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ホルスト:組曲「惑星」,エルガー:エニグマ変奏曲(ベルナルト・ハイティンク指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ホルスト:組曲「惑星」作品32
エルガー:エニグマ変奏曲作品36
ベルナルト・ハイティンク指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
1970年3月18,19日 ロンドン,ウェンブリー・タウンホール
1972年5月8日 ロンドン,ウォルサムストウ・アッセンブリーホール
PROC-2243 (P)1970/1974 Universal International Music (国内盤)
TOWER RECORDS Vintage Collection +plus The Art of Bernard Haitink Vol. 1
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records

タワーレコード企画盤。PHILIPS録音。2019年の復刻盤。「本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル化を行ったマスター音源を使用」ということです。今回は録音についてのみコメントします。

その録音ですが,残響は控えめでほぼ気になりません。各楽器をクッキリと明瞭に捉えていて,やや誇張された不自然さはあるものの,分離感があり見通しも良いので聴いていて楽しいです。こういうところは往年のPHILIPS録音という感じがします。一方で,音色がややキツく独特の癖があり,歪みっぽく耳障りなところがあります。1970年の録音にしては粗くクオリティが今ひとつという感じがします。音の捉え方自体は良いので好録音としましたが,少し引っかかるところが残ります。惜しいと思います。

ケルテス指揮ウィーン・フィルのドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」...再び

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ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲,交響詩「モルダウ」
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(5曲)
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
1961年3月22-24日 ウィーン,ゾフィエンザール
1962年3月25日-4月30日 テルアヴィヴ
PROC-2398 (P)1961/1963 Decca Music Group (国内盤)
TOWER RECORDS Vintage SA-CD Collection Vol. 33 (2023年リマスタリング)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤。ドヴォルザークの交響曲第9番のみのコメントです。このディスクについては過去2買い取り上げていました(1回目,2回目)。昨年末にタワーレコードの企画盤として2023年の最新リマスタリング盤が発売になりましたので,改めて聴いてみました。

録音については過去取り上げてきたとおりの素晴らしさで評価は変わりません。多くの方が認めておられる優秀な録音と思っていますが,現代の多くの録音では見習われていないですよね。残念なことです。

なお,やはり古い録音なので,最新リマスタリングとはいえ音色の古さ,クオリティは時代なりと思います。この点ご承知おきください。

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第4番,M. ハイドン:ヴィオラとチェンバロのための協奏曲(寺神戸亮/天野乃里子/「バロックの真珠たち」室内合奏団)

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ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第4番ト長調
M. ハイドン:ヴィオラとチェンバロのための協奏曲ハ長調
寺神戸 亮(Violin),天野乃里子(Cembalo)
「バロックの真珠たち」室内合奏団

2022年9月19-21日 オランダ,ハールレム,ドープスゲジンデ教会
CC72983 (P)(C)2023 Challenge Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

オランダで活躍する日本人が多数参加された演奏(参加者は参考のサイトをご参照ください)。バックの団体名は"Pearls in Baroque Chamber Orchestra"を「バロックの真珠たち」室内合奏団と翻訳されているようです。

ヴァイオリン協奏曲は寺神戸さんの丁寧で柔らかな演奏が印象的です。なのですが,このディスク,録音が残響過多です。まるで銭湯で聴いているかのような録音です。残響時間が長く楽器音にモロに被って鬱陶しいことこの上ありません。低域の残響のエネルギーが多く締まりがないのも良くないです。ただ高域がしっかり抜けよく聴こえるので,残響が許せる方には悪くない録音かもしれません。私は申し訳ありませんがこれは聴くに堪えません。せっかくの寺神戸さんの素晴らしい演奏なのに残念でなりません。今後の録音では残響の取り入れ方をぜひ見直していただけたらと思います。

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番,第4番,他(トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー/フランツ・ショットキー指揮/ミュンヘン・カンマーフィルハーモニー・ダカーポ)

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ヴァイオリン協奏曲第1番,第4番
ヴァイオリン,鍵盤楽器と弦楽オーケストラのための二重協奏曲
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー Thomas Albertus Irnberger (Violin)
フランツ・ショットキー指揮/ミュンヘン・カンマーフィルハーモニー・ダカーポ
2022年3月15-17日, 5月31日-6月1日 オーストリア,オーバーエスターライヒ州,Stift St.Florian、Garten-Saal and Altomonte-Saal
Gramola 99308 (P)(C)2023 Gramola (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

イルンベルガーはオーストリア,ザルツブルク出身で1985年生まれの中堅ヴァイオリニスト。私は知らなかったのですが,Gramolaレーベルに数多くの録音を残しておられるようです。

