fc2ブログ

バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(弦楽三重奏版)(ゴルトベルク・トリオ東京)

goldberg_trio_tokyo_bach_goldberg_variations_string_trio.jpg
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988<(弦楽三重奏版)
ゴルトベルク・トリオ東京 Goldberg Trio Tokyo
瀬﨑明日香(Violin),村松龍(Viola),海野幹雄(Cello)
2022年10月4,5日 群馬県,高崎芸術劇場音楽ホール
VTS-021 (P)(C)2023 VIRTUS CLASSICS (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ゴルトベルク・トリオ東京は,瀬﨑明日香(Violin),村松龍(Viola),海野幹雄(Cello)の三名で,2016年末の何気ない雑談から活動が始まり,海野氏の企画するサロンコンサート等で演奏を重ねて来られたそうです。楽譜はシトコヴェツキー編曲版をずっと使われていたそうですが,活動開始から6年経過しレコーディングを計画したときに,自分なりの編曲版を作りたいということで,この海野氏の編曲版が生まれたということです。

演奏は裏拍までキッチリと均等に丁寧に弾くスタイルで,こういうところが日本人的で真面目な演奏だなぁと思います(多分に先入観という気もしますが)。そのため躍動感やスウィング感は希薄で,どちらかといえばおっとりと穏やかに進行していきます。最初は少し物足りない感じもしましたが,どこかホッとする気がして,こういうのも良いかなと思いました。技術的にもそつがなく安定していて安心して聴けます。

録音ですが,残響はわずかながら楽器に被って少し音色に影響はしているものの,それぞれの楽器を分離よく明瞭に捉えているのであまり気になりません。もう少しシャキッと質感高く捉えてくれていたらとは思いますが,まずまず良好です。

リピートですが,後半がすべて省略されています。統一されているのは良いと思いますが,それぞれの変奏が終わるたびにちょっと残念な気持ちになります(つまり残念な瞬間が32回もやってくるんです...)。

演奏時間 約64分
リピート表
Aria ○×
Var.01 ○× Var.02 ○× Var.03 ○×
Var.04 ○× Var.05 ○× Var.06 ○×
Var.07 ○× Var.08 ○× Var.09 ○×
Var.10 ○× Var.11 ○× Var.12 ○×
Var.13 ○× Var.14 ○× Var.15 ○×
Var.16 ○× Var.17 ○× Var.18 ○×
Var.19 ○× Var.20 ○× Var.21 ○×
Var.22 ○× Var.23 ○× Var.24 ○×
Var.25 ○× Var.26 ○× Var.27 ○×
Var.28 ○× Var.29 ○× Var.30 ○×
Aria da capo ○×

マーラー:交響曲第1番「巨人」(セミョン・ビシュコフ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団)

semyon_bychkov_czech_po_mahler_symphony_1.jpg
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
セミョン・ビシュコフ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
12-15 October 2021, Dvořák Hall of the Rudolfinum, Prague
PTC5187043 (P)(C)2023 Pentatone Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ビシュコフ/チェコ・フィルのマーラー全集録音は第2番,第4番,第5番が既発売で(未聴),これが4曲目だと思います。

今回は録音についてのみコメントします。少し楽器が遠くで鳴っている感じで,楽器の質感が感じにくく生々しさもありませんが,立体感のある広い空間を感じるとともに,その中で比較的楽器の定位がはっきりしており,分離感もあります。明瞭感は少し落ちるのと音色が間接音と距離感で少し失われがちではありますが,まずまず良好と言えると思います。

そして,超低域も伸びていて帯域感はありますが,中低域が若干薄めで高域がやや刺激的かなと思います。またピアノからフォルティッシモのダイナミックレンジも広く,オーケストラの鳴り感を存分に捉えているのも良いと思います。

私の好きな録音とは少し違いますが,良いと思いました。既発売の録音も聴いてみようと思います。

ブルックナー:交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)(マルクス・ポシュナー指揮/リンツ・ブルックナー管弦楽団)

markus_poschner_bol_bruckner_symphony_#2_1877_version
ブルックナー:交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)
マルクス・ポシュナー指揮/リンツ・ブルックナー管弦楽団
2022年2月1日 オーストリア,リンツ・ミュージックシアター,リハーサル・ホール
C8089 (P)(C)2023 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

2024年のブルックナーの生誕200年にあたり,これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画「#bruckner2024」の第九弾。これまで第八弾まで取り上げてきました(下記リスト参照)。この企画ではリンツ・ブルックナー管弦楽団とウィーン放送交響楽団が起用されていますが,今回はリンツ・ブルックナー管弦楽団です。

