ハイドン,スールベリ,グリーグ:弦楽四重奏曲集(エンゲゴール四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲ニ長調作品76-5
スールベリ:弦楽四重奏曲ロ短調
グリーグ:弦楽四重奏曲
エンゲゴール四重奏団 Engegårdkvartetten
2007年10月 ヤール教会(オスロ,ノルウェー)
2L53SACD (P)(C)2008 Lindberg Lyd AS (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo
北欧の高音質レーベル2Lのディスクをさらにもう一つ。このディスクはSACDハイブリッドです。この他にe-onkyoでハイレゾ音源の配信もされています。この録音も先に紹介したモーツァルトのヴァイオリン協奏曲と同様大変素晴らしいです。残響は結構ありますが,全くと言っていいほど邪魔になりませんし(まあ本音を言うともう少し抑えて欲しいとは思いますが(^^;),距離感も適切で楽器の質感を解像感高く,透明感をもって捉えています。各楽器の分離の良さ,見通しの良さも申し分ありません。全体に高域よりのバランスで低域はやや弱いですが,締まっているのでマイナスには思いません。オーディオ的なクオリティを含めて文句なしの五つ星です。

演奏もスピード感のあるキレの良さが痛快,緻密で隙のないアンサンブルが素晴らしいです。こういう現代的なハイドンは大歓迎。ハイドン,モーツァルト,ベートーヴェンなどをもう少しまとめて録音してくれるとうれしいのですが...

このディスクもリファレンス音源候補となりました。

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番~第5番(マリアンネ・トゥーシェン(Vn)/トロンハイム・ソロイスツ)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番,第4番,第5番
マリアンネ・トゥーシェン Marianne Thorsen (Violin)
トロンハイム・ソロイスツ TRONDHEIMSOLISTENE
2006年5月 ノルウェー,トロンハイム,セルブ教会
2L38SACD (C)2006 Lindberg Lyd AS (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo
北欧の高音質レーベル2Lのディスクをもう一つ。このディスクは通常のCDとシングルレイヤーSACDの2枚組です。この他にe-onkyoでハイレゾ音源の配信もされています。先に紹介したチャイコフスキーのディスクでは,非常に高い解像度を持ちながらもやや金属的なうるさい響きがありましたが,この録音ではそれが上手く抑えられており,高い解像度,明瞭度,音色の自然さ,透明感,各楽器の分離,見通しの良さ,ソロとオーケストラのバランス,様々な面で申し分のない出来と言えます。残響もあるのですが,ほとんどマイナスには働いていません。

音のとらえ方においても,オーディオ・クオリティにおいても,今まで聴いた中で最も良い部類に入ります。リファレンス音源候補になりました。

ソリストのマリアンネ・トゥーシェンは,英国のスーパー室内楽団!?(^^;,ナッシュ・アンサンブルのメンバー。このモーツァルトでも溌剌として愉悦に満ちた素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

私としては大当たりのディスクでした。

チャイコフスキー:交響曲第5番(西脇義訓指揮/デア・リング東京オーケストラ)

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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
西脇義訓指揮/デア・リング東京オーケストラ
2013年4月16-18日 所沢市民文化センター ミューズ アークホール
NF25802/NF65802 (P)(C)2014 N&F Co., Ltd. (国内盤)
好録音度:★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
N&Fの創設者でもある西脇義訓さんがN&Fでの実験的な録音のために創設されたというデア・リング東京オーケストラを自ら指揮しての録音。この録音では下記の特徴があるとのことです。
  1. 弦はクァルテット6組分で編成。
  2. 指揮者を中心とした半円形ではなく、全員客席に向いて演奏。
  3. 並行して録音したブルックナーの交響曲第3番では、バイロイト祝祭劇場のオケピットの楽器配列を参考に、第1ヴァイオリンを右翼に配置したが、本録音では、奏者は席を移動することなく、第1と第2ヴァイオリンの役割を逆(第1ヴァイオリンは左翼)に。
どんな録音だろうと気になっていました。好きなチャイコフスキーの交響曲第5番ということもあるので,思い切って入手して聴いてみました。

結論から言いますと,私の好みからは全く正反対の指向の録音で,私の思う好録音とは全くかけ離れていました。録音としても「響き」が重要視されていて,直接音成分よりも間接音成分が支配的であり,もやもやして透明感がなく音の輪郭が不明瞭,楽器の質感もほとんど失われ,弦楽器も奥まって弱々しく,見通しも悪く内声の動きもほとんど聴こえません。

