R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」,「死と浄化」(ケント・ナガノ指揮/エーテボリ交響楽団)

kent_nagano_gso_r_strauss_ein_heldenleben.jpg
R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40
R. シュトラウス:交響詩「死と浄化」作品24
ケント・ナガノ指揮/エーテボリ交響楽団
2016年2月15-20日,2016年6月9-11日
B108092 FARAO CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Music

先日取り上げたケント・ナガノ指揮によるアルプス交響曲に続く第二弾。メディアの発売はまだですが一足先にApple Musicで聴いてみました。

録音はアルプス交響曲同様で,音色を損なう邪魔になる残響はほとんど感じられず,各楽器が明瞭に分離良く聴こえますし,中低域のタイトな響きも良いと思います。ちょっと詰まった感じがあるのでもう少し音に伸びがあればと思うのですが,ほんのわずかなことで,十分好録音ですね。

発売が楽しみです。

試聴機器のご紹介

先日,試聴機器を教えて欲しいとの連絡をいただきました。このような録音に対するレビューをするなら試聴に使用している機器を明示すべきということで,私もそれは同意見であり,姉妹サイトのCD試聴記の方でご紹介をしておりました(→こちら)。少々古く少し変わっているところもありますのでメンテしなければなりませんが,取り急ぎこのエントリーで,メインに使用している機器について,改めてご紹介をしておきたいと思います。

■プレーヤー
iTunes, foobar2000 使用PC Letsnote CF-SX4 (SSD換装品)
ユニバーサルプレーヤー marantz DV6500

■DAC
RME Fireface UCX

■ヘッドホンアンプ
GRACE DESIGN m902

■ヘッドホン
Sennheiser HD580
Sennheiser Amperior
Sennheiser HD25-1 II

上記のように,音質確認には基本的にはヘッドホンを用いています。音楽鑑賞自体はスピーカなど様々な機器でも聴いているのですが,最終的にレビューする際に確認しているのはこれらの機器ということです。以上,ご参考に。

モーツァルト:後期弦楽四重奏曲集(メロス四重奏団)

melos_quartet_mozart_die_spaten_streichquartette.jpg
モーツァルト:後期弦楽四重奏曲集
メロス四重奏団 Melos Quartet
1976年-1983年 シュトゥットガルト,リーダーハレ,モーツァルトザール
PROC-2092/5 (P)(C)2017 Universal Music (国内盤)
※Tower Records Vintage Collection +plus メロス弦楽四重奏団の芸術より
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower Records

〈タワレコ限定〉VINTAGE COLLECTION+plus特別編 メロス弦楽四重奏団の芸術から。メロス四重奏団のモーツァルトはドイツ・グラモフォン盤を所有していて以前レビューしています(→モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」,「プロシア王」,弦楽五重奏曲集(メロス四重奏団))。演奏はど真ん中の直球だし,録音も一部を除いて大変良かったので愛聴盤にしているのですが,プロシア王の一枚が経年劣化のためか,正常に再生できず残念な思いをしていました(→CDの経年劣化?)。なので,このタワーレコードの企画盤での復刻は大変うれしく,発売を心待ちにしておりました。ホフマイスターとプロシア王は国内盤初発売のようです。一部の曲を除いてオリジナル・アナログ・マスターからのハイビット・ハイサンプリングによる復刻とのことで,音質改善も期待して入手しました。

さてその音質なのですが,曲によって多少の差はありますが,音圧レベルは同等,旧盤の方がやや音色は明るく派手めですがややざらつきを感じます。一方今回のリマスター音源は音色は地味になったものの,ざらつきがなくなり滑らかで上質になっておりました。一瞬艶やかさが薄れるような感じがするのであれっ?と思うのですが,やはりリマスター音源の方が緻密であり,よりクリアで透明感があって好ましく感じられました。ただ,よりオリジナルに近いのは後者であるのは間違いないと思うものの,こういう差だと好みにより評価が変わるかもしれないですね。

なお通常だとハイドンセットで3枚,ホフマイスターとプロシア王で2枚ということになると思いますが,今回のセットではホフマイスターがハイドンセットの1枚に曲順を変えて無理矢理押し込められ(82分のディスク!),プロシア王3曲が1枚に収められて,4枚組となっています。

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(ラサール四重奏団)

lasalle_quartet_beethoven_late_string_quartets.jpg
ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
ラサール四重奏団 LaSalle Quartet
1972年12月-1977年3月 ハノーファー,ベートーヴェン・ザール
PROC-1370/2 (P)1973/76/77 Deutsche Grammophon (国内盤)
※Tower Records VINTAGE COLLECTION +plus Vol. 17
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp

タワーレコードの企画盤で言わずと知れた名盤中の名盤。私なんぞがコメントするのもおこがましいのですが,一言だけ。今となっては技術力だけで言えば高い楽団は他にもたくさんありますが,この不器用なまでの愚直さで演奏される分析的で芯の強い,心を揺さぶる音楽が支持され続ける要因なのであろう,と勝手に思いながら聴き入っています。

録音ですが,各楽器を比較的近いイメージで明瞭に,濃厚に捉えていて,すこし暑苦しさというか息苦しさを感じるのですが,悪くありません。ドイツ・グラモフォンの室内楽録音の標準的な範囲と思います。クオリティは時代相応というところでしょうか。録音年が少し開きがありますが,気になるほどのばらつきはありませんでした。もうわずかにすっきりと,ヌケが良ければ好録音と言えるのですが,わずかに足りない気がします。でも悪くないですよ。

このディスク,現在現役盤はないのでしょうか? 一時期ブリリアントから復刻されていたようですが。大分前に輸入盤を買っていたのですが,どこかにしまい込んでしまって見当たらず,タワーレコードの店頭で見つけて思わず買ってしまいました。「オリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用」と記載されていましたので,多少の音質改善があるものと思いますが...

