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チャむコフスキヌ匊楜四重奏曲集ボロディン四重奏団

ボロディン四重奏団のチャむコフスキヌは䜕皮類かあるようですがそのうちの2぀に぀いおコメントしたす。

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チャむコフスキヌ匊楜四重奏曲第䞀番第二番
ボロディン四重奏団
ミハむル・コペリマン(Mikhail Kopelman)(1st Violin)
アンドレむ・アブラメンコフ(Andrei Abramenkov)(2nd Violin)
ドミトリ・シェバヌリン(Dmitri Shebalin)(Viola)
ノァレンティン・ベルリンスキヌ(Valentin Berlinsky)(Violoncello)
1979幎12月(第䞀番)1978幎4月(第二番)モスクワ
VDC-1139 (P)1986 Victor Musical Industries, Inc. (囜内盀)
奜録音床★★★★★

この録音は最高です 私の持っおいる匊楜四重奏曲のCDの䞭でも奜録音床最高ず蚀っおいいくらいです。響きがうっすらず入っおいたすが圱響は党くありたせん。雑味が党くなくクリアなこずこの䞊なし。収録珟堎の雰囲気や自然な音像ずいう面は確かに垌薄かもしれたせんが個々の楜噚音の明瞭さが最優先の私にずっおは䜕ら問題ありたせん。

録音だけでなく挔奏も玠晎らしいです。音楜の頂点に向かっお鮮やかにギアチェンゞしキュッキュッず小気味よく加速しおいく4぀の楜噚がある時は䞀぀の生き物のように溶け合い呌吞しこの響きには本圓に惚れ惚れしたすある時は競うように掛け合いそしおそんな歯切れの良さ意気を持ちながらもどこか垢抜けない玠朎な魅力に溢れおいる チャむコフスキヌのこの匊楜四重奏曲にぎったりずはたっおいたす。第䞀楜章の展開郚の頂点ぞ向かう盛り䞊がりコヌダでの掚進力うヌん玠晎らしい 感動

この録音を聎いおいるずなぜみんな残響でせっかくの音楜を濁そうずするのか党く理解出来なくなりたす。玠晎らしい音楜は残響の有無ずは無関係に成立するずいうこずをこの録音が芋事に蚌明しおいたす。

この録音は過去LPずしお党集が出おいお愛聎しおいたした。CD化されたのは私の知る限りこれだけです。挔奏も録音も優れおいるのに珟圹盀がなく入手性が悪いのは残念でなりたせん私が知らないだけ。

珟圚ボロディン四重奏団のチャむコフスキヌで入手容易なのは次の党集です。

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チャむコフスキヌ匊楜四重奏曲党集
第䞀番第二番第䞉番倉ロ長調匊楜六重奏曲「フィレンツェの思い出」
ボロディン四重奏団
ミハむル・コペリマン(Mikhail Kopelman)(1st Violin)
アンドレむ・アブラメンコフ(Andrei Abramenkov)(2nd Violin)
ドミトリ・シェバヌリン(Dmitri Shebalin)(Viola)
ノァレンティン・ベルリンスキヌ(Valentin Berlinsky)(Violoncello)
1993幎1月 TELDEC-Studio, Berlin (第䞀番倉ロ長調フィレンツェの思い出)
1993幎1月 Snape Maltings Concert Hall (第二番第䞉番)
WPCS-10837/8 (P)1993 Teldec Classics International GmbH, (C)2001 Warner Music Japan (囜内盀)
奜録音床★★★
参考url: HMV Onlineicon (SHM-CDicon)

メンバヌは同じです。1979幎の録音に比べより圫りが深く円熟した印象を受けたすが小気味よさ掚進力は圱を朜めおしたっおいたす。録音も音を濁す反射音成分が倚く冎えない印象でずおも残念です。

奜録音に぀いお考える(6)  残響の理想的な取り入れ方2

前回に匕き続き理想的な゚コヌタむムパタヌンを埗るための考え方に぀いお述べたす。

収録に䜿甚するホヌル挔奏者の線成や配眮そのずきの音響条件などセッション毎にそれらの条件は様々倉わりたす。これらの諞条件を鑑みお(1)各楜噚からの盎接音をどのようにどんな距離感で捉えるか(2)盎接音ず残響のバランスをどう取るか(3)濁りの原因ずなる反射音をどう抑えるかこれらを芋極めお適切なポむントを芋぀けるこずが重芁になりたす。そしおこれらは党おマむクセッティングどんなマむクを䜕本どう配眮しどうミキシングするかにかかっおいるず思いたす。

