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■購入ディスクメモ(2021年8月)その2

最近購入したディスクのメモです。



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バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ BB 124, Sz. 38
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV 1004
シュネーベルガー:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ
ドミトリー・スミルノフ Dmitry Smirnov (Voilin)
2021年2月8-10日 イタリア,トスカーナ
FHR117 (P)(C)2021 First Hand Records (輸入盤)
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

ハンスハインツ・シュネーベルガーの作品は16歳の時の作曲で,世界初録音とのことです。バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番が収録されているので入手したのですが,驚いたことにシャコンヌの演奏時間が10分を大きく下回る9:18でした。これは私が記憶している中で最速と思っていたパトリック・ビスマスの9:32よりもだいぶ速いです。いったいどんな演奏なのか楽しみです。





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バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988(弦楽三重奏版)
トリオ・クォドリベット Trio Quodlibet
2020年9月25-27日 サン・ロレンツォ教会(パッセラーノ・マルモリート,イタリア)
C 00435 (P)(C)2021 Da Vinci Classics (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ゴルトベルク変奏曲の弦楽三重奏版はドミトリ・シトコヴェツキー編曲版が有名ですが,これはイタリアの著名なヴィオラ奏者ブルーノ・ジュランナの編曲です。トリオ・クォドリベットはイタリアの若手の団体で,2016年以降,幾つかの国際的な室内楽コンクールで優秀な成績を収めている気鋭のアンサンブルとのことです。

このディスクの演奏とは異なる演奏ですが,2017年収録の映像がYouTubeで公開されています。



フレンチ・コレクション ~ ラモー,ドビュッシー,ブーレーズ:ピアノ曲集(ヨージェフ・バログ)

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ラモー:新しいクラヴサンのための組曲
ドビュッシー:映像 第1集,第2集
ブーレーズ:アンシーズ
ヨージェフ・バログ József Balog (Piano)
録音 2019年 ハンガリー
HCD32843 (P)2020 HCD32843 (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

ヨージェフ・バログはハンガリーのピアニスト。「フレンチ・コレクション」というタイトルで,フランスの作曲家の作品が収録されています。

このディスク,録音がすごく良いです。残響や録音場所の響きなど全くといって良いくらい入っておらず,ピアノの音だけが純粋に極めて明瞭にストレートに収められています。近すぎず遠すぎず,あざとさや誇張感もほとんどありません。クラシックというよりもジャズの録り方に近いかもしれません。また,グールドのスタジオ録音にも似ていると思いました。私にとってはベストと思える理想的な出来で,今まで聴いた中で最も好きな部類に入ります。特にラモーの録音が粒立ちが鮮やかで最高です。

録音の好みは人それぞれなので万人に受け入れられる録音かどうかはわかりませんが,私としてはこのような録音がもっと増えてくれることを願っています。

ハーバート,エルガー,フックス,シューベルト:弦楽セレナーデ集(アニマ・ムジケ室内管弦楽団)

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ハーバート:弦楽セレナーデ ヘ長調 作品12
エルガー:弦楽セレナーデ ホ短調 作品20
フックス:弦楽セレナーデ第1番 ニ長調 作品9
シューベルト(ナフティン編):セレナーデ~「白鳥の歌」より
アニマ・ムジケ室内管弦楽団 Anima Musicæ Chamber Orchestra
2020年 ハンガリー、フンガロトン・スタジオ
好録音度:★★★★☆
HCD32847 (P)2021 Hungaroton (輸入盤)
参考: Tower Records,,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

アニマ・ムジケ室内管弦楽団は「リスト音楽院の首席メンバーにより2010年に創設された新進気鋭の名人集団」とのことで,同団体による弦楽セレナーデ集の第三弾。第一弾,第二弾は以前取り上げていました(→こちら)。またモーツァルトのディベルティメント,アイネ・クライネ・ナハトムジークのディスクもリリースされていてこれも取り上げていました(→こちら)。いずれも演奏も録音も良かったので続編を期待していたところで,実は今年の四月にこの第三弾が発売されていて見逃していました。

特にエルガーの弦楽セレナーデは愛聴曲なので期待が大きかったのですが,期待に違わない良い演奏でした。技術力,アンサンブル力が前面に出ていて,もう少し情緒的な雰囲気が欲しかったとは思うのですが,これはこれで完成度が高いと思います。他の曲は初めて聴く曲でしたがいずれも面白そうだったのでもう少し聴いてみようと思います。