第2番はあまり馴染みがない曲なのでこの機会に聴いてみたいと思います。

録音はシリーズものとして今まで発売されてきたものと統一感がありますが,今回のこの録音は少し多めに豊潤に残響を取り込んでいるように思います。楽器音へのまとわりつきは多少気になるものの,楽器音への被りは少なめで音色への影響も許容範囲です。残響の質も空間性の演出に役立っており悪くないと思います。ブルックナーの録音として一般的にも受け入れられるのではないでしょうか。こういう企画が良好な録音で残されることに感謝したいです。

これまでに発売されてきたものと今後予定されているものを挙げておきます。解説書のリストと指揮者のポシュナー氏のWebサイトも参考にしました。全部で19のバージョンのリリースが予定されています。次の第10弾は第5番のようです。

【#bruckner2024】
[未]交響曲第00番 (1863年 ノヴァーク版)
交響曲第0番(1869年 ノヴァーク版)
[未]交響曲第1番 (1868年)
[未]交響曲第1番 (1891年)
[未]交響曲第2番(1872年)
[今回]交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)
交響曲第3番(1873年 初稿/ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1877年 ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1889年 ノヴァーク版)
交響曲第4番(1876年 第1稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878-80年 第2稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878年稿フィナーレ「民衆の祭り」
交響曲第4番(1888年 第3稿 コーストヴェット版)
[次]交響曲第5番 (1878年 ノヴァーク版)
交響曲第6番 (1881年)
[未]交響曲第7番 (1883年)
交響曲第8番(1887年 第1稿 ホークショー版)
交響曲第8番(1890年 ノーヴァク版)
[未]交響曲第9番 (1894年 ノヴァーク版)

シューマン:交響曲第4番初稿(1841年)・改訂稿(1851年)(ジョン・アクセルロッド指揮/ブカレスト交響楽団)

john_axelrod_bucharest_so_schumann_symphony_4.jpg
シューマン:交響曲第4番初稿(1841年)・改訂稿(1851年)
ジョン・アクセルロッド指揮/ブカレスト交響楽団
18-21 March 2023, Sala Gloria, Bucharest, Romania
ORC 100257 (P)(C)2023 Orchid Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

シューマンの交響曲第4番の1841年の初稿と1851年の改訂稿を収録するという企画。最近では初稿も頻繁に演奏されているようで珍しくなくなってきましたが,こうやって一つのディスクで聴き比べができるというのも興味深いです。

そしてこのディスクの初稿と改訂稿の演奏が全くアプローチが違うのも面白いです。初稿の方は全体的に明らかにテンポが速く,アクセントと音のキレが良く,躍動感に溢れています。一方改訂稿の方はじっくりと鳴らしており落ち着きがあります。私にとっては稿の違いよりもアプローチの違いがより大きく感じられました。初稿の演奏の方が私の好みに合います。

録音ですが,残響は少し多めで,残響の影響で少しモゴモゴとした感じがあります。オーケストラの普通の録音の部類には入ると思いますが,もう少しスッキリと明瞭に録って欲しいところです。惜しいです。

タグ: [交響曲] 

シベリウス:交響曲第3番,カレリア組曲,交響詩「フィンランディア」(村川千秋指揮/山形交響楽団)

chiaki_murakawa_yamagata_so_sibelius_symphony_3.jpg
シベリウス:交響曲第3番ハ長調作品52
シベリウス:カレリア組曲作品11
シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
村川千秋指揮/山形交響楽団
2023年1月15日 山形県,やまぎん県民ホール,2022年4月16,17日 山形テルサホール
MYCL00045 (P)2023 MClassics 妙音舎 (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

指揮者の村川千秋氏は山形交響楽団の創立者で今年90歳で,山形交響楽団の創立50周年記念となる第300回定期演奏会のライブ収録ということです。

演奏はシベリウスとしては少し熱が入っているなと思いましたが,前記のような記念の演奏会ということで少し納得です。しかし,指揮者が90歳とは少し驚きました。演奏からは全く年齢を感じることはなく,またこれは本当にライブなのか?というくらいそつのない完成度だと思いました。良かったです。

録音ですが,残響は少し多めに入っていますが,楽器音をしっかりと捉えているためあまり残響は気になりません。そしてライブとは思えない雑音のなさにも驚きました。必要な音だけを選び取ったような感じで不自然さすら感じてしまいます。好録音だとは思いますがどこか作り物のような感じが残ります。もう少し生の自然さがあったらなぁと思いました。

シューマン:交響曲第4番,ブラームス:交響曲第4番,他(アレクサンダー・シェリー指揮/カナダ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団)

alexander_shelley_cnaco_brahms_4_schumann_4.jpg
シューマン:交響曲第4番ニ短調作品120
ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98,他
アレクサンダー・シェリー指揮
カナダ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団
2019-2023å¹´
AN28884-5 (P)2023 Analekta (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