ブランデンブルク協奏曲第三番第三楽章 快速ランキング!

2017/10/28更新。ラインハルト・ゲーベル指揮/ベルリン・バロック・ソロイスツ追加。同タイム第3位に食い込むも,前回のMAKとの演奏から10秒以上タイムを落とす!(^^;



バッハのブランデンブルク協奏曲第三番第三楽章の快速演奏を探してみました(^^;。私が持っているもののうち時間を計測出来たものを速いものから並べています。一番左の数字は演奏時間です。

■バッハ:ブランデンブルク協奏曲第三番第三楽章快速ランキング!

3:47 (古)ゲーベル/ムジカ・アンティクヮ・ケルン(1986)
3:57 (古)マウテ/アンサンブル・カプリース(2012)
3:58 (現)ショルツ/ベルリン室内管弦楽(2007)
3:58 (古)ラインハルト・ゲーベル指揮/ベルリン・バロック・ソロイスツ(2016)
4:03 (古)ホーフカペレ・ミュンヘン(2013)
4:04 (古)カフェ・ツィマーマン(2003)
4:04 (古)スイス・バロック・ソロイスツ(2005)
4:06 (古)鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン(2000)
4:10 (古)イ・バロッキスティ(2004)
4:12 (古)アレッサンドリーニ/コンチェルト・イタリアーノ(2005)
4:12 (古)コンチェルト・ケルン(2013-2014)
4:14 (古)鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン(2008)
4:14 (古)ベルリン古楽アカデミー(1997)
4:17 (古)カペラ・サヴァリア(2015)
4:18 (古)アメリカン・バッハ・ソロイスツ
4:21 (現)アバド/モーツァルト管弦楽団(2007)
4:24 (古)クイケン,ブリュッヘン,ビルスマ,レオンハルト
4:26 (古)コンラート・ヒュンテラー指揮/18世紀カメラータ(1996,97)
4:26 (古)シュトリンツル/ムジカ・フロレア(2006)
4:27 (古)イル・ジャルディーノ・アルモニコ
4:29 (現)フリエンド/コンバッティメント・コンソート・アムステルダム(1996)
4:30 (現)サイトウ・キネン・チェンバープレイヤーズ(2001)
4:31 (古)ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(2009)
4:34 (古)ピノック/ヨーロピアン・ブランデンブルク・アンサンブル(2006,07)
4:35 (古)エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団(1987,88)
4:35 (現)シュトゥットガルト室内管弦楽団(2000)
4:36 (古)フェリックス・コッホ/ノイマイヤー・コンソート(2013)
4:36 (古)ゴルツ/フライブルク・バロック・オーケストラ(2000)
4:37 (現)イ・ムジチ合奏団(1984)
4:39 (現)ミュラー=ブリュール/ケルン室内管弦楽団(1999)
4:40 (古)ピノック/イングリッシュ・コンソート(1982)
4:41 (現)ヨーロッパ室内管弦楽団(1990)
4:42 (古)コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団(1983)
4:46 (現)バウムガルトナー/ルツェルン弦楽合奏団(1978)
4:47 (古)Apollo's Fire
4:51 (古)ニューマン/ザ・ブランデンブルク・コレギウム(1994?)
4:54 (古)アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(1964)
4:55 (現)リーズ/スコティッシュ・アンサンブル
4:55 (現)カップ/フィルハーモニア・ヴィルトゥオージ(1991)
4:56 (現)リンカーン・センター室内楽協会
4:56 (現)ボッセ/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団(1981,83)
4:56 (現)リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団
4:56 (現)コレギウム・アウレウム(1967)
4:57 (古)ジョーンズ/ケンブリッジ・バロック・カメラータ(1997)
5:02 (現)ブリテン/イギリス室内管弦楽団(1968)
5:03 (現)I. オイストラフ/モスクワ・フィル・ソロイスツ・アンサンブル(1982)
5:04 (現)ローラ/フランツ・リスト室内管弦楽団(1986)
5:05 (現)イ・ムジチ合奏団(1965)
5:06 (現)ゴールドベルク/オランダ室内管弦楽団(1958)
5:07 (現)カラヤン/ベルリン・フィル(1978,79)
5:12 (現)レッパード/イギリス室内管弦楽団(1975?)
5:13 (現)シャイー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(2007)
5:28 (現)アバド/ミラノ・スカラ座管弦楽団員(1975,76)
5:29 (現)ポープル/ロンドン・フェステヴァル管弦楽団(1995)
5:31 (現)マリナー/アカデミー室内管弦楽団(1980)
5:37 (現)マリナー/アカデミー室内管弦楽団(1985)
5:50 (現)カラヤン/ベルリン・フィル(1964)
6:11 (現)カザルス/マールボロ音楽祭管弦楽団(1964)
6:20 (現)コッホ/ベルリン室内管弦楽団(1970,72)

※(古)ピリオド楽器,(現)モダン楽器
※ヴィンシャーマン/ドイツ・バッハ・ゾリステンはリピート省略のため対象外
※ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管弦楽団(1985)はリピート省略のため対象外
※パイヤール室内管弦楽団はリピート省略のため対象外
※マリナー/ASMF 1回目の録音(1971)はリピート省略のため対象外