録音ですが,スタジオ録音ということで気になる残響はほとんどなく,直接音を主体に弦楽器の艶やかな音色をうまく捉えていると思いました。少し誇張された感じはありますが,フンガロトン録音らしいなと思いました。録音の出来としては先に挙げたモーツァルトと第一弾・第二弾の中間くらいで,十分好録音と言えるものです。

先日取り上げたメタモルフォーゼン・ベルリンの3枚の弦楽オーケストラ作品集と偶然にも似たようなものが近い時期にリリースされていますが,どちらも今後の録音にも期待したいと思います。

シューマン:交響曲全集(ロジャー・ノリントン指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団)

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シューマン:交響曲第1番「春」,第3番「ライン」
ロジャー・ノリントン指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団
2004年 シュトゥットガルト,リーダーハレ
CD 93.160 (P)2005 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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シューマン:交響曲第2番,第4番
ロジャー・ノリントン指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団
2004年 シュトゥットガルト,リーダーハレ
CD 93.161 (P)2005 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

最近よく聴くノリントン指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団のシューマン交響曲全集。拍手の入るライヴ録音。第4番は1841年原典版です。大編成のオーケストラを小気味よくドライブする手腕はここでも遺憾なく発揮されています。スケールが大きく厚みのあるサウンドなのにキレがあり重くなりません。個人的には編成をもう少し絞った軽めのサウンドなら言うことなかったのですが,これはこれでこのコンビの良さが出た演奏だと思います。

録音ですが,残響は抑えられてるので音が曇ったり音色がくすんだりということはあまりありません。ただ少しマイクポイントが遠めなのか個々の楽器の分離は良いのに質感が希薄で,少しモゴモゴした感じもします。もう少し生々しさがあったらずっと良いと思うのですが。とはいえトータルとしてはいつもの録音と大差なく,悪くありません。少しオマケですが四つ星半の好録音としました。

このディスクはもしかしたら現役盤ではないかもしれません。もしかしたら他の演奏と同じように廉価盤の再発売のシリーズとして復活するかもしれないですね。

ビーバー:食卓の音楽,ヴァイオリン・ソナタ イ長調(パーセル・クァルテット)

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ビーバー:食卓の音楽
ビーバー:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
パーセル・クァルテット Purcell Quartet
録音不明
CHAN 0748 (P)2008 Chandos Chaconne (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ビーバーの音楽はロザリオのソナタ以外ほとんど聴いたことがありませんでした。偶然試聴したこの食卓の音楽とヴァイオリン・ソナタが大変美しく心に響き,また録音も良かったので聴き入ってしまいました。心が安まる,ホッとする音楽で気に入りました。

録音ですが,残響はわずかにあるものの,直接音主体に楽器音を明瞭に美しく捉えています。音色も自然で透明感がありニュアンス豊か。好録音です。

パーセル・クァルテットは1983年の結成で多くの録音を残しておられますが,今まであまり聴いたことはありませんでした。とても良かったので他の録音も聴いてみようと思います。

ドイツ・グラモフォン録音全集(オルフェウス室内管弦楽団)

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ドイツ・グラモフォン録音全集 (55 CDs)
Complete Recordings on Deutsche Grammophon
オルフェウス室内管弦楽団 Orpheus Chamber Orchestra
00289 483 9948 (P)2021 Deutsche Grammophon (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

5月頃に発売がアナウンスされていたオルフェウス室内管弦楽団のドイツ・グラモフォン録音全集が予定通り発売されました。好きな団体なのでこのボックスセットは本当にうれしいです。いままでにも聴きたいディスクは集めていましたが,まったく知らなかったディスクも多数あって興味津々です。全55枚と枚数がとても多いですが,少しずつ聴き進めていきたいと思っています。

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◆気になる新譜覚え書き(2021年8月)その2

発売のアナウンスのあった新譜で気になるものの覚え書きです。



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空想のバッハ音楽帳 The Imaginary Music Book of J. S. Bach
カフェ・ツィマーマン Café Zimmermann
2020年11月 フランス東部アルザス地方ミュルーズ,サン=ジャン教会
ALPHA766 (P)2021 Alpha Classics (輸入盤)
参考: Tower Records,HMV Onlineicon
2021年10月7日発売