シューマンとブラームスの交響曲を第1番から順に1曲ずつとクララ・シューマンの作品を収録する企画の第4弾。第1弾,第2弾と第3弾は以前取り上げていました。今回で完結ということです。

交響曲以外は下記の作品が収録されています。

クララ・シューマン:3つのロマンス ~ ヴァイオリンとピアノのための 作品22(*)
クララ・シューマン:3つのロマンス ~ ピアノのための 作品11(**)
クララ・シューマン:ロマンス ロ短調(**)
クララ・シューマン:J.S.バッハの主題による3つのフーガ(**)
クララ・シューマン:前奏曲とフーガ 嬰へ短調(**)
クララ・シューマン:3つの前奏曲とフーガ 作品16(**)
スチュワート・グッドイヤー:クララ・シューマンの主題による即興(**)

(*)川崎洋介(Violin)/アンジェラ・ヒューイット(Piano)
(**)スチュワート・グッドイヤー(Piano)

今回も交響曲のみのコメントです。演奏はシリーズとして統一感があり,速めのテンポでスッキリと締まっており整った今どきのスマートな演奏です。どちらというとオーソドックスで強い主張のない癖のない演奏なので印象に残りにくいですが,私にとってはすんなりと受け入れられる好演奏というのも同じです。

録音についてもシリーズでほぼ統一感があります。残響感はありますが,楽器音への被りは少なめで,音色の癖も曇りも少ないので悪くありません。楽器の分離感,音のキレもそこそこあります。ステージ感,左右の広がり感はシューマンの第4番が少しだけ良くなったかなという印象です。オーケストラ録音として欠点が少ない好録音だと思います。

好録音が多数! NPR Music Tiny Desk Concertより

今までに何度か取り上げたことがありますが,NPR musicのTiny Desk Concertでいくつか気に入った動画が見つかりましたので,備忘録がてら紹介します。このステージの距離感,そしてこの好録音! これが好きなんです。

まずヨーヨー・マのバッハ無伴奏チェロ組曲です。3回目の全集録音のあと,ワールドツアーを始められた頃に収録されいるようです。


これは前に一度紹介しました。もう10年以上前に収録されたんですね。私の大好きな好録音の見本のような録音です。


特に最初のC.P.E. Bach: Rondo in C Minorのアップライトピアノの音が可愛らしくチャーミングで最高に好きです。


テイラー・スウィフトは有名ですがほとんど聴いたことがありませんでした。このギターやピアノの弾き語りは聴き入ってしまいます。


Bee's Wingが好きでこの曲だけはよく聴くリチャード・トンプソンのギター弾き語り。渋いです。


よろしければ一度観てみてください。

ショパン練習曲集作品10第4番嬰ハ短調最速演奏 ~ カーネギーホール・ライブ Vol.4 (1949)より(シモン・バレル)

simon_barere_carnegie_hall_recordings_vol4_1949.jpg
カーネギーホール・ライブ Vol.4 (1949)
シモン・バレル Simon Barere (Piano)
録音不明(1949年?)
APR5624 (P)2003 APR (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ショパンの練習曲集作品10第4番嬰ハ短調の最速の演奏としてこのディスクに収録されている同曲をブログ読者の方から教えていただきました(有り難うございます!)。私のカウントではタイムは1:40で,ご紹介いただいた通り確かに最速でした!

しかし,ここまでくるともう音楽として普通に楽しめるギリギリのところという感じです。音楽的にはもうこのあたりが限界なのではないでしょうか...

収録されている曲目は参考に挙げたURLでご確認ください。

ガスパール・クンマー:フルートとギターのための作品全集(フアン・コシオ/アグスティン・マルーリ)

juan_cossio_gaspard_kummer_complete_works_fl_and_g.jpg
ガスパール・クンマー:フルートとギターのための作品全集
フアン・コシオ Juan Cossío (Flute)
アグスティン・マルーリ Agustin Maruri (Guitar)
録音不明
(P)2023 HR Recordings
好録音度:★★★★
参考: Apple Music,amazon music

ブログ読者の方から教えていただきました(有り難うございます!)。

2020年11月頃,40年近く前にFMで放送されていたフルートとギターの二重奏曲の作曲者と曲名を知りたいとYouTubeに音源をアップし,ブログとツィッターで募集したところ,今年の1月にカスパー・クンマーの夜想曲という情報をいただき,40年来の疑問が解けたということがありました。

【作曲者・曲名が判明しました】 この曲の作曲者・曲名等をご存じの方がおられましたらぜひ教えてください!

