ブリタニー・ハース(オールドタイム・フィドルのアルバム)

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ブリタニー・ハース(Brittany Haas)
OOK CD 001 (P)(C)2004 Ook Records
参考: Amazon.comCD Baby

今日もちょっと脱線します。すみません。

ブリタニー・ハースは米国のオールドタイム(*1)のフィドラー。ダロル・アンガーが主催するRepublic of Stringsにも参加していました。彼女の弾くヴァイオリンは五弦で,オープンチューニングを使っているようです(通常のチューニングは低弦からCGDAEですが,解説書に記載されているだけでもDADAE, ADDAD, AAEAC#, C#F#C#F#C#, といったチューニングを使い分けています)。ヴァイオリンのオープンチューニングは初めて見ました。

このアルバムは彼女の唯一のソロアルバムです。参加メンバーはダロル・アンガー(fiddle, mandolin),ルシャド・エグルストン(cello),ナタリー・ハース(cello, たぶん姉),スコット・ニガード(guitar)といったRepublic of Stringsの面々です(1曲だけバンジョーのアリソン・ブラウンが参加)。

オールドタイムということだけあって,古き佳き米国の田舎の音楽という感じであり,底抜けの明るさとほのぼのした雰囲気がいいですね。これも最近見つけた当たり盤でした。(残念ながら録音はあまり良くありません)

1曲目に収められている“Duck River”の演奏がYouTubeで公開されていました(ここではRepublic of Stringsとしての演奏です)。



一番左で弾いているのがブリタニー・ハースで,その隣がダロル・アンガーです。最初穏やかに始まりますが,後半の盛り上がりが聴きものです。弾いている姿が見られる貴重な映像です。これは本当にうれしいです。

もう一つ,姉(?)のナタリー・ハースと弾いている映像がありましたので載せておきます。何気ない単純な曲ですが,これもすごくいいです。お気に入り映像です。




*1 “オールドタイム”については オールドタイム&ブルーグラスというサイトに詳しく載っていましたのでリンクしておきます。

ペンギン・エッグス(ニック・ジョーンズ)

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ペンギン・エッグス(Penguin Eggs) (1980年リリース)
ニック・ジョーンズ(Nic Jones)
TSCD411 (P)(C)1991 Topic Records Ltd (輸入盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

英国トラッドのミュージシャン。実は一週間前にはその名前すら知りませんでした。とあるサイトで(そのサイトがどこか見失ってしまいましたが)すごく良いということが書いてあり,元々英国のトラッドには親しみを持っていたので,半ば衝動的に手に入れる行動に走ってしまいました。

彼自身は歌とギターとフィドル,あとTony Hall(melodeon), Bridget Danby(recorders, vocals), Dave Burland(vocals)が参加しています。音楽は彼のギターと歌が中心です。

それにしても何と素朴でホッとする音楽なんだろう。ギターも味があるし歌もいい。そして何の作為も演出も感じられないストレートな録音がまた素晴らしいです。感激しました。

世の中にはまだまだ知らない素晴らしい音楽があるんだというのを実感。このアルバムは大当たりでした。あぁ,またはまってしまいそう...いかんいかん(^^;

ブレックファスト・イン・ザ・フィールズ(マイケル・ヘッジズ)

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ブレックファスト・イン・ザ・フィールド(Breakfast in the Field)
マイケル・ヘッジズ(Michael Hedges)(Guitar)
BVCW-35101 (P)1981 Windham Hill Records (BMG Japan) (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

マイケル・ヘッジズは,アメリカのアコースティック・ギタリスト。ウィンダム・ヒル・レーベルの創始者であるウィリアム・アッカーマンが偶然聴いたライヴ・ハウスでの独創的な演奏に驚嘆し,その場で契約を交わしたと解説書にあります。そして生まれたのがこのファースト・アルバム。このアルバムとセカンド・アルバム「エアリアル・バンダリーズ」は当時のアコースティック・ギター界でも画期的な作品であったということです(→Wikipedia)。残念ながら1997年に自動車事故で43歳という若さで他界されました。

で,このファースト・アルバムの録音,アコースティック・ギターの音が極めてストレートに高解像で録られています(ピックアップが使われているのか?)。硬派の録音と言える超Hi-Fiの超優秀録音であり,もちろん好録音でもあります。音楽の良さもあり,以前から愛聴盤として,リファレンス音源として聴き続けてきました。特に1曲目のLayoverが音楽的にもサウンド的にも気に入っています。その他の曲も粒ぞろいで聴き応え十分です。