やはり一位はゲーベル/ムジカ・アンティクヮ・ケルンでぶっちぎりの速さに圧倒されます。二位はアンサンブル・カプリースで三位は僅差でモダン楽器のショルツ/ベルリン室内管弦楽団,いずれも3分台のタイムを叩き出しています(^^;。

総じてピリオド楽器の演奏は速く,平均して4:20前後くらいかなと思います。聴いていて最も気持ちが良いのもこのあたりの速さのように思います。

ということで,また順次追加していきますね(^^)。

なお時間計測ですが,iTunes上で実際に再生し,最後の音が消えた時の時間を見ています。曲頭の空白は差し引いていませんので,多少の誤差はあると思います。

タグ: [協奏曲] 

バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲(ラインハルト・ゲーベル指揮/ベルリン・バロック・ソロイスツ)

reinhard_goebel_berliner_barock_solisten_bach_brandenburg_concertos.jpg
バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ラインハルト・ゲーベル指揮/ベルリン・バロック・ソロイスツ
2016年7月11-15日, 12月5日 ベルリン,イエス・キリスト教会
88985361112 (P)(C)2017 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ラインハルト・ゲーベルにとってムジカ・アンティカ・ケルン(MAK)との録音から30年ぶりの再録音。ベルリン・バロック・ソロイスツはベルリン・フィルの楽団員を中心に1995年に結成された団体で,今回のこの録音ではピリオド楽器使用のモダン楽器(ってどんな楽器なんだろう?)を使い,ピッチ442Hzで演奏されています。

それで,どうしてもMKKの演奏と比べてしまうのですが,刺々しさは幾分薄れギリギリまで攻めるということはないものの,速めのテンポで颯爽と駆け抜ける刺激的で演奏に変わりはありません。演奏者が手練れ揃いということもあり,指揮者の無茶?な要求にもきっちりと余裕で応えていますね。さすがです。

しかし,この録音はちょっといただけませんねぇ。少し遠くから残響とともに録っているイメージで,雰囲気はあるものの不明瞭で細部が聴き取りにくく(特に細かい音型が埋もれて聴こえない),また,この録り方としては不自然に高域がキンキンとしていて音色のバランスが崩れています。ヌケの悪い曇った録音よりは良いかもしれませんが,特に編成が大きめな第1番から第3番はガチャガチャとやかましいです。こういうテンポの速い演奏では近接で残響を抑えて細部まで克明に聴かせて欲しいものです。演奏が面白いだけに,この録音は残念です。

あと蛇足ですが,ジャケット写真のブランデンブルク門,私もこの9月にベルリンに行った際にほぼ同じ角度から写真を撮っていました(^^)v。観光客から怪しげな人や警察官で賑わっていました。

brandenburger_tor_620.jpg

タグ: [協奏曲] 

けいおん!はいれぞ!「Come with Me!!」セット

k-on_hi-res2.jpg
けいおん!はいれぞ!「Come with Me!!」セット
参考: e-onkyomora

e-onkyoでも配信が開始されました。もう少し待つんだった... まあ内容同じ,値段同じだから良いんだけど。(2017/10/26追記)

けいおん!のハイレゾ配信が始まったとのことで,これはもう買わなざるを得なかったのですが,いつも購入しているe-onkyoでは配信がなさそうだったので,仕方なくmoraに登録して購入。「2011年に開催され約3万人を動員した、さいたまスーパーアリーナでのLIVEイベント「Come with Me !!」のセットリストを再現。」とのことで,主要曲は確かに入っているのですが,私としては「私の恋はホッチキス」と「ふでぺん~ボールペン」の名曲2曲が含まれていない!というのが何とも中途半端で残念でなりません。ですが,まあ楽しみたいと思います。(「ふわふわ時間」:LIVEイベントCome with Me!!での歌い分けを再現した新ミックスはちょっとうれしいかな)

で,けいおん!の中で一番愛聴しているのが実はCasette Mixなので,e-onkyoさんにはぜひともこちらのハイレゾ・リミックス版を取り扱っていただきたい,と一応希望を述べておきます(^^;。

参考: けいおん!関係の過去の記事

タグ: [アニメ] 

R. シュトラウス:アルプス交響曲(ケント・ナガノ指揮/エーテボリ交響楽団)

kent_nagano_goteborges_so_r_strauss_eine_alpensinfonie.jpg
R. シュトラウス:アルプス交響曲
ケント・ナガノ指揮/エーテボリ交響楽団
2014年11月 エーテボリ・コンサート・ホール
B108091 FARAO CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2014年から同楽団の首席指揮者を務めているケント・ナガノ指揮によるR. シュトラウスの第一弾。第二弾はこの11月に「英雄の生涯」,「死と浄化」,第三弾は来年秋に「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」,「家庭交響曲」が予定されているとのことです。

このディスクは特に録音が気に入りました。残響を抑え,直接音主体に各楽器を分離良く明瞭に捉えていますし,中低域のタイトで締まった響きも良いと思います。R. シュトラウスの音楽を大きなスケールで克明に聴かせてくれる好録音です。

ツァラトゥストラが予定に入っていないのが個人的には残念。

シューマン:交響曲全集(パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)※映像作品

paavo_jarvi_deutsche_kammerphilharmonie_bremen_schumann_symphonies_dvd.jpg
シューマン:交響曲全集
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
2012年 ブレーメン,ピール2
711908 (C)(P)2012 C Major (輸入盤) ※DVD
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