そのときにご紹介いただいたディスクも入手して取り上げていました。

クンマー:フルートを伴う室内楽作品集(ベント・ラーセン/ヤン・ソマー,ほか)

その後,先の記事のコメントで,Juan Cossíoというフルーティストの演奏もあるとご紹介いただいていました。これがその演奏です。ディスクでの発売があるのかどうかはわかりませんでしたが,Apple Musicとamazon musicでありましたのでご紹介します(ご紹介が遅くなってしまい失礼しました)。

以下の曲が収録されています。

Amusemens, Op. 38
Amusemens, Op. 18
Nocturne, Op. 40
Amusemens, Op. 56
Amusemens sur des thèmes favoris de I'opéra "La Muette de Portici", Op. 63
Six Divertissemens, Op. 70
Variations sur le theme "La Sentinelle", Op. 5


いずれも明るくほのぼのとした曲ばかりで癒されました。

なお,作曲者名についてKaspar KummerなのかGaspard Kummerなのか,よくわかりませんが,作品は合っているので同じ作曲者を指していると思います。

そういえば,今思い出したのですが,40年前にNHK-FMを録音したカセットテープの曲名のところに確か「夜のガスパール」と書いていました。作曲家名の「ガスパール・クンマー」と「夜想曲」がなぜかごっちゃになってメモしていたのかなと。曲名のメモの謎も今少し解けました。

バッハとヘンデル:架空の出会い(リナ・トゥール・ボネ/ダニ・エスパーサ)

lina_tur_bonet_bach_and_handel.jpg
バッハとヘンデル:架空の出会い Bach & Handel: An Imaginary Meeting
リナ・トゥール・ボネ Lina Tur Bonet (Violin)
ダニ・エスパーサ Dani Espasa (Harpsichord)
2019年4月29日-5月1日 スペイン
AP219 (P)(C)2019 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

リナ・トゥール・ボネはスペインのバロック・ヴァイオリン奏者でバロックアンサンブル「ムジカ・アルケミカ」の創設者。

このディスクでは1685年生まれで同世代でありながら生涯会うことがなかったというバッハとヘンデルのヴァイオリン・ソナタを交互に並べて演奏し対比するという企画のようです。収録曲は下記の通りです。

バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番ハ短調 BWV 1017
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 HWV 371
バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第5番ヘ短調 BWV 1018
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 HWV 359a
バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第6番ト長調 BWV 1019

私がここで取り上げたのは大好きなヘンデルのHWV 371の第1楽章がとても美しかったからで,演奏も良かったのですが,録音も良く,特にチェンバロの深みと透明感のある響きが素晴らしく大好きな音色でした。ということで,このヘンデルのHWV 371ばかりを繰り返し聴いています...

この奏者の他の演奏も聴いてみたくなりました。バッハのヴァイオリン協奏曲集やコレッリのヴァイオリン・ソナタ集作品5も録音されているようなので,機会があればまた取り上げたいと思います。

チャイコフスキー:交響曲第5番(アンドレア・バッティストーニ指揮/RAI国立交響楽団)

andrea_battistoni_rai_so_tchaikovsky_symphony_5.jpg
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
アンドレア・バッティストーニ指揮/RAI国立交響楽団
2016年7月6日 トリノ,RAIオーディトリアム
COGQ-104 (P)2017 Nippon Columbia (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

明快でわかりやすく,ツボを押さえた演奏だと思いました。躍動感があり聴き応えがあります。こういう演奏は好きですね。

録音ですが,残響は少しありますが,個々の楽器の音をしっかりと分離よく質感良く捉えていて,明瞭感で音色も自然で高域のヌケも良好です。特に弦楽器の質感が良く,弦楽器を中心に据えた音作りにも好感が持てます。低域から高域までのバランスも良く,低域も締まっています。オーケストラの録音として欠点が少なくかなり良いと思いました。

演奏も録音も良くちょっとした掘り出し物でした。

モーツァルト:交響曲第40番,第41番「ジュピター」(弦楽五重奏版)(パンドルフィス・コンソート)

pandlfis_consort_mozart_symphonies_40_41.jpg
モーツァルト:交響曲第40番,第41番「ジュピター」(弦楽五重奏版)
パンドルフィス・コンソート Pandolfis Consort
2022年6月14-16日 オーストリア,ニーダーエスターライヒ州,Atelier 73, Unterretzbach
GRAM99300 (P)2023 Gramola Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

パンドルフィス・コンソートによるモーツァルトの協奏曲や管弦楽曲を室内楽で演奏するシリーズ「リヒテンタール博士のモーツァルト」の第二弾(第一弾はピアノと弦楽四重奏によるピアノ協奏曲第20番ほか)。輸入元情報によると,リヒテンタール博士とは「ブラチスラヴァ生まれの医師・作曲家ペーター・リヒテンタール[1779-1853](本名:ヴォルフガング・マイヤー)」とのことで,モーツァルトの熱烈な信奉者で,様々な作品の編曲版を残されているそうです。