最近リマスター盤が出ていた事に気がつき,音が良くなったのか確かめてみました。まずすぐわかるのが録音レベルの改善。旧盤よりも明らかに大きく収録されています。波形を比べてみると2~3dB程度高いようでした。さらに中低域のエネルギー感がより増し,よりタイトな音になっているように感じられました。批判を受けることも多いリマスター盤ですが,このリマスターは成功しているように思います。買い直す価値はありました。

2作目以降,リバーブを取り入れた軟派路線の音作りになったのは残念です。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番,他(ルース・パルマー)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番
バルトーク:無伴奏ヴァイオリンソナタ Sz.117
ルース・パルマー(Ruth Palmer)(Violin)
Recorded at the Temple Church, London on 2nd & 3rd February, and 29th & 30th March
NI 6133 (P)(C)2010 Ruth Palmer (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: 公式WebサイトAmazon.co.uk

CD試聴記」からの転載記事です。以下,バッハについてのコメントです。

どちらかといえばオーソドックスです。で,なおかつ絶唱型というか一弓入魂というか(こんな言葉はありませんが),ものすごく気合いの入った演奏です。ちょっと力が入りすぎて音がつぶれる寸前のところも多々ありますが,特にシャコンヌの中間部の高揚感はこの演奏の白眉で一聴の価値ありです。技術的にもしっかりしています。

録音ですが,比較的近距離で捉えているのですが,それにも増して残響が多いので,かなり音色に影響がでています。とはいえ直接音もそれなりにあるため質感も失われずに聴こえてきます。そういうこともあって残響量の割には印象は悪くないのですが,音色のバランスはかなり崩れているので良いとも言えません。

なお,わかりにくいのですがCD-Rのようです。

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(レイチェル・ポッジャー/ブレコン・バロック)

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バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV1042
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 BWV1056
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 BWV1055
レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger)(Violin)
ブレコン・バロック(Brecon Baroque)
2010年5月 セント・ジョン・ザ・エヴァンゲリスト教会(アッパー・ノーウッド,ロンドン)
CCS SA 30910 (P)(C)2010 Channel Classics Records bv (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Online(サンプラー付き限定盤, 通常盤),Amazon.co.jp

ポッジャーはもうバロックヴァイオリンの大御所なので説明不要と思います。バックを担当するブレコン・バロックは「ウェールズ南部の町ブレコンにある大聖堂で行われる音楽祭“ブレコン・バロック・フェスティバル”のために,ポッジャー自身が選び抜いたメンバーを集めて創設したスペシャルなアンサンブル」と解説書にあります。1パート1人で演奏されています(ソロヴァイオリン,ヴァイオリン×2,ヴィオラ,チェロ,ヴィオローネ,チェンバロ)。後半の2曲はチェンバロ協奏曲からの編曲版です。

この盤はチャンネル・クラシックス創立20周年記念盤ということで,録音に特に力が入っているらしく,オーディオ誌でも優秀録音盤として良く取り上げられています。実際に音を聴いてみると,確かにチャンネル・クラシックスらしい明瞭で濃い捉え方です。オーディオクオリティもかなり優秀と言えます。

しかし,音質の良さを認めつつも「何か違う,何だろう?」と心に引っかかりを感じながら聴いていました。その答えはまだ出せていません。チャンネル・クラシックスの録音は上にも書きましたが濃密なところが特徴で,これが良くもあり悪くもあると思っています。この録音についていうと生の質感を良く捉えていそうで実はそうではなく演出色が強く出てしまっている気がします。また,協奏曲というより室内楽というくらいの編成にも関わらず,室内楽的に録られてはいないようにも思います。個々の楽器の質感を大切に,かつ適切な距離感で見通しよくすっきりと録って欲しい,という私の好みからどの要素も少しずつずれている気がするのです。そのあたりが引っかかりの原因ではないかと。

ということで,優秀録音だけど好録音とはちょっと違うかな,というところです。

ブラームス:交響曲全集(ザンデルリンク/ベルリン交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
クルト・ザンデルリンク指揮(Kurt Sanderling)
ベルリン交響楽団(Berliner Sinfonie Orchester)
1990年 キリスト教会(ベルリン)
SANDER-1(10 600) (P)1992 CAPRICCIO (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

ザンデルリンクのブラームスといえば1970年代のシュターツカペレ・ドレスデンとの全集が有名だと思います。こちらはその約20年後の再録音となります。前録音も遅めのテンポでじっくりと鳴らす演奏でしたが,それに輪をかけて遅く重厚です(録音の影響で余計にそう聴こえます)。重厚で遅い演奏はあまり好きではないのですが,充実感のある濃い響きには魅力を感じました。ブラームスらしい演奏の一つの典型と言えるかもしれません。