HMV Onlineの解説によると,この映像作品の収録会場ピール2は,ブレーメン港にあるかつて造船所であった建物で,現在はロックコンサートなどが行われるイベントスペースで,ロックやポップス,ミュージックビデオで育った人々を感動させるドキュメンタリーを制作することを目的としたとのことです。

映像作品としてはテレビ番組でのスタジオライヴ的な撮り方で,一般的なクラシックのコンサートビデオとは趣がかなり異なります。カメラもアームで大きく移動させながら撮影するなど,その目的に合わせた撮り方をされているようです。凝ってはいますが,個人的にはちょっと落ち着いて鑑賞できないのであまり良いとは思いませんでした。

一方録音に関しては,邪魔になる残響がほとんどなく,直接音主体に明瞭感に優れ力強く締まっていて,そして,演出感のない極めて自然で生の質感を大切にした録音に好感が持てました。ライヴの録り方としてはかなり好みです。しかし一方でオーディオ的なクオリティはあまり良くなく,特にバックグラウンドのノイズのレベルが相当高く,弱音部ではブーンというハムノイズにも似たノイズが気になります。これはクラシックコンサートの会場でない以上仕方がないかもしれませんが,もう少し配慮が欲しかったところです。録り方が良いだけに惜しいと思います。

演奏は中規模の室内管弦楽団の機動力を活かしキビキビとしていると同時に,ダイナミックで躍動感があり,また,技術的にも申し分なく,心躍る素晴らしい出来だと思います。同時期に録音されたセッション録音よりも,録音含めたトータルとしてはこちらの方が好きかもしれません。

こういうのをセッション録音でキチッと録って欲しいものです。

paavo_jarvi_schumann_at_pier2.jpg

なお,このボックスセットにはドキュメンタリーのディスクも同梱されていました(未視聴です)。なお,私が入手したのはDVDですが,Blu-rayディスクもありました。

ラズモフスキー第3番終楽章 快速ランキング!

※2017/10/18 アリス四重奏団の情報を追加

久しぶりの更新です。アリス四重奏団の演奏,結構快速だと思ったのですが,6:04で,こうして並べてみると意外に遅い方でした...



ブランデンブルク協奏曲第3番第3楽章 快速ランキング!」に続き,おバカ企画第二弾! ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番作品59-3「ラズモフスキー第3番」終楽章 快速ランキング! です(^^;。


■ラズモフスキー第3番終楽章 快速ランキング!

5:16 ニュー・ミュージック四重奏団(1950年代前半)
5:20 エマーソン四重奏団(1994-95)
5:28 ウィーン・ムジークフェライン四重奏団(1990-92)
5:28 上海クァルテット(2008)

5:30 ジュリアード四重奏団(1964-70)
5:32 ライプツィヒ弦楽四重奏団(1995-2006)
5:34 カルミナ四重奏団(1998)
5:35 メロス四重奏団(1983-1986)
5:37 ミロ・クァルテット(2012)
5:37 ベルチャ四重奏団(2012ライヴ)
5:39 ジュリアード四重奏団(1982)
5:39 オライオン四重奏団(2006-08)
5:39 タカーチ四重奏団(2001)
5:40 ヴォーチェス四重奏団(1998)
5:41 ベルチャ四重奏団(2011,12)
5:43 東京クヮルテット(2005新録音)
5:46 ウィハン四重奏団(1996-2005)
5:48 ファイン・アーツ四重奏団(1969?)
5:48 ゴールドナー四重奏団(2004)
5:48 東京クヮルテット(1990-92旧録音)
5:48 プラジャーク四重奏団
5:49 アルテミス四重奏団(1998)
5:52 サイプレス弦楽四重奏団(2012-2014)
5:53 クリーヴランド四重奏団(1991-1995)
5:54 アルバン・ベルク四重奏団(1978-83旧録音)
5:54 ウィハン四重奏団(2007-2008)
5:55 エンデリオン弦楽四重奏団(2005-2008)
5:56 ヴラフ四重奏団
5:58 ゲヴァントハウス四重奏団(2002)
5:59 ロータス・カルテット
6:00 アマデウス四重奏団(1959-63)
6:00 アウリン四重奏団(2002-04)
6:02 シネ・ノミネ四重奏団
6:03 コロラド四重奏団(2001)
6:04 アリス四重奏団(2017)
6:04 バルトーク四重奏団(1969-72)
6:05 フィルハーモニア・クァルテット・ベルリン
6:05 ターリヒ四重奏団(1977-81)
6:06 アルバン・ベルク四重奏団(1989新録音)
6:07 フェルメール四重奏団(1983-91)
6:10 ヴァンブルー四重奏団(1996)
6:10 アルカン四重奏団(2008^2011)
6:11 ケッケルト四重奏団(1953-56)
6:36 クァルテット・エクセルシオ(2014)
6:38 ズスケ四重奏団(1967-80)
6:39 レナー四重奏団(1926)
6:40 メディチ弦楽四重奏団(1988-90)


HMV Onlineによると,ニュー・ミュージック四重奏団がものすごく速いということで,YouTubeにアップされている音源を実測してみました。5:17で今のところやはり最速でした。(YouTube情報有り難うございました)→CDを入手し実測し直しました。5:16でした。