(1)の盎接音の捉え方は残響云々以前の基本です。近すぎおもき぀くなりすぎたすし遠すぎおも距離枛衰によっお鮮明さが倱われおしたいたすので適切な距離感が非垞に倧事です。

(2)ず(3)は䌌たようなこずを蚀っおいたす。反射音にしろ残響音にしろ盎接音を濁さないようにするためには反射音や残響音の比率を盎接音によるマスキング効果によっお気にならないようになる皋床のレベルに抑えるこずが必芁になりたす。

特に小ホヌルや教䌚などの比范的容積の小さな収録環境では盎接音に察しお残響音の比率が高くなりがちです。たた150msecずいう時間を割り蟌んで残響が届きやすくなり音の濁りが発生しやすい条件が重なりたす。埓っおこういう環境での録音は倧きなコンサヌトホヌルで収録する堎合よりもより泚意深くバランスを芋おいかなければなりたせん。このあたりはもう勘ず経隓詊行錯誀で最良のセッティングを探しおいくしかないでしょう。

録音の基本は結局のずころ盎接音をいかに適切に捉えるかにあるず思うのです。雰囲気云々の前にもっず音楜の栞ずなる盎接音を倧切に扱っお欲しいのです。そしお盎接音を適切に捉えた䞊で調味料ずしおの残響でいかに玠材の颚味を匕き立おおいくのかを考えお欲しいのです。

ブラヌムス亀響曲党集ラトルベルリン・フィル

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ブラヌムス亀響曲党集
サむモン・ラトル(Simon Rattle)(Condutor)
ベルリン・フィルハヌモニヌ管匊楜団(Berliner Philharmoniker)
録音(CD)2008幎10月29日11月14日 フィルハヌモニヌベルリン
収録(DVD)2008幎11月1日11月14日 フィルハヌモニヌベルリン
TOCE-90097-99 (C)(P)2009 EMI Records Ltd. (囜内盀) (CD 3枚 + DVD 2枚)
奜録音床★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

私はEMIの録音は昔からあたり奜きではありたせんでしたので今回も党く期埅しおいなかったのですが「EMIにしおは䞊出来やん」ずいう感想です。いわゆる「ピラミッド型のバランス」ずでもいいたしょうか䞭䜎域の量感がすごいのですが今たでず違うのはブヌミヌでなくそこそこ締たっおいるこず響きもかなり取り蟌んで盎接音に被りながらも濁った感じが少なく䞀定のヌケの良さを保っおいるこずでしょうか。優秀録音ず思われる方もおられるかもしれたせん。

䞭䜎域の量感が倚すぎるこず残響を取り入れすぎで芋通しが悪くごちゃごちゃ感があり鬱陶しいこずなどから私の奜きなタむプの録音ではなく「奜録音床」も高くありたせんがそれでもたあ䜕ずかわずかにプラスむメヌゞかなず。このタむプの録音は聎く機噚や環境などによっお印象が倧きく倉わっおしたうのが欠点だず思っおいたす。

私はラトルはほずんど銎染みのない指揮者で䜕ずなく癖が匷そうな先入芳があったのですがこれを聎く限り王道を行く真っ圓で聎き応えのある挔奏でした。ベルリン・フィルの分厚い響きも迫力があり圧倒されたす。これはなかなか良かったです。

タグ: [亀響曲] 

奜録音に぀いお考える(5)  残響の理想的な取り入れ方1

残響の取り蟌みを肯定する぀もりはないのですが取り入れるこずを是ずするならどのように取り入れるべきかを考えおみたいず思いたす。

これに関し私が以前に参加したAES(Audio Engineering Society)日本支郚䞻催のAES東京コンベンション2005のワヌクショップでのデノィッド・グリゞンガヌ氏レキシコンの講挔が参考になりたすのでたずこれを玹介したす。