録音は残響が多く私の好みではありません。ですが,残響に癖が少なく楽器音も思ったより曇りが少なく,意外に聴けました。これを優秀録音盤として紹介されている方もいます(→こちら)。「この録音が《悪い》と思う場合は明らかに装置に問題がある」だそうです。まあその気持ちもわからないことはありませんが...私自身は残念ながら優秀録音とも好録音とも思いません。

第一番 16:33/10:23/5:36/18:01 計50:36 提示部リピート省略
第二番 17:12/10:07/5:58/10:20 計43:57 提示部リピート省略
第三番 15:14/9:53/7:06/9:35 計41:57 提示部リピートあり
第四番 15:04/13:04/6:33/11:26 計46:07

タグ: [交響曲] 

ハイドン:ロンドン交響曲集(ザロモン・セット)(ショルティ/ロンドン・フィル)

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ハイドン:ロンドン交響曲集(ザロモン・セット 第93番~第104番)
サー・ゲオルグ・ショルティ指揮(Sir Georg Solti)(Conductor)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(London Philharmonic Orchestra)
Kingsway Hall, London, March 1981 (96, 101), December 1981 (102, 103), October 1983 (94, 100); Henry Wood Hall, London, May 1985 (104); Walthamstow Assembly Hall, London, October 1985 (95), November 1986 (99), May 1987 (93), October 1989 (97); Watford Town Hall, Bebruary 1991 (98)
475 551-2 (P)1981-1992 Decca Music Group Limited (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Online国内盤),Amazon.co.jp

どうしても先入観を持って聴いてしまうのですが,やっぱりこれはショルティ流ハイドンだなぁと思ってしまいます。特に両端楽章の引き締まった快速演奏は痛快です。大編成オーケストラをここまで統率する力量はさすがです。ハイドンらしくないと思われるかもしれませんが,いやいやどうして。モダンで颯爽としていて素晴らしいと思います。でも好みは分かれるでしょうね,きっと。

録音ですが,ややオフマイク気味で響きも多めに取り入れられています。響きと楽器音のバランスは取れているのでまずまずの録音と言えるでしょう。響きが許容できる方なら恐らく問題ありません。私としてはもう少し寄って鮮明にそれぞれの楽器の質感を収めて欲しかったところですが。1981年から1991年にわたっており,録音場所も何カ所か変わっているのですが,驚くほど録音傾向が似ていてセットとして違和感がありません。1985年の104番以降とそれ以前とでは,以降の方がより情報量が多く良好に録音されていると思います。

タグ: [交響曲] 

ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシックス(1966カルテット)

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ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシックス
1966カルテット(1966quartet)
Recorded on 18-19 June, 11-12 July and 1 August 2010 at WonderStation Studio
COCQ-84856 (P)2010 NIPPON COLUMBIA CO., LTD. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

※感想追記しました

ビートルズの名曲を松浦梨沙,花井悠希(ヴァイオリン),林はるか(チェロ),長篠央子(ピアノ)というクラシック編成のカルテットで演奏しています。編曲は加藤真一郎。

録音はスタジオで行われており,少し残響が多めに取り込まれているものの(人工的なリバーブか?),直接音が極めて力強く(?)明瞭に録られており,解像感も高く,トータルとして悪くありません。少々演出臭さがあってクラシック的な自然な音作りではないのでクラシックとして聴くと違和感があるかもしれませんが,これであれば私としてはほぼ文句はありません。(もちろん演出臭さは余計で,ない方が良いのですが)

私の音楽遍歴はビートルズのアルバム「レット・イット・ビー」から始まったので,ビートルズの熱心なファンではないにしてもそれなりに思い入れがあります。こういうクラシックへの編曲ものを見るとついつい聴きたくなって手を出してしまうのですが... 演奏についてはまた後日触れたいと思います。

(記2011/01/08)


演奏についての感想を追記します。

ポピュラー音楽のクラシック編曲ものはついつい手を出してしまいがちなのですが,その多くは「あぁ失敗した...手を出すんじゃなかった」と後悔することが多いです。残念ながら。その理由は,第一にあまりにもノリが悪いこと,第二にやたらポルタメントやグリッサンドを使っていて興醒めであること,第三に独立した作品としての魅力に乏しいこと,で,結局,所詮クラシック演奏家の余興,BGM程度にしか聴こえなかったためです。

上記についてもう少し補足しておきます。

第一の「あまりにもノリが悪い」について。何もリズム感がない・悪いと言っているわけではありません。演奏者のリズム感がポピュラー系とクラシック系で根本的に違うと思うのです。ポピュラー音楽をクラシックのリズム感でやるものですから全く乗れないのです。

