア変奏(ピアノと弦楽合奏のための)
1B1(室内管弦楽団),クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ),他
2014年1月2-5日,2月24-26日 ノルウェー,スタヴァンゲル・コンサートホール
Simax PSC1332 (P)2014 Grappa Musikkforlag AS (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。

ホルベルク組曲はグリーグの中で最も好きな作品です。このディスクでは,原曲のピアノ独奏版と作曲者自身の編曲による弦楽合奏版,そして,このホルベルク組曲を題材に,ジャズシーンで活躍しているスクームスヴォルが主導して即興的な演奏を試みたという「ホルベア変奏」が収録されています。

ピアノ独奏版は初めて聴いたのですが,これがまたかっこいいですねぇ。前奏曲にワクワクしますし,第3曲のガヴォットとミュゼットも洒落ています。ピアノ曲としては有名ではないと思いますが,弦楽合奏版を知っていれば結構楽しめる曲ですね。弦楽合奏版もスピード感と勢いがあり良いと思います。ホルベア変奏は...少し聴いたのですがあまり興味が湧かずパスしてしまいました(^^;。

録音ですが,弦楽合奏もピアノもまずまずの録音で,残響は適度であり録り方も自然で悪くないのですが,少し雑味というか濁りがあり,透明感や音の伸びに欠けています。録音機材があまり良くないのかもしれません。惜しいと思います。

ムラヴィンスキー・イン・モスクワ 1965 & 1972

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ムラヴィンスキー・イン・モスクワ 1965 & 1972
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
SC503 (P)(C)2015 Scribendum Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆~★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

1965年と1972年のモスクワでのライブを集めた7枚組。元々1965年と1972年は別々のセットで販売され,ベストセラーだったとのことで,お持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

CD1の1曲目に収録されているのは先日紹介したルスランとリュドミーラとおそらく同じ演奏で,そのディスクの演奏はほとんどこのセットにも収録されているようです。

収録曲目は上に挙げたURLをご参照いただくとして,このセットはスクリベンダム・レーベルによる入念なリマスタリングが行われたということで,私の持っているビクターのCDに比べて,確かに大幅に音質が改善されていることがわかりました。ビクターのものはコンプレッサーをかけたかのごとく飽和感と音のつぶれがひどかったものが,極めて自然で鮮明な音で普通に楽しめる音で蘇っています。これはうれしいですね。

総じて1965年のものが良く,1972年のものはあまり冴えません。1965年のものでもマスターの状態による差か,大きく出来に幅があり例のルスランとリュドミーラやシベリウスの交響曲第7番などはかなり出来が良く,中にはシンバルが耳に痛いくらい高域が刺激的なものや,マスターテープの劣化によるドロップアウトが感じられるものもありました。

1965年の録音は生録的な演出感のない自然な音響が良く,音が鮮明でそれぞれの楽器の質感が良く感じられます。さすがにオーディオ的なクオリティは良くないのですが,この生々しさは近年の録音では滅多に(というか全く)お目にかかることのできないインパクトのあるものです。ムラヴィンスキーの貴重な演奏がこのような録音で残されたことに感謝です。1972年の方は残念ながら普通の録音に近く,生々しさはほとんど感じられず,録音自体もちょっとしょぼい感じです。こちらも1965年の録音のように残ってくれていたら良かったのにと少し残念です。

タグ: [管弦楽曲] 

ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルの「ルスランとリュドミーラ」

昨日紹介したムラヴィンスキー管弦楽名品集に収録されているのと同じと思われる演奏の音源がYouTubeにアップされているのを,いつもTwitterでお世話になっている方が紹介してくださいました。よろしければご試聴ください。



これが私の「爆演」の基準です(^^;。

ルスランとリュドミーラ ~ ムラヴィンスキー管弦楽名品集(エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団)

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ルスランとリュドミーラ ~ ムラヴィンスキー管弦楽名品集
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

1965年2月 モスクワ音楽院大ホール(ライヴ)
VDC-1115 (P)1986 ビクター音楽産業株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Amazon.co.jp

古いディスク続きで失礼します。これも学生時代にLPで持っていてよく聴いていました。当時から有名な演奏だったと思いますのでご存じの方も多いのではないでしょうか。収録曲は下記の通りです。

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲
ムソルグスキー:モスクワ河の夜明け
リャードフ:鬼婆(ババ・ヤガ)作品56
グラズノフ:フラグメント第10番
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
シベリウス:トゥオネラの白鳥作品22-2
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲

アルバムのタイトルでもある「ルスランとリュドミーラ」がド迫力の凄まじい演奏です。最初にこれを聴いてしまったらもう他の演奏はヌルくて聴いてられません(^^;。麻薬のような爆演です。レニングラード・フィルの力量を誇示するためのデモンストレーションなのかもしれません。一般にとてもお勧めできるものではありませんが(特に最初にこの演奏に触れるのは全くお勧めできません),一聴の価値アリです。久しぶりに聴いて熱くなってしまいました!

