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ベートーヴェン:交響曲全集(マレク・ヤノフスキ指揮/ケルンWDR交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
マレク・ヤノフスキ指揮/ケルンWDR交響楽団
2018年-2019年 ケルン・フィルハーモニー
PTC 5186860 (C)2020 PENTATONE MUSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆,★★★★(第9番)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

第5番「運命」,第6番「田園」は既出でほぼ1年半前にレビューしていました(→こちら)。速めのテンポで躍動感があり,引き締まっています。そして全く癖がなくすんなりと耳になじむ表現。モダンオーケストラによる今どきの演奏を極めている感があります。印象が残りにくい面はあるものの,私にとってはある意味理想的と思える演奏でした。良かったです。

録音ですが,やや残響が多めではあるものの,中低域の響きが締まっており,音のキレが良いため,音色や明瞭感への影響は少なめで印象は悪くありません。残響の影響で高域が少し曇り気味でモゴモゴした感じがあるのは少し残念です。第7番,第8番は残響がもう少し多め,第9番はさらに多くなって私の許容範囲を少し越えています。第6番までの録り方であれば良かったのですが少々残念です。残響が許せる方なら問題ないかもしれません。

ケルンWDR交響楽団は2017年-2018年にユッカ=ペッカ・サラステ指揮で同じベートーヴェンの交響曲全集を完成させていたので(→レビュー記事),短期間に連続して2つの全集をリリースしたことになりますね。

■購入ディスクメモ(2021年4月) その2

最近購入したディスクのメモです。



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バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番, 第4番, 第5番, 他
アナ・デ・ラ・ヴェガ Ana de la Vega (Flute)
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団
2020年11月 ハイルブロン(バーデン=ヴュルテンベルク州)
PTC 5186 893 (P)(C)2021 PENTATONE MUSIC (輸入盤)
参考: Tower Records, Amazon.co.jp, HMV Onlineicon, Apple Music

オーストラリア出身の若手フルート奏者,アナ・デ・ラ・ヴェガの協奏曲録音第三弾。「ボタンを掛けなかったバッハ」(Bach Unbuttoned)というタイトルが付けられています。共演のソリストとして,ラモン・オルテガ・ケロ(Ob),アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn),ヨハネス・ベルガー(Cemb),サイラス・アーヤル(Tp)らが参加。いずれも若手の名手とのことです。(アレクサンドル・シトコヴェツキーはドミトリー・シトコヴェツキーの甥だそうです)

Apple Musicで試聴して演奏も録音も良さそうでしたので入手しました。



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ベートーヴェン:交響曲第7番,第8番,第9番「合唱」,他
トーマス・アデス指揮/ブリテン・シンフォニア
2019年5月21,26日 バービカン・センター(ロンドン)
SIGCD659 (P)2021 Britten Sinfonia (C)2021 Signum Records (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

トーマス・アデスはイギリスの作曲家,指揮者,ピアニスト。ベートーヴェンの交響曲全集に向けての第三弾。第一弾と第二弾は以前取り上げていました。これで全集が完結しました。

演奏も好きなのですが,録音は特に第一弾が素晴らしく私の好みでした。今回はどうでしょうか。楽しみです。

■購入ディスクメモ(2021年4月) その1

最近購入したディスクのメモです。



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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,他
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2017年5月-2018年9月 オレブルー大学音楽劇場芸術学部コンサートホール,オルブレー・コンサートホール
BIS-2199 SACD (P)(C)2021 BIS Records (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

「ザ・ブランデンブルク・プロジェクト」と題されたセットで,ブランデンブルク協奏曲全曲と6人の作曲家による委嘱新作が交互に演奏される形で収録されています。また,起用されているソリストが豪華で,アンティエ・ヴァイトハース(Vn),ペッカ・クーシスト(Vn),タベア・ツィンマーマン(Vla),マハン・エスファハニ(Cemb),ホーカン・ハーデンベルガー(Tp)といった名手が参加しています。



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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
テオドール・クルレンツィス指揮/ムジカエテルナ
2018年8月 ウィーン、コンツェルトハウス
19439743772 (P)(C)2021 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