カフェ・ツィマーマンといえば,バッハ:さまざまな楽器による協奏曲集が演奏も録音も良く今でもよく聴くセットなので,このディスクも聴いてみたいと思っています。内容は,カンタータ等の楽曲を室内楽編成に編曲したもののようです(曲目は参考に挙げたサイトをご参照ください)。



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チャイコフスキー:交響曲全集
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
2019年10-11月, 2020年1月, 2021年1月 チューリッヒ、トーンハレ・マーグ
ALPHA778 (P)2021 Alpha Classics (輸入盤)
参考: Tower Records,HMV Onlineicon
2021年10月7日発売

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チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
2019年11月, 2021年1月 チューリッヒ、トーンハレ・マーグ
ALPHA782 (P)2021 Alpha Classics (輸入盤)
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music
2021年10月7日発売

パーヴォ・ヤルヴィのトーンハレ管弦楽団音楽監督就任記念のチャイコフスキー・ツィクルスの録音で,新型コロナウィルスの影響で1年遅れの完成とのことです。第2番,第4番,第5番は既出で,第6番は全集発売と同時に単売もされます。第1番,第3番は全集のみのリリースのようです。



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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
リンゼイ弦楽四重奏団 Lindsay String Quartets
1979年-1984年 ウェントワース,ホーリー・トリニティ教会&ロンドン,ロスリン・ヒル教会
4843069 Eloquence Australia (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
2021年9月30日発売(hmv)

リンゼイ弦楽四重奏団はASVレーベルに2回全集録音していたと記憶しているのですが,その1回目の録音の再発売です(違ったらごめんなさい)。確か持っていたはずなのですが...買ってしまうだろうなぁ...



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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番,第4番,他
フランチェスカ・デゴ Francesca Dego (Violin)
ロジャー・ノリントン指揮/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
2019年8月1,2日 グラスゴー,RSNOセンター,ロイヤル・コンサート・ホール
CHAN 20234 (P)(C)2021 Chandos Records (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music
2021年9月3日発売

フランチェスカ・デゴはイタリア出身のヴァイオリニスト。Apple Musicで先行リリースのトラックが試聴できますが,演奏も録音も良さそうでした。これは楽しみに待ちたいと思います。

ヴォルフ=フェラーリ:ヴァイオリン協奏曲,パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番(フランチェスカ・デゴ/ダニエーレ・ルスティオーニ指揮/バーミンガム市交響楽団)

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パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調作品6
ヴォルフ=フェラーリ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品26
フランチェスカ・デゴ Francesca Dego (Violin)
ダニエーレ・ルスティオーニ指揮/バーミンガム市交響楽団
2016年8月21,22日, 2017年3月8,9日 イギリス,バーミンガム,シンフォニー・ホール
4816381 (P)2017 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Recoreds,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

ヴォルフ=フェラーリはオペラで有名な作曲家ですが(聴いたことはないですが...),ヴァイオリン協奏曲を作曲されているとは知りませんでした。どんな曲か興味がわいたので聴いてみました。美しく親しみやすいメロディに溢れた佳作ですね。技巧的なところもありますがそれを誇示するような曲ではないのが演奏される機会が少ない要因でしょうか。もう少し演奏されても良いのにと思いました(私が知らないだけ?)。

録音についてはドイツ・グラモフォンの協奏曲の録音として標準的な感じです。残響は控えめで明瞭さ,音色の自然さなども良好です。オーケストラもソロも自然なバランスで聴きやすくまとめられていますが,協奏曲としてはもう少しソロにフォーカスしても良いかなと思いました。なおヴォルフ=フェラーリの方は拍手の入るライヴ録音でした。

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集(ジェラール・ジャリ/ジャン=フランソワ・パイヤール指揮/パイヤール室内管弦楽団)

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ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, イ長調 Hob VIIa:3,ト長調 Hob VIIa:4
ジェラール・ジャリ Gérard Jarry (Violin)
ジャン=フランソワ・パイヤール指揮/パイヤール室内管弦楽団
録音 1972年9月
(P)1973 Erato Disques/Warner Music (配信)
好録音度:★★★★
参考: e-onkyo,Apple Music

パイヤール室内管弦楽団のディスコグラフィーのデジタル発売シリーズ(e-onkyo)と記載されています。2019年のリマスタリングの記載もありました(Apple Music)。物理メディアでの発売があるのかはわかりませんでした※1。

