シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(初期バージョン/現行版)(佐藤まどか(Vn)/フォルケ・グラスベック(P))

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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(初期バージョン/現行版)
『シベリウス・エディション VOL.6 ~ヴァイオリンとピアノのための作品全集~』より
佐藤まどか(Violin) フォルケ・グラスベック(Piano)
Recorded in June 2008 at the Kuusankoski Concert Hall, Finland
BIS-CD-1915/17 (P)1991-2008 (C)2008 BIS REcords AB (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(ヴァイオリン協奏曲のみ)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store

『シベリウス・エディション VOL.6 ~ヴァイオリンとピアノのための作品全集~』というBISレーベルの企画BOXセットに収録されているものです。このディスクは以前一度レビューしていました(→こちら)。少し前に新田ユリさんの『ポホヨラの調べ 指揮者がいざなう北欧音楽の森』のヴァイオリン協奏曲の章を読んで,初期バージョンを聴きたくなって取り出してきました。初期バージョンと現行版との違いについてはこの本に記載がありますのでご参照いただければと思います。(この本には2015年6月にマキシム・ヴェンゲーロフ氏のヴァイオリン,東京フィルハーモニー交響楽団との共演で初期バージョンに取り組む,と記載されていました。6月1日に演奏されたようですね。)

佐藤まどかさんのこのピアノ伴奏版の演奏は,このシベリウス・エディションのために録音されたもののようです。このピアノ版は作曲者自身の手によるもの(第1楽章はKalevi Ahoが2007年に補筆完成)のようで,それでこの「ヴァイオリンとピアノのための作品全集」に収録されたのだと思います。そしてこの佐藤まどかさんの演奏が大変素晴らしくて感動ものなのです。技術的な巧さはもちろんのこと,個性よりもこの曲の普遍的な魅力を純粋に表現することを優先して力を注いだこの姿勢が,資料的な価値と芸術的な価値の両立を達成することに成功していると思います。

そしてこの録音がまた良いのです。残響を抑え,ヴァイオリンの音色を明瞭に,質感豊かに捉えているのです。この演奏の資料的・芸術的価値を高めることに貢献しています。

初期バージョンが収録されたディスクは,レオニダス・カヴァコスのヴァイオリン,オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団のものがありますが,残念なことに録音が全く良くなく,とてももったいなく残念な思いをしましたが,こちらは期待に応えてくれる素晴らしいものでした。オーケストラ版も録音してくれたら良いのに,と心底思います(もちろん好録音で!)。

なお,この5枚組のセットには普段あまり接する機会の少ないヴァイオリンとピアノのための作品が網羅されていますが,あまり録音が良くなく楽しめないのが残念です。BISの録音は私にはどうも合わないようです。

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