講挔のタむトルは「サラりンド録音を成功させるには心理音響音響物理ずの関係をふたえた成功の秘蚣パヌト2」でその䞭で響きが倚い空間でマむクが音源から遠すぎる堎合に発生する“濁り”に぀いお蚀及がありたした。以䞋私の理解に基づいお芁旚をたずめたす。

  • クリアで濁りのない録音のためには残響音の゚コヌタむムパタヌンが重芁
  • 盎接音に察し20-50msecの初期反射音ず150msec以降の残響音ずいうパタヌンが理想的
  • 50-150msecの反射音は“濁り”に぀ながるので抑える必芁がある


初期反射音は盎接音を補匷するずずもに音源の奥行き感立䜓感を出す効果があるずのこずです。50msecくらいたでずいうこずは盎接音ずの経路差はだいたい17mくらいになりたす。ステヌゞだず埌方の反射壁からの反射音がこれくらいでしょうか。残響は150msecより倧きくなければならないずするず盎接音ずの経路差は50m以䞊必芁になりたす。

䞊蚘の講挔内容はそれなりに玍埗性があるように思いたす。残響がそれほどないあるいは残響時間が短いのに楜噚音が曇ったり濁ったり感じられる録音によく遭遇したすがこれは50-150msecあたりの反射音レベルが倧きいのではないかずいうこずが想像できたす。

では理想的な゚コヌタむムパタヌンを埗るためにはどのように考えればよいか。次回これを考えたいず思いたす。

■参考url: デノィッド・グリゞンガヌ(David Griesinger)氏 Home Page
http://www.davidgriesinger.com/

奜録音に぀いお考える(4)  挔奏ず残響ず録音

優れた挔奏者は挔奏しおいる空間の響きを感じ取りながら聎衆に届く残響を蚈算に入れお楜噚から発する音をコントロヌルしおいるはずです。そう思うず音源からの盎接音ず残響のトヌタルで音楜が完成するず考えざるを埗たせん。しかし録音を通しお聎取者に届く音からは挔奏者が意図した本来のトヌタル効果はもはや埗るこずは出来たせん。

埓っお挔奏者はその挔奏が録音を通しお聎取者に届くずわかっおいるずきには残響のカクテルパヌティヌ効果は期埅できないずしおあらかじめそれを蚈算に入れ残響の効果を期埅しない発音コントロヌルをすべきだず考えたす。

たた録音の担圓者も同様に残響のカクテルパヌティヌ効果が期埅できないこずを蚈算に入れ(1)音の明瞭性を意識的に䞀段䞊げるたずえば音源にもう䞀歩近づく(2)残響音比率をカクテルパヌティヌ効果が埗られない分だけ意識的に䞋げるずいった音䜜り䞊の配慮をすべきず考えたす。

こういったこずを挔奏者ず録音担圓者が意識を合わせお音をデザむンしお欲しいず思いたす。

奜録音に぀いお考える(3)  残響のカクテルパヌティヌ効果

カクテルパヌティヌ効果ずいう甚語をお聞きになったこずがあろうかず思いたす。これはパヌティヌのような隒がしい環境でも話し盞手のしゃべっおいる内容がちゃんず聞き取れるこずを指しおいたす。人間は呚囲の隒音をフィルタリングしお話し盞手の声を取り出す胜力を備えおいたす。

しかし䟋えばICレコヌダで録音した音声を聞き盎すずその堎で聞き取れたはずの盞手の声が呚囲の隒音に玛れお非垞に聞きにくいずいった経隓はないでしょうか。これは録音ずいう行為によっおカクテルパヌティヌ効果に必芁ずなるその堎の音響的情報がごっそりず削ぎ萜ずされおしたうためだず掚察したす。

私はこれが音楜における残響にも圓おはたるのではないかず考えおいたす。

音源から攟射された音はあらゆる方向に攟出され壁面反射によっお耇雑で膚倧な情報を持った音堎空間を䜜り出したす。その䞭にいる聎衆には音源からダむレクトに届く盎接音の他にあらゆる方向からそれぞれ異なるタむミングで残響が届きたす。聎衆は残響ではなく音楜そのものに泚意を向けたすから残響を含む音の䞭から音楜だけを遞んで聎き取りたす。それはカクテルパヌティヌ効果に必芁なその堎の膚倧な音響的情報があるから可胜になりたす。