ジェラール・ジャリというヴァイオリニストは聴いたことがありません。HIP以前の旧世代の演奏ですね。当時はこういう演奏が普通だったと思います。今聴くととても懐かしい感じがして,これはこれで味わい深いです。

録音ですが,ソロを適度にフォーカスして誇張する録り方は協奏曲として好ましいと思います。ただ,マスターテープの問題か,やや歪みっぽく,また音も少し痩せ気味です。ドロップアウトのように感じられるところもあり,品質面で今ひとつなのが残念でした。

※1 Twitterにて,「ジャン=フランソワ・パイヤール/エラート・管弦楽&協奏曲録音全集」のCD92で出ている,との情報をいただきました。有り難うございました。133枚組,2019年の発売ですが<完全初回限定生産盤>のためすでに品切れになっているようです。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」,ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第10番(アルミーダ四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番作品59-1「ラズモフスキー第1番」
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第10番変イ長調作品118
アルミーダ四重奏団 Armida Quartett
録音不明
4260085533688 (P)(C)2016 Bayerischer Rundfunk/Avi-Service for music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

アルミーダ四重奏団のディスクをもう一つ。ベートーヴェンのみのコメントです。第1楽章冒頭から速いテンポで流麗にサラッと音楽が流れていくのが大変魅力的です。若い今どきの弦楽四重奏団らしくスマートですね。

録音は,残響はあるもののスッと消えて楽器音に被っていないのでスッキリとしています。少し距離感があって個々の楽器の質感は少し弱めでニュアンスを感じ取りにくいところがあるので,もう少し寄って録ってくれていたらと思いますが,これでも良好と言えます。先に取り上げたモーツァルトVol.3よりもこちらの方が録音としては好きですね。

この団体のベートーヴェンの演奏はもう少し聴いてみたくなりました。

モーツァルト:弦楽四重奏曲集Vol.3(第14番,第23番,第2番,第8番,第12番,第21番)(アルミーダ四重奏団)

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モーツァルト:弦楽四重奏曲集 Vol.3
第14番,第23番,第2番,第8番,第12番,第21番
アルミーダ四重奏団 Armida Quartett
2020年1月, 4月 ミュンヘン,バイエルン放送スタジオ2
8553032 (P)(C)2020 Bayerischer Rundfunk/Avi-Service for music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

アルミーダ四重奏団は2006年にベルリンで設立された四重奏団。輸入元情報で ヘンレ社と音楽学者のヴォルフ=ディーター・ザイフェルトとのコラボレーションにより,彼らはモーツァルトの弦楽四重奏曲の原典にあたることで,これまで見落とされていた細部を発見し,パッセージを刺激的な,新たな方法で解釈することができるようになった とありました。具体的にどこがというのはさすがにわかりませんが,同じ音符の連続を付点風に寄せて崩したりちょっと独特のところがあったりはしました。全体的には流麗でモダンな表現に感じられました。技術的にも優れていると思います。

録音ですが,やや残響は多めですが,直接音をそれなりにしっかり捉えているため残響の影響は少なめで,十分許容出来る範囲です。もう少し残響を抑えてくれた方が私としてはもちろん良かったのですが,直接音と残響とのバランスを上手く取っている方だと思いました。

未聴ですが,Vol.1(第9番,第18番,第22番),Vol.2(第1番,第17番,第20番)が既発売です。

R. シュトラウス:弦楽六重奏曲,弦楽四重奏曲,メタモルフォーゼン(弦楽七重奏版)(ライプツィヒ弦楽四重奏団)

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R. シュトラウス:弦楽六重奏曲(カプリッチョ),弦楽四重奏曲作品2
R. シュトラウス:メタモルフォーゼン(弦楽七重奏編曲版)
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
録音不明
MDG 307 1142-2 (P)(C)2002 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

R. シュトラウスに弦楽四重奏曲があるとは知らなかったのですが,作品2で1880年16歳のときの作品で,まだまだR. シュトラウスらしさはないですが聴きやすい作品でした。

で,このディスクでの聴きものは弦楽七重奏版(Rudolf Leopold編曲)のメタモルフォーゼンですね。元々「23の独奏弦楽器のための習作」で弦楽二十三重奏曲ともいうべき作品なので,パート数が23→7と大幅に減らされているため,かなり音が削られているはずですが,曲のエッセンスを抽出しているというか,原曲の雰囲気を残しつつスッキリと聴かせてくれている感じがあって,捉えどころのなかったこの曲のアウトラインがはっきりとして取っつきやすくなり,これはこれで良いじゃないですか,と思いました。