第二の「やたらポルタメントやグリッサンドを使っていて興醒め」について。多用したらポピュラー音楽らしくなるとでも思っているのか? しかもポピュラー系のプレーヤーが当たり前のように使うテクニックは一切使ってこないのです(ポピュラー音楽で多用されるのは基本的にはエレクトリックギターのベンディング(チョーキング)のテクニックに相当)。その結果,野暮ったいことこの上なし,となってしまうのです。

第三の「独立した作品としての魅力に乏しい」について。歌のメロディーを単に楽器に置き換えるだけではどうしても単調で棒弾きに聴こえてしまいます。それをどう料理するか。また,編曲・演奏をポピュラー系に振るのかクラシック系に振るのかにもよりますが,クラシック系に振ったときに,原曲を忘れて室内楽曲と見た場合にあまりにも作品としての充実度が低く魅力に乏しい,結局BGMにしかならないのです。

という観点でこのアルバムを聴いたときにどうか。

ノリが良いか,という点では微妙です。やっぱりクラシックのリズム感なのですが,頑張っているな,というのは認めます。ちょっと真面目に弾きすぎです。「楽譜にそう書いてあるからそう弾いてるのね...」というところもあります(これは半ば仕方ないですが)。そう感じさせないためにどうしたらいいか?

ポルタメントやグリッサンドについて,ところどころでわざとらしく入るところはありますが,そもそも多用されていないので嫌みは少ないです。しかし逆に「ここでさりげなくこう入れたら格好いいのに...」というところ多数あり。

そして独立した作品としての充実度。いったいポピュラー系に振りたいのかクラシック系に振りたいのか,どっちなの? 前者と思える編曲もあれば後者と思えるものもあり。演奏自体はクラシック奏法だけなので,ポピュラー系に振ってあるものは演奏が物足らず,クラシック系に振ってあるものは充実感が薄い,結局どっちつかずの中途半端な印象です。結局,演奏者のがんばりにも関わらず,BGM,クラシック演奏家の余興の域を脱していないと思います。

と,ちょっと辛口コメントとなってしまいましたが,実際には結構楽しませていただきました。「抱きしめたい」「ハード・デイズ・ナイト」「エリナー・リグビー」などいい線行っていると思います。私としてはポピュラー奏法とリズム感をちゃんとマスターしてポピュラー路線で格好良く決めて欲しいと思っています。

最後に...「ヒア・カムズ・ザ・サン」,「バック・イン・ザ・USSR」を入れて欲しかった。「レット・イット・ビー」はアルバムバージョンで編曲して欲しかった。「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」はエリック・クラプトンのギターソロを端折っているのは納得いかない...

以上。今後の活躍・がんばりに期待します!

(記2011/01/10)

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲,他(ジョシュア・ベル/マイケル・ティルソン・トーマス指揮/ベルリン・フィル)

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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
チャイコフスキー:瞑想曲作品42-1(「なつかしい土地の想い出」より)
チャイコフスキー:ロシアの踊り(バレエ「白鳥の湖」作品20第3幕より)
チャイコフスキー:ゆううつなセレナード作品26
ジョシュア・ベル(Joshua Bell)(Violin)
マイケル・ティルソン・トーマス指揮(Michael Tilson Thomas)(Conductor)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)
January 27-31, 2005, Philharmonie Berlin.
SK93922 (P)(C)2005 SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENT (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

レコード芸術誌2010年10月号の特集「現代の名録音1980~2010」の協奏曲の欄で優秀録音として紹介されていました。確かに残響は控えめで明瞭感,透明感がそこそこありますし,特にオーケストラの音に力があって好感の持てる音作りですし,オーディオクオリティも良好で,優秀録音として取り上げられるのも理解できます。

私の感覚では,積極的に優秀録音というよりは,どこを取っても欠点がなく悪い印象を持つ要素がないので結果的に優秀録音なのかなぁ,というところです。で,唯一にして大きな不満が「ソロの捉え方が弱い」というところです。オーケストラの音量に対して若干控えめということもあるのですが,ヴァイオリンの音色を美しく捉えているものの,質感という面ではやや貧弱で,ほんのもう少し一歩踏み込んで捉えてくれれば,というもどかしさを感じてしまいます。ヒラリー・ハーンのチャイコフスキーもちょうどこんな感じでした。

ということで,優秀録音であるということは認めますが,好録音かというとちょっと違う,と思いました。

ジョシュア・ベルのヴァイオリンは以前別の曲で聴いたときに今ひとつ冴えない演奏だったのであまりよい印象を持っていなかったのですが,これを聴く限りかなり上手いと思いました。少し線は細いのですが,音がとても美しいです。