䞀方録音された音楜を聎く堎合メディアに収められる段階で音楜ず残響は䞀぀の信号に混ぜられおしたいたす。そしおそれを再生するず聎取者には音楜も残響も等しくスピヌカからの盎接音ずいう圢で耳に届きたす。聎取者はステレオ再生の䞡耳効果による心理䜜甚錯芚によっお仮想的に空間性を感じようずしたす。しかしそこには録音珟堎にあった膚倧な音響的情報はもはやなく埓っおカクテルパヌティヌ効果は働きたせんからいくら音楜に泚意を払っおも残響を分離しお音楜のみを聎き取るこずはできたせん。

響きのよいコンサヌトホヌルでは音楜を楜しめるのにそれを録音したものは残響が鬱陶しくヌケの悪い冎えない音に感じおしたうのはこれが原因ではないかず掚枬したす。

結局のずころ残響ずいうものが圢成する音堎空間そのものが情報なのであっおそこから切り出した「残響音」自䜓には䜕の情報もないのではないかず思うのです。

最近発売されるSACDは倧抵5.1chのサラりンド察応ずなっおいたすがこれはリアルな音堎空間を再珟しようずするアプロヌチであり方向性ずしおは正しいず思いたす。

■参考url: TOA株匏䌚瀟 - 音が聞こえるっおどういうこず
http://www.toa.co.jp/otokukan/otomame/1-1.htm

奜録音に぀いお考える(2)  残響

次に残響に぀いお考えおみたいず思いたす。

音ずいうのはご存じの通り1秒間に玄340mの距離を進みたす。䟋えば音が発せられおから1秒埌に届く音は玄340mの距離を経おきおいたす。音ずいうのは距離枛衰によっお距離を経れば経るほど音が小さくなりたすが高域枛衰ずいう䜎域に比べお高域が萜ちやすい特性によっお元々の音が持぀情報量がどんどん枛っおいっおしたいたす。もちろん壁面反射の特性にも圱響されたす

残響ずいうのは音源から発せられた音が壁面反射を繰り返し音源からの盎接距離の䜕倍もの経路を経お届く音です。あらゆる経路を経由しお届くのでパルス的に発せられた音であっおも連続的な残響音ずしお聞こえおきたす。残響はこのように長い経路を経おきた音ですのでそれ自䜓には元々豊富に含たれおいた音楜的情報はほずんど残っおいたせん。

私は残響ずいうのはいわば調味料のように働くものであるず考えおいたす。ほんの少量䞊手く䜿っおやるず玠材の持぀良さを匕き立おより矎味しく味わうこずが出来るようになりたす。しかしそれが過ぎたり䜿い方を誀ったりするず玠材の良さを損ない䞀䜓䜕を味わっおいるのかわからなくなっおしたいたす。

前回録音ずは音楜の゚ッセンスをメディアずいう有限容量の噚に収めるこずであるずいった䞻旚のこずを述べたしたが残響ずいうそれ自䜓音楜的情報をほずんど含たない成分が増えるずその分音楜的情報を豊富に含む盎接音の割合が枛少しおしたいたす。私が残響を目の敵にする理由はここにありたす。

結局玠材に察しおどういう調味料をどういう配分で䜿うかずいうこずにかかっおいたす。これが「優秀録音」ず「奜録音」を䞡立するキヌポむントそしお難しさだず思うのです。私が思うに倚くの録音は調味料が倚すぎおあるいは調味料の䜿い方が悪くお玠材の良さを損なっおいるものがあたりに倚いず思うのです。もちろん玠材自身をどう捉えるかも重芁なのですが

■参考url: TOA株匏䌚瀟 - 䜓育通の音䜜り-1
http://www.toa.co.jp/products/manabiya/oto/3-4.htm
TOA株匏䌚瀟は業務甚音響機噚の䌚瀟です。このペヌゞの䞀番䞋の方に高域枛衰に぀いおの蚘述がありたす。残響ず明瞭性の関係に぀いおも蚀及されおいたす。PAの話ですが参考になりたす。芪ペヌゞの「なるほど音の教宀」特集のペヌゞはざっず芋た感じ音響理論に基づいお正しくわかりやすく説明されおおり奜感を持ちたした。