録音ですが,残響は控えめで各楽器の音を明瞭に自然な音色で捉えていて良好です。優秀録音という感じではありませんが,欠点が少なく,弦楽アンサンブルの録音としてまずまずの好録音でした。

ライプツィヒ弦楽四重奏団はおびただしい数の録音を残し,今も精力的にディスクをリリースされ続けていますね。こういう珍しい曲も,質の高い演奏と良好な録音で残してくれていて感謝です。ディスク自体はすでに廃盤のようですが,Apple Music等のストリーミングで聴けるのは有り難いことですね。

マーラー:交響曲第5番(クラウス・ジモン編曲室内楽版)(クラウス・ジモン指揮/ホルスト・シンフォニエッタ)

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マーラー:交響曲第5番(クラウス・ジモン編曲室内楽版)
クラウス・ジモン指揮/ホルスト・シンフォニエッタ
2015年 アンサンブルハウス・フライブルク(ドイツ)
BM 003 (P)(C)2016 bastille musique (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

マーラー交響曲第7番室内オーケストラ版が良かったので,同じ編曲者でさらに編曲者自身が指揮をしている第5番を聴いてみたくなり入手しました。演奏者は18人で,編成は次のように記載されています。

フルート(ピッコロ),オーボエ(イングリッシュ・ホルン),第1クラリネット,第2クラリネット(バス・クラリネット),ファゴット,第1ホルン,第2ホルン,トランペット,パーカッション×2,ハープ,アコーディオン,ピアノ,第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバス

弦楽器は1パート一人なので,管楽器が中心のところはオーケストラ的に響きますが,弦楽器が中心のところは室内楽的に響くという,オーケストラのバランスに慣れた耳にはなんとも不思議な感じに聴こえます。音楽自体はマーラーには違いないのですが,音の厚みがそれほどなく見通しが良くなるので,ちょっと新鮮ですね。こういう編曲ものは好き嫌いがあると思いますが,私はこういう響きがスッキリしたのも面白いなと思いました。

録音ですが,残響は控えめで個々の楽器をそこそこ明瞭に捉えているので良いと思いました。室内楽版という編成にあった音の捉え方をしていて,その面白さを十分に伝えてくれる録音になっていると思います。

■購入ディスクメモ(2021年8月)その1

最近購入したディスクのメモです。



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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
アンカ・ヴァシーレ・カラマン Anca Vasile Caraman (Violin)
録音不明
STR 37196 (P)(C)2021 stradivarius (輸入盤)
参考: Amazon.co.jp,Apple Music

蒐集盤。いつも参考にさせていただいている小高さんのブログで紹介されていて知りました。有り難うございました。日本には輸入されつつあるようですが,私はamazon.itから入手しました。アンカ・ヴァシーレ・カラマンはルーマニアのヴァイオリニスト。



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ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ集作品1
Op.1-3, 6, 10, 12, 13, 14, 15
マリオ・ホッセン Mario Hossen (Violin)
ピエロ・バルバレスキ Piero Barbareschi (Harpsichord)
リリアーナ・ケハヨヴァ Liliana Kehayova (Cello)
2017年1月30-31日 ブルガリア国立放送スタジオ1
C00272 (P)(C)2020 Da Vinci Classics (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

蒐集盤。Twitterでフォローさせていただいている方がツィートされていて知ったディスク。早速入手しました。有り難うございました。ホッセンはブルガリアのヴァイオリニスト。ジェラール・プーレにも学んだとのことです。このヘンデルはモダン楽器で演奏されているようです。

弦楽オーケストラ作品集(ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン)

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ドヴォルザーク:弦楽セレナーデ作品22
スーク:弦楽セレナーデ作品6,ラヴ・ソング作品7-1
ハーバート:イエスタソーツ,パンチネロ,ガザル
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン
録音不明
88875130202 (P)(C)2015 Sony Classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo

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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ作品48,フィレンツェの思い出作品70,他
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン
2016年12月 ベルリン,テルデックス・スタジオ
88985422242 (P)(C)2017 Sony Classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