聴き通すのがこれだけ苦痛に感じたディスクも珍しいです。イライラが募って思わず衝動的な行動に走ってしまいそうになりました(^^;。ケースの帯に「至福の響き」と書いてあるのですが,もっとこの言葉に注意を払うべきでした。録音にこだわりのある方が制作されたディスクなので,このような録音を好む方も多くおられるのでしょう。しかし,私には本当に全く合いませんでした。残念です。

西脇さんはいろいろと実験的な試みをされていて,その挑戦,行動力には本当に頭が下がる思いがするのですが,その成果としての録音に賛同できるかどうかはまた別の話です。

タグ: [交響曲] 

チャイコフスキー:フィレンツェの思い出,弦楽セレナーデ,ニールセン:小組曲(トロンハイム・ソロイスツ)

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チャイコフスキー:フィレンツェの思い出作品70(弦楽合奏版)
チャイコフスキー:弦楽セレナーデハ長調作品48
ニールセン:小組曲作品1(弦楽オーケストラのための)
トロンハイム・ソロイスツ TRONDHEIMSOLISTENE
Selbu Church, Norway, May and October 2011
2L-090-CD-J (C)2013 Lindberg Lyd AS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

初めて入手した北欧の高音質レーベル2Lのディスク。これは通常のCDですが,Blu-ray Audio,LPでも発売され,e-onkyoでハイレゾ音源の配信もされています。「高音質」の評判通り,非常に解像感の高いサウンドは圧巻です。高域よりの帯域バランスで,やや金属的な固い音色でキンキンとやかましく感じることもありますが許容範囲です。録音会場の響きを少し多めに取り入れているためか,中域にクセがあります。低域は薄めですが,良く締まっています。また,意外に生々しいという感じでもないのはやはりこの響きのためでしょうか。とはいえ,弦楽オーケストラは弦楽器の集合体だという当たり前の事実がよくわかる録音で,良いと思います。

楽器の配置は基本的には二重の円状に並んで中央にマイクを設置しているようですが,楽器の並びは曲ごとに異なり,弦楽セレナーデでは不規則にバラバラに並んでいるようですが,特にどの曲でも違和感はありませんでした。

演奏自体はノーマルで,特に何か小細工や工夫を凝らした表現をしようという意図があまり感じられず,これはこれで良いのですが,もう少し何か光るものがあれば良かったのになぁ,と思います。水準は高いので,不満というほどのものではありません。

ベートーヴェン:交響曲集(ケント・ナガノ指揮/モントリオール交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」作品43より
ケント・ナガノ指揮/モントリオール交響楽団
2010年5月 モントリオール
88697857372 (P)2011 OSM (C)2011 Sony Music (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調作品93
ベートーヴェン:大フーガ変ロ長調作品133
ケント・ナガノ指揮/モントリオール交響楽団
2011年4, 5月 サル・ウィルフリード・ペルティエ,モントリオール
88697923602 (P)2011 OSM (C)2011 Sony Music (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調作品21
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ケント・ナガノ指揮/モントリオール交響楽団
2013年3月 メゾン・サンフォニーク・ド・モントリオール
88843036172 (P)2014 OSM (C)2014 Sony Music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
大きな編成のオーケストラ(たぶん・・・)で,この小気味よいスリムな演奏はとても気持ちがよい。モダン・オーケストラの一つの新しい方向性を示していると思います。しかし,この録音は微妙...

2010年から2011年にかけて収録された第3番,第6番,第8番の録音は,この演奏の良さを損なっていると思います。ホールの残響が多く被り,音色を汚しているばかりか,音のとらえ方も大味で雑味が多く,せっかくの切れの良い演奏がぼやけてしまっています。

一方,2013年に録音された第1番,第7番は逆にこの演奏の良さをより活かす録音で,雑味が少なく締まっていて,すっきりと見通しも良い好録音と言えます。こちらの録音で統一されていたら良かったのですが。残念です。

この他に,第5番,第9番のディスクがリリースされているのですが,手に入れようとする気を削がれてしまいました...まだリリースされていないと思われる第2番,第4番のディスクがリリースされたら...どうしようか悩みます。

メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集(メロス四重奏団)

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メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集
メロス四重奏団 Melos Quartet
1976年~1981年 シュトゥットガルト,モーツァルトザール
UCCG-4333/5(480 1732) (P)1978/1982 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
メロス四重奏団をもう一つ。これも他の演奏と同様,キチッとした直球勝負の演奏ですね。メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲は滅多に聴きませんが,こんなに良い曲だったんだと再認識させてくれました。さすがメロス四重奏団,素晴らしい演奏です。

そして,録音がこれまた素晴らしいのです。モーツァルトの弦楽四重奏曲と同じく,極めて明瞭で,個々の楽器の分離も良く,音色も自然,残響がほとんどないので透明感もあります。この頃のドイツ・グラモフォンの弦楽四重奏曲の録音は本当に好きです。

やはりこのディスクももう廃盤となり入手しにくくなっているようです。このような良質な演奏をカタログから外すとは! これもタワーレコードの企画盤で復刻して欲しいところですね。

シベリウス,ヴェルディ:弦楽四重奏曲(メロス四重奏団)

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シベリウス:弦楽四重奏曲ニ短調作品56「親愛なる声」
ヴェルディ:弦楽四重奏曲ホ短調
メロス四重奏団 Melos Quartet
May 1998, Christuskirche, Berlin-Oberschoneweide
HMC 901671 (P)2000 harmonia mundis.a. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
シベリウスに関しては,フィッツウィリアム四重奏団の背筋が寒くなるような?圧倒的な名演で耳が出来てしまっていて,それ依頼どんな演奏を聴いてもついつい比べてしまって満足することがなかったのですが,この演奏はフィッツウィリアム四重奏団に及ばないにしても,かなり良いと思いました。北欧の寒さを感じさせるものではありませんが,美しい演奏です。どんな曲でもある一定以上の水準を確保する,さすがメロス四重奏団です。

録音は,録音会場の空間性を感じさせる奥の深い残響があって,その残響音の被りで少し音色が損なわれているものの,個々の楽器音の質感はそこそこ保たれているので十分許容範囲と言えます。私の好みとは少し違いますが,残響が許せる方には良い録音かもしれません。

やはりメロス四重奏団の他のディスクと同様,今は入手性が良くないのは残念に思います。

ブラームス:交響曲全集,他(マリン・オールソップ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:悲劇的序曲作品81,大学祝典序曲作品80
マリン・オールソップ指揮/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
Watford Colosseum, Watford, UK, on 18 and 19 January, 2004
8.557428 (P)(C)2005 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハンガリー舞曲集より8曲
マリン・オールソップ指揮/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
Blackheath Concert Hall, London, UK in March 2005, Watford Colosseum, Watford, UK on July 28 2005
8.557429 (P)(C)2005 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
マリン・オールソップ指揮/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
Blackheath Concert Hall, London, UK in March 21 and 22 2005, The Colosseum, Town Hall, Watford, UK on April 22 and 23 2006
8.557430 (P)(C)2007 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:ハンガリー舞曲集より7曲
マリン・オールソップ指揮/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
Watford Colosseum, Watford, UK, on March 21 and 22, 2005, The Colosseum, Town Hall, Watford, UK on April 22 and 23 2006
8.570233 (P)(C)2007 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

演奏はいたってオーソドックスですが,良く整理され端正にバランス良く仕上げているのが良いと思います。

録音も良好です。残響は多めですが,それぞれの楽器の質感が大切にされ自然な音色で捉えられています。低音の強い再生装置だと低音が被り過ぎて明瞭度が落ちて聴きづらくなるので,やや低域の弱い再生装置の方が気持ちよく聴けます。この中では,2006年に録音されたハイドンバリエーションやハンガリー舞曲集がより良好です。残響があってもこういう録音であれば十分納得できます(私の耳もだいぶ甘くなってきたようです...(^^;)。

この全集は私にとってちょっとした掘り出し物でした。

第1番 16:15/9:19/4:48/17:18 提示部リピートあり
第2番 20:05/9:46/5:14/9:46 提示部リピートあり
第3番 13:07/9:06/5:52/8:32 提示部リピートあり
第4番 12:41/12:44/6:03/10:20

