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ブルックナー:交響曲第1番 (1868年 第1稿 レーダー版)(マルクス・ポシュナー指揮/リンツ・ブルックナー管弦楽団)

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ブルックナー:交響曲第1番 (1868年 第1稿 レーダー版)
マルクス・ポシュナー指揮/リンツ・ブルックナー管弦楽団
2023年2月2,3,7,8日 オーストリア,リンツ・ミュージックシアター
C8092 (P)(C)2024 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,HMV Onlineicon,Apple Music

2024年のブルックナーの生誕200年にあたり,これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画「#bruckner2024」の第11弾。これまで第10弾まで取り上げてきました(下記リスト参照)。この企画ではリンツ・ブルックナー管弦楽団とウィーン放送交響楽団が起用されていますが,今回はリンツ・ブルックナー管弦楽団です。

毎回のことですが...この第1番も今まであまり聴いてこなかった曲なのでこの機会にじっくり聴いてみたいと思います。

録音についても前回同様で,シリーズとして今まで発売されてきたものと基本的には統一感がありますが,最近の録音の傾向として少しホールトーンを多めに取り入れているように思われ,この録音もその傾向に入るかなと思います。不満はあるものの,良好な部類には入ると思いましたので四つ星半の好録音としました。

これまでに発売されてきたものと今後予定されているものを挙げておきます。解説書のリストと指揮者のポシュナー氏のWebサイトも参考にしています。全部で19のバージョンのリリースが予定されています。次の第12弾は第2番(1872年)のようです。

【#bruckner2024】
[未]交響曲第00番 (1863年 ノヴァーク版)
交響曲第0番(1869年 ノヴァーク版)
[今回]交響曲第1番 (1868年 第1稿 レーダー版)
[未]交響曲第1番 (1891年)
[次]交響曲第2番(1872年 第1稿 キャラガン版)
交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)
交響曲第3番(1873年 初稿/ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1877年 ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1889年 ノヴァーク版)
交響曲第4番(1876年 第1稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878-80年 第2稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878年稿フィナーレ「民衆の祭り」
交響曲第4番(1888年 第3稿 コーストヴェット版)
交響曲第5番 (1878年 ノヴァーク版)
交響曲第6番 (1881年)
[未]交響曲第7番 (1883年)
交響曲第8番(1887年 第1稿 ホークショー版)
交響曲第8番(1890年 ノーヴァク版)
[未]交響曲第9番 (1894年 ノヴァーク版)

シューベルト:交響曲第9番ハ長調D.944「グレート」(マキシム・エメリャニチェフ指揮/スコットランド室内管弦楽団)

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シューベルト:交響曲第9番ハ長調D.944「グレート」
マキシム・エメリャニチェフ指揮/スコットランド室内管弦楽団
2019年2月11-13日 ダンディー,カイヤード・ホール
CKD 619 (P)(C)2019 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

モーツァルトの交響曲集が良かったマキシム・エメリャニチェフがスコットランド室内管弦楽団と録音したシューベルトを見つけたので聴いてみました。同楽団との第一弾とのことです。颯爽としておりスッキリと見通し良く仕上げているところは室内管弦楽団の良さを活かした彼らしい演奏と言えると思います。

録音ですが,残響はやや多めにありますが,各楽器の直接音も捉えていて音の輪郭がクッキリとしているため楽器の質感も感じ取りやすく,また分離感もあるためまずまず良好です。私としては残響がもう少し抑えられている方が好きなのですが,直接音と残響のバランスは悪くないと思いますので,好ましく思われる方は多いと思います。Linn Recordsらしい録音ですね。

ドビュッシー,ラヴェル:弦楽四重奏曲,他(カルテット・アロド)

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ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調作品10
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
アタイール:アル・アスル(午後の祈り)~弦楽四重奏のための
カルテット・アロド Quatuor Arod
5419775230 (P)(C)2023 Warner Classics/Erato (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

カルテット・アロドは2013年結成のフランスの弦楽四重奏団。ドビュッシーもラヴェルも卓越した技術で力強く濃厚に演奏しています。スマートで上品な演奏を想像して聴き始めたのですがだいぶ印象が違いました。フランスの弦楽四重奏団でもこういう演奏をするんだと少し意外な感じがしましたが,これはちょっと勝手な先入観だったと反省。

録音ですが,演奏と同様に楽器の音を濃厚に捉えていて,これ自体は悪くないのですが少し暑苦しい印象を受けてしまいます。高域の伸び感もあまりありません。もう少しスッキリと捉えて欲しかったところです。惜しいと思います。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集 第1集(ドーリック弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集 第1集
第1番,第6番,第7番,第11番,第12番
ドーリック弦楽四重奏団 Doric String Quartet
2021年12月14-16日, 2023年2月1-3日,6月6,7日 イギリス,サフォーク,ポットン・ホール
CHAN 20298 (P)(C)2023 Chandos Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

全集の第一弾。ドーリック弦楽四重奏団は1998年の結成で,結成25周年となるタイミングでこの全集をスタートさせたということです。ドーリック弦楽四重奏団のディスクは,今までハイドン:弦楽四重奏曲 作品76 「エルデーディ四重奏曲」,ハイドン:弦楽四重奏曲集作品64「第3トスト四重奏曲集」,メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集,弦楽五重奏曲を取り上げてきていました。いずれも大変素晴らしい出来で,いつも新録音を楽しみにしている四重奏団の一つです。

このベートーヴェンも,オーソドックスながら溌剌と躍動感に満ちており,かつ現代的でスッキリとしたアプローチで好感の持てる演奏でした。

録音ですが,残響はありますが控えめに抑えられており,演出感の少ない自然な音響が良いと思いました。優秀録音ではないかもしれませんが,最近のChandosらしい好録音と思いました。

