天使の歌声 ~ ゴシック・ハーピスト テレーズ・シュローダー・シェーカーの演奏が見られる貴重な映像

かつてウィンダム・ヒル・レーベルからもアルバムをリリースしていたゴシック・ハーピストのテレーズ・シュローダー・シェーカーの貴重な映像をYouTubeで見つけました。テレビ番組の録画だと思います。ゴシック・ハープの弾き語りによる神秘的な天使の歌声の演奏の映像を見られるとは感激です。画質も音質も良くありませんが仕方ありません。じっくりと楽しみたいと思います。

好きな曲“For the Roses”から始まるようにセットしました。究極の癒しの音楽!

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テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア(ルイジ・デ・フィリッピ)

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テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア
ルイジ・デ・フィリッピ Luigi De Filippi (Violin)
Fuscaldo (CS) Italy - Suoneria Mediterranea Studios, 2, 3, 4 January 2015
CC72679 (P)(C)2015 Challenge Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・ヴァイオリンによる演奏。 とても丁寧な演奏で,アクセントの抜き方,ロングトーンの音のふくらませ方など絶妙であり, 楽器の響き,音色が大変美しいです。 音楽の流れも軽快で楽しいです。 この単純な愛らしい曲の魅力を上手く引き出した秀演だと思います。

録音ですが...ものすごい残響です。 残響の量が多く,また残響時間も長い。 しかし,直接音もしっかりと捉えられており,残響の被りによる音色への影響も意外に少なく, 楽器の質感も残っています。 これだけの残響を取り入れながら音色の曇りを最小限に抑え,それなりの明瞭感を保っているのは立派です。 印象は悪くありません。 もちろん残響を肯定するわけではありませんが,これならぎりぎり許容範囲であり, 残響を取り入れるならせめてこんな風にして欲しいという例にはなると思います。 もう少し直接音と残響の比率を大きく取ってわとわりつきを抑えてくれればとは思いますが。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番,パルティータ第1番(マリア・シャルギナ)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番

マリア・シャルギナ Maria Shalgina (Violin)
録音データなし
Alberich Music Production (P)2013 mariashalgina.com (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 力強く,また,速めのテンポで上品に淡々と弾き進める様が気持ちの良い好演奏。 印象の強い演奏ではありませんが,こういうサラッとした癖のない演奏も良いものです。 技術的にも安定感があります。

録音ですが,残響時間が長めで量もやや多めですが,直接音との比率が適切に取られているので, 比較的聴きやすくまとめられています。 ただやはり響きの影響で音色に癖が出て透明感を失っています。 惜しいと思います。

マリア・シャルギナはロシア出身のヴァイオリニスト。 公式Webサイトがあります。 本ディスクのタイトルは“Bach, Volume I”となっており, 公式WebサイトのShopではVolume IIが coming soon... となっているのですが... (Webサイトの別のページでは2015年1月のリリースとも書いてあるのですが...) どうなっているのでしょう???

ブラームス:交響曲第2番,ハイドンの主題による変奏曲(サー・エイドリアン・ボールト指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a(*)
サー・エイドリアン・ボールト指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1971年 Kingsway Hall,1978年 Abbey Road Studios (*)
TOCE-13443 (P)2007 東芝EMI株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

先に取り上げたDiskyの全集盤のコメントでご紹介いただいた,2007年に発売されたEMI Classics決定盤1300シリーズのディスクです。たまたまAmazon.co.jpに出品されていた最後の新品を運良く入手できました。いつリマスタリングされたものかわかりませんが,「24bit最新リマスタリング」と記載されていますので,1988年リマスタリングのDisky盤よりは確実に新しいものですね。

Disky盤と聴き比べてみると,その差は歴然としています。鮮度が確実に上がっていますし,低域のレンジ感も向上しより充実した音になっています。現役盤として入手可能なBoxセットでなぜこのリマスタリング音源が採用されなかったのか,釈然としませんね。何か理由があったのでしょうか。

この国内盤はすでに廃盤で入手しづらい状況というのは残念です。

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ヘッドホン Sony MDR-1ABT 周波数特性

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ヘッドホン ソニー Sony MDR-1ABT

密閉・ダイナミック型,インピーダンス24Ω,ケーブル片だし(着脱可) 2015年発売,Bluetooth対応
参考: メーカーサイトAmazon.co.jp

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果にも掲載しています。

同社の代表機種MDR-1Aの兄弟機種で,Bluetooth対応のモデル。 同社が開発したBluetooth用のコーデック“LDAC”によって,Bluetoothでのハイレゾ対応を謳っています。 ここでは有線接続時のみの評価です。

音質の傾向は兄弟機種だけあってMDR-1Aに似ています。 しかし,能率がMDR-1Aよりも低く,また,低域の質感が異なります。 こちらの方が低域に締まりがあり,逆に量感は控えめに聞こえます。 能率の低さと低域の量感の差によって,MDR-1Aよりも大人しめの音に感じられます。 また,このシリーズの特徴である解像感の高さもわずかに落ちるように感じられ, クオリティ面ではMDR-1Aに一歩譲るように思います。 個人的には音のバランス,低域の締まり具合から,MDR-1Aよりもこちらの方が好みかなと思いますが。

装着感ですが,Bluetoothモデルなので若干重いのは仕方ないとして, イヤーパッドがMDR-1Aよりも少し薄く,あの軽く柔らかい装着感はこのモデルではあまり感じられません。 決して悪くはないですが,MDR-1Aには及ばないです。