録音ですが,拍手の入る古いライヴ録音で,録音のクオリティは決して良くはありません。残響は多めですが高域は強調されていて曇っておらず,帯域バランスの著しく崩れた音色ながらストレスなく聴くことが出来るという点では良いと思います。

このディスクは1980年代に発売されたものですが,その後再発売されたのかはよくわかりませんでした。

タグ: [管弦楽曲] 

大植英次指揮/ミネソタ管弦楽団のReference Recordings録音から

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レスピーギ:「シバの女王ベルキス」組曲
レスピーギ:地の精の踊り
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
大植英次指揮/ミネソタ管弦楽団
2001年5月28,29日 ミネアポリス,オーケストラ・ホール
RR-95CD (P)(C)2001 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music
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ストラヴィンスキー:「火の鳥」組曲(1919年版)
ストラヴィンスキー:交響詩「うぐいすの歌」
ストラヴィンスキー:春の祭典
大植英次指揮/ミネソタ管弦楽団
1996年1月18-20日 ミネアポリス,オーケストラ・ホール
RR-70CD (P)(C)1996 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

以前紹介したR.シュトラウス:英雄の生涯,「影のない女」組曲の録音が良かった大植英次指揮ミネソタ管弦楽団のReference Recordingsへの録音をもう2つ聴いてみました。

いずれもすっきりとした音調で楽器音の綺麗さが際立っていますし,特にストラヴィンスキーの方は低域の伸びとエネルギー感が良いと思いました。一方で,楽器音の質感は弱めであり,また,立体感,広がり感も控え目で,やや不満が残る面もあります。とはいえ,これはなかなかの好録音ではないかと思っております。

CDの他に,DVD-ROMによるハイレゾ音源の販売もあるようで,参考に挙げたe-onkyoの音源はこちらのものではないかと思います。

フィンジ:INTROIT(入祭唱~フィンジの音楽)(ニコラス・コロン指揮/オーロラ管弦楽団)

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フィンジ:INTROIT(入祭唱~フィンジの音楽)
ニコラス・コロン指揮/オーロラ管弦楽団
2015年7月,8月 イギリス,クロイドン,フェアフィールド・ホール
4789357 (P)2016 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicでの試聴です。いつも参考にさせていただいているクラシック音楽CDの雑談で知ったディスク。ジャケ買いならぬジャケ聴きです(^^;。ジェラルド・フィンジはイギリスの作曲家(1901-1956)で,このディスクでは,編曲版を含めて室内オーケストラの作品を収録しています。(曲目等の詳細は前記のサイトをご参照ください...手抜きですみません)。

フィンジは初めて聴くのですが,郷愁を誘う,ほのぼのする音楽ですね。ジャケットデザインに影響されたわけではないのですが,深まりゆく秋のイメージです。そして底に綿々と流れる「英国」的品格も良いと思います。これはなかなかの掘り出し物でした。

録音ですが,残響感はあまり感じられず,個々の楽器の音色,質感がよく感じられる良好な録音に思います。特に特徴のある録音ではないのですが,ごく自然なイメージであり,欠点があまりありません。こういう何気ないのが実は意外に良いのですよね。

オルフェウス室内管弦楽団の忘れ去られたディスク ~ 弦楽合奏のための英国音楽

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English Music for Strings
オルフェウス室内管弦楽団
New York, State University of New York at Purchase, Performing Arts Center, 12/1985 & 12/1987
445 561-2 (P)1986, 1988 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★

オルフェウス室内管弦楽団のディスクをさらにもう一つ。弦楽合奏のための英国の作曲家の曲を収録しています。

エルガー:序奏とアレグロ作品47(弦楽四重奏と弦楽合奏のための)
エルガー:弦楽セレナーデ作品20
エルガー:弦楽のためのエレジー作品58
ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴスによる幻想曲
ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲
ブリテン:シンプル・シンフォニー作品4

この中ではエルガーの序奏とアレグロのアグレッシブな演奏が圧巻,オルフェウス室内管弦楽団の機動力,アンサンブル能力の高さを如実に示す好演奏。弦楽セレナーデも美しい。シンプル・シンフォニーは第1楽章のゆっくりしたテンポ取りに不満が残る以外は期待通り。

録音ですが,やや残響が多めに取り入れられていて音色に影響し,また量感たっぷりに捉えられていますがややくどく暑苦しく感じます。同楽団の良好な録音と比較するとやや落ちる印象です。ただ,弦楽器の魅力は十分に感じられるので,弦楽合奏の録音としては普通からやや良い方だとは思います。もう少しすっきりと透明感のある音で残して欲しかったですね。

さてこのディスクですが,オリジナルではブリテンは別のカップリング(プロコフィエフ:古典交響曲,ビゼー:交響曲ハ長調)だったようです。どちらも今では入手性が悪く,また,Apple Musicでも公開されていません。メンデルスゾーンの弦楽のための交響曲集と同様,忘れられてしまったディスクです。もったいないことです。

Henry Purcell: Ayres for the Theatre (Peter Holman / The Parley of Instruments)