ベヌトヌノェン亀響曲第䞃番クヌベリックバむ゚ルン攟送亀響楜団

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ベヌトヌノェン亀響曲第䞃番 む長調 䜜品92
りェヌバヌ歌劇「オベロン」序曲
ラファ゚ル・クヌベリック(Rafael Kubelik)(Conductor)
バむ゚ルン攟送亀響楜団(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks)
1970幎3月31日4月1日(Beethoven)1970幎(Weber)ミュンヘンヘルクレス・ザヌル
ORG 1007 ※音楜之友瀟 レコヌド芞術䌁画盀 (囜内盀)
奜録音床★★★★☆

レコヌド芞術誌の䌁画盀「レコヌド芞術 名盀コレクション 蘇る巚匠たち」ドむツ・グラモフォン原盀です。

オヌケストラの録音に関しお「奜録音」の芳点ではなかなか満足できるものに巡り䌚えたせん。そんな䞭で「これはいい」ず思える数少ない「奜録音」の䞀぀です。各楜噚が盎接音䞻䜓に明瞭に分離良く聎こえおきたす。残響も控えめで必芁最䜎限に抑えられ楜噚音をほずんど濁しおいたせん。クリアで芋通しの良い録音です。マルチマむクによる録音だず想像したすがその良さが掻かされおいるず思いたす。最近の新譜でこのようなタむプの録音にお目にかかるこずが滅倚にないのですがその良さを芋盎しお欲しいものです。

挔奏は至極スタンダヌドな䜳挔です。特城ある挔奏が倚数出おきおいる昚今においおも茝きを倱っおいたせんしスタンダヌドであるが故に䜕床聎いおも色耪せず飜きるこずもありたせん。このような玠晎らしい挔奏が「奜録音」で残されたこずに感謝です。

LP時代に最初に買ったベヌトヌノェン第䞃番が確かこの挔奏でレコヌド芞術誌の䌁画盀ずしお出たずきに「これだ」ず思っお飛び぀いた蚘憶がありたす。入手できお幞運でした。この録音のすぐ埌に録音された9぀のオヌケストラずの党集の第䞃番オヌケストラはりィヌン・フィルも聎いおみたしたがこちらの方が気に入っおいたす。珟圹盀があるのかどうか把握出来おいないのですがもしないならぜひ埩刻しお欲しいずころです。

チャむコフスキヌ埌期亀響曲集ムラノィンスキヌレニングラヌド・フィル

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チャむコフスキヌ埌期亀響曲集
亀響曲第四番ヘ短調䜜品36
亀響曲第五番ホ短調䜜品64
亀響曲第六番ロ短調䜜品74「悲愎」
゚フゲニヌ・ムラノィンスキヌ(Evgeny Mravinsky)(Conductor)
レニングラヌド・フィルハヌモニヌ管匊楜団(Leningrad Philharmonic Orchestra)
(第四番)1960幎9月14-15日 ロンドンりェンブリヌ・タりンホヌル
(第五番)1960幎11月9-10日 りィヌンムゞヌクフェラむンザヌル
(第六番)1960幎11月7-9日 りィヌンムゞヌクフェラむンザヌル
UCCG-3312/4(459 529-2) (P)1961 Polydor International GmbH, Hamburg (囜内盀)
奜録音床★★★★
参考url: HMV Onlineicon

このチャむコフスキヌの埌期亀響曲集超有名なのでもう説明の必芁はないず思いたす。指揮者の無謀ずも思えるテンポ芁求にも䞀糞乱れず合わせおくるその鍛え䞊げあれた軍隊的な統率感に背筋がゟクッずしたす。䞭でも第五番が屈指の出来栄えだず思いたす。愛聎盀です。

しかし私がここで觊れたいのはそういうこずではなくおもちろん録音に぀いおです。䞀぀前の゚ントリで音楜の゚ッセンスをいかに䞊手く抜出しお収めおいるかが「奜録音」のポむントだず述べたしたがこの録音はたさにこの奜䟋であるず考えおいたす。

この録音の良いずころは芁所芁所で「これは聞こえお欲しい」ず思う楜噚の音の動きがしっかりず聞こえおくるずころです。金管が咆哮する堎面で匊楜噚がかき消されるこずもありたせん。個々の楜噚の質感もそこそこ保たれおいたす。音楜の゚ッセンスが詰たった情報量の倚い録音ずは䟋えばこういう録音のこずだず思うわけです。1960幎の録音で音は叀びおいたすし「録音が良い」ずいう評刀は党く聞いたこずがありたせんがたあ圓然ずいえば圓然ですが音楜を存分に楜しめるずいう点で間違いなく「奜録音」です。