MDR-1Aの兄弟機種ですが,音質面でも装着感の面でもだいぶ異なるという印象です。

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図1 Sony MDR-1ABT 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]人工耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

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ヘッドホン Sony MDR-1A 周波数特性

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ヘッドホン ソニー Sony MDR-1A

密閉・ダイナミック型,インピーダンス24Ω,ケーブル片だし(着脱可) 2014年発売
参考: メーカーサイトAmazon.co.jp

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果にも掲載しています。

ソニーの密閉型オーバーヘッドヘッドホンの代表機種なので今更説明の必要もないですね。 音質は低域が豊か,かつ高域が強い,いわゆるドンシャリですが, 全体に破綻のない完成度の高い良好な特性をしています。 少し低域が緩めであり,これがこの機種の音質を特徴付けていると思います。 もう少し締まっている方が私の好みなのですが...

そしてこの機種のもう一つの特徴が,とても軽く快適な装着感でしょう。 柔らかめのイヤーパッドのフィット感が心地よく,また,緩い側圧のため, 長時間のリスニングも比較的楽です。 重量も軽めです。 イヤーパッドの内径が少し狭いので若干耳が触れるので少し気になります。 この点が惜しいところです。

さすがソニー,良くできたモデルです。

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図1 Sony MDR-1A 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]人工耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

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ヘッドホン audio-technica ATH-MSR7 周波数特性

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ヘッドホン オーディオ・テクニカ audio-technica ATH-MSR7

密閉・ダイナミック型,インピーダンス35Ω,ケーブル片だし(着脱可) 2014年発売
参考: メーカーサイトAmazon.co.jp

ヘッドホン・イヤホン 周波数特性 測定結果にも掲載しています。

2016年2月時点の実売価格がおよそ2万円ということで,密閉型アラウンドイヤーのヘッドホンとしては中級クラスです。 ソニーのMDR-1Aが競合というところでしょうか(デザインも似ていますし・・・)。 オーソドックスで,ヘッドホンらしいヘッドホンです。

音質はフラット基調で極めてクリア,ハイが少々きついくらいです。 音源が少し曇った音質でもスカッとヌケよく聴かせてくれます。 低域は量感は控えめですが,十分に出ていますし,締まっているので不満はありません。

装着感ですが,イヤーパッドは耳の大きさぎりぎりですが,耳に触って不快になるということはありません。 側圧がややきつめで,かなりしっかりと装着できますが,一方で, アラウンドイヤーにも関わらずやはり長時間は少し疲れてつらいです。 イヤーパッドは密閉度が良いので,遮音性もまずまず良好,音漏れも少ない方だと思います。

造りも値段なりにしっかりとしています。 真面目な音作りで,かつ,高域のヌケの良さが魅力的な機種だと思います。

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図1 audio-technica ATH-MSR7 周波数特性
■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]人工耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境

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ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集(ジョルト・カッロー Vn/ニコラス・マクーギガン指揮/カペラ・サヴァリア)

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ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, イ長調 Hob VIIa:3,ト長調 Hob VIIa:4
ジョルト・カッロー Zsolt Kalló (Violin)
ニコラス・マクーギガン指揮/カペラ・サヴァリア
April 18-19, 2015 at Bartók Concert Hall, Szombathely, Hungary
Hungaroton HCD 3271 (P)(C)2015 Fotexnet Kft. (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Amazon.co.jpApple Music

ピリオド楽器による演奏。実に素直。曲を変にいじることなくストレートに表現しているのが好印象です。音色の美しさも特筆できます。ピリオド色が薄く聴きやすいです。技術的にものすごくキレるわけではありませんが,全く不足なし。好演奏。

そして録音なのですが,ソロはわずかに響きを伴いながらも適度な距離感の直接音主体の捉え方で,オーケストラよりも一段浮き上がって聴こえます。誇張された録音ではありますが,協奏曲の録音として好ましいと思います。ソロの音色がクリアで美しくニュアンス豊かなのは本当にうれしいです。私にとっては音場の自然さよりも断然優先されますので。ちょっとオマケですが五つ星としました。Hungarotonの録音は私の好みに合うものが多いと思います。

ユリウス・レントヘン:ヴァイオリンとピアノのための作品集 第1集(クリストフ・シッケダンツ Violin/エルンスト・ブライテンバッハ Piano)

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ユリウス・レントヘン:ヴァイオリンとピアノのための作品集 第1集
クリストフ・シッケダンツ Christoph Schickedanz (Violin)
エルンスト・ブライテンバッハ Ernst Breidenbach (Piano)
Deutschlandfunk Kammermusiksaal, March 23-26, 2011
cpo 777 768-2 (P)2015 Deutschlandradio (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

秘曲の宝庫cpoレーベルから。以前に「ユリウス・レントヘンの協奏曲を聴く」ということで,ヴァイオリン協奏曲,チェロ協奏曲,ピアノ協奏曲のディスクを紹介しました。今回はヴァイオリン作品集で,以下の作品を収録しています。

1. ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op.40
2. 幻想曲 Op.24
3. ヴァイオリン・ソナタ「トリロジカ」
4. 7つの演奏会用小品 Op.89

やはりコテコテのロマン派なんですかね。親しみやすく聴きやすい楽想の曲ばかりですが,ちょっと胸焼けしそうです(^^;。演奏も気合いがひしひしと伝わってくる迫真の力強いもので聴き応え十分です。