弦楽五重奏の編成は,ヴァイオリン2,ヴィオラ2,チェロ1です。編曲は原曲の交響曲をそのままのイメージで弦楽五重奏曲に落とし込んでいるように思います。交響曲の縮小版という感じで,こうして室内楽の構成で聴いてみると,交響曲と室内楽との楽器の使い方,音の構成の違いが際立つように思います。室内楽編成なのに室内楽として耳に入ってこないのは,原曲の交響曲を知っているからということもあると思いますが,曲の構造の違いがやっぱりあるのだなと改めて認識した次第です。楽器の編成の関係もあると思いますが,低域が薄く中高域に音が偏っていて少し腰高な感じに聴こえてしまうのも,元々室内楽として考慮されたものではないからかもしれません。

こういう編曲ものを聴くと,いろいろと新しい発見があって面白いですね。

録音は,残響感はほとんどなく,それぞれの楽器の直接音を明瞭に分離良く捉えていて良いと思います。少し高域が刺激的に聴こえるかもしれません。室内楽の録音として好ましい録り方だと思います。好録音です。

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲(戸田弥生)

yayoi_toda_ysaye_six_sonatas_for_violin_solo.jpg
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲
戸田弥生 Yayoi Toda (Violin)
2004年3月3-5日 埼玉・秩父ミューズパーク
OVCL-00179 (P)2004 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ブログ読者の方から録音が良いということでご紹介いただいたディスクです(有り難うございます!)。

それでその録音なのですが,紹介いただいた通り良いですね。残響を抑え,直接音を主体に極めて明瞭に捉えています。欲を言えば高域のわずかな曇りがなければなお良かったです。また音像が左右に頻繁にフラフラするのもヘッドホンで聴く場合には少し気になりました。眼前で弾いているような立体感で音像が安定していて欲しいところです。とはいえ,これは文句なしの好録音ですね。

演奏は,緊張感・集中力の高さとテクニックのキレが素晴らしいですね。とても良かったです。

ベートーヴェン:交響曲全集(ズービン・メータ指揮/フィレンツェ五月祭管弦楽団)

zubin_mehta_beethoven_complete_symphonies_ama.jpg
ベートーヴェン:交響曲全集
ズービン・メータ指揮/フィレンツェ五月祭管弦楽団
2021年9月-10月, 2022年9月 イタリア,フィレンツェ五月音楽祭歌劇場
CDS7950.05 (P)(C)2023 Dynamic Italy (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

拍手の入るライブ録音。メータは1936年生まれで85歳で初めてのベートーヴェン交響曲全集の録音ということです。演奏会ではベートーヴェンを度々取り上げていたそうですが,録音は少ないようです。

演奏は全体にテンポがゆっくりで,一歩一歩確かめるように進行していくのが独特です。推進感はほとんどなく,このユルさが良いところでもあり,もどかしさも感じます。そして楽団員もこのユルさに戸惑っている感じがしました。縦の線が甘く,アンサンブルが崩れてテンポを見失いそうになるところもあり,落ち着かない感じです。ライブなので多少のキズは仕方ないと思いますが,少し追い込み不足という気がします。

録音ですが,残響はそれなりに取り込まれているのですが,直接音がしっかりと捉えられていて,明瞭感,音色ともごく自然であり,演出感もほとんどなく,ライブの雰囲気を素直に捉えた好録音だと思います。特に弦楽器を中心にした音作りになっていて質感も良いのが気に入りました。優秀録音とは違いますが,ライブの録音としてはまずまず良く,私の好きなタイプの録音でした。

なおCDの他にBlu-ray, DVDでもリリースされています。

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(2019年収録)(ヨーヨー・マ)

yo-yo_ma_2019a_bach_cello_suites.jpg
バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ヨーヨー・マ Yo-Yo Ma (Cello)
2019年6月30日,ギリシャ,アテネ,ヘロディス・アッティコス音楽堂
754504 (P)2020 C Major (輸入盤) *Blu-ray Disc
好録音度:★★★★☆(ただし難あり)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

「CD試聴記」からの転載記事です。

輸入元情報によると,3回目の全集発売後, 2018年8月のデンバー公演を皮切りに世界36か所で演奏するという「バッハ・プロジェクト」を展開されたということで, このディクスはその中のギリシャ,アテネのヘロディス・アッティコス音楽堂(→Wikipedia)で行われたライブを収録したものということです。 メディアでの全集の発売はこれが4回目です。 この映像作品は2020年1月1日にWOWOWでも放送されていましたのでご覧になった方もいらっしゃると思います。