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Henry Purcell: Ayres for the Theatre
Peter Holman / The Parley of Instruments
6, 7 January 1986
CDA66212 (P)(C)Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
今週のツィッターのタイムラインに「パーセル」がたくさん出てきたので久しぶりに聴きたくなって引っ張り出してきたディスク。恐らく私が持っている唯一のパーセルのディスク。最初に収録されているSuite from the play Abdelazar Z570(組曲「アブデラザール,もしくはムーア人の復讐」)は,だいぶ昔に弦楽合奏で演奏したことがあって,そのときによく聴いていた思い出深いディスクでもあります。Abdelazarは2曲目のロンドの主題がブリテンの青少年のための管弦楽入門に使われているのでご存じの方も多いと思います。

これは小編成のピリオド楽器での演奏で(1パート1楽器?),透明で輝きのある弦の響き,快活な楽しげな演奏が印象に残ります。この室内楽的な響きが気に入っています。私にとって古楽の雰囲気にどっぷり浸かりたいときに好適なディスクです。最近はあんまりそんな気分になるときは少ないですが(^^;。

録音はやや残響が多めですが,音色はあまり曇っていないためそれほど印象は悪くありません。ただ,少し遠めのマイクセッティングなのか,楽器の質感が感じ取りにくいのが残念に思います。

古いディスクなのですでに廃盤になっているようですが,ヘリオスレーベルで復刻されたようです(しかしこれもだいぶ前?)。

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弦楽オーケストラ名曲集(宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S)

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パッヘルベル:カノン ニ長調
バッハ:G線上のアリア
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
ジャゾット:アルビノーニのアダージョ ト短調
グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」作品40
グリーグ:過ぎし春(2つの悲しい旋律作品34より)
宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S
2013年3月4日-6日 稲城私立iプラザホール(セッション)
KICC 1097 (P)2013 King Record Co., Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineicon,Amazon.co.jp,Tower Records

元オーボエ奏者の宮本文昭氏とオーケストラMAP'S(コンサートマスターは矢部達哉氏)による第3弾(第1弾はモーツァルト,第2弾はチャイコフスキー,ブリテン,レスピーギ)。編成は6-5-4-3-2。「弦楽オーケストラ名曲集」ということで,パッヘルベルのカノンやG線上のアリア,アルビノーニのアダージョなど,ややライトな曲が中心です。グリーグの2つの悲しい旋律からは2曲目しか取り上げていないという中途半端なことをやってくれているのが残念ですが。

演奏は第1弾,第2弾と同じで,弦楽オーケストラの魅力に溢れています。特にホルベルク組曲は溌剌として勢いがあり,また緩徐楽章での熱のこもった歌も聴き応えがあります。小編成と思えない分厚い響きもすごいですね。今回も楽しませてもらいました。

弦楽オーケストラ曲はまだまだ良い曲がたくさんありますから,この調子で録音を続けて欲しいと思います。次回作にも期待! (私としてはドヴォルザーク,エルガー,ホルスト,ウォーロックあたりを期待してます)

録音ですが,前2作と会場は異なるものの,ほぼ録音の質は変わりません。弦楽器の魅力は十分に感じ取れますが,もう少し透明感と各楽器の分離感が欲しいところです。演出色がやや強いのも私としては不満に思います。

管弦楽名曲集(ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル)

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ムラヴィンスキー:管弦楽名曲集
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲
ムソルグスキー:モスクワ河の夜明け
リャードフ:鬼婆(ババ・ヤガ)作品56
グラズノフ:フラグメント第10番
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
シベリウス:トゥオネラの白鳥 作品22-2
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮(Evgeni Mravinsky)(Conductor)
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(Leningrad Philharmonic Symphony Orchestra)録音:1965年2月 モスクワ音楽院大ホールにて
VDC-1115 (P)1986 ビクター音楽産業株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★☆

グリンカの歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲を聴きたいがために買ったCDです。この演奏がすごいということでLPの時代からこの演奏を聴いてきました。相当前から有名なのでご存じの方も多いと思います。「背徳のクラシックガイド」(鈴木淳史著)でも触れられていますが,最初にこれを聴いたら他の演奏はちんたらとしていてとても聴けない,というのは本当です。

それにしてもこの演奏は本当にすさまじいです。もう言葉では言い表せません。尋常ではありません。しかもこれだけ爆発していてオーケストラは全く乱れません。これぞ真の爆演と言えるのではないでしょうか。

しかし,フィガロの結婚までこの調子なのはどうなんでしょう? 嫌いではないですが。(その他の曲はあまり聴いていません)

録音ですが,ライヴであまり状態は良くありません。しかし,どの楽器も比較的明瞭に聴こえるのと弦楽器がしっかりと聴こえてくるので我慢の範囲です。というよりもこの圧倒的な演奏の前に,録音のことなど忘れてしまいます。

このCD自体はもう廃盤になっています。今現役盤がどれなのかよくわかっていません。これかなと思うのですが定かではありません(→HMV Onlineicon)。違ったらごめんなさい。
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