昨年第5番「運命」がリリースされずいぶん話題になり取り上げていました(→こちら)。同じ2018年の録音です。何度か発売延期になったように思いますが,ようやく発売になりました。第5番は演奏は素晴らしかったのですが録音が感心しませんでした。これはどうでしょうか。楽しみです。



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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番「ハープ」,第14番
クァルテット・エクセルシオ Quartet Excelsior
2019年12月18,19日 武蔵ホール(埼玉)
Live Notes WWCC-7939 (P)2021 NAMI RECORDS (国内盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

第12番,第16番,第7番~第9番「ラズモフスキー四重奏曲」,第1番~第6番,第11番「セリオーソ」,第15番に続くベートーヴェン・シリーズの第五弾。いよいよ残すところ第13番のみとなりました。

メンデルスゾーン:交響曲全集,弦楽のための交響曲全集(トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団)

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メンデルスゾーン:交響曲全集(*),弦楽のための交響曲全集(**)
トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団
2002年~2009年
HC16098(P)2017 Hänssler Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★(*),★★★★☆(**)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

時々聴きたくなるメンデルスゾーンの弦楽のための交響曲。この全集は以前単売されていたものがセット化されたものです。このセットが発売される直前にApple Musicで聴いて取り上げていました(→こちら)。この機会に購入することに。

収録曲と録音情報は下記の通りです。

[CD 1]
交響曲第1番ハ短調作品11
弦楽のための交響曲第8番(管弦楽版),第13番
録音 2002, 2005, 2006年 プファッフェングルント,ハイデルベルク・ゲゼルシャフトハウス

[CD 2]
弦楽のための交響曲第7番,第12番
交響曲第4 番イ長調作品90「イタリア」
録音 2007年 プファッフェングルント,ハイデルベルク・ゲゼルシャフトハウス

[CD 3]
弦楽のための交響曲第1番,第2番,第3番,第4番,第9番
録音 2008年 バート・ドュルクハイム ナトゥールホルン・アカデミー,バルツフェルト ルートヴィヒ=エングレル

[CD 4]
交響曲第5番ニ長調作品107「宗教改革」
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第5番,第6番,第10番
録音 2008年 プファッフェングルント,ハイデルベルク・ゲゼルシャフトハウス,バート・ドュルクハイム,ナトゥ

[CD 5]
交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド」
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第11番
録音 2009年 エッペルハイム,ルドルフ・ヴィルト・ハレ

[CD 6]
交響曲第2番変ロ長調作品「讃歌」
録音 2009年 ハイデルベルク,シュタットハレ・コング

演奏と録音についての印象は基本的に前回のレビューと同じなのでこちらを見ていただくとして,録音については交響曲と弦楽のための交響曲とは同じような録り方をしているものの,弦楽の方が響きの混濁がマシで聴きやすいため,少々オマケではありますが四つ星半評価としました。前回の「残響多めで演出が過ぎる」というところは今回聴き直しても同じで不満点ではあります。

ベートーヴェン:交響曲第7番,バレエ音楽「プロメテウスの創造物」全曲(ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ指揮/フライブルク・バロック・オーケストラ)

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」作品43 全曲
ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ指揮/フライブルク・バロック・オーケストラ
2020年2月, 6月 テルデックス・スタジオ・ベルリン
HMM 902446.47 (P)2021 harmonia mundi musique (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ハルモニア・ムンディのベートーヴェン・シリーズの新譜。ピリオド楽器による演奏にもだいぶ耳が慣れてきたのか,いろんなチャレンジが一段落して成熟してきたのか,特異に聴こえることが少なくなり,これも普通に出来の良い演奏という印象でした。編成の規模は中規模と思われるため,管楽器に比べて弦楽器がやや弱いのが難点ですが,これはまあ仕方がないことですね。

録音ですが,残響が多めで中低域の響きがやや多めのため,フォルテになると中高域への被りがだいぶ気になります。また,中高域の録り方がやや癖のある音色のためか,特にフォルテで混沌とした響きになる中,癖のある中高域の刺激的な音が目立つため,響きがちょっと汚く聴こえます。そんなに悪くはないとは思うものの,もう少し綺麗に聴こえるように録って欲しかったです。

