シューマン:交響曲全集(ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団)

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シューマン:交響曲全集
ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
Paris,the Cite de la Musique, November 2012
00280 479 2437 (P)(C)2014 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

中規模の編成によるシューマンの交響曲も珍しくなくなってきましたが,シューマンはこれぐらいの編成がちょうど良いと思う私にとってヨーロッパ室内管弦楽団はうってつけの団体です。そしてこの演奏はその期待を裏切りません。速めのテンポでキレのよい超軽量級の演奏です。ライヴですが演奏の精度も良くこのあたりはさすがです。

一方この演奏からはシューマンの一種独特な病的薄気味悪さはすべて排除されていると言って良いほどに軽く明るく躍動的で,私はこういうのが好きなのですが,シューマンらしさという点では賛否があるかもしれません。

そして録音なのですが,多少の残響はあり,中域に癖のある響きがのって少々うるさく感じられるところはありますが,サウンドにキレもありますし見通しも良好です。不満はゼロではありませんが,この団体の機動力を活かす好録音だと思います。

ブログのテンプレートと設定を変更しました

当ブログにおいてテンプレートと設定を変更し,下記の対応をしました。

・SSL対応
・レスポンシブ対応(スマホ用テンプレートを無効化)

あとCSSで,CSSカスタムプロパティというものを使ってみましたので,非対応のブラウザでは表示がおかしくなるかもしれません。(Windows 7のIEは対応していませんでした...)

前のテンプレートでレスポンシブ対応しようとしたのですが,記述が複雑すぎて私の手に負えなかったので,もっと単純なテンプレートに入れ替えました。なにぶん手作業で対応したのでまだまだ不具合があると思いますが,少しずつ直していきたいと思います。また以前のページをメンテナンスしきれないので,表示がおかしいまま放置というケースもあるかもしれません。何とぞご容赦いただきたくお願い致します。

ブラームス:交響曲全集(スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
Stanislaw Skrowaczewski the complete oehmsclassics recordings - 90th birthday collectionより
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団
2011年2月,3月, 11月 Großer Sendesaal des SR
OC 090 (P)(C)2013 OehmsClassics Musikproduktion (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

シューマンの交響曲全集に続いてブラームスの交響曲全集です。こちらはシューマンとはやや印象が異なり,オーソドックスに遅めのテンポで重厚な響きを基調にした演奏です。しかし緩むことのない締まった演奏はこの指揮者らしいところなのでしょう。特徴はあまりないかもしれませんが,伝統的「ブラームスらしさ」を堪能できる演奏だと思います。

録音については,基本的にはシューマンと似ていますが,音の鮮度と分離感が改善されています。ただし,音づくりの古くささは変わりません。悪くないのですが,好録音というには今ひとつ物足りなさを感じます。2011年の録音でこの音色はちょっともったいなく思います。

このボックスセットではあと大物としてブルックナーとベートーヴェンの全集があります。ベートーヴェンはすでにレビューしていました(→こちら)。ブルックナーはこれからゆっくりと聴いていきたいと思います。

一応収録曲を再掲しておきます。CD 28枚組のボックスセットです。

ブルックナー:交響曲全集(第00番,第0番を含む)(1991-2001年)
ベートーベン:交響曲全集(2005-2006年)
シューマン:交響曲全集(2007年)
ブラームス:交響曲全集(2011年)
バルトーク:管弦楽のための協奏曲,ディヴェルティメント(2002年)
ベルリオーズ:幻想交響曲作品14,ロメオとジュリエット作品17~愛の情景(2002-2003年)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番,第2番(ピアノ:エヴァ・クピエツ)(2003年)
スクロヴァチェフスキ:ミュージック・アット・ナイト,ファンタジー「夜の横笛」,シンフォニー(2005-2008年)

タグ: [交響曲] 

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲,フィンガルの洞窟,交響曲第5番「宗教改革」(イザベル・ファウストVn/パブロ・エラス=カサド指揮/フライブルク・バロック・オーケストラ)

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メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟(ヘブリディーズ諸島)」作品26
メンデルスゾーン:交響曲第5番ニ短調作品107「宗教改革」
イザベル・ファウスト Isabelle Faust (Violin)
パブロ・エラス=カサド指揮/フライブルク・バロック・オーケストラ
2017年3月19-22日 バルセロナ,オーディトリウム第1ホール「Paul Casals」
HMM 902325 (P)2017 harmonia mundi musique (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器による演奏。ここに収録された協奏曲と管弦楽曲,交響曲,どれも良いですね。この聴き慣れた超有名協奏曲が溌剌とした躍動感に満ちて実に新鮮な印象をもたらしますし,交響曲も快活で引き締まっていて聴き応えがあります。