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エルガー:弦楽セレナーデ作品20,愛の挨拶,気まぐれな女,他
ブリテン:シンプル・シンフォニー作品4
ウォーロック:カプリオール組曲
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット指揮/メタモルフォーゼン・ベルリン
2020年3月8日, 4月12-14日, 6月24日 ベルリン,テルデックス・スタジオ
19439873312 (P)(C)2021 Sony Classical (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

メタモルフォーゼン・ベルリンは「ベルリンの名門オケの若手メンバーを中心に結成された弦楽オーケストラ」ということで,これまでに3枚のディスクがリリースされています。詳細は参考に挙げたURLを参照いただきたいのですが,公式Webサイトによると,メンバーは,6-6-6-7-1(Vn1-Vn2-Va-Vc-Cb)で弦楽オーケストラとしては人数は多い方ではないかと思います。

この3枚のディスクを聴くと,演奏はオーソドックスで手堅い印象ですが,アンサンブルも良く,引き締まった,そして,生き生きと躍動する音楽が大変魅力的と思いました。特に最新のディスクに収録されているウォーロックのカプリオール組曲は速いテンポで推進力があり,同曲の演奏ではかなり良い部類に入るのではと思える素晴らしい出来でした。

一方録音なのですが,スタジオで録音しているにしては残響が多めであり,弦楽器の魅力が失われるまではいかないものの演出感が強すぎて現実味が薄れてしまい,私としては少し残念な感じでした。しかもこの3枚でだんだんその傾向が強くなり,3枚目になるともう残響過多という感じがします。ドヴォルザークやチャイコフスキーの弦楽セレナーデはまだ聴きやすい方なのでその点は少し救われました。

数年のリリース間隔があるので次がいつでるかわかりませんが,弦楽オーケストラのレパートリーはまだまだあるのでリリースを続けてほしいですね。でも録音はちょっと見直して欲しいです。

R. シュトラウス:アルプス交響曲(ヴラディーミル・ユロフスキー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/ベルリン放送交響楽団)

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R. シュトラウス:アルプス交響曲,他
ヴラディーミル・ユロフスキー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
2016年4月30日 ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
LPO-0106 (P)(C)2018 London Philharmonic Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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R. シュトラウス:アルプス交響曲
ヴラディーミル・ユロフスキー指揮/ベルリン放送交響楽団
2019年2月22,24日 ベルリン,コンツェルトハウス
PTC 5186 802 (P)(C)2021 Pentatone Music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ユロフスキのアルプス交響曲ですが,ロンドン・フィルとの録音は2016年4月,ベルリン放送交響楽団との録音は2019年2月と,短期間で再録音されています。後者が発売になりましたので主に録音について聴き比べて見ました。(以下,ロンドン・フィルを①,ベルリン放送交響楽団を②とします)

①は比較的好きな録音の多いロンドン・フィル自主制作盤で,この録音も良好です。残響は控えめで各楽器は明瞭に分離良く捉えられていますし,高域のヌケも良好です。やや派手めで音質的にアラもありますが,R. シュトラウスに向いた音作りになっていると思います。

これに対して②はわずかながら控えめで地味に感じられますが,緻密で滑らかさがありオーディオ品質的にも良好です。中低域も控えめなのは好みが分かれるところかもしれません。

どちらの音質も一定水準以上で良好ですが,私の好みからすると①の方ですかね。聴いていて楽しいです。②の落ち着いた音質の方が好みという方もおられると思います。

◆気になる新譜覚え書き(2021年8月)その1

発売のアナウンスのあった新譜で気になるものの覚え書きです。



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Time Passages
アル・スチュアート Al Stewart
QECLEC42732 Esoteric Records (輸入盤)
参考: Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
2021年10月15日発売

詳しい情報の記載がないので詳細がわからないのですが,少し前に発売された24 Carrots (40th Anniversary Edition),Year Of The Cat (45th Anniversary Edition)などと同様,何かのアニバーサリー・エディションと思われます。Year of the Catのあと1978年に発売されたアル・スチュアートの代表作の一つなので,ファンとしては買うしかありません!