演奏は基本的には3回目の全集の延長線上と思うのですが,だいぶ印象が異なります。 こういったライブ特有かもしれませんが,バッハ演奏の呪縛から解かれたかのような自由で開放的な雰囲気に包まれています。 リズムも軽く崩しながらアクセントを付けていくことで音楽が前に転がっていくような効果も与えています。 長いキャリアのなかで様々なジャンルの音楽を経験してきたからこその演奏という気がします。 こういう楽しいバッハ演奏もいいですね。

録音ですが,屋外のステージなので残響はほぼありません。 楽器の響きを明瞭にダイレクトに捉えていて生々しさがあり好感が持てます。 ただし,周囲の環境ノイズや風の音,さらには第2番の最後の曲で虫の鳴く音?が盛大に入っていたりして, 音楽に集中できない面も残念ながらあります。 こういう映像効果が主の作品なので,その点ではライブの雰囲気が伝わってきて良いのかもしれませんが。

Athen_Odeon_Herodes_Atticus_BW_2017-10-09_13-12-44_w640.jpg
ヘロディス・アッティコス音楽堂(Wikipediaより)

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(2017年録音)(ヨーヨー・マ)

yo-yo_ma_2017a_bach_cello_suites.jpg
バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ヨーヨー・マ Yo-Yo Ma (Cello)
Mechanics Hall, Worcester, MA, December 12-15, 2017
19075854652 (P)(C)2018 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

「CD試聴記」からの転載記事です。

2回目の録音から20年後,62歳での3回目の全集録音。 「シックス・エヴォリューションズ」というタイトルが付けられています。

1回目,2回目の全集と比べるとずいぶんと落ち着いた演奏です。 肩の力が抜けて陰影が刻まれニュアンスが豊かな音楽になりました。 長い年月の積み重ねで獲得された境地とでも言いましょうか,そんな心の平穏を感じたりもします。 インパクトは薄れましたが奥行きと深みのある心のこもった良い演奏だと思います。

録音は残響は少しありますが楽器音をしっかりと捉えていてこの点は良いと思うのですが, 響きの取り込みの影響か,少し高域のヌケがわるくこもった感じの音色になってしまっています。 もう少し生々しさが欲しいところです。 惜しいです。

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(1994-97年録音)(ヨーヨー・マ)

yo-yo_ma_1994-97a_bach_cello_suites.jpg
バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ヨーヨー・マ Yo-Yo Ma (Cello)
Ishihara Hall, Osaka, Japan, June 7-9, 1994 / First Congregational Church, Lee, Massachusetts, USA, June 21, 1994 / Santa Maria in Aventino, Rome, Italy, April 22-23, 1995 / Jordan Hall at the New England Conservatory of Music, Boston, Massachusetts, USA, June 29-30, 1996 / The Ford Centre for the Performing Arts, North York, Ontario, Canada, August 1-3, 1996 / Mechanics Hall, Worcester, Massachusetts, USA, August 5-6, 1997
SRCR 1955-6 (P)(C)1997 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

「CD試聴記」からの転載記事です。

「インスパイアド・バイ・バッハ」と題された映像作品のサウンドトラック。 庭園デザイナー,建築家,振付師,映像監督,歌舞伎俳優(坂東玉三郎),アイスダンサー,といった, 異なる分野で活躍するアーティストとのコラボレーション映像作品での演奏が収録されています。 1回目の全集から12年後の1994-1997年(39-42歳)に制作された2回目の全集。 なお4回の全集のうち,これだけがバロックピッチで演奏されています。

大変意欲に満ちた演奏で,ダイナミックで躍動感に溢れ,音色に張りがあり,技術的にも隙がなく細部まで徹底的に磨き上げられています。 まさに脂ののった充実した演奏です。 4回の全集のなかではここがピークという感じがします。 他のアーティストとのコラボレーションで映像作品ということもあるかもしれませんが, 作品に真正面から向き合った主張の強い魅せる演奏です。

録音ですが,録音時期によって少し差はあるものの,ボディ感たっぷりに太い音色で録っているのは良いのですが, 響きも少し多めで演出感が強く癖もあり,圧迫感のある暑苦しい録り方になっていると思います。 迫力は十分にあるのですが,もう少しスッキリと録って欲しかったなと思いました。

映像作品もDVDで観ましたが,まぁ私としてはあまり興味をそそられるものではなかったです。

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(1982年録音)(ヨーヨー・マ)

yo-yo_ma_1982a_bach_cello_suites.jpg
バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ヨーヨー・マ Yo-Yo Ma (Cello)
1982年2月23日, 4月19-20日, 5月11-12日 ニューヨーク,ヴァンガード・スタジオ
SICC 1824-5 (P)(C)1983 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