一方で,特に協奏曲におけるヴァイオリンのソロに関して,フォルテのところでは楽器が悲鳴をあげているような,限界を越えて鳴らそうとしているかのような音のつぶれも感じられ,大ホールにくまなく音を行き渡らせようとするような前提での演奏になっているのではないか,というようなピリオド楽器の限界のようなものも同時に感じました。

これはこれでもちろん素晴らしいと思うのですが,ピリオド楽器がやや苦手な私は,こういう演奏をモダン楽器でやってくれたらなぁ,と毎度のことながら思ってしまいます。

録音ですが,残響はそれなりにあるものの,直接音が主体ですっきりと見通しよく録っているのが好印象です。高域の伸びも申し分ありません。一方で低域は控え目で,全体のバランスとして高域に寄っていて刺激的に感じられるところもありますが,軽量級の演奏を活かす好録音だと思います。

シューマン:交響曲全集(スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団)

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シューマン:交響曲全集
Stanislaw Skrowaczewski the complete oehmsclassics recordings - 90th birthday collectionより
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団
2007年3月20-23日, 11月 Großer Sendesaal des SR
OC 090 (P)(C)2013 OehmsClassics Musikproduktion (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

これも出来心で手に入れてしまったボックスセット(^^;。このボックス発売当時はまだご存命で90歳を記念して制作されたようです。以下の曲が収録されています。28枚組です。

ブルックナー:交響曲全集(第00番,第0番を含む)(1991-2001年)
ベートーベン:交響曲全集(2005-2006年)
シューマン:交響曲全集(2007年)
ブラームス:交響曲全集(2011年)
バルトーク:管弦楽のための協奏曲,ディヴェルティメント(2002年)
ベルリオーズ:幻想交響曲作品14,ロメオとジュリエット作品17~愛の情景(2002-2003年)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番,第2番(ピアノ:エヴァ・クピエツ)(2003年)
スクロヴァチェフスキ:ミュージック・アット・ナイト,ファンタジー「夜の横笛」,シンフォニー(2005-2008年)

オーケストラはザールブリュッケン放送交響楽団ですが,2007年にカイザースラウテルン南西ドイツ放送交響楽団を吸収合併してザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団という長ったらしい名前になったそうです。シューマンとブラームスの全集は合併してから録音されました。

今回はこの中からシューマンの交響曲全集のコメントです。スクロヴァチェフスキのシューマンってあんまり想像がつかなかったのですが,聴いてみてなるほど!と思う明快で格好のよい男前な演奏でした(多分に先入観の影響はあると思いますが(^^;)。

そして録音なのですが,残響控え目で内声も聴き取りやすい見通しの良さ,音切れの良さを持っているものの,音色はややくすんで冴えず,広がり感,分離感も今ひとつです。ちょっと音づくりが古臭いように思います。楽器音の捉え方がまずまず良いだけに,この音質は2007年の録音としてはいささか残念でした。

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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」,交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」,交響詩「ドン・ファン」(グスターボ・ドゥダメル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」作品35
グスターボ・ドゥダメル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
Philharmonie, Großer Saal, Berlin, 4/2012, 1&2/2013
00289 479 1041 (P)2013 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(Zarathustra), ★★★★(Till Eulenspiegels, Don Juan)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

とちらかというとベルリン・フィルにしてはやや控え目な表現に徹しているように思いますが,その分細部まで緻密に作り込んでいるように感じます。私の好みからするともう少しダイナミックで躍動的に演奏して欲しいと思うのですが,ツァラトゥストラならまあこれでもありかなと思います。そういう点でティルとドン・ファンは少しもの足りないかな...

録音ですが,ツァラトゥストラと他の曲では少し異なります。ツァラトゥストラは少し楽器の捉え方が弱く,もう少し質感を強めに出して欲しいとは思いますが,低域から高域までレンジ感があり,音に伸びも感じられます。個人的には弦楽器をもう少し前に張り出すように録って欲しいところです。また密度感があるのも今どきの録音です。まずます良好です。

一方ティルとドン・ファンはツァラトゥストラに比べると精彩に欠け,音が曇りがちで全体にこぢんまりとしています。こちらはわずかながら良くありません。

ブルックナー:交響曲全集(ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン)

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ブルックナー:交響曲全集
ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン
2012年6月 ウィーン,ムジークフェラインザール(No.1-3),2010年6月 ベルリン,フィルハーモニー(No.4-9)
00289 479 6985 (P)2014 Peral Music/Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