DVDが付属した豪華版?とCD 2枚組の通常版?があるようです。



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ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)
クリスティアーン・ティーレマン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2020年8月21,22日 ザルツブルク祝祭大劇場
SICC-30589 Sony Classical (国内盤/輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
2021年10月6日発売

ティーレマン/ウィーン・フィルのブルックナー交響曲シリーズ第3弾。第8番,第3番は既発売。第3番をApple Musicで試聴してみましたが録音が良さそうでしたので,このシリーズはちょっと聴いてみたいなと思いました。輸入元情報によると第00番,第0番,第1番,第2番,第5番はすでに収録が終わっているとのことで,全集に向けて着々と進んでいるようです。



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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
テディ・パパヴラミ Tedi Papavrami (Violin)
2020年10月 フランス,メス,アルスナル
ALPHA756 Alpha (輸入盤)
参考: Tower Records,amazon.co.jp,HMV Onlineicon
2021年9月10日発売

蒐集盤。パパヴラミ3度目の全集(輸入元情報によると2度目)。以前2種類の全集を取り上げていました。1度目は2000年のライヴ録音。自主制作かもしれません。2度目が2004年録音でaeonレーベルでした。今回の録音はピリオド・アプローチによる演奏のようです。



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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
レオニダス・カヴァコス Leonidas Kavakos (Violin)
録音不明
SICC30590 ソニーミュージック (国内盤)
参考: Tower Records,amazon.co.jp,HMV Onlineicon
2021年10月20日発売

蒐集盤。2021年秋の来日公演に合わせて発売される来日記念盤とのこと。8/12時点では国内盤のみで輸入盤のアナウンスはないようです。



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シベリウス:交響曲全集,ヴァイオリン協奏曲
藤岡幸夫指揮/関西フィルハーモニー管弦楽団
岩谷祐之 (Violin)
録音 2012-2020年 ザ・シンフォニー・ホール(大阪)
ALCD-8136 ALM Records (国内盤)
参考: Tower Records,amazon.co.jp,HMV Onlineicon,関西フィル
2021年9月7日発売

2020年が関西フィル創立50周年でその記念盤とのことです。2012年から2020年の定期演奏会でのライヴ録音を集めたもののようです。



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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ベルリン古楽アカデミー Akademie für Alte Musik Berlin
録音 2021年3月, 5月
HMM902686 harmonia mundi (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
2021年9月10日発売

ベルリン古楽アカデミーのブランデンブルク協奏曲全曲は1997年の録音を以前取り上げていました(→こちら)。演奏も録音も良く愛聴盤の一つです。

今回の録音では,イザベル・ファウスト(Violin),アントワン・タメスティ(Viola)といった名手がゲスト参加しているとのことです。

ブラームス:交響曲全集(イヴァン・フィッシャー指揮/ブダペスト祝祭管弦楽団)

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ブラームス:交響曲第1番,ハイドンの主題による変奏曲
イヴァン・フィッシャー指揮/ブダペスト祝祭管弦楽団
January 2009 Palace of Arts, Budapest
CCS SA 28309 (P)(C)2009 Channel Classics Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第2番,悲劇的序曲,大学祝典序曲
イヴァン・フィッシャー指揮/ブダペスト祝祭管弦楽団
2012年2月 ブダペスト芸術宮殿(パレス・オブ・アーツ)
CCS SA 33514 (P)(C)2014 Channel Classics Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第3番,セレナーデ第2番
イヴァン・フィッシャー指揮/ブダペスト祝祭管弦楽団
2020年8月30-9月2日 ムパ ブダペスト
CCS SA 43821 (P)(C)2021 Channel Classics Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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ブラームス:交響曲第4番,ハンガリー舞曲集より
イヴァン・フィッシャー指揮/ブダペスト祝祭管弦楽団
2013年4月 ブダペスト芸術宮殿(パレス・オブ・アーツ)
CCS SA 35315 (P)(C)2015 Channel Classics Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,HMV Onlineicon,Apple Music

第1番の録音が2009年,そして全4曲の最後となる第3番がコロナ禍の中録音され,先日発売になりました。この第3番以外は以前に入手していたのですが,交響曲が全集となりましたので,この機会に聴き直してみました。

演奏ですが,編成の大きなオーケストラによるオーソドックスで重厚で引き締まったブラームスですね。先に取り上げたノリントン/SWRの全集とは方向性が全く逆です。伝統的なブラームス演奏を突き詰めたような堂々とした立派な演奏で,オーケストラの技術力も高くとても良いと思います。