今後も聴いて実測できたものがあれば随時追加していきます。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」,第14番(アリス四重奏団)

aris_quartet_beethoven_string_quartet_no9_14.jpg
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」,第14番
アリス四重奏団 Aris Quartet
2017年4月5, 6, 11, 12日 フランクフルト・アム・マイン
GEN17478 (P)(C)2017 GENUIN Classics (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

アリス四重奏団は,2009年にフランクフルト音楽舞台芸術大学の室内楽教授フーベルト・ブフベルガー(ブフベルガー四重奏団の第1ヴァイオリン奏者)の主導で結成された若い弦楽四重奏団で,2016年のミュンヘン国際音楽コンクールの弦楽四重奏団部門で第2位と聴衆賞を獲得したとのことです。

技術的には非の打ち所がないほどの完成度で,定石通りに表現されたスタンダード路線の演奏ながら,ダイナミックでスケールが大きく,かなりの高水準で実現されているため,たいへんワクワクする演奏に仕上がっています。最近の若い弦楽四重奏団は本当に上手いですね。今後の活躍にも期待したいと思います。

録音ですが,残響が多めでしかも楽器音に被っているため,全体に音色がくすんで冴えません。残響の効果よりも悪影響が勝ってしまっていますね。せっかくの素晴らしい演奏なのに録音で損をしていると思います。これは本当に惜しいと思います。

Biber: Sonatas Appropriate To The Altar Or The Court (Sonatae Tam Aris Quam Aulis Servientes)

purcell_quartet_sonatae_tam_aris_quam_aulis_servientes.jpg
Biber: Sonatas Appropriate To The Altar Or The Court (Sonatae Tam Aris Quam Aulis Servientes)
パーセル・カルテット Purcell Quartet
好録音度:★★★★☆
参考: Apple Music

Apple Musicで偶然見つけたアルバム。弦楽器数本とオルガン,トランペット2本の室内アンサンブル。今ではあまり一般的ではない編成ですが,バロックの時代には普通にあったのですかね。違和感がありません。これがどういう音楽なのか全く知らないのですが(^^;,気持ちの良い清々しいバロック音楽にただただ聴き入ってしまいました。ご興味があればぜひ聴いてみてください。

録音もまずまずで,適度な響きが心地よい空間を作っています。そして楽器音を邪魔せず,綺麗で透明感のある響きを形作っています。個人的にはもう少し楽器の質感が強めでも良いかなと思いますが,これはこれで趣があって悪くありません。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集(テディ・パパヴラミ(Vn)/フランソワ=フレデリック・ギィ(P))

tedi_papavrami_beethoven_violin_sonatas.jpg
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
テディ・パパヴラミ Tedi Papavrami (Violin)
フランソワ=フレデリック・ギィ François-Frédéric Guy (Piano)
2016年11月22-26日, 2017年3月1-5日
Evidence EVCD037 (P)(C)2017 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

同レーベルでピアニストが同じベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集が演奏も録音も良かったので,これも期待できるのでは,と思い,Apple Musicで試聴してみました。

パパヴラミのヴァイオリンは少し音色に粗さというかトゲがあるものの,弓さばきは実に見事で緩急強弱が自在,隅々までコントロールが行き届いていて多彩な表情を見せるところがなかなかのものだと思いました。推進力のある曲運びも良いと思います。音色に透明感があればなぁ...惜しい!

そして録音なのですが,3枚組のうち,第1番から第7番までを収めた2枚は少しオフマイク気味で録音会場の響きが被って音色がくすみがちです。3枚目は響きが抑えられ音色のくすみはだいぶなくなり直接音比率が上がってクリアに聴こえます。1,2枚目もこの録音だったら良かったのに,と少し残念に思います。

まあベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集の出来には及ばずちょっと辛口になってしまいましたが,高水準の出来映えであることには違いないと思います。

かつての名機Sennheiser MX500のハウジングを使った廉価版イヤホンを買ってみました

wooeasy_in-ear_earphones.jpg
左:WOOeasy Qian25(amazon) 右:K’S 64ohm(amazon)

またまたオーディオ小ネタです(^^;。もう十数年前になりますがSennheiserからMX500という音質の良いイヤホンが発売されていて,私はいまだに使っているのですが,販売終了してからもうかなりの時間が経っています。以前からこのMX500のハウジングと同じ金型?を使ったと思われるイヤホンが発売されていて,いくつか購入して評価したことがあります(→Venture Electronics VE ASURAVE MONK+)。

私はMX500を使って以来,これを越えるイヤホンを探し続けていろいろと試していたのですが,それに代わるMX365を見つけてからはそれを探す必要はなくなりました。でもやっぱり気になるので買ってしまうのです(^^;。なおMX365は最近国内正規品が流通し始めて2,000円台で購入できるようになりました(→amazon)。

それで今回購入してみたのが上記写真の2つです。写真左が999円,右が1,599円でした。いずれもWOOeasyというブランドでした。どちらもハウジングはプラスチックの安っぽいもので,これはまあこんなもんでしょう。ケーブルは左の安い方はさすがに細くて頼りないですね。

肝心の音質ですが,音の傾向はMX500に似ていて,これはやはりハウジングで決まる部分なのでしょう。左の方は少しナローレンジですが,右の方はレンジ感も十分あり,まずまずです。いずれもオープン型のイヤホンなので低音は弱いですが,付属のスポンジカバーを付けることで密閉度が少し上がって低域がわずかながら伸びます。全体のバランスも良くなり,少なくとも私としては右側のモデルは使用に耐えうる音質でした。