録音ですが,少しオフマイクで残響を多めに取り入れていますが,過剰な感じはなく,ちょうど良いバランスで録られていると思います。ヴァイオリンとピアノの録音として標準的な印象です。私としてはもっと残響を抑えてクリアーに録って欲しいと思いますが,まあぎりぎり許容範囲というところでしょうか。

ハイドン:弦楽四重奏曲 作品76 「エルデーディ四重奏曲」(ドーリック弦楽四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲 作品76 「エルデーディ四重奏曲」
ドーリック弦楽四重奏団 Doric String Quartet
2015年6月12日-13日, 7月26日-28日 ポットン・ホール(サフォーク)
CHAN 10886 (P)(C)2016 Chandos Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon

見つけると買ってしまうハイドンのエルデーディ四重奏曲集です。こっ,これはなかなかに曲者の熱い演奏ですねぇ。伝統的な演奏にとらわれず,好き勝手に楽しんで演奏しています(^^;。遊び心満載のワクワクする演奏です。大胆にデフォルメしたり,突然内声が普通やらない奏法で主張し出したり,結構いっぱい仕掛けがあって面白いです。モダン楽器の表現力をフルに活かしています。技術的にも上手いです。リピートもきっちりとやっているようです(たぶん...)。好き嫌いが分かれると思いますが私は気に入りました。

録音ですが,残響は控えめですが,少し録音会場の響きが被っているように感じられます。そのためか第一印象は冴えない録音のように感じられるのですが,脚色の少ない自然な音色であり,楽器の質感も悪くありません。ドライで地味な印象を受ける録音ですが,残響の影響がほとんど気にならない好録音だと思います。

ブラームス:交響曲全集(サー・エイドリアン・ボールト指揮/ロンドン交響楽団/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲全集
サー・エイドリアン・ボールト指揮
ロンドン交響楽団/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1970年,1972年
HR 705412 (P)(C)1999 Disky Communications Europe (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第3番がロンドン交響楽団,それ以外がロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。Diskyの解説書には明記されていませんが,参考に挙げたEMIのボックスセットのWebページを見ると,第3番が1970年,それ以外が1972年で,いずれもロンドンのキングズウェイ・ホールでの録音となっています。Disky盤は1988年のデジタル・リマスタリングと記載されていました。

このボールトのブラームス,端正で引き締まった品格のある素晴らしい演奏ですね。誇張がなく地味なくらい控えめですが,それがこの演奏の魅力だと思います。

さて録音なのですが,残響は少し多めにあるものの,それぞれの楽器の質感を大きく損なわない適度な範囲であり,また,弦楽器の豊潤な響きを中心に全体の音響が構成されているので印象は良いです。EMIにしてはかなりうまくまとめていると思います。でもオーディオ的な品質はやはりEMI...1970年代の録音ならもう少しスカッとしていて欲しいところです。とはいえ十分に鑑賞に堪えうる録音ではありますが...惜しいです。

なお,Disky盤はすでに廃盤で入手は難しい状況です。参考に挙げたボックスセットは11枚組で価格も安価ですね。音質が改善されているかどうかは定かではありませんが,このディスクを聴いていると,もっとボールトの録音が聴きたくなって,手に入れるかどうか,今とても迷っています(^^;。

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Weighted Mind (シエラ・ハル)

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Weighted Mind
シエラ・ハル Sierra Hull
11661-9166-2 (P)(C)2016 Rounder Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ブルーグラスのマンドリン奏者,シエラ・ハルの久々の新譜。3作目でしょうか。前2作はブルーグラスの王道を行くようなアルバムだったのに対し,今回の作品は,基本的にはマンドリンとベースと歌という極めてシンプルな編成であり,曲も大人びていて渋く哀愁を感じさせるものが多いです。マンドリン演奏も技巧に走ることなく深みを増していますし,ボーカルも随分上手くなりました。新境地ですね。じっくりと楽しませてもらおうと思います。

あの歌姫アリソン・クラウスも数曲参加しているのですが,バッキング・ボーカルに徹するという何とも贅沢なアルバムです(^^)。ジャケット写真は今ひとつ意味不明(^^;。解説書に載っていた下の写真,何となく好きです(^^)。持っているのはオクターブ・マンドリンでしょうか。

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ハイドン:弦楽四重奏曲 作品76 「エルデーディ四重奏曲」(アルベルニ四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲 作品76 「エルデーディ四重奏曲」Vol. 1
アルベルニ四重奏団 Alberni Quartet
録音不明
(P)2012 Collins Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple Music

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ハイドン:弦楽四重奏曲 作品76 「エルデーディ四重奏曲」Vol. 2
アルベルニ四重奏団 Alberni Quartet
録音不明
(P)2011 Collins Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple Music

Apple Musicでの試聴。モダン楽器の流麗さが気持ちの良い好演奏。古典であることを思わず忘れてしまいそうな歌心がいいですね。全てかどうかは未確認ですが,普通省略されることの多いリピートを結構ちゃんとやっていそうで,その点でも好感を持ちました。

録音ですが,少し残響を多めに取り入れていて音色に影響はあるものの,それほど楽器音を濁しておらず許容範囲です。残響が気にならない方には良いかもしれません。私としてはもう少し残響を抑えて楽器そのものの美しい音色を聴かせて欲しかったとは思いますが。