ヘッドホン Sony MDR-1R 周波数特性

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ヘッドホン Sony MDR-1R

密閉ダイナミック型,インピーダンス24Ω,L字M3プラグケーブル1.2m,リモコン付きケーブル付属1.2m
参考: メーカーサイトAmazon.co.jp

2012年に発売されたソニーのハイレゾ対応のヘッドホンです。カタログスペックでは再生周波数帯域が4Hz~80,000Hzとされています。この測定ではマイクの周波数特性がそこまで伸びていないため20kHzまでの測定です(→測定環境)。

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果のページにも掲載しています。

音はクセの少ない素直なもので,低域も過度に強調されることもなくとてもよくバランスが取れていると思います。装着感も良いですね。このモデルはすでに生産終了し,現在は後継のMDR-1RMK2になっています。

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図1 Sony MDR-1R 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]疑似耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

タグ: [ヘッドホン] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,第3番,他(イスカンダル・ヴィジャヤ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,第3番
イスカンダル・ヴィジャヤ Iskandar Widjaja (Violin)
November 2012 and June 2013, Jesus-Christus-Kirche, Berlin-Dahlem
OC 896 (P)2012,13 (C)2014 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

一聴しただけでその表現力の幅の広さに驚かされます。 技術力も高く素晴らしいです。 積極果敢で現代的な演奏です。 ただ,曲によってはあまりにも緩急に富みすぎて音楽が前に流れず頻繁に止まりそうになるのはどうしても馴染めません。 呼吸が合わず息苦しくなってしまうのです。 才能ある若者の意欲的な演奏だけに合わないのが残念です。

録音ですが,息づかいが感じられるような録音で,残響もあまり感じられないのですが,ややくすんでヌケが良くありません。 わずかな響きがマイナスに働いているように感じられます。それでも楽器の質感やニュアンスは良く感じられるので何とか許容範囲です。

カップリング曲として,バッハ/コンチェルトト短調BWV1056R(チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056からの再構築),ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041,が収められています。ヴァイオリニストの弾き振りで,バックはベルリン・カメラータです。

こちらのコンチェルトも同様に素晴らしいのですが,こちらは残響がやや多く,バックの弦楽合奏がうるさく,ソロの起伏が大きいために弱めに弾くところが埋もれがちで聴きづらいです。もう少しソロとバックを対比させて録音して欲しかったところです。

ヘッドホン Sennheiser HD598 周波数特性

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ヘッドホン ゼンハイザー Sennheiser HD598

オープン・ダイナミック型,インピーダンス50Ω,ケーブル片だし3m 6.3mmストレートプラグ(3.5mm変換付属)
参考: メーカーサイトAmazon.co.jp

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果にも掲載しています。

その色から「プリンちゃん」と呼ばれることもあるというヘッドホン。音の傾向は少し中域にクセを感じますが,HD580HD600に近い音作りがされていると思います。周波数特性は中高域に少し大きめのピークがあるものの,基本的にはフラットに近い特性です。低域もフラットに伸びていますが,全体的にはゼンハイザーらしい大人しい音質だと思います。

インピーダンスが50Ωと低めに設定されていてHD600やHD650よりは扱いやすいです。

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図1 Sennheiser HD600 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]疑似耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

タグ: [ヘッドホン] 

ヘッドホン Sennheiser HD600 周波数特性

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ヘッドホン ゼンハイザー Sennheiser HD600

オープン・ダイナミック型,インピーダンス300Ω,ケーブルY字型3m 3.5mmストレートプラグ(6.3mm変換付属)
参考: メーカーサイトAmazon.co.jp

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果にも掲載しています。

ゼンハイザーの代表的な名機なのでご存じの方も多いと思います。後継機のHD650が発売されてから日本には正規輸入されなくなったようですが,ドイツではまだ現役機種としてカタログに載っています。HD650はやや低域寄りのチューニングとなっていて,よりフラットなHD600の存在価値がまだあるということなのでしょう。

実際に測定してみてもこのフラットさは素晴らしいです。聴感も素直でクセがなくリファレンスにふさわしい機種だと思います。日本に正規輸入されなくなったのは本当に残念です。

fq_resp_sennheiser_hd600_20140607_512.png
図1 Sennheiser HD600 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]疑似耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

タグ: [ヘッドホン] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,パルティータ第2番,第3番,他(リザ・フェルシュトマン)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,パルティータ第3番,他
リザ・フェルシュトマン Liza Ferschtman (Violin)
Galaxy Studios, Mol, Belgium, July 2009
CC72351 (P)(C)2010 Challenge Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番,他
リザ・フェルシュトマン Liza Ferschtman (Violin)
Galaxy Studios, Mol, Belgium, July 2013
CC72635 (P)(C)2014 Challenge Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。2010年に1枚目のディスクをレビューしていました。今回パルティータ第2番を収録したディスクがリリースされました。演奏の素晴らしさ,録音のクオリティは1枚目とほとんど変わりませんでしたので,1枚目の感想をそのまま流用しています(^^;。以下,その感想...