ということで,カナル型のイヤホンが苦手の方は選択肢としてご参考にしてください。といいつつ,この値段ならMX365をお勧めしますけどね(^^;。

タグ: [ヘッドホン] 

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(アンティエ・ヴァイトハース)

antje_weithaas1_bach_sonatas_and_partitas.jpg
[Vol. 1]
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,パルティータ第2番
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番,第2番
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
X 2012, Köln, Deutschlandfunk Kammermusiksaal
Avi Music 8553320 (P)(C)2014 Deutschlandradio/Avi-Service (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

antje_weithaas2_bach_sonatas_and_partitas.jpg
[Vol. 2]
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,パルティータ第3番
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番,第5番
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
III 2015, Köln, Deutschlandfunk Kammermusiksaal
Avi Music 8553346 (P)(C)2016 Deutschlandradio/Avi-Service (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

antje_weithaas3_bach_sonatas_and_partitas.jpg
[Vol. 3]
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番,パルティータ第1番
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第4番,第6番
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
III 2015, Köln, Deutschlandfunk Kammermusiksaal
Avi Music 8553381 (P)(C)2017 Deutschlandradio/Avi-Service (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 抑制の効いた演奏ながら,力強くキレがあり,速めのテンポを基調に緩急強弱を巧みに活かした表情豊かな演奏です。 透明感の高い音色の美しさ,和音の溶け合った響きの美しさ,隅々まで神経の行き届いた完成度の高さは本当に素晴らしいです。 これぞモダン楽器の表現力をフルに活用した,現代的に洗練された演奏と言えるのではないかと思います。

録音ですが,わずかに残響を伴いながらも楽器音を邪魔するほどではなく, 明瞭さ,音色の自然さ,透明感などどれをとっても満足できるレベルで仕上げられています。 もう少し質感を強調しても良いかとは思いますが,これでも十分良いと思います。 なおVol. 1はやや残響が多めでVol. 2, Vol. 3に比べると少し落ちます。

ヴァイトハース氏は,アルカント四重奏団の第1ヴァイオリン奏者。 Vol. 3でバッハとイザイの無伴奏曲を収める三部作が完結しましたので,以前の感想と併せて再編しました。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番,パルティータ第1番(川田知子)

tomoko_kawada_1_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番,パルティータ第1番
川田知子 Tomoko Kawada (Violin)
Nanso Bunka Hall, Chiba, 30th & 31th March 2017
MM-4013 (P)(C)2017 MEISTER MUSIC (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

CD試聴記」からの転載記事です。

日本人の謙虚でストイックな真面目さ,技術力の高さを象徴するかのような演奏。 感情移入することなく厳しく作品と向き合っています。 恣意的な「ため」や頭拍に過剰に重きを置くこともなく淡々としたリズムで進行していくのも好感が持てます。 この品格のある古風な佇まいが良いですね。

録音ですが,残響感はあまりなく直接音が主体のため基本的には好感が持てるのですが, 録音会場の反射音が強めで音色の濁りが気になります。 好ましい響きの取り入れ方ではなく,これならない方がずっとマシです。 演奏が良いだけにこの録音は本当に惜しいと思います。

Vol.2があるのかどうかわかりませんが,演奏は素晴らしいので全集として完結することを期待します。 是非!

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ヨゼフ・スーク)

cover picture
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ヨゼフ・スーク Josef Suk (Violin)
Recorded: 1970, Abbey Road Studios, London.
5 73644 2 (P)1971 EMI Records Ltd. Compilation and digital remastering (P)&(C)1999 EMI Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★☆

josef_suk_2017_remasterd_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ヨゼフ・スーク Josef Suk (Violin)
18-25. IX. 1970. Abbey Road Studios, London
Warner Classics WPCS-28097/8 (P)(C)1971 Remasterd (P)2017 Parlophone Records Limited. (国内盤) ※2017年リマスター盤
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

往年の正統派の演奏で,力強く張りのある芯の太い音色が印象的です。 折り目正しく丁寧であり,細部まで落ち着きを持って弾き込んでいます。 真摯で格調高く,そして個性を前面に出すことなく,この曲の本来の素晴らしさを見事に描き出していると思います。

録音ですが,残響はそれほど多くはないのですが,スタジオの響きが被ってやや曇っていると同時に, 変にキンキンした癖のある音色になっています。 EMIらしいといえばEMIらしいのですが,やっぱりすっきりしない録音です。 1970年の録音としてはクオリティはあまりよくないように思います。

このディスクは長い間廃盤で手に入りにくい状況でしたが,2014年にタワーレコードが復刻をされていました(現在は廃盤のようです)。 2017年になってリマスター盤として再び現役盤復帰しました。

リマスター盤の音質ですが,基本的な音質について大きく改善されたわけではありませんが, 特に低域のレンジ感が広がり,リアリティが増しています。 マスターテープに起因すると思われる音質の悪さは変わりがなく,この点が改善されなかった(出来なかった?)のは少々残念です。

ブラームス:交響曲全集(ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団)

george_szell_cleveland_o_brahms_complete_symphony_no2_3_sacd.jpg
ブラームス:交響曲全集
ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団
1964年10月~1967年1月 クリーヴランド,セヴェランス・ホール
SICC 10240-3 (P)(C)2017 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

新リマスタリングによるSA-CDハイブリッド盤。音匠レーベル仕様。日本独自企画。交響曲の他に,ハイドンの主題による変奏曲,大学祝典序曲,悲劇的序曲が収録されているほか,特別収録として1957年のステレオ録音による交響曲第1番が収録されています。タワーレコード×Sony Classicalの企画盤のようですが,タワーレコード以外でも取り扱いがあります。