「CD試聴記」からの転載記事です。

ヨーヨー・マは1955年生まれ。 バッハの無伴奏チェロ組曲のメディアでのリリースは映像含めて4回と思います。 これはその1回目,1982年,27歳の時の録音です。

圧倒的な技術力で攻める演奏ですね。 余力を活かして細部まで磨き上げているところもあれば, 勢いに任せ粗くなることをいとわず直線的に突き進むところもあります。 ひたすら明るく快活で,バッハの音楽がこんなに健康的,楽天的でいいのか?と思えるほど音楽が活き活きしています。 陰影に乏しいと言われれば確かにそうかもしれませんが,元々そういう彫りの深い演奏を目指したわけではないでしょうし, 若者の挑戦として好ましいと感じます。

録音ですが,残響感というか響きが少し多めにあり,その響きが楽器音に被って音色が少しくすんでしまっています。 響きが空間性や立体感にあまり寄与しておらず,演出感が少し強めです。 明瞭感はそこそこあるのですが,高域もやや詰まった感じであまり良いとは言えないです。 ちょっと残念です。

この1982年録音の1回目のディスクは現役盤があるのかどうかよくわかりませんでした。ですが,2023年の最新リマスター盤が2023年10月中旬にSA-CDで発売になるようです。音質が改善されているのか興味はあるのですが...

チャイコフスキー:交響曲第5番,幻想序曲「ロメオとジュリエット」(アジス・ショハキモフ指揮/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団)

aziz_shokhakimov_tchaikovsky_symphony_5.jpg
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
アジス・ショハキモフ指揮/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団
2022年10月13,14日 ストラスブール,Palais de la Musique et des Congres
5419753851 (P)(C)2023 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ショハキモフは1988年生まれウズベキスタン出身,2021年よりストラスブール・フィルの音楽監督,注目の若手指揮者とのこと。音楽に癖がなく,現代的で洗練されカッコ良く仕上げています。個性を前面に出すような演奏ではありませんが,推進力のあるダイナミックで引き締まった演奏は素晴らしいです。

録音ですが,残響をは控えめに楽器そのものの音色を質感良く捉えていると思います。サウンドにキレがあり中低域の響きも締まっていて伸びもあります。演出感も少なめで自然です。昨今の標準的なオーケストラ録音という感じで,欠点が少なくそつなく上手くまとめていると思います。好録音です。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(ヒラリー・ハーン)

hilary_hahn1a_bach_sontasas_and_partitas.jpg
[1]
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,第3番
ヒラリー・ハーン Hilary Hahn (Violin)
Recorded at the Troy Savings Bank Music Hall, Troy, New York, June 17-18, December 23, March 23-24, 1997.
SK 62793 (C)(P)1997 Sony Music Entertainment Inc. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

hilary_hahn2a_bach_sontasas_and_partitas.jpg
[2]
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番
ヒラリー・ハーン Hilary Hahn (Violin)
February and June 2012, June 2017, The Fisher Center for the Performing Arts, Sosnoff Theater, Bard Collage
00289 483 3954 (C)(P)2018 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

「CD試聴記」からの転載記事です。

[1]はヒラリー・ハーン17歳で録音されたデビューCDで,[2]はそのおよそ15,20年後に録音・発売されたCD。 これらを合わせて「全集」と呼ぶには少しためらいもありますが,[2]の選曲は全集化を意識してのことと思われるので「全集」として扱いたいと思います。

[1]について,パルティータ第3番は若々しく溌剌と躍動感があり, パルティータ第2番は一転してゆったりしたテンポでじっくり弾いています(シャコンヌは17:47かけています)。 ソナタ第3番は静と動が絶妙にバランスしています。

特筆すべきはやはり不自然なほどに完璧で圧倒的な技術の完成度。 淀みなく滑らかに連なる旋律,そして完璧に溶け合う和音の美しさ。 特にシャコンヌの長調になる中間部の和音の天上的な神々しい響きは本当に素晴らしいです。 若いからこその純粋無垢さ,そして個性とか感情とかそういったことを超越した孤高の演奏だと思いました。

[2]について,突出した技術力に支えられた完璧な演奏である点は[1]と同様ですが, [1]と比べるとずいぶんエモーショナルで人間的,長い年月を経て音楽的成長を遂げた一方で, 失われていったものも大きいと感じざるを得ません。 これはこれで非常に完成度の高い演奏であることは間違いないのですが。 [1]の時期に全集録音されていなかったのが残念でなりません。

録音ですが,[1]は少し残響感があり楽器音にまとわりついて音色に影響しているものの, 明瞭感は十分にあり楽器の質感も伝わってきます。 高域の伸び感もそこそこあります。 不満はあるものの良好と言えます。