全集の完成が楽しみです。

バッハ:パルティータ第1番,第2番,第5番(室内管弦楽版)(トレヴァー・ピノック指揮/ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル)

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バッハ:パルティータ第1番,第2番,第5番(室内管弦楽版)
トレヴァー・ピノック指揮/ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル
2023年3月27-29日 イギリス,サフォーク,スネイプ・モルティングス
CKD 730 (P)(C)2023 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

先日取り上げたトレヴァー・ピノック指揮/ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブルのゴルトベルク変奏曲の室内管弦楽版に続く企画第2弾。編曲は作曲家のトーマス・エーラーで,"re-imagined for small orchestra"とあり,一歩踏み込んだ編曲になっています。一瞬管弦楽組曲のようにも聴こえますが,原曲を活かしながらも色彩がとても豊かで響きも美しく今の時代の編曲だなぁと感じました。

録音ですが,残響の取り込みは少しありますが,音色への影響は少なく音色や響きが綺麗です。ただ,演出感が強めで現実感,実在感の乏しく,私としてはもう少し生々しく楽器の質感を出した録音にして欲しかったなと思います。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988(室内管弦楽版)(トレヴァー・ピノック指揮/ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル)

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988(室内管弦楽版)
トレヴァー・ピノック指揮/ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル
2019年3月22,23日 スネイプ・モルティングス,ブリテン・スタジオ
CKD 609 (P)(C)2020 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ゴルトベルク変奏曲の室内管弦楽版。編曲はポーランドの作曲家ユゼフ・コフレル[1896-1944]で,ヘルマン・シェルヘンの遺品から1994年に発見されたものということです。原曲を室内オーケストラで忠実に再現するというのではなく,輸入元情報にも記載されている表現を借りれば「肉付けして拡張した」もので,変奏毎に室内楽から管弦楽にわたる多様な編成で,多彩でバラエティに富んだ音楽に仕立てられています。ここまでくると鍵盤楽器による演奏と同じような感覚では聴けないのですが,これはこれで楽しめますね。

録音ですが,スタジオでの録音のようですが,残響はそれほど多くないものの,いかにも閉空間で録音されたという感じで響きが被っており,距離感も少しあって音色がくすみがちです。左右の広がり感や立体感にもやや乏しく,悪くはないのですが,録音としての魅力があまりありません。せっかくのスタジオ録音が活かせていないと思います。もう少し各楽器に寄って直接音を鮮明に生々しく捉えて欲しいところです。惜しいです。

最後にリピートですが,幾つかの変奏で後半のリピートの省略がありましたが,聴いていてあまり気にはなりませんでした。それよりも第6変奏と第7変奏の順番が入れ替わっていて,そのあともあれあれっ?ていう感じがしばらく続いてしまいます。意図的なものか編集上のミスなのかわかりませんが,ミスだとしたらちょっとずさんだと思いました。(→ブログ読者の方から編曲者の意図であるとコメントをいただきました。有り難うございました。)

演奏時間 約80分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○× Var.14 ○○ Var.15 ○×
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○× Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○× Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ××

タグ: [室内楽曲] 

モーツァルト:交響曲第1番,第41番,第29番,第40番,他(マキシム・エメリャニチェフ指揮/イル・ポモ・ドーロ)

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モーツァルト:交響曲第1番,第41番「ジュピター」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
マキシム・エメリャニチェフ指揮/イル・ポモ・ドーロ
2022年6月28-30日 パリ,ノートルダム・デュ・リバン
AP307 (P)2023 Aparté/Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

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モーツァルト:交響曲第29番,第40番
モーツァルト:オーボエ協奏曲ハ長調K.314
イワン・ポディヨーモフ (Oboe)
マキシム・エメリャニチェフ指揮/イル・ポモ・ドーロ
2023年2月9-11日 パドヴァ,サラ・デッラ・カリタ
AP328 (P)2023 Aparté/Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

指揮者のマキシム・エメリャニチェフは30歳代半ば,ロシア出身の若手で,ピアニストとしても活躍されているようです。収録されているピアノ協奏曲でもソロを担当しています。イル・ポモ・ドーロはスイス国籍でイタリアを本拠地とする2012年設立の古楽オーケストラで,世界中のピリオド楽器の名手で構成されているとのことです。この顔合わせによるモーツァルトの交響曲全集の第1弾と第2弾です。

ピリオド楽器のオーケストラですが,ピリオド楽器の音色を活かしつつ現代的かつスマートに洗練された演奏を聴かせてくれます。テンポも速めで颯爽としているところも良いと思います。

録音ですが,どちらも残響が多めでまとわりつきが気になります。特に第1番,第41番を収録した方は残響時間も長く直接音よりも残響成分の方が主で,しかも低域の響きも多いためとても気になります。ただそれぞれの楽器の直接音も聴き取れるので,残響量が多い割には我慢の範囲かなとは思います。第29番,第40番の方は直接音比率がやや高いので,ギリギリですが好録音と言っても良いかなと思いました。

ということで,楽しみな全集プロジェクトがスタートしました。録音はせめて第2弾くらいにはして欲しいところです。

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます

本年もまたたくさんの素晴らしい音楽と巡り逢える
喜びに満ちた一年になりますよう
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
令和六年 元旦

本ブログは開設から約14年半,姉妹サイトのCD試聴記は約21年半になりました。

CD試聴記は約5年間更新が止まっていましたが,昨年夏にようやく再開できました。その後の更新は滞り気味ですが,ゆっくり続けていきたいと思います。ブログの方も少しずつ更新してきますので,今後とも気長にお付き合いいただければうれしく存じます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

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