このハイドンのヴァイオリン協奏曲ですが,なんというか,様式なんて関係ない,俺が様式だ!という声が聞こえてきそうで,実際,演奏者の思うがままのスタイルという感じです。これはこれで面白いのですが,昨今のこの時代の曲の演奏としては我が道を行くクセ強の演奏に思いました。

録音ですが,残響が少し多めでソロの音色にも影響しています。スッキリしません。録音としては残念ながらあまり魅力がありませんでした。

Whispering Woods (ナディア・ビルケンシュトック)(ケルティックハープ)

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Whispering Woods
ナディア・ビルケンシュトック Nadia Birkenstock (Celtic Harp)
3510376.2 (P)(C)2019 Laika-Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ナディア・ビルケンシュトックは北西ドイツ・ゾーリンゲン出身のケルティックハープ奏者。ケルティックハープはとても好きな楽器なのですが,あまり詳しくは知りません。このハープ奏者の音楽は初めて聴いたのですが,透明で美しい心洗われる音楽に惹かれました。いつまでもこの音に浸っていたい,そんな気持ちになります。

録音は若干の残響を伴っていますが,楽器の素朴な音色を素直に捉えていると思います。個人的にはもう少し残響を抑えて直接音的に録って欲しいと思いますが,これでもまずまず良好と言えると思います。

このハープ奏者のディスクは他にもリリースされているようなのでもっと聴いてみようと思います。あとYouTube動画も公開されているので以下紹介します。動画では肩かけが出来る小型の楽器が使用されていますね。





シベリウス:交響曲第4番,森の精,悲しきワルツ(サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮/エーテボリ交響楽団)

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シベリウス:交響曲第4番イ短調作品63
森の精作品15
悲しきワルツ作品44
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮/エーテボリ交響楽団
2021年11月, 2023年3月, 2022年6月スウェーデン,エーテボリ・コンサート・ホール
ALPHA 1008 (P)(C)2023 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

ロウヴァリ指揮/エーテボリ響のシベリウスは今まで第1番,第2番,第3番,第5番を取り上げてきました。これが第四弾になります。

シベリウスの第4番は私としては最も取っつきにくかった作品ですが,最近ようやく抵抗なく聴けるようになってきました。第三楽章まではひたすらモノトーンの世界が続き,第四楽章でようやく色が差してくるという印象の曲で,この演奏でもその印象は変わりません。第三弾までの演奏が比較的ダイナミックに表現されてきたと思うのですが,この演奏ではダイナミックさはあれどどこか淡々としたところがあり,モノトーンの階調が繊細にコントロールされているイメージでした。第4番をより強く印象づける演奏だと感じました。

録音ですが,基本的には今までの録音と統一感があります。ただ曲が曲なので少しくすんだように聴こえます。良いという感じがあまりしないのですが,悪くないと思います。(変なコメントですみません)

シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43(沖澤のどか指揮/読売日本交響楽団)

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シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
沖澤のどか指揮/読売日本交響楽団
2021年10月9,10日 東京芸術劇場
COCQ85619 (P)(C)2023 日本コロムビア (国内盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

2018年東京国際音楽コンクール優勝,2019年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝,その後内外の著名なオーケストラとの競演で注目を集める若手指揮者のデビュー盤。この有名な名曲をスケールの大きい雄大な表現で聴かせてくれますね。

で,私がこのディスクを取り上げたのはその録音の良さです。残響が適度に抑えられている点はもちろんですが,音色に癖がなくスッキリしていること,各楽器に適度にフォーカス,誇張され聴きやすく捉えられていること,飽和感のないフォルテの鳴り感が素晴らしいこと(おそらく波形のピークを抑えつつ音量確保する処理がなされていると思います),弦楽器の質感が良く好ましいこと,など,好きな点が多いです。こういう録音は聴いていて本当に楽しいです。一方やや誇張した音作りになっているので,ホールの自然な音響からは少し外れているかもしれません。ですので,人により評価は分かれるかもしれません。

演奏も録音も良かったので,今後のリリースにも期待したいと思います。

ブルックナー:交響曲第2番 (1872年 第1稿 キャラガン版)(マルクス・ポシュナー指揮/ウィーン放送交響楽団)

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ブルックナー:交響曲第2番 (1872年 第1稿 キャラガン版)
マルクス・ポシュナー指揮/ウィーン放送交響楽団
2023年4月11,12,14日 ウィーン,放送文化会館
C8093 (P)(C)2024 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

2024年のブルックナーの生誕200年にあたり,これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画「#bruckner2024」の第12弾。これまで第11弾まで取り上げてきました(下記リスト参照)。この企画ではリンツ・ブルックナー管弦楽団とウィーン放送交響楽団が起用されていますが,今回はウィーン放送交響楽団です。