この奏者は恐ろしくキレます(「ブチ切れる」という意味ではありません(^^; 念のため)。 演奏はいたってスマートでクール,表現力が豊かでかつ透明感ある音色が魅力的です。 しかし,どこか孤独で憂いがあり,またどことなく冷たい肌触りも感じられます。 旧来のモダン流儀でもなく,ピリオドに傾くこともなく(少なくとも私はそう感じました), 洗練性を追求したこれぞモダンらしい演奏! うれしくなりました。 全集のリリースを期待します!

録音ですが,わずかに響きはありますが,直接音が主体で明瞭感が高くクリアでヌケも良いので,ほぼ文句ないレベルの仕上がりと言えます。 暗騒音,その他のノイズもほとんど感じられず,静寂の中で演奏されているような,ある意味現実感の希薄な不思議な感じのする録音ですが, もちろん悪い印象ではありません。

アンプとヘッドホンの相性について考えてみました。

本エントリーでは,ヘッドホン出力に直列に抵抗の入っているようなプリメインアンプやヘッドホンアンプと,周波数によってインピーダンスが比較的大きく変化するヘッドホンとの相性について述べています。

以前,普通のプリメインアンプのヘッドホン端子を使って聴いていたことがありました。あるイヤホン(BOSEのIEだったかな?)を聴くと音がとても曇って聴こえたので,疑問に思って調べてみるとそのプリメインアンプのヘッドホン端子はスピーカ出力から取られているのですが,330Ωの抵抗が直列に入っていることがわかりました。そのイヤホンは音を整えるためにRCフィルタが入っているのではないか,そしてその直列抵抗とRCフィルタの合成特性の影響で音が曇ってしまったのではないか,というのが当時の推測です。

直列に抵抗が入っていると言うことに抵抗を感じたので(^^;,それ以来出力インピーダンスの低いヘッドホンアンプに変えて聴いてきました。

最近,掲示板等でヘッドホンアンプの中にも直列に抵抗が入っているものがある,という話がありましたので,直列に抵抗が入っていると具体的にどんな影響があるのかというのを調べてみました。ヘッドホンの中には周波数によってインピーダンス変化が大きいものがありますので,直列に抵抗が入っていると,周波数によって電圧の分圧比が変わるため,音圧特性にも影響が出るはずだ,と思ったからです。

私が知っている中で比較的インピーダンス変化の大きな Sennheiser HD600,HD239,audio-technica ATH-CK9の3機種について,実際に330Ωの抵抗を直列につないだときと,直結したときで音圧特性にどんな差が出るのかを測定してみました。

測定はいつもの環境に準じます(→測定環境)。アンプ出力とヘッドホンの間に330Ωを入れた場合と入れない場合で測定しています。ヘッドホンへの入力電圧は,1kHzを入力し,両方の場合でヘッドホン端子にかかる電圧が揃うようにしました(少し低めの電圧です)。ヘッドホンの測定は疑似耳アダプターなし,インピーダンスは装着状態で測定しています。

(1)Sennheiser HD600
hd600_330ohm.png
図1 Sennheiser HD600の場合
■SPL(直列抵抗なし) ■SPL(直列抵抗330Ωあり) ■Impedance


2kHz付近のインピーダンスは約300Ωですが,低域共振周波数f0付近(80Hz)では約490Ωにまで上昇します。330Ωの直列抵抗との分圧比から計算すると,80Hzでは約1.26倍で,音圧にすると約2dBの上昇になり,測定結果とほぼ一致します。

(2)Sennheiser HD239
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図2 Sennheiser HD239の場合
■SPL(直列抵抗なし) ■SPL(直列抵抗330Ωあり) ■Impedance