このディスクは,いつも参考にさせていただいているハイドン音盤倉庫の記事で知りました。有り難うございます。この記事が掲載されたころはAmazon.co.jpのマーケットプレイスで約6,000円で出品されていたのですが,どうしようか躊躇している間に売れちゃいました(^^;。このApple Musicの演奏とおそらく同じものですね。

Apple Musicでは,“Alberni Quartet”で検索してもVol. 1しか出てこず,なぜだろうと相当悩みましたが,Vol. 2は“Alberini Quartet”と誤った団体名で登録されていたせいでした。

シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集(ネーメ・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集(7CD)
ネーメ・ヤルヴィ指揮 Neeme Järvi
エーテボリ交響楽団 Gothenburg Symphony Orchestra
1992-1996年(管弦楽曲),2002-2005年(交響曲)
00289 477 6654 (P)2007 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

長い間気になっていたのになかなか手を出せていなかったディスクをようやく入手しました。ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団の2度目の交響曲全集と管弦楽曲を組み合わせたシベリウス没後50年?!企画盤。

さすがに手慣れているだけあってオーソドックスでそつなく高い水準でまとめているように思います。オーケストラの精度がわずかに気になる瞬間はあるものの,ほぼ問題ありません。全く違和感なくすんなりと聴けるのはさすがです。そこが安心感につながり,また,少し物足りなく感じるところでもあります。最近立て続けに優れた演奏に触れたので,どうしてもそれらと比べてしまって...良い全集だと思いますよ。

録音ですが,これは良くも悪くもドイツ・グラモフォンのオーケストラ録音だなぁと思います。残響は多めですが,直接音とのバランスは上手く取られているので欠点が少なく悪くありません。個人的にはもう少し楽器の質感を強めに,生々しさ,鮮明さを出して欲しかったなと思います。惜しいところです。

心揺さぶられるピアノの音色の美しさ! ~ Winter Into Spring (ジョージ・ウィンストン)

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Winter Into Spring
ジョージ・ウィンストン George Winston (Piano)
Windham Hill WD1019 1982年発売
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple Music

私はピアノはそれほど聴かないのでなんなのですが,ピアノの音が「美しい!」と思う録音には本当に泣きたくなるくらい滅多に出会いません。最近入手した仲道郁代さんのショパンのワルツ集はそんな中の久しぶりに出会った好録音です。

その滅多にないディスクの中の1枚がこのジョージ・ウィンストンの代表作の一つ,“Winter Into Spring”です。懐かしのディスクですね(^^)。特に1曲目の“January Stars”が飛び抜けています。かなりのオンマイクです。強い打鍵音を聴くと,ハンマーが弦をたたく瞬間が見えるような,そして,ペダルで長く残る響きを聴いていると,まるで弦の振動が見えるような感覚に襲われます。このピアノの音には本当に心が揺さぶられます。

少し演出がかっていますし,かなり誇張された録音なので,このような録音がクラシック音楽に合うのかどうかは実際に聴いてみなければわからないのですが,この録音を聴いていると,ホールの響きや雰囲気を再現する以前に,楽器そのものの響きをもっと大切に扱って欲しい,という思いがこみ上げてきます。先に挙げた仲道郁代さんのディスクの解説書で述べられていた「ショパンの時代には大きなホールの豊かな響きで聴くということはなかったのである。サロンで,ピアノの近くに集まり,親密に聴くのである。」という音響で聴ける録音がもっとあっても良いじゃないですか。ホールではなくサロンのような環境で音楽を楽しみたい,そんな環境で奏でられる楽器の音を聴きたい,と思うのです。

なお,ジョージ・ウィンストンの他のディスクも聴いてみましたが,人工的に響きが付加されたようなものが多く,録音に関してはあまり感心しませんでした。

ウィンダム・ヒルのディスクはほとんど廃盤でこれも現役盤はないようですね。残念な状況です。Apple Musicで聴けるのがせめてもの救い...

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(D. シトコヴェツキー編曲 弦楽三重奏版)(フーベルト・ビュッフベルガー/ヴァレンティン・アイヒラー/ルイーゼ・ビュッフベルガー)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲(弦楽三重奏版/D. シトコヴェツキー編)
フーベルト・ビュッフベルガー Hubert Buchberger (Violin)
ヴァレンティン・アイヒラー Valentin Eichler (Viola)
ルイーゼ・ビュッフベルガー Luise Buchberger (Cello)
2008年4月24-26日 ドイツ,ロシュバッハ,ニーデルロシュパッハ,ブルク教会
klanglogo KL1504 (P)(C)2013 Rondeau Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

見つけると買ってしまうシトコヴェツキー編曲の弦楽三重奏版。モダン楽器のピリオド・アプローチによる演奏。速めのテンポでキレが良く,また,淀みなく流れていく音楽が気持ち良いです。ピリオド・アプローチということで,ノン・ヴィブラートでアクセントを抑えた膨らみのある発音が美しい響きを出しています。ただ,ピリオド・アプローチといってもそれくらいであって,響きが美しくても音色に今ひとつ魅力がないのが惜しいところです。とても残念!