一方録音ですが,残響感はそれほど多くないものの,オーケストラの厚みのある響きを強調したような録り方で少しモゴモゴとした感じがあり息苦しさがあります。もう少しスッキリとヌケよく伸びのある音で開放感があると良かったと思いました。もっともオーケストラ録音としては標準的な範囲でこのような録音が好きな方もいらっしゃると思います。好録音というには少し違うと思いましたので四つ星としましたが悪くはないと思いました。

録音時期が長期にわたっていますが,演奏も録音もばらつきが少なく安定した一定の水準を維持していて,この点でも良いと思いました。

タグ: [交響曲] 

ブラームス:交響曲全集(ロジャー・ノリントン指揮/SWRシュトゥットガルト放送交響楽団)

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ブラームス:交響曲全集
ロジャー・ノリントン指揮/SWRシュトゥットガルト放送交響楽団
2005年7月4日-6日 シュトゥットガルト・リーダーハレ・ベートーヴェンザール
SACD No. 93.267 (C)2006 SWR Media Services (P)2010 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

最初DVDで発売されていてそれを聴いて記事にしていました(→こちら)。この当時CDはなかったのですが,その後SA-CDで発売されたので買い直していました。

演奏はブラームスとしてはかなり軽妙で爽やかな仕上がりです。ノリントンが長年積み重ねてきた作曲当時の演奏の研究の成果をモダン楽器のオーケストラにつぎ込んだとのことですが,うまく結実していると思います。モダン楽器の機能性とキレの良さを活かしたノリントンらしい良い演奏だと思います。

録音ですが,DVDで聴いたときにはあまり印象が良くなかったのですが,改めて聴いてみると悪くありません。弦楽器が少し遠めで質感が希薄であり,バランス的に管楽器よりも弱いのは少し不満なのと,わずかにモゴモゴ感があるのが残念ですが(これはノリントン/SWRに共通する特徴ではありますが),残響が控えめで音色の曇りも少なく音のキレもあるのでまずまずかなと思います。

このSA-CDはすでに廃盤となってるようですが,ドイツ・レクイエムをカップリングしたセットとして再発売になるようです。

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ブラームス:交響曲全集,ドイツ・レクイエム
ロジャー・ノリントン指揮/SWRシュトゥットガルト放送交響楽団
2005年7月4-6日, 2014年2月20,21日 シュトゥットガルト・リーダーハレ・ベートーヴェンザール
SWR19529CD (P)2005,2014 SWR Media Services (C)2021 Naxos Deutschland (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon
2021年9月23日発売予定

ハイドン:弦楽四重奏曲作品64-5「ひばり」,作品33-1,作品76-1(エベーヌ四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品64-5「ひばり」,作品33-1,作品76-1
エベーヌ四重奏団 Quatuor Ébène
録音不明
MIR013 (P)2005 Mirare (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

録音時期が不明ですがディスクの発売は2006年です。エベーヌ四重奏団の結成が1999年とのことですので,結成後比較的初期の録音になります。拍手の入るライヴ録音です。

エベーヌ四重奏団といえば,最近ではベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の素晴らしいリリースがありましたね。最近特に注目している四重奏団の一つです。

このハイドンは録音がとても気に入りました。生録的で,残響はほとんどなく,極めてストレートに何の味付けも演出もなく録られています。私にとっては一つの理想の形と言えます。この録音であれば全く不満はありません。文句なしに五つ星の好録音です。

このディスク,すでに廃盤なのか,少しプレミア価格が付いています。私もApple Musicで聴きました。入手が難しいディスクでもこうやってストリーミングで聴けるのは有り難いことですね。

マーラー:交響曲第4番(ヴラディーミル・ユロフスキー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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マーラー:交響曲第4番ト長調
ソフィア・フォミナ (Soprano)
ヴラディーミル・ユロフスキー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
2016年10月12日 ロンドン,ロイヤル・フェルティバル・ホール
LPO-0113 (P)(C)2019 London Philharmonic Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

好きな録音の多いユロフスキ指揮のロンドン・フィル自主制作盤から。マーラーは以前第1番「巨人」を取り上げていました。これも好録音でしたが,この第4番も私としてはほぼ不満のない録音でした。残響はありますが控えめで,個々の楽器音が分離良く質感豊かに捉えられていますし,音色の曇りも少なくクリアーです。中低域の厚みは控えめながら低域の伸びも感じられます。

ユロフスキ指揮ロンドン・フィルの録音がすべて良いとは限らないのですが,引き続きこのような録音でいろんな曲の演奏を残して欲しいと期待します。
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