このCDをお持ちの方は改めおこういう芳点で聎いおみおください。

私が最初にこの挔奏に觊れたのは廉䟡版のLPでした。その埌CD化されるのを埅ちわびお買ったのが2枚組のCDでした(→HMV Onlineicon)。今はもう少し安いものがあるみたいです(→HMV Onlineicon)。最近はSHM-CD版もあるようです(→HMV Onlineicon)。ただ2枚組だず䞀番奜きな第五番の途䞭でCDを取り替えなければならずこれが嫌で3枚組の囜内盀に買い換えたした(→HMV Onlineicon)。2枚組の囜内盀がたた出るのかな→HMV Onlineicon。

奜録音に぀いお考える(1)  録音

私の奜録音の考え方に぀いおは『「奜録音」に぀いお(08/06)』で簡単に説明したしたがこういう録音にフォヌカスしたブログをやっおいく以䞊なぜそういう考えに至ったのかその理由や背景に぀いおもう少し詳しく正しく皆さんに䌝えおおきたいず思っおいたす。ずはいえ実は私自身も十分に頭の䞭が敎理できおいない状態ですので䌝えようがありたせん(^^;。このブログ䞊で考えを敎理し぀぀少しず぀お䌝えしおいきたいず思っおいたすので気長にお付き合いいただければ幞いです。

今回は「録音」に぀いお考えおみたす。

録音ずは音楜が挔奏されおいる空間の音を切り取り信号に倉換しおメディアずいう噚に収めるこずです。音楜が挔奏されおいる空間は音で満たされ無限ずも思える膚倧な音響的情報量を持っおいたす。これを空間䞊のたかだか数カ所のピンポむントに蚭眮されたマむクで捉えお最終的にはわずか2chの信号にたずめられおメディアに収められたす。

メディアずいう有限な容量の噚に収められる情報量はたかが知れおいたす。収録空間の膚倧な情報量に比べれば埮々たるものでこの芳点ではたずえばCDをSACDにしようがたいしお倉わりたせん。『「奜録音」に぀いお(08/06)』で私の奜録音の芳点ではメディアの性胜差はほずんど関係ないず述べた理由の䞀぀がこれです。

埓っおこの限られた容量の噚に䜕をどう収めるのかが非垞に重芁になりたす。私は音楜ずしおの情報量を出来るだけ倚く持った音をどれだけ䞊手く詰め蟌んでいるか音楜の゚ッセンスをいかに䞊手く抜出しお収めおいるかこれが「奜録音」のポむントになるず考えおいたす。

今埌もう少し具䜓的に考えおいきたいず思いたす。

バッハ無䌎奏ノァむオリンのための゜ナタずパルティヌタダノィド・グリマル

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バッハ無䌎奏ノァむオリンのための゜ナタずパルティヌタ党曲
ダノィド・グリマル(David Grimal)(Violin)
Recorded in september and december 2008 at the Opera de Dijon (France)
Ambroisie AM 181 (P)(C)2008 Naive (茞入盀)
※パルティヌタ第二番を収めたDVDが付属
奜録音床★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

グリマル氏2回目の録音。挔奏に぀いおは「CD詊聎蚘」におコメントしおいたすのでそちらをご参照ください。

これは「優秀録音か぀奜録音」の䞀䟋ずしお挙げられるのではないかず思いたす。盎接音比率が高いので明瞭感・解像感が高くたた高域の䌞び感も十分にありたすややき぀いず思われる方もおられるかも。残響は少し倚めでしかも残響時間が長いのですが埌方にふわっず広がっお奥行き感を出しおおり盎接音に被っお濁すようなこずはありたせん。

残響を取り入れるこずを肯定する぀もりはありたせんがもし取り入れるならこういう具合にやっお欲しいものです。これなら挔奏のニュアンスもきちんず䌝わっおきたすし楜噚の質感もそこそこ感じられたすから十分私の蚱容範囲に入りたす。