毎回のことですが...この第2番も今まであまり聴いてこなかった曲なのでこの機会にじっくり聴いてみたいと思います。

録音についてもこれまでと同様で,シリーズとして今まで発売されてきたものと基本的には統一感があります。ホールトーンを多めに取り入れているのですがもう少し抑え気味してほしいとは思うものの,良好な部類には入ると思いましたので四つ星半の好録音としました。

これまでに発売されてきたものと今後予定されているものを挙げておきます。解説書のリストと指揮者のポシュナー氏のWebサイトも参考にしています。全部で19のバージョンのリリースが予定されています。次の第13弾は第3番(1889年 第3稿 ノヴァーク版)のようです。

【#bruckner2024】
[未]交響曲第00番 (1863年 ノヴァーク版)
交響曲第0番(1869年 ノヴァーク版)
交響曲第1番 (1868年 第1稿 レーダー版)
[未]交響曲第1番 (1891年)
[今回]交響曲第2番(1872年 第1稿 キャラガン版)
交響曲第2番(1877年 第2稿/ホークショー版)
交響曲第3番(1873年 初稿/ノヴァーク版)
[未]交響曲第3番 (1877年 ノヴァーク版)
[次]交響曲第3番 (1889年 ノヴァーク版)
交響曲第4番(1876年 第1稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878-80年 第2稿 コーストヴェット版)
交響曲第4番(1878年稿フィナーレ「民衆の祭り」
交響曲第4番(1888年 第3稿 コーストヴェット版)
交響曲第5番 (1878年 ノヴァーク版)
交響曲第6番 (1881年)
[未]交響曲第7番 (1883年)
交響曲第8番(1887年 第1稿 ホークショー版)
交響曲第8番(1890年 ノーヴァク版)
[未]交響曲第9番 (1894年 ノヴァーク版)

チャイコフスキー:交響曲第5番,第6番「悲愴」(マルクス・ポシュナー指揮/スイス・イタリア語放送管弦楽団)

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チャイコフスキー:交響曲第5番,第6番「悲愴」
マルクス・ポシュナー指揮/スイス・イタリア語放送管弦楽団
2021年8月, 2022年10月 スイス,ルガーノ,オーディトリオ・ステリオ・モロ・スタジオ
CD 50-3104/05 (P)(C)2024 Claves Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,amazon music,HMV Onlineicon,Apple Music

2024年のブルックナーの生誕200年にあたり,これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画「#bruckner2024」を推進しているマルクス・ポシュナーが,2015年より首席指揮者を務めるスイス・イタリア語放送管弦楽団と録音したチャイコフスキーです。演奏はノーマルというかオーソドックスかなと思います。オーケストラのキャラクターなのかもしれませんが大人しい感じがするので刺激的な演奏を求める人には物足りないかもしれません。

録音ですが,残響は少なめで演出感が少なくこの点では良いのですが,今ひとつ音に伸びがなく高域のヌケ感も今ひとつです。悪くはないのですが,好録音と言うには少し物足りませんでした。

メディアの発売は2024年3月上旬を予定されているようですが,Apple Musicではすでにリリースされているので聴いてみました。で,チャイコフスキー交響曲第5番の第4楽章で気になることがありました。タイムでいうと7:52あたり,楽譜を確認すると472小節目のModerato assai e molto maestosoが始まるところなのですが,木管の三連符にのせて弦楽器が主題のメロディーを演奏するところのはずが,490小節目のトランペットの旋律から始まっています。18小節抜けているように思います。すごく良いところなのにここがカットされているのはなぜなのか,疑問です。入り方も少し違和感があるので,編集でカットされたのではないかと推測します。理由はわかりませんがこれはちょっといただけません。

なお,私が最初に聴いたときには第4楽章が終わったと思ったら最後の数小節が再度再生されるという明らかな編集ミスがありましたが,これは現在は修正されていました。

発売されるメディアでもカットされているかどうかはわかりませんが,ご購入を検討されている方はカットされているかもしれないということをご考慮されてはと思います。

(記2024/2/4)



第5番第4楽章のカットについてSNSで早速情報をいただきました。有り難うございました。

チャイコフスキー自身による第4楽章の改訂(Wikipedia)

Clavesの商品サイトで公開されている解説書を確認したところ,Breitkopf&Härtelから出版されているChristoph Flamm編のCritical editionを使用されているようです。Critical editionというのは,Wikipediaによると,批判校訂版のことで,原典版のことをこのように呼ぶこともあるということです。

詳しくは上記の記事を参考にしていただきたいのですが,チャイコフスキー自身がハンブルグ初演で行ったカットの情報を指揮者のメンゲルベルクがチャイコフスキーの弟のモデストから聞き改変を行ったとのことで,フラムが校訂したスコアはこのメンゲルベルクの改変を取り入れている,ということです。

(記2024/2/4)

タグ: [交響曲] 

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