一方[2]の録音ですが,残響感は少なめですが会場の響きの影響とやや遠めの距離感のためか, 少し雑味があり音色の透明感が少し良くありませんし,楽器の質感も弱めです。 これでも十分良い録音だとは思うものの少し不満が残ります。 惜しいです。

余談ですが,[1]はこのCD試聴記で一番最初に取り上げたCDであり, この聴き比べのページを作るきっかけにもなった思い出深いCDです。 ということもあり強い思い入れがあることをご了承いただきたく存じます。

「CD試聴記」更新再開しました

2018年8月20日以降更新が途絶えておりました「CD試聴記」の更新を,本日2023年9月3日より再開しました。

ほぼ5年間更新を怠ってしまい,メンテナンスが追いついていないところも多々ありますが,今後は細々でも更新が続けられるようにしたいと存じます。 

また再開にあたり,独自の新ドメインtsy227.comを取得し,サイトをこの新ドメインに移設しました。当面旧サイトも更新しますが,ブックマークを新ドメインに変更していただけると幸いです。新ドメイン移行直後なので何かおかしなところがあればご指摘いただけると助かります。

再開最初の記事はヒラリー・ハーンのバッハ無伴奏ヴァイオリン全集です。2002年にCD試聴記を立ち上げたときに最初に取り上げたのがヒラリー・ハーンでした。思いで深いディスクです。

ということで,今後ともよろしくお願い申し上げます。

モーツァルト:交響曲第39番,第40番(ペトル・ポペルカ指揮/ノルウェー放送管弦楽団)

petr_popelka_norwegian_radio_o_mozart_symphonies_39_40.jpg
モーツァルト:交響曲第39番,第40番
ペトル・ポペルカ指揮/ノルウェー放送管弦楽団
2022年1月24-28日, 8月22日 ノルウェー,オスロ,NRKラジオ・コンサート・ホール
LWC1258 (P)(C)2023 LAWO CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ペトル・ポペルカは1986年プラハ出身でシュターツカペレ・ドレスデンのコントラバス奏者だったようです。指揮者としての活動は2016年からということでまだまだ経歴も浅いですが,すでに様々な一流オーケストラと共演をされている期待の若手とのことです。

編成がはっきりしないのですが,解説書の写真を見るとフルオーケストラよりは少し弦楽器の人数を絞っているようです。たしかに機敏で締まりがありますが,音を聴くとスケールが大きく力強い迫力がありフルオーケストラの演奏かと思ってしまいます。ピリオド奏法は取り入れられているようにも思いますがあまりそれを強調はされていないと思いました。こういう演奏は昨今では少数派かなと思います。

録音ですが,残響はそれほど多くありませんが,少しマイク位置が遠いのか録音会場の雰囲気を多少多めに取り込んでいます。演出感は少なく生の雰囲気を残しているのが良いと思います。個人的にはもう少し弦楽器の質感を強めに録って欲しいと思いましたが許容範囲です。少しオマケですが四つ星半の好録音としました。

ミヒャエル・ハイドン:交響曲第39番,ヨーゼフ・ハイドン:交響曲第96番「奇跡」,他(エンリコ・オノフリ指揮/ハイドン・フィルハーモニー)

enrico_onofri_haydn_philharmonie_joseph_and_michael_haydn.jpg
ミヒャエル・ハイドン:交響曲第39番,序曲「償われた罪人」
ヨーゼフ・ハイドン:交響曲第96番「奇跡」,人形歌劇「フィレモンとバウチス(神々の会議)」への前奏曲
エンリコ・オノフリ指揮/ハイドン・フィルハーモニー
2023年4月11-16日 オーストリア,オシアッハ,ケルンテン州立音楽院アルバン・ベルク・ザール
MDG 901 2292-6 (P)(C)2023 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

輸入元情報によるとハイドン・フィルハーモニーは,アダム・フィッシャーがハイドンの交響曲全曲を演奏するために設立しNimbusレーベルに全集を完成させたオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団のことのようです。2022年から同楽団のアーティスティック・パートナーとなったエンリコ・オノフリを指揮者としてハイドン録音の新シリーズをスタートさせたとのことで,これがその第一弾のようです。ヨーゼフ・ハイドンと実弟のミヒャエル・ハイドンの作品を収録しています。快活で歯切れの良い演奏が魅力で,それほどピリオド奏法を強調していないので私の好みに合います。

録音は,残響はあるもののスッと消えて楽器音への被りが少ないため,明瞭感があり音色も綺麗です。会場の雰囲気を取り込みすぎず,演出感も少ないのが良いです。もう少し楽器の質感を強めに捉えて欲しいとは思いましたが,これでも十分に好録音と言えると思います。

今後の録音も楽しみです。
-->