2018/09/15

フランソワ・ラザレヴィチ François Lazarevitch (Flute)
5-7 May 2016 at the Chapelle Notre Dame de Bon Secours, Paris
ALPHA 267 (P)(C)2016 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考:
前エントリに続き私の好きな録音の多いαレーベルからもう一つ。これも録音のみのコメントです。
これも相当残響が多く,しかも残響時間がかなり長いです。残響のピークが少し遅れてやってくる感じすらします。やはり私の好きなタイプの録音とは異なるのですが,楽器の直接音が主体であり,質感も良く感じられ,これだけ残響があるにも関わらず音色への影響が少ないので,印象が悪くありません。残響の質もまずまず良く心地よい空間性の演出に寄与しています。オーディオ品質も良好です。
こういう録り方をしてくれるのであれば残響も悪くないなと思います。ただ,ソロ楽器だから良いと思えるのかもしれません。
2016/09/25

ファビオ・ビオンディ Fabio Biondi (Violin)
2015年6月18-20日 サンテウヴァミーア教会(ニゴリネ・ディ・コルテ・フランカ,イタリア)
Glossa GCD 923406 (P)(C)2016 note 1 music gmbh (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考:
「CD試聴記」からの転載記事です。
バロック楽器による演奏。 かなり自由に装飾や編曲を入れた演奏です。 大胆に変化に富んだ表現を即興的に次々に繰り出してくるところが聴きものです。 技術的にも大変上手く,音色も綺麗だと思います。 ただし,録音の影響でそれが満足に楽しめないのが残念なところです。
録音ですが,残響が多く残響時間も長く,楽器音への被りがかなりあって音色は大きく影響を受け, 明瞭感に乏しく,細部も聴き取りにくく,ヌケも良くありません。 ただ,オーディオ的なクオリティは良く,音は滑らかであり, 残響が許せる方であれば優秀録音なのかもしれません。 ただやはりこれは好録音ではありません。
2016/05/04

エルファ・ルーン・クリスティンスドティル Elfa Rún Kristinsdóttir (Violin)
録音不明
品番なし (C)2014 Elfa Rún Kristinsdóttir (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple Music
「CD試聴記」からの転載記事です。
バロック楽器による演奏。 透明感のある,伸びのあるトーンと,キレの良い発音でコントラストのはっきりした, 美しくまた溌剌とした音楽に仕上げています。 バロック楽器ながらモダン楽器のようなスマートさを持ち合わせているところが良いと思います。
録音ですが,残響が多く,また,残響時間がながいため,まとわりつきと音色への影響が気になります。 なんとか楽器の音色の透明さは感じられるのと,くすんではいるものの音色の伸びは感じられるので, ぎりぎり許容範囲です。 せっかくの美しい音色をもっとすっきりと透明感をもって録って欲しいとは思いますが。
公式Webサイトがあります。音楽配信のみでディスクでの販売はないようです。今回はApple Musicでの試聴です。CD BabyというサイトではMP3 320kbpsとFLACで販売されているようです。
2016/03/13

佐藤俊介 Shunske Sato (Violin)
2011年12月24~25日 相模湖交流センター
Live Notes WWCC-7702 (P)2012 Nami Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考:
「CD試聴記」からの転載記事です。
明記されていないのですが,おそらくバロック・ヴァイオリンによる演奏です。 装飾を効果的に使用したり,フィドルのような奏法を用いたり, キレのある弓遣いでたっぷりと楽器を鳴らしながら, このシンプルで愛らしい曲からダイナミックで多彩な表情を引き出しています。 聴き応えのある全集です。
録音: 残響が多く,また,この残響が大きく楽器音に被っているため, 比較的オンマイクで録られているにもかかわらず,音色がくすんでしまっています。 さらに,この残響の被りがありながら音色がキンキンとしてやや刺激的です。 また少し歪みっぽいようにも聴こえます。 残響が気にならない方には問題ないかもしれませんが,もう少し透明感のある音で録って欲しかったところです。
2016/03/13