録音ですが,残響はそれほどありませんが,会場の雰囲気を感じさせてくれる響きは取り入れられています。そういう意味での自然さ,リアルさはあるのですが,響きが楽器音を濁していて本来の輝きを失っています。楽器の音色が何よりも大切と思っている私としては,この録り方は歓迎できません。録音も惜しいです。

最後にリピートの確認結果ですが,最後のAria da capo以外は全てリピートを実行していました。完璧です。

演奏時間 約80分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ××

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変態チェリスト ルシャド・エグルストンの立って歌って弾くチェロ弾き語り

Twitterでは何度か紹介したと思います。ブルーグラスのチェリスト,ルシャド・エグルストンの立って歌って弾くチェロ弾き語り。この人もホントに変ですね(^^;。面白いです。

タグ: [YouTube] 

変人フィドラー ケイシー・ドリーセンのヴァイオリン弾き語り+α

ブルーグラスのフィドラーのケイシー・ドリーセンのヴァイオリン弾き語り。チョップ奏法を駆使して自分で伴奏しながら歌っています。後半では,その場で自分の演奏をサンプリング,再生しながら演奏を重ねていきます。ユニークですねぇ。びっくりします。好きです(^^;。

タグ: [YouTube] 

ブラームス:交響曲全集(サー・ジョン・バルビローリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブラームス:交響曲全集
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1966年,1967年 ウィーン,ムジークフェラインザール
Warner Classics 0825646767717 (P)1968,1969 (C)2016 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
※2012年 デジタル・リマスタリング

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ブラームス:交響曲全集
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1966年,1967年 ウィーン,ムジークフェラインザール
HR 708222 (P)(C)2001 Disky Communications Europe (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
※1990年 デジタル・リマスタリング

定評のあるブラームス交響曲全集。遅めのテンポで重厚に,じっくりと,壮大に鳴らすロマンティックな,しかし品格のある素晴らしい演奏。旧世代の演奏ですが,私にはこういう演奏が落ち着きますし,心に滲み渡ります。

そして録音ですが,EMIの録音にしてはかなり良いと言えるでしょう。残響はかなり多いので付帯音の被りによる音色への影響は避けられませんが,その割には楽器の質感も感じられますし,分離感もまずまず良好です。響きが勝ちすぎていて私の好きなタイプの録音ではないのですが,楽器の魅力が失われていない録音として十分許容範囲で,むしろ印象は良いです。残響が気にならない方には魅力的な録音ではないでしょうか。なお,1966,67年というおよそ50年前の録音なのでオーディオ品質は時代なりというところは仕方ないですね。

だいぶ前にDisky盤を入手していたのですが,音質の改善を期待して今回このWarner盤を入手してみました。2012年のマスタリングということで,Disky盤に比べると,低域のレンジ感が大きく増し,鮮度もわずかに向上しているように思いました。入手した価値はあったかなと思います。

タグ: [交響曲] 

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(アンリース・シュミット)

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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
アンリース・シュミット Annlies Schmidt De Neveu (Cello)
Recorded in 1957-1958
CDSMAC024 (P)(C)2015 Spectrum Sound (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

LPからの復刻盤(原盤 German TELEFUNKEN LT 6626-8 ED 1 LP)です。

超インテンポの快感とでもいいましょうか,全く揺らぎのない超快速演奏が素晴らしい効果を発揮しています。 世の中の数多の演奏がいかに表現に苦心しテンポの揺らぎでそれを豊かに表現しようとしているのか,逆にそれがよくわかります。 このような演奏をする人が他に全く現れないのが不思議といえば不思議なのですが, バッハ演奏の可能性として,こんな単純明快な解があることに驚きを禁じ得ません。 こんなに古い演奏から無限の可能性があることを教えてもらうとは!

モノラルLP盤からの板起こしディスク。 古い盤の板起こし特有のノイズがあり,絶対的なクオリティはそれなりではあるものの,かなり良い状態で復刻されています。 多少のばらつきはあるものの,元々の録音が残響を控えた明瞭なものなので, 鑑賞には十分堪えうるというのが本当に有り難いことです。

本ディスクと同じ演奏のディスク(forgotten recordsレーベル)を2010年にレビューしていました。前回とだいぶ印象が異なりましたので,CD試聴記にその記事も残しています。よろしければご参照ください。

なおforgotten recordsの復刻よりも,こちらの復刻の方がより鮮明で聴きやすいです。

タグ: [器楽曲]  [チェロ] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(マルック・ルオラヤン=ミッコラ) ※バロック・チェロ

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マルック・ルオラヤン=ミッコラ Markku Luolajan-Mikkola (Baroque Cello)
Church of St Catherine, Karjaa, Finland, 9-12 September 2013 and 5-8 May & 16-19 June 2014
CKD 548 (P)(C)2015 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・チェロによる演奏(a'=415Hz)。 原曲より五度低い調に下げて弾いています。 チェロで低い音にシフトしている上に五度低い音程で弾いているので,ものすごく重心が低く沈み込んだ音楽に聴こえます。 かなり健闘されてはいるのですが,早いパッセージでのキレの悪さ,不安定さがあるのは楽器のハンデでしょうか。 パッセージによってはモゴモゴとしてよくわからなくなるところもあります。 バロック・チェロの発音の立ち上がりの遅さにも起因しているのかもしれません。 聴き慣れてくるとだんだんおもしろさがわかってくるのですが...それでもやっぱりちょっと苦しいですね。

録音ですが,残響がかなり多く,楽器音に被って音色を大きく損なっていますし,明瞭感もかなり落ちています。 モゴモゴして混沌としてしまう原因はこの録音にもあると思います。 そして少し歪みっぽいようにも感じます。 Linn Recordsらしい雰囲気があるのはわかるのですが,こういう演奏ほどくっきりと録って楽器のハンデをカバーすべきと思うのですが。

タグ: [器楽曲]  [チェロ] 