この企画の復刻は,これの前にベートーヴェンの交響曲全集が出ていて良好な音質で復刻されていました。このブラームスの交響曲全集も音質が期待できたのですが,あまりに高いので躊躇してしまいしばらく我慢していたのですが,結局入手してしまいました(^^;。

この全集は以前CD化されたものを持っていたので聴き比べて見たところ,音の鮮度,ヌケが明らかに一段改善し,中低域の厚み,密度感も向上し,ベートーヴェンの交響曲全集同様,この名盤が最良の音質で復刻されたと言えるのではないかと思います。

確かベートーヴェンもそうだったのですが「完全生産限定盤」となっていて継続的に販売されないようです。せっかくのリマスタリング音源を眠らせるのももったいないと思います。現役盤として再発売出来ないものですかね? 配信であれば継続可能だと思うのですが。

ベートーヴェン:交響曲第2番,第7番(小澤征爾指揮/サイトウ・キネン・オーケストラ)

seiji_ozawa_saito_kinen_o_beethoven_symphonies_2_7_dvd.jpg
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調作品36
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
小澤征爾指揮/サイトウ・キネン・オーケストラ
Kissei Bunka Hall, Matsumoto, Japan, Sep. 6, 2015, Aug. 18, 2016
2064028 (C)2015/2016 EuroArts Music International (輸入盤) *DVD
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2015年と2016年のセイジ・オザワ松本フェスティバルのライブから。小澤征爾80歳での指揮ということです。演奏自体は80歳とは思えないしっかりとした指揮ぶりで,最小限の動作で的確にオーケストラをコントロールし安定感のあるオーソドックスな音楽を作り上げています。フェスティバルというイベントでの演奏ではありますが,小澤征爾さんが到達した境地をオーケストラが見事に音として再現していると思います。なのでどちらかと言えばちょっと地味だけど味わいのある演奏でした。

会場は長野県松本市のキッセイ文化ホールで,クラシック専用ではない多目的ホールなので,映像作品としての映えはなく,N響アワーを見ているような感じですが(^^;。フェスティバルの記録映像としてカメラワークも悪くないと思いますし,ファンであれば十分楽しめる内容だと思います。(逆にファンでなければ映像作品としては少々物足りないと思います。)

そして録音ですが,ライヴ録音としては自然な音の捉え方であり,残響を過剰に取り入れることもなく,演出感もほとんどなく,映像とマッチしていて好感が持てます。ただし,高域の伸び感がやや不足して詰まった感じがすること,低域の締まりが足りず中高域に被り気味であること,などから精彩に欠け魅力を減じてしまっているのが惜しい点です。

あともう一つ付け加えるとしたら...第7番が終わったあとのあの熱狂的なブラヴォーの嵐は,現場で聴いていない私にとっては演奏の内容と相容れない気がして興ざめです。やはりこのディスクは熱狂的なファン向けのアイテムであって,私のような特にファンでない者は鑑賞すべきではないのかもしれません(ファンでない者がレビューしてごめんなさい(^^;)。

seiji_ozawa_sko_beethoven.jpg

タグ: [交響曲] 

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(キット・アームストロング)

kit_armstrong_bach_goldberg_variations.jpg
バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
キット・アームストロング Kit Armstrong (Piano)
Concertgebouw Amsterdam, 13 March 2016
741704 (P)2017 Artwork & Edition (C)2017 C Major Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

聴きたいと思いながら映像ディスクでちょっと高かったので見送っていたのですが,いつも参考にさせていただいているクラシック音楽の感想で強力に推薦されていましたので,思い切って手に入れて聴いてみました。

なるほど! これは過去様々な演奏が存在する中で,それらの影響を一旦リセットし,先入観にとらわれない新鮮な感性で一つ一つの変奏をじっくりと吟味し,一から組み立て直しているという印象を受けました。折り目正しくずいぶんと落ち着いた,大人びた演奏であり,ピアノという楽器の持つ表現力を控え目ながら上手く活かし多彩な音色を引き出していますし,さらに上品な情緒感も漂わせています。グールドの演奏に慣れた耳にはあまりの方向性の違いに戸惑ってしまうのですが,グールドの演奏が感性を揺さぶる演奏とすれば,この演奏は知的好奇心をくすぐる演奏とでも言いましょうか,いずれにせよ同曲の新たなスタイルを築く画期的で現代的な演奏だと思います。なお,ライヴ収録なので多少の演奏上の傷はあります。

さて録音ですが,残響が多めでホールのキャラクターが少し音色に乗っていますが,ピアノの音自体はしっかりと捉えられており,自然さも損なわれていない,それほど悪い印象ではありません。基本的に私の好みの録音とは少し異なりますが,ホールトーンを活かしたピアノ録音として,また,演出感の少ないライヴ録音として,まずまず良いのではないでしょうか。残響が許せる方なら良好な録音に入ると思います。少々オマケですが四つ星半です。

会場がクラシック音楽専用ホールで綺麗であり,カメラワークも良く映像作品としても楽しめました。プロモーション映像がYouTubeにアップされていましたので紹介しておきます。



最後にリピート表です。Aria da capoを除いてすべてリピートしています。文句ありません。

演奏時間 約80分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ××

タグ: [器楽曲]  [ピアノ] 