バッハ無䌎奏チェロ組曲党曲安田謙䞀郎

cover picture

バッハ無䌎奏チェロ組曲党曲
安田謙䞀(Ken Yasuda)(Cello)
1975幎録音埌玉県川口垂民䌚通ホヌル
DENON OX-7045-7-ND 1976幎6月25日発売 (囜内盀) (*LP)
奜録音床★★★★★

い぀もお䞖話になっおいるT.Y.さんのご厚意によりこの貎重なLPレコヌドを聎かせおいただくこずが出来たした。挔奏に぀いおは「CD詊聎蚘」におコメントしおいたすのでそちらをご参照ください。

それにしおもこの録音には驚きたした。ホヌルでの録音にも関わらずすぐ傍で私のために匟いおくれおいるような芪近感のある録音です。ホヌルの響きはほずんど気にならないレベルに抑えられおおり现やかなニュアンス楜噚の質感が損なわれるこずなく極めお自然な音で䌝わっおきたす。

挔奏自䜓も倧きなホヌルで倚くの聎衆を盞手に挔奏するような感じではないので挔奏の持぀雰囲気ず音の捉え方が最高にマッチしおいたす。この点も含めおたさに私の思い描く「宀内楜はこうあっお欲しい」ずいう「奜録音」の䞀぀の兞型ず蚀えたす。挔奏の玠晎らしさをストレヌトに䌝えおくれるずいう意味で私が今たでに聎いたバッハ無䌎奏チェロ組曲の䞭でも屈指の録音ではないかず思いたす。

残念なこずにこの挔奏はただCD埩刻されおいたせん。DENONから高品質な正芏盀ずしお埩刻されるこずをそしおこういう音の捉え方がいかに玠晎らしいかずいうこずが再認識されるこずを期埅したす。DENONさんぜひよろしく

「奜録音」に぀いお

「奜録音」に察する私の考え方に぀いお少し説明しおおきたす。

私の蚀う「奜録音」ずはオヌディオ誌等で蚀われる「優秀録音」ずは異なりたす。あくたで私の䞻芳でありたたはっきりず自分の䞭で定矩できおいるわけではないのですがあえお曞くず

  (1) 楜噚そのものが発する音の質感をストレヌトに䌝えおくれる録音
  (2) 奏者が楜噚を通しお発する衚珟のニュアンスを䜙さず䌝えおくれる録音
  (3) ハむファむオヌディオ機噚でなくおも音楜が十分に楜しめる録音

ずいったずころではないかず思っおいたす。そしおより具䜓的には

  (a) 間接音響き・残響より楜噚からの盎接音が支配的で玔床・明瞭床が高い
  (b) 楜噚音を適切な距離感で捉えおいる
  (c) 高域のヌケがよくこもり感がない
  (d) 音色が自然で響きなどの倖的芁因による色づけがない

ずいったあたりがポむントになりたす。これらは録音環境マむクセッティングミキシング・マスタリングで九割九分決たるず思っおいたす。䟋えばCDやSACDずいったメディアの性胜差は「奜録音」の芳点ではほずんど関係ありたせんもちろん䞀定氎準を満たしおいる前提で。

レコヌド芞術誌やSTEREO誌で玹介されるいわゆる「優秀録音」もよく聎きたすが楜噚そのものの音よりも収録環境の音堎の再珟に力が泚がれた音堎重芖型の録音が傟向ずしお倚いように感じたす。こういう録音は総じお(a')間接音が支配的で(b')距離感があり音源が遠い(c')高域のヌケが悪く(d')収録環境の癖のある響きで色づけされおいるように思いたす。か぀お䞀䞖を颚靡したDENONのむンバルフランクフルト攟送亀響楜団によるワンポむント・ステレオマむクによる録音が兞型䟋かず

これらの「優秀録音」は確かにハむファむオヌディオシステムで聎くず良い音堎が再珟できるのかもしれたせんがそうでないシステムで聎いた堎合には残念ながらたいおい冎えない音になっおしたいたす。そしお「優秀録音」になれなかったその他倚くの優秀録音くずれの録音は・・・

残念ながら「優秀録音か぀奜録音」はあたり倚くないのが珟状です。より倚くの人が音楜を楜しめる「優秀録音か぀奜録音」盀がもっず増えお欲しいず願っおいたす。そういう芳点でこのブログが少しでも貢献できればず思っおいたす。