録音という点では,全体にフォルテが少ない分,同じ録音でもプロメテウスの創造物の方が良く聴こえました。

タグ: [交響曲] 

シベリウス:交響曲全集・管弦楽曲集(サー・ジョン・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団)

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シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集 (6 CDs)
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団
1966-1970年 ロンドン,キングズウェイ・ホール,アビー・ロード・スタジオ
0190295078751 (P)(C)2021 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

バルビローリのシベリウスは昔から超有名でしたが,EMI録音ということもあってずっと聴くことを躊躇していました。今回のリリースでは,参考に挙げたサイトで次のように記載されていました。

2020年に発売された『バルビローリ全集』のために新たにオリジナル・マスターテープよりリマスターされた音源(2020年,Studio Art & Sonによる24bit/192kHzリマスター)が採用されており,鮮明で輪郭が明確になったマスターテープに記録されていた音が,できるだけそのままで再現されています。

リマスタリングで音質が改善されている可能性があり,また廉価盤でのリリースということもあって,この機会に聴いてみることにしました。

収録曲は下記の通りです。

交響曲全集(第1番~第7番)
交響詩「フィンランディア」作品26
「カレリア」組曲 作品11
交響詩「ポホヨラの娘」作品49
悲しきワルツ 作品44-1
レンミンカイネンの帰郷 作品22-4
トゥオネラの白鳥 作品22-2
付随音楽「ペレアスとメリザンド」からの組曲 作品46より
ラカスタヴァ 作品14
ロマンス ハ長調 作品42
組曲「歴史的情景」第1番 作品25, 第2番 作品66より

それで肝心の録音なのですが,驚いたことにこれがなかなか良いのです! 残響は多少あるもののスッと消えますし,楽器音への被りはほとんどなく音色に影響していません。そしてタイトに締まったサウンドが音楽をダイレクトに伝えてくれて心地よいです。低域から高域までレンジ感も問題なく,音色に癖もほとんどありません。少し誇張された不自然さはあるものの気になるものではありませんし,むしろ録音として好ましく感じられます。少しドライ過ぎるように感じる方もおられるかもしれませんが。

リマスター前と思われる音源をApple Musicで聴いてみましたが,今回のリマスターでわずかながらくすみが取れ,薄く被っていたベールが取り払われたようなスッキリした感じがありました。元々の録音がそこそこ良かったので,リマスターも生きたのだと思います。

オーディオ品質は時代なりという感じはしますが,気になるものではありませんし,1960年代後半の録音として十分なクオリティのように思いました。

演奏については私の好みとは少し違うところも多々あったのですが,録音が良いのでそれもまた良しと楽しむことができました。このような良い録音で残してくれたことに感謝です。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第4番,第5番「春」,第7番(ヴィクトリア・ムローヴァ/アラスデア・ビートソン)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第4番,第5番「春」,第7番
ヴィクトリア・ムローヴァ Viktoria Mullova (Violin)
アラスデア・ビートソン Alasdair Beatson (Fortepiano)
2020年7月20-21日 ワイアストン・コンサート・ホール(モンマスシャー,イギリス)
ONYX 4221 (P)(C)2021 Victria Mullova (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ムローヴァはおよそ10年前に第3番,第9番「クロイツェル」を録音していてこれがVol.2となります。ピアニストは変わっていますがいずれもフォルテピアノとの共演です。ヴァイオリンはグァダニーニにガット弦を張り,classical bowを使って演奏していると解説に記載されていました。ただ,私の聴いた感じではフォルテでガット弦の性能を超えた弾き方になってしまっていてわずかに音が潰れているように聴こえました。もちろん意図的なのでしょうけど,楽器が悲鳴をあげているようで,この点が少し残念に思いました。ムローヴァの要求をきちんと受け止められるモダン楽器の方が良かったんじゃないかと思いました。それを除けば,力強くダイナミックでとても良かったと思います。

録音ですが,少し残響が楽器音に被って音色に影響しているのですが許容範囲と思います。少し距離感があってニュアンスや楽器の質感が感じにくいかなというところはあって,もう一歩寄っても良かったのではないかと思います。少し不満はあるものの,音楽を楽しむ上ではそれほど影響がないのでまずまず良好と思います。

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