エントリーモデルのヘッドホンでもう少し良い音で音楽を楽しみたい ~ Sony MDR-ZX310の場合

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知り合いから,音質があまり好きになれないのだけど...と相談を受けたSony MDR-ZX310。そう言われてもなぁ,どうしようもない,と思いつつ借りて聴いてみました。実売が2,300円前後というエントリーモデルなので音質は目をつぶらざるを得ません。低音は良く出ているものの,高域の伸びが全くなく,モゴモゴする音質です。

いつもの通り,測定をしてみました(測定方法はこちら)。下記の図で,青線が1mW入力時の音圧周波数特性です(橙線が2次歪,黄緑線が3次歪,インピーダンスは割愛)。確かに伸びがなくモゴモゴするような特性です。

fq_resp_sony_mdr-zx310.png


ではどうするか。製品としてのクオリティが良くなるわけではありませんが,周波数特性を改善してやれば少しでも聴きやすくなるだろうということで,イコライザーを使って周波数特性を整えてみました。使用したのはOnkyoのHF Player。これにはグラフィック・イコライザー機能がありますので,これを使いました。

周波数特性を見ながらフラットになるように大まかにイコライザを設定し,あとは聴感で微調整しました。次図が調整したHF Playerのイコライザー設定です。メモリがないのでわかりにくいですが,±10dBの範囲で設定が出来るようになっています。4kHz以上を大きく持ち上げることによって高域特性を改善しフラット化するとともに,モゴモゴ感の原因となっている500~1kHzを少し落としています。

hf_player_eq_for_zx310.png


HF Playerで再生したときの特性も確認しました。次図において,青線がイコライザーOFF,赤線がイコライザーONです。HF Playerでホワイトノイズを再生し,Wave Spectraで300回平均測定しました。

fq_resp_sony_mdr-zx310_eqon.png


帯域バランスが大きく改善され,軽いドンシャリ特性となり,だいぶ聴きやすくなりました。まあ少し過補正気味かもしれません。音がドライで硬くなりました。調整量を半分くらいにしても効果は十分に感じられたので,それくらいにしておいた方が良いかもしれません。なお,イコライザーでプラス方向に調整するとクリップして音が歪む場合があるので,プラス方向に大きく調整したときは全体の音量を少し下げた方が良いかもしれません。

これだけ大きな信号処理を加えることには若干の抵抗を感じますが,モゴモゴした音で聴き続けるよりはずっと良いと思いました。ただ,測定データなしで聴感だけに頼って適切に調整するのはかなり難しいと感じました。モゴモゴした音を改善したい場合には,4kHz以上をプラスに持ち上げ,500~1kHzを少し下げる調整をしてみて,あとは好みに合わせて少しずつ調整を重ねていく,というところでしょうか。こればかりはヘッドホン毎に特性が異なるため何とも言えませんが。

タグ: [ヘッドホン] 

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