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シューベルト:弦楽四重奏曲第10番,第14番「死と乙女」(ヴァン・カイック四重奏団)

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シューベルト:弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 D.87
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D.810[「死と乙女」
ヴァン・カイック四重奏団 Quatuor Van Kuijk
2018年2月 チューリッヒ,スイス放送協会
ALPHA 417 (P)(C)2018 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

好みの録音の多いαレーベルの新譜。これは巧い。表現自体はどちらかといえば奇を衒わないオーソドックスなものですが,シャープでキレがありますし,ダイナミックで躍動感もあり,そしてニュアンスも豊か。和音の絶妙に溶けあう響きも素晴らしい。思わず聴き惚れます。

そして録音がまた良いですねぇ。残響はありますが,あくまで直接音が主であり,明瞭感,音色の自然さ,音ヌケの良さ,適度な距離感(少し近めですが),適度な密度感と分離・見通しの良さの両立,いずれもほぼ欠点がありません。弦楽四重奏の録音としてかなり望ましい出来だと思います。オーディオ的にも良好です。私としてはこれは好録音かつ優秀録音と言いたいですね。

αレーベルの録音であっても出来不出来はあります。この録音なら申し分ありません。今後の録音も期待します。楽しみです。

シューベルト:弦楽四重奏曲集第12番「四重奏断章」,第13番「ロザムンデ」,第14番「死と乙女」,第15番(メロス四重奏団)

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シューベルト:弦楽四重奏曲第13番D804「ロザムンデ」
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番D810「死と乙女」
シューベルト:弦楽四重奏曲第12番D703「四重奏断章」
シューベルト:弦楽四重奏曲第15番D887,弦楽四重奏曲断章D103
メロス四重奏団 Melos Quartet
1974/12,1975/2 シュトゥットガルト,リーダーハレ,モーツァルトザール
PROC-2096/7 (P)(C)2017 Universal Music (国内盤)
※Tower Records Vintage Collection +plus メロス弦楽四重奏団の芸術より
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower Records

〈タワレコ限定〉VINTAGE COLLECTION+plus特別編 メロス弦楽四重奏団の芸術から。

メロス四重奏団はドイブ・グラモフォンで1971-75年に全集を完成させていました(下記ディスク)。タワーレコードの復刻はその中から有名な後期の作品をセレクトしています。このシリーズの他のディスク同様,この時期の録音の復刻はアナログ・マスターに遡ってマスタリングされていますね。下記の全集に比べて概ね鮮明さが増していることが確認できました。

元々の録音は曲によって多少のばらつきが感じられ,特に「死と乙女」はマスターテープの劣化なのか,少しギスギスとしていて音色がキツい感じがしますが,その他の曲はモーツァルトの後期弦楽四重奏曲集と同様,概ねこの時期の良好な録音の部類に入りますね。

それにしてもこのの気合い,集中力は尋常じゃないです。特に第14番「死と乙女」と第15番。正統路線を突き詰めるとこんな演奏になるんですね。

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シューベルト:弦楽四重奏曲全集
メロス四重奏団 Melos Quartet
1971-1975年録音 Stuttgart, Liederhalle, Mozartsaal
463 151-2 (P)1973, 1975 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」,第14番「死と乙女」,第15番(アルテミス四重奏団)

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シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」,第14番「死と乙女」,第15番
アルテミス四重奏団 Artemis Quartet
録音:2009年 Siemensvilla Berlin, Germany
50999 602512 2 0 (P)(C)2012 EMI Records/Virgin Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Online,Amazon.co.jp,Tower Records
アルテミス四重奏団は私の中では若い弦楽四重奏団の一つなのですが,1989年の結成ということなのでもう20年以上のキャリアがあることになります。これには少し驚きました。若いというより壮年期にあるといえるのかもしれません。それを裏付けるようなとても充実した演奏ですね。しかも私にとってはヘヴィーな(^^;シューベルトの弦楽四重奏曲(特に「死と乙女」ですが)を実にヘヴィーに演奏しています。歌心に溢れてはいますが,過度に情緒に流れることなく現代的な洗練をもって表現しているところに好感を持ちます。シューベルトのあの独特な不気味さが抑えられていて私には聴きやすい演奏です(^^;。その点でシネ・ノミネ四重奏団の演奏とはだいぶ趣が異なるように思いました。

「死と乙女」は第1楽章の最初のリピートをちゃんと行っています。私の記憶の中ではここのリピートを聴いたのは初めてのような気がします(でもちょっと自信なし...)。

録音ですが,アルテミス四重奏団の切り立った険しい音(?)をそれなりによく捉えているものの,やっぱりどこかくすんでいてすっきりしません。残響が多いわけではないのですが,ヌケが良くないのです。このあたりEMI系の傾向が出てしまっているのでしょうか? とはいえ,私の好みに合わないだけであって,そんなに悪くはないかも,とは思っています。

最近リリースされる弦楽四重奏曲のディスクはどれも水準が高くハズレが少ない気がします。これも良かったです。録音は少し残念でしたが。

ところで少し思い出したのですが,だいぶ昔にアルバン・ベルク四重奏団がある若い団体に「死と乙女」を指導しているビデオをNHK BSで見たような気がするのですが,もしかしてこのアルテミス四重奏団だったのでしょうか?

シューベルト:弦楽四重奏曲全集(シネ・ノミネ四重奏団)

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シューベルト:弦楽四重奏曲全集
シネ・ノミネ四重奏団 Quatuor Sine Nomine
録音 1989-1994年
Cascavelle VEL 3115 (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: HMV Online,Amazon.co.jp,Tower Records
実は言うと,シューベルトの弦楽四重奏曲は少し苦手です。特に第12番以降でしょうか。底の見えない井戸を覗いたときのような怖さというか,奥底の深さというか,得体の知れない病的な精神世界を感じるというか...とにかく何とも言えぬ不気味な感情が湧いてくるのです。そしてこの演奏は今まで聴いた中で最もそれを強く感じます。感情の起伏の激しさ,深く広がる抒情感...ある意味それだけこの演奏は優れていると言えるのかもしれません。

録音ですが,響きが楽器音に被って少し音色を損なっているものの,楽器音をしっかりと捉えているため印象は悪くありません。どちらかといえば1989-1990年に録音された1~3枚目が良く,1994年に録音された4, 5枚目は響きが増えて音の劣化度合いが増しています(この音作りが上記のような印象を増幅しているような気がします)。残響による影響が許容できる方には優良な録音かもしれません。

シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」,第13番「ロザムンデ」(タカーチ四重奏団)

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シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D810 「死と乙女」
シューベルト:弦楽四重奏曲第13番イ短調 D804 「ロザムンデ」
タカーチ四重奏団 Takács Quartet
2006年5月22-25日 セント・ジョージ教会(プリストル)
CDA67585 (P)2006 hyperion (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV Online,Amazon.co.jp,Tower Records
ハイドンの弦楽四重奏曲も良かったのですが,このシューベルトはさらに良いです。エッジの立ったダイナミックで硬派な演奏がこの曲にとても良く合っています。この団体はこういう曲を弾かせると本当に上手いですね。言うことありません。

録音もこのキレの良い演奏を鮮明に捉えていて気持ちいいです。少し残響があり影響が皆無ではありませんがまあ許容できます。

演奏も録音も良い当たり盤でした。
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