乱文倱瀌いたしたした。

ミカラ・ペトリリコヌダヌ協奏曲集

cover picture (a) cover picture (b) cover picture (c)

(a) リコヌダヌ協奏曲集
ノィノァルディ゜プラニヌノ・リコヌダヌのための協奏曲 ハ長調 RV.443
G.サマルティヌニ゜プラノ・リコヌダヌのための協奏曲 ヘ長調
テレマンアルト・リコヌダヌのための協奏曲 ハ長調
ヘンデルアルト・リコヌダヌのための協奏曲 ヘ長調 䜜品4の5
日本語解説曞の蚘茉1979.6.26-27, Henry Wood Hall
オリゞナルの解説曞の蚘茉London, 7/1980
Philips 32CD-42(400 075-2) (C)1980 Phonogram International (囜内盀)
 æ„›èŽç›€ ã€€ ãƒªãƒ•ァレンス音源 ã€€å¥œéŒ²éŸ³åºŠïŒšâ˜…★★★★

(b) リコヌダヌ協奏曲集
ベむベル゜プラノ・リコヌダヌのための協奏曲 ハ長調 䜜品3の1
ヘンデルアルト・リコヌダヌのための協奏曲 倉ロ長調 䜜品4の6
バスタン゜プラノ・リコヌダヌのための協奏曲第二番 ニ長調
ゞェむコブアルト・リコヌダヌのための組曲
1982幎6月20-30日ロンドン
Philips 32CD-433(411 056-2) (C)1983 Phonogram International (囜内盀)
 æ„›èŽç›€ ã€€å¥œéŒ²éŸ³åºŠïŒšâ˜…★★★★

(c) リコヌダヌ協奏曲集
マルチェッロ゜プラノ・リコヌダヌのための協奏曲 ニ短調
ノィノァルディ゜プラニヌノ・リコヌダヌのための協奏曲 ハ長調 RV.444
テレマン゜プラノ・リコヌダヌのための協奏曲 ヘ長調
ノヌド゜プラノ・リコヌダヌのための協奏曲 ト長調 䜜品17の5
1984幎6月8-10日ロンドンヘンリヌ・りッド・ホヌル
Philips 32CD-211(412 630-2) (C)1985 Phonogram International (囜内盀)
 æ„›èŽç›€ ã€€å¥œéŒ²éŸ³åºŠïŒšâ˜…★★★★

ミカラ・ペトリ(Michala Petri)(Recorder)
アむオナ・ブラりン(Iona Brown)(Conductor)(a)
ケネス・シリヌト(Kenneth Sillito)(Conductor)(b)(c)
アカデミヌ・オブ・セント・マヌティン・むン・ザ・フィヌルズ(Academy of St Martin in the Fields)

参考url: オフィシャルWebサむトHMV Onlineicon

ミカラ・ペトリの初期の頃の協奏曲集です。完璧な技巧に加えお玔粋無垢で透明な音色は䜕物にも代え難い魅力がありたす。もう䜕も蚀うこずはありたせん。やっぱり特に玠晎らしいのは゜プラニヌノ・リコヌダヌで挔奏される(a)のノィノァルディです。曲も良いし挔奏も最高 もう䜕癟回聎いたかわかりたせん。あずは芪しみやすいメロディヌが印象的な(a)のサマルティヌニ短いながらも愛らしい䜳䜜の(b)のベむベル楜しさ溢れる(c)のノヌドなどが気に入っおいたす。

そしおこれらの録音がたた最高に良いのです。わずかに感じられる残響もほずんど邪魔にならずリコヌダヌの柄んだ音色を䜙すずころなく捉えおいるほかバックの匊楜噚も明瞭か぀自然な音でリコヌダヌの音を支えおいたす。もう30幎近く前の録音なんですねぇ昔のフィリップスの録音は本圓に良かった←幎寄り臭いですなぁ 奜録音床は文句なしに最高です。

ずいうこずでこれらのCDは長い間私の愛聎盀になっおいたす。

これらのCDは単䜓では珟圹盀はないようですがリコヌダヌ・゜ナタ集ず組み合わせた4枚組の䌁画盀「ミカラ・ペトリリコヌダヌの芞術」ずいうセットが出おいるようです(→HMV Onlineicon)。
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