Sennheiser MX500をBluetoothレシーバー用に加工してみました

mx500_and_bt_receiver.jpg

オーディオ小ネタです(^^;。少し前に会社でSkype for Businessが導入され,PCでSkype会議に参加したり,内線電話をPCで受けたりすることも増えてきました。PCで使用するヘッドセットとしてBluetoothレシーバーとイヤホンを使っているのですが,レシーバーを胸元に付けるとイヤホンのケーブルが長すぎて鬱陶しいので長すぎるケーブルを巻き付けて短くする部品なども使ってみたのですが,それでも鬱陶しいことに変わりがありませんでした。そこで,古くなってVolume部分がダメになったSennheiserのMX500というイヤホンを加工してレシーバー用に仕立ててみました。

加工といってもケーブルを切ってM3プラグを付けるだけなのですが,半田付けが苦手な私にはこれが意外に難しい。しかもケーブルがリッツ線といって,ものすごく細いエナメル線を束ねたもので出来ているのでエナメルの被覆が邪魔をして半田がなかなか乗らず苦労しました。それで出来たのが上の写真です。ちょっと短すぎたかなと思いましたが,これくらいがちょうど良い長さでした。

最近はマイク付きのBluetoothヘッドホンが多いのでこんなことする必要は普通はないのですが,周囲の音が普通に入ってきて周囲の人の声も通話相手の声も両方がちゃんと聞こえるオープン型のイヤホンのものがあまりないので重宝しています。こういうのが普通に売ってたらいいんですけどね。

タグ: [ヘッドホン] 

シューベルト:交響曲第5番,ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲,他(ジョルト・カッロー(Vn)/ニコラス・マクーギガン指揮/カペラ・サヴァリア)

zsolt_kallo_capella_sawaria_schubert.jpg
シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D.485
シューベルト:ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲ニ長調 D.345
シューベルト:ヴァイオリンと弦楽合奏のためのロンドイ長調 D.438
シューベルト:ポロネーズ変ロ長調 D.580
ジョルト・カッロー Zsolt Kalló (Violin)
ニコラス・マクーギガン指揮/カペラ・サヴァリア
2016/1/22-24 ソンバトヘイ,バルトーク・コンサート・ホール
HCD 32794 (P)2017 Hungaroton (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。前エントリーのモーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集に続いて,同じ演奏者によるシューベルトです。ヴァイオリン独奏の曲は聴いたことのない曲ばかりです。いずれも屈託のない明るさがまるでパガニーニを聴いているようで楽しいです。ヴァイオリニストの個性にも合っていますね。まあ全体にちょっと粗削りのところはあります。

録音も前エントリーのモーツァルトとほぼ同じです。若干残響があり,ソロにも少し被りが感じられますが,楽器の音色はそれほど損なわれておらず響きの美しさを保っています。張りのある力強い録音で良いと思います。やはり少し誇張から不自然さが出てしまうものの,プラス面の方が多いと思います。フンガロトンらしい好録音ですね。

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集(ジョルト・カッロー(Vn)/ニコラス・マクーギガン指揮/カペラ・サヴァリア)

zsolt_kallo_capella_sawaria_mozart_violin_concertos.jpg
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
ジョルト・カッロー Zsolt Kalló (Violin)
ニコラス・マクーギガン指揮/カペラ・サヴァリア
2016/9/17-19,2017/2/3-6 ソンバトヘイ,バルトーク・コンサート・ホール
HCD 32761 (P)2017 Hungaroton (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。ピリオド楽器による演奏で,ハイドンのヴァイオリン協奏曲が録音が良かったので,これも期待して聴きました。演奏はやはり同じように素直で実直で素朴な魅力がある佳演です。なお,この演奏に名手の技量を要求してはいけません(^^;。このあたたかな雰囲気を楽しみたいものです。

それで肝心の録音なのですが,傾向的には前述のハイドンと同じで,ソロはわずかな響きを伴っているものの,きちっとフォーカスされ,明瞭に聴くことができます。オーケストラも同様に残響を抑えた明瞭感のある録音なのですが,少し音色のバランスは崩れているように思います。この点が惜しいです。また,やや誇張された録音のため自然さには欠けますが,私としては十分に許せます。

録音が良いと音楽が活き活きと伝わってきて楽しさが倍増しますね。

メンデルスゾーン:交響曲全集(ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団)

yannick_nezet-seguin_coe_mendelssohn_symphonies.jpg
メンデルスゾーン:交響曲全集
ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
Paris, Philharmonie, Grande salle Pierre Boulez, 20, 21 & 22 February 2016
00280 479 7337 (P)(C)2017 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

前エントリのシューマンの交響曲全集に続いてネゼ=セガンとヨーロッパ室内管弦楽団という同じ顔合わせのメンデルスゾーンの交響曲全集です。こちらも同様に小気味の良い,精度の高いアンサンブルで,胸のすく音楽が展開されていきます。メンデルスゾーンの交響曲はごちゃごちゃとせわしない印象を持っているのですが,その音楽を極めて明快に整理した形で聴かせてくれるこの演奏は秀逸で,この団体ならではの特徴を存分に活かしていると思います。

録音ですが,残響は少し多めですが,あまり楽器音に被っているという感じはなく,音色と音のキレを損なわない程度に抑えられているので悪い印象ではありません。もう少し各楽器の質感が強めで分離感がある方が好きなのですが,それでもまずまずの好録音だと思います。

この顔合わせでもっといろいろな交響曲のリリースをしてくれることを期待します。