つい出来心で手に入れてしまったボックスセット(^^;。これもまだ聴き始めたばかりでこれからじっくりと楽しみたいと思っているのですが,演奏としては癖がなくノーマルな印象で私のようなブルックナー初心者が聴くには良いのではないかと思いました。

肝心の録音なのですが,残響は多めで少し遠くから録ったような印象を受ける録音です。直接音比率は低め,左右方向の広がりがあまりなく,個々の楽器も分離せず,質感も感じ取りにくく,少々もどかしいです。音の伸び,ヌケも良くありません。オーケストラの録音としてはまあ標準的なのかなとは思いますが,私としてはやや魅力に欠ける録音だなと。せっかくの良い演奏がこの録音では...もったいないと思います。ちょっと残念。

タグ: [交響曲] 

ブルックナー:交響曲全集(シモーネ・ヤング指揮/ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団)

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ブルックナー:交響曲全集
シモーネ・ヤング指揮/ハンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団
2006-2015年 ハンブルク,ライスハレ
OC 026 (C)2016 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

10年近くの年月をかけて完成された全集で,改訂版の多いブルックナーの交響曲において基本的に初稿で構成され,習作の扱いを受けている第00番,第0番を含む,という特徴のある全集です。このあたりは皆様の方がよくご存じだと思います。この中で第4番は以前取り上げていました(→こちら)。私はブルックナーはほとんど聴かないのですが,このブルックナーは録音が結構良かったので,これを機会に全集を買って聴こうかどうしようかと長い間悩んでいたところ,たまたま少し価格が下がっているのを見つけたので思い切って入手することにしました。

まだほんの一部しか聴けていませんが,斜め聴きした限りでは,録音が長期にわたっているにもかかわらず概ね印象は揃っており,多少のばらつきはあるものの,そこそこ良好に思えました(このあたりは聴き進めていくうちに変わっていくかもしれません)。時間をかけて少しずつじっくりとブルックナーを味わってみようかと思います。

ベルリオーズ:幻想交響曲(エマニュエル・クリヴィヌ指揮/ラ・シャンブル・フィラルモニーク管弦楽団)

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ベルリオーズ:幻想交響曲作品14
エマニュエル・クリヴィヌ指揮/ラ・シャンブル・フィラルモニーク管弦楽団
2014年5月27日 パリ,シテ・ド・ラ・ミュジーク
ALPHA 714 (C)2016 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

先日録音が良くて取り上げたR. シュトラウスのクリヴィヌつながりで見つけたDVDです。古楽器オーケストラによる演奏で,編成もベルリオーズとしては大きくありません。演奏もなかなか興味深いのですが,期待通り録音が良かったのでここで取り上げます。

コンサートホールでのライヴの録音ですが,ホールの残響はうっすらと感じる程度で楽器音に影響を与えていません。直接音が主体であり,各楽器が極めてクリアに透明感のある音で聴くことができます。分離も見通しも申し分ありません。使用楽器に特徴があり,映像を見ながらそれらの音色を楽しむにはもってこいの音源だと思います。ただし,ここまでくるとちょっと音が痩せすぎだと思われる方もおられるかもしれません。でも私はこういう録音が好きなのです。

YouTubeで第5楽章の一部がアップされていましたので紹介します。

R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」,メタモルフォーゼン(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/NHK交響楽団)

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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
R. シュトラウス:メタモルフォーゼン(23の独奏弦楽器のための習作)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/NHK交響楽団
2016年2月17,18日 東京,サントリーホール
SICC 10219 (P)2017 Sony Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

R. シュトラウスの交響詩ツィクルスの第3弾。第1弾第2弾も取り上げていました。ツァラトゥストラはR. シュトラウスの中で最も好きな曲なので,これがリリースされるのを楽しみに待っていました。そして期待を裏切らない見事な出来だと思います。統制の取れた弦楽器,鳴りと安定感の素晴らしい金管,この曲を演奏するのに不足はないですね。メタモルフォーゼンは弦楽器のみで演奏される曲で,弦楽オーケストラが好きな私なのですが,混沌としていて掴み所がなく,この曲はちょっと苦手です。

そして録音ですが,傾向的には前2作と共通しており,残響感を少し抑え気味にして密度高く音を詰め込みスケールの大きなサウンドに仕立てています。私としては少し音を詰め込みすぎていて見通しと分離が良くなく飽和感があり(実際に飽和はしてないと思いますが)伸びや透明感に欠け,もう少しすっきりしたサウンドに仕上げて欲しいとは思うのですが,これが今どきの優秀録音なのかもしれません。でもまあ良好な部類に入ると思います。