ベートーヴェン:交響曲第4番,第5番「運命」(ニコラウス・アーノンクール指揮/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス)

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ベートーヴェン:交響曲第4番,第5番「運命」
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
2015年5月8-11日 ウィーン,ムジークフェラインザール
88875136452 (P)(C)2016 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ピリオド楽器による演奏。アーノンクールにとって2度目の全集になるはずだった録音の第1弾。昨年12月に演奏活動からの引退を表明され,これが最後の録音になったということです。ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとのベートーヴェン録音もこれが最初で最後とのことです。

この演奏,アーノンクールの強烈な個性が炸裂していますね! 大胆なダイナミクスの活用,大きなテンポのゆらぎと至る所にちりばめられた「ため」というか一瞬のパウゼ!? 特に第5番。終楽章で度肝を抜かれるような金管の咆哮があったり,最後の和音の大胆な「ため」があったり(ネタバレですね(^^;)と,本当に気が抜けません。

しかし,次の二つの理由で私はちょっとこの演奏が苦手です。一つ目は,やはり「ため」が多すぎることです。指揮者の呼吸に自分の呼吸を合わせることが出来ないので,「ため」の瞬間に「うっ」と胸が詰まって痛くなります。身体が受け付けてくれないのでどうしようもありません。二つ目は,管楽器主体の音量バランスとなっていてどうしてもやかましく聴こえてしまうためです。弦楽器が添え物程度にしか聴こえてこないのが不満です。これは多分に好みの問題ではあるのですが。

さて録音なのですが,残響はやや多めなのですが,オンマイク的に録られているので楽器音は明瞭で印象は悪くありません。ただ少し音を濃く詰め込みすぎていて混沌として見通しが良くないときがあり,この点が惜しいと思います。残響量の割には良いとは思うのですが。

タグ: [交響曲] 

プッチーニ:歌劇「トスカ」全曲(カレーラス,カバリエ,デイヴィス指揮コヴェントガーデン)

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プッチーニ:歌劇「トスカ」全曲
カレーラス,カバリエ,デイヴィス指揮コヴェントガーデン
1976年
Philips 438 359-2 (P)1976 (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。ブログ読者の方から「スピーカの奥行きにステージが見えるような音源」とのことでご紹介いただきました。有り難うございます。録音のみのコメントですが,私はオペラは守備範囲外で全く聴かないので的外れでしたらごめんなさい。

全体の音響としては,確かに舞台の広さ,空間を感じさせるような響きがあります。当然ながらこれが歌声,オーケストラの演奏に被ってきます。しかし,舞台上での歌手の位置や動きが空間的にリアルに再現されるため,オペラの録音としては好ましいのではないかと思いました。

そしてオーケストラの方も響きで少し音色に影響を受けてはいるものの,楽器の質感,分離感も適度に感じられ,なによりスケールの大きな迫力のある圧巻のサウンドがなかなかの聴きものです。私はむしろこちらの方に感心しました(^^;。

私のような偏った拘りがなければ優秀な録音と言えるのではないでしょうか。

タグ: [★★★★☆] 

ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全集(グザヴィエ・フィリップ(Vc)/フランソワ・フレデリック・ギィ(P))

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ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全集
グザヴィエ・フィリップ Xavier Phillips (Cello)
フランソワ・フレデリック・ギィ François-Frédéric Guy (Piano)
2015年1月 メス,アルセナル
Evidence EVCD015 (P)2015 Little Tribeca / Evidence Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

少し前にApple Musicで試聴して記事にしていましたが,やっとディスクを入手しました。やっぱりこれはいいですねぇ。演奏も録音も惚れ惚れします(^^;。しばらくじっくりと楽しませてもらおうと思います。


Apple Musicでの試聴です。

颯爽としてとても清々しさを感じる演奏で,深々とした低弦の響きから伸びのある高音まで魅力ある音色が本当に素晴らしい! 力強くキレの良いタッチのピアノも良いと思います。ベートーヴェンのチェロ・ソナタでこんなワクワクする演奏に出会うとは! 思いもしませんでした。

録音ですが,わずかに残響はありますが,楽器音を適度な距離感で明瞭に捉えた好録音で,音色も自然であり,欠点の少ないバランスの良い録音だと思います。

演奏も録音も気に入りました。今回はApple Musicでの試聴ですが,これはディスクを入手しなければなりません(^^;。愛聴盤候補になりました。

(記2016/01/16)

ToMoKo plays ToMoKo II Hidamari 陽だまり (今村友子)

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ToMoKo plays ToMoKo II Hidamari 陽だまり
今村友子 Tomoko Imamura (Piano)
武澤秀平 Shuhei Takezawa (Cello)
2015年6月30日~7月2日 横浜みなとみらい小ホール
MUSE-0002 (P)(C)2016 muse fountain (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Amazon.co.jp

リバイタリゼーション ToMoKo plays ToMoKo の音楽が良かったので,第2弾も入手して聴いてみました。このディスクでは,ピアノ独奏,チェロとの二重奏に加えて弾き語りが収められています。第1弾と同じ曲が4曲ありますが,4曲とも弾き語りになっています。

音楽は第1弾と同様に親しみやすく優しさに溢れていますね。歌もちょっと線が細いのですが,大人の音楽という雰囲気を醸し出しています。インパクトはありませんが心温まる良い作品集に仕上がっていると思います。