同様に,1kHz付近のインピーダンス約34Ωに対し,f0付近(75Hz)では76Ωとなり,計算上約2倍,音圧で約6dBの上昇,測定結果でもほぼそのくらいの音圧差が生じています。

(3)audio-technica ATH-CK9
ath-ck9_330ohm.png
図1 audio-technica ATH-CK9の場合
■SPL(直列抵抗なし) ■SPL(直列抵抗330Ωあり) ■Impedance


このイヤホンはバランスドアーマチュア型で,高域で急激にインピーダンスが上昇するという特徴があります。測定結果からもわかるように,高域にいくに従って音圧が上昇していることがわかります。10kHzで約2.46倍,音圧で約7.8dBにもなります。

~~~~~

このように,「出力に直列に抵抗が入っているプリメインアンプやヘッドホンアンプ」と「インピーダンスの周波数変動の大きなヘッドホン」との組み合わせでは,周波数特性のバランスが大きく変化してしまうことがあることがわかりました。出力インピーダンスの大きなアンプでも同様だと思います。

「アンプを変えると音が大きく変わる」ということがあった場合,上記のような抵抗の有無が影響している可能性があります。抵抗が直列に入っていること自体は悪いことではないと思いますし,アンプによる音の変化を楽しめばよいと思いますが,こういうことで音が大きく変わることがあるということを知っておくことはそれなりに意味があると思います。(しかし,インピーダンスがどれくらい変化しているかは測定してみないとわからないですけどね...)

以上,参考になれば幸いです。

タグ: [ヘッドホン] 

ヘッドホン Sennheiser HD239 周波数特性

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ヘッドホン ゼンハイザー Sennheser HD239

オープン・ダイナミック型,インピーダンス32Ω,ケーブル片だし1.4m ストレートプラグ
参考: メーカーサイトAmazon.co.jp

2011年発売。オープンタイプの軽量オンイヤー・ヘッドホン。軽い装着感が特徴で圧迫感もなく疲れにくいです。

この価格帯としては驚くほど暴れのない整ったフラットな周波数特性,音質は大人しく若干物足りなさを感じるかもしれませんが,クセがなく聴きやすいです。高域はもう少しシャキッとしてヌケが良ければ最高なのですが,まあこれでも十分良好な音質と言えるでしょう。ゼンハイザーらしい極めて真面目なヘッドホンです。

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果にも掲載しています。

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図1 Sennheiser HD239 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]疑似耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

タグ: [ヘッドホン] 

ヘッドホン Sony MDR-10R 周波数特性

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ヘッドホン Sony MDR-10R

密閉ダイナミック型,インピーダンス40Ω,L字M3プラグケーブル1.2m,リモコン付きケーブル付属1.2m
参考: メーカーサイトAmazon.co.jp

2013年に発売されたソニーのハイレゾ対応のヘッドホンです。カタログスペックでは再生周波数帯域が5Hz~40,000Hzとされています。この測定ではマイクの周波数特性がそこまで伸びていないため20kHzまで測定の測定です(→測定環境)。

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果のページにも掲載しています。

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図1 Sony MDR-10R 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]疑似耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

タグ: [ヘッドホン] 

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番~第5番(アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn弾き振り)/ルツェルン祝祭弦楽合奏団)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番,第4番,第5番
アラベラ・美歩・シュタインバッハー Arabella Steinbacher (Violin)
ルツェルン祝祭弦楽合奏団 Festival Strings Lucerne
2013年9月 オーバーシュトラース教会(スイス,チューリッヒ)
PCT 5186 479 (P)(C)2014 Pentatone Music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
奇をてらわないオーソドックスなアプローチながら,瑞々しい輝きに満ちていて,そして子供のような無邪気な喜びさえ感じられるのが素晴らしいと思います。モダン楽器の美しさが発揮されたいままでにない新しさを感じます(「オーソドックス」と矛盾しそうでそうではないところがまた良いのです)。こういうモーツァルトが聴きたかった!

録音ですが,残響は多めに入ってはいますが,ソロは細身ながらくっきりと鮮明であり,残響の影響をあまり受けておらず,美しさと透明感を保っています。バックは響きの影響で少しもやっとしていますが,かえってソロを浮き上がらせることとなり,結果としてあまりマイナスとはなっていません。トータルとしてまずまず良好な好録音と言えます。