エレニ・カラインドルー:トロイアの女たち(舞台音楽)

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エレニ・カラインドルー:トロイアの女たち
UCCE-2017 (ECM 1810) (P)(C)2002 ECM Records (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpTower RecordsHMV Onlineicon

当ブログの「クラシックの録音における残響の問題について」のエントリーのコメントでご紹介いただいたディスクです。

映画音楽などを手がけてきたエレニ・カラインドルーが,古代ギリシャのエウリピデス作の悲劇「トロイアの女たち」の新演出版用に作曲した舞台音楽とのことです。ギリシャや地中海の民族楽器が使用され,女声コーラスも入ります。エスニックでもの悲しい雰囲気の音楽です。

さて録音なのですが,この録音自体が「舞台音楽」という芸術作品として制作されているように思いました。まるで映画音楽のように演出され,その音響効果によって演劇の心理描写を強力にサポートしてるかのようです。それぞれの楽器は極めてクリアなのですが,(人工的に?)アンビエント効果が大きく付加されています。その録音会場の雰囲気を再現するのではなく,その演劇への心理的没入感を増すための演出のように思いました。

クラシック音楽の録音としてこのような演出はしないと思いますが,録音自体のクオリティは非常に高く,また,アンビエント,残響を含めたトータルの芸術的音作りが素晴らしいと思いました。このような音響を体験する貴重な機会をいただきました。ご紹介くださった方に感謝いたします。

なお,このディスク自体は残念ながらすでに廃盤で入手しづらいようです。

■ この記事へのコメント

こんにちは。
何処の馬の骨ともわからぬ者の突飛な申し入れを態々ご購入までされれて取り上げて頂き恐縮です。
クラシックジャンルに、こういう変な音楽を持ち込むこと自体ミスジャッジなのかも知れないと云う危惧はありましたが、路傍の石さながらに消えてしまうであろう営でしかないと断じるには忍びない気持ちからでありました。
作品「トロイアの女たち」そのものは私もまったく知らないもので、きっかけは昔あったミュージックバードという衛星放送のクラシックジャンル受信で偶然耳にした音楽でした。

T.Sさんのご指摘、
>まるで映画音楽のように演出され,その音響効果によって演劇の心理描写を強力にサポートしてるかのようです。

まさにその通りだと思います。厳密にクラシックというカテゴリーの定義を考えた事はありませんが、そういう篩があるとすれば、その網目からは洩れ落ちるものでしかないと私も感じております。
ため息と同じように、断片的なモチーフが形式も秩序も無く並んでいるだけのものと思います。

>その演劇への心理的没入感を増すための演出....
はい、私はその演出にまんまとやられたという事でした(笑)
聴いたことの無い楽器の音、素人っぽい女声合唱の雰囲気、大きさ不明の太鼓を指で叩く感触の意味も無いリズム・・・
これらが楽器の発する「音」そのものへの関心が強い私のオーディオ的アンテナへの入力でありました。別な見方をすれば、いわば本能的未発達の聴覚と大脳の反応でしかなかったかも知れませんね。
因みに、オーディオ機器の調整時にはこのdiskがけっこう重宝なのですー笑。
真摯に向き合っていただきまして感謝いたしております。有り難うございました。
2016.02.07 at 18:45 #- URL [Edit]
T.S.
こんにちは。コメント有り難うございます。
このディスクは,その音楽を楽しめるかどうかは個人の好き嫌いがありますから難しい面がありますが(笑),録音に関しては間違いなく優秀ですし楽しめますよね。オーディオ機器の調整に使われるというのもよくわかります。こちらこそ有り難うございました。
2016.02.08 at 20:12 #- URL [Edit]

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