しかし...録音があまり好ましくありません。今回はホールで録音されているのですが,ホールのキャラクターが強く出過ぎています。楽器音は明らかに間接音比率が高すぎて音色が大きく濁っています。逆に歌声はそれに比べるとわずかな残響を伴いつつもはるかに明瞭で(さらに強いモノラル感もあって),このギャップが強い違和感を生んでいます。

やはりこの音楽はサロン風の録音で聴きたい。先日取り上げた仲道郁代さんのショパン:ワルツ集の解説で述べられていた「サロンで,ピアノの近くに集まり,親密に聴くのである。」というのがふさわしい音楽だと思います。このようなホール音響を強く打ち出した録音を選択されたことを本当に残念に思います。ちょっときつい言い方で申し訳ないのですが,録音が音楽を台無しにしていると感じてしまいます。本当にもったいないです。

タグ: [器楽曲]  [ピアノ] 

ショパン:ワルツ(仲道郁代)

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ショパン:ワルツ(17曲) (1842年製プレイエルと2013年製スタインウェイによる演奏)
仲道郁代 Ikuyo Nakamichi (Piano)
2015年5月26日~29日 サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 小ホール
SICC 19006-7 (P)(C)2016 Sony Music Japan (国内盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ショパンのワルツ17曲を,Disc 1では1842年製プレイエルで,Disc 2では2013年製スタインウェイで,同じ曲を違う楽器で弾いたものを収録するという贅沢な企画盤です。今日ここで触れたいのはこの録音についてです。

解説書の中で仲道さん自身が「録音方法」の項で次のように述べておられます。

 今回,これらの二つの楽器の特性をいかすべく,録音方法にも心をくだいた。プレイエルの音色の細やかさ,タッチの変化による音のスピード感,音質感の違いをよりリアルにお聴きいただきたく,なるべく響きをつけない“オン”で“ドライ”なマイク設定を試みた。もともと,ショパンの時代には大きなホールの豊かな響きで聴くということはなかったのである。サロンで,ピアノの近くに集まり,親密に聴くのである。

~中略~

 片や,スタインウェイはというと,この楽器が持っている豊かな響き,低音のパワーなどをしっかりと聴いていただくために,プレイエルの録音よりはいわゆるホールの中で聴いているような音場感を目指している。 ~後略~

仲道さん,いいこと書いています(^^)。そう!音楽の楽しみ方はさまざま,ホールで聴くだけが音楽の楽しみ方ではないのです。実際に聴いてみると,まさにこれが実践され,その雰囲気が実現されています。スタインウェイの方は「ホールの中で聴いているような音場感」とありますが,実際にはこちらも十分“オン”で“ドライ”であり,純粋にプレイエルとの音色の差異を比べられる録音になっています。そしてこれらのピアノの音色は美しく澄んでいて一つ一つの音が輝いています。ピアノって実はこんなに美しい音色の楽器だったんだ!と感動します。こんなに胸のすく気持ちの良いピアノの録音に接したのは本当に久しぶりです。

当ブログの読者様ならすでにご承知と思いますが,私はずっと録音における残響のあり方に疑問を呈してきました。音場感と引き替えに肝心の楽器の音色が犠牲になっている録音のなんと多いことか! この録音は,残響がなくともその音楽性は微塵も損なわれることはないし,音楽の価値が落ちることも全くない,録音において残響は必ずしも必要ではない,ということを見事に証明していると私は思います。

制作サイドの方に改めて問いたい。その残響,何のためですか? 楽器の音色を犠牲にしてまで入れる価値のあるものですか? いったいその残響まみれの録音を通じてリスナーに何を伝えたいのですか? ... ということを考えさせられる録音でした。(思わず愚痴ってしまいました...すみません...)

リバイタリゼーション Tomoko plays TOMOKO (今村友子)

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リバイタリゼーション Revitalization Tomoko plays TOMOKO
今村友子 Tomoko Imamura (Piano)
寺神戸亮 Ryo Terakado (Violin)
レベッカ・ローゼン Rebecca Rosen (Cello)
Recorded at Westvest 90-church, Schiedam, Netherlands in 2007
TI0701 (P)(C)2008 イマムラ (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

ジャンルはジャズに分類されるようですが,サロン音楽風というか,ポピュラー音楽にも通じるところがあると思いました。今村友子さんは桐朋学園大学ピアノ科を卒業,その後,オランダのデン・ハーグ王立音楽楽員に留学,古楽器科でピアノフォルテを専攻するも,途中でジャズ科に転科されたとのこと。このディスクでは,ヴァイオリニストの寺神戸亮さんがモダン・ヴァイオリンで参加されています(思わぬところで寺神戸さんの演奏に出会いました!)。チェリストもクラシック畑の方のようです。

ここで演奏されている音楽は全て今村さんのオリジナルであり,今村さん自身が演奏されるピアノソロと伴奏は全て即興で演奏されたとのことです。解説書の中で寺神戸さんも,「渡された譜面にはヴァイオリンとチェロのパートしか書かれておらず,しかも彼女もその楽譜を見ながら演奏しているではないか! つまりピアノ・パートは完全に彼女の頭の中,しかも半分かそれ以上は即興で弾いているのだ。」と書かれています。このあたりはやっぱりジャズなんだなと思いますね。上で「サロン風音楽」などと書きましたが,シンプルで親しみやすいメロティーに溢れ,優しく心温まる楽想が印象に残る佳作揃いで,強い印象を残すものではありませんが,とても気持ちが安らぐ音楽だなぁと密かに感動した次第です。