アウグスティン・ヘイドリッヒ Augustin Hadelich (Violin)
Recorded at St John Chrysostom Church, Newmarket, Canada, 31 August - 3 September 2007
8.570563 (P)(C)2009 Naxos Rights International Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考:
「CD試聴記」からの転載記事です。
おぉーっ,バリバリの(死語?(^^;)モダン奏法! ヴィブラートとアクセントを効かせた力強くキレの良い演奏が痛快。 ピリオド奏法を取り入れる気など微塵もなさそうです。 まるで機械仕掛けのように正確無比に弾くところでは思わず笑みがこぼれてしまいます(^^。 最近はバロック音楽をモダン楽器でこのように弾いて録音してくれる人がほとんどいなくなったので, かえって新鮮に聴こえます。
録音ですが,残響がかなり多めで残響時間も長いのですが,直接音の比率もそれなりにあって明瞭感と音色がぎりぎり許容範囲に保たれています。 もう少し残響を抑えて直接音がクリアーに録られていると良かったのですが。 残響の質は良い方だと思います。
2016/02/28

ルイジ・デ・フィリッピ Luigi De Filippi (Violin)
Fuscaldo (CS) Italy - Suoneria Mediterranea Studios, 2, 3, 4 January 2015
CC72679 (P)(C)2015 Challenge Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考:
「CD試聴記」からの転載記事です。
バロック・ヴァイオリンによる演奏。 とても丁寧な演奏で,アクセントの抜き方,ロングトーンの音のふくらませ方など絶妙であり, 楽器の響き,音色が大変美しいです。 音楽の流れも軽快で楽しいです。 この単純な愛らしい曲の魅力を上手く引き出した秀演だと思います。
録音ですが...ものすごい残響です。 残響の量が多く,また残響時間も長い。 しかし,直接音もしっかりと捉えられており,残響の被りによる音色への影響も意外に少なく, 楽器の質感も残っています。 これだけの残響を取り入れながら音色の曇りを最小限に抑え,それなりの明瞭感を保っているのは立派です。 印象は悪くありません。 もちろん残響を肯定するわけではありませんが,これならぎりぎり許容範囲であり, 残響を取り入れるならせめてこんな風にして欲しいという例にはなると思います。 もう少し直接音と残響の比率を大きく取ってわとわりつきを抑えてくれればとは思いますが。
2015/11/21

ピーター・シェパード・スケアヴェズ Peter Sheppard Skærved (Violin)
Recorded at the Church of St. John the Baptist, Aldbury, Hartfordshire, England, on 13th and 21st November 2013
Athene ath 23203 (P)(C)2015 Divine Art Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Amazon.co.jp
「CD試聴記」からの転載記事です。同ページのほぼ9年ぶりの更新です(^^)。
バロック・ヴァイオリンによる演奏ですが,奏法的にはそれほどバロック的ではありません。 わざとかどうかはわかりませんが,リズムの崩しがたどたどしく,音楽に乗ることができません。 下手とまでは言いませんが,キレが良くなく素直に音楽を楽しむことができません。
録音ですが,わずかに残響感があるものの,背後にふわっと広がる程度であり, 直接音が支配的できわめて明瞭,高域の伸びも申し分なく, 楽器の質感がストレートに伝わってくる好録音です。 少しきつめに聴こえるかもしれませんが,私にはこれくらいがちょうど良いです。 録音の音のキレが抜群なだけに,演奏のキレが良くないのが残念でなりません。
本ディスクには,“12 Fantasies for Flute, TWV40:2-13”のヴァイオリンによる演奏も収録されています(2枚組です)。 また,本ディスクのタイトルが“THE GREAT VIOLINS volume 1: Andrea Amati, 1570”ということで, かつての名器で無伴奏ヴァイオリンの作品を録音するプロジェクトの第1弾なのかもしれません。
スケアヴェズ氏は先日紹介したタルティーニ:30の小さなソナタ集も録音しています。
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主に音楽とオーディオについて書いています。特に録音にこだわって書いていきます。私の録音に対する考え方を『「好録音」の録音評価のスタンスについて』という記事で表明しました。ご一読いただければ幸いです。
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