さて録音なのですが,オランダの教会で録音されたとのことで,残響時間は長くないものの,直接音に対する残響比率が高めで被り気味,楽器音をくすませて明瞭感が損なわれているのが少し残念に思います。クラシックの演奏家が参加されているとはいえ,音楽自体はクラシックとは少し違うので,私には音楽と録音がミスマッチのように感じました。この音楽であれば,本当にサロンで録音してくれたらもっといい雰囲気が出たんじゃないかと個人的には思います。音楽が素敵なだけに,この録音は少しもったいない気がします。

タグ: [器楽曲]  [ピアノ] 

ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」,ベルク:抒情組曲,ウェーベルン:弦楽四重奏のための「緩徐楽章」(セシリア弦楽四重奏団)

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ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
ベルク:抒情組曲
ウェーベルン:弦楽四重奏のための「緩徐楽章」
セシリア弦楽四重奏団 Cecilia String Quartet
2012年12月
Analekta AN29984 (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴。当ブログの読者の方から「ホール残響と楽器の関係が個人的に好み」ということでご紹介いただいたものです。有り難うございます。以下,簡単ですが,録音についての私の感想を述べさせていただきます。

録音会場の響きが少しありますが,残響としては残響時間も短く控えめで,それぞれの楽器音自体は明瞭ですし,確かに直接音と残響音とのバランスも悪くないと思います。。ニュアンスも豊かであり,質感も十分に感じられますので,弦楽四重奏の録音としてなかなか良いと思います。一点だけ難点があるとすれば直接音に対して比較的初期の反射音が被っているのか,楽器音にわずかな濁りが感じられることで,クリアさがわずかに失われて抜けるような透明感が感じられないことで,そこが私にはちょっと中途半端に思うところです。

あくまで響きの被りによる濁りが嫌いな私の感想なので,それが気にならない方には良好な録音と言えると思います。

いずれの曲も普段あまり聴きませんので,貴重な機会を与えてくださいました。ご紹介をくださった読者様に改めて感謝申し上げます。

シベリウス:ユーモレスク ~ ヴァイオリン作品集(ニコラ・ドートリクール)

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シベリウス:ヴァイオリン作品集
ニコラ・ドートリクール Nicolas Dautricourt (Violin)
アレハンドロ・ガリード・ポラス指揮/オルケストラ・ビーゴ430
ユホ・ポホヨネン (Piano)(*)
2014年2, 3月,2015年1月
La Dolce Volta LDV23 (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。収録曲目は次の通りです。1-5はオーケストラ,(*)印の6-9はピアノとの共演です。

1. ユモレスク op.87-1, 2
2. ユモレスク op.89-1, 2, 3, 4
3. 2つの小品 op.77-1, 2
4. セレナード op.69-1, 2
5. ヴァイオリンと弦楽のための組曲 op.117
6. 5つの小品 op.81 (*)
7. ロマンスop.2a (*)
8. 無窮動 op.2b (*)
9. エピローグ op.2b' (*)

最初聴いたときに,シベリウスにしては少し表現が生真面目で濃厚すぎるかなと思いましたが,情感豊かでこれはこれで素晴らし演奏だなと。個人的にはもう少しさらっとクールにノリ良く演奏してくれたらなとは思いますが。協奏曲以外のヴァイオリン曲はディスクもそう多くないので,このような優れた演奏が聴けるのは本当に有り難いことです。

さて録音ですが,オーケストラの音響を中心に残響はやや多めですが,ヴァイオリンの音はそれよりも一段くっきりと浮き上がって聴こえるので,ソロのニュアンスが聴き取りやすく好ましく思います。ヴァイオリンの音にも残響のまとわりつきがあってもう少し抑えられている方が良いとは思うのですが,これでもまずまず良好です。

ヴァイオリンとピアノの楽曲でも残響がやや多めで,こちらの方が楽器の音を大きく捉えているにも関わらず残響の被りが多めで濁りがちです。もう少しストレートに録って欲しいですね。惜しい録音です。

エレニ・カラインドルー:トロイアの女たち(舞台音楽)

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エレニ・カラインドルー:トロイアの女たち
UCCE-2017 (ECM 1810) (P)(C)2002 ECM Records (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpTower RecordsHMV Onlineicon

当ブログの「クラシックの録音における残響の問題について」のエントリーのコメントでご紹介いただいたディスクです。

映画音楽などを手がけてきたエレニ・カラインドルーが,古代ギリシャのエウリピデス作の悲劇「トロイアの女たち」の新演出版用に作曲した舞台音楽とのことです。ギリシャや地中海の民族楽器が使用され,女声コーラスも入ります。エスニックでもの悲しい雰囲気の音楽です。

さて録音なのですが,この録音自体が「舞台音楽」という芸術作品として制作されているように思いました。まるで映画音楽のように演出され,その音響効果によって演劇の心理描写を強力にサポートしてるかのようです。それぞれの楽器は極めてクリアなのですが,(人工的に?)アンビエント効果が大きく付加されています。その録音会場の雰囲気を再現するのではなく,その演劇への心理的没入感を増すための演出のように思いました。

クラシック音楽の録音としてこのような演出はしないと思いますが,録音自体のクオリティは非常に高く,また,アンビエント,残響を含めたトータルの芸術的音作りが素晴らしいと思いました。このような音響を体験する貴重な機会をいただきました。ご紹介くださった方に感謝いたします。

なお,このディスク自体は残念ながらすでに廃